JPH07320349A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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Publication number
JPH07320349A
JPH07320349A JP6132574A JP13257494A JPH07320349A JP H07320349 A JPH07320349 A JP H07320349A JP 6132574 A JP6132574 A JP 6132574A JP 13257494 A JP13257494 A JP 13257494A JP H07320349 A JPH07320349 A JP H07320349A
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JP
Japan
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drum
magnetic tape
magnetic
recording
lower drum
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JP6132574A
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Inventor
Akira Nishima
亮 西間
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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  • Recording Or Reproducing By Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 早送り再生,巻戻し再生においてもノイズバ
ーの無い再生画像の得られる磁気記録再生装置を得る。 【構成】 上ドラムDuと下ドラムDdとを同軸に支持
するドラム軸3と、上ドラムDuに設けられて回転磁気
ヘッドHa,Hbをドラム軸3に平行な方向に変位駆動
するボイスコイルモータ29,30と、下ドラムDdの
磁気テープ摺接面26の下部に形成した摺接面26より
小径である小径部21と、磁気テープに形成されている
記録跡と回転磁気ヘッドHa,Hbの回転軌跡面とが一
致した状態となるようにドラム軸3を傾斜させるギア付
きスクリュー4と、下ドラムDdに形成した小径部21
に遊嵌して磁気テープの基準縁の位置を規制するリード
リングLRと、磁気テープの基準縁に一致するようにリ
ードリングLRを傾斜させるギア付きスクリュー5とか
らなる磁気記録再生装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録再生装置、特
に、ドラムの周面の一部に摺接しながら走行する磁気テ
ープの走行速度の変化に応じて回転磁気ヘッドの回転軌
跡面と磁気テープの相対的な空間位置関係を変化させる
ことにより回転磁気ヘッドが磁気テープ上の記録跡を良
好にトレースできるようにした磁気記録再生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】上ドラムと下ドラムとからなるドラム構
体の周面の一部へ巻回された状態の磁気テープを所定の
走行速度で走行させて、回転磁気ヘッド(以下、単に
「磁気ヘッド」というこがある。)を用いてヘリカルス
キャンを行うことにより記録再生動作を行なう磁気記録
再生装置の代表例としてはビデオ・テープ・レコーダ(以
下「VTR」という。)を挙げることができる。この種
のVTRでは、記録時と同一の磁気テープ走行速度で記
録情報の再生動作を行なう通常再生(以下「ノーマル再
生」という。)の他に、記録時の磁気テープの走行速度
や走行方向とは異なる走行速度(停止も含む)や走行方
向で磁気テープを走行させて再生動作を行なう所謂可変
速再生(以下「トリックプレイ」という。)の機能が広
く採用されている。また、タイムラプス又は所謂駒撮り
撮影のように、磁気テープを間欠的に走行させて長時間
に亘る事象の記録を行い、この記録された磁気テープ
を、例えば、標準の速度で再生することができるように
したVTRも提供されている。
【0003】図1に、VTRのドラム構体近傍における
磁気テープの走行系の一般的な例を示す。同図におい
て、磁気テープTは、図示しないサプライリールから供
給されて、公知の走行系に沿って移送された後、サプラ
イ側ガイドローラSGRとサプライ側傾斜ポール1及び
テイクアップ側傾斜ポール2とテイクアップ側ガイドロ
ーラTGRによって、上ドラムDuと下ドラムDdとか
らなるドラム構体DAに所定角度範囲に亘って斜めに巻
き付けられて走行し、その後、公知の走行系を経て図示
しないテイクアップリールに巻取られる。そしてこの
際、磁気テープTには、磁気ヘッドHa、Hbによって
図3に示す如き記録跡パターン(以下「テープパター
ン」又は「トラックパターン」という。)が形成され
る。
【0004】同図において、磁気テープTの下縁に「起
点」と表示してある点と、磁気テープTの上縁に+1と
表示してある点とを結ぶ直線及びこの直線に平行な多数
の直線は、各トラックパターンの中心を示すものであ
る。そして、このようなトラックパターンが形成された
磁気テープTを記録時と同方向に同一速度で移送しなが
ら再生すると、磁気ヘッドHa,Hbは、これらの各ト
ラック上をトレースすることになりノーマル再生が行わ
れることになる。しかし、再生時の磁気テープTの走行
速度や方向が記録時のそれと異なると、磁気テープTと
磁気ヘッドHa,Hbとの相対線速度が変化するため、
磁気ヘッドHa,Hbが磁気テープT上に描くトラック
パターンは、例えば図3にそれぞれFF,STILL,
FBで示されるように異なるものになる。
【0005】図3中に+2,+3…+7のように示して
ある各点の位置と、起点とを結んだときに描かれる各直
線は、記録時における磁気テープTの走行方向と同一の
方向(+の符号で示す。)に、記録時の磁気テープTの
走行速度の2倍,3倍…7倍の走行速度で、磁気テープ
Tを走行させて再生動作を行なった場合(以下、「FF
再生」という。)に磁気テープT上に描かれる磁気ヘッ
ドHa,Hbの回転軌跡を示すものである。
【0006】同様に、−2,−3…−7のように示して
ある各点の位置と、起点とを結んだときに描かれる各直
線は、記録時における磁気テープTの走行方向と逆の方
向(−の符号で示す。)に、記録時の磁気テープTの走
行速度の2倍,3倍…7倍の走行速度で、磁気テープT
を走行させて再生動作を行なった場合(以下、「FB再
生」という。)に磁気テープT上に描かれる磁気ヘッド
Ha,Hbの回転軌跡を示すものである。なお、起点と
磁気テープTの上縁に0のように示してある点とを結ぶ
直線は、磁気テープTを停止させた状態で再生動作を行
なった場合(以下、「スチル再生」という。)に磁気テ
ープT上に描かれる磁気ヘッドHa,Hbの回転軌跡を
示している。
【0007】このトラックパターンの具体的な例とし
て、代表的なVTR方式の一つであるVHS(登録商
標)方式VTRについて見てみれば以下の如くである。
即ち、最も一般的なVHS方式のVTRでは、毎分18
00回転で回転する直径62mmの回転ドラムの外周に
磁気テープTが略180゜に亘って螺旋状に巻回された
状態で走行する。そして、標準モード(以下「SPモー
ド」という。)の記録では、磁気テープは毎秒33.3
5mmで移送されてトラック幅58μmの磁気ヘッドに
よって磁気テープTに描かれる記録跡は、磁気テープT
の基準縁Teに対して5°58’9.9”のビデオトラ
ック角度を形成するようになっている。なお、VHS方
式のVTRには、このSPモードの外に磁気テープを毎
秒11.12mmで移送してトラック幅19μmの磁気
ヘッドで記録する3倍モード(以下「EPモード」とい
う。)がある。このEPモードでは、磁気テープTの走
行速度とトラック幅ををSPモードの3分の1にするこ
とによって同一長さの磁気テープに3倍の時間の記録が
可能になる。しかし、後述するように、磁気テープに記
録されるトラック幅が狭いことから、トリックプレイに
おいて、磁気ヘッドHa,Hbが各トラック上を正確に
とトレースするようにするためにはSPモードの場合よ
りも困難を伴うものである。
【0008】また、磁気テープTを停止状態とした場合
には、磁気テープT上に描かれる磁気ヘッドの回転軌跡
は、磁気テープTの基準縁Teに対して5°56’7.
