JPH07332402A - 4輪駆動用駆動連結装置 - Google Patents

4輪駆動用駆動連結装置

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JPH07332402A
JPH07332402A JP12487894A JP12487894A JPH07332402A JP H07332402 A JPH07332402 A JP H07332402A JP 12487894 A JP12487894 A JP 12487894A JP 12487894 A JP12487894 A JP 12487894A JP H07332402 A JPH07332402 A JP H07332402A
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JP
Japan
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rotor
casing
rotating shaft
driving force
drive
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JP12487894A
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English (en)
Inventor
Setsuichi Akai
節一 赤井
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Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 運転操作の煩雑さを解消したフルタイム4輪
駆動車における不整地からの脱出能力を向上させる。 【構成】 ベーンポンプを介して4輪駆動状態が達成さ
れ、ケーシング27とロータ26の相対回転速度差が極
端に大きくなった場合、制御手段43によってケーシン
グ27及びロータ26のクラッチギヤ40,39の両方
にクラッチスリーブ40を噛み合わせて入力軸24と前
輪出力軸25とを直結状態にし、簡単な構成で装置を大
型化することなく、運転操作の煩雑さを解消したフルタ
イム4輪駆動車を自動的にパートタイム4輪駆動車に変
換し、運転操作の煩雑さを解消したフルタイム4輪駆動
車における不整地からの脱出能力を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は前輪・後輪を同一のエン
ジンで駆動する際の前輪と後輪を連結する駆動連結装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】前輪と後輪とを同一のエンジンで駆動す
る4輪駆動車では、前輪と後輪との回転速度差により、
タイトコーナブレーキング現象が生じないようにすると
共に、エンジンの駆動力を、前後輪間の回転速度差に応
じて前後輪へ分配する駆動連結装置を前後輪間に備えた
フルタイム4輪駆動式の自動車が開発されている。この
駆動連結装置としては、前後輪間にその回転速度差を吸
収するデファレンシャル(センターデフ)を設けると共
に前後輪の作動を拘束するデフロック機構(もしくは作
動を制限するビスカスカップリング)を設けたものや、
ビスカスカップリングを単独に設けたもの等が開発され
ている。しかしながら、センターデフを設けたもので
は、センターデフは小型化が難しく車体の重量増加や製
造コストの増加を招くほか、4輪駆動性を確保するため
のデフロック機構やビスカスカップリング等を必要する
ことから、装置の複雑化を招いている。また、ビスカス
カップリングを単独で設けたものは、回転差が増大する
に従って伝達トルクが増大するというトルク伝達特性を
有し、車両が例えば砂地、ぬかるみ、雪溜り等の極めて
摩擦係数の小さな路面上を走行する場合、前後輪の回転
差が大きくないと従駆動側の車輪へトルクを伝達でき
ず、主駆動側の車輪のスリップを招く虞がある。
