JP2000272072A - 化粧材 - Google Patents

化粧材

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JP2000272072A
JP2000272072A JP7791799A JP7791799A JP2000272072A JP 2000272072 A JP2000272072 A JP 2000272072A JP 7791799 A JP7791799 A JP 7791799A JP 7791799 A JP7791799 A JP 7791799A JP 2000272072 A JP2000272072 A JP 2000272072A
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layer
solid ink
ink layer
decorative material
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JP7791799A
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English (en)
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Takanori Matsuzawa
孝教 松沢
Naganori Ohama
長法 大濱
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】化粧材基材の表面色や欠陥等に対する隠蔽性に
優れ、しかも層間密着性にも優れた化粧材を提供する。 【解決手段】隠蔽ベタインキ層を、結着剤樹脂として活
性水素基に対してイソシアネート基を5倍乃至20倍配
合した硬化型ウレタン系樹脂を使用した隠蔽性インキで
形成する。該隠蔽性インキには、結着剤樹脂100重量
部当たり隠蔽性顔料を300〜800重量部配合し、厚
さ5〜20μmに設けることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅等の建築物の
内外装材や造作材、建具等の建築資材、家具什器類、住
設機器や家電製品等の表面化粧等に使用するための化粧
材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記用途の化粧材としては、古くは美麗
な木目を有する天然木などが使用されていたが、木材資
源の枯渇や木材価格の高騰が進むにつれ、より木目の意
匠性に劣る安価な木材や、合板、パーティクルボード又
は繊維板等の木材加工品、或いは合成樹脂系又は金属
系、無機材質系等の合成基材などの化粧材基材の表面
に、印刷等による木目やその他の美麗な絵柄を施す手法
が、意匠性に優れた化粧材を安価に得る手段として、ま
すます広く用いられるようになっている。
【0003】化粧材基材の表面に絵柄を施す方法として
は、化粧材基材の表面にグラビアオフセット印刷法又は
スクリーン印刷法等により直接絵柄を施す直接印刷法、
予め紙又は金属箔、合成樹脂フィルム等のシート体に適
宜の印刷方法等により絵柄を施してなる化粧シートを化
粧材基材の表面に貼付する化粧シートラミネート法、離
型性のシート体の離型性面に適宜の印刷方法等により剥
離可能な絵柄を施してなる転写シートを、化粧材基材の
表面に押圧し、絵柄のみを化粧材基材に接着させて離型
性のシート体を剥離除去する転写法等、各種の方法が用
いられている。
【0004】絵柄の付与方法は上記のいずれの方法によ
るとしても、化粧材基材の表面の色彩は必ずしも所望の
意匠に適合したものであるとは限らず、また見苦しい色
ムラや節、割れ目等の欠陥や継ぎ目等を有する場合もあ
るので、これらが絵柄を透して表面から透けて見えるこ
とのない様に、十分に隠蔽する必要がある。この隠蔽の
ための手法としては、一般的には絵柄のみでは不十分で
ある場合が多いので、隠蔽性を有する十分に厚い紙や着
色プラスチックフィルム等を、化粧材基材の表面に貼付
する場合も多い。
【0005】しかし、その場合にあっても、絵柄の下地
として好ましい色彩の紙や着色プラスチックフィルム等
が容易に入手できない場合もある。そこで、紙や着色プ
ラスチックフィルム等に替えて又はそれらと併用して、
結着剤樹脂に二酸化チタン等の隠蔽性顔料と、必要に応
じて所望の適宜の色彩の着色顔料とを配合してなる隠蔽
性インキを、全面にベタ状に印刷して隠蔽ベタインキ層
を形成する手法が、色彩調整の容易な隠蔽付与方法とし
て、広く用いられている。
【0006】上記隠蔽性インキは、基本的には通常の絵
柄用の印刷用インキと略同様の材料から構成されるもの
であるが、通常の印刷用インキとしては複数色のインキ
の掛け合わせによる多色表現を目的として透明性の高い
インキが用いられるのに対し、隠蔽性を目的として二酸
化チタン等の隠蔽性顔料を大量に配合した不透明のイン
キが用いられる点、及び、隠蔽性を稼ぐ目的で通常の絵
柄用の印刷用インキと比較して遥かに厚く印刷される点
で、大きく相違している。
【0007】そして、上記隠蔽ベタインキ層は、隠蔽性
顔料の配合比を増す程、また、増す程、隠蔽性の面では
有利であるが、反面、層間密着性の面では不利である。
すなわち、結着剤樹脂に対する隠蔽性顔料の配合比を増
す程、インキ被膜の内部凝集力も被印刷体に対する接着
力も低下する。従って、隠蔽性の向上を目的として、隠
蔽性顔料の配合比を増したり厚みを増したりすると、イ
ンキ被膜内部の凝集破壊または被印刷体との界面剥離が
発生し易くなり、化粧材として必要な表面強度やラミネ
ート強度が得られなくなってしまうという問題点があ
る。
【0008】こうした問題点は、木材資源の枯渇の他、
リサイクルの推進やコストダウン等の社会的要請の高ま
りを受けて、好ましくない表面色や欠陥を多く含む低品
質の化粧材基材を活用しつつ、生活水準の向上に伴う高
品質化の要求にも応えなければならない現在、ますます
切実なものとなっており、隠蔽性と層間密着性の双方に
優れ、しかも簡便で安価な隠蔽手段の開発が待望されて
いる。
【0009】特に、合成樹脂系の化粧シートにあって
は、多品種少量生産や短納期化、コストダウン等への対
応がますます強く要請されるに従い、従来の着色合成樹
脂フィルムに替えて、安価な汎用の透明、半透明又は白
色等の合成樹脂フィルムを利用する技術の開発が求めら
れているが、それに伴って、隠蔽ベタインキ層の層間密
着性を低下させることなく隠蔽力や着色力を向上する技
