JP3379792B2 - スクロール流体機械の製造方法 - Google Patents

スクロール流体機械の製造方法

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JP3379792B2
JP3379792B2 JP11670693A JP11670693A JP3379792B2 JP 3379792 B2 JP3379792 B2 JP 3379792B2 JP 11670693 A JP11670693 A JP 11670693A JP 11670693 A JP11670693 A JP 11670693A JP 3379792 B2 JP3379792 B2 JP 3379792B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スクロール流体機械の
製造方法に係り、例えば、空気調和機などに使用される
スクロール圧縮機などの、特にスクロールの鏡板背面側
ガスのポンプ室への流入防止を図りうるシール部分を形
成する、スクロール流体機械の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来の、吐出ガスを密閉ケース内に貯溜
させる、いわゆる高圧容器タイプのスクロール圧縮機の
構造は、例えば、特開平1−187388号公報記載の
ものが知られている。ここで、そのポンプ部(圧縮機構
部)を拡大して図6に示す。図6は、従来のスクロール
圧縮機のポンプ部を示す縦断面図である。図6におい
て、11は固定スクロール、11aはラップ、11bは
天板、11cは鏡板、11dは吸入口、11eは吐出
口、12は旋回スクロール、12aはラップ、12bは
鏡板、12cはベアリング、12dはキー溝、12eは
鏡板外周凸部、13はフレーム、13aはベアリング、
13bはキー溝、13cは台座面、13dは端面、14
はオルダムリング、14aは突起部、15はクランクシ
ャフト、15aは偏心部、16はボルト、17は密閉ケ
ースである。
【0003】フレーム13のベアリング部13aにクラ
ンクシャフト15が嵌入されている。このクランシャフ
ト15の偏心部15aと旋回スクロール12は、その反
ラップ側に形成されたベアリング12c内径に、偏心部
15aの外径が嵌合され組立てられている。フレーム1
3と旋回スクロール12との間には、オルダムリング1
4が、それぞれのキー溝12d,13bに、中空円板上
の上下に直角方向に配置した突起部14aを挿入し、ク
ランクシャフト15の回転運動を旋回スクロール12の
旋回運動に連繋するように組み立てられている。
【0004】また、固定スクロール11は、前述の旋回
スクロール12の上部から、それぞれのラップ11a,
12aの側面、先端、および溝底間が微小なクリアラン
スを形成するように近接させた状態で組み合わせられ、
ボルト16によってフレーム13に締結しポンプ部の組
立が完了する。このとき、同時に旋回スクロール12の
鏡板12bの外周凸部12eは、フレーム13に形成し
た台座面13cと、固定スクロール11の鏡板11cで
形成する空間(間隙)に、適宜なクリアランスをもって
収納される。
【0005】以上のように組立が完了したスクロール圧
縮機は、下部に設けたモータ(図示せず)の回転運動に
よって、固定スクロール11の一部に設けた吸入口11
dからガスがポンプ内部に吸入され、順次圧縮されて固
定スクロール11の天板11bの中央部に開口した吐出
口11eに導かれ、密閉ケース17の内部に吐出され
る。
【0006】このようなスクロール圧縮機は、運転中に
固定スクロール11と旋回スクロール12が、その相互
のポンプの圧縮作用で内部のガス圧力が上昇することか
ら、固定,旋回両スクロール11,12が離反すること
になる。そこで、その防止策として、(1)旋回スクロ
ール背面に、クランクシャフト15下部から連通させた
給油穴(図示せず)により、密閉ケースの内圧を適正に
制御した圧力(以下中間圧という)を導き、旋回スクロ
ール12を固定スクロール11の鏡板11cに常時押し
つける構造を採用する、(2)台座面13c,端面13
d間の段差寸法と、旋回スクロール12の鏡板外周凸部
12e厚さ寸法とを縮小し、旋回スクロール12の離反
を抑える、構造としていた。
【0007】このような従来のスクロール圧縮機の性能
は、前述の固定スクロール11と旋回スクロール12と
の摺動する当接部の洩れ、すなわち、固定スクロール1
1の鏡板11c面と、旋回スクロール12の鏡板12b