【0003】そこで、このセンターデフを備えたものや
ビスカスカップリングに代わるものとして、油圧によっ
て後輪側から前輪側(または前輪側から後輪側)へ適宜
トルク伝達をする駆動連結装置が開発されている。この
駆動連結装置は、主駆動側の入力軸と従駆動側の出力軸
との間の回転速度差に応じて生じる油圧によって、入力
軸から出力軸へのトルク伝達を行なうものである。
【0004】従来の駆動連結装置を図4乃至図6に基づ
いて説明する。図4には従来の駆動連結装置を備えた駆
動機構の断面、図5には図4中のV-V 線矢視、図6には
図5中の要部の斜視状態を示してある。
【0005】図4に示すように、図示しないエンジンに
変速機1を介して連結される後輪出力軸2(第2回転
軸)は後輪側に連結されてエンジンからの駆動力が後輪
に伝達されると共に、後輪出力軸2の駆動力は駆動連結
装置3の入力軸4に伝達されるようになっている。駆動
連結装置3の前輪出力軸5(第1回転軸)は前輪側に連
結されてエンジンからの駆動力が入力軸4及び駆動連結
装置3を介して前輪に伝達される。駆動連結装置3は、
入力軸4に連結されるロータ6と前輪出力軸5に連結さ
れるケーシング(カムリング)7とを備え、ロータ6と
カムリング7との回転速度差に応じた油量を吐出するベ
ーンポンプとなっている。
【0006】図5、図6に示すように、前輪出力軸5に
連結されるカムリング7の内周には複数(ここでは3
個)の凹部が形成され、この凹部とロータ6の外周面と
の間にはポンプ室として機能する油室8が形成されてい
る。この油室8の内部には複数のベーン9が装備され、
ベーン9によって油室8が吐出側室と吸込側室とに仕切
られるようになっている。ベーン9はロータ6に形成さ
れた多数の溝10内にラジアル方向へ進退自在に装着さ
れ、ベーン9の先端はカムリング7の内周面に摺接して
いる。各ベーン9はスプリング11によってラジアル方
向へ付勢され、各ベーン9の上部には吐出側室と吸込側
室とに通じるオリフィス12が装備されている。
【0007】油室8の両端部には吸込吐出口13a、1
3bが形成されており、吸込吐出口13a、13bはベ
ーン9によって仕切られてロータ6とカムリング7との
相対回転方向により吐出口もしくは吸込口となる。油室
8の吸込吐出口13aにはタンク(図示略)に連通する
油路14a及び圧力室(図示省略)に連通する油路15
aが接続され、油室8の吸込吐出口13bにはタンク
(図示略)に連通する油路14b及び圧力室(図示省
略)に連通する油路15bが接続されている。油路14
a,14b、15a,15bにはそれぞれチェック弁1
6が介装され、図示しないタンクには作動油が貯蔵され
ている。
【0008】入力軸4と前輪出力軸5との間に回転差が
生じると、即ち、前輪と後輪の間に回転速度差が生じる
と、ロータ6がカムリング7に対して相対回転してベー
ン9によって各油室8の内部の作動油が駆動される。つ
まり、ロータ6がカムリング7に対して相対回転する
と、ベーン9が油室8内の前方側の作動油を加圧してベ
ーン9の前方の吸込吐出口13b側が吐出側室(高圧
室)となる一方、ベーン9の後方の吸込吐出口13a側
が吸込側室(低圧室)となる。これと共に、各油室8で
はベーン9のオリフィス12を通じて吐出側室から吸込
側室へと作動油が流通する。作動油はオリフィス12を
通過する際に流量に応じた(回転速度差に応じた)抵抗
を受けるが、この流路抵抗は、ロータ6のカムリング7
に対する相対回転を防ぐ方向に働き、ロータ6とカムリ
ング7とは相互の回転速度差が減少するように作動油を
通じて制御されることになる。例えば、ロータ6がカム
リング7に対して過回転しようとすると、カムリング7
側の回転トルクの一部は作動油を通じてロータ6に伝達
されて4輪駆動状態が得られる。
【0009】このような駆動連結装置3の働きによっ
て、エンジンからの駆動力が前輪側と後輪側とに適宜の
割合で分配され、前輪と後輪とが常に略等しい速度で回
転する状態の4輪駆動状態が実現する。この結果、各車
輪の回転速度差(スリップ)が抑制されて駆動トルクを