4”となる。また例えば、図3中のSPモード時におけ
る+7の表示によって指示している磁気テープTの上縁
の位置と起点とを結ぶ直線は、磁気テープTの基準縁T
eに対して6°10’54”の角度を示し、さらに例え
ば、同図中のSPモード時における−7の表示によって
指示している磁気テープTの上縁の位置と起点とを結ぶ
直線は、磁気ヘッドTの基準縁Teに対して5°42’
25.7”の角度を示すものとなる。
【0009】さて、図3に例示されているトラックパタ
ーンを参照すれば明らかなように、SPモードで磁気テ
ープT上に記録されたトラックパターンと、トリックプ
レイ時に磁気ヘッドHa,Hbによって磁気テープT上
に描かれる磁気ヘッドの回転軌跡とは交叉した状態にな
る。したがって、図2(b)に示すように、トリックプ
レイ時に再生されるFM信号の信号レベルは、磁気ヘッ
ドHa,Hbが記録跡を横切る度毎に大きく変化し、1
垂直走査期間におけるFM信号のエンベロープをみる
と、1垂直走査期間中に大きな起伏が生じたものにな
る。このため、トリックプレイ時における再生画像とし
ては、画像中にノイズバーが生じている品質の悪い再生
画像しか得られない。
【0010】また最近になって、19μmの記録跡幅を
有する3本の記録跡を磁気テープTに同時に並列記録し
て、図4(a)に示されているような記録跡パターンを
磁気テープTに形成させることにより、所謂、ハイビジ
ョンの画像情報の記録再生も可能にできるようにした新
しい形態のVTR(以下「W−VHS方式VTR」とい
う。)が商品化されている。このW−VHS方式VTR
においては、磁気テープTに同時に並列的に形成される
3本の記録跡の内で隣接する2本の記録跡は、互いに逆
方向のアジマス角を有する2個の磁気ヘッドによって映
像信号の記録再生に用いられ、また残り1本の記録跡は
他の1個の磁気ヘッドによって音響信号の記録再生に用
いられている。
【0011】このようなW−VHS方式VTRによって
記録された記録済み磁気テープTを、記録時より速い速
度で走行させてFF再生又はFB再生しようとした場
合、磁気ヘッドの移動軌跡は、図4(a)中に「起点」
と示されている点から、例えば図中の磁気テープTにお
ける上縁の上方に記載してある+7あるいは−7の数字
によって指示している磁気テープTの上縁の位置とを結
ぶ直線によって示されるものとなる。従って、それぞれ
アジマス角を異にしている映像用の2個の磁気ヘッド
が、磁気テープTに形成されている3本の記録跡を横切
って再生動作を行なうことになるために再生される画像
はノイズバーだらけのものになってしまう。
【0012】更にまた、詳述は避けるが、最近多く提案
されている民生用デジタルVTRでは、高能率符号化方
式によって映像信号のデータ量を圧縮して記録している
ために、FF再生時やFB再生時等のように回転磁気ヘ
ッドが磁気テープTの記録跡を横切って再生動作を行な
うと、モザイク状に並べられているデータのブロックの
配列状態の如何によっては全く画像が再生できないこと
も起こる。
【0013】このような問題点を解決するのには、磁気
ヘッドの回転軌跡と磁気テープTの記録跡とを一致させ
ればよく、従来から以下のような方法が提案されてい
る。 アクチュエータとしての電気ー機械変換素子に磁気ヘ
ッドを取付けておき、この電気ー機械変換素子を開ルー
プ制御回路又は閉ループ制御回路によって制御して磁気
ヘッドを磁気テープTの記録跡を横切る方向に変位させ
て、磁気ヘッドを磁気テープTの記録跡に沿わせる方
法。 例えば実公昭63ー34126号公報、実開昭61ー
158633号公報等に開示されているように、磁気ヘ
ッドを取付けた回転ドラムと下ドラムとを一体的に傾斜
させて、回転ヘッドを磁気テープTの記録跡に沿わせる
方法。 例えば特公昭61ー22376号公報に開示されてい
るように、ドラムに対する磁気テープの進入側とドラム
からの磁気テープの離脱側とに設けられている磁気テー
プの幅方向の高さを制限するためのガイドの高を変化さ
せて、回転ヘッドを磁気テープTの記録跡に沿わせる方
法。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記した
のようにアクチュエータとしての電気ー機械変換素子を
用いて磁気ヘッドの回転軌跡を制御させるようにしたV
TRでは、電気ー機械変換素子を回転ドラム内の狭い空
間内に設けなければならないので、使用する電気ー機械
変換素子としては小さな形状寸法のものが必要とされる
が、小さな形状寸法の電気ー機械変換素子は磁気ヘッド
に大きな変位を与えることが困難である。また、電気ー
機械変換素子によって磁気ヘッドが大きく変位した状態
においても磁気テープに対するヘッドタッチの状態を良
好に維持しなければならないが、良好な動作特性を有す
る小型なアクチュエータを用いて良好なヘッドタッチを
常に維持することは困難である。更にまた、アクチュエ
ータでは、振幅周波数特性の制限から、例えばSPモー
ドでは、±3倍速程度迄のノイズレスサーチがせいぜい
実現可能な範囲であり、±5倍速又は±7倍速以上の高
速サーチには、対応できない欠点がある。
【0015】また、前記した、実公昭63ー34126
号公報に開示されている磁気記録再生装置では、磁気テ
ープTの基準縁Teを案内する円弧状の案内部が、磁気
テープTの基準縁Teに対して、いわば点接触に近い状
態で接触しているため、円弧状の案内部に接触していな
い部分の磁気テープTの基準縁Teは極めて不安定な状
態とならざるを得ない。磁気テープTが比較的低記録密
度で記録されている場合、即ち、記録跡幅が比較的大き
な場合には、ノーマル再生は辛うじて可能であるが、F