面との間からの中間圧のガス流入量、あるいは固定,旋
回両スクロール11,12の離反による圧縮されたガス
の逆流量によって左右される。
【0008】この性能を阻害する中間圧ガスの流入およ
び圧縮ガスの逆流は、フレーム13の台座面13cと固
定スクロール11の鏡板11cとで形成される空間(間
隙)と、この空間に挟まれるように配置される旋回スク
ロール12の鏡板外周凸部12e厚さとで形成されるク
リアランスの大小、およびスクロールの摺動面、すなわ
ち、固定スクロール11の鏡板11c面と旋回スクロー
ル12の鏡板12b面との当接時の隙間の大小に左右さ
れる。
【0009】さらに詳しく説明すれば、台座面13c,
固定スクロール11の鏡板11c間の空間と、旋回スク
ロール12の鏡板外周凸部12e厚さとで形成する隙間
(クリアランス)は、関連する部品の平面性状(平面
度,面あらさ)を見込んだ寸法設定値で決定し、固定ス
クロール11の鏡板11c面と旋回スクロール12の鏡
板12b面との当接摺動時の隙間は、両部品の平面性状
(平面度,面あらさ)で決定する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来のスクロール圧縮
機は、これらのガス洩れに影響する部分の加工精度が悪
く、満足な性能を得ることが不可能であった。すなわ
ち、フレーム端面13d、台座面13cは旋削仕上のた
め、その加工プロセスから加工面の面あらさおよび平面
度が悪く、しかも、段差寸法精度がラフで、加工公差を
大きく取る必要があった。
【0011】また、旋回スクロール12の鏡板外周凸部
12eの背面加工においても、旋削仕上のために加工面
の面あらさおよび平面度が悪く、これをエンドミル加工
の加工基準とするラップ12a側の鏡板12bの厚さ精
度,平面性状はチャック変形を包含するため、高精密に
加工することは困難であった。したがって、フレーム端
面13d,台座面13c間での旋回スクロール12の挟
まれ間隙が実質的に大きくなるとともに、両スクロール
の鏡板の平面度の悪さから、固定,旋回両鏡板11c,
12b面間にも隙間が生じ、中間圧ガスのポンプ部への
流入、あるいは圧縮ガスの逆流を防止できず、高性能な
スクロール圧縮機を提供することができないという問題
があった。
【0012】さらに、固定スクロール11の鏡板11c
の加工も、従来、旋削加工あるるいはエンドミル加工を
採用することが通例で、面あらさが劣ることから、旋回
スクロール12の鏡板12bとの摺動摩擦係数が高く、
運転入力が上昇し、省エネルギーに反する結果となって
いた。
【0013】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、ポンプ部を構成するそれぞれ
の部品の高精度化を実現し、固定スクロールと旋回スク
ロールの鏡板面摺動部からのガス漏れを抑制し、スクロ
ール流体機械の性能向上を達成するスクロール流体機械
の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るスクロール流体機械の製造方法の構成
は、密閉ケース内に、モータと該モータに連結されたポ
ンプ部とを収納し、それぞれの鏡板に渦巻状のラップを
有し、それぞれのラップを噛み合わせることによりポン
プ室を形成する固定スクロ−ルおよび旋回スクロ−ル
と、モータの回転力を伝達し旋回スクロ−ルを公転させ
るクランク軸と、このクランク軸を回転させる軸受を具
備したフレ−ムとを備え、前記旋回スクロールの鏡板の
外周部は背面側に全周に亘る凸部を有し、該凸部を有す
る旋回スクロールの鏡板外周部は、前記固定スクロール
の鏡板の外周部と前記フレームの台座面とで形成される
間隙に配置されてなるスクロール流体機械の製造方法に
おいて、前記固定スクロールは、前記旋回スクロールの
鏡板面の接触摺動を受ける当該固定スクロールの鏡板に
超仕上研磨を施し、前記旋回スクロールは、その鏡板の
背面に研削加工を施したのち、該背面を基準にして、エ
ンドミルにより鏡板面厚さ寸法と鏡板面の平面度を精密
加工し、前記フレームは、前記固定スクロールの当接す
るその端面と台座面とを関連させて研削加工するととも
に、さらに、前記旋回スクロールにはリン酸塩化成皮膜
処理を施し、これらの部品を組み合せ、前記旋回スクロ
ールと前記固定スクロールの鏡板面の摺動時の密着性を
高めるようにしたものである。
【0015】すなわち、従来のスクロール流体機械の性
能的欠陥は、関連する部品の関連部分の徹底した高精度