効率よく路面に伝達でき、運転操作の煩雑さを解消した
フルタイム4輪駆動車の達成が可能となる。また、ベー
ンポンプを用いたことにより、小型軽量化を図りつつ同
時に大きな駆動力を伝達することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の駆動連
結装置3では、前後輪に回転差が生じると差動トルクが
発生し、前輪へ駆動力を伝達するものであり、路面の状
況に応じて容易に4輪駆動状態が得られる。しかし、不
整地走行時等後輪が極端に空転するような路面状況下に
おいては、前輪に伝達される駆動力は駆動連結装置3の
容量によって制限され、パートタイム4輪駆動車(前後
輪直結4輪駆動車)に比べ、不整地の脱出能力は劣るも
のであった。
【0011】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、容易に4輪駆動状態が得られしかも不整地の脱出能
力に優れた4輪駆動車が達成できる4輪駆動用駆動連結
装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の第1の発明の構成は、前輪に駆動力を伝達する第1回
転軸と後輪に駆動力を伝達する第2回転軸とをこれら第
1回転軸と第2回転軸との回転速度差に応じた油量を吐
出するベーンポンプを介して連結し、第1回転軸側と第
2回転軸側とを結合させる結合手段を備えたことを特徴
とするものである。
【0013】また、上記目的を達成するための第2の発
明の構成は、前輪に駆動力を伝達する第1回転軸と後輪
に駆動力を伝達する第2回転軸とを備え、ケーシングと
ロータの相対回転速度差に応じた油量を吐出するベーン
ポンプのケーシングもしくはロータに第1回転軸を連結
する一方、第1回転軸が連結されていない側のロータも
しくはケーシングに第2回転軸を連結し、ベーンポンプ
のケーシングとロータとを結合させる結合手段を備えた
ことを特徴とするものである。
【0014】また、上記目的を達成するための第3の発
明の構成は、前輪に駆動力を伝達する第1回転軸と後輪
に駆動力を伝達する第2回転軸とを備え、ケーシングと
ロータの相対回転速度差に応じた油量を吐出するベーン
ポンプのケーシングもしくはロータに第1回転軸を連結
する一方、第1回転軸が連結されていない側のロータも
しくはケーシングに第2回転軸を連結し、ベーンポンプ
のケーシングとロータとを結合させる結合手段を備える
と共に、車両の走行状態に応じて結合手段を作動させて
ケーシングとロータとの結合を選択する制御手段を備え
たことを特徴とするものである。
【0015】また、上記目的を達成するための第4の発
明の構成は、前輪に駆動力を伝達する第1回転軸と後輪
に駆動力を伝達する第2回転軸とを備え、ケーシングと
ロータの相対回転速度差に応じた油量を吐出するベーン
ポンプのケーシングもしくはロータに第1回転軸を連結
する一方、第1回転軸が連結されていない側のロータも
しくはケーシングに第2回転軸を連結し、ベーンポンプ
のケーシング及びロータにクラッチギヤをそれぞれ形成
し、ケーシング及びロータのクラッチギヤの一方もしく
は両方に選択的に噛み合うクラッチスリーブを備えたこ
とを特徴とするものである。
【0016】また、上記目的を達成するための第5の発
明の構成は、前輪に駆動力を伝達する第1回転軸と後輪
に駆動力を伝達する第2回転軸とを備え、ケーシングと
ロータの相対回転速度差に応じた油量を吐出するベーン
ポンプのケーシングもしくはロータに第1回転軸を連結
する一方、第1回転軸が連結されていない側のロータも
しくはケーシングに第2回転軸を連結し、ベーンポンプ
のケーシング及びロータにクラッチギヤをそれぞれ形成
し、ケーシング及びロータのクラッチギヤの一方もしく
は両方に選択的に噛み合うクラッチスリーブを備え、車
両の走行状態に応じてクラッチスリーブを動作させてケ
ーシング及びロータのクラッチギヤの一方もしくは両方
にクラッチスリーブを噛み合わせてケーシングとロータ
との結合を選択する制御手段を備えたことを特徴とする
ものである。
【0017】
