JPH07322303A - 背面投射型プロジェクションテレビ - Google Patents

背面投射型プロジェクションテレビ

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Publication number
JPH07322303A
JPH07322303A JP6129726A JP12972694A JPH07322303A JP H07322303 A JPH07322303 A JP H07322303A JP 6129726 A JP6129726 A JP 6129726A JP 12972694 A JP12972694 A JP 12972694A JP H07322303 A JPH07322303 A JP H07322303A
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JP
Japan
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lens
fresnel lens
image
projection
fresnel
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Application number
JP6129726A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomihiro Oguchi
富弘 小口
Hiroyuki Kubozoe
博之 窪添
Hiroshi Tamura
寛 田村
Nozomi Kikuchi
望 菊池
Hirokazu Izumi
宏和 泉
Masaji Chokai
正司 鳥海
Manabu Akagi
学 赤木
Takahide Hamaguchi
貴秀 浜口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pioneer Corp
Original Assignee
Pioneer Electronic Corp
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Publication date
Application filed by Pioneer Electronic Corp filed Critical Pioneer Electronic Corp
Priority to JP6129726A priority Critical patent/JPH07322303A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】背面投射型立体プロジェクションシステムにお
いて、スクリーン上の左右分離度を向上し、立体視認性
を明確化すること。 【構成】両眼視差に基いて立体表示する背面投射型プロ
ジェクションにおいて、映像を投影する投影レンズを含
む少なくとも1組のプロジェクターと、該プロジェクタ
ーからの映像光線の入射角に応じて、前記映像光線中の
可視域光線の内部反射防止コートのコート厚さを出射側
に備えたフレネルレンズ3と、該フレネルレンズ3から
の映像光線を水平垂直方向に分散するレンチキュラーレ
ンズ2とを備えたことを特徴とする。 【効果】ARコートのないフレネルレンズと比較して、
数dBの左右分離度を改善し、立体視認性をアップし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【0001】
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、背面投射型立体映像装
置に関わり、特に立体映像を生成する左右の映像相互間
の漏れを低減し、優れた立体感を得ることができる背面
投射型立体プロジェクションテレビに関する。
【0003】
【0002】
【0004】
【従来の技術】従来の背面投射型立体映像装置は、例え
ば特開平3−89236号公報に記載され、図9に示す
ように、左右二つの各3管式の投射装置15、16より
出射される左偏光と右偏光の光を、フレームの取付け角
度を調整する調整装置20上の位相補償板フレーム21
に通し、そこで光学位相差を適切な値に設定することで
コントラスト比を高め、次に、サーキュラーフレネルレ
ンズ18にてほぼ平行光線とし,レンチキュラーレンズ
シート19により平行光線を垂直・水平方向に拡散・分