術の開発が、急務となっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における以上の様な問題点を解決するためになされたも
のであり、その課題とするところは、化粧材基材の表面
色や欠陥等に対する隠蔽性に優れ、しかも層間密着性に
も優れた化粧材を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
する為に、隠蔽性顔料及び結着剤樹脂を主成分とする隠
蔽ベタインキ層を少なくとも具備する化粧材において、
前記結着剤樹脂が、活性水素基を含有する化合物と、イ
ソシアネート基を含有する化合物とが、イソシアネート
基の数が活性水素基の数の5倍以上20倍以下となる比
率で配合されてなる組成物の反応生成物である硬化型ウ
レタン系樹脂からなることを特徴とする化粧材を提供す
る。
【0012】本発明は更に、上記化粧材において、前記
隠蔽性顔料の配合比率が、前記結着剤樹脂100重量部
当たり300重量部以上800重量部以下であることを
特徴とする化粧材を提供する。
【0013】本発明は更に、上記化粧材において、前記
隠蔽ベタインキ層の厚さが5μm以上20μm以下であ
ることを特徴とする化粧材を提供する。
【0014】本発明は更に、上記化粧材において、前記
隠蔽ベタインキ層の裏面側に熱可塑性樹脂基材シート
を、前記隠蔽ベタインキ層の表面側に透明又は半透明の
樹脂層を、それぞれ少なくとも具備することを特徴とす
る化粧材を提供する。
【0015】本発明は更に、上記化粧材において、前記
熱可塑性樹脂基材シートが透明又は半透明であることを
特徴とする化粧材を提供する。
【0016】本発明は更に、上記化粧材において、前記
隠蔽ベタインキ層の表面側に、透明又は半透明の熱可塑
性樹脂基材シートを具備することを特徴とする化粧材を
提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の化粧材は、例えば図1に
示す様に、化粧材基材11の表面に隠蔽ベタインキ層1
2が設けられ、更に必要に応じて、任意の所望の意匠を
表現するための絵柄層13や、化粧材の表面を物理的又
は化学的な外的作用から保護するための表面保護層14
等が適宜設けられて構成されるものである。
【0018】上記化粧材基材11の材質や形状、寸法等
には特に制限はなく、従来より化粧材基材として使用さ
れている任意の材質を使用することができる。具体的に
は例えば、薄葉紙、チタン紙、樹脂含浸紙、難燃紙、無
機質紙等の紙類や、天然繊維又は合成繊維からなる織布
又は不織布、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹
脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、アルキド系樹脂、
繊維素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、フッ素系樹脂等の合成
樹脂系基材、木材単板、突板、合板、集成材、パーティ
クルボード、中密度繊維板等の木質系基材、石膏板、セ
メント板、珪酸カルシウム板、ガラス板、陶磁器板等の
無機質系基材、鉄、銅、真鍮、アルミニウム、ステンレ
ス等の金属系基材等、又はそれらの複合体、積層体等の
中から、目的とする用途に応じて適宜選択すればよい。
またその形状も、例えばフィルム状乃至シート状、板
状、異型成型体等、一切制限はない。
【0019】隠蔽ベタインキ層12は、隠蔽性顔料及び
結着剤樹脂を主成分として構成されるものであって、本
発明においては、その結着剤樹脂が、活性水素基を含有
する化合物と、イソシアネート基を含有する化合物と
が、イソシアネート基の数が活性水素基の数の5倍以上
20倍以下となる比率で配合されてなる組成物の反応生
成物である硬化型ウレタン系樹脂からなることが最も肝
要である。
【0020】活性水素基を含有する化合物と、イソシア
ネート基を含有する化合物とを反応させる硬化型ウレタ
ン系樹脂は、硬化後の柔軟性と内部凝集力とのバランス
が良く、他の材質に対する接着性にも優れるので、従来
より化粧材用の隠蔽性インキの結着剤樹脂として使用さ
れて来たのものである。しかし、従来は活性水素基とイ
ソシアネート基とがほぼ理論的な当量となる配合比で使
用されていたので、その凝集力の限界故に、隠蔽ベタイ
ンキ層12の内部凝集力を十分に維持しつつ配合可能な
隠蔽性顔料の配合比率が制限され、結果として隠蔽ベタ
インキ層12の隠蔽性能には限界があったのである。
【0021】そこで本発明者らが鋭意検討した結果、イ
ソシアネート基を含有する化合物を、活性水素基を含有
する化合物に対する当量の5倍以上という過剰な比率で
配合することによって、隠蔽性顔料の配合比率を結着剤
樹脂100重量部当たり例えば500重量部以上にまで
増し、しかも隠蔽ベタインキ層12の厚さを例えば10
μm以上にまで厚くしても、十分な内部凝集力を維持で
きることを見出して、本発明を完成したものである。
【0022】但し、イソシアネート基を含有する化合物
を過度に過剰に配合すると、隠蔽ベタインキ層12の内
部凝集力が向上する反面、柔軟性を失って脆化し、クラ
ック等の原因となったり、隣接層に対する接着力を失っ
て界面剥離を起こし易くなる傾向がある。そのため、イ
ソシアネート基が活性水素基の20倍以下となる比率で
両者を配合することが好ましい。
【0023】上記活性水素基を含有する化合物として
は、例えばアクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリ
オール樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂等のポリオール化合物等、上記イソシア
ネート基を含有する化合物としては、例えばトリレンジ
イソシアネート、メシチレンジイソシアネート、キシレ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート
等のポリイソシアネート化合物等を使用することができ
る。
【0024】隠蔽ベタインキ層12のもう一つの必須成
分である隠蔽性顔料とは、従来周知である様に、分散媒
たる結着剤樹脂と比較して著しく高い屈折率を有する微
細粉末状顔料であって、その屈折率差による界面での光
の反射や屈折による光散乱効果によって、化粧シートの
表裏面間での光の直接透過が妨げられ、隠蔽性が発現す
るのである。前記した硬化型ウレタン系樹脂をはじめと
する一般的な結着剤樹脂の屈折率は概ね1.5前後であ
るから、隠蔽性顔料としては屈折率が概ね2.0以上の