【作用】第1の発明の4輪駆動用駆動連結装置では、第
1回転軸と第2回転軸との回転速度差に応じた油量を吐
出するベーンポンプを介して4輪駆動状態が達成され、
第1回転軸と第2回転軸との回転速度差が極端に大きく
なった場合、結合手段によって第1回転軸側と第2回転
軸側とを結合し、第1回転軸と第2回転軸とを直結状態
にする。
【0018】第2の発明の4輪駆動用駆動連結装置で
は、第1回転軸と第2回転軸とが連結されるケーシング
とロータの相対回転速度差に応じた油量を吐出するベー
ンポンプを介して4輪駆動状態が達成され、ケーシング
とロータの相対回転速度差が極端に大きくなった場合、
結合手段によってケーシングとロータとを結合し、第1
回転軸と第2回転軸とを直結状態にする。
【0019】第3の発明の4輪駆動用駆動連結装置で
は、第1回転軸と第2回転軸とが連結されるケーシング
とロータの相対回転速度差に応じた油量を吐出するベー
ンポンプを介して4輪駆動状態が達成され、ケーシング
とロータの相対回転速度差が極端に大きくなった場合、
制御手段によって結合手段を作動させてケーシングとロ
ータとの結合を選択し、第1回転軸と第2回転軸とを直
結状態にする。
【0020】第4の発明の4輪駆動用駆動連結装置で
は、第1回転軸と第2回転軸とが連結されるケーシング
とロータの相対回転速度差に応じた油量を吐出するベー
ンポンプを介して4輪駆動状態が達成され、ケーシング
とロータの相対回転速度差が極端に大きくなった場合、
ケーシング及びロータのクラッチギヤの両方にクラッチ
スリーブを噛み合わせてケーシングとロータとを結合
し、第1回転軸と第2回転軸とを直結状態にする。
【0021】第5の発明の4輪駆動用駆動連結装置で
は、第1回転軸と第2回転軸とが連結されるケーシング
とロータの相対回転速度差に応じた油量を吐出するベー
ンポンプを介して4輪駆動状態が達成され、ケーシング
とロータの相対回転速度差が極端に大きくなった場合、
制御手段によってクラッチスリーブを動作させてケーシ
ング及びロータのクラッチギヤの両方にクラッチスリー
ブを噛み合わせてケーシングとロータとを結合し、第1
回転軸と第2回転軸とを直結状態にする。
【0022】
【実施例】図1には本発明の一実施例に係る4輪駆動用
駆動連結装置を備えた駆動機構の断面、図2には図1中
の要部拡大状態、図3には図2中のIII-III 線矢視を示
してある。
【0023】図1に示すように、図示しないエンジンに
変速機21を介して連結される後輪出力軸22(第2回
転軸)は後輪側に連結されてエンジンからの駆動力が後
輪に伝達されると共に、後輪出力軸22の駆動力は4輪
駆動用駆動連結装置(駆動連結装置)23の入力軸24
に伝達されるようになっている。駆動連結装置23の前
輪出力軸25(第1回転軸)は前輪側に連結されてエン
ジンからの駆動力が入力軸24及び駆動連結装置23を
介して前輪に伝達されるようになっている。駆動連結装
置23は、入力軸24に連結されるロータ26と前輪出
力軸25に連結されるケーシング(カムリング)27と
を備え、ロータ26とカムリング27との回転速度差に
応じた油量を吐出するベーンポンプとなっている。
【0024】図2、図3に示すように、前輪出力軸25
に連結されるカムリング27の内周には複数(ここでは
3個)の凹部が形成され、この凹部とロータ26の外周
面との間にはポンプ室として機能する油室28が形成さ
れている。ロータ26は入力軸24に一体的に設けら
れ、入力軸24は軸受29を介してカムリング27の内
周に回転自在に支持されている。油室28の内部のロー
タ26にはベーン30が装備され、ベーン30によって
油室28が吐出側室と吸込側室とに仕切られている。ベ
ーン30はロータ26に形成された多数の溝31内にラ
ジアル方向へ進退自在に装着されており、ベーン30の
先端はカムリング27の内周面に摺接している。各ベー
ン30はスプリング32によってラジアル方向へ付勢さ
れ、各ベーン30の上部には吐出側室と吸込側室とに通
じるオリフィス33が装備されている。カムリング27