散させることにより、多方向からの視覚に耐えるスクリ
ーンを構成して立体画像の基となる画像を投影する。
【0005】
【0003】そこで、左右90度の位相差の偏光メガネ
22を介して観察することにより、立体画像を認識でき
る。また、この背面投射型立体映像装置を奥行き薄くす
るために投写装置とスクリーンとの間に反射ミラーを設
けられる例もある。一方、立体画像を画質よく観察する
ためには、映像源の左右の分離度とともに映像源そのも
のの画質がよくなければならないが、その偏光メガネか
ら観察できるスクリーン上の立体画像の画質をもっとよ
くする必要がある。
【0006】
【0004】そこで、現実の背面投射型立体映像装置に
おいて、実際に測定した結果の一例を図10に示す。こ
れは、測定系として、図9に示す従来の背面投射型立体
映像装置における、サーキュラフレネルレンズ18とレ
ンチキュラーレンズ19とからなるスクリーンだけの
A.スクリーン有りの場合と、そのスクリーンの位置に
偏光板を代替えしたB.スクリーン無しの場合との比較
測定グラフである。横軸に四角のスクリーンの斜め方向
の寸法比率を示し、縦軸に投射光線の直交成分Sと平行
成分Pとの比率分離度を示している。これにより、従来
のスクリーンの存在そのもので10dB以上の分離度の
悪化が読み取れる。この分離度の悪化により、このスク
リーン有りでのスクリーンの周辺部では、虹が発生して
いるのを確認できた。
【0007】
【0005】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明が解決
しようとする課題は、背面投射型立体映像装置において
立体映像の画質を向上することである。具体的には、そ
のスクリーンの構成要素のフレネルレンズの構成を変更
することにより、従来のフレネルレンズでは達成できな
い立体画像の画質を得ることである。
【0009】
【0006】
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による、両眼視差
に基いて立体表示する背面投射型プロジェクションは、
映像を投影する投影レンズを含む少なくとも2種のプロ
ジェクターと、このプロジェクターからの映像光線の入
射角に応じて、映像光線中の可視域光線の内部反射防止
コートのコート厚さを出射側に備えたフレネルレンズ
と、このフレネルレンズからの映像光線を水平及び/又
は垂直方向に分散するレンチキュラーレンズとを備えた
ことを特徴とする。
【0011】
【0007】また、本発明による、両眼視差に基いて立
体表示する背面投射型プロジェクションは、映像信号を
投影する投影レンズを含む少なくとも3色のプロジェク
ターと、このプロジェクターからの映像光線の入射角に
応じて、映像光線中の可視域光線の内部反射防止コート
のコート厚さを出射側に備えたフレネルレンズと、この
フレネルレンズからの映像光線を水平垂直方向に分散す
るレンチキュラーレンズとを備えたことを特徴とする。
【0012】
【0008】さらに、上記フレネルレンズの反射コート
のコート厚さt は、
【0013】
【数2】 であり、この、λは前記映像光線中の可視域光線のほぼ
中心波長、n0 及びn1 は反射コートの層の屈折率、及
びθ0 は前記フレネルレンズへの前記映像光線の入射角
と出射側の歯角から定義される出射面での入射角、であ
ることを特徴とする。
【0014】
【0009】および、本発明による、両眼視差に基いて
立体表示する背面投射型プロジェクションテレビは、映
像を投影する投影レンズを含む少なくとも2種または3
色のプロジェクターと、このプロジェクターからの映像
光線の出射側にフレネルレンズ面を有し、当該映像光線
の入射による内部反射量がミニマムとなる一定のコート
厚さの内部反射防止コートを出射側に備えたフレネルレ
ンズと、このフレネルレンズからの映像光線を水平垂直
方向に分散するレンチキュラーレンズとを備えたことを
特徴とする。
【0015】
【0010】
【0016】
【作用】偏光眼鏡を用いて、背面投射型立体映像装置の
スクリーンを見た場合、右眼用と左眼用の画像をそれぞ
れのプロジェクターから発せられ、そのプロジェクター
からの投射光がスクリーンへの入射角が異なるために生
じる右眼用と左眼用の画像の分離度の悪化を、スクリー
ン、特にフレネルレンズの内部反射防止コートのコート
厚さを入射角ごとに異ならせたので、その分離度の悪化
を抑制でき、そのフレネルレンズからレンチキュラーレ