化と面性状の向上を図り、ガスの流入あるいは逆流に影
響する隙間の縮小と摩擦係数の低減を図ること、また、
補助的に鏡板および台座面間の両側と摺動する旋回スク
ロールに、軽負荷で結晶が崩れ初期摺動で馴染みやすい
表面処理を施し、さらにガス流入隙間の縮小を図ること
により解消できる。
【0016】
【作用】上記技術的手段(製造方法)の働きは次のとお
りである。固定スクロール端面には、研削加工と、さら
に面精度の向上を期して超仕上研磨を施し、摩擦係数の
軽減を図る。旋回スクロールは、端面研削により、鏡板
外周凸部の背面の加工精度向上と平面度,面あらさの向
上とを図り、該背面を基準として鏡板面の加工を実施
し、鏡板厚さ寸法の確保と平面精度の向上を図る。ま
た、旋回スクロールには馴染性の良好な比較的薄い膜厚
の表面処理を施し、鏡板面の性状にフィットした実摺動
面を得る。
【0017】フレームの端面と台座面とを同じチャッキ
ングで端面研削し、段差寸法および平行度の確保を図る
とともに、面あらさの向上を図る。本発明によるスクロ
ール流体機械、特にスクロール圧縮機は、これらの要素
を反映した部品の組合せにより、中間圧ガスのポンプ部
への流入あるいは圧縮ガスの逆流に関わる部品間隙間を
縮小することにより、所期の性能が得られる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図5を参
照して説明する。図1は、本発明の一実施例に係るスク
ロール圧縮機の固定スクロールの加工方法を示す断面
図、図2は、同スクロール圧縮機の旋回スクロールの加
工方法を示す断面図、図3は、同スクロール圧縮機のフ
レームの加工方法を示す断面図、図4は、本発明の一実
施例に係るスクロール圧縮機の圧縮機構部の縦断面図、
図5は、図4のP部の要部拡大図である。ここでは、ス
クロール圧縮機のポンプ部を構成する主要部品である、
固定スクロール,旋回スクロール,フレームのそれぞれ
の加工方法の実施例を説明する。なお、図4に示すスク
ロール圧縮機は、先に説明した図6のスクロール圧縮機
と同等構造のものの加工精度を向上したものである。
【0019】〔実施例 1〕まず、図1を参照して固定
スクロールの加工方法を説明する。図1は、本発明の一
実施例に係る固定スクロールの加工方法の手順を示す断
面図である。図1において、1は固定スクロール、1a
は、鏡板に形成された渦巻き状のラップ、1bは天板、
1cは鏡板、1dは吸入口、Aはエンドミル、Bは測定
器、Cは研削砥石、Dは超仕上砥石である。
【0020】図1に示す固定スクロール1は、スクロー
ル加工機(図示せず)にチャックした状態であり、ま
ず、図1(a)に示すように、エンドミルAを用いて切
削により適宜溝幅,深さを成形してラップ1aを成形す
る。次に、図1(b)に示すように、鏡板1cとスクロ
ール底との段差寸法を加工機上に常備した測定器Bによ
り測定する。そして、この測定値をフィードバックし、
図1(c)に示すように所期スクロール底深さ寸法が確
保できるよう鏡板1cを研削砥石Cで研削加工する。
【0021】その後、図1(d)に示すように、鏡板1
cの研削加工面を超微粒砥粒結合体等よりなる超仕上砥
石Dを用いて超仕上加工を実施する。この場合、研削加
工はCBN砥石等の超高硬度砥石を用いて、面あらさ精
度はある程度犠牲にし、形状精度を重視した加工諸元を
採用し、超仕上加工は前記研削加工面の面あらさの範囲
内の軽度の研削を行うことで効率的な超仕上加工諸元と
加工面が得られる。鏡板1cの平面度は3μm以下が望
ましい。ここで、これら一連の加工はその相関精度維持
の上から同一チャック状態で加工を終了させることが望
ましい。
【0022】〔実施例 2〕 次に、図2を参照して旋回スクロールの加工方法を説明
する。図2は、本発明の一実施例に係るスクロール圧縮
機の旋回スクロールの加工方法を示す断面図である。図
2において、2は旋回スクロール、2aは鏡板上に直立
する渦巻き状のラップ、2bは鏡板、2cはベアリン
グ、2dは鏡板外周凸部、2eは鏡板外周凸部の背面、
2gはリン酸塩化成皮膜、Eは研削砥石、Fはエンドミ
ルである。
【0023】旋回スクロール2は、図2(a)に示すよ
うに、一連のスクロール加工前に鏡板外周凸部2dの背
面2eを研削砥石Eにより仕上加工しておく。次に、図
2(b)に示すように、スクロール加工機(図示せず)
にチャックした状態でエンドミルFにより、側面切削で
スクロール加工を行いラップ2aを形成し、さらに端面
切削で鏡板2bの厚さおよび平面加工を実施する。
