JPH0732718A - 塩化ビニル系樹脂基材用転写箔 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂基材用転写箔

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JPH0732718A
JPH0732718A JP5198822A JP19882293A JPH0732718A JP H0732718 A JPH0732718 A JP H0732718A JP 5198822 A JP5198822 A JP 5198822A JP 19882293 A JP19882293 A JP 19882293A JP H0732718 A JPH0732718 A JP H0732718A
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Japan
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resin
vinyl chloride
layer
transfer foil
base material
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JP5198822A
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Tomoko Iwasa
智子 岩佐
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塩化ビニル系樹脂からなる内外装材基材に、
転写法によって、耐候性、耐摩性、耐熱水性が優れ、し
かも高意匠感を表現しうる転写箔を提供する。 【構成】 アクリル系樹脂と塩化ビニル・酢酸ビニル共
重合体樹脂との混合物にワックス及び/又は減摩剤を添
加した剥離層、アクリル系樹脂主体の装飾層、塩化ビニ
ル・酢酸ビニル共重合体樹脂で二次転移温度(Tg)が
100〜110℃で、且つ平均分子量が60000〜8
0000の範囲の特定の樹脂からなる接着層を、順次積
層した構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂から
なる基材の表面を化粧するための塩化ビニル系樹脂基材
用転写箔に関し、特に塩化ビニル樹脂成形体表面を化粧
し、外装用途や水回り用途などの耐候性、耐摩性、耐熱
水性が要求される用途に好適の化粧材を提供できる転写
箔に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル系樹脂の成形体を用い
た外装材あるいは内装材において、樹脂の成形体のまま
では意匠性に乏しいために、樹脂成形体の表面に種々の
方法で模様付けを行い、意匠感の有る内外装材としてい
る。例えば、塩化ビニル樹脂の押し出し成形体にあって
は、その表面にグラビアオフセット印刷、シルクスクリ
ーン印刷その他の印刷方法によって直接絵柄を形成し、
さらにその上に透明なクリヤー保護層を形成して仕上げ
る方法がある。あるいは、樹脂成形体を形成する樹脂そ
のものの中に着色顔料やパール顔料等を混入した樹脂原
料を用いて成形した樹脂成形体とし、それで最終的な内
外装材とする方法等もあった。さらに、樹脂成形体の表
面への絵柄の形成を間接的に、すなわち転写箔により形
成する方法も試みられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の塩化ビ
ニル系樹脂成形体からなる意匠性を有する内外装材の製
造において、上記した直接に絵柄を樹脂成形体の表面に
グラビア、オフセット印刷、その他の印刷方法によって
形成する方法の場合、被印刷面となる樹脂成形体の表面
は厚みが厚い上に平滑性が悪かったり、あるいは、平面
であることは通常稀であり、また、それら平面の組み合
わせからなる樹脂成形体に対しては、各々の平面毎に印
刷を繰り返す必要があった。この為に、複数の面毎に絵
柄を印刷する場合には絵柄の見当合わせが困難であり、
さらに多色刷りにおいては絵柄が不鮮明となり、意匠感
に優れた外装材とすることは困難であった。しかも、一
色の印刷毎に乾燥工程が必要となるために、多色印刷の
場合には極めて生産効率が悪かった。くわえて、印刷形
成された絵柄を保護する意味で、透明なクリヤー保護層
を印刷後に別途形成するための後工程も必要であるな
ど、得られる意匠感の割りにコスト高となるものであっ
た。
【0004】また、樹脂成形体を形成する樹脂原料に、
着色顔料やパール顔料を混入したものを用いて内外装材
を製造する場合には、柄模様の意匠を表現することが本
質的に不可能であり、原料樹脂に前記顔料を混ぜ合わせ
る工程が必要になる反面、極めて単調な意匠感を有する
内外装材しか得られなかった。
【0005】さらに、樹脂成形体に間接的に、すなわち
転写法によって、一旦印刷適性の良い薄い平滑な基材フ
ィルム上に印刷形成した絵柄を成形体表面に転移させて
化粧する試みもなされて来てはいるが、押し出し成形体
のような表面が平滑でない基材に対しては、均一に転写