ンズを介した出射光からの立体画像が、スクリーンの全
面に亘り明確な立体画像として、認識できる。
【0017】
【0011】このプロジェクターは、2種RGB3個の
計6個のCRTを用いる場合と、計3個のRGBの各C
RTを用いる場合とでは、そのドライブ方法が異なるだ
けで、視聴者からの認識度合いは、わずかの差異であ
り、問題は生じない。
【0018】さらに、このフレネルレンズの内部反射防
止コートのコート厚さを、所定の入射角に応じて変化さ
せているので、この数式に則って、フレネルレンズを製
造すれば、理想的なフレネルレンズで、最善の立体視聴
を可能とする。
【0019】
【0012】また、このフレネルレンズの内部反射防止
コートのコート厚さを、入射光線の内部反射を、入射角
に応じず、所定の厚さとした場合であっても、内部反射
防止コート無しのフレネルレンズより、左右分離度が優
れ、立体画像としての認識度が高くなる。
【0020】
【0013】
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。
【0022】図1に、本発明の背面投射型立体映像装置
の側面図を一実施例として示す。
【0023】図において、1は立体画像を放射するスク
リーンであり、2は入力投射光を全面的に特に水平・垂
直方向に拡散・分散するレンチキュラーレンズで、3は
入射投射光を水平方向にほぼ平行に出射するフレネルレ
ンズで出射側にARコートが施してあり、レンチキュラ
ーレンズ2とフレネルレンズ3とでスクリーン1を構成
する。
【0024】
【0014】また、プロジェクターは以下から構成され
る。4は全反射ミラーであり、5a 、5b は出射レンズ
で、6a 、6b は投射レンズであり、出射レンズ5a 、
5b と投射レンズ6a 、6b と冷却座7内のレンズとで
投影レンズを構成し、CRT画像を拡大・投影する。7
a 、7b はCRT8の出射面の高温化を防止する冷却手
段とレンズとから構成される冷却座である。8a 、8b
は陰極投射管(CRT)で、9a 、9b はそのCRTの
水平・垂直偏向回路で、10a 、10b はそのCRT8
のコンバーゼンス補正回路で、11a 、11b はそのC
RTの映像信号のドライブ回路であり、各aは右眼用、
各bは左眼用として動作する。また、各aおよび各bの
奥行き方向にカラー3色映像のため、赤色(R)、緑色
(G)、青色(B)用として3色のそれぞれに、投影レ
ンズ、CRT、ドライブ回路等が配置されている。
【0025】
【0015】さらに、12は本背面投射型立体映像装置
の外装キャビネットであり、13は本背面投射型立体映
像装置の設置・配送・配置に便利なキャスターである。
【0026】以上の構成において、以下に、この動作説
明を示す。
【0027】まず、ドライブ回路11a 、11b により
右眼用映像信号、左眼用映像信号が、CRT8a 、8b
をドライブして、CRT8a 、8b の蛍光表示面から各
色の映像信号が放射光として出射され、投影レンズの投
射レンズ6a 、6b 等により放射光が拡大されて、反射
ミラー4にて全反射され、フレネルレンズ3に入射され
レンチキュラーレンズ2から出射されるスクリーン1に
投影される。
【0028】
【0016】この際、図1のように右眼用映像信号と左
眼用映像信号との各放射光の光軸にオフセットを設け
て、スクリーン1に投影している。これは、6管CRT
の立体画像を得るため、右眼用及び左眼用のCRTのス
ペースを一致させられないことと、RGB3色の場合だ
けでなく各右眼用と左眼用光学系とのシャインプルーフ
の法則による煽りを補償するためである。
【0029】ここで、反射ミラー4により投射された投
射光がフレネルレンズ3に入射して、出射する様子を図
2〜図4、図7、図8を参照しつつ、従来例のアクリル
部材だけの場合と本発明のアクリル部材とARコートと
の場合のフレネルレンズを比較しつつ説明する。
【0030】
【0017】図2に、従来例のアクリル部材に入射光が
入射し、フレネルレンズ面にて透過・反射し、その反射
光が入射面で反射・透過する例を示す。この場合の角度
関係は、スクリーンの中心からスクリーンの周辺末端を
100%とした場合の15.5%の位置の状態図を示し
ている。
【0031】
【0018】そこでは、入射光Aは、透過・出射光Bと
反射光Cとなる。反射光Cは、屈折率の関係から、入射
光Aの4%のエネルギーを有している。反射光Cは、当
該フレネルレンズのアクリル部材の入射面に達し、その
