JP2858627B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録再生装置、特
に、ドラムの周面の一部に摺接しながら走行する磁気テ
ープの走行速度の変化に応じて回転磁気ヘッドの回転軌
跡面と磁気テープの相対的な空間位置関係を変化させる
ことにより回転磁気ヘッドが磁気テープ上の記録跡を良
好にトレースできるようにした磁気記録再生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】上側回転ドラムと下側固定ドラムとから
なるテープガイドドラムの周面の一部へ巻回された状態
の磁気テープを所定の走行速度で走行させて、回転磁気
ヘッド(以下、単に「磁気ヘッド」というこがある。)
を用いてヘリカルスキャンを行うことにより信号の記録
再生動作を行なう磁気記録再生装置の代表例としてはビ
デオ・テープ・レコーダ(以下「VTR」という。)を挙
げることができる。この種のVTRでは、記録時と同一
の磁気テープ走行速度で記録情報の再生動作を行なう通
常再生(以下「ノーマル再生」という。)の他に、記録
時の磁気テープの走行速度や走行方向とは異なる走行速
度(停止も含む)や走行方向で磁気テープを走行させて
再生動作を行なう所謂可変速再生(以下「トリックプレ
イ」という。)の機能が広く採用されている。また、タ
イムラプス又は所謂駒撮り記録のように、磁気テープを
間欠的に走行させて長時間に亘る事象の記録を行い、こ
の記録された磁気テープを、例えば、標準の速度で再生
することができるようにしたVTRも提供されている。
【0003】図1、図2に、VTRのテープガイドドラ
ム10近傍における磁気テープの走行系の一般的な例を
示す。図1は正面図であり、図2はドラム軸18の方向
から見た平面図である。なお、図2においては図1中の
サプライ側ガイドローラSGRとテイクアップ側ガイド
ローラTGRは省略して示してある。また、図2におい
て、直線L1は、テープガイドドラム10に磁気テープ
Tが巻回される範囲を2等分する直線であり直線L2は
この直線L1に直交する直線である。なお、以後の説明
においては、同図中における直線L2の左の方向を0度
方向として反時計回りに角度を指定して各部材のドラム
軸18の周りの回転方向の位置を特定する場合がある。
【0004】これらの図において、磁気テープTは、図
示しないサプライリールから供給されて、公知の走行系
に沿って移送された後、サプライ側ガイドローラSGR
とサプライ側傾斜ポール1及びテイクアップ側傾斜ポー
ル2とテイクアップ側ガイドローラTGRによって、上
側回転ドラム10Bと下側固定ドラム10Aとからなる
テープガイドドラム10に所定角度範囲に亘って斜めに
巻き付けられて走行する。その後、公知の走行系を経て
図示しないテイクアップリールに巻取られる。そしてこ
の際、磁気テープTには、磁気ヘッドHa、Hbによっ
て図4に示す如き記録跡パターン(以下「テープパター
ン」又は「トラックパターン」という。)が形成され
る。
【0005】同図において、磁気テープTの下縁に「起
点」と表示してある点と、磁気テープTの上縁に+1と
表示してある点とを結ぶ直線及びこの直線に平行な多数
の直線は、各トラックパターンの中心線を示すものであ
る。そして、このようなトラックパターンが形成された
磁気テープTを記録時と同方向に同一速度で移送しなが
ら再生すると、磁気ヘッドHa,Hbは、これらの各ト
ラック上をトレースすることになりノーマル再生が行わ
れることになる。しかし、再生時の磁気テープTの走行
速度や方向が記録時のそれと異なると、磁気テープTと
磁気ヘッドHa,Hbとの相対線速度が変化するため、
磁気ヘッドHa,Hbが磁気テープT上に描くヘッド回
転軌跡は、例えば図4にそれぞれFF,STILL,F
Bで示されるように異なるものになる。
【0006】図4中に+2,+3…+7のように示して
ある各点の位置と、起点とを結んだときに描かれる各直
線は、記録時における磁気テープTの走行方向と同一の
方向(+の符号で示す。)に、記録時の磁気テープTの
走行速度の2倍,3倍…7倍の走行速度で、磁気テープ
Tを走行させて再生動作を行なった場合(以下、「FF
再生」という。)に磁気テープT上に描かれる磁気ヘッ
ドHa,Hbの回転軌跡を示すものである。同様に、−
2,−3…−7のように示してある各点の位置と、起点
とを結んだときに描かれる各直線は、記録時における磁
気テープTの走行方向と逆の方向(−の符号で示す。)
に、記録時の磁気テープTの走行速度の2倍,3倍…7
倍の走行速度で、磁気テープTを走行させて再生動作を
行なった場合(以下、「FB再生」という。)に磁気テ
ープT上に描かれる磁気ヘッドHa,Hbの回転軌跡を
示すものである。なお、起点と磁気テープTの上縁に0
のように示してある点とを結ぶ直線は、磁気テープTを
停止させた状態で再生動作を行なった場合(以下、「ス
チル再生」という。)に磁気テープT上に描かれる磁気
ヘッドHa,Hbの回転軌跡を示している。
【0007】このトラックパターンの具体的な例とし
て、代表的なVTR方式の一つであるVHS(登録商
標)方式VTRについて見てみれば以下の如くである。
即ち、最も一般的なVHS方式のVTRでは、毎分18
00回転で回転する直径62mmの上側回転ドラム10
Bと下側固定ドラム10Aとの外周に磁気テープTが略
180゜に亘って螺旋状に巻回された状態で走行する。
そして、標準モード(以下「SPモード」という。)の
記録では、磁気テープは毎秒33.35mmで移送され
てトラックピッチ58μmの磁気ヘッドによって磁気テ
ープTに描かれる記録跡は、磁気テープTの基準縁Te
に対して5°58’9.9”のビデオトラック角度を形
成するようになっている。なお、VHS方式のVTRに
は、このSPモードの外に磁気テープを毎秒11.12
mmで移送してトラックピッチ19μmの磁気ヘッドで
記録する3倍モード(以下「EPモード」という。)が
ある。このEPモードでは、磁気テープTの走行速度と
トラックピッチをSPモードの3分の1にすることによ
って同一長さの磁気テープに3倍の時間の記録が可能に
なる。しかし、後述するように、磁気テープに記録され
るトラックピッチが狭いことから、トリックプレイにお
いて、磁気ヘッドHa,Hbが各トラック上を正確にト
レースするようにするためにはSPモードの場合よりも
困難を伴うものである。
【0008】また、磁気テープTを停止状態とした場合
には、磁気テープT上に描かれる磁気ヘッドの回転軌跡
は、磁気テープTの基準縁Teに対して5°56’7.