することが難しく、また室内用途の化粧材と違い雨風や
直射日光等の厳しい条件にに曝される外装用途、あるい
は、浴室、キッチンなどの水回りに使用される内装用途
においては、基本的な転写性能を具備しつつ、耐候性、
耐摩性、耐熱水性等の点でも充分に満足できる特性を具
備した実用的な転写箔は得られていなかった。特に、外
装用、浴室用では、煮沸水に浸漬して加熱する試験を行
っても、変色、層間剥離を起こさないことが要求され
る。現在、業界では、一番厳しい規格としては、最大1
0時間煮沸に耐えることが要求される。また、外装用に
於いては、耐候性として、カーボンアーク燈サンシャイ
ンウエザオメータ(耐候性促進試験機)で最低1000
時間照射しても、変褪色、転写層の剥脱等のないことが
要求される。
【0006】そこで、本発明は、特に塩化ビニル系樹脂
基材用途の転写箔において、耐候性、耐摩性、耐熱水性
が優れた塩化ビニル系樹脂基材用転写箔を提供すること
を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では上記
課題を解決するために、転写箔用基材の一方の面に、ア
クリル系樹脂又は塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂
とアクリル系樹脂との混合樹脂にワックス又は/及び減
摩剤を添加した剥離層と、アクリル系樹脂をビヒクルの
主体とする印刷層による装飾層と、塩化ビニル・酢酸ビ
ニル共重合体樹脂からなる接着剤層とが順次積層されて
いることを特徴とした塩化ビニル系樹脂基材用転写箔と
するものである。また、前記接着剤層を構成する塩化ビ
ニル・酢酸ビニル共重合体樹脂の二次転移温度(Tg)
が100〜110℃で、且つ平均分子量が60000〜
80000であることを特徴とした塩化ビニル系樹脂基
材用転写箔とするものである。
【0008】以下、図面に従って本発明を詳述する。図
1は本発明に係わる一実施例を示す塩化ビニル系樹脂基
材用転写箔の縦断面図である。本発明による塩化ビニル
系樹脂基材用転写箔1は、転写箔用基材2の片面に、剥
離層3、装飾層4、接着剤層5を順次設けた構成からな
る。転写の際は、転写箔用基材2と剥離層3との界面で
剥離し被転写基材側に転写される層、すなわち転写層6
は、転写後の状態で表層から順次剥離層3、装飾層4、
接着剤層5となる。
【0009】転写箔用基材2は、剥離層3との剥離性の
よいものが利用され、例えば、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレートコ
ポリマー、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステ
ルフィルム、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィル
ム等が利用でき、特に厚さ10〜100μmの2軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレン
等のポリオレフィンを上質紙等に塗工した塗工紙等が好
適である。なお、剥離層3との剥離性を制御する意味
で、図示はしないが転写箔用基材2の剥離層3が形成さ
れる面に離型層を設けたものであってもよい。離型層
は、フッ素系樹脂、各種ワックス、シリコーン等の離型
剤を公知のビヒクル、例えば、アクリル系樹脂、セルロ
ース系樹脂、ビニル系樹脂等に添加した塗料の塗膜を形
成したり、離型性の樹脂、例えば、フッ素系樹脂、シリ
コーン、メラミン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、電離
放射線硬化性アクリル系樹脂等を塗工、あるいはエクス
トルージョンコート等で製膜したものを用いればよい。
【0010】剥離層3は、転写箔から装飾層が被転写基
材に転写された以降、転写層6の最外層となるものであ
り、装飾層4の上層となって装飾層4を保護する役割を
果たし、本願目的の一つである優れた耐摩性を具現化す
る際に特に重要な構成要素である。優れた耐候性に顕著
な効果を奏する剥離層3としては、アクリル系樹脂が最
適であるが、アクリル系樹脂単体だと塗膜が硬すぎて、
転写時或いは、転写後の温度変化、外力等により亀裂が
入るという欠点がある。これを改善する為に、塩化ビニ
ル・酢酸ビニル共重合体樹脂をアクリル系樹脂に混合す
る。混合比は、アクリル系樹脂/塩化ビニル・酢酸ビニ
ル共重合体樹脂=9/1〜7/3の範囲であり、特に8
/2程度が好ましい。アクリル系樹脂が少ないと耐候性
が低下し、日光暴露によって黄変等を生じやすくなる。
また、アクリル系樹脂としては、例えばポリメタクリル
酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸
ブチル、ポリメタクリル酸エチルヘキシル等のメタクリ
ル酸アルキルエステル単独重合体、ポリアクリル酸メチ
ル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポ
リアクリル酸エチルヘキシル等のアクリル酸アルキルエ
ステル単独重合体、該アクリル酸アルキルエステルやメ