F再生時とFB再生時との何れの場合にも、ノイズバー
の除去を良好に行なうことができないという問題があ
る。そして、この問題は、磁気テープTが前述したVH
S方式VTRにおけるEPモードのように比較的高記録
密度で記録されている場合、即ち、記録跡幅が比較的小
さな場合には、更に深刻である。
【0016】また、前記した、実開昭61ー15863
3号公報に開示されている磁気記録再生装置では、磁気
テープTの基準縁Teを所定の長さに亘って案内する部
材(案内部)を下ドラムから分離して装置の固定部に設
けてあるため、前記した実公昭63ー34126号公報
に開示されている磁気記録再生装置で生じていた磁気テ
ープTの基準縁Teの位置の変動は、少なくともノーマ
ル再生動作時には生じないようにすることが可能であ
る。しかし、FF再生動作又はFB再生動作等を行なう
ために、磁気ヘッドを取付けた回転ドラムと下ドラムと
を一体的に傾斜させると、上,下ドラムのテープ摺接面
に摺接している状態で走行している磁気テープTは、
上,下ドラムとともに傾斜してその基準縁Teが案内部
から離れる方向に変位する傾向を持っている。このた
め、FF再生動作時又はFB再生動作時等においては、
上,下のドラムの傾斜に伴って、磁気テープTの基準縁
Teが案内部と離間した状態になり易く、その部分にお
ける磁気テープTの基準縁Teの位置が変動してノイズ
バーを発生させることがある。
【0017】即ち、この方法を前述したVHS方式のV
TRに適用した場合、SPモードでは、磁気テープTの
記録跡のトラック幅が58μmと比較的に大きいため、
FF再生動作又はFB再生動作等を行なうために、磁気
ヘッドを取付けた回転ドラムと下ドラムとを一体的に傾
斜させても、再生画像中にノイズバーを生じさせること
は殆ど無い。何故なら、この回転ドラムと下ドラムとの
一体的な傾斜により磁気テープTの基準縁Teの一部が
磁気テープTの基準縁Teを案内するための部材(案内
部)から離間して、その離間した部分における磁気テー
プTの基準縁Teの位置が変動したとしても、その量
は、58μmのトラック幅に対しては影響が少ないから
である。しかし、EPモードではトラック幅がSPモー
ドのトラック幅の3分の1の19μmであるため、この
離間量は無視できないものとなり、再生画像中にはノイ
ズバーを生じさせる場合があることがことが明らかにな
った。
【0018】前記の問題は、図4(a)に示されている
ような記録跡パターンを磁気テープTに形成させるよう
にした前述のW−VHS方式VTRについても同様に生
じることはいうまでもない。本発明は、これらの問題点
を解決すべくなされたものであり、記録時とは異なる速
度で磁気テープを走行させて再生した場合や、記録時と
は逆方向に磁気テープを走行させて再生した場合でもノ
イズバーの発生しない磁気記録再生装置を提供すること
を目的とするものである。
【0019】更に、本発明の目的は、例えば、下ドラム
のリード角を磁気テープTの基準縁Teに対して5゜5
8’9.9”の傾斜角に設定した状態で記録を行い、即
ち、テレビジョン信号のフィールド又はフレーム信号を
単位とした所謂駒撮り記録を行い、この駒撮り記録した
パターンがVHS規格を満足したものとなり、これを連
続ノーマル再生した時に、CG画像など、連続動画を得
る磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点に
鑑みなされたものであり、請求項1に係る発明は、「上
ドラムと下ドラムとからなるドラム構体の周面の一部へ
巻回された状態の磁気テープに、該上ドラムに搭載した
回転磁気ヘッドを用いて記録再生動作を行なう磁気記録
再生装置において、該上ドラムをその周りに回転自在に
支持するドラム軸と、該上ドラムに設けられて該回転磁
気ヘッドを該ドラム軸に平行な方向に変位駆動するアク
チュエータと、該磁気テープに形成されている記録跡と
該回転磁気ヘッドの回転軌跡面とが一致した状態となる
ように該磁気テープの基準縁の位置を規制する位置規制
用案内部と磁気テープの摺接面とを備えている該下ドラ
ムの中心軸に対して該ドラム軸を傾斜させる第1の傾斜
駆動手段と、該下ドラムにおける該磁気テープの位置規
制用案内部が、該磁気テープの基準縁の位置に一致する
ように該下ドラムの該中心軸を傾斜させる第2の傾斜駆
動手段とを設けたことを特徴とする磁気記録再生装
置。」を提供するものであり、
【0021】請求項2に係る発明は、「上ドラムと下ド
ラムとからなるドラム構体の周面の一部へ巻回された状
態の磁気テープに、該上ドラムに搭載した回転磁気ヘッ
ドを用いて記録再生動作を行なう磁気記録再生装置にお
いて、該上ドラムをその周りに回転自在に支持するとと
もに該上ドラムと該下ドラムとを同軸に支持するドラム
軸と、該上ドラムに設けられて該回転磁気ヘッドを該ド
ラム軸に平行な方向に変位駆動するアクチュエータと、
該下ドラムの磁気テープ摺接面の下部に形成した該摺接
面より小径である小径部と、該磁気テープに形成されて
いる記録跡と該回転磁気ヘッドの回転軌跡面とが一致し
た状態となるように該ドラム軸を傾斜させる第1の傾斜
駆動手段と、該下ドラムとは別体構成で、かつ、該下ド
ラムに形成した該小径部の外周面に接近した状態で遊嵌
して該磁気テープの基準縁の位置を規制する位置規制用
案内部と、該位置規制用案内部を該磁気テープの基準縁
位置に一致するように該位置規制用案内部を傾斜させる
第2の傾斜駆動手段とを備えてなる磁気記録再生装
置。」を提供するものである。
【0022】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の磁気記録
