JPH07332261A - 固定スクロールおよびその加工方法 - Google Patents

固定スクロールおよびその加工方法

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JPH07332261A
JPH07332261A JP13072594A JP13072594A JPH07332261A JP H07332261 A JPH07332261 A JP H07332261A JP 13072594 A JP13072594 A JP 13072594A JP 13072594 A JP13072594 A JP 13072594A JP H07332261 A JPH07332261 A JP H07332261A
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正美 桝田
Yukio Maeda
幸男 前田
Kazuya Kato
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機能上不要な部分の高精度加工を省略し、効
率的で高精度な固定スクロ−ルおよびそのの加工方法を
提供する。 【構成】 固定スクロール1の外側面1f、フランジ面
1g等の荒加工部分を把持した状態で渦巻状ラップ1d
を仕上げる第一の工程と、チャックで把持したまま固定
スクロールの外周面1a、鏡板面1bおよび歯先面1c
を研削加工し、鏡板面1bを外周面1aおよび歯先面1
cより凹ませて成形する第二の工程と、第二の工程後の
外周面1a、鏡板面1bおよび歯先面1cを研磨加工
し、鏡板面1bに研削加工の砥粒条痕が残留する状態で
研磨加工を終了する第三の工程とからなり、その研磨方
法では、回転する円盤状砥石8に外周面1a、鏡板面1
bおよび歯先面1cを当接し、固定スクロール1を回
転,揺動させながら、鏡板面1bの反対方向から、自在
継ぎ手構造の加圧プレート7で圧力を加え研磨する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気調和機などに使用
されるスクロール圧縮機の固定スクロールに係り、特に
旋回スクロールとの組合せによってポンプを形成する、
精密な研磨加工を施した固定スクロールおよびその加工
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スクロール圧縮機は、例えば、特開平1
−187388号公報に記載されているように、固定ス
クロールと旋回スクロールの鏡板面同士を当接させ、そ
れぞれの鏡板面に直立して形成された渦巻状ラップを、
微小な間隔で組合せ圧縮機能を得ている。ここで、ポン
プ部(圧縮機構部)を、図6および図7を参照して説明
する。図6は、一般的なスクロール圧縮機の圧縮機構部
の断面図、図7は、図6の固定スクロールを示し、
(a)は断面図、(b)は斜視図である。
【0003】図6において、11は固定スクロール、1
1aは外周面、11bは鏡板面、11cは歯先面、11
dは、渦巻状のスクロールラップ(以下単にラップとい
う)、11eは、スクロール溝の底面、11iは吸入
口、11jは吐出口である。外周面11a、鏡板面11
b、および歯先面11cは、同一平面にあり、図7に詳
細を示すように、前記平面上の円周に形成した油溝11
lを境に、外周部が外周面11a、油溝11lを境にス
クロール溝までの平面部が鏡板面11b、スクロールラ
ップの歯先部が歯先面11cとなっている。
【0004】12は旋回スクロール、12aは鏡板面、
12bは、渦巻状のスクロールラップ(以下単にラップ
という)、12cは、スクロール溝の底面、12dは歯
先面、12eはベアリング、12fはキー溝である。ま
た、13は、密閉ケース17内面に固定されたフレー
ム、13aは、フレーム13に設けたベアリング、13
bはキ−溝、13cは台座面、13dは取付け面、14
はオルダムリング、14aは突起部である。さらに、1
5はクランクシャフト、15aは、そのクランクシャフ
トの偏心部、16は、固定スクロール11とフレーム1
3とを締結するボルト、17は密閉ケ−ス、18は吸入
パイプである。
【0005】この圧縮機構部の構造をより詳しく説明す
ると、フレーム13のベアリング部13aにクランクシ
ャフト15が挿入されており、クランクシャフトの偏心
部15aは旋回スクロ−ル12に設けられたベアリング
12eに挿入されている。フレームに設けられたキー溝
13bと旋回スクロールに設けられたキー溝12fには
オルダム継ぎ手を形成する中空円盤状のオルダムリング
14の突起部14aが挿入されており、クランクシャフ
ト15に締結されたモ−タ(図示せず)によってクラン
クシャフト15に与えられる回転運動を、旋回スクロー
ルの旋回運動に変換するように構成されている。
【0006】固定スクロール11は、旋回スクロール1
2と組み合わされ、その外周面11aを、フレームの取
付け面13dに当接されてボルト16によって締結され