入射面で透過・出射光Dと反射光Eとに分波される。こ
の反射光EはS波(Senkrecht Polarized Light Wave:
垂直偏波光線波) とP波(Parallel Polarized Light Wa
ve: 平行偏波光線波) との反射率の違いから、偏光の軸
がずれているが、当初の入射光Aの0.24%のエネル
ギーしか有していないため、フレネルレンズの外部に、
いずれかの部分から出射したとしても、右眼用と左眼用
の分離度の悪化に、ほとんど影響を及ぼさない。これ
が、スクリーン1の中心付近で虹が発生しない一因と考
えられる。
【0032】ここで、分離度とは、分離度=20log
(直交/平行)で表わされ、S波(直交)とP波(平
行)との比から測定される。
【0033】
【0019】もっと詳しく言えば、微弱エネルギーの反
射光Eは、アクリル部材の出射フレネル面で、ほとんど
の場合全反射を生じ、そしてアクリル部材の入射面に戻
ってきてさらに反射するという過程を3回程度繰り返
す。こうしてアクリル部材によって構成されたサーキュ
ラーフレネルレンズの中心付近すなわちスクリーンの中
心付近では、そのフレネルレンズ面の傾斜角度が緩やか
であるために、出射面における反射光の行方から、P波
とS波の偏光の崩れが少ないと考えられる。
【0034】次に、図3には、スクリーンの中心からス
クリーンの周辺末端を100%とした場合の85.3%
の位置の状態図を示している。
【0035】
【0020】ここでは、フレネルレンズ面のフレネル刃
角が約55度でフレネル頂角が約50度となる。入射光
a、b、cは、フレネル面で、出射・透過光a1、b
1、c1と反射光a2、b2、c2となる。この反射光
a2、b2、c2はP波とS波の反射率の違いから偏光
の軸がずれている。この反射光a2、b2、c2はフレ
ネル面を透過・反射・屈折等しながら、該フレネルレン
ズの入射面でのフラット面で全反射する。全反射したこ
の反射光a3、b3、c3(複雑になるため図示せず)
はそれぞれP波とS波に位相差が生じていて、楕円偏光
になっている。さらに、反射光a3、b3、c3はそれ
ぞれフレネル面から出射光a4、b4、c4(図示せ
ず)として出射する。この出射光a4、b4、c4は、
フレネル刃角が大きいために、当初の入射光a、b、c
の8.6%のエネルギーを有し、さらに偏光が直線偏光
ではなくて楕円偏光となっている。この出射光a4、b
4、c4の水平方向(レンチキュラーレンズの主分散方
向)のベクトル成分が分離度悪化の主原因であると考え
られる。
【0036】
【0021】上記のごとく、スクリーンの中心からスク
リーンの周辺末端方向での偏光の崩れを見て行くと、サ
ーキュラーフレネルレンズの製造の簡易・容易性上、中
心部と周辺部とのフレネルピッチを同一とし、そのフレ
ネル刃角を周辺にいくに従って大きくしているので、そ
のスクリーンの中心部分から周辺部分に行くに従って分
離度が悪化していく現象が発生している。
【0037】
【0022】具体的には、中心部分から周辺部分にいく
に従って、ニジが発生しているのを確認できる。そのと
き、中心付近は他周辺部に比較して、映像信号、特に黒
色で十分沈んでいて分離度が良いことを示している。以
上のように、フレネルレンズでの分離度悪化の要因は、
フレネル面でのフレネル刃角による内部反射であるとい
える。従って、この内部反射を防止するために、フレネ
ル面に反射防止コート(ARコート)を施すことが必要
であることを発見した。
【0038】
【0023】このARコートによる光線の経路について
検討する。
【0039】図4に、媒質N0 (フレネル材質)、N1
(ARコートの膜厚をt とする)、N2 (出射外の空
気)で、屈折率がn0 、n1 、n2 である媒質材料に光
線Aが入射角θ0 で入射してきた場合、媒質N1 での反
射光がBとなり、媒質N2 での出射光Dと反射光がCと
して出射していくとする。そこで、反射光Bと反射光C
との位相差が光線の波長λの1/2となれば、反射光B
と反射光Cとは打ち消しあって、反射光が低減する。
【0040】
【0024】すなわち、
【0041】
【数3】 これから、
【0042】
【数4】 但し、θ1 、P1(a-d-c)及びP0(a-b)は図4に示す屈折
角、光路長を示す。
【0043】以上から、ARコートの厚さは、その計算
値から最適コーティング膜厚を設定できる。また、入射
角θ0 は現実的にはフレネルレンズのフレネル面への映
像光線の入射角を示すこととなる。
