JPH0742875Y2 - エアバツグ用カバー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は自動車のステアリングホイール等に取り付けら
れるエアバツグ用のカバーに関する。

［従来の技術］ 自動車のステアリングホイールに取り付けられるエアバ
ツグでは、車両急減速時等にバツグを膨らませてステア
リングホイールと乗員との間に介在させるようになって
いる。

この種のエアバツグでは、バツグはベースプレートへ折
り畳んだ状態で取り付けられ、通常はカバーで覆われて
カバーとベースプレートとの間に格納されている。ベー
スプレートはステアリングホイールへ押込可能に支持さ
れ、通常はホーンのスイツチとして作用されるようにな
っているものがある。すなわち、通常はカバーを押し込
むことによりホーンを鳴らせるようになっている。カバ
ーには周囲に枠状の芯金が埋設されて剛性が高められ、
押込時に所定の押込量でホーンを鳴らせるようになって
いる。

しかしながら、カバーには本体部の周囲からステアリン
グホイールのスポークに対応して耳部が突出する構造の
ものがあり、この場合には芯金による剛性が耳部まで及
ばず、耳部の剛性が低くなっている。このため、耳部を
押し込んでホーンを鳴らす場合には、耳部の剛性が低い
ことを考慮して深く押し込む必要があった。

［考案が解決しようとする問題点］ 本考案は上記事実を考慮し、本体部の周囲から耳部が突
出するエアバツグ用カバーであって、従来よりも広い範
囲に亘って高剛性とすることができるエアバツグ用カバ
ーを得ることが目的である。

［問題点を解決するための手段］ 本考案に係るエアバツグ用カバーは、ステアリングホイ
ールと相対移動可能に配置されると共に、ベースとの間
にバツグを折り畳んだ状態で格納する本体部の周囲から
ステアリングホイールのスポークに対応する耳部が突出
され、前記ステアリングホイールに対して前記本体部及
び耳部が一体的に相対移動することによりホーンを作動
させるエアバツグ用カバーであって、本体部の周囲に枠
状の主芯金を埋設するとともに主芯金に固定された副芯
金を耳部に埋設したことを特徴としている。

［作用］ 上記構成の本考案では、主芯金により本体部が高剛性と
されるとともに副芯金により耳部が高剛性とされ、本体
部から耳部にかけて広い範囲に亘って高剛性とされる。

［実施例］ 第１図から第４図には、本考案に係るエアバツグ用カバ
ーの実施例が適用されたエアバツグ10が示されている。

エアバツグ10は第４図に示される如く、ベースプレート
12がステアリングホイール14のハブ14Aに平行に支持さ
れている。

ベースプレート12は第２図に示される如く基板部12Aの
周囲に基板部12Aと略直角なフランジ12Bが互いに対向し
て一対形成されて反乗員側（第４図下側）への突出部と
なっているとともに、これらのフランジ12Bを結ぶ直線
と直交する方向にそれぞれ傾斜部12Cに結合されて基板
部12Aと平行なフランジ12Dが形成されて乗員側（第４図
上側）への突出部となっている。

このベースプレート12には、バツグ16、インフレータ1
8、プレート22及び本考案に係るカバー24が取り付けら
れている。

バツグ16はベースプレート12の乗員側（第４図上側）に
折り畳まれた状態で配置されている。このバツグ16は開
口側の縁がベースプレート12の基板部12Aの略中央部に
リングプレート25を介して取り付けられている。リング
プレート25は図示しないボルトでベースプレート12の基
板部12Aに締め付けられバツグ16の開口側の縁を基板部1
2Aに押し付けている。

インフレータ18は円柱状で、ベースプレート12の基板部
12Aの略中央部に貫通されてバツグ16に挿入された状態
で配置されている。インフレータ18には外周にフランジ
18Aが形成され図示しないボルトで基板部12Aの反乗員側
（第４図下側）の面に固着されている。

このインフレータ18は図示しない加速度センサにより車
両急減速時に作動されてガスをバツグ16内に送り込み、
バツグ16を膨張させるようになっている。

プレート22はベースプレート12とステアリングホイール
14のハブ14Aとの間に配置され、ボルト36、ナツト38を
介してベースプレート12の傾斜部12Cに接合固着されて
いるとともに段付ボルト44を介してハブ14Aに接離可能
に支持されている。段付ボルト44には圧縮コイルばね46
（第２図に図示）が巻装されてプレート22をハブ14Aか
ら離れる方向へ付勢しており、この付勢力でプレート22
がハブ14Aから離れた位置に支持されている。このプレ
ート22は圧縮コイルばね46の付勢力に抗して押し込まれ
た時にハブ14Aから突出された固定電極48（第２図に図
示）と接触されるようになっており、固定電極48とで図
示しないホーンのスイツチとして作用されるようになっ
ている。

カバー24は柔軟に変形可能な材料、例えばウレタンで形
成されている。このカバー24はベースプレート12の乗員
側（第４図上側）に配置され、ベースプレート12との間
にバツグ16を格納している。このカバー24には、ベース
プレート12との対向部に薄肉部50（第３図にも図示）が
形成され、バツグ膨張時にはこの薄肉部50で破断されて
展開されるようになっている。また、カバー24は通常時
はホーン作動部として作用されるようになっている。す
なわち、ホーンを鳴らすときには、カバー24が加圧され
て押し込まれ、この押込により圧縮コイルばね46の付勢
力に抗してプレート22が固定電極48と接触される。