再生装置の実施例について説明する。図5は、本発明の
第1実施例における、ドラム構体DA周辺の概略構成を
示す斜視図である。ドラム構体DAは上ドラムDuと下
ドラムDdとから構成されている。上ドラムDuは磁気
ヘッドHa,Hb(以下「磁気ヘッドHa,Hb」とい
う。)を搭載してドラムモータMdによってドラム軸3
の周りに回転駆動される。一方、下ドラムDdは、リー
ドリングLRとは別体に構成されており、ドラム軸3に
よって上ドラムDuと同軸に支持されている。そして後
に詳しく説明するように、下ドラムDdの底面がギア付
きスクリュー4に押されることによりドラム軸3はリー
ドリングLRに対して所定の方向に傾斜可能な構成にな
っている。また、リードリングLRはギア付きスクリュ
ー5に押されることによりドラム構体DAに対して所定
の方向に傾斜可能な構成になっている。
【0023】以下、第1実施例の具体的な構成につい
て、図6乃至図9を参照して説明する。図6は、その外
周面の一部に磁気テープTが巻回されている状態を示し
ているドラム構体DAの平面図である。同図において磁
気テープTは傾斜ポール1,2によってドラム構体DA
の外周面に対して、ドラムの中心角で180度よりも僅
かに大きな角度と対応する範囲で巻回されている。図
中、Oは上ドラムDuの回転中心となるべきドラム軸3
の軸心の位置を示しており、90度と表示した位置はド
ラムの周面に対する磁気テープの巻付範囲の中央位置で
ある。また、直線L1は前記したドラムの周面に対する
磁気テープの巻付範囲の中央位置とドラム軸3の軸心の
位置Oとを結ぶ直線であり、直線L2は、ドラム軸3の
軸心の位置Oを通過して直線L1に直交する直線であ
る。図7(a)は、ドラム構体周辺の構成の断面図であ
り、図6中の直線L2に沿って切断した断面を示す。同
様に、図7(b)は、図6中の直線L1に沿って切断し
た断面を示す。なお、図7(a)においては図5で説明
したドラムモータMdは簡単のために省略してある。ま
た、同様に図7(b)においては、ドラムモータMdに
加えて上ドラムDuも省略してある。また、図8は、上
ドラムDu、下ドラムDd、リードリングLR、ドラム
ベースDB等を分解して示す斜視図である。
【0024】これらの図において、ドラムベースDBは
装置の図示しないシャーシ等に固定されている。ドラム
ベースDBにはその0度の方向にギア付きスクリュー
4,5が螺合しており、図示しないモータにより、図7
(a)中上下に駆動される構成になっている。また、ド
ラムベースDBの180度の方向にはスプリング保持穴
6,7が設けられておりこれらのスプリング保持穴6,
7にはそれぞれコイルスプリング8,9が配置されてい
る。一方、図7(b)に示すように、ドラムベースDB
の90度の方向と270度の方向にはそれぞれカラー付
きの支点ピン10,11が植設されており後述するよう
にそれぞれの上端部がリードリングLRに形成された孔
12,13と遊嵌してリードリングLRの回動支点を形
成する。そして、これらのギア付きスクリュー5、コイ
ルスプリング8及びカラー付き支点ピン10,11の上
にはリードリングLRが載置されている。なおここで、
カラー付き支点ピン10,11のカラー10a,11a
はこれらの支点ピン10,11を結ぶ直線L3の周りに
おけるリードリングLRの傾斜回動を許容するためにリ
ードリングLRの底面とドラムベースDBとの間に必要
なクリアランスを設定するものである。また、各支点ピ
ン10,11とリードリングLRに形成された孔12,
13とは僅かなクリアランスをもって遊嵌しており、こ
のクリアランスによってリードリングLRの傾斜回動の
自由度が与えられるとともにリードリングLRのドラム
ベースDBに対する位置決めがなされる構成になってい
る。
【0025】リードリングLRは、図8に示すように円
環状部14と底面部15とから大略構成されており、円
環状部14の上端面には磁気テープTの基準縁Teを案
内するリード16が形成されている。また、底面部15
の中央には孔17が形成されておりこの孔17の内周部
には、後述する下ドラムDdの下方小径部20と嵌合す
べきナイフエッジ部17aが形成されている。更にま
た、この底面部15の0度の方向には前述したギア付き
スクリュー4が貫通して突出すべき貫通孔18が設けら
れるとともにその180度の方向にはコイルスプリング
9が貫通して突出すべき貫通孔19が設けられている。
そして、ドラム軸3を介して上ドラムDuと同軸に支持
された下ドラムDdの下方小径部20はリードリングL
Rの内周部に形成されたナイフエッジ部17aに遊嵌し
た状態で該下ドラムDdの底面がギア付きスクリュー4
及びコイルスプリング9に当接した状態に載置されてい
る。なお、該下ドラムDdの底面の90度の方向と27
0度の方向には図7(b)にその断面形状を示すよう
に、それぞれ凸状支点22,23が形成されており、下
方小径部20の下端面に取り付けられた板バネ24の腕
部24a,24bがそれぞれ90度の方向と270度の
方向において下ドラムDdを同図中下方に付勢すること
により凸状支点22,23をリードリングLRに押圧付
勢する構成になっている。従ってこれによりリードリン
グLRも下方に付勢されることになる。
【0026】下ドラムDdにはドラム軸3が圧入されて
おり、その内部には回転トランス25aが固着されてお
り後に述べる上ドラムに搭載された回転トランス25b
との間で信号の授受を行う。また、下ドラムDdの外周
面は磁気テープTが巻回されて案内される磁気テープ摺
接面26とこの磁気テープ摺接面26より小径であって
リードリングLRの内径に遊嵌する小径部21とから大
略構成されている。ドラム軸3には、ベアリング27,