【0044】
【0025】よって、そのARコートへの入射角に応じ
て所定の厚さにすれば、フレネルレンズ内での偏光発生
もなくなり、そのARコートの出射光においても、内部
反射して出射してくる偏光軸のずれた出射光の割合が少
なくなり、分離度の悪化ということもなくなる。
【0045】
【0026】この膜厚を実際のスクリーンについて計算
すると以下となる。
【0046】
【表1】 但し、この中心からの距離とは、スクリーン中心から右
上・左上方向への距離をいい、(%)はその末端までと
の比率を示している。
【0047】また、このサーキュラーフレネルレンズ
は、アクリル材であり、このフレネルレンズをARコー
ト溶液(例えば、フッ化マグネシウムMgF)に浸し、
引上げ機を用いて、かつ一定のスピードで回転しつつ引
上げて膜を作る。
【0048】
【0027】上記計算結果から、膜厚を一定として、分
離度の向上を狙った実施例を下記する。特にスクリーン
周辺での分離度向上を狙うため、全域一定の膜厚を 120
nm、131nm, 142nmとした場合の結果を検討したが、A
Rコートなしの場合に対して、 131nm、 142nm、 120nm
の順序で少しづつ改良され、周辺での分離度がもっとも
良くなるのは120nm の時で、約5dBほど全領域で改善さ
れることが解った。
【0049】この膜厚一定のARコート被膜は、一例と
して含浸法により行ない、フレネルレンズをARコート
材中に浸し、一定の引上げスピードで引上げて乾かし、
その後フレネル面の他方を切削・削除する方法で実現で
きる。
【0050】
【0028】尚、膜厚の測定に関しては、分光光度計法
があり、サンプル光として波長の異なる光をコート面に
当て、その時の反射率を測定し、反射率の最も低い波長
から膜厚を算出する。また目視法としては、グリーン色
を減反射させた場合、青と赤も若干反射するのでこの色
を目視して色の違いからどの波長を減反射させているの
かを基準のサンプルと比較しつつ判断して、その膜厚を
算出する。またカメラと分光計とで測定することもでき
る。光源からフレネルレンズ面に光線を当て、その反射
光をカメラに入射し、そのカメラの出力を分光計で数値
化して、基準の減反射特性と比較して、測定する。
【0051】
【0029】次に、入射角に応じた膜厚をコーティング
する手法を、図5に基づいて説明する。真空蒸着法によ
る例で、真空雰囲気において、フレネル面を上にして回
転板に載置したフレネルレンズ24と、その回転軸をサ
ーキュラーフレネルレンズの光軸と一致させて回転する
回転装置25と、そのフレネルレンズの周辺の上部に蒸
着釜を備えた蒸着装置23から概略構成されている。そ
こで、回転装置25の回転軸上にサーキュラーフレネル
レンズの中心を載置して回転させて、蒸着装置23の蒸
着釜を高温化すれば、蒸着釜からの距離の2乗に比例し
て蒸着膜厚のコーティングがフレネルレンズの上部に蓄
積される。この蒸着時間と蒸着釜の温度と回転装置25
の回転速度とフレネルと蒸着釜との距離とを適切に設定
すれば、この装置で上記の計算値に基づいたARコーテ
ィングが完成する。
【0052】
【0030】但し、フレネルレンズの中心からの距離に
対する所定の膜厚を必要とするため、上記蒸着釜の位置
を上下前後に移動可能としておけば、効率良くARコー
ティングが可能である。
【0053】また、入射角に応じた膜厚をコーティング
する方法として、軸中心上で回転させたサーキュラーフ
レネルレンズのセンターに、溶融したARコーティング
材を滴下して、センター部よりも周辺部の膜厚を厚くす
る方法もあり、その効率・時間・コスト等から種々選択
できる。
【0054】
【0031】以上の総括として、図7と図8とにより、
ARコートの有無による光線の特質について説明する。
図7は、ARコートの無い場合を示し、P波とS波とが
角度θで入射すれば、その第1の透過光も同じ角度θの
光線として出射するが、その反射光は角度αおよび角度
βと反射・偏光されて、第2の透過光が角度βで出射さ
れる。この第1、第2の出射光を偏光眼鏡で見ることと
なるので、その分離度は総合的に悪化して、立体画像の
立体視を損なうこととなる。
【0055】
【0032】一方、図8は、ARコートが有る場合を示
し、P波とS波とが角度θで入射すれば、その透過光も
同じ角度θの光線として出射し、そのフレネル部とAR
コート部の接触部分及びARコートの出射部分での反射
光線は極めて微笑なので、殆ど無視できる。従って、こ