ている。固定スクロール11と旋回スクロール12はそ
れぞれのラップ11d,12bの側面間、歯先面底面間
に10±5μm程度の微小なクリアランスを形成する状
態になっている。また、旋回スクロ−ル12の鏡板面1
2aは、固定スクロールの鏡板面11bとフレーム13
の台座面13cで形成する間隙に適当なクリアランスを
もって納められている。
【0007】上記構成のスクロール圧縮機は、クランク
シャフト15の回転によって、旋回スクロール12のラ
ップ12bが、固定スクロール11のラップ11dに沿
って微小間隙をもって旋回運動をする。このような動作
によって、吸入パイプ18を経由し、固定スクロール1
1に設けられた吸入口11iにガスが吸入され、ポンプ
内部で順次、中心部に向かって圧縮される。圧縮が完了
したガスは、固定スクロール11の吐出口11jから密
閉ケース17の内部に吐出される。
【0008】このような圧縮動作によって、旋回スクロ
ール12にはポンプ内部の圧力上昇のため、固定スクロ
−ルより離反する力が作用する。離反した状態では、期
待する圧縮機能を得ることができない。そこで、離反を
防止するため、旋回スクロ−ル12の底面12cに設け
た貫通穴(図示せず)から適宜な圧力(以下、中間圧と
いう)のガスを旋回スクロール12の背面に導き、旋回
スクロール12の鏡板面12aを固定スクロール11の
鏡板面11bに押しつける構造を採用している。
【0009】以上のようなスクロール圧縮機の性能は、
固定スクロール11と旋回スクロール12との摺動する
部分からのガス洩れ、およびフレーム13と固定スクロ
ール11の当接部から密閉容器内の高圧ガスの流入によ
って左右される。すなわち、固定スクロール11の鏡板
面11bと旋回スクロール12の鏡板面12aとの間か
らの中間圧ガスの流入、あるいは固定スクロール11の
歯先面11cと旋回スクロール12の底面12cとの間
からのガス洩れ、あるいは固定スクロール11の底面1
1eと旋回スクロール12の歯先面12dとの間からの
ガス洩れ、あるいは固定クロール11の外周面11aと
フレーム13の取付け面13d間からの高圧ガスの流入
に左右される。この、ガス洩れあるいはガス流入は各部
品の精度に大きく左右される。
【0010】このことから、固定スクロールの加工精度
に要求される事項を図7によって説明する。固定スクロ
ール11には、その外周面11a、鏡板面11b、歯先
面11cの面粗さが1μmRz以下に小さく良好で、か
つ、形状公差として、その平面度が2μm以下に小さく
平坦で、さらに姿勢公差として、鏡板面11bを基準と
するラップ11dの直角度が3μm以下に小さく、か
つ、鏡板面を基準とする底面11eの平行度が5μm以
下に小さく、寸法公差として鏡板面11bと底面11e
間の寸法公差が小さいことが要求される。固定スクロー
ル11のこれらの各精度の基準は、全て鏡板面11bで
ある。
【0011】上記の要求精度に対応するための、従来の
固定スクロール11の加工方法の一例を図8を参照して
説明する。図8は、固定スクロールの従来の加工法の一
例を工程を追って示した断面図である。図8において、
19はマグネットチャック、20は平面研削砥石、21
は外周チャック、22はバッキングプレート、23はエ
ンドミルである。
【0012】図8(a)および図8(b)は、最終仕上
加工をするために必要な高精度基準面を固定スクロール
11の天板11hに設ける工程を示す。まず図8(a)
に示すように、荒加工状態の天板11hを平面度の良好
なマグネットチャック19で把持し、外周面11a、鏡
板面11bおよび歯先面11cを平面研削砥石20を使
用して加工し、平坦な状態としたのち、図8(b)に示
すように、研削加工した前記外周面11a、鏡板面11
bおよび歯先面11cを基準にマグネットチャック19
で把持し、天板11hを平面研削砥石20を用いて平坦
な面に加工して、天板11hを後の加工の基準面とす
る。なお、図8(a)、図8(b)に示した加工が各1
回で、天板11hに期待する精度が得られない場合は、
図8(b)から再び図8(a)の加工に戻り、チャック
力を弱めながら、精度が得られるまで図8(a)、図8
(b)の加工を繰り返す。
【0013】図8(c)は、ラップ11dおよび底面1
1eのエンドミル仕上工程を示し、加工基準とした天板
11hをバッキングプレート22に密着させ、外周チャ
ック21で固定スクロール11の外側面11fを把持
し、エンドミル23によってラップ11dと底面11e
を仕上加工する。以上の工程によって、天板11hとラ
ップ11dの直角度は良好に仕上がる。
【0014】図8(d)は、外周面11a、鏡板面11
bおよび歯先面11cの仕上研削工程を示し、加工基準
面とした天板11hをマグネットチャック19で把持し
て、平面研削砥石20を用いて仕上研削する。鏡板面1
1bと底面11e間の寸法を、加工中に、何度か加工を
中断して測定し、残取代を確認しながら平面研削加工を
進める。以上の加工によって、高精度な加工基準である
天板11hを基準として、エンドミル加工と平面研削加