28を介して上ドラムDuが回転自在に支持されてい
る。上ドラムDuには、回転トランス25bが固着され
るとともにボイスコイルモータ29,30が搭載されて
おり、各ボイスコイルモータ29,30にはそれぞれ磁
気ヘッドHa,Hbが取り付けられている。ここで、ボ
イスコイルモータ29,30には図示しない電源から電
力が供給されて各磁気ヘッドHa,Hbをドラム軸3と
平行な方向に変位可能な構成になている。なお、先にも
述べたとおり、上ドラムDuには図示しないドラムモー
タMdのロータが固着されるとともにステータがドラム
軸3に固着されて上ドラムDuをドラム軸3の周りに回
転駆動する構成になっている。
【0027】次に、本実施例の磁気記録再生装置の動作
について説明する。ノーマル再生モードでは、図7
(a)に示すように、ドラム軸3とリードリングLRの
中心軸は略一致し且つこれらの軸はドラムベースDBに
対して略垂直な状態となっている。即ち、この状態で標
準モードで記録された磁気テープTがその基準縁Teを
リードリングLRのリード16に案内されてノーマル再
生モードに対応した所定の速度(VHS方式VTRの場
合毎秒33.35mm)で走行すると、磁気ヘッドH
a,Hbの回転軌跡は磁気テープTに記録されたトラッ
クパターンと略一致した状態となる。従って、ボイスコ
イルモータ29,30を公知の方法により制御して各磁
気ヘッドHa,Hbがトラックパターンに追従するよう
にすれば、図2(a)に例示されているように良好な状
態のエンベロープを示す再生信号が得られる。ボイスコ
イルモータ29,30の制御方法としては、例えば、再
生FM信号のエンベロープが常に一定の状態となるよう
に閉ループ制御する等の方法がある。なお、ノーマル再
生モードの場合には、ドラム軸3とリードリングLRの
中心軸との同軸度やこれらの軸のドラムベースDBに対
する垂直度等を機械的に一義的に固定できる構成として
もよい。このような構成をとった場合には、ボイスコイ
ルモータ29,30の制御は必ずしも必要ではない。
【0028】次に、このノーマル再生モードの状態から
FF再生モードの状態にするには、図示しないモータを
駆動して、早送りの倍速数に応じてギア付きスクリュー
4,5を図7(a)中上方に繰り出せばよい。即ち、ギ
ア付きスクリュー4が繰り出されると、その先端が下ド
ラムDdの底面を押圧する。これによりドラム軸3を介
して一体に構成された下ドラムDd、上ドラムDu、ド
ラムモータMdはコイルスプリング9の付勢力に抗して
直線L4の周りに時計方向に回動する。この回動動作に
より、リードリングLRのリード16に対する磁気ヘッ
ドHa,Hbの回転軌跡面の角度が変化し、所望の早送
り倍速数に略適合したリード16と磁気ヘッドHa,H
bの回転軌跡面の相対角度が得られる。(以下、ここで
述べたリード16と磁気ヘッドHa,Hbの回転軌跡面
との相対角度を変化させる補正を便宜上「トラック補
正」と呼ぶ場合がある。)
【0029】また、ギア付きスクリュー5もこの時同時
に同図中上方に繰り出されるため、その先端がリードリ
ングLRの底面を押圧する。これによりリードリングL
Rはコイルスプリング8の付勢力に抗して直線L3の周
りに所定の角度だけ時計方向に回動する。これは、トラ
ック補正に伴うドラム構体DAの回動により磁気テープ
Tがその回動の方向に引っ張られることにより、ドラム
構体DAに対する磁気テープTの入り口側ではその基準
縁Teがリード16から離れる傾向を生じ、出口側では
その基準縁Teがリード16に押しつけられる傾向を生
じるためリードリングLRを回動してリード16を磁気
テープTの基準縁Teに合わせるものである。(以下、
リード16を回動してトラック補正に伴う磁気テープT
の基準縁Teの変位に合わせる補正を便宜上「リード補
正」と呼ぶ場合がある。) なおここで、リード補正が行われた際にも、早送り倍速
数に適合したリード16と磁気ヘッドHa,Hbの回転
軌跡面との相対角度が維持されるものであることはいう
までもない。
【0030】従って、トラック補正により磁気テープT
の基準縁Teがリード16から離間してもこのリード補
正により、磁気テープTの基準縁Teはリード16によ
りそのドラム構体DAへの巻き付け範囲の全般に亘り安
定に案内されるため、所期の早送り倍速数で磁気テープ
Tが走行すると、磁気ヘッドHa,Hbの回転軌跡は磁
気テープTに記録されたトラックパターンと略一致した
状態となる。従って、ボイスコイルモータ29,30を
公知の方法により制御して各磁気ヘッドHa,Hbがト
ラックパターンに追従するようにすれば、図2(a)に
例示されているように良好な状態のエンベロープを示す
再生信号が得られる。
【0031】次に、例えばノーマル再生モードの状態か
らFB再生モードの状態にするには、上述したFF再生
モードにする場合とは逆に図示しないモータを回転駆動
すればよい。これによりギア付きスクリュー4,5は、
図7(a)中、下方に後退し、コイルスプリング8,9
の付勢力により、下ドラムDdとリードリングLRはそ
れぞれ直線L3,L4の周りに反時計方向に回動してトラ
ック補正及びリード補正がなされることは容易に理解さ
れるところである。
【0032】このように本実施例によれば、FF再生モ
ード又はFB再生モードに際して、ドラム構体DAがリ
ードリングLRのリード16に対して所定角度だけ傾斜
してトラック補正がなされるとともに、このトラック補
正による磁気テープTの変位に対してはリードリングL
Rが傾斜ししてリード補正がなされ、更に、上ドラムD
uに搭載された磁気ヘッドHa,Hbはボイスコイルモ
ータ29,30によって適宜駆動されてトラックパター
ンに追従する構成であるため、トラック補正のためのド
ラム構体DAの傾斜角度の精度やリード補正のためのリ
ードリングLRの傾斜角度の精度は比較的緩やかなもの
とすることができる。また、トラック補正やリード補正
により磁気ヘッドHa,Hbの回転軌跡面と磁気テープ
のトラックパターンは、ほぼ一致した状態とされるた
め、ボイスコイルモータ29,30による磁気ヘッドH
a,Hbの変位量も小さなもので済むためボイスコイル
モータ29,30それ自体を小型化することができると
ともに振幅周波数特性も良好なものとすることができ
る。
【0033】なお、上記第1実施例においては、磁気ヘ
ッドHa,Hbに変位を与えるアクチュエータとしてボ
イスコイルモータ29,30を用いた例について説明し
たが、アクチュエータはこれに限定されるものではな
く、例えば、図9に示す如くバイモルフを用いた構成と
することも可能である。図9はバイモルフによって磁気
ヘッドHa,Hbを取り付けた上ドラムDuの態様を示
すものであり、同図(a)は、上ドラムDuの側断面
図、同図(b)は下ドラムDd側からみた平面図であ
る。同図において31,32はバイモルフであり、それ
ぞれの先端には磁気ヘッドHa,Hbが取り付けられて
おり、図示しない電源からバイモルフ31,32に電圧
が印加されることによりバイモルフ31,32が湾曲し
て磁気ヘッドHa,Hbは、ドラム軸3と平行な方向に
変位するものである。
【0034】次に、本発明の第2実施例について図1
0、図11を参照して説明する。本実施例を上に説明し
た第1実施例と比較した場合、第1実施例では、リード
16を有するリードリングLRが下ドラムDdとは別体
に構成されており、トラック補正はこのリードリングL
Rに対してドラム軸3を介して同軸に支持されて上ドラ
ムDuと下ドラムDdとを一体に傾斜することにより行
い、リード補正はリードリングLRとドラム構体DAと
一体にをドラムベースDBに対して傾斜して行う構成で
あったが、本第2実施例においては、磁気テープTの基
準縁Teを案内するリード16が下ドラムDdに一体に
形成されており、トラック補正は磁気ヘッドHa,Hb
を搭載した上ドラムDuを下ドラムDdに対して傾斜す
ることにより行ない、リード補正はドラムベースDBに
対して下ドラムDdと上ドラムDuとを一体に傾斜して
行う構成である点において相違する。
【0035】以下、この相違点を中心に第2実施例の具
体的な構成を説明し、第1実施例と共通な構成について
は説明を省略する。図10は、本発明の第2実施例にお
ける、ドラム構体DA周辺の概略構成を示す斜視図であ
る。ドラム構体DAは上ドラムDuと下ドラムDdとか
ら構成されている。上ドラムDuは磁気ヘッドHa,H
bを搭載してドラムモータMdによってドラム軸3の周
りに回転駆動される。一方、下ドラムDdには磁気テー
プTの基準縁Teを案内するリード16が一体に形成さ
れている。そして、ドラム軸3を介して上ドラムDuと
一体に支持された中間部材33(図11参照)の底面が
ギア付きスクリュー34に押されることにより上ドラム
Duは中間部材33及びドラム軸3とともに下ドラムD
dに対して所定の方向に傾斜してトラック補正がなされ
る構成になっている。また、下ドラムDdはギア付きス
クリュー35に押されることによりドラムベースDBに
対して所定の方向に傾斜してリード補正がなされる構成
になっている。
【0036】図11(a)は、ドラム構体周辺の構成の
断面図であり、図6中の直線L2に沿って切断した断面
を示す。同様に、図11(b)は、図6中の直線L1に
沿って切断した断面を示す。なお、図11(a),
(b)においては図10で説明したドラムモータMd及
び上ドラムDuは説明の簡単のために省略してある。ド
ラムベースDBは装置の図示しないシャーシ等に固定さ
れており、その0度の方向にギア付きスクリュー34,
35が螺合しており、図示しないモータにより、図11
(a)中上下に駆動される構成になっている。また、ド
ラムベースDBの180度の方向にはスプリング保持穴
6,7が又90度と270度の方向にはスプリング保持
穴53,54が設けられておりこれらのスプリング保持
穴6,7,53,54にはそれぞれコイルスプリング
8,9,55,56が配置されている。
【0037】一方、図11(b)に示すように、ドラム
ベースDBの90度の方向と270度の方向にはそれぞ
れカラー付きの支点ピン10,11が植設されており後
述するようにそれぞれの上端部が下ドラムDdに形成さ
れた穴36,37と遊嵌して下ドラムDdの回動支点を
形成する。そして、これらのギア付きスクリュー35、
コイルスプリング9及びカラー付き支点ピン10,11
の上には下ドラムDdが載置されている。なおここで、
カラー付き支点ピン10,11のカラー10a,11a
はこれらの支点ピン10,11を結ぶ直線L5の周りに
おける下ドラムDdの傾斜回動を許容するために下ドラ
ムDdの底面とドラムベースDBとの間に必要なクリア
ランスを設定するものである。また、各支点ピン10,
11と下ドラムDdに形成された孔36,37とは僅か
なクリアランスをもって遊嵌しており、このクリアラン
スによって下ドラムDdの傾斜回動の自由度が与えられ
るとともに下ドラムDdのドラムベースDBに対する位
置決めがなされる構成になっている。
【0038】下ドラムDdは、その外周面に磁気テープ
Tを巻回して案内する磁気テープ摺接面26と磁気テー
プTの基準縁Teを案内するリード16が形成されると
ともにその底面には後述する中間部材33の回転トラン
ス取付部38〜41が貫通遊嵌すべき貫通孔42〜45
が設けられている。また、下ドラムDdの底面の90度