の出射光がレンチキュラーレンズを介して投影されれ
ば、分離度を損なうことなく、立体画像の立体視を明確
に認識できる。
【0056】
【0033】他の実施例について、ミラーによる1回折
り曲げ方式のプロジェクションテレビを、図6に基いて
説明する。
【0057】図において、30はCRT32のカソード
・グリッドのドライブ回路で、31はCRT32の水平
・垂直偏向回路やコンバージョン回路で、34はCRT
の管面の温度上昇を抑制する液冷カップリングの凹レン
ズ33と補正レンズ等のレンズ群を含む投影レンズで、
35は偏光レンズで、36は映像光線を全反射する反射
ミラーであり、37は出射側に光線の入射角に応じて厚
さの異なるARコート、又は所定の一定の厚さのARコ
ートを施した集光機能を有するサーキュラーフレネルレ
ンズで、38は左右上下の視野角を広げ拡散機能を有す
るレンチキュラーレンズで、39は当該プロジェクショ
ンテレビの外装をなすキャビネットであり、40は当該
プロジェクションテレビの設置・移動を容易にするキャ
スターである。
【0058】
【0034】ここで、CRT32は,赤(R)、緑
(G)、青(B)の3管からなり、各色それぞれにドラ
イブ回路30、投影レンズ34、偏光レンズ35等を具
備しており、各色の映像信号をそれぞれ投影する。その
映像信号は、左目用と右目用とが、例えばフィールドご
とに交互にドライブされ、偏光レンズ35でそのドライ
ブと同期して、0度と90度との偏光角を持たせるよう
にドライブされ、反射ミラー36を介して、スクリーン
に投影される。そして、偏光眼鏡が必要で、左目用と右
目用とで90度の位相差を備えた光学的フィルターを備
えた偏光眼鏡で、スクリーン上に立体画像を見ることが
できる。
【0059】
【0035】この3管式背面投射式立体プロジェクショ
ンテレビは、6管式に比較して、機構的に軽量で容積の
小形化が可能で、配置の自由度が増し、フレネルレンズ
への入射角にも、入射角のオフセットが不必要で、より
緻密に最適厚さを設定できるので、上述した分離度の悪
化も少なくなり、より高画質を観測できる。但し、電気
回路によるドライブ回路は、フリッカや粗画質を防止す
るため、水平・垂直偏向回路や映像信号のドライブ回路
にスピードアップや、信号補間が必要になる場合が生じ
る。
【0060】
【0036】この3管式におけるフレネルレンズそのも
のへのARコートの厚さに関して、映像信号の投射光の
入射角が大きいほどコートの厚さを厚くする生成手段
は、その数値が異なったとしても6管式と同様な方法で
達成することができる。
【0061】また、この3管式プロジェクションテレビ
は、機構的に従来の2次元の映像装置と同様に構成さ
れ、その偏向レンズ35とフレネルレンズ37とを追加
・変更すればよく、より容易に立体視を体験できる。し
かも、その立体視はスクリーンの中心から4隅までも、
ニジの発生を防止すると共に、高品質で、高画質の、分
離度の高い立体を体現できる。
【0062】
【0037】
【0063】
【発明の効果】よって、上述したように、背面投射型立
体映像装置において立体映像の画質を向上することがで
きる。特に、当該装置のスクリーンの周辺において、サ
ーキュラーフレネルレンズのARコートの膜厚を変化さ
せているので、フレネル面での反射光による反射量と偏
光量とを削減できるので、左右分離度がアップして、左
右像をそれぞれのメガネで観察することで、明確な立体
像を認識できる。
【0064】
【0038】また、上記により、スクリーンでの立体視
が崩れるのを防ぐことができ、フレネルレンズを使用し
たプロジェクションテレビにおいても、良好な立体映像
を得ることが可能となる。
【0065】さらに、フレネルレンズに一定厚さのAR
コートを施した場合でも、製造面での容易さと共に、従
来のものより分離度を高くできるので、立体映像の立体
感覚を十分認識できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の背面投射型プロジェクションテレビの
原理構成図である。
【図2】従来例のフレネルレンズのアクリル部材に、入
射光が入射した場合の概略光路図を示す。
【図3】従来例のフレネルレンズのアクリル部材に、入
射光が入射した場合の概略光路図を示す。
【図4】本発明に関する光路の概念図である。
【図5】本発明に関するARコート材のコートの一製法
を示す図である。
【図6】本発明の他の実施例の背面投射型プロジェクシ
ョンテレビの構成図である。