工間で創成される姿勢公差(直角度、平行度)が良好に
仕上がり、砥石接触面積の小さい平面研削加工によるた
め、形状公差(平面度)と寸法公差と面粗さが良好に仕
上がる。
【0015】しかし、以上のような従来の加工方法で
は、まず天板11hに高精度な加工基準を設ける必要が
あるが、圧縮機の機能上は、天板11hの精度は切削荒
加工状態で十分であり、高精度な研削仕上は不要な部分
である。すなわち、従来の加工方法における図8
(a),図8(b)は、固定スクロール11の機能とし
ては全く不要な工程であり、このような従来の加工方法
は、加工のためにのみ必要な高精度仕上工程を含み、生
産性において劣悪な加工方法であった。さらに、平面研
削によって1μmRz以下の面粗さの面を形成するに
は、熟練した高度の技能が必要で、生産性に乏しい方法
であった。
【0016】より生産効率を重視した、従来の固定スク
ロールの加工方法の別の一例を図9を参照して説明す
る。図9は、固定スクロールの従来の加工法の他の一例
を工程を追って示した断面図である。図9において、2
4は端面研削砥石、25はラップ盤、26は遊離砥粒、
27はノズルである。
【0017】図9(a)は、荒加工した固定スクロール
11の外側面11fを外周チャック21で把持し、エン
ドミル23でラップ11dを仕上げる工程を示す。図9
(b)は、図9(a)のチャック状態のままで、端面研
削砥石24を用いて外周面1a、鏡板面1bおよび歯先
面1cを、端面研削加工する工程を示す。以上の工程に
よれば、機能上は高精度が不要な、固定スクロール11
のフランジ面11g、天板11hは荒加工のままでよ
く、1チャックで加工するため、エンドミル加工と端面
研削加工間で姿勢公差(直角度、平行度)を良好にする
ことができる。
【0018】しかし、図9(b)のような端面研削加工
では、高速で回転するカップ形状の端面研削砥石24
に、固定スクロ−ル11を比較的低速で回転させながら
当接させ、切り込みを与えて研削するのが通例である
が、歯先面11cは渦巻形状をしており、端面研削砥石
24に接触している歯先面11cの面積は常に変動し、
砥石にかかる負荷が常に変動する。したがって、図9
(b)のような加工形態では、円周方向の凹凸は良好に
できるものの、研削負荷の変動のため、外周面11a、
鏡板面11bおよび歯先面11c間に凹凸が発生し、径
方向の凹凸を小さくするのが困難であった。また、比較
的肉薄構造の天板11hが研削による力によって、加工
中は変形し、加工後にこの変形が復元することも、径方
向の凹凸を小さくするのが困難な原因となっていた。よ
って、端面研削では、外周面11a、鏡板面11bおよ
び歯先面11cの平面度を良好にするのが困難であっ
た。
【0019】また、砥石接触面積の大きい端面研削であ
るため、砥石の切れ味を重視するので面粗さ1μmRz
以下を生産性良く、形成するのも困難であった。そこ
で、図9(b)の端面研削加工では満足できなかった平
坦かつ面粗さの小さい外周面11a、鏡板面11bおよ
び歯先面11cを形成するため、端面研削加工後に平面
ラップ加工により仕上げる工程を示したものが、図9
(c)で、回転する円盤形状のラップ盤25に、加工液
に混入した遊離砥粒26をノズル27より供給しながら
平面ラップ加工をするものである。
【0020】図9(d)は、図9(c)の平面ラップ加
工で得られる固定スクロール11の状態の一例を模擬的
に示したものである。このような平面ラップ加工では、
外周面11a、鏡板面11bおよび歯先面11cの平面
度と面粗さは良好にできるものの、鏡板面11bと底面
11eとの平行度を良好に維持するための基準は、加工
形態から使用できない底面11e以外になく、前加工の
端面研削で得た姿勢公差を維持する基準がない。したが
って、底面11eと外周面11a,鏡板面11b,歯先
面11cとの間の平行度、および鏡板面11bとラップ
11dとの直角度を安定して高精度に維持することが困
難であった。
【0021】また、加工形態から底面11eおよび鏡板
面11bの寸法を連続的に自動測定しながら加工するこ
とは不可能で、加工完了までに、何度か固定スクロール
11を機外に取り出して寸法を点検する必要があった。
このため、上記図9の方法でも、生産性は満足できるも
のではなかった。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】極めて高精度な固定ス
クロールの加工を指向する場合、従来は、固定スクロー
ル11の天板11h、あるいはフランジ面11gに高精
度な加工基準面を設定し、この天板11hあるいはフラ
ンジ面11gを基準に仕上加工を行い、最終的に外周面
11a、鏡板面11bおよび歯先面11cは、平面研削
で仕上げる必要があった。したがって、圧縮機機能上は
高精度が不要な天板11hあるいはフランジ面11g
に、精度の高い加工のみに必要とされる基準面を設ける
ことを余儀なくされていた。また、研削のみによって良
好な面粗さを得るには、研削能率を犠牲にした加工諸元