と270度の方向には中間部材33の対応する位置に形
成された貫通孔46,47に遊嵌貫通するボス48,4
9が設けられるとともに該下ドラムDdの底面の中心部
には、中間部材33と上ドラムDuとを同軸に支持する
ドラム軸3に遊嵌する断面形状がナイフエッジ状の貫通
孔50が形成されている。そして、ボス48,49には
先に説明した第1実施例と同様の板バネ24が取り付け
られており、この板バネ24は90度の方向と270度
の方向において下ドラムDdを、図11(b)中、下方
に付勢している。
【0039】他方、ドラム軸3が圧入されて上ドラムD
uと同軸に支持される中間部材33には、その90度と
270度の方向に凸状支点51,52が設けられてお
り、この凸状支点51,52は、コイルスプリング5
5,56の作用により下ドラムDdの底面に押圧付勢さ
れて上ドラムDuの回動支点を構成している。即ち、中
間部材33とドラム軸3を介して同軸に支持された上ド
ラムDuは、凸状支点51の下ドラムDdとの当接面と
凸状支点52の下ドラムDdとの当接面とを結ぶ直線L
6を中心軸として傾斜可能に支持されている。
【0040】次に、本実施例の磁気記録再生装置の動作
について説明する。ノーマル再生モードでは、図11
(a)に示すように、ドラム軸3と下ドラムDdの中心
軸は略一致し且つこれらの軸はドラムベースDBに対し
て略垂直な状態となっている。即ち、この状態で標準モ
ードで記録された磁気テープTがその基準縁Teを下ド
ラムDdのリード16に案内されてノーマル再生モード
に対応した所定の速度(VHS方式VTRの場合毎秒3
3.35mm)で走行すると、磁気ヘッドHa,Hbの
回転軌跡は磁気テープTに記録されたトラックパターン
と略一致した状態となる。従って、ボイスコイルモータ
29,30を公知の方法により制御して各磁気ヘッドH
a,Hbがトラックパターンに追従するようにすれば、
図2(a)に例示されているように良好な状態のエンベ
ロープを示す再生信号が得られる。
【0041】次に、このノーマル再生モードの状態から
FF再生モードの状態にするには、図示しないモータを
駆動して、早送りの倍速数に応じてギア付きスクリュー
34,35を図7(a)中上方に繰り出せばよい。即
ち、ギア付きスクリュー34が繰り出されると、その先
端が中間部材33の底面を押圧する。これによりドラム
軸3を介して一体に構成された上ドラムDu、ドラムモ
ータMdはコイルスプリング8の付勢力に抗して直線L
6の周りに時計方向に回動しトラック補正がなされる。
また、ギア付きスクリュー35もこの時同時に同図中上
方に繰り出されるため、その先端が下ドラムDdの底面
を押圧する。これにより下ドラムDdがコイルスプリン
グ9の付勢力に抗して直線L5の周りに所定の角度だけ
時計方向に回動してリード補正がなされる。なおここ
で、リード補正が行われた際にも、早送り倍速数に適合
したリード16と磁気ヘッドHa,Hbの回転軌跡面と
の相対角度が維持されるものであることは先に説明した
第1実施例の場合と同様である。
【0042】次に、例えばノーマル再生モードの状態か
らFB再生モードの状態にするには、上述したFF再生
モードにする場合とは逆に図示しないモータを回転駆動
すればよい。これによりギア付きスクリュー34,35
は、図11(a)中、下方に後退し、コイルスプリング
8,9の付勢力により、中間部材33と下ドラムDdは
それぞれ直線L6,L5の周りに反時計方向に回動してト
ラック補正及びリード補正がなされることは容易に理解
されるところである。
【0043】このように本実施例によれば、FF再生モ
ード又はFB再生モードに際して、ドラム軸3を介して
中間部材33と同軸に支持された上ドラムDuが下ドラ
ムDdのリード16に対して所定角度だけ傾斜してトラ
ック補正がなされるとともに、このトラック補正による
磁気テープTの変位に対しては下ドラムDdが傾斜しし
てリード補正がなされ、更に、上ドラムDuに搭載され
た磁気ヘッドHa,Hbはボイスコイルモータ29,3
0によって適宜駆動されてトラックパターンに追従する
構成であるため、トラック補正のための上ドラムDuの
傾斜角度の精度やリード補正のための下ドラムDdの傾
斜角度の精度は比較的緩やかなものとすることができ
る。また、トラック補正やリード補正により磁気ヘッド
Ha,Hbの回転軌跡面と磁気テープのトラックパター
ンは、ほぼ一致した状態とされるため、ボイスコイルモ
ータ29,30による磁気ヘッドHa,Hbの変位量も
小さなもので済むためボイスコイルモータ29,30そ
れ自体を小型化することができるとともに振幅周波数特
性も良好なものとすることができる。なお、磁気ヘッド
Ha,Hbに変位を与えるアクチュエータとしては、ボ
イスコイルモータ29,30ばかりでなく、バイモルフ
を用いた構成とすることも可能であることは第1実施例
の場合と同様である。
【0044】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
磁気記録再生装置によれば、磁気テープの基準縁を案内
する位置規制用案内部と回転磁気ヘッドの回転軌跡面と
の相対角度を変化させるトラック補正のための機構と位
置規制用案内部を回動して該トラック補正に伴う磁気テ
ープの基準縁の変位に合わせるリード補正のための機構
とを採用し且つ、上ドラムに回転磁気ヘッドをドラム軸
と平行な方向に変位駆動するアクチュエータを設ける構
成であるため、比較的高記録密度で記録されている磁気
テープを高倍速でFF再生又はFB再生した場合でも良
好な再生画像を得ることができる。また、トラック補正
のためのドラム構体又は上ドラムの傾斜角度の精度やリ
ード補正のための位置規制用案内部又は下ドラムの傾斜
角度の精度は比較的緩やかなものとすることができるた
め、これらを傾斜駆動する機構系も比較的安価に構成す
ることができる。更にまた、トラック補正やリード補正
により回転磁気ヘッドの回転軌跡面と磁気テープのトラ
ックパターンは、ほぼ一致した状態とされるため、アク
チュエータによる回転磁気ヘッドの変位量も小さなもの
で済むためアクチュエータそれ自体を小型化することが
できるとともに振幅周波数特性も良好なものとすること
ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】VTRのドラム構体近傍における磁気テープの
走行系の一般的な例を示す図である。
【図2】FM再生信号波形を示す図である。
【図3】磁気テープに記録された記録跡パターンとトリ
ックプレイ時における磁気ヘッドの回転軌跡の関係を示
す図である。
【図4】W−VHS方式VTRにおける磁気テープの記
録跡パターンとトリックプレイ時における磁気ヘッドの
回転軌跡の関係を示す図である。
【図5】本発明の第1実施例のドラム構体DA周辺の概
略構成を示す斜視図である。
【図6】磁気テープTが巻回されている状態を示すドラ
ム構体DAの平面図である。
【図7】本発明の第1実施例のドラム構体DA周辺の断
面図である。
【図8】本発明の第1実施例の上ドラムDu、下ドラム
Dd、リードリングLR、ドラムベースDB等を分解し
て示す斜視図である。
【図9】磁気ヘッドHa,Hbをドラム軸3と平行な方
向に変位させるアクチュエータとしてバイモルフを用い
た場合の上ドラムDuの構成を示す図である。
【図10】本発明の第2実施例のドラム構体DA周辺の
概略構成を示す斜視図である。
【図11】本発明の第2実施例のドラム構体DA周辺の
断面図である。
【符号の説明】
1 サプライ側傾斜ポール 2 テイクアップ側傾斜ポール 3 ドラム軸 4 ギア付きスクリュー 5 ギア付きスクリュー 6 スプリング保持穴 7 スプリング保持穴 8 コイルスプリング 9 コイルスプリング 10 カラー付き支点ピン 11 カラー付き支点ピン 12 孔 13 孔 14 円環状部 15 底面部 16 リード 17 孔 18 貫通孔 19 貫通孔 20 下方小径部 21 小径部 22 凸状支点 23 凸状支点 24 板バネ 25a 回転トランス 25b 回転トランス 26 磁気テープ摺接面 27 ベアリング 28 ベアリング 29 ボイスコイルモータ 30 ボイスコイルモータ 31 バイモルフ 32 バイモルフ 33 中間部材 34 ギア付きスクリュー 35 ギア付きスクリュー 36 穴 37 穴 38 回転トランス取付部 39 回転トランス取付部 40 回転トランス取付部 41 回転トランス取付部 42 貫通孔 43 貫通孔 44 貫通孔 45 貫通孔 46 貫通孔 47 貫通孔 48 ボス 49 ボス 50 貫通孔 51 凸状支点 52 凸状支点 53 スプリング保持穴 54 スプリング保持穴 55 コイルスプリング 56 コイルスプリング DA ドラム構体 Du 上ドラム Dd 下ドラム LR リードリング Md ドラムモータ DB ドラムベース Ha 磁気ヘッド Hb 磁気ヘッド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上ドラムと下ドラムとからなるドラム構体
    の周面の一部へ巻回された状態の磁気テープに、該上ド
    ラムに搭載した回転磁気ヘッドを用いて記録再生動作を
    行なう磁気記録再生装置において、 該上ドラムをその周りに回転自在に支持するドラム軸
    と、 該上ドラムに設けられて該回転磁気ヘッドを該ドラム軸
    に平行な方向に変位駆動するアクチュエータと、 該磁気テープに形成されている記録跡と該回転磁気ヘッ
    ドの回転軌跡面とが一致した状態となるように該磁気テ
    ープの基準縁の位置を規制する位置規制用案内部と磁気
    テープの摺接面とを備えている該下ドラムの中心軸に対
    して該ドラム軸を傾斜させる第1の傾斜駆動手段と、 該下ドラムにおける該磁気テープの位置規制用案内部
    が、該磁気テープの基準縁の位置に一致するように該下
    ドラムの該中心軸を傾斜させる第2の傾斜駆動手段とを
    設けたことを特徴とする磁気記録再生装置。
  2. 【請求項2】上ドラムと下ドラムとからなるドラム構体
    の周面の一部へ巻回された状態の磁気テープに、該上ド
    ラムに搭載した回転磁気ヘッドを用いて記録再生動作を
    行なう磁気記録再生装置において、 該上ドラムをその周りに回転自在に支持するとともに該
    上ドラムと該下ドラムとを同軸に支持するドラム軸と、 該上ドラムに設けられて該回転磁気ヘッドを該ドラム軸
    に平行な方向に変位駆動するアクチュエータと、 該下ドラムの磁気テープ摺接面の下部に形成した該摺接
    面より小径である小径部と、 該磁気テープに形成されている記録跡と該回転磁気ヘッ
    ドの回転軌跡面とが一致した状態となるように該ドラム
    軸を傾斜させる第1の傾斜駆動手段と、 該下ドラムとは別体構成で、かつ、該下ドラムに形成し
    た該小径部の外周面に接近した状態で遊嵌して該磁気テ
    ープの基準縁の位置を規制する位置規制用案内部と、 該位置規制用案内部を該磁気テープの基準縁位置に一致
    するように該位置規制用案内部を傾斜させる第2の傾斜
    駆動手段とを備えてなる磁気記録再生装置。
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