このカバー24は乗員側（第４図上側）からみると、第３
図に示される如く本体部24Aの周囲からステアリングホ
イール14のスポーク14Bに対応して耳部24Bが突出され、
ホーン作動時には本体部24A又は耳部24Bが押し込まれる
ようになっている。

このカバー24の内部には、第１図に示される如くインサ
ート成形等により本体部24Aに主芯金52が埋設されてい
るとともに耳部24Bに副芯金56が埋設されている。

主芯金52は第２図に示される如く２個のコ字型プレート
52A,52Bをリベツト58で連結して枠状とされカバー24の
本体部24Aの周囲全域に亘って設けられている。これに
より、カバー24は本体部24Aの周囲が高剛性とされて本
体部24Aのどの部分を押し込んでも所定の押込量でホー
ンを鳴らせるようになっている。この主芯金52はベース
プレート12のフランジ12B,12Dにリベツト60（第４図に
図示）で接合固着され、カバー24をベースプレート12に
支持している。この主芯金52の外周には布53が（第２図
に図示）上記リベツト58で固定されて主芯金52とともに
カバー24の本体部24Aの周囲に埋設されている。布53は
カバー24の本体部24Aの周囲から薄肉部50付近まで延在
され、カバー24の展開状態（バツグ膨張状態）でカバー
24を補強するようになっている。

副芯金56はリベツト62で主芯金52の外周に接合固着され
た状態で耳部24Bに埋設されている。この副芯金56は第
１図に示される如く主芯金52と接合される接合部56A
と、接合部56Aから略直角に屈曲されて耳部24Bの表面側
に配置されるホーン作動時の押込荷重受部56Bと、接合
部56Aと受部56Bとで閉断面を形成する補強部56Cとで構
成され、耳部24Bの剛性を有効に高め、耳部24Bを押し込
んでも本体部24Aを押し込む場合の押込量と同程度の押
込量でホーンを鳴らせるようにしている。

次にエアバツグ10の作用を説明する。

エアバツグ10は通常時はバツグ16がカバー24内に折り畳
んだ状態で格納されて図示しないホーンのスイツチとし
て作用される。すなわち、ホーンを鳴らすときにはカバ
ー24が加圧されて押し込まれ、この押込により圧縮コイ
ルばね46の付勢力に抗してプレート22が固定電極48と接
触される。

しかし、車両急減速時には、図示しない加速度センサに
よりインフレータ18が作動されてバツグ16内へガスが送
り込まれ、バツグ16が膨張される。この膨張によってバ
ツグ16がカバー24の薄肉部50を破断してカバー24から突
出され乗員とステアリングホイール14との間に介在され
る。

このように作用されるエアバツグ10のカバー24では、主
芯金52により本体部24Aが高剛性とされているとともに
副芯金56により耳部24Bも高剛性とされているので、本
体部24Aから耳部24Bにかけて従来よりも広い範囲に亘っ
て高剛性とされ、本体部24A又は耳部24Bのいずれを押し
込んだ場合であっても同程度の押込量でホーンを鳴らす
ことができる。これにより、ホーンの作動が確実とな
る。

なお、副芯金56は第５図に示される如く主芯金52に一体
に形成してもよい。なお、第５図に図示の副芯金56で
は、受部56Bの両側（第５図紙面直角方向）に折り曲げ
により補強部56Cが形成され、耳部24Bの押込によって受
部56Bが曲げ力を受けたときに補強部56Cが主芯金52にあ
たる構成であり、上記実施例同様に耳部24Bの剛性向上
に有効に働く。

［考案の効果］ 以上説明した如く、本考案に係るエアバツグ用カバー
は、ステアリングホイールと相対移動可能に配置される
と共に、ベースとの間にバツグを折り畳んだ状態で格納
する本体部の周囲からステアリングホイールのスポーク
に対応する耳部が突出され、前記ステアリングホイール
に対して前記本体部及び耳部が一体的に相対移動するこ
とによりホーンを作動させるエアバツグ用カバーであっ
て、本体部の周囲に枠状の主芯金を埋設するとともに主
芯金に固定された副芯金耳部にを埋設したので、従来よ
りも広い範囲に亘って高剛性とされ、バツグの展開を阻
害することなく格納できる機能と確実にホーンを作動さ
せることができる機能とを共に満足できる優れた効果を
有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るエアバツグ用カバーの実施例を示
す要部断面図、第２図は第１図の補助芯金の廻りの構造
を示す要部分解斜視図、第３図は第１図のカバーを乗員
側からみた全体正面図、第４図は第１図のカバーが適用
されたエアバツグのステアリングホイールへの取付構造
を示す断面図、第５図は他の実施例を第１図に対応して
示した断面図である。 10……エアバツグ、12……ベースプレート、16……バツ
グ、24……カバー、24A……本体部、24B……耳部、52…
…主芯金、56……副芯金。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ステアリングホイールと相対移動可能に配
   置されると共に、ベースとの間にバツグを折り畳んだ状
   態で格納する本体部の周囲からステアリングホイールの
   スポークに対応する耳部が突出され、前記ステアリング
   ホイールに対して前記本体部及び耳部が一体的に相対移
   動することによりホーンを作動させるエアバツグ用カバ
   ーであって、本体部の周囲に枠状の主芯金を埋設すると
   ともに、前記主芯金に固定された副芯金を耳部に埋設し
   たことを特徴とするエアバツグ用カバー。