4”となる。また例えば、図4中のSPモード時におけ
る+7の表示によって指示している磁気テープTの上縁
の位置と起点とを結ぶ直線は、磁気ヘッドTの基準縁T
eに対して6°10’54”の角度を示し、さらに例え
ば、同図中のSPモード時における−7の表示によって
指示している磁気テープTの上縁の位置と起点とを結ぶ
直線は、磁気ヘッドTの基準縁Teに対して5°42’
25.7”の角度を成すものである。
【0009】さて、図4に例示されているトラックパタ
ーンを参照すれば明らかなように、磁気テープT上に記
録されたトラックパターンと、トリックプレイ時に磁気
ヘッドHa,Hbによって磁気テープT上に描かれる磁
気ヘッドの回転軌跡とは交叉した状態になる。したがっ
て、ノーマル再生時のFM信号波形図3(a)に対し
て、例えばスチル再生時の同図(b)のようになり、該
トリックプレイ時に再生されるFM信号波形は、磁気ヘ
ッドHa,Hbが記録跡を横切る度毎に大きく変動し、
1垂直走査期間におけるFM信号のエンベロープをみる
と、1垂直走査期間中に大きな起伏が生じたものにな
る。このため、トリックプレイ時における再生画像とし
ては、画像中にノイズバーが生じた品質の悪い再生画像
しか得られない。
【0010】また最近になって、VHS規格VTRの応
用により、19μmの記録跡幅を有する3本の記録跡を
磁気テープTに同時に並列記録して、図5(a)に示さ
れているような記録跡パターンを磁気テープTに形成さ
せることにより、所謂、ハイビジョンの画像情報の記録
再生も可能にできるようにした新しい形態のVTRが本
願出願人により開発商品化されている。この新しい形態
のVTRにおいて、磁気テープTに同時に並列的に形成
される3本の記録跡の内で隣接する2本の記録跡は、互
いに逆方向のアジマス角を有する2個の磁気ヘッドによ
って映像信号の記録再生に用いられ、また残り1本の記
録跡は他の1個の磁気ヘッドによって音響信号の記録再
生に用いられている。
【0011】このような新しい形態のVTRによって記
録された記録済み磁気テープTを、記録時より速い速度
で走行させてFF再生又はFB再生しようとした場合、
磁気ヘッドの回転軌跡は、図5(a)中に「起点」と示
されている点から、例えば図中の磁気テープTにおける
上縁の上方に記載してある+7あるいは−7の数字によ
って指示している磁気テープTの上縁の位置とを結ぶ直
線によって示されるものとなる。従って、それぞれアジ
マス角を異にしている映像用の2個の磁気ヘッドが、磁
気テープTに形成されている3本の記録跡を横切って再
生動作を行なうことになるために再生される画像はノイ
ズバーだらけのものになってしまう。
【0012】更にまた、詳述は避けるが、最近多く提案
されている民生用デジタルVTRでは、高能率符号化方
式によって映像信号のデータ量を圧縮して記録している
ために、FF再生時やFB再生時等のように磁気ヘッド
が磁気テープTの記録跡を横切って再生動作を行なう
と、モザイク状に並べられているデータのブロックの配
列状態の如何によっては全く画像が再生できないことも
起こる。
【0013】このような問題点を解決するのには、トリ
ックプレイ再生時に磁気ヘッドの回転軌跡と磁気テープ
Tの記録跡とを一致させればよく、従来から以下のよう
な方法が提案されている。 アクチュエータとしての電気ー機械変換素子に磁気ヘ
ッドを取付けておき、この電気ー機械変換素子を開ルー
プ制御回路又は閉ループ制御回路によって制御して磁気
ヘッドを磁気テープTの記録跡を横切る方向に変位させ
て、磁気ヘッドを磁気テープTの記録跡に沿わせる方
法。 例えば実公昭63ー34126号公報、実開昭61ー
158633号公報等に開示されているように、磁気ヘ
ッドを取付けた上側回転ドラムと下側固定ドラムとを一
体的に傾斜させて、磁気ヘッドを磁気テープTの記録跡
に沿わせる方法等である。
【0014】以下、本願出願人の出願に係る上記した実
開昭61ー158633号公報に開示された磁気テープ
記録再生装置(磁気記録再生装置)について図6、図7
を参照して簡単に説明する。この磁気記録再生装置は、
垂直線Zに対して矢印A1方向に角度φ傾斜したテープ
ガイドドラム10と、磁気テープTの走行方向上、ドラ
ム10に対して入り口側に位置するサプライ側ガイドロ
ーラSGR、傾斜ポール1と、磁気テープTの走行方向
上ドラム10に対して出口側に位置するテイクアップ側
ガイドローラTGR、傾斜ポール2等を有する。磁気テ
ープTはサプライリール3より引き出され、消去ヘッド
4及びインピーダンスローラ5に添接し、傾斜ポール
1,2により規制される所定の角度範囲に亘ってドラム
10の周面に巻回され、次いでオーディオコントロール
ヘッド6に添接してテイクアップリール9に到るテープ
パスを形成しており、ピンチローラ8とキャプスタン7
とにより挟持駆動されて走行する。
【0015】テープガイドドラム10は、下側固定ドラ
ム10Aと、磁気ヘッドHa,Hbを有する上側回転ド
ラム10Bとよりなり、上側回転ドラム10Bは下側固
定ドラム10Aに一体に設けられたドラムモータ19に
よりドラム軸18の周りに回転駆動される。下側固定ド
ラム10Aの下面にはドラム支持部材11が固定してあ
る。このテープガイドドラム10は、ドラム支持部材1
1に設けられたピン13(テープガイドドラム10の直
径方向上互いに反対側の箇所に設けてあり、他方は図示
せず)をシャーシ14の垂直支持片14aに支承され
て、矢印A1,A2方向に傾斜可能に取り付けられてい
る。15はステッピングモータであり、シャーシ14の
下方に固定してある。16は剛性を有するスチールベル
トであり、一端は、ドラム支持部材11の腕部11a
に、他端は、モータ15のモータ軸15aに固定してあ
るプーリ17に夫々固定してある。テープガイドドラム
10は、モータ15のステップ回動により、傾斜角度を
変更し、スチールベルト16の剛性により、モータ15
が停止した位置で定まる傾斜角度に安定に保たれる。
【0016】下側固定ドラム10Aの下部は小径部10
Aー1としてあり、下側固定ドラム10Aは大径部10A
ー2と小径部10Aー1とよりなる。12はテープ案内部材