によらざるをえず、加工効率が低下していた。
【0023】本発明の第一の目的は、上記のような第一
の問題点を解消するもので、機能上不要な部分の高精度
加工を省略し、効率的で高精度な固定スクロールの加工
方法を提供することにある。
【0024】また、生産効率を重視し、天板11hある
いはフランジ面11gに加工基準を設けず、1チャック
でエンドミル加工と端面研削加工を実施し、その後、平
面ラップ加工を施すと、1チャック加工で得た姿勢公差
(直角度、平行度)が劣化する。さらに、このような平
面ラップ加工では加工中に鏡板面11bと底面11eの
寸法を機内計測できない。したがって、加工完了までに
固定スクロール11を加工機外に取り出して、寸法点検
しながらの加工となる。このため、加工後の平行度測定
による精度公差外品の排除も必要で、生産性は、満足で
きるものではなかった。
【0025】本発明の第二の目的は、上記のような第2
の問題を解決するもので、研削と研磨の組合せよる工程
の加工を可能とし、良好な精度を得ながら、かつ能率的
な加工法を提供することを目的とする。さらに、本発明
の第三の目的は、上記の第一あるいは第二の目的が達成
された固定スクロールの加工方法によって、機能上不必
要な加工基準を設けずに、高精度な固定スクロールを提
供し、圧縮機の消費電力低減と信頼性向上に寄与するこ
とにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記第一の目的を達成す
るために、本発明に係る固定スクロールの加工方法の構
成は、鏡板面から渦巻状ラップが直立する固定スクロー
ルの加工方法において、当該固定スクロールの外側面、
フランジ面および天板面を切削荒加工し、その荒加工部
分をチャックで把持した状態で渦巻状ラップを仕上げる
第一の工程と、前記チャックで把持したまま当該固定ス
クロールの外周面、鏡板面および歯先面を研削加工し、
前記鏡板面を前記外周面および歯先面より凹ませて成形
する第二の工程と、前記第二の工程後の外周面、鏡板面
および歯先面を研磨加工し、前記鏡板面に前記研削加工
の砥粒条痕が残留する状態で研磨加工を終了する第三の
工程とからなるものである。
【0027】また、上記第二の目的を達成するために、
本発明に係る固定スクロールの加工方法の構成は、固定
スクロールの外周面、鏡板面および歯先面の研磨方法で
あって、回転する円盤状砥石に当該固定スクロールの外
周面、鏡板面および歯先面を当接し、当該固定スクロー
ルを回転させ、かつ揺動運動させながら、前記固定スク
ロールに前記鏡板面の反対方向から、球体を用いて構成
される自在継ぎ手構造の加圧プレートを介して圧力を加
え、研磨するようにしたものである。
【0028】さらに、上記第三の目的を達成するため
に、本発明に係る固定スクロールの構成は、鏡板面から
渦巻状ラップが直立する固定スクロールにおいて、当該
固定スクロールの切削荒加工した外側面,フランジ面等
を把持した状態で渦巻状ラップを切削仕上し、引き続き
当該固定スクロールの外周面、鏡板面および歯先面を研
削加工し、前記鏡板面および外周面より歯先面を突出さ
せた形状として、前記鏡板面を基準とする溝底深さ寸法
と、鏡板面と溝底の平行度、鏡板面に対するラップ直角
度の姿勢公差を満足させた固定スクロールであって、さ
らに、前記鏡板面に前記研削加工の砥粒条痕が残留する
範囲の極微小取代で、前記外周面,鏡板面,歯先面の平
面度、面粗さを確保するとともに、前記研削加工で得た
前記鏡板面を基準とする溝底寸法と姿勢公差を実用上変
化させない研磨加工を施して形成されたものである。
【0029】
【作用】本発明によれば、荒加工部をチャックし、ラッ
プのエンドミル加工および、端面研削加工を実施し、そ
の後に基準面を必要としない研磨加工をおこなうため、
固定スクロ−ルに機能上不用で、加工のみに必要な高精
度な、基準は設定する必要がなくなる。本発明によれ
ば、端面研削加工と研磨加工の機能を効率的に組み合わ
せた加工が可能で、寸法、姿勢公差が良好でかつ形状公
差、面粗さが良好な固定スクロールを高効率で提供する
ことができる。本発明によれば、外周面、鏡板面、歯先
面が平坦で面粗さが小さく、かつ鏡板面を基準とする寸
法と姿勢公差が良好な固定スクロールを供給でき、ポン
プ部のガス洩れ、ガス流入の小さいスクロール圧縮機を
提供できる。
【0030】本発明による技術的な働きを、さらに詳し
く述べれば次のとおりである。切削荒加工を終えた外側
面をチャックし、該チャックで把持したまま、ラップの
エンドミル仕上げ加工およびカップ砥石を用いた端面研
削加工(第一の工程)をする。端面研削加工が終了した
状態で、鏡板面を基準とする、鏡板面,底面間の寸法、
鏡板面,底面間の平行度、鏡板面,ラップ間の直角度
は、1チャック加工のため良好に仕上がる。
【0031】前記の端面研削で、外周面、鏡板面および
歯先面が期待するように平坦で、かつ、面粗さが小さく
なることが理想であるが、これは前述したように困難で
あるので、研削抵抗による固定スクロールの変形と砥石