【0024】その後、図2(c)に示すように、旋回ス
クロール2をスクロール加工機から外した状態で、破線
で示すリン酸塩化成皮膜2gを形成するようにリン酸塩
化成皮膜表面処理を行う。旋回スクロール2の鏡板面精
度はエンドミル加工によることから、図2(a)に示す
ように加工基準面となる背面2eの研削加工を施し、さ
らに図2(b)に示すように締め付け変形の少ない引込
み式チャック方法を採用しても、大量生産の場合は平面
度5μmが通常の場合限界である。リン酸塩化成処理皮
膜は、この平面度を二次的に補助する働きで処理するも
のであり、その膜厚は5μm以上を必要とする。
【0025】〔実施例 3〕次に、図3を参照してフレ
ームの加工方法を説明する。図3は、本発明の一実施例
に係るスクロール圧縮機のフレームの加工方法を示す断
面図である。図3において、3はフレーム、3aはクラ
ンクシャフトを支持するベアリング、3bは台座面、3
cは端面、Gは研削砥石である。
【0026】フレーム3は所期形状に荒引き切削加工終
了後、端面研削盤(図示せず)にチャッキングされ、図
3(a)に示すように、端面3cを研削する。次に同一
チャック状態で、図3(b)に示すように、研削砥石G
を作動し、台座面3bの研削仕上を行う。このように同
一チャックで加工を関連させることにより、端面3cと
台座面3bとの段差寸法は、最近のNC機などではμm
レベルに高精度に確保することが可能である。
【0027】〔実施例 4〕次に、前記実施例1,2,
3で説明した加工方法により製作した各部品を使用し組
み立てたスクロール圧縮機の一例を図4および図5を参
照して説明する。図4は、本発明の一実施例に係るスク
ロール圧縮機の圧縮機構部の縦断面図、図5は、図4の
スクロール圧縮機の固定スクロールと旋回スクロールの
摺動面間のリン酸塩化成皮膜の馴染み状況の一例を示す
要部拡大図であり、図4のP部詳細図である。
【0028】図4において、1は固定スクロール、1a
は、鏡板1cに形成した渦巻き状のラップ、1bは天
板、1cは鏡板、1dは吸入口、1eは吐出口である。
また、2は旋回スクロール、2aは、鏡板2b上に直立
した渦巻き状のラップ、2bは鏡板、2cはベアリン
グ、2dは鏡板外周凸部、2eは鏡板外周凸部の背面、
2fはキー溝、2gはリン酸塩化成皮膜である。3はフ
レーム、3aは、クランクシャフト5を支持するベアリ
ング、3bは台座面、3cは端面、3dはキー溝、4は
オルダムリング、4aは突起部、5はクランクシャフ
ト、5aは、クランクシャフト5の偏心部、6は、固定
スクロール1とフレーム3とを締結するボルト、7は密
閉ケースである。
【0029】図4に示すスクロール圧縮機は、密閉ケー
ス7内に、モータ(図示せず)と該モータに連結された
ポンプ部(圧縮機構部)とを収納し、それぞれの鏡板に
渦巻状のラップを有し、それぞれのラップを噛みあわせ
ることによりポンプ室を形成する固定スクロ−ル1およ
び旋回スクロ−ル2と、モータの回転力を伝達し旋回ス
クロ−ル2を公転させるクランクシャフト5と、このク
ランクシャフト5を支持するベアリング3aを具備した
フレ−ム3とを主要部品として備えたものである。
【0030】より具体的に述べれば、フレーム3のベア
リング部3aにクランシャフト5が嵌入されている。こ
のクランクシャフト5の偏心部5aと旋回スクロール2
は、その反ラップ側に形成されたベアリング2c内径
に、偏心部5aの外径が嵌合され組み立てられている。
フレーム3と旋回スクロール2との間には、オルダムリ
ング4がそれぞれのキー溝2f,3dに、中空円板上の
上下に直角方向に配置した突起部4aを挿入し、クラン
クシャフト5の回転運動を旋回スクロール2の旋回運動
に連繋するように組み立てられている。
【0031】また、固定スクロール1は前述の旋回スク
ロール2の上部からそれぞれのラップ1a,2aの側
面、先端、および溝底間が微小な隙間を形成するように
近接させた状態で組み合わせられ、ボルト6によってフ
レーム3に締結しポンプ部の組立が完了する。このと
き、同時に旋回スクロール2の鏡板2bの外周凸部2d
は、フレーム3に形成した台座面3bと固定スクロール
1の鏡板1c面で形成する空間(間隙)にクリアランス
をもって収納されるものである。
【0032】以上のように組立が完了した本実施例のス
クロール圧縮機は、従来のスクロール圧縮機と同様、下
部に設けたモータ(図示せず)の回転によって、クラン
クシャフト5が旋回スクロール2を自転なしに公転さ