であり、略半円筒形状であり、円弧帯状の上面のリード
12aが磁気テープTの基準縁Teの案内面として機能
する。このテープ案内部材12は、その切欠12b内に
垂直支持片14aを収容した状態でシャーシ14に固定
してあり、テープガイドドラム10の周面のうち磁気テ
ープTが巻回される部分に対向して配してある。従っ
て、FF再生やFB再生に際しては、その時の磁気テー
プTの走行速度に応じてテープガイドドラム10を適宜
傾斜させることにより磁気テープTに記録された記録跡
と磁気ヘッドHa,Hbの回転軌跡を一致させることが
できるのである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たのようにアクチュエータとしての電気ー機械変換素
子を用いて磁気ヘッドの回転軌跡を制御させるようにし
たVTRでは、電気ー機械変換素子を回転ドラム内の狭
い空間内に設けなければならないので、使用する電気ー
機械変換素子としては小さな形状寸法のものが必要とさ
れるが、小さな形状寸法の電気ー機械変換素子は磁気ヘ
ッドに大きな変位を与えることが困難である。また、電
気ー機械変換素子によって磁気ヘッドが大きく変位した
状態においても磁気テープに対するヘッドタッチの状態
を良好に維持しなければならないが、良好な動作特性を
有する小型なアクチュエータを用いて良好なヘッドタッ
チを常に維持することは困難である。更にまた、アクチ
ュエータでは、振幅周波数特性の制限から、例えばSP
モードでは、±3倍速程度迄のノイズレスサーチがせい
ぜい実現可能な範囲であり、±5倍速又は±7倍速以上
の高速サーチには、対応できない欠点がある。
【0018】また、前記した、実公昭63ー34126
号公報に開示されている磁気記録再生装置では、磁気テ
ープTの基準縁Teを案内する円弧状の案内部が、磁気
テープTの基準縁Teに対して、いわば点接触に近い状
態で接触しているため、円弧状の案内部に接触していな
い部分の磁気テープTの基準縁Teは極めて不安定な状
態とならざるを得ない。磁気テープTが比較的低記録密
度で記録されている場合、即ち、記録跡幅が比較的大き
な場合には、ノーマル再生は辛うじて可能であるが、F
F再生時とFB再生時との何れの場合にも、ノイズバー
の除去を良好に行なうことができないという問題があ
る。そして、この問題は、磁気テープTが前述したVH
S方式VTRにおけるEPモードのように比較的高記録
密度で記録されている場合、即ち、記録跡幅が比較的小
さな場合には、更に深刻である。
【0019】これに対して、前記した実開昭61ー15
8633号公報に開示されている磁気記録再生装置で
は、磁気テープTの基準縁Teを所定の長さに亘って案
内するテープ案内部材12をテープガイドドラム10か
ら分離して装置の固定部に設けてあるため、前記した実
公昭63ー34126号公報に開示されている磁気記録
再生装置で生じていた磁気テープTの基準縁Teの位置
の変動は、少なくともノーマル再生動作時には生じない
ようにすることが可能である。しかし、この装置には以
下のような問題点がある。テープ案内部材12は略半円
筒形状とされテープガイドドラム10から分離して装置
の固定部に設けてあり、上側回転ドラム10Bと下側固
定ドラム10Aとは、別体に構成されてそれぞれシャー
シ14を介して取り付けられているため、テープガイド
ドラム10とテープ案内部材12との同軸度を高精度に
維持することが極めて困難であるという点である。
【0020】即ち、シャーシ14に対するテープ案内部
材12の取付精度、シャーシ14に対するピン13によ
るテープガイドドラム10の取付精度、更には、ドラム
支持部材11に対するピン13の取付精度、このピン1
3を支承するために垂直支持片11に形成される孔の位
置精度等を充分な精度に維持しなければならないのであ
る。なぜなら、これらの精度が充分に維持されないとき
は、磁気テープT上に形成される磁気ヘッドHa,Hb
の回転軌跡はその直線性が失われてしまうことになる。
また、ここで用いられているテープ案内部材12は通常
アルミ又はアルミ合金等で製作されるがその形状が略半
円筒形状であることに伴って、必然的にその剛性はあま
り高いものではなく、磁気テープTの案内面として機能
するリード12aの加工時等に加工歪を生じ易いという
問題もある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記問題点
に鑑みなされたものであり、請求項1に係る発明は、
「上ドラムと下ドラムとからなるテープガイドドラム
と、該上ドラムと該下ドラムとを同軸に支持するドラム
軸と、該上ドラムと該下ドラムとの間に設けられた回転
磁気ヘッドと、その一縁部が磁気テープの基準縁を案内
するリードとして機能する円環状部と底面部とから大略
構成され該テープガイドドラムとは別体のテープ案内部
材と、該下ドラムの下部に形成されて該下ドラムの磁気
テープ摺接面より小径であって該テープ案内部材の円環
状部と遊嵌すべき段部と、該ドラム軸と該円環状部の中
心軸とが同軸である第1の状態と該ドラム軸と該円環状
部の中心軸とが互いに傾斜した第2の状態との間で、該
ドラム軸と該円環状部の中心軸とを該第1の状態におけ
る該ドラム軸上の特定点を中心に相対的に傾斜させる第
1の回動手段とを具備した磁気記録再生装置において、
該第1の状態と該第2の状態とにおける該ドラム軸と該
円環状部の中心軸とを該特定点上に支持する支持手段を
設け、該装置の基部に該下ドラムを固定し、該ドラム軸
に対して該テープ案内部材を傾斜可能に支持したことを
特徴とする磁気記録再生装置。」を提供するものであ
り、
【0022】請求項2に係る発明は、「該第1の状態に
おける該円環状部の中心軸と該第2の状態における該円
環状部の中心軸とを含む特定平面上の該特定点に立てた
法線の方向が該テープガイドドラムの周面に対する該磁
気テープの巻き付け角度範囲を2等分した方向と一致す
べく該ドラム軸と該円環状部の中心軸との相対的な傾斜
方向を規制する傾斜方向規制手段を設けたことを特徴と
する請求項1記載の磁気記録再生装置。」を提供するも
のであり、
