JPH0745448A - 絶縁トランス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子機器に用いる絶縁電源トランスの一次側
と二次側に入れる作業性の悪い、絶縁バリアテ−プをな
くし、生産効率のよい絶縁電源トランスをえる。 【構成】 複数の表面に自己融着層を設けた３層に絶縁
された絶縁導線を固着成形し、一端にフランジのないボ
ビンに装着し、ＥＥ形、或いはＥＩかあ板を装着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電子機器に使用する１次
側コイルと２次側コイルを絶縁する絶縁トランスに関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の１次側コイルと２次側コイルを絶
縁する絶縁トランスの１例を図５、図６を参照して説明
する。１次側コイルと２次側コイルのあいだの絶縁距離
を得るため、一端にフランジ１２ａと、他端に端子１３
を備えた端子板１２ｂを設けた筒状ボビン１２のフラン
ジ１２ａに沿わせ、絶縁バリアテ−プ１６ａと，端子板
１２ｂに沿わせて絶縁バリアテ−プ１６ｂを巻く。

【０００３】この絶縁バリアテ−プ１６ａ、１６ｂの間
の筒状ボビン１２に１次コイル１４ａを所定回数巻き、
この絶縁バリアテ−プ１６ａ、１６ｂと１次コイル１４
ａ上に所定の幅を持つ絶縁テ−プ１７を、所定回数巻
く。この前記絶縁テ−プ１７上に前記フランジ１２ｂに
沿わせ絶縁バリア−テテ−プ１６ｃをそれぞれ沿わせ、
絶縁バリアテ−プ１６ｂを前記端子板１２ｂに沿わせ、
絶縁バリアテ−プ１６ｄをそれぞれ所定回数まく。

【０００４】また２次コイル１４ｂとＥＥ形、或いはＥ
Ｉ形コアとの絶縁のため、この２次コイルと、前記フラ
ンジ１２ａに沿わせて巻いた絶縁バリアテ−プ１６ｃ、
及び端子板１２ｂに沿わせて巻いた絶縁バリアテ−プ１
６ｄのうえに外装絶縁テ−プ１６ｂを巻く。

【０００５】これにより１次コイル１４ａと２次コイル
１４ｂ、２次コイル１４ｂとＥＥ形、或いはＥＩ形コア
との絶縁は前記バリアテ−プ及び絶縁テ−プにより絶縁
距離を確保している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】この上記に示すように
従来の絶縁トランス１１は、所定の幅を持つ絶縁バリア
テ−プ１６ａ、１６ｂにより１次コイル１４ａと２次コ
イル１４ｂ間、及び２次コイル１４ｂとＥＥ形、或いは
ＥＩ形コア１５間の絶縁距離はボビン１２の大きさに関
わらず、絶縁バリアテ−プ１６ａ、１６ｂの幅は同じ幅
が必要である。

【０００７】このため小形の絶縁トランス１１では、１
次コイル１４ａと２次コイル１４ｂ間の絶縁距離を設け
るために前記絶縁バリアテ−プ１６ａ、１６ｂの幅が変
わらないにもかかわらず、ボビン１２のフランジ１２ａ
と端子板１２ｂの間隔が狭くなり、ボビン１２のフラン
ジ１２ａと端子板１２ｂの間隔は、少なくとも前記ボビ
ン１２の上端に設けたフランジ１２ａに沿わせて巻いた
絶縁バリアテ−プ１６ｂの幅と、ボビン下端に設けた端
子板１２ｂに沿わせて巻いた絶縁バリアテ−プ１６ａの
幅とを加えた幅が絶縁バリアテ−プの幅より狭い絶縁ト
ランスが作ることが出来なかった。本発明は、幅を広く
必要とする前記絶縁バリアテ−プを用いずに、コイル間
を絶縁する小形絶縁トランスである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、３層の絶縁皮膜を有する自己融着導線を所
定の幅であらかじめ形成されたコイルを複数個設け、こ
のコイルを端子を備えたボビンに装着し、断面がＥＥ
形、或いはＥＩ形コアを前記コイルを装着したボビンに
取り付けた絶縁トランスである。

【０００９】また他の絶縁構造として、３層に絶縁され
た自己融着導線を所定の幅であらかじめ形成されたコイ
ルと、自己融着ポリウレタン導線を所定の幅であらかじ
め形成されたコイルをボビンに装着することによりコイ
ル間を絶縁してもよい。

【００１０】

【実施例】次に本発明の一実施例を図面を参照し、説明
する。図１は発明の絶縁トランスの構造を示す側面断面
図であり、図２ａこの絶縁トランスに用いる３層に絶縁
され、その上に自己融着層を設けた導線を示す図であ
り、図２ｂは図２ａに示す導線を多層に巻線し、アルコ
−ル処理、或いは熱処理等により固着形成したコイルを
示す図である。