顔料が選ばれるのが一般的であり、また光(可視光線)
に対する散乱能の観点から通常は粒径0.1〜1μm程
度の範囲のものが使用される。
【0025】係る隠蔽性顔料の内、光吸収性の高い顔料
は、入射した光の一部を吸収して着色作用を発現するの
で着色顔料と称され、逆に光吸収性の殆どない顔料は、
光散乱効果により入射光の大部分を入射方向へ反射して
色調を明るく(白く)見せる作用を発現するので白色顔
料と称される。そして、光吸収係数と屈折率とのバラン
スの良い顔料を選択するか、若しくは、上述した着色顔
料と白色顔料とを適宜の比率で配合して使用することに
より、任意の所望の色調を得ることができる訳である。
【0026】前記隠蔽性顔料としては、有機及び無機の
各種の顔料が知られているが、一般に有機顔料よりも無
機顔料の方が屈折率が高く隠蔽性に優れているので、本
発明の化粧材においては、その用途により要求される非
常に高度な隠蔽性を、比較的に薄い印刷又はコーティン
グ被膜によって十分に達成する為に、無機顔料を使用す
ることが好ましい。無機顔料は、上述した隠蔽性に加え
て、耐光性(耐褪色性)や耐薬品性にも優れているの
で、耐久性や堅牢性の面から見ても非常に好適である。
【0027】係る無機顔料の内、着色顔料としては例え
ば黄鉛、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエ
ロー、バリウムイエロー、オーレオリン、モリブデート
オレンジ、カドミウムレッド、弁柄、鉛丹、辰砂、マル
スバイオレット、マンガンバイオレット、コバルトバイ
オレット、コバルトブルー、セルリアンブルー、群青、
紺青、エメラルドグリーン、クロムバーミリオン、酸化
クロム、ビリジアン、鉄黒、カーボンブラック等、白色
顔料としては例えば酸化チタン(チタン白、チタニウム
ホワイト)、酸化亜鉛(亜鉛華)、塩基性炭酸鉛(鉛
白)、塩基性硫酸鉛、硫化亜鉛、リトポン、チタノック
ス等を使用することができる。
【0028】中でも、隠蔽性や耐光性に優れ、意匠面で
も色調的に化粧シート用に好適な顔料として、着色顔料
としては弁柄、黄色酸化鉄、鉄黒等の酸化鉄系顔料、白
色顔料としては酸化チタン系顔料を使用することが好ま
しい。尤も、これらに加えて、色調の調整等の目的で他
の隠蔽性又は非隠蔽性の無機顔料又は有機顔料を少量併
用することは差し支えない。但し、飽くまでも酸化鉄系
顔料及び酸化チタン系顔料を主体とすることが肝要であ
って、他の顔料の使用量は顔料全体に占める比率で概ね
20重量%以下とすることが好ましい。併用する顔料と
しては耐光性の高いものを選択することが好ましく、無
機顔料の中ではコバルトブルー又はカーボンブラック
等、有機顔料の中ではフタロシアニンブルー等のフタロ
シアニン系顔料等を使用することが好ましい。その他、
必要に応じて例えばシリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリ
ウム等の体質顔料を併用することもできる。
【0029】隠蔽ベタインキ層12への隠蔽性の無機顔
料の配合比率は、多い程隠蔽性の面では有利であるが、
凝集力が低下して化粧材の表面強度やラミネート強度の
低下の原因となるので、両者のバランスを取る為には、
結着剤樹脂100重量部あたり300〜800重量部程
度の範囲とするのが良い。また、隠蔽ベタインキ層2の
厚さは、厚い程隠蔽性の面では有利であるが、反面凝集
力が低下するきらいがあるので、これも両者のバランス
を取る為に5〜20μm程度の範囲とすることが好まし
い。
【0030】隠蔽ベタインキ層12は一般的には、上記
各種顔料や結着剤樹脂を適当な溶剤に溶解乃至分散して
なる隠蔽性インキ印刷乃至コーティングして形成され
る。ここで該溶剤としては、イソシアネート基が反応し
易い水酸基等の活性水素基を含有する溶剤を避けるのが
普通であるが、ブロックイソシアネート化合物を使用す
る場合には必ずしもその限りではない。具体的には例え
ばヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘ
キサン等の石油系有機溶剤や、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエ
チル等のエステル系有機溶剤、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリ
コール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶
剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤、ジエ
チルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエ
ーテル系有機溶剤、ジクロロメタン、四塩化炭素、トリ
クロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機
溶剤等の各種有機溶剤や、水等の無機溶剤、又はそれら
の2種以上の混合溶剤等を使用することができる。
【0031】その他、必要に応じて、例えば分散剤、可
塑剤、界面活性剤、粘着付与剤、接着助剤、乾燥剤、硬
化剤、硬化促進剤又は硬化遅延剤等の各種添加剤を適宜
添加することもできる。
【0032】隠蔽ベタインキ層12の形成方法として
は、例えばグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリ
ーン印刷法、凸版印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷
法、インクジェット印刷法、電子写真法等等の各種印刷
法や、例えばグラビアコート法、ロールコート法、ディ
ップコート法、エアーナイフコート法、ナイフコート
法、コンマコート法、ダイコート法、リップコート法、
キスコート法、ロッドコート法、スプレーコート法、フ
ローコート法等の各種コーティング法等、従来公知の任
意の印刷方法又はコーティング方法を適宜選択して実施
することができる。
【0033】なお、隠蔽ベタインキ層12の形成に先立
ち必要に応じて、化粧材基材11の表面に例えばコロナ
処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重
クロム酸処理、アンカー又はプライマー処理等の表面処
理を施すことによって、化粧材基材11と隠蔽ベタイン
キ層12との間の密着性を向上することもできる。
【0034】絵柄層13の構成材料には特に制限はな
く、基本的には上記隠蔽ベタインキ層12の場合と同