【0023】請求項3に係る発明は、「上ドラムと下ド
ラムとからなるテープガイドドラムと、該上ドラムと該
下ドラムとを同軸に支持するドラム軸と、該上ドラムと
該下ドラムとの間に設けられた回転磁気ヘッドと、その
一縁部が磁気テープの基準縁を案内するリードとして機
能する円環状部と底面部とから大略構成され該テープガ
イドドラムとは別体のテープ案内部材と、該下ドラムの
下部に形成されて該下ドラムの磁気テープ摺接面より小
径であって該テープ案内部材の円環状部と遊嵌すべき段
部と、該ドラム軸と該円環状部の中心軸とが同軸である
第1の状態と該ドラム軸と該円環状部の中心軸とが互い
に傾斜した第2の状態との間で、該ドラム軸と該円環状
部の中心軸とを該第1の状態における該ドラム軸上の特
定点を中心に相対的に傾斜させる第1の回動手段とを具
備した磁気記録再生装置において、該第1の状態と該第
2の状態とにおける該ドラム軸と該円環状部の中心軸と
を該特定点上に支持する支持手段を設け、該ドラム軸と
該テープ案内部材の該円環状部の中心軸とを一体に傾斜
させる第2の回動手段を設けたことを特徴とする磁気記
録再生装置。」を提供するものであり、
【0024】請求項4に係る発明は、「該磁気テープの
走行経路中、該テープガイドドラムの入り口側に設けら
れて該磁気テープの走行高さを規制する第1のガイドロ
ーラと、該磁気テープの走行経路中、該テープガイドド
ラムの出口側に設けられて該磁気テープの走行高さを規
制する第2のガイドローラと、該第1のガイドローラの
高さを該磁気テープの幅方向に変化させる第1の変位駆
動手段と、該第2のガイドローラの高さを該磁気テープ
の幅方向に変化させる第2の変位駆動手段とを設けたこ
とを特徴とする請求項1又は請求項2記載の磁気記録再
生装置。」を提供するものであり、
【0025】請求項5に係る発明は、「該支持手段はそ
の内輪の中心軸と外輪の中心軸との間に多少の傾斜を許
容する自由度を有し、該外輪か該テープ案内部材の該底
面部に該円環状部と同軸に保持され、該内輪にドラム軸
が嵌合したホールベアリングであることを特徴とする請
求項1乃至請求項4記載の何れか一の磁気記録再生装
置。」を提供するものであり、
【0026】請求項6に係る発明は、「該支持手段は該
テープ案内部材の該底面部に該円環状部と同軸に形成さ
れてドラム軸が嵌合する貫通孔であって、該貫通孔はそ
の断面形状が略ナイフエッジ形状であることを特徴とす
る請求項1乃至請求項4記載の何れか一の磁気記録再生
装置。」を提供するものであり、
【0027】請求項7に係る発明は、「該支持手段は同
心円状に形成された大径リングと小径リングと該大径リ
ングと該小径リングとをこれらの直径方向の2箇所で連
結する可撓性を有する連結部材とからなるサスペンショ
ンリングと、該テープ案内部材の該底面部に該円環状部
と同軸に形成され該大径リングの外径が嵌合するサスペ
ンションリング保持部と、該小径リングの内径に嵌合す
べく該下側固定ドラムに形成された該ドラム軸と同軸の
嵌合部とからなることを特徴とする請求項1乃至請求項
4記載の何れか一の磁気記録再生装置。」を提供するも
のである。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の第1実施例乃
至第4実施例について順に説明する。先ず、図8乃至図
13を参照して本発明の第1実施例について説明する。
図8は、本発明に係る磁気記録再生装置の主要部である
テープガイドドラム周辺の構成を示す斜視図である。図
9は、ノーマル再生時におけるテープガイドドラム10
及びその周辺部材を含めた断面図であり、同図(a)
は、図2中における直線L1に沿って切断した断面図、
同図(b)は同様に直線L2に沿って切断した断面図で
ある。図10(a),(b)は、それぞれFF再生時、
FB再生時におけるテープガイドドラム10及びその周
辺部材を含めた断面図であり、いずれも図2中における
直線L2に沿って切断した断面図である。また、図11
は、テープガイドドラム10の下側固定ドラム10A、
テープ案内部材12(以下「リード部材12」とい
う。)及びこれらを支持するドラムベース20を分解し
て示す斜視図であり、図12,図13は、これらの下側
固定ドラム10A、リード部材12を図11におけるそ
れと反対側からみた斜視図である。
【0032】本実施例は、大略、装置の図示しないシャ
ーシに固定されたドラムベース20と、このドラムベー
ス20にネジ32,33で固定されたリード部材12
と、このリード部材12上に支点ピン34,35を介し
て載置されたテープガイドドラム10及びドラムモータ
19と、テープガイドドラム10をリード部材12に対
して傾斜させる際の駆動源であるモータ40等から構成
されている。下側固定ドラム10Aの外周面には磁気テ
ープTの摺接面である大径部10Aー2とこの大径部10
Aー2より小径である小径部10Aー1とが形成されてお
り、その底面には図9(a)又は図12に示すように、
90度の方向と270度の方向にそれぞれ凸状の当接面
45,46と孔43,44とが設けられるとともに、1
80度の方向にはスプリング保持穴49が設けられてい
る。なお、ここで、磁気テープTの摺接面である大径部
10Aー2や凸状の当接面45,46等の加工は、下側固
定ドラム10Aにドラム軸18を圧入した状態でドラム
軸18を基準に組加工することが好ましい。何故なら、
これによりドラム軸18と大径部10Aー2との同軸度
や、当接面45と当接面46との高さの一致を得やすい
からである。
【0033】リード部材12は、図11又は図13に示
すように円環状部52と底面部53とから構成されてお
り円環状部52の一縁部は磁気テープTの基準縁Teを
案内するリード12aを構成している。リード部材12
の底面部53の90度方向には凸状の当接面47と支点
ピン34が、270度方向には凸状の当接面48と支点
ピン35が、0度方向には後述するギアスクリュー42
が螺合すべきネジ孔59が、180度方向にはスプリン
グ保持穴50がそれぞれ設けられている。なお、これら
の支点ピン34,35の径は前記した下側固定ドラム1