の外方にはカバー50が摺動自在に支持され、カバー5
0は皿バネ34によって前輪出力軸25側(図2中左
側)に付勢されている。カバー50とカムリング27の
外周面との隙間35には作動油が密封収納され、タンク
室が形成されている。
【0025】油室28の両端部には吸込吐出口36a、
36bが形成されており、吸込吐出口36a、36bは
ベーン30によって仕切られてロータ26とカムリング
27との相対回転方向により吐出口もしくは吸込口とな
る。油室28の吸込吐出口36a,36bにはタンク室
に連通する油路及び圧力室(図示省略)に連通する油路
がそれぞれ接続されている。
【0026】一方、カムリング27の入力軸24側の端
部(図2中右側)にはハウジング37が形成され、ハウ
ジング37の内周には入力軸24が支持されている。ハ
ウジング37の外周にはクラッチギヤ38が形成され、
ハウジング37に対向する入力軸24の外周にはクラッ
チギヤ39が形成されている。つまり、ベーンポンプの
ケーシング及びロータにクラッチギヤ38,39が形成
された状態になっている。ハウジング37のクラッチギ
ヤ38にはクラッチスリーブ40が噛み合っており、ク
ラッチスリーブ40は入力軸24の軸方向に移動自在と
なっている。クラッチスリーブ40を入力軸24側(図
2中右側)に移動させることにより、クラッチスリーブ
40はハウジング37のクラッチギヤ38と入力軸24
のクラッチギヤ39の両方に噛み合い、入力軸24と前
輪出力軸25とを直結状態にするようになっている。つ
まり、クラッチスリーブ40は軸方向に移動することに
よりハウジング37のクラッチギヤ38もしくはハウジ
ング37のクラッチギヤ38と入力軸24のクラッチギ
ヤ39の両方に選択的に噛み合い、クラッチギヤ38,
39及びクラッチスリーブ40によってベーンポンプの
ケーシングとロータとを結合させる結合手段が構成され
ている。尚、図2中の符号で41は後輪出力軸22から
の駆動力が伝達されるチェーンスプロケットである。
【0027】クラッチスリーブ40はシフトフォーク4
2の駆動によって軸方向に移動されるようになってお
り、シフトフォーク42は制御手段43によって駆動が
制御される。通常の走行状態では、クラッチスリーブ4
0はハウジング37のクラッチギヤ38のみに噛み合う
ようにシフトフォーク42が駆動され、後輪が極端に空
転するような場合、クラッチスリーブ40はハウジング
37のクラッチギヤ38と入力軸24のクラッチギヤ3
9の両方に噛み合うようにシフトフォーク42が駆動さ
れる。例えば、エンジンの回転数に対する車速を検出
し、エンジンの回転数が高回転になっているにも係わら
ず車速が低い場合は後輪が極端に空転していると判断
し、制御手段43によってシフトフォーク42が駆動さ
れてクラッチスリーブ40がハウジング37のクラッチ
ギヤ38と入力軸24のクラッチギヤ39の両方に噛み
合うように動作され、入力軸24と前輪出力軸25とが
直結状態にされる。これにより、後輪が極端に空転する
ような場合は、後輪と前輪が直結した4輪駆動状態にな
る。クラッチスリーブ40を移動させるためのシフトフ
ォーク42の動作は、手動によって行うようにしてもよ
い。
【0028】上述した実施例の構成が第5の発明に相当
し、クラッチスリーブ40の移動を制御手段43によら
ずに行うのが第4の発明に相当する。また、上述した実
施例でベーンポンプのケーシングとロータとを結合させ
る結合手段を、クラッチギヤ38,39及びクラッチス
リーブ40もしくはこれ以外の結合手段で行うのが第3
の発明に相当する。また、上述した実施例でベーンポン
プのケーシングとロータとを結合させる結合手段を、ク
ラッチギヤ38,39及びクラッチスリーブ40もしく
はこれ以外の結合手段で行い、、クラッチスリーブ40
の移動を制御手段43もしくはこれ以外の制御手段で行
うのが第2の発明に相当する。また、上述した実施例で
ベーンポンプのケーシングとロータとを結合させる結合
手段を、クラッチギヤ38,39及びクラッチスリーブ
40もしくはこれ以外の結合手段で行い、クラッチスリ