様、染料又は顔料等の着色剤を、適当な結着剤樹脂と共
に、適当な溶剤に溶解又は分散してなる印刷インキが使
用される。但し、前記した隠蔽ベタインキ層12によっ
て十分な隠蔽性が確保されていれば、絵柄層13を構成
する印刷インキには特に格段の隠蔽性は要求されず、例
えば着色透明な印刷インキであっても良い。従って、使
用する顔料も特に無機顔料に限定されることはなく、化
粧シート用として十分な耐光性や耐久性等の要件さえ備
えていれば、有機顔料を使用することも十分に可能であ
る。具体的には例えばアゾ顔料、レーキ顔料、アントラ
キノン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔
料、ジオキサジン顔料等、またはこれらの有機顔料と前
掲の各種無機顔料とから選ばれる2種以上を組み合わせ
て使用することができる。
【0035】絵柄層13の形成方法にも特に制限はな
く、例えばグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリ
ーン印刷法、インクジェット印刷法等の適宜の印刷法に
よる他、例えば手描き法、墨流し法、写真法、レーザー
ビーム又は電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法やエ
ッチング法等、又はこれらの方法を複数組み合わせて行
うこともできる。絵柄層3が構成する絵柄の種類には特
に制限はなく、例えば従来より係る化粧材の分野におい
て広く採用されている木目柄や、石目柄、布目柄、抽象
柄、幾何学模様柄等、或いは単なる着色や色彩調整を目
的とする場合には単色無地であっても良く、要するに、
目的の化粧シートの用途に応じ任意の所望の絵柄を採用
することができる。
【0036】表面保護層14の構成材料にも一切制限は
ないが、一般的には、透明又は半透明の合成樹脂が使用
されるのが通例である。具体的には、例えばポリオレフ
ィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ス
チレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、メ
ラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、尿
素系樹脂、アルキド系樹脂、繊維素系樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン
樹脂、フッ素系樹脂等の合成樹脂、或いはそれらの2種
以上の混合物等を使用することができる。
【0037】図2に示すのは本発明の化粧材の他の実施
の形態であって、合板等の他の化粧材基材(図示せず)
に貼付して使用するための、熱可塑性合成樹脂系の可撓
性の化粧シートである。この化粧シートは基本的には、
熱可塑性樹脂基材シート21上に、隠蔽ベタインキ層2
2、絵柄層23及び透明又は半透明の熱可塑性樹脂層2
4が積層されて構成されるものである。隠蔽ベタインキ
層22及び絵柄層23の構成材料や形成方法等について
は、前述した第1の実施の形態における隠蔽ベタインキ
層12及び絵柄層13と基本的に全く同様である。
【0038】熱可塑性樹脂基材シート21は、適宜の熱
可塑性樹脂をフィルム状乃至シート状に成形してなるも
のであって、熱可塑性樹脂の種類には特に制限はなく、
従来より化粧シート用の基材シートの素材として使用さ
れている任意の熱可塑性樹脂を使用することができる。
具体的には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹
脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体又はその鹸化物、エ
チレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体等の
ポリオレフィン系共重合体、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリアリレート、ポリカーボネート等のポリエ
ステル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系
樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナ
イロン等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン樹脂、AS
樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、セルロースアセ
テート、ニトロセルロース等の繊維素誘導体、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩素系樹脂、ポリフッ
化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエ
チレン、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体等の
フッ素系樹脂等、又はこれらから選ばれる2種又は3種
以上の共重合体や混合物、複合体、積層体等を使用する
ことができる。但し、近年頓に社会問題化しつつある環
境問題への適応を考慮すると、上記した塩素系樹脂やフ
ッ素系樹脂の使用は余り好ましいものとは言えず、塩素
やフッ素等のハロゲン元素を含有しない樹脂、すなわち
非ハロゲン系樹脂を使用することが好ましい。
【0039】上記した各種の樹脂の中でも、化粧シート
用基材シートとしての適度の柔軟性と強度のバランス
や、折り曲げや切断・切削等の加工適性、耐磨耗性や耐
溶剤性等の表面物性、耐候性・耐久性、市場価格や流通
量等の調達の容易性、環境に優しい非ハロゲン系樹脂で
あること等を総合的に考慮すると、オレフィン系樹脂、
ポリエステル系樹脂又はアクリル系樹脂を採用すること
が最も好ましい。
【0040】上記オレフィン系樹脂としては上掲したも
のを始め種々の単独重合体や共重合体が知られている
が、中でも化粧シート用基材シートの素材として最も好
適なのはポリプロピレン系樹脂、すなわちポリプロピレ
ンを主成分とする単独又は共重合体であり、具体的に
は、例えばホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロ
ピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、及び、ポリ
プロピレン結晶部を有し、且つプロピレン以外の炭素数