タクリル酸アルキルエステル同士の共重合体、あるいは
該アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキル
エステルと塩化ビニル、酢酸ビニル等との共重合体等の
樹脂が好ましい。
【0011】上記、アクリル系樹脂、又は塩化ビニル・
酢酸ビニル共重合体樹脂とアクリル系樹脂との混合樹脂
に対して添加することにより、顕著な耐摩性の向上効果
を奏するワックス、減摩剤であるが、このようなワック
スとしては、例えば、ポリエチレン系ワックス、フッ素
樹脂系ワックス、パラフィン、蝋等が挙げられ、添加量
は樹脂全量に対して0.1〜5重量%が好ましい。ま
た、減摩剤としてはアルミナ、炭化珪素、シリカ等の鉱
物系微粉末が挙げられ、添加量としては樹脂全量に対し
て、0.1〜2重量%が好ましい。添加量が少なすぎる
と、耐摩性の向上効果が得られず、逆に多すぎると、剥
離層と装飾層の密着性が低下したり、あるい減摩剤の量
が多すぎると、減摩剤が離型層表面に露出し表面平滑な
転写層の用途に向かない。
【0012】剥離層3には、紫外線による劣化を防止す
る意味で、光安定剤が必要に応じて添加される。例え
ば、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−ter
t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル
−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−アミ
ル−5′−イソブチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−イソブチ
ル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−イソブチル−
5′−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ール等の2′−ヒドロキシフェニル−5−クロロベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤類、2−(2′−ヒドロキ
シ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール等の2′−ヒドロキシ
フェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類、2,
2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾ
フェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベン
ゾフェノン等の2,2′−ジヒドロキシベンゾフェノン
系紫外線吸収剤類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等の
2−ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、フェ
ニルサリチレート等のサリチル酸エステル系紫外線吸収
剤類、あるいは粒径1μm以下の酸化亜鉛、酸化鉄等の
無機系の化合物が使用される。更に、耐候性(特に耐光
性)を向上させる為には、上記紫外線吸収剤等に加え
て、ラジカル捕捉剤としてヒンダードアミン系の光安定
剤を0.3〜2重量%、より好ましくは0.3〜0.5
重量%添加すると良い。2重量%を越えると、外装用、
浴室用として要求される煮沸水に浸漬し10時間加熱に
より、剥離層表面が白化する為、好ましくない。また、
0.3重量%未満だと光安定剤の効果が発現されない。
【0013】装飾層4は、耐候性において優れた特性を
発揮するアクリル系樹脂をビヒクルの主体とする印刷層
からなる。装飾層4の形成に使用する印刷インキ中の着
色剤は、通常のグラビアインキに使用する着色剤であっ
てもよいが、例えば、ベンガラ、二酸化チタン、朱、群
青、緑青(塩基性炭酸銅)、カーボンブラック等の無機
質顔料や、フタロシアニン顔料、キナクリドン系顔料や
イソインドリノン系顔料等の縮合多環状顔料等の有機質
顔料などが、耐候性の面で優れた特性を発揮する。印刷
する絵柄としては、例えば木目模様、大理石模様等の天
然物模様、全面ベタ、幾何学模様、文字、記号等があ
る。
【0014】接着剤層5は、塩化ビニル系樹脂基材への
接着力、耐熱性及び耐水性の面で塩化ビニル・酢酸ビニ
ル共重合体樹脂が使用される。特に、優れた耐熱水性、
耐湿熱性を発揮する点で、塩化ビニル・酢酸ビニル共重
合体樹脂の二次転移温度(Tg)が100〜110℃
で、且つ平均分子量が60000〜80000の範囲に
ある樹脂であることが好ましい。Tgが100℃未満で
あったり、あるいは平均分子量が60000未満である
場合には、転写層の屋外暴露、浴室内での熱水環境下で
の密着性が不十分となり、煮沸水10時間浸漬での剥離
を防ぐことが出来ない。さらに、Tgが低くなると塗膜
が乾燥固化後も粘着性が残り、転写箔を巻き取る時に、
ブロッキングが発生する。逆に、Tgが110℃を越え