当接角度を利用して、故意に鏡板面が、外周面および歯
先面よりも凹んだ形状になるよう研削(第二の工程)す
る。前記の端面研削加工が終了した固定スクロールを、
チャックから開放し、平面度の良好な回転する円盤状砥
石に外周面、鏡板面および歯先面を当接させた状態で、
天板側に、球体を用いた自在継手構造の加圧プレートに
よって、荒加工面を加圧しながら均一な圧力を加え、固
定スクロールを自転、揺動運動させて研磨加工(第三の
工程)する。
【0032】研磨開始初期では、鏡板面より突出してい
る歯先面および外周面に局部的に高い圧力がかかり、歯
先面と外周面は優先的に除去加工され、外周面、鏡板面
および歯先面は次第に平坦な面となっていき、面粗さも
小さくなり、次に、最も凹んでいる鏡板面においても除
去加工が開始される。鏡板面の除去加工が開始されると
きには、該鏡板面は比較的平坦な面となっているため、
砥石の接触圧は均一化し、低下している。
【0033】ここで、超精密加工技術実用マニュアル
(小林 昭 他編集、昭和60年 (株)新技術開発セ
ンタ発行、50〜52頁)に掲載されているように、砥
石の接触圧は切り屑の発生量に顕著な影響を与え、ある
圧力以下では、砥石はほとんど切り屑を発生しなくな
り、表面に塑性変形(砥石条痕)のみを発生させる状態
になる。研磨加工で、精度基準である鏡板面の加工が開
始される時点において、砥石が塑性変形のみを発生させ
るように接触圧力を設定しておくと、精度基準である鏡
板面では前加工の研削による条痕の突起部分が除去され
るのみで、以降は、研磨動作が続いても、除去加工の進
行は停止し、前加工の研削の条痕が鏡板面にわずかに残
留し加工を終了することができる。
【0034】このため、鏡板面においては面粗さは小さ
くなるが、鏡板面,底面間寸法は前加工の端面研削で得
た寸法から、実用レベルで変化しない。よって、寸法、
姿勢公差の基準である鏡板面を、前加工の端面研削で得
た精度に影響を与えるまで除去することなく、外周面,
鏡板面,底面の平面度および面粗さを向上させる研磨加
工が、研磨加工面の反対側に加工基準のない固定スクロ
−ルにおいて可能である。上記の研削および研磨加工に
よって、フランジ面、天板に加工のみに必要な高精度な
基準面を設けることなく、効率的に高精度な固定スクロ
ールを入手することができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図5を
参照して説明する。図1は、本発明の一実施例に係る固
定スクロールの加工方法を工程を追って示した断面図、
図2は、図1の研磨加工における、加工の進行と固定ス
クロールの断面形状の変化の一例を模擬的に示す断面
図、図3は、図1の研磨加工における、精度変化の一例
を示す線図、図4は、図2に示す研磨前の固定スクロー
ルの断面形状を図1に示す端面研削加工で形成する方法
の一例を模擬的に示す断面図、図5は、本実施例におけ
る、研削加工のみによって形成される表面状態と、研削
加工と研磨加工とを組み合わせた加工によって形成され
る表面状態との相違を模擬的に拡大して示す断面図であ
る。
【0036】図1において、1は固定スクロール、1a
は外周面、1bは鏡板面、1cは歯先面、1dは、渦巻
状のスクロールラップ(以下単にラップという)、1e
は、スクロール溝の底面、1fは外側面、1gはフラン
ジ面、1hは天板である。外周面1a、鏡板面1b、お
よび歯先面1cは、同一平面にあり、該平面上の円周に
形成した油溝1lを境に、外周部が外周面1a、油溝1
lを境にスクロール溝までの平面部が鏡板面1b、スク
ロールラップの歯先部が歯先面1cとなっている。2は
外周チャック、3はバッキングプレート、4はエンドミ
ル、5は測定機、6は端面研削砥石、7は加圧プレー
ト、7aはボデー、7bは球体、7cはプレート、8は
研磨砥石である。
【0037】まず、図1(a)に示すように、加工設備
(図示せず)に設けられた、外周チャック2に荒加工を
終了した固定スクロール1を天板1h側より挿入し、フ
ランジ面1gをバッキングプレート3に当接させた状態
で、外側面1fを外周チャック2の水平方向に把持する
爪によって把持し、エンドミル4を用いる切削によりラ
ップ1dを成形する。固定スクロ−ル1の外側面1f、
フランジ面1gおよび天板1hは切削荒加工状態にあ
り、加工用の高精度な基準面は設けていない。
【0038】次に、図1(b)に示すように、鏡板面1
bと底面1eとの段差寸法を加工機に常備した測定機5
により測定する。その後、測定値を加工機にフィードバ
ックし、図1(c)に示すように、固定スクロール1の
鏡板面1bと底面1e間の所期の仕上寸法が確保できる
ように、外周面1a、鏡板面1bおよび歯先面1cを端
面研削砥石6によって研削加工する。
【0039】図1(a)ないし図1(c)の加工は、鏡
板面を基準とする良好な姿勢公差を得る点から、同一設
備で同一チャック状態で加工を行う。その後、図1
(d)に示すように、比較的微細粒の砥粒より構成され
る円盤形状の砥石8に、固定スクロ−ル1の外周面1