ーブ40の移動を制御手段43によらずに行うのが第1
の発明に相当する。
【0029】上述した4輪駆動用駆動連結装置の作用を
説明する。入力軸24と前輪出力軸25との間に回転差
が生じた場合、即ち、前輪と後輪の間に回転速度差が生
じると、ロータ26がカムリング27に対して相対回転
してベーン30によって各油室28の内部の作動油が駆
動される。つまり、ロータ26がカムリング27に対し
て相対回転すると、ベーン30が油室28内の前方側の
作動油を加圧してベーン30の前方の吸込吐出口36b
側が吐出側室(高圧室)となる一方、ベーン30の後方
の吸込吐出口36a側が吸込側室(低圧室)となる。こ
れと共に、各油室28ではベーン30のオリフィス33
を通じて吐出側室から吸込側室へと作動油が流通する。
作動油はオリフィス33を通過する際に流量に応じた
(回転速度差に応じた)抵抗を受けるが、この流路抵抗
は、ロータ26のカムリング27に対する相対回転を防
ぐ方向に働き、ロータ26とカムリング27とは相互の
回転速度差が減少するように作動油を通じて制御される
ことになる。例えば、ロータ26がカムリング27に対
して過回転しようとすると、ロータ26側の回転トルク
の一部は作動油を通じてカムリング27に伝達されて4
輪駆動状態が得られるようになっている。
【0030】このような駆動連結装置23の働きによっ
て、エンジンからの駆動力が前輪側と後輪側とに適宜の
割合で分配され、前輪と後輪とが常に略等しい速度で回
転する状態の4輪駆動状態が実現する。この結果、各車
輪の回転速度差(スリップ)が抑制されて駆動トルクを
効率よく路面に伝達でき、運転操作の煩雑さを解消した
フルタイム4輪駆動車の達成が可能となる。また、ベー
ンポンプを用いたことにより、小型軽量化を図りつつ同
時に大きな駆動力を伝達することができる。
【0031】不整地走行時等後輪が極端に空転するよう
な路面状況下においては、前輪に伝達される駆動力は駆
動連結装置23の容量によって制限され、不整地からの
脱出が困難になる。制御手段43にはエンジンの回転数
及び車速の情報が入力され、エンジンの回転数に対する
車速が検出されてエンジンの回転数が高回転になってい
るにも係わらず車速が低い場合、後輪が極端に空転して
いると判断される。後輪が極端に空転していると判断さ
れた場合、制御手段43によってシフトフォーク42が
駆動されてクラッチスリーブ40がハウジング37のク
ラッチギヤ38と入力軸24のクラッチギヤ39の両方
に噛み合うように動作され、入力軸24と前輪出力軸2
5とが直結状態にされる。これにより、後輪が極端に空
転するような場合は、ロータ26とカムリング27とが
固定された状態になって、後輪と前輪が直結した4輪駆
動状態になり、不整地からの脱出が容易に行なわれる。
【0032】従って、上述した4輪駆動用駆動連結装置
によると、運転操作の煩雑さを解消したフルタイム4輪
駆動車の達成が可能となると同時に、不整地からの脱出
能力がパートタイム4輪駆動車と同等に得られる4輪駆
動車の達成が可能となり、フルタイム4輪駆動車とパー
トタイム4輪駆動車の特色ある駆動機能がコンパクトな
装置で得られる。また、後輪が極端に空転していると判
断された場合等、不整地走行時のような路面状況下にお
いては、制御手段43によって、例えば後輪が極端に空
転していると判断され、クラッチスリーブ40がハウジ
ング37のクラッチギヤ38と入力軸24のクラッチギ
ヤ39の両方に噛み合うように動作されて自動的に後輪
と前輪が直結した4輪駆動状態が得られる。
【0033】
【発明の効果】第1の発明の4輪駆動用駆動連結装置
は、第1回転軸と第2回転軸との回転速度差に応じた油
量を吐出するベーンポンプを介して4輪駆動状態が達成
され、第1回転軸と第2回転軸との回転速度差が極端に
大きくなった場合、結合手段によって第1回転軸側と第
2回転軸側とを結合し、第1回転軸と第2回転軸とを直
結状態にするようにしたので、運転操作の煩雑さを解消
したフルタイム4輪駆動車をパートタイム4輪駆動車に
変換することができる。この結果、運転操作の煩雑さを
