JPH0732961Y2 - スライドユニット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、往復直線駆動するスライドユニットに関し、
自動組み立て装置における部品搬送などに利用される。

〔従来の技術〕

各種の自動組み立て装置において、部品や工具などの搬
送物を移動させるために、往復直線駆動手段としてスラ
イドユニットが用いられている。

スライドユニットは、基本的には、軸方向に往復移動す
る流体圧シリンダなどの駆動手段が組みつけられた本体
ハウジングと、本体ハウジングに軸方向に取りつけられ
た軸受け部材に沿って駆動手段により往復駆動される移
動体とから構成されている。

ところで、スライドユニットの使用に際しては、搬送物
の種類や工程の内容などに応じて、移動体の移動ストロ
ークを変える必要がしばしば発生する。

そのため、従来のスライドユニットは、移動体を当接さ
せて位置決めを行うためのストッパ部材を、本体ハウジ
ングに軸方向に形成した取りつけ溝の適当位置に取りつ
けることによって、移動体のストロークを調整すること
ができるようになっている（例えば実開昭62−6508号公
報）。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、移動ストロークを頻繁に変える必要がある場合
には、その都度ストッパ部材の取りつけ位置を再調整し
なければならず、そのような調整が非常に面倒であっ
た。そして、ストッパ部材の位置変更を行うことなく、
複数の位置での移動体の位置決めを連続的に行う、いわ
ゆる多点停止が不可能であった。

なお、所定数の可動ストッパ機構を軸方向に沿って配置
し、それらの状態制御を行えば、移動ストロークを動的
に変更することができる。ただし、可動ストッパ機構を
本体ハウジングに組み付けると、可動スペースを必要と
することから、固定式のストッパ部材による場合と比べ
て、スライドユニットが大型化してまう。

本考案は、上述の問題に鑑み、ストッパ配置位置を変更
することなく複数箇所での移動体の位置決めを行うこと
が可能な小型軽量のスライドユニットを提供することを
目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係るユニットは、上述の課題を解決するため、
軸方向に往復移動する駆動手段が設けられた本体ハウジ
ングと、前記本体ハウジングに軸方向に取りつけられた
軸受け部材に沿って前記駆動手段により往復駆動される
移動体とを有したスライドユニットであって、前記本体
ハウジングの前記移動体との対向面側に、取りつけ溝と
Ｔ字溝とからなり、前記移動体の全移動範囲にわたって
軸方向に沿って延びる長溝が設けられており、伸長状態
では前記移動体と当接して該移動体の位置決めを行い収
縮状態では該移動体と非接触となるストッパシリンダを
備え、前記ストッパシリンダのシリンダ本体が前記取り
つけ溝内に嵌め込まれ、前記Ｔ字溝内に挿入された取り
つけ板との螺締めにより、軸方向の任意の位置に固定さ
れてなる。

〔作用〕

ストッパシリンダは、Ｔ字溝内に挿入された取りつけ板
との螺締めにより本体ハウジングに固定され、その配置
位置の任意の設定及び微調整が可能である。

移動体は、ストッパシリンダのロッドが伸長状態のとき
には、ストッパシリンダと当接してその位置に位置決め
され、ストッパシリンダのロッドが収縮状態のときに
は、ストッパシリンダと非接触となり、固定ストッパと
の当接又は駆動手段の停止によって位置決めされる。

複数個のストッパシリンダを取りつけることによって、
その個数に応じた多数の箇所での位置決めが可能とな
る。

ストッパシリンダのシリンダ本体を取りつけ溝に嵌め込
むことにより、ストッパシリンダの組みつけに伴う本体
ハウジングと移動体との間隙の増加が抑えられ、スライ
ドユニットの小型化を図ることができる。

〔実施例〕

第１図は、本考案に係るスライドユニット１の断面正面
図、第２図は第１図のスライドユニット１のII−II線矢
視断面図、第３図は第１図のスライドユニット１のカバ
ー10を取り外した状態の平面図である。

スライドユニット１は、背面側に固定用の長溝22,22を
有した横断面略コの字状の本体ハウジング２、本体ハウ
ジング２の凹部側に取りつけられた駆動手段としてのロ
ッドレスシリンダ３、ロッドレスシリンダ３により往復
直線駆動される移動体４、移動体４を移動可能に支持す
る軸受け部材５、本体ハウジング２に装着されたストッ
パシリンダ７、移動体４に取りつけられた永久磁石８、
永久磁石８の磁気によって作動して移動体４の位置を検
出するリードスイッチ９、及びカバー10などから構成さ
れている。リードスイッチ９は、本体ハウジング２の側
部の外面に形成された長溝23内の適当位置に取りつけら
れている。

ロッドレスシリンダ３に圧縮空気を供給することによっ
て、移動体４は軸受け部材５に沿って第３図の左右方向
に往復直線移動し、移動体４に取りつけられた図示しな
い工具や治具などの負荷が同様に往復直線移動する。

ストッパシリンダ７は、圧縮空気によってピストンロッ
ド12が第１図の上下方向に往復駆動（伸縮）するシリン
ダ本体11、及び、ピストンロッド12の先端に取りつけら
れたショックアブゾーバ13を有している。シリンダ本体
11は、本体ハウジング２の内面側に設けられた取りつけ
溝６に嵌まり込んでおり、取りつけ溝６の長手方向（軸
方向）の適当位置において、取りつけ溝６の底部に設け
られたＴ字溝6aに嵌まり込んだ取りつけ板15とシリンダ
本体11のブラケット14との間をボルト16で締めつけるこ
とによって固定されている。

第１図及び第２図の実線で示すように、ストッパシリン
ダ７が伸長しているとき、すなわちピストンロッド12が
上端に位置しているときには、ショックアブゾーバ13が
移動体４の往復移動通路内に突出し、移動体４の端面に
設けられた押当板21がショックアブゾーバ13のロッド13
aの先端に当接し、その逆にストッパシリンダ７が収縮
しているときには、同図の鎖線で示すように、ショック
アブゾーバ13は移動体４の通路から退避するようになっ
ている。

したがって、ストッパシリンダ７が伸長状態のときに
は、移動体４はストッパシリンダ７と当接してその位置
に位置決めされ、ストッパシリンダ７が収縮状態のとき
には、移動体４はストッパシリンダ７と接触せずに通過
する。

このストッパシリンダ７と同様の作用をするストッパシ
リンダ7aが、取りつけ溝６の他の位置にも設けられてい
る。また、取りつけ溝６の側方には、これらストッパシ
リンダ7,7aへの配管用チューブ17を収納する収納溝18が
設けられている。

次に、上述のように構成されたスライドユニット１の動
作について説明する。

移動体４をストッパシリンダ７の位置で位置決めしたい
ときは、ストッパシリンダ７を伸長させた状態で、ロッ
ドレスシリンダ３によって移動体４を第３図の右方から
左方へ移動させる。それにより、押当板21がショックア
ブゾーバ13のロッド13aに当接し、ロッド13aが収縮する
ことによって衝撃が吸収され、移動体４は滑らかに停止
してその位置に位置決めされる。このとき、リードスイ
ッチ９は永久磁石８の磁気によってオンし、位置検出信
号を出力する。その信号によって他の機器を作動させ、
又はロッドレスシリンダ３に圧縮空気を供給している電
磁弁を切り換えるなど、必要に応じて適切な制御を行
う。

ストッパシリンダ７を収縮させ、ロッドレスシリンダ３
を先程と同方向に駆動すると、移動体４はさらに左方向
へ移動し、左端部に当接して停止する。

次に、ストッパシリンダ７を収縮させ他のストッパシリ
ンダ7aを伸長させた状態で、ロッドレスシリンダ３を上
述と反対の方向に駆動すると、移動体４は同図の右方向
へ移動し、ストッパシリンダ7aに当接して停止し、その
位置に位置決めされる。さらにストッパシリンダ7aを収
縮させロッドレスシリンダ３を右方向へ駆動すると、移
動体４は右端部に当接して停止する。

上述の実施例によると、ストッパシリンダ7,7aによって
移動体４の位置決めを行うことができ、しかもストッパ
シリンダ7,7aの伸縮状態によって位置決めの有無を選択
することができるので、適当数のストッパシリンダ7,7a
を取りつけ溝６の適所に取りつけておくことによって、
移動体４の位置決めを複数箇所で選択的に行うことがで
きる。

したがって、スライドユニット１を自動組み立て装置な
どの部品の搬送に用いた場合には、部品の種類の変更や
工程替えなどによって位置決めを行う位置を変更した
り、装置の作動シーケンスを変更する場合に、極めて有
利に使用することができる。

上述の実施例によると、ストッパシリンダ7,7aのシリン
ダ本体11を取りつけ溝６内に収め、本体ハウジング２の
背面を平坦面としたので、例えば２つのスライダユニッ
ト１の一方を他方の移動体４に取り付け、２次元（XY方
向）の搬送手段を簡単に構成することができ、スライダ
ユニット１の用途を拡げることができる。

上述の実施例において、ロッドレスシリンダ３やストッ
パシリンダ7,7aの駆動源として、圧縮空気以外のもの、
例えば油圧、電力、又はバネなどを用いてもよい。

〔考案の効果〕

本考案によると、ストッパ配置位置を変更することなく
複数箇所での移動体の位置決めを行うことが可能であ
り、用途に応じたストッパ配置位置の変更が容易であ
り、且つ小型軽量である実用性に優れたスライドユニッ
トを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るスライドユニットの断面正面図、
第２図は第１図のスライドユニットのII−II線矢視断面
図、第３図は第１図のスライドユニットのカバーを取り
外した状態の平面図である。 １……スライドユニット、２……本体ハウジング、３…
…ロッドレスシリンダ（駆動手段）、４……移動体、６
……取りつけ溝、6a……Ｔ字溝、7,7a……ストッパシリ
ンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】軸方向に往復移動する駆動手段が設けられ
   た本体ハウジングと、前記本体ハウジングに軸方向に取
   りつけられた軸受け部材に沿って前記駆動手段により往
   復駆動される移動体と、を有したスライドユニットであ
   って、 前記本体ハウジングの前記移動体との対向面側に、取り
   つけ溝とＴ字溝とからなり、前記移動体の全移動範囲に
   わたって軸方向に沿って延びる長溝が設けられており、 伸長状態では前記移動体と当接して該移動体の位置決め
   を行い、収縮状態では該移動体と非接触となるストッパ
   シリンダを備え、 前記ストッパシリンダのシリンダ本体が前記取りつけ溝
   内に嵌め込まれ、前記Ｔ字溝内に挿入された取りつけ板
   との螺締めにより、軸方向の任意の位置に固定されてな
   る ことを特徴とするスライドユニット。