【図7】従来例におけるARコートが無い場合の光路の
概念図である。
【図8】本発明のARコートがある場合の光路の概念図
である。
【図9】従来の投射型立体プロジェクタの構成図であ
る。
【図10】スクリーンの有無による分離度の差異を示す
グラフ図である。
【符号の説明】
1 スクリーン 2、38 レンチキュラーレンズシート 3、 サーキュラーフレネルレンズ 4、36 反射ミラー 15、16 投射装置 21 位相補償フレーム 23 蒸着装置 37 サーキュラーフレネルレンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊池 望 東京都大田区大森西4丁目15番5号 パイ オニア株式会社大森工場内 (72)発明者 泉 宏和 東京都大田区大森西4丁目15番5号 パイ オニア株式会社大森工場内 (72)発明者 鳥海 正司 東京都大田区大森西4丁目15番5号 パイ オニア株式会社大森工場内 (72)発明者 赤木 学 東京都大田区大森西4丁目15番5号 パイ オニア株式会社大森工場内 (72)発明者 浜口 貴秀 東京都大田区大森西4丁目15番5号 パイ オニア株式会社大森工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両眼視差に基いて立体表示する背面投射型
    プロジェクションテレビにおいて、 映像を投影する投影レンズを含む少なくとも2種のプロ
    ジェクターと、 該プロジェクターからの映像光線の入射角に応じて、前
    記映像光線中の可視域光線の内部反射防止コートのコー
    ト厚さを出射側に備えたフレネルレンズと、 該フレネルレンズからの映像光線を水平垂直方向に分散
    するレンチキュラーレンズとを備えたことを特徴とする
    背面投射型プロジェクションテレビ。
  2. 【請求項2】両眼視差に基いて立体表示する背面投射型
    プロジェクションテレビにおいて、 映像を投影する投影レンズを含む少なくとも3色のプロ
    ジェクターと、 該プロジェクターからの映像光線の入射角に応じて、前
    記映像光線中の可視域光線の内部反射防止コートのコー
    ト厚さを出射側に備えたフレネルレンズと、 該フレネルレンズからの映像光線を水平垂直方向に分散
    するレンチキュラーレンズとを備えたことを特徴とする
    背面投射型プロジェクションテレビ。
  3. 【請求項3】前記プロジェクターは、赤色、緑色及び青
    色用のそれぞれにCRTと投射レンズとを有することを
    特徴とする請求項第1又は第2に記載の背面投射型プロ
    ジェクションテレビ。
  4. 【請求項4】前記フレネルレンズの反射コートのコート
    厚さt は、 【数1】 であることを特徴とする請求項第1又は第2に記載の背
    面投射型プロジェクションテレビ。但し、λは前記映像
    光線中の可視域光線のほぼ中心波長、n0 及びn1 は反
    射コートの層の屈折率、及びθ0 は前記フレネルレンズ
    のフレネル面への前記映像光線の入射角である。
  5. 【請求項5】両眼視差に基いて立体表示する背面投射型
    プロジェクションテレビにおいて、 映像を投影する投影レンズを含む少なくとも2種のプロ
    ジェクターと、 該プロジェクターからの映像光線の出射側にフレネルレ
    ンズ面を有し、当該映像光線の入射による内部反射量が
    ミニマムとなる一定のコート厚さの内部反射防止コート
    を出射側に備えたフレネルレンズと、 該フレネルレンズからの映像光線を水平垂直方向に分散
    するレンチキュラーレンズとを備えたことを特徴とする
    背面投射型プロジェクションテレビ。
  6. 【請求項6】両眼視差に基いて立体表示する背面投射型
    プロジェクションテレビにおいて、 映像を投影する投影レンズを含む少なくとも3色のプロ
    ジェクターと、 該プロジェクターからの映像光線の出射側にフレネルレ
    ンズ面を有し、当該映像光線の入射による内部反射量が
    ミニマムとなる一定のコート厚さの内部反射防止コート
    を出射側に備えたフレネルレンズと、 該フレネルレンズからの映像光線を水平垂直方向に分散
    するレンチキュラーレンズとを備えたことを特徴とする
    背面投射型プロジェクションテレビ。
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