【００１１】この前記固着形成されたコイル４をそれぞ
れ所定の導線径、巻数、巻幅により複数のコイル４ａ、
４ｂ、４ｃ、４ｄ等を設け、図３に示すようにボビン２
に挿入し、端子板２ａに設けた端子３に接続する。この
コイル４ａ、４ｂ、４ｃ、４ｄを装着したボビン２にＥ
Ｅ形、或いはＥＩ形コア５を挿入する。このようにそれ
ぞれの絶縁トランスの作成する作業が分割され、効率の
よい生産が可能になる。

【００１２】また、絶縁トランスにおいて、１次側巻線
に前記３層の絶縁皮膜を有する自己融着導線６により巻
線し、アルコ−ル処理、或いは熱処理等により固着成形
したコイル４と、２次側巻線に図２ｃに示す一般に用い
られる自己融着ポリウレタン導線により１次コイルと同
様に処理を行い巻線固着成形したコイル４と組合せ、絶
縁トランスを形成してもよい。これにより３層の絶縁皮
膜を有する自己融着導線と、自己融着ポリウレタン導線
が用いられ、安価に製造が可能である。

【００１３】また、コイル４の巻線固着成形においては
特開昭６２−１９９００８号公報に示されるように、巻
始めのリ−ド線と巻始めのリ−ド線をともに巻線固着成
形したコイル４の最上層より引き出すことにより、コイ
ル４、４を複数個前記ボビン２に装着しても巻始めのリ
−ド線が、コイル４、コイル４間に通らず最上層より引
き出されるのでボビン２に装着されたコイル４、コイル
４間が密着し、コイル４、コイル４間の結合がよく、性
能のよい絶縁トランス１が得られる。なお、本発明に使
用する導線は銅線、或いはアルミ線を用いても同じ効果
が得られる。

【００１４】

【発明の効果】本発明は上記に示す構成であり、以下に
示す効果がある。従来の絶縁トランスのような絶縁バリ
アテ−プを必要とせず、また、上部フランジが不要で、
これにより、ボビンの巻面積を充分に取ることが出来、
コイル間の結合がよく、性能のよい絶縁トランスを得る
ことが出来る。

【００１５】３層絶縁導線により巻線固着成形したコイ
ル４がボビン２に装着されているので、コイル４は外装
に絶縁テ−プ処理を行う必要がなく、また、１次側コイ
ルに３層絶縁導線により巻線固着成形したコイルを用
い、２次側コイルに自己融着ポリウレタン導線を用い、
コアを２次側コイルと同電位と見ることにより、コイル
４は外装に絶縁テ−プ処理を行う必要がなく、本発明の
絶縁トランスを製造することが出来、安価な性能のよい
絶縁トランスの供給が可能である。

【００１６】また、あらかじめコイルを標準に作成する
ことが出来るため、製造コストを下げることが出来、こ
れにより安価な性能のよい絶縁トランスの供給が可能で
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の絶縁トランスの側面断面図である。

【図２ａ】本発明に用いる絶縁導線の断面図である。

【図２ｂ】本発明の絶縁トランスに用いる自己融着絶縁
導線により成形したコイルの片側半分を示す断面図であ
る。

【図２ｃ】本発明の絶縁トランスに用いる自己融着ポリ
ウレタン導線を成形したコイルの片側半分を示すの断面
図である。

【図３】本発明の絶縁トランスのボビンとコイルを分解
した斜視図である。

【図４】本発明の一実施例のコイルの構造を示す断面図
である。

【図５】従来の絶縁トランスの構造を示す側面断面図で
ある。

【図６】従来の絶縁トランスの一部拡大断面図である。

【符号の説明】

１ トランス ２ ボビン ３ 端子 ４ コイル ５ コア ６ 導線

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ３層の絶縁膜を有する自己融着導線を所
   定の幅であらかじめ形成されたコイルを複数個設け、こ
   のコイルを端子を備えたボビンに装着し、断面がＥＥ
   形、或いはＥＩ形コアを前記コイルを装着したボビンに
   取り付けた構成よりなる絶縁トランス。
2. 【請求項２】 ３層の絶縁膜を有する自己融着導線を所
   定の幅であらかじめ形成されたコイルと、自己融着ポリ
   ウレタン導線を所定の幅であらかじめ形成されたコイル
   をれぞれ１個以上ボビンに装着する請求項１記載の絶縁
   トランス。
3. 【請求項３】 成形されたコイルの巻き始めと、巻き終
   わりのリ−ド線がそれぞれ成形されたコイルの最上層よ
   り引き出す請求項１、又は請求項２記載の絶縁トラン
   ス。
4. 【請求項４】 端子板に、あらかじめ形成されたコイル
   を積み重ねた請求項１、請求項２、又は請求項３記載の
   絶縁トランス。