たり、あるいは平均分子量が80000を越える場合に
は、塩化ビニル系樹脂基材を熱で変形、劣化させない温
度では被転写基材との初期密着力が十分に得られない。
このような特定の塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂
を用いることにより、100℃の熱水中で10時間煮沸
しても、転写層の塩化ビニル系樹脂基材からの剥脱、ふ
くれ、変色等の異常発生がない化粧材となる。また、こ
のような樹脂を用いることにより、被転写基材の表面の
平滑性が悪い場合でも均一な転写が得られる転写箔とな
る。接着剤層5の厚みは、通常1〜50μm(乾燥塗布
重量で1〜36g/m2)程度である。
【0015】本発明に係る塩化ビニル系樹脂基材用転写
箔の被転写基材を構成する塩化ビニル系樹脂としては、
塩化ビニルの単独重合体である塩化ビニル樹脂、塩化ビ
ニルと、エチレン、プロピレン、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル等の他の重合性ビニル単量体との
共重合体樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂等の塩化ビニル樹
脂又は前記共重合体樹脂を変性した変性樹脂、あるいは
塩化ビニル樹脂、前記共重合体樹脂、前記変性樹脂にア
クリル系樹脂、塩素化ポリエチレン、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体樹脂等の他の樹脂をブレンドしたブレンド
樹脂などが挙げられる。これらの樹脂の平均重合度とし
ては、大体700〜2000程度のものを選択する。こ
れらの塩化ビニル系樹脂には、必要に応じ、可塑剤、熱
安定剤、充填剤、難燃剤等を添加する。可塑剤として
は、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル等のフタル
酸エステル類、トリクレジルフォスファイト等の燐酸エ
ステル類、塩化パラフィン、トリメリット酸或いはエポ
キシ化大豆油等の化合物であり、外装、水回り用として
は、通常、最大30重量部程度の添加量である。熱安定
剤としは、鉛、錫、カドミウム、バリウム、マグネシウ
ム、又はカルシウム等のカルボン酸塩、金属石鹸、キレ
ーター等である。また、被転写基材としては前記塩化ビ
ニル系樹脂から押出成形、射出成形、プレス成形等によ
り成形してなる、平板又は曲面板、棒状体等の各種形状
の成形体や基材、あるいは、成形体表面が塩化ビニル系
樹脂から構成されている成形体や基材に適用できる。
【0016】
【作用】本発明に係る塩化ビニル系樹脂基材用転写箔に
よれば、被転写基材に転写後の転写層の最上層となる剥
離層がアクリル系樹脂又は塩化ビニル・酢酸ビニル共重
合体樹脂とアクリル系樹脂との混合物とからなる組成物
であって、特に当該組成物にワックス又は/及び減摩剤
とが含有されている結果、耐候性及び耐摩性に対して特
に優れた転写層の物性を発揮する。また、接着剤層にポ
リ塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂において、二次
転移温度(Tg)が100〜110℃で、且つ平均分子
量が60000〜80000の特定の樹脂を使用する結
果、転写層が塩化ビニル系樹脂基材に良好に密着し、最
大煮沸水浸漬10時間でも、剥離、ふくれ、黄変のな
い、耐熱水性、耐湿熱性に優れた転写層の物性を発揮す
る。
【0017】《実施例》以下、本発明に係る塩化ビニル
系樹脂基材用転写箔について具体的な構成を実施例に基
づいて説明する。転写箔基材として、ポリエチレンテレ
フタレートフィルム(東レ(株)製 x−45 厚さ2
5μm)を用い、その片面に、剥離層用として塩化ビニ
ル・酢酸ビニル共重合体樹脂とアクリル系樹脂との混合
樹脂(重量比で塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂:
アクリル系樹脂=2:8)100重量%に対して、ポリ
エチレンワックスを3重量%、シリカを1重量%、紫外
線吸収剤としてベンゾフェノン系のものを0.3重量%
添加したインキを、機械彫刻グラビアベタ版(ヘル社の
ヘリオクリショグラフで彫刻、線数48/cm、角度設定
0度)を用い、3回の重ね刷りを行い、乾燥重量で5g/
m2の剥離層を形成した。
【0018】次いで、装飾層を、アクリル系樹脂と塩化
ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂とを1:1重量比で混
合した混合樹脂をビヒクルし、キナクリドンとイソイン
ドリノンとカーボンブラックとを顔料とするグラビアイ
ンキによる木目絵柄印刷層と、同じ混合樹脂をビヒクル
とし、二酸化チタンとキナクリドンとイソインドリノン
とを顔料とするグラビアインキによる着色ベタ刷り層と
により、形成した。
【0019】しかる後、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合
体樹脂(Tg=105℃、平均分子量80,000によ
る接着剤層の形成を、溶剤希釈したインキを、リバース