0Aの孔43,44の径より若干小さく構成してあり、
後述するように、これらの孔43,44と遊嵌して支点
ピン34,35を結ぶ直線CL1の周りにおけるドラム
軸18に支持された下側固定ドラム10A、上側回転ド
ラム10B等の傾斜の自由度を与えるものである。従っ
て、これらの支点ピン34,35と孔43,44との間
の必要な嵌合クリアランスを考慮すると、リード部材1
2の中心軸93(図36参照)の周りにおける下側固定
ドラム10Aの回転方向の位置をより正確に規制するた
めには、これらの支点ピン34,35又は孔43,44
はなるべく隔ててリード部材12又は下側固定ドラム1
0Aの外周部に設けることが望ましい。
【0034】また、リード部材12の底面部53の裏面
には、該底面部53の中心を貫通する貫通孔57を取り
囲むように凸状円環部58が設けられており、この凸状
円環部58の端面には90度方向と270度方向にスプ
リング保持穴54,55が形成されている。底面部53
の中心に形成された貫通孔57の周囲にはベアリング収
容部56が形成されており、このベアリング収容部56
には、その中心の高さが凸状の当接面47,48の高さ
と一致するようにボールベアリング31が挿嵌されてい
る。なお、このボールベアリング31は、例えば、単列
深溝玉軸受のように、その内輪の中心軸と外輪の中心軸
との間に多少の傾斜を許容する自由度を有する軸受が用
いられる。また、ここでリード12a、凸状の当接面4
7,48、ベアリング収容部56は、同時加工仕上げす
ることがこれら各部の同軸度や形状精度、寸法精度を出
す上で好ましい。
【0035】下側固定ドラム10Aにはドラム軸18が
圧入されており、ドラム軸18にはボールベアリング2
5,26を介して上側回転ドラム10Bがロータリート
ランス29とともに回転自在に支持されている。また、
磁気ヘッドHa,Hbを搭載した上側回転ドラム10B
にはドラムモータ19のロータ19bがネジ27,28
によって固定されており、カラー23にネジ21,22
で固定されたドラムモータ19のステータ19aに対し
て回転する構成になっている。なお、ここでカラー23
は、セットスクリュー24によりドラム軸18に固定さ
れておりこのカラー23と下側固定ドラム10Aとによ
りボールベアリング25,26の間には予圧が与えられ
ている。
【0036】一方、ドラム軸18はその下方においてボ
ールベアリング31の内輪に挿嵌されており、その端部
には、ボールベアリング31に予圧を与えた状態でカラ
ー36がセットスクリュー37により固定されている。
カラー36の90度の方向と270度の方向には腕部3
6a,36bが設けられており、各腕部36a,36b
にはそれぞれスプリング保持穴60,61が形成されて
いる。そして、リード部材12のスプリング保持穴54
とカラー36のスプリング保持穴60との間及びリード
部材12のスプリング保持穴55とカラー36のスプリ
ング保持穴61との間には、スプリング38,39がそ
れぞれ設けられておりドラム軸18を介して下側固定ド
ラム10Aを下方に付勢することにより下側固定ドラム
10Aの凸状の当接面45,46をそれぞれリード部材
12の当接面47,48に押圧する構成になっている。
【0037】また、下側固定ドラム10Aのスプリング
保持穴49とリード部材12のスプリング保持穴50と
の間にはスプリング51が設けられており、ドラム軸1
8に支持された下側固定ドラム10A、上側回転ドラム
10B等を一体的に図9(b)中、直線CL1を中心に
反時計方向に傾斜させる付勢力を与えている。そして、
このスプリング51の反対側、即ちリード部材12の0
度の方向に設けられたネジ孔59には一端にギア42a
を有するギアスクリュー42が螺合しており、ギアスク
リュー42は中間ギア41を介してモータ40により、
図9(b)中、上下に駆動される構成になっている。即
ち、図示しない駆動回路がモータ40を駆動してギアス
クリュー42を、図9(b)中、上方に前進させると、
ドラム軸18を介して一体に構成されたテープガイドド
ラム10、ドラムモータ19等はスプリング51の付勢
力に抗して直線CL1を軸として時計方向に傾斜してF
F再生状態となる(図10(a)参照)。また、この逆
にギアスクリュー42が、図9(b)中、下方に後退す
ると、ドラム軸18を介して一体に構成されたテープガ
イドドラム10、ドラムモータ19等はスプリング51
の作用により直線CL1を軸として反時計方向に傾斜し
てFB再生状態となる(図10(b)参照)。なお、こ
こで、ドラム軸18を介して一体に構成されたテープガ
イドドラム10、ドラムモータ19等を傾斜させるべき
角度は、FF再生又はFB再生時の磁気テープTの走行
速度に応じて一義的に決まるものでありギアスクリュー
42の突出量を変化させて適宜設定されるべきものであ
ることは云うまでもない。
【0038】以上説明したように、本実施例によれば、
テープガイドドラム10等を一体に支持するドラム軸1
8は、リード部材12の底面部53のベアリング収容部
56に挿嵌されたボールベアリング31によって支持さ
れるため、ノーマル再生モードや記録モードにおいて
は、リード部材12の中心軸93とドラム軸18との同
軸度を極めて高精度に維持することができ、FF再生モ
ード、FB再生モード等のトリックプレイにおいては、
ドラム軸18の傾斜回動の中心軸となる直線CL1が一
定位置に維持されて、磁気ヘッドHa,Hbが磁気テー
プTに形成する回転軌跡は良好な直線性を示すものとな
る。このためこれらのトリックプレイにより再生される
FM信号のエンベロープは、図3(a)に示すように各
垂直走査期間中においてフラットなものとなり、ノイズ
バーのない良好な再生画面を得ることができる。
【0039】また、本実施例のリード部材12は、円環
状部52と底面部53とから構成されており大略お椀状
の形状であるため、その剛性が高く、リード12a等の
加工に際しても加工歪み等を生じることがなく高精度な
加工が可能である。更にまた、本実施例では、リード部
材12に設けられたボールベアリング31の中心の高さ
と凸状の当接面47,48とは同じ高さに設定されてい