2〜20のα−オレフィン、好ましくはエチレン、ブテ
ン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1又はオ
クテン−1、のコモノマーを15モル%以上含有するプ
ロピレン−α−オレフィン共重合体などを例示すること
ができる。また、通常ポリプロピレン系樹脂の柔軟化に
用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレ
ン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−非
共役ジエン共重合体ゴム等の改質剤を添加することもで
きる。
【0041】また、上記ポリエステル系樹脂としては、
例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレー
ト、ポリカーボネート等の他、ジカルボン酸又はジカル
ボン酸エステルとジオールとの縮合重合反応において、
テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカ
ルボン酸及び/又はシクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環族ジカルボン酸と、エチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール等の脂肪族ジオール及び/又はシクロヘキ
サンジメタノール等の脂環族ジオールとを使用してなる
硬い構造単位と、ジオールとしてポリエチレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等の両末端に水酸基
を有するポリエーテル系ジオールを使用し、及び/又
は、ジカルボン酸としてセバシン酸、エイコ酸、ドデカ
ンジオン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸及び/
又は脂環族ジカルボン酸を使用してなる柔らかい構造単
位との−(A−B)−n型のブロック共重合体からなり
熱可塑性エラストマーの性質を示す共重合ポリエステル
樹脂等があり、これらをそれぞれ単独で又は混合系で使
用することができる。
【0042】また、上記アクリル系樹脂としては、例え
ばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル又はメタクリル
酸エステル等のアクリル酸誘導体を主成分として単独又
は共重合して得られる熱可塑性樹脂を使用することがで
きる。特に好ましくは、メチルメタクリレート等のメタ
クリル酸エステルを主成分とし、必要に応じて例えばメ
タクリル酸ブチル等のメタクリル酸の長鎖アルキルエス
テルや、アクリル酸メチル等のアクリル酸エステル、メ
タクリル酸又はアクリル酸等から選ばれる単量体等の共
重合成分が添加されて、所望の適宜の柔軟性や熱加工性
等の物性に調製されたメタクリレート系樹脂を使用する
ことができる。
【0043】また、熱可塑性樹脂基材シート21を構成
する熱可塑性樹脂には、目的の化粧シートの用途により
必要に応じて、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安
定剤、熱安定剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、
充填剤等の従来公知の各種の添加剤の1種以上が添加さ
れていても良い。
【0044】酸化防止剤としては例えばフェノール系、
硫黄系、リン系等、紫外線吸収剤としては例えばベンゾ
フェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリシレート系、
シアノアクリレート系、ホルムアミジン系、オキザニリ
ド系等、光安定剤としては例えばヒンダードアミン系、
ニッケル錯体系等、熱安定剤としては例えばヒンダード
フェノール系、硫黄系、ヒドラジン系等、可塑剤として
は樹脂の種類にもよるが例えばフタル酸エステル系、リ
ン酸エステル系、脂肪酸エステル系、脂肪族二塩基酸エ
ステル系、オキシ安息香酸エステル系、エポキシ系、ポ
リエステル系等、滑剤としては例えば脂肪酸エステル
系、脂肪酸系、金属石鹸系、脂肪酸アミド系、高級アル
コール系、パラフィン系等、帯電防止剤としては例えば
カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両イオン系等、
難燃剤としては例えば臭素系、リン系、塩素系、窒素
系、アルミニウム系、アンチモン系、マグネシウム系、
硼素系、ジルコニウム系等、充填剤としては例えば炭酸
カルシウム、滑石、蝋石、カオリン等から選ばれる1種
又は2種以上の混合系で使用されている。
【0045】熱可塑性樹脂基材シート21の厚さには特
に制限はなく、従来の一般の化粧シートの基材シートと
同様の厚さのものを使用することができる。具体的に
は、化粧シートの用途や樹脂の種類にもよるが、一般に
20〜200μm程度の範囲から選ばれ、特に好ましい
範囲は50〜100μm程度である。
【0046】熱可塑性樹脂基材シート21は、染料又は
顔料等の着色剤の添加により、適宜の所望の色彩に着色
されていても良いし、着色剤が添加されていない透明又
は半透明のシートであっても良い。特に近年、多品種少
量生産や短納期化、コストダウン等の要請がますます高
まっており、これらに対応するためには、着色されたも
のとの比較において、各種の樹脂を使用した各種の厚さ
や幅、長さ(巻m数)のものが大量に生産され流通し汎
用的に使用されており、市場において随時安価且つ短納
期で調達可能な、透明又は半透明の熱可塑性樹脂からな
るフィルム乃至シートを使用することが有利である。本
発明によれば、前述した通りの特定の組成の隠蔽ベタイ
ンキ層22を採用することによって、係る透明又は半透
明の熱可塑性樹脂基材シート21を採用した場合にあっ
ても、十分な隠蔽性と層間密着強度とを確保することが
可能である。
【0047】透明又は半透明の樹脂層24は、絵柄層2
3を保護して耐磨耗性や耐溶剤性等の良好な表面物性を
化粧シートに付与する目的で設けられるものであって、
一般的には高い透明性を有することが好ましいが、少な
くとも絵柄層23を透視可能な程度の透明性を備えてい
れば良く、その限りにおいて任意の所望の色彩に着色さ
れていても良い。
【0048】この透明又は半透明の樹脂層24を構成す
る樹脂としては、従来の複層構成の化粧シートにおいて
も表面側の透明樹脂層として使用されていた樹脂と同様
の種類の樹脂が適宜使用可能であり、前述した熱可塑性