a、鏡板面1bおよび歯先面1cを当接し、研磨砥石8
を回転させ、固定スクロール1を回転,揺動させ、天板
1h側から球体を用いた自在継ぎ手機構を具備する加圧
プレート7を介して圧力を加え研磨加工する。加圧プレ
ートは、フランジ面1gを加圧しても良い。
【0040】ここで、図2を参照して研磨加工をより詳
細に説明する。図2において、8は研磨砥石、9は鏡板
面歯先面間凹凸寸法である。図2は、図1(d)の研磨
加工における固定スクロールの形状変化の一例を拡大し
模擬的に示した側断面図である。図2(a)は研磨加工
開始直前の状態の一例を示したもので、このとき固定ス
クロール1の外周面1aおよび鏡板面1bは同一平面上
にあり、歯先面1cは鏡板面1bより突出している。あ
るいは、外周面1aは、鏡板面1bよりも突出していて
も良い。いずれの場合でも、寸法基準である鏡板面1b
は、外周面1aおよび歯先面1cより凹ませておく。
【0041】固定スクロール1には、適宜な圧力を、球
体を用いた自在継ぎ手構造の加圧プレート7を介して、
天板1h側から加える。加圧プレート7は、ボデー7a
を力を加える空気圧あるいは油圧駆動のシリンダ(図示
せず)に接続し、ボデー7aに加えられた力を球体7b
を介してプレート7cに伝える。このような自在継ぎ手
構造の加圧プレート7を用いることによって、加圧面が
片当りを起して偏加重がかかるのを防止でき、荒加工面
である天板1hの精度によらず均等な圧力を加えること
ができる。また、ボデー7aの軸と研磨砥石8の直角度
を高精度にしなくても偏加重がかかるのを防止でき、研
磨装置の調整が容易である。
【0042】研磨砥石8は、外周面1a、鏡板面1bお
よび歯先面1cの凹凸に追従して、全面に接触できるよ
うに、適宜な弾性を有する材料であるポリビニルアルコ
ール、フェノール樹脂等を結合剤とする弾性砥石が望ま
しい。研磨加工を開始すると、研磨砥石8に対して突出
した部分に、より高い圧力がかかり、歯先面1cの突出
した部分がより積極的に除去されて、平坦になってい
く。精度の基準である鏡板面1bは、歯先面1cより凹
んでおり、歯先面1cが平坦となるまで除去加工が開始
しないよう、加える圧力を設定しておく。
【0043】図2(b)は、前記の研摩加工が進行した
状態を示す。加工される外周面1a、鏡板面1bおよび
歯先面1cにかかる圧力は、平坦となることによって均
一となり、同時に固定スクロール1は研磨砥石8側に低
下していく。加工される面に加わる砥石の圧力と切り屑
発生量の関係については、超精密加工マニュアル(小林
昭 他編集、昭和60年 (株)新技術開発センタ発
行50〜52頁)に記載されているように、圧力が高い
状態では切り屑を積極的に排出し除去加工を行うが、あ
る圧力を境にそれ以下に低下すると、加工される面で切
り屑発生はほぼ停止状態となり、砥石の条痕跡のみ塑性
変形で発生させ、いわゆる摩擦領域と呼ばれる加工領域
となり、除去加工が進行しなくなる。
【0044】そこで、図2(b)に示すように、平坦に
なった直後に、研磨砥石8の除去加工が進行しなくなる
ように、天板1hに加圧プレート7を介して加える圧力
を適宜設定しておく。上記の条件では、外周面1a、歯
先面1cが平坦となり、もっとも凹んでいた鏡板面1b
の除去が開始された直後に、研磨砥石8が切り屑を排出
しなくなり、鏡板面1bでは、研磨砥石8の砥粒の条痕
跡のみ塑性変形で形成される状態に移行する。
【0045】このような加工によって、鏡板面1bに
は、前加工の端面研削砥石の砥粒が形成した凸部を除去
し、平滑にする作用のみ研磨砥石によって与えられ、鏡
板面1bの面粗さは小さくなるが、鏡板面1bは、鏡板
面1b,底面1e間寸法が実用上変化するまでは除去さ
れない。表1と図3に、図2に示した加工例において、
固定スクロールに10kPaの平均圧力を加えて研磨し
たときの研磨時間と精度の一つの変化例を示す。
【0046】
【表1】 図3は、横軸に研磨時間(s)をとり、縦軸に各精度を
とって変化を示したもので、図3(a)は鏡板面の面粗
さ(μmRz)の変化、図3(b)は平面度(μm)の
変化、図3(c)は鏡板面,底面間の寸法変化量(μ
m)を示す。図3(b)の平面度は、図2(a)に示す
鏡板面,歯先面間の凹凸9、すなわち径方向の凹凸量で
示した。
【0047】図3に示すように、研磨時間15秒の短時
間で面粗さ0.5μmRz、平面度0.6μmと良好な
精度が得られ、このときの鏡板面1b,底面1e間寸法
変化は前加工の状態から、0.3μmと極めて微小で実
用上問題無い程度である。また、加工時間15秒以上で
は鏡板面1b,底面1e間寸法は変化せず、鏡板面1b
の除去加工は停止しており、微妙な時間管理または加工
中の寸法測定も不要である。なお、要求精度が高くない
場合は、さらに加工時間を短縮できる。
【0048】以上のように、弾性砥石を使用し、適切な
加圧力を負荷した、以上述べたような研磨加工を採用す
ることにより、各精度の基準である鏡板面1bがほとん
ど除去されないため、実用上、鏡板面1bを基準とする