るため、テープガイドドラム10等の傾斜回動動作の際
に、下側固定ドラム10Aの当接面45とリード部材の
当接面47との間及び下側固定ドラム10Aの当接面4
6とリード部材の当接面48との間では、すべり摩擦は
発生しないため、これらの当接面に摩耗が生じにくいと
いう利点がある。
【0040】次に、図14乃至図18を参照して、上に
述べた第1実施例の3種類の変形例(第1変形例乃至第
3変形例)について第1実施例と対比してその相違点を
簡単に説明する。 第1変形例 図14(a),(b)は、先に示した図9と対応する第
1変形例の断面図であり、ノーマル再生時におけるテー
プガイドドラム10及びその周辺部材を、図2中におけ
る直線L1,L2に沿ってそれぞれ切断した断面を示す。
【0041】本変形例を上に説明した第1実施例と比較
した場合、第1実施例においては、ボールベアリング3
1の高さがリード部材12の当接面47,48と同一の
高さとなるように設定されていたが、本変形例において
は、ボールベアリング31は凸上の当接面47,48よ
り高い位置であって、リード部材12の90度の方向に
おけるリード12aと同じ高さの直線CL2上に配置さ
れている点において異なる。また、第1実施例において
は、リード部材12の当接面47,48に植設された支
点ピン34,35が下側固定ドラム10Aの孔43,4
4にそれぞれ遊嵌することにより、リード部材12の中
心軸93の周りにおける下側固定ドラム10Aの回転方
向の位置決めがなされるとともにリード部材12に対す
るテープガイドドラム10等の傾斜方向の規制がなされ
ていたが、本変形例では、これらの支点ピン34,3
5、孔43,44の代わりに下側固定ドラム10Aの底
面に植設された丸ピン62とリード部材12の底面部5
3に形成された長孔63との遊嵌により同様な機能がな
されているものである。
【0042】即ち、丸ピン62は、図14(b)に示す
ように、0度−180度の方向においては、長孔63と
比較的大きなクリアランスをもって嵌合しており、この
クリアランスによりテープガイドドラム10等の直線C
L2の周りにおける傾斜が可能になっている。他方、図
示しないがこれと直交する方向、即ち90度−270度
の方向においては、これらは充分小さなクリアランスを
もって嵌合しており、リード部材12の中心軸93の周
りにおける下側固定ドラム10Aの回転方向の位置決め
がなされるとともにリード部材12に対するテープガイ
ドドラム10等の傾斜方向の規制がなされている。
【0043】本変形例は、このようにテープガイドドラ
ム10等の傾斜の軸が直線CL2となって、リード部材
12の90度の方向(テープガイドドラム10に対する
磁気テープTの巻き付け範囲の中央)におけるリード1
2aの高さと同一であるため、テープガイドドラム10
等の傾斜に際するリード部材12に対するテープガイド
ドラム10の揺動を比較的少なく抑えることができるも
のである。
【0044】第2変形例 図15(a),(b)は、先に示した図9と対応する第
2変形例の断面図であり、ノーマル再生時におけるテー
プガイドドラム10及びその周辺部材を、図2中におけ
る直線L1,L2に沿ってそれぞれ切断した断面を示す。
本変形例を先に説明した第1実施例と比較した場合、第
1実施例においては、例えば、単列深溝玉軸受のよう
に、その内輪の中心軸と外輪の中心軸との間に多少の傾
斜を許容する自由度を有する軸受(ボールベアリング3
1)によって、ドラム軸18を傾斜可能に支持する構成
であったが、本変形例においては、このボールベアリン
グ31の代わりにその断面形状が所謂ナイフエッジ状に
形成された孔によってドラム軸18を傾斜可能に支持す
る構成である点において異なる。
【0045】即ち、本変形例では、リード部材12の底
面部53の中心にその断面形状がナイフエッジ状である
孔64が形成されており、この孔64がドラム軸18と
直接嵌合することによりドラム軸18を傾斜可能に支持
しているのである。本変形例によれば、第1実施例のよ
うにベアリング31を用いる必要がなく、テープガイド
ドラム10等を一体に支持するドラム軸18は、リード
部材12の底面部53に形成された孔64によって直接
支持されるため、ノーマル再生モードや記録モードにお
いては、リード部材12の中心軸93とドラム軸18と
の同軸度を高精度に維持することができ、FF再生モー
ド、FB再生モード等のトリックプレイにおいては、ド
ラム軸18の傾斜回動の中心軸となる直線CL1が一定
位置に維持されて、磁気ヘッドHa,Hbが磁気テープ
Tに形成する回転軌跡は良好な直線性を示すものとな
る。
【0046】なお、この嵌合は図16(a),(b)に
示すようにドラム軸18が圧入される下側固定ドラムの
嵌合部65を下方に突出させて、この嵌合部65の外周
と孔64とを勘合させるようにしてもよい。また、同図
(c)に示すように、嵌合部65又は孔64の嵌合部位
の摩耗を防ぐために必要に応じて嵌合部65の外周に高
硬度な材料からなるブッシング66を嵌合させるように
してもよい。なお、図16(a),(b)は、先に示し
た図9と対応する断面図であり、ノーマル再生時におけ
るテープガイドドラム10及びその周辺部材を、図2中
における直線L1,L2に沿ってそれぞれ切断した断面を
示す。また、同図(c)は、同図(a)における○で囲
った部分の異なる構成態様、即ち嵌合部65にブッシン
グ66を嵌合させた場合を示す部分断面図である。
【0047】第3変形例 図17(a),(b)は、先に示した図9と対応する第
3変形例の断面図であり、ノーマル再生時におけるテー
プガイドドラム10及びその周辺部材を、図2中におけ
る直線L1,L2に沿ってそれぞれ切断した断面を示す。
また、図17(c)は、第1実施例におけるボールベア
リング31の代わりに使用されるサスペンションリング
の平面図である。図18は、テープガイドドラム10の
下側固定ドラム10A、リード部材12及びこれらを支
持するドラムベース20を分解して示す斜視図である。
【0048】本変形例を上に説明した第1実施例と比較
した場合、第1実施例においては、例えば、単列深溝玉
軸受のように、その内輪の中心軸と外輪の中心軸との間