樹脂基材シート21の構成材料として列挙した樹脂と同
種又は別種の熱可塑性樹脂であっても良いし、熱硬化性
樹脂又は電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂であって
も良い。また、複数種の樹脂の層からなる多層積層体と
しても良い。但し、環境問題への対応等を考慮すると、
熱可塑性樹脂基材シート21の場合と同様に、非ハロゲ
ン系樹脂を使用することが好ましい。
【0049】上記硬化性樹脂としては、例えばメラミン
系樹脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹
脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ジアリルフタレート系
樹脂、ウレタン系樹脂、アミノアルキド系樹脂等の熱硬
化性樹脂や、アクリレート系樹脂、ウレタンアクリレー
ト系樹脂、エステルアクリレート系樹脂、エポキシアク
リレート系樹脂等の紫外線又は電子線等の照射により硬
化する電離放射線硬化性樹脂等を使用することができ
る。
【0050】透明又は半透明の樹脂層24の厚さは、一
般に厚い程耐磨耗性や耐溶剤性等の表面物性や耐候性、
塗装感や深み感、エンボス深さ等の意匠性の面で有利で
あるが、反面化粧シートとしての柔軟性や可撓性、Vカ
ット等の折り曲げ加工性等の面で不利となるので、両者
のバランスの取れる厚み範囲が選ばれる。具体的には、
硬化性樹脂を使用する場合には可撓性の面から概ね20
μm以下に制限され、好ましくは3〜10μm程度の範
囲であるが、熱可塑性樹脂を使用する場合にはこれより
厚く設けることが可能であり、一般に20〜200μ程
度の範囲から選ばれる。従って、耐磨耗性や意匠性等の
面からは熱可塑性樹脂が有利であり、硬化処理が不要で
品質が安定し易い等の製造工程面からも有利である。
【0051】透明又は半透明の樹脂層24の形成方法に
も特に制限はなく、従来公知の任意の方法を適宜適用す
ることができる。具体的には例えば、透明又は半透明の
樹脂層24を構成すべき樹脂を適当な溶媒に溶解乃至分
散した塗工剤を塗布して乾燥固化させる方法、硬化後に
透明又は半透明の樹脂層24を構成すべき樹脂となる未
硬化樹脂組成物を塗工後架橋硬化させる方法、予めフィ
ルム状乃至シート状に成形された透明又は半透明の樹脂
層24をドライラミネート接着剤、感熱接着剤、感圧接
着剤又は電離放射線硬化型接着剤等の適宜の接着剤を介
して接着する方法、或いは接着剤を介さずに熱圧着又は
超音波溶着等の手段によって直接接着する方法、また特
に、透明又は半透明の樹脂層24を形成すべき樹脂が熱
可塑性樹脂である場合には、隠蔽ベタインキ層22や絵
柄層23等が予め設けられた熱可塑性樹脂基材シート2
1の表面上に、加熱溶融した樹脂をフィルム乃至シート
状に押し出し成形すると同時に接着させる方法等、従来
公知の各種の方法の中から、透明又は半透明の樹脂層2
4を構成すべき樹脂の特性に合致した方法を適宜選択し
て使用することができる。
【0052】なお、後者の方法(押し出しラミネート
法)において絵柄層23と透明又は半透明の樹脂層24
との接着性が劣る場合には、これも公知の様に、絵柄層
23上に予め感熱接着性のアンカー層25を設けておく
か、若しくは透明又は半透明の樹脂層24の構成樹脂と
別途用意した熱接着性樹脂とを共押し出しラミネートし
て、絵柄層23と透明又は半透明の樹脂層24との間に
接着性樹脂層26を挟持させることによって、接着性の
向上を図ることができる。勿論、必要に応じて両者を併
用しても良い。
【0053】透明又は半透明の樹脂層24の表面には、
従来公知の如く、必要に応じて所望の適宜の模様のエン
ボス27を設けることもできる。エンボス27の模様の
種類にも特に制限はなく、例えば木目調(特に導管模様
状)、石目調、和紙調、布目調、幾何学模様状等の各種
模様状であっても良いし、或いは例えば単なる艶消状や
砂目状、ヘアライン状、スウェード調等であっても良
い。また、これらのエンボス27の模様を絵柄層23の
絵柄と同調させることによって更なる意匠性の向上を図
ることも出来るが、その必要がなければ非同調であって
も良く、また絵柄層23の絵柄と同調した模様と同調し
ない模様との両者を含む模様のエンボス27を設けるこ
ともできる。
【0054】エンボス27の形成方法にも特に制限はな
いが、金属製のエンボス版を使用した機械エンボス法が
最も一般的である。またエンボス27の形成時期にも特
に制限はなく、熱可塑性樹脂基材シート21との積層
前、積層と同時又は積層後の中から任意の時期を選択す
ることができ、またこれらの中から選ばれる複数の時期
に同一又は異なる模様のエンボス27を複数回に亘って
施すこともできる。なお、エンボス27の凹陥部には、
必要に応じてワイピング法等の手法により着色剤28を
充填しても良く、これによって表面の凹凸模様と同調し
た色彩模様を有する意匠性に優れた化粧シートを得るこ
とができる。
【0055】また、化粧シートの表面に更に優れた表面
物性を付与する目的で、透明又は半透明の樹脂層24の
表面にトップコート層29を設けることもできる。トッ
プコート層29の構成材料としては、従来より係る化粧
シートのトップコート層の構成材料として使用されてい
る公知の各種のトップコート剤の中から選ばれる任意の
ものを使用することができる。一般的には、少なくとも
下地を透視可能な透明性を有する必要がある他、化粧シ
ートの用途により要求される耐磨耗性や耐擦傷性、耐溶
剤性、耐汚染性等の表面物性を具備させるべく、硬化性
樹脂を主成分とする材料から構成することが好ましい。
特に、透明又は半透明の樹脂層24が熱可塑性樹脂から
なる場合には、硬化性樹脂からなるトップコート層29
を施すことが好ましい。
【0056】上記トップコート層29の構成材料として
具体的には、例えばメラミン系樹脂、フェノール系樹
脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、アミノアルキド系樹
脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン
系樹脂等の熱硬化性樹脂や、アクリル系樹脂等の電離放
射線硬化性樹脂等を、好適に使用することができる。ま
た必要に応じて、艶調整剤、滑剤、帯電防止剤、結露防
止剤、抗菌剤、防黴剤等の各種添加剤を適宜添加するこ
とができる。
【0057】トップコート層29の形成方法にも特に制
限はなく、例えばグラビアコート法、ロールコート法、
ディップコート法、エアーナイフコート法、ナイフコー