寸法と姿勢公差は、前加工の端面研削で得た精度を変化
させることがなく、かつ平坦で面粗さの小さい外周面1
a、鏡板面1bおよび歯先面1cを得て研磨加工は終了
する。したがって、端面研削と研磨にそれぞれ得意とす
る加工を担わせ、期待する高精度な固定スクロールを効
率的に得ることができる。研磨加工が終了した鏡板面1
bには、前加工の端面研削加工時に形成された、研削砥
粒による条痕がわずかに残留している特徴がある。
【0049】ここで、図2(a)に示したような、断面
形状の固定スクロールを研磨加工の前工程で形成する方
法の一例を図4を参照して説明しておく。すなわち、外
周面1aは鏡板面1bと同一面か、鏡板面1bより突出
し、かつ歯先面1cは鏡板面1bより突出し、かつ、鏡
板面1b,ラップ1d間の直角度、および鏡板面1b,
底面1e間の寸法、および平行度を得る方法を説明す
る。
【0050】図4(a)は、図1(b)を拡大した図
で、ラップ1dのエンドミル仕上が終了し、測定機5に
よって、鏡板面1b,底面1e間の寸法を測定し、次工
程の端面研削による取代を測定した状態である。外側面
1fを外周チャック2で把持し、フランジ面1gをバッ
キングプレート3で支持している。図4(b)は端面研
削砥石6が、外周面1a、鏡板面1bおよび歯先面1c
に接触し、研削加工が進行中の状態を示し、固定スクロ
ール1の変形状態を拡大して模擬的に示している。端面
研削砥石6により固定スクロール1に加わる力によっ
て、比較的肉薄構造の天板1hは突出するように変形
し、加工が進行する。
【0051】このような端面研削中、測定機5の底面測
定子5bは後退し、鏡板面測定子5aが鏡板面1bの取
代残量を常時測定し続ける。鏡板面測定子5aが測定し
ている鏡板面1bは、バッキグプレ−ト3の支持点に近
く、また比較的肉厚構造部であるため、端面研削砥石6
による変形を受けず、高精度な測定ができる。鏡板面1
bで、加工開始前に測定した取代が除去されたとき、研
削加工停止指令が測定機5より出力され端面研削加工は
終了し、所期の鏡板面1b,底面1e間の寸法を得る。
【0052】図4(c)は、上記の端面研削加工が終了
し、端面研削砥石6が加工点より離脱した後の外周面1
a、鏡板面1bおよび歯先面1cの形状を拡大し、模擬
的に示している。すなわち、天板1h上に成形されてい
る歯先面1cは、端面研削時の天板1hの変形が復元す
ることによって鏡板面1bより突出し、鏡板面1bと外
周面1aは同一面に形成される。
【0053】なお、寸法基準である鏡板面1bが外周面
1aよりも突出しないように、端面研削砥石6は歯先面
1cの中心部にかかる側が突出するように、かつ、加工
後に歯先面1cが鏡板面1bよりも凹まないレベルで、
適宜、微小な角度θだけ傾斜させても良い。このように
すると、外周面1aも歯先面1cとともに、鏡板面1b
より突出させることができ、確実に鏡板面1bをもっと
も凹ませることができる。以上の加工によって、鏡板面
1bは外周面1aおよび歯先面1cよりも突出しない形
状に成形でき、かつ鏡板面1bを基準とする底面1e間
の寸法が良好にできる。
【0054】また、同一設備で同一チャックに把持した
ままでエンドミル加工と端面研削加工を行うことによっ
て、鏡板面1bを基準とするラップ1dの直角度が得ら
れ、鏡板面1bを基準とする底面1eの平行度が良好に
できる。したがって、図2に示した研磨加工に供する形
状を得ることができる。また、このような加工内容は、
加工条件の設定によって容易に達成でき、複雑な工程を
経るものではなく、効率的である。
【0055】次に、図2の研磨加工によって形成される
表面状態の一例を図5を参照して説明する。図5(a)
は、従来の技術である研削砥石によって形成された面の
断面の一例を示したものであるが、凹凸が一様に存在す
る。このような面が外周面1a、鏡板面1bおよび歯先
面1cに形成されていると、その凹凸のためガス洩れ、
ガス流入の要因となる。
【0056】図5(b)は、本発明により形成される面
の断面形状の一例を、鏡板面1bの例で示したものであ
るが、研磨加工によって研削面の突起部は除去され、凹
みのみ存在する面となっている。なお、歯先面1cでは
研削面は消滅し、全て研磨された面となるため、図5
(b)の面よりも良好になる。このような面を、提供す
ることで、組み合わされる部品との隙間を減少すること
ができ、かつ摺動抵抗の小さい面を供給できることか
ら、効率の良いスクロール圧縮機を提供することができ
る。
【0057】本実施例によれば、圧縮機の機能上は不必
要な加工基準面を設けず、高精度な固定スクロールの製
造が可能である。そして、これにより、従来の技術より
高効率な加工が実現できる。また、端面研削と研磨を組
み合わせた加工が可能となり、平面度および面粗さの小
さい外周面、鏡板面、歯先面を有する固定スクロールを
効率的に得ることができる。さらに、本実施例による加
工方法で製造した固定スクロールを提供することによ
り、高性能で低廉なスクロール圧縮機を提供することが
できる。
【0058】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、機能上不要な部分の高精度加工を省略し、効率的
で高精度な固定スクロールの加工方法を提供することが
できる。また、本発明によれば、研削と研磨の組合せよ
る工程の加工を可能とし、良好な精度を得ながら、かつ
能率的な固定スクロールの加工方法を提供することがで
きる。さらに、本発明によれば、機能上不必要な加工基
準を設けずに、高精度な固定スクロールを提供し、圧縮
機の消費電力低減と信頼性向上に寄与するることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る固定スクロールの加工
方法を工程を追って示した断面図である。
【図2】図1の研磨加工における、加工の進行と固定ス
クロールの断面形状の変化の一例を模擬的に示す断面図
である。
【図3】図1の研磨加工における、精度変化の一例を示
す線図である。
【図4】図2に示す研磨前の固定スクロールの断面形状
を図1に示す端面研削加工で形成する方法の一例を模擬
的に示す断面図である。
【図5】本実施例における、研削加工のみによって形成
される表面状態と、研削加工と研磨加工とを組み合わせ
た加工によって形成される表面状態との相違を模擬的に
拡大して示す断面図である。
【図6】一般的なスクロール圧縮機の圧縮機構部の断面
図である。
【図7】図6の固定スクロールの断面図および斜視図で
ある。
【図8】固定スクロールの従来の加工法の一例を工程を
追って示した断面図である。
【図9】固定スクロールの従来の加工法の他の一例を工
程を追って示した断面図である。
【符号の説明】
1…固定スクロール、1a…外周面、1b…鏡板面、1
c…歯先面、1d…ラップ、1e…底面、1f…外側
面、1g…フランジ面、1h…天板、2…外周チャッ
ク、3…バッキングプレート、4…エンドミル、5…測
定機、6…端面研削砥石、7…加圧プレート、7a…ボ
デー、7b…球体、7c…プレート、8…研磨砥石。
フロントページの続き (72)発明者 堀江 辰雄 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所リビング機器事業部冷 熱本部内 (72)発明者 桝田 正美 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 前田 幸男 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 加藤 和弥 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鏡板面から渦巻状ラップが直立する固定
    スクロールにおいて、当該固定スクロールの切削荒加工
    した外側面,フランジ面等を把持した状態で渦巻状ラッ
    プを切削仕上し、引き続き当該固定スクロールの外周
    面、鏡板面および歯先面を研削加工し、前記鏡板面およ
    び外周面より歯先面を突出させた形状として、前記鏡板
    面を基準とする溝底深さ寸法と、鏡板面と溝底の平行
    度、鏡板面に対するラップ直角度の姿勢公差を満足させ
    た固定スクロールであって、 さらに、前記鏡板面に前記研削加工の砥粒条痕が残留す
    る範囲の極微小取代で、前記外周面,鏡板面,歯先面の
    平面度、面粗さを確保するとともに、前記研削加工で得
    た前記鏡板面を基準とする溝底寸法と姿勢公差を実用上
    変化させない研磨加工を施して形成されたことを特徴と
    する固定スクロール。
  2. 【請求項2】 鏡板面から渦巻状ラップが直立する固定
    スクロールの加工方法において、 当該固定スクロールの外側面、フランジ面および天板面
    を切削荒加工し、その荒加工部分をチャックで把持した
    状態で渦巻状ラップを仕上げる第一の工程と、 前記チャックで把持したまま当該固定スクロールの外周
    面、鏡板面および歯先面を研削加工し、前記鏡板面を前
    記外周面および歯先面より凹ませて成形する第二の工程
    と、 前記第二の工程後の外周面、鏡板面および歯先面を研磨
    加工し、前記鏡板面に前記研削加工の砥粒条痕が残留す
    る状態で研磨加工を終了する第三の工程とからなること
    を特徴とする固定スクロールの加工方法。
  3. 【請求項3】 固定スクロールの外周面、鏡板面および
    歯先面の研磨方法であって、回転する円盤状砥石に当該
    固定スクロールの外周面、鏡板面および歯先面を当接
    し、当該固定スクロールを回転させ、かつ揺動運動させ
    ながら、前記固定スクロールに前記鏡板面の反対方向か
    ら、球体を用いて構成される自在継ぎ手構造の加圧プレ
    ートを介して圧力を加え、研磨することを特徴とする請
    求項2記載の固定スクロールの加工方法。
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