に多少の傾斜を許容する自由度を有する軸受(ボールベ
アリング31)によって、ドラム軸18を傾斜可能に支
持する構成であったが、本変形例においては、このボー
ルベアリング31の代わりに図17(c)又は図18に
示すようなサスペンションリング125によってドラム
軸18を傾斜可能に支持する構成である点において異な
る。
【0049】サスペンションリング125はバネ性のあ
るステンレス、リン青銅等の板材から形成されており、
外輪部125a、内輪部125b、90度の方向と18
0度の方向でこれらの外輪部125aと内輪部125b
とをそれぞれ連結する連結部125c,125d、及び
係止突起125eとから構成されている。この係止突起
125eはリード部材12の底面部53の貫通孔57の
縁に設けられた係止穴127に貫入してその回転方向の
位置決めがなされている。また、サスペンションリング
125の外輪部125aの外径は、リード部材12の底
面部53の貫通孔57の周囲に形成された円環状の凹部
126に嵌合しており、リード部材12、外輪部125
a、内輪部125bはそれぞれ良好な同心関係となって
いる。また、ドラム軸18が圧入される下側固定ドラム
10Aの嵌合部65の小径部65aの外径は、サスペン
ションリング125の内輪部125bの内径と嵌合して
いる。
【0050】従って、サスペンションリング125を介
して下側固定ドラム10Aとリード部材12とは互いに
同軸に連結されるとともにサスペンションリング125
の90度の方向と270度の方向にそれぞれ形成された
連結部125c,125dの撓みによりテープガイドド
ラム10はリード部材12に対して傾斜回動可能になっ
ている。以上説明したように、本変形例では、ドラム軸
18はサスペンションリング125によりその位置が決
定されており、連結部125c,125dが撓むことに
よって、支点ピン34,35を結ぶ直線CL1を中心軸
としてテープガイドドラム10が傾斜する構成であるた
め、ドラム軸18又はその嵌合部65とリード部材12
の貫通孔57との間には摺動部分がなくこれらの部分の
かじりや磨耗を生じることがない。なお、サスペンショ
ンリング125は、リード部材12又は下側固定ドラム
10Aに直接ネジ止めするようにしてもよい。
【0051】本願発明者等が上で説明した第1実施例又
はその変形例の磁気記録再生装置をVHS方式のVTR
に適用して実験した結果によれば、磁気ヘッドを取付け
た上側回転ドラム10Bと下側固定ドラム10Aとをリ
ード部材12に対して一体的に傾斜させる(以下、この
ように磁気ヘッドHa,Hbの回転軌跡面を磁気テープ
Tのトラックパターンに適合させるべく磁気テープTの
走行速度に応じて磁気ヘッドHa,Hbの回転軌跡面と
リード部材12のリード12aとの相対角度を変える補
正を「トラック補正」という場合がある。)ことによ
り、SPモードでは比較的高倍速で磁気テープTを走行
させるトリックプレイ等が可能であることが確認され
た。
【0052】しかし、EPモードでは、比較的低倍速で
磁気テープTを走行させるトリックプレイでも、再生画
像中にノイズバーが発生する場合があることがことが明
らかになった。そこで、本願発明者等はこの現象を明ら
かにするために、テープガイドドラム10の周辺におけ
る磁気テープTの走行状態を内視鏡カメラ等を使って詳
細に観察した結果、FF再生又はFB再生に伴うテープ
ガイドドラム10の傾斜回動に起因して、磁気テープが
リード12aから若干浮き上がったり、押しつけられた
りする現象が存在することを見いだした。そこで、この
現象について図36、図37を参照して説明する。
【0053】図36(a)は、ノーマル再生時の磁気テ
ープTの走行状態を示す図である。この状態では、ドラ
ム軸18とリード部材12の中心軸93は、一致してお
り、磁気テープTの基準縁Teは、リード部材12のリ
ード12aに沿って走行しており、磁気テープTがリー
ド12aから浮き上がったり、リード12aに押しつけ
られたりする現象は発生していない。
【0054】これに対し、同図(b)に示すFF再生時
の磁気テープTの走行状態では、ドラム軸18は一点鎖
線で示すように、リード部材12の中心軸93に対し
て、同図中点Oを中心として矢印で示すように時計方向
に回動した状態とされる。このため、磁気テープTは、
テープガイドドラム10に対する入り口側(サプライ側
ガイドローラSGR側)では、テープガイドドラム10
に引っ張られてその基準縁Teがリード部材12のリー
ド12aから離間する傾向を生じる。他方、テープガイ
ドドラム10に対する出口側(テイクアップ側ガイドロ
ーラTGR側)では、テープガイドドラム10により磁
気テープTはリード部材12のリード12aに押しつけ
られる傾向を生じることになり、結果として、磁気テー
プTはリード部材12のリード12aに対して僅かな角
度(θ2)傾いてしまうことになる。従って、所定の速
さのFF再生に対応した角度(θ1)だけテープガイド
ドラム10をリード部材12に対して傾斜させてトラッ
ク補正を行っても、磁気ヘッドHa,Hbは、磁気テー
プTのトラックパターンを正確にトレースできないこと
になる。
【0055】この問題点を解決する方法としては、大略
同図(c)又は(d)に示す二つの方法が考えられる。
第1の方法は、同図(c)に示すように、テープガイド
ドラム10とリード部材12との相対角度(θ1)を一
定に維持したまま、テープガイドドラム10とリード部
材12とを一体的にθ2だけ更に時計方向に傾斜させ
て、磁気テープTの基準縁Teにリード部材12のリー
ド12aを沿わせる方法である。
【0056】また、第2の方法は、同図(d)に示すよ
うに、サプライ側ガイドローラSGRと、テイクアップ
側ガイドローラTGRとをそれぞれ、磁気テープTの幅
方向に変位可能に構成しておく。そして、FF再生時に
は、同図中に矢印で示す如くサプライ側ガイドローラを
下方に変位させるとともに、テイクアップ側ガイドロー
ラTGRを上方に変位させることにより、磁気テープT
の走行経路を矯正してリード部材12のリード12aに
沿うようにする方法である。以下、このようにトラック