ト法、コンマコート法、ダイコート法、リップコート
法、キスコート法、ロッドコート法、スプレーコート
法、フローコート法等の従来公知の任意のコーティング
法を適宜適用することができる。
【0058】なお、透明又は半透明の樹脂層24とトッ
プコート層29との密着性が不十分である場合には、ト
ップコート層29の塗工形成に先立ち、透明又は半透明
の樹脂層24の表面に例えばコロナ処理、オゾン処理、
プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理、アン
カー又はプライマー処理等の表面処理を施すことによっ
て、透明又は半透明の樹脂層24とトップコート層29
との間の密着性を向上することができる。
【0059】ところで、係る化粧シートは、従来の化粧
シートと同様、木質系基材や無機質系基材等の各種の基
材の表面に貼付して使用するものであり、一般的には該
貼付の際には例えばウレタン系や酢酸ビニル系等の適宜
の接着剤が使用されるが、熱可塑性樹脂基材シート21
を構成する樹脂の種類によっては、係る汎用のラミネー
ト用接着剤との接着性が不十分である場合もある。係る
場合に備えて、熱可塑性樹脂基材シート21の裏面に、
上記した汎用の接着剤との接着性に優れた樹脂からなる
プライマー層30を設けておくことが好ましい。
【0060】プライマー層30としては例えばウレタン
系、アクリル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体系等の各種のプライマー
剤が知られており、これらの中から熱可塑性樹脂基材シ
ート21に合わせたものを選んで使用する。なお、プラ
イマー層30に例えばシリカ、アルミナ、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム等の粉末を添加しておくと、プライマ
ー層30の表面が粗面化することによって化粧シートの
巻取保存時のブロッキングが防止できる他、投錨効果に
よる前記ラミネート用接着剤との接着性の向上を図るこ
ともできる。
【0061】本発明の化粧材の他の変形例として、図3
に示す様な裏面印刷型の化粧シートを挙げることができ
る。これは基本的には、透明又は半透明の熱可塑性樹脂
基材シート31の裏面に、絵柄層32と、隠蔽ベタイン
キ層33とを順次積層して構成されるものであって、該
隠蔽ベタインキ層33の裏面側を、接着剤を介して合板
等の化粧材基材の表面に貼付して使用されるものであ
る。係る構成の化粧シートにあっても、本発明において
特定した組成の隠蔽ベタインキ層33を設けることによ
って、十分な隠蔽性と層間密着強度とを確保することが
できる。
【0062】なお、図示は省略したが、この型の化粧シ
ートにあっても、熱可塑性樹脂基材シート33の表面へ
のエンボス、ワイピング、トップコート等の処理や、隠
蔽ベタインキ層33の裏面へのプライマー層の形成等
を、必要に応じて適宜施してもよいことは言うまでもな
い。
【0063】
【実施例】以下に本発明の化粧材の実施例及び比較例を
示し、本発明をより詳細に説明する。
【0064】実施例1 厚さ60μmの無延伸透明ポリプロピレン樹脂フィルム
(タマポリ社製)を熱可塑性樹脂基材シートとしてその
表面にコロナ処理を施して濡れ指数を38dyn/cm
以上に調整し、まずその表面に、主剤樹脂中に含有され
る活性水酸基に対しイソシアネート基が10倍となる比
率でXDI系硬化剤を配合した硬化型ウレタン系樹脂か
らなる結着剤樹脂100重量部当たり、隠蔽性の無機顔
料(酸化鉄系茶、酸化鉄系黄土及び酸化チタン系白)を
主体に少量のカーボンブラック、コバルトブルー及びフ
タロシアニンブルーを混合した顔料組成物を700重量
部配合してなるウレタン樹脂系インキ(東洋インキ製造
社製)にて、グラビア印刷法により隠蔽ベタインキ層を
乾燥後の厚み10μmに印刷形成した。
【0065】次に、通常の建材用ウレタン系グラビア印
刷インキにてグラビア印刷法により木目の絵柄を印刷
し、更に熱可塑性ウレタン系アンカー剤を乾燥後の塗布
量1μmに塗工した後、該アンカー層上に、エチレン−
エチルアクリレート系接着性樹脂層20μmと、光安定
剤0.2重量%及び紫外線吸収剤0.3重量%を添加し
たランダム共重合ポリプロピレン樹脂90μmとを共押
出しラミネートして、接着性樹脂層と透明樹脂層とを形
成すると同時に、金属製エンボスロールにて導管柄のエ
ンボスを施し、冷却固化した。
【0066】しかる後、該透明樹脂層の表面にコロナ処
理を施して濡れ指数を38dyn/cm以上に調整し、
エンボスの凹部にワイピング法にて着色剤を充填し、更
に表面全面に抗菌剤を配合した2液硬化型ウレタン系ト
ップコート剤をグラビアコート法にて乾燥後の塗布量4
g/m2 に施し乾燥硬化させてトップコート層を形成
た。更に、熱可塑性樹脂基材シートの裏面にコロナ処理
を施して濡れ指数を38dyn/cm以上に調整し、シ
リカ粉末を配合したウレタン樹脂系プライマー剤をグラ
ビアコート法にて乾燥後の塗布量1g/m2 に施してプ
ライマー層を形成して、本発明の化粧材である化粧シー
トを完成した。
【0067】得られた化粧シートのラミネート強度(熱
可塑性樹脂基材シートと接着性樹脂層との間での剥離強
度)を測定したところ、2.0kgf/inch以上で
あり、この種の化粧シートとして十分なラミネート強度
を有していることが確認された。また、隠蔽性を調べる
為に色彩色差計にて標準白板と標準黒板との上での明度
差を測定したところ、2.0であり、化粧シートとして
十分な隠蔽性を有することが確認された。また、サンシ
ャインウェザメーター耐候性試験(ブラックパネル63
℃、降雨有り)1000時間後目視にて著しい変化な
し、摩耗B試験(日本農林規格特殊合板)1000回に
て柄取られ無しの結果であり、耐候性や耐磨耗性の面で
も十分に優れていることが確認された。
【0068】実施例2 上記実施例1において、熱可塑性樹脂基材シートとして
厚さ25μmの二軸延伸透明ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルムを使用し、その他は全く同一の要
領で、本発明の化粧材である化粧シートを作製した。該
化粧シートについて、上記実施例1と同一の要領でラミ
ネート強度、隠蔽性、耐候性及び耐磨耗性を評価したと
ころ、上記実施例1と略同一の結果であった。
【0069】比較例1 上記実施例1において、隠蔽ベタインキ層を形成するウ
レタン樹脂系インキの結着剤樹脂である硬化型ウレタン
系樹脂のXDI系硬化剤の配合比を、主剤樹脂中に含有
される活性水酸基とイソシアネート基とが当量となる比
率とし、その他は全く同一の要領で化粧シートを作製し
た。該化粧シートについて、上記実施例1と同一の要領
でラミネート強度を評価したところ、0.5kgf/i
nchと、この種の化粧シートとしては不十分な値であ
り、剥離状態は隠蔽ベタインキ層の凝集破壊であった。
【0070】比較例2 上記実施例1において、隠蔽ベタインキ層を形成するウ
レタン樹脂系インキの結着剤樹脂である硬化型ウレタン
系樹脂のXDI系硬化剤の配合比を、主剤樹脂中に含有
される活性水酸基に対しイソシアネート基が30倍とな
る比率とし、その他は全く同一の要領で化粧シートを作
製した。該化粧シートについて、上記実施例1と同一の
要領でラミネート強度を評価したところ、0.5kgf
/inchとこの種の化粧シートとしては不十分な値で
あり、剥離状態は熱可塑性樹脂基材シートと隠蔽ベタイ
ンキ層との間での界面剥離であった。
【0071】
【発明の効果】以上詳細に説明した様に、本発明の化粧
材は、イソシアネート基が活性水素基の5〜20倍とな
る比率で配合された硬化型ウレタン系樹脂を結着剤樹脂
とした隠蔽ベタインキ層を設けることにより、化粧材と
して要求される化粧材基材に対する隠蔽性を十分に確保
すべく、隠蔽性顔料を十分に配合し、十分な厚みに隠蔽
ベタインキ層を設けても、該隠蔽ベタインキ層の内部凝
集力や隣接層に対する接着力を十分に確保することがで
き、以て、隠蔽性と、表面強度やラミネート強度との双
方に優れた化粧材を容易に実現することができるという
優れた効果を奏するものである。
【0072】特に、隠蔽性顔料の配合比率を結着剤樹脂
100重量部当たり300〜800重量部とすることに
より、通常の化粧材として十分な隠蔽性と表面強度やラ
ミネート強度とが容易に確保される。また特に、隠蔽ベ
タインキ層の厚さを5μm以上20μm以下とすること
により、通常の化粧材として十分な隠蔽性と表面強度や
ラミネート強度とが容易に確保される。
【0073】本発明の化粧材は、隠蔽ベタインキ層の裏
面側に熱可塑性樹脂基材シートを、表面側に透明又は半
透明の熱可塑性樹脂層を設けた合成樹脂系の化粧シート
において特に有用であり、隠蔽性に優れしかもラミネー
ト強度に優れた化粧シートが容易に得られる。特に、裏
面側の熱可塑性樹脂基材シートとして、隠蔽ベタインキ
層との密着性の確保が難しく、しかも隠蔽性のない透明
又は半透明のものを使用した場合にあっても、十分な隠
蔽性とラミネート強度が容易に実現可能であり、意匠表
現幅が広く、安価で多品種少量生産への対応が容易であ
り、しかも性能の優れた化粧シートを容易に得ることが
できるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧材の一例の積層構造を示す模式断
面図である。
【図2】本発明の化粧材の一例の積層構造を示す模式断
面図である。
【図3】本発明の化粧材の一例の積層構造を示す模式断
面図である。
【符号の説明】
11‥‥化粧材基材 12‥‥隠蔽ベタインキ層 13‥‥絵柄層 14‥‥表面保護層 21‥‥熱可塑性樹脂基材シート 22‥‥隠蔽ベタインキ層 23‥‥絵柄層 24‥‥透明又は半透明の樹脂層 25‥‥アンカー層 26‥‥接着性樹脂層 27‥‥エンボス 28‥‥着色剤 29‥‥トップコート層 30‥‥プライマー層 31‥‥熱可塑性樹脂基材シート 32‥‥絵柄層 33‥‥隠蔽ベタインキ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E110 AA47 AA57 AB22 AB23 BA03 BA04 BA05 BA12 BB02 BB23 GA32X GA32Z GA33X GA33Z GA42X GA42Z GB02X GB02Z GB03X GB03Z GB06X GB06Z GB07X GB07Z GB16X GB16Z GB17X GB17Z GB23X GB23Z GB28X GB28Z GB32X GB32Z GB43X GB43Z GB44X GB44Z GB46X GB46Z GB47X GB47Z GB48X GB48Z GB49X GB49Z GB52X GB52Z GB54X GB54Z GB62X GB62Z GB63X GB63Z 4F100 AA23 AA37 AK01B AK01C AK07 AK51A AL05A AS00A BA03 BA07 BA10B BA10C CA12A GB08 GB48 GB81 JB12A JB16B JL11 JN01C JN02 JN02A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】隠蔽性顔料及び結着剤樹脂を主成分とする
    隠蔽ベタインキ層を少なくとも具備する化粧材におい
    て、前記結着剤樹脂が、活性水素基を含有する化合物
    と、イソシアネート基を含有する化合物とが、イソシア
    ネート基の数が活性水素基の数の5倍以上20倍以下と
    なる比率で配合されてなる組成物の反応生成物である硬
    化型ウレタン系樹脂からなることを特徴とする化粧材。
  2. 【請求項2】前記隠蔽性顔料の配合比率が、前記結着剤
    樹脂100重量部当たり300重量部以上800重量部
    以下であることを特徴とする請求項1に記載の化粧材。
  3. 【請求項3】前記隠蔽ベタインキ層の厚さが5μm以上
    20μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の化粧材。
  4. 【請求項4】前記隠蔽ベタインキ層の裏面側に熱可塑性
    樹脂基材シートを、前記隠蔽ベタインキ層の表面側に透
    明又は半透明の樹脂層を、それぞれ少なくとも具備する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧
    材。
  5. 【請求項5】前記熱可塑性樹脂基材シートが透明又は半
    透明であることを特徴とする請求項4に記載の化粧材。
  6. 【請求項6】前記隠蔽ベタインキ層の表面側に、透明又
    は半透明の熱可塑性樹脂基材シートを具備することを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017177373A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 凸版印刷株式会社 化粧シート及び化粧材
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