解消したフルタイム4輪駆動車における不整地からの脱
出能力を向上させることができる。
【0034】第2の発明の4輪駆動用駆動連結装置で
は、第1回転軸と第2回転軸とが連結されるケーシング
とロータの相対回転速度差に応じた油量を吐出するベー
ンポンプを介して4輪駆動状態が達成され、ケーシング
とロータの相対回転速度差が極端に大きくなった場合、
結合手段によってケーシングとロータとを結合し、第1
回転軸と第2回転軸とを直結状態にするようにしたの
で、装置を大型化することなく運転操作の煩雑さを解消
したフルタイム4輪駆動車をパートタイム4輪駆動車に
変換することができる。この結果、装置を大型化するこ
となく運転操作の煩雑さを解消したフルタイム4輪駆動
車における不整地からの脱出能力を向上させることがで
きる。
【0035】第3の発明の4輪駆動用駆動連結装置で
は、第1回転軸と第2回転軸とが連結されるケーシング
とロータの相対回転速度差に応じた油量を吐出するベー
ンポンプを介して4輪駆動状態が達成され、ケーシング
とロータの相対回転速度差が極端に大きくなった場合、
制御手段によって結合手段を作動させてケーシングとロ
ータとの結合を選択し、第1回転軸と第2回転軸とを直
結状態にするようにしたので、運転操作の煩雑さを解消
したフルタイム4輪駆動車を自動的にパートタイム4輪
駆動車に変換することができる。この結果、操作性を低
下させることなく運転操作の煩雑さを解消したフルタイ
ム4輪駆動車における不整地からの脱出能力を向上させ
ることができる。
【0036】第4の発明の4輪駆動用駆動連結装置で
は、第1回転軸と第2回転軸とが連結されるケーシング
とロータの相対回転速度差に応じた油量を吐出するベー
ンポンプを介して4輪駆動状態が達成され、ケーシング
とロータの相対回転速度差が極端に大きくなった場合、
ケーシング及びロータのクラッチギヤの両方にクラッチ
スリーブを噛み合わせてケーシングとロータとを結合
し、第1回転軸と第2回転軸とを直結状態にするように
したので、簡単な構成で装置を大型化することなく運転
操作の煩雑さを解消したフルタイム4輪駆動車をパート
タイム4輪駆動車に変換することができる。この結果、
簡単な構成で装置を大型化することなく、運転操作の煩
雑さを解消したフルタイム4輪駆動車における不整地か
らの脱出能力を向上させることができる。
【0037】第5の発明の4輪駆動用駆動連結装置で
は、第1回転軸と第2回転軸とが連結されるケーシング
とロータの相対回転速度差に応じた油量を吐出するベー
ンポンプを介して4輪駆動状態が達成され、ケーシング
とロータの相対回転速度差が極端に大きくなった場合、
制御手段によってクラッチスリーブを動作させてケーシ
ング及びロータのクラッチギヤの両方にクラッチスリー
ブを噛み合わせてケーシングとロータとを結合し、第1
回転軸と第2回転軸とを直結状態にするようにしたの
で、簡単な構成で装置を大型化することなく、運転操作
の煩雑さを解消したフルタイム4輪駆動車を自動的にパ
ートタイム4輪駆動車に変換することができる。この結
果、簡単な構成で装置を大型化することなく且つ操作性
を低下させることなく、運転操作の煩雑さを解消したフ
ルタイム4輪駆動車における不整地からの脱出能力を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る4輪駆動用駆動連結装
置を備えた駆動機構の断面図。
【図2】図1中の要部拡大図。
【図3】図2中のIII-III 線矢視図。
【図4】従来の駆動連結装置を備えた駆動機構の断面
図。
【図5】図4中のV-V 線矢視図。
【図6】図5中の要部の斜視図。
【符号の説明】
21 変速機 22 後輪出力軸 23 4輪駆動用駆動連結装置(駆動連結装置) 24 入力軸 25 前輪出力軸 26 ロータ 27 ケーシング 28 油室 29 軸受 30 ベーン 31 溝 32 スプリング 33 カバー 34 皿バネ 35 隙間 36a,36b 吸込吐出口 37 ハウジング 38,39 クラッチギヤ 40 クラッチスリーブ 41 伝達ギヤ 42 シフトフォーク 43 制御装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪に駆動力を伝達する第1回転軸と後