ロールコート法を用いて塗工し、乾燥重量で10g/m2
接着剤層を設けた。以上にて、本発明に係る塩化ビニル
系樹脂基材用転写箔を作成した。
【0020】次いで、被転写基材として硬質塩化ビニル
樹脂の押し出し成形体からなる外装材基材の表面に、前
記の塩化ビニル系樹脂基材用転写箔を当接して、表面温
度180℃のシリコンゴムロールを用い熱圧を加え、塩
化ビニル系樹脂基材用転写箔の転写層を被転写基材表面
に転写して、外装化粧材を得た。得られた外装化粧材の
耐摩性を、テーバー摩耗試験CS−17、摩耗輪500
g荷重、200回転まで試験したところ、装飾層の絵柄
が取れること無く、充分な性能を発揮した。また、ニチ
バン(株)の工業用セロテープ・25mm幅を転写層の表
面に貼着後剥離するセロハンテープ剥離試験でも絵柄剥
離はなかった。さらに、100℃の熱水中で10時間煮
沸後も、転写層には剥脱、ふくれ、変色等の異常が認め
られず、セロハンテープ剥離試験でも絵柄が剥離せず良
好で充分な耐熱水性を発揮した。くわえて、得られた外
装化粧材をカーボンアーク燈サンシャインウエザオメー
タ(ブラックパネル温度63℃)にて、1000時間暴
露したところ、目視で判別できる程の変退色、転写層の
剥脱ともになかった。
【0021】《比較例1》接着剤層用のインキにて、塩
化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂のTg=60℃、平
均分子量24,800とした他は、実施例と同じにして
行った。その結果、転写性は良好であり、テーバー摩耗
試験(実施例と同一条件)、及び沸騰水浸漬前のセロハ
ンテープ剥離試験でも、絵柄の剥離はないが、100℃
の煮沸水に浸漬し10時間加熱した結果、転写層は一部
分、剥脱、ふくれを生じでいた。
【0022】《比較例2》接着剤層用のインキにて、塩
化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂のTg=115℃、
平均分子量95,000とした他は、実施例と同じにし
て行った。その結果、転写後、沸騰水浸漬前のセロハン
テープ剥離試験で、既に絵柄が剥離してしまった。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。本
発明の塩化ビニル系樹脂基材用転写箔は、通常の転写箔
の転写工程によって、塩化ビニル系樹脂の基材の表面に
対して化粧が可能であり、得られた化粧材は、表面の平
滑性の悪い塩化ビニル樹脂の押し出し成形体であって
も、鮮明な絵柄を的確に表現可能であり、更に剥離層に
ワックス、減摩剤を添加して耐摩性を向上させている為
に、外装材、特に、簀の子、樹脂タイル等に用いた場合
でも、充分な性能の耐摩性が得られ、且つ樹脂タイルで
は歩行時の滑り易さも抑えられるという顕著な効果を奏
する。
【0024】くわえて、接着剤層を形成する塩化ビニル
・酢酸ビニル共重合体樹脂の二次転移点(Tg)及び平
均分子量を特定したものを用いることにより、塩化ビニ
ル系樹脂基材に転写層を転写・接着した化粧材の、耐熱
水性、耐湿熱性が良好であり、外装用の塩化ビニル系樹
脂部材に要求される「100℃熱水中での10時間煮沸
後も、転写層の剥脱、ふくれ、変色等の異常を生じない
だけの耐熱水、耐温水性」を充分に満たすという顕著な
効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塩化ビニル系樹脂基材用転写箔の一実
施例を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 塩化ビニル系樹脂基材用転写箔 2 転写箔基材 3 剥離層 4 装飾層 4a 絵柄 5 接着剤層 6 転写層 7 減摩剤、ワックス

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転写箔用基材の一方の面に、アクリル系
    樹脂又は塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂とアクリ
    ル系樹脂との混合樹脂にワックス又は/及び減摩剤を添
    加した剥離層と、アクリル系樹脂をビヒクルの主成分と
    する印刷層による装飾層と、塩化ビニル・酢酸ビニル共
    重合体樹脂からなる接着剤層とが順次積層されているこ
    とを特徴とする塩化ビニル系樹脂基材用転写箔。
  2. 【請求項2】 前記接着剤層を構成する塩化ビニル・酢
    酸ビニル共重合体樹脂の二次転移温度(Tg)が100
    〜110℃で、且つ平均分子量が60000〜8000
    0であることを特徴とする請求項1記載の塩化ビニル系
    樹脂基材用転写箔。
JP5198822A 1993-07-19 1993-07-19 塩化ビニル系樹脂基材用転写箔 Pending JPH0732718A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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