せ、固定スクロール1の一部に設けた吸入口1dからポ
ンプ内部にガスを吸入し、順次圧縮して固定スクロール
1の天板1bの中央部に開口した吐出口1eに導き、密
閉容器7の内部に吐出する。
【0033】固定,旋回両スクロール1,2間のガス漏
れを防止する方策は、従来の圧縮機と同様にクランクシ
ャフト5の中央部に設けた給油穴(図示せず)から適宜
制御した中間圧ガスを付加し、固定スクロール1の鏡板
1cに旋回スクロール2の鏡板2b面を押圧するか、台
座面3bで旋回スクロール2の凸部背面2eで離反を抑
えるかすることは同様であるが、前者は、特に固定スク
ロール1の端面超仕上により、面精度の大幅な向上によ
る摺動摩擦力の低減が可能となっている。
【0034】また、5μm以上の厚さのリン酸塩皮膜化
成処理の適用により、図5に示すように、両スクロール
の摺動部、すなわち、固定スクロール1の鏡板1cと旋
回スクロール2の鏡板2bとの実摺動平面形成形状にフ
ィットした状態で、リン酸塩化成皮膜2gが早期に摩耗
し、馴染性を発揮するとともに、より一層密着度が向上
する。
【0035】さらに、ガス漏れに関連する隙間は、フレ
ーム3の端面3cと台座面3bの両面を同一チャックの
状態で端面研削加工されることから、段差寸法および平
行度,面あらさともに高精密に加工され、従来のスクロ
ール圧縮機にみられる旋削加工面に比較し、各精度とも
格段に向上を図ることができる。一方、旋回スクロール
2は、鏡板外周凸部2dの背面2eを鏡板2bの加工前
に精密に研削し、これをラップ2a、鏡板2b面のエン
ドミル加工の基準面とすることから、従来のスクロール
圧縮機に見られる旋削加工面の平面度不良による、チャ
ック時変形を格段に抑えることができ、引いては鏡板2
bの平面度,厚さ寸法のばらつきを抑止することができ
る。
【0036】以上、本実施例のポンプ部構成部品を使用
することにより、フレーム3の台座面3bと、そのフレ
ーム3の端面3cに当接する固定スクロール1の鏡板1
cで形成する空間幅精度が向上し、加えて、これに挟ま
れる旋回スクロール2の鏡板外周凸部2dの精度が向上
することから、旋回スクロール2の挟まれ隙間の縮小が
可能となり、併せてリン酸化成処理皮膜2gの適用と、
これの隙間馴染性により中間圧ガス漏れの大幅な低減が
可能となる。
【0037】以上説明したように、密閉容器7内部を高
圧雰囲気とするスクロール圧縮機は、本実施例のように
ポンプ組立部品の加工精度の向上と、旋回スクロール2
のリン酸塩化成処理皮膜2gの併用により、性能低下を
招く中間圧あるいは圧縮されたポンプ部のガス漏れにつ
ながる組立隙間の大幅な縮小が可能となり、従来のスク
ロール圧縮機に比較し、運転消費電力の少ない高効率の
スクロール圧縮機を提供することができる。なお、上記
実施例はスクロール圧縮機について説明したが、本発明
は圧縮機に限らず、膨張機などのスクロール流体機械の
製造方法にも適用できるものである。
【0038】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、ポンプ部を構成するそれぞれの部品の高精度化を
実現し、固定スクロールと旋回スクロールの鏡板面摺動
部からのガス漏れを抑制し、スクロール流体機械の性能
向上を達成するスクロール流体機械の製造方法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るスクロール圧縮機の固
定スクロールの加工方法を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係るスクロール圧縮機の旋
回スクロールの加工方法を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施例に係るスクロール圧縮機のフ
レームの加工方法を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施例に係るスクロール圧縮機のポ
ンプ部の縦断面図である。
【図5】図4のスクロール圧縮機の固定スクロールと旋
回スクロールの摺動面間のリン酸塩化成皮膜の馴染み状
況の一例を示す要部拡大図である。
【図6】従来のスクロール圧縮機のポンプ部を示す縦断
面図である。
【符号の説明】
1 固定スクロール 1a ラップ 1c 鏡板 2 旋回スクロール 2a ラップ 2b 鏡板 2d 鏡板外周凸部 2e 背面 2g リン酸塩化成皮膜 3 フレーム 3b 台座面 3c 端面 5 クランクシャフト 5a 偏心部 7 密閉ケース A,F エンドミル B 測定器 C 研削砥石 D 超仕上砥石 E,G 研削砥石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢村 仁 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所リビング機器事業 部冷熱本部内 (72)発明者 山中 敏夫 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所リビング機器事業 部冷熱本部内 (72)発明者 稲場 恒一 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所リビング機器事業 部冷熱本部内 (56)参考文献 特開 昭61−175291(JP,A) 特開 昭60−113082(JP,A) 特開 昭61−236442(JP,A) 特開 昭63−100288(JP,A) 特開 昭58−57002(JP,A) 特開 平3−67081(JP,A) 特開 昭58−126492(JP,A) 特開 昭61−226584(JP,A) 特開 平5−293712(JP,A) 特開 平6−712(JP,A) 特開 平6−99306(JP,A) 特開 平1−187388(JP,A) 特公 平1−51909(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 18/02 311 B23Q 3/00 - 3/18 B23Q 37/00 - 41/08 B23P 23/00 - 25/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉ケース内に、モータと該モータに連
    結されたポンプ部とを収納し、それぞれの鏡板に渦巻状
    のラップを有し、それぞれのラップを噛み合わせること
    によりポンプ室を形成する固定スクロ−ルおよび旋回ス
    クロ−ルと、モータの回転力を伝達し旋回スクロ−ルを
    公転させるクランク軸と、このクランク軸を支持する軸
    受を具備したフレ−ムとを備え、 前記旋回スクロールの鏡板の外周部は背面側に全周に亘
    る凸部を有し、該凸部を有する旋回スクロールの鏡板外
    周部は、前記旋回スクロ−ルのラップと接触摺動する溝
    底の外側にある前記固定スクロールの鏡板と前記フレー
    ムの台座面とで形成される間隙に配置され、付加された
    中間圧ガスにより前記固定スクロ−ルの鏡板に前記旋回
    スクロ−ルの鏡板面を押圧してなるスクロール流体機械
    の製造方法において、 前記固定スクロールは、前記旋回スクロールの前記ラッ
    プ側の鏡板面接触摺動する当該固定スクロールの鏡板
    超微粒砥粒結合体よりなる超仕上砥石により平面度3
    μm以下に研磨加工を施し、 前記旋回スクロールは、その鏡板の背面に研削加工を施
    したのち、その研削加工された背面を基準にして、エン
    ドミルにより鏡板面厚さ寸法と鏡板面の平面度を精密加
    工し、 前記フレームは、前記固定スクロール当接するその端
    面と前記旋回スクロールの背面側鏡板外周部と対向する
    台座面とを関連させて研削加工するとともに、 さらに、前記旋回スクロールにはリン酸塩化成皮膜処理
    を施し、 これらの部品を組み合せ、前記旋回スクロールと前記固
    定スクロールの鏡板面の摺動時の密着性を高めるように
    したことを特徴とするスクロール流体機械の製造方法。
  2. 【請求項2】 旋回スクロールは、加工機上で、鏡板外
    周凸部の背面に研削加工を施したのち、該背面を基準に
    して、エンドミルの側面切削でラップの成形を行い、さ
    らに端面切削で鏡板の平面加工を行い、鏡板面厚さ寸法
    と鏡板面の平面度を5μm以下に精密加工し、 次いで、前記加工後の旋回スクロールを加工機から外し
    た状態で、膜厚が少な くとも5μm以上のリン酸塩化成
    皮膜処理を施す ことを特徴とする請求項1記載のスクロ
    ール流体機械の製造方法。
  3. 【請求項3】 フレームは、加工機の同一チャック状態
    で、固定スクロールの当接するその端面と台座面とを研
    削加工することを特徴とする請求項1記載のスクロール
    流体機械の製造方法。
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