    輪に駆動力を伝達する第2回転軸とをこれら第1回転軸
    と第2回転軸との回転速度差に応じた油量を吐出するベ
    ーンポンプを介して連結し、第1回転軸側と第2回転軸
    側とを結合させる結合手段を備えたことを特徴とする4
    輪駆動用駆動連結装置。
  2. 【請求項2】 前輪に駆動力を伝達する第1回転軸と後
    輪に駆動力を伝達する第2回転軸とを備え、ケーシング
    とロータの相対回転速度差に応じた油量を吐出するベー
    ンポンプのケーシングもしくはロータに第1回転軸を連
    結する一方、第1回転軸が連結されていない側のロータ
    もしくはケーシングに第2回転軸を連結し、ベーンポン
    プのケーシングとロータとを結合させる結合手段を備え
    たことを特徴とする4輪駆動用駆動連結装置。
  3. 【請求項3】 前輪に駆動力を伝達する第1回転軸と後
    輪に駆動力を伝達する第2回転軸とを備え、ケーシング
    とロータの相対回転速度差に応じた油量を吐出するベー
    ンポンプのケーシングもしくはロータに第1回転軸を連
    結する一方、第1回転軸が連結されていない側のロータ
    もしくはケーシングに第2回転軸を連結し、ベーンポン
    プのケーシングとロータとを結合させる結合手段を備え
    ると共に、車両の走行状態に応じて結合手段を作動させ
    てケーシングとロータとの結合を選択する制御手段を備
    えたことを特徴とする4輪駆動用駆動連結装置。
  4. 【請求項4】 前輪に駆動力を伝達する第1回転軸と後
    輪に駆動力を伝達する第2回転軸とを備え、ケーシング
    とロータの相対回転速度差に応じた油量を吐出するベー
    ンポンプのケーシングもしくはロータに第1回転軸を連
    結する一方、第1回転軸が連結されていない側のロータ
    もしくはケーシングに第2回転軸を連結し、ベーンポン
    プのケーシング及びロータにクラッチギヤをそれぞれ形
    成し、ケーシング及びロータのクラッチギヤの一方もし
    くは両方に選択的に噛み合うクラッチスリーブを備えた
    ことを特徴とする4輪駆動用駆動連結装置。
  5. 【請求項5】 前輪に駆動力を伝達する第1回転軸と後
    輪に駆動力を伝達する第2回転軸とを備え、ケーシング
    とロータの相対回転速度差に応じた油量を吐出するベー
    ンポンプのケーシングもしくはロータに第1回転軸を連
    結する一方、第1回転軸が連結されていない側のロータ
    もしくはケーシングに第2回転軸を連結し、ベーンポン
    プのケーシング及びロータにクラッチギヤをそれぞれ形
    成し、ケーシング及びロータのクラッチギヤの一方もし
    くは両方に選択的に噛み合うクラッチスリーブを備え、
    車両の走行状態に応じてクラッチスリーブを動作させて
    ケーシング及びロータのクラッチギヤの一方もしくは両
    方にクラッチスリーブを噛み合わせてケーシングとロー
    タとの結合を選択する制御手段を備えたことを特徴とす
    る4輪駆動用駆動連結装置。
JP12487894A 1994-06-07 1994-06-07 4輪駆動用駆動連結装置 Withdrawn JPH07332402A (ja)

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ID=14896333

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103836093A (zh) * 2012-11-23 2014-06-04 杭州玛瑟斯液压技术有限公司 一种液压离合器

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