補正に伴って生じた磁気テープTの基準縁Teとリード
部材12のリード12aとの不一致を矯正する補正を
「リード補正」という場合がある。なお、以上の説明
は、FB再生の場合においても、磁気テープTに生じる
傾きの方向や、リード補正するために関連する部材を作
動させるべき方向が逆になる点を除いて同様であるため
図37に図示するだけにとどめる。
【0057】しかしながら、先にも述べたように、これ
らのリード補正はFF再生、FB再生等のトリックプレ
イや駒撮り記録等の全ての場合に必要な訳ではない。実
験結果によれば、SPモードでは、比較的高倍速で磁気
テープTを走行させてFF再生動作又はFB再生動作等
を行なうためにテープガイドドラム10を比較的大きく
傾斜させトラック補正を行っても、再生画像中にノイズ
バーを生じさせることは殆ど無い。何故なら、テープガ
イドドラム10の傾斜により磁気テープTの基準縁Te
とリード12aとの間にθ2だけの角度のズレが生じて
も、その量は58μmのトラックピッチに対しては影響
が少ないからである。これに対して、EPモードではト
ラックピッチがSPモードのトラックピッチの3分の1
の19μmであるため、この角度のズレ(θ2)は無視
できないものとなり、再生画像中にはノイズバーを生じ
させる場合があることがことが明らかになった。
【0058】なお、この角度のズレ(θ2)は、装置の
磁気テープTの走行系の態様やテープガイドドラム10
を傾斜させるべき角度(θ1)に依存するものであり、
たとえSPモードの場合であってもテープガイドドラム
10を大きく傾斜させ非常に高速で磁気テープTを走行
させる場合、即ち非常に高倍速なFF再生、FB再生に
おいては、この角度のズレ(θ2)が無視できない程度
のものとなることがあり、リード補正が必要となること
がある。また、これに対して、EPモードの場合であっ
てもテープガイドドラム10を僅かに傾斜させ、±2倍
速又は±3倍速程度で磁気テープTを走行させる場合に
おいてはリード補正を必要としない場合もある。
【0059】以下に説明する第2実施例は、上述した第
1の方法によるリード補正を採用した磁気記録再生装置
に関するものであり、第3実施例は第2の方法によるリ
ード補正を採用した磁気記録再生装置に関するものであ
る。そこで、先ず図19乃至図24を参照して本発明の
第2実施例について説明する。図19は、本発明に係る
磁気記録再生装置の主要部であるテープガイドドラム周
辺の構成を示す斜視図である。図20は、ノーマル再生
時におけるテープガイドドラム10及びその周辺部材を
含めた断面図であり、同図(a)は、図2中における直
線L1に沿って切断した断面図、同図(b)は同様に直
線L2に沿って切断した断面図である。図21(a),
(b)は、それぞれFF再生時、FB再生時におけるテ
ープガイドドラム10及びその周辺部材を含めた断面図
であり、いずれも図2中における直線L2に沿って切断
した断面図である。また、図22は、テープガイドドラ
ム10の下側固定ドラム10A、リード部材12及びこ
れらを支持するドラムベース20を分解して示す斜視図
であり、図23,図24は、これらの下側固定ドラム1
0A、リード部材12を図22におけるそれと反対側か
らみた斜視図である。
【0060】本実施例は、大略、装置の図示しないシャ
ーシに固定されたドラムベース20と、該ドラムベース
20上に支点ピン73,74を介して載置されたリード
部材12と、該リード部材12上に支点ピン73,74
を介して載置されたテープガイドドラム10及びドラム
モータ19と、テープガイドドラム10をリード部材1
2に対して傾斜させるとともにリード部材12をドラム
ベース20に対して傾斜させる際の駆動源であるモータ
40等から構成されている。即ち、本実施例は先にも説
明した通り、トラック補正に加えてリード補正も行うた
めにリード部材12をドラムベース20に対して傾斜可
能に構成するものである。
【0061】下側固定ドラム10Aは、大径部10Aー
2、小径部10Aー1とによりその外周面がが形成されて
おり、その底面には図20(a)又は図23に示すよう
に、90度の方向と270度の方向にそれぞれ凸状の当
接面45,46と孔43,44とが設けられるととも
に、180度の方向にはスプリング保持穴49が設けら
れている点は第1実施例の場合と同様である。更に、本
実施例の下側固定ドラム10Aには、その底面にスプリ
ング保持ピン67,68が、90度の方向と270度の
方向にそれぞれ設けられている。ここで、磁気テープT
の摺接面である大径部10Aー2や凸状の当接面45,4
6等の加工は、下側固定ドラム10Aにドラム軸18を
圧入した状態でドラム軸18を基準に組加工することが
好ましいことは、第1実施例の場合と同様である。
【0062】リード部材12は、図22又は図24に示
すように円環状部52と底面部53とから構成されてお
り円環状部52の一縁部は磁気テープTの基準縁Teを
案内するリード12aを構成している。リード部材12
の底面部53の0度の方向には後述するギアスクリュー
42が螺合すべきネジ孔59が、180度の方向には貫
通孔85がそれぞれ設けられている。また、底面部53
の90度方向にはその表裏に凸状の当接面47と当接面
81がそれぞれ設けられ、これらの当接面47,81に
は支点ピン73が植設されており、底面部53の270
度の方向にはその表裏に凸状の当接面48と当接面82
がそれぞれ設けられ、これらの当接面48,82には支
点ピン74が植設されている。
【0063】なお、これらの支点ピン73,74は、リ
ード部材12の底面部53の表裏の当接面47,81、
48,82からそれぞれその先端が突出した態様でに圧
入されている。これらの支点ピン73,74の径は前記
した下側固定ドラム10Aの孔43,44の径及びドラ
ムベース20の孔79,80の径より若干小さく構成し
てあり、後述するように、これらの孔43,44,7
9,80と遊嵌して支点ピン73,74を結ぶ直線CL
3の周りにおけるドラム軸18の傾斜の自由度と直線C
L4の周りにおけるリード部材12の傾斜の自由度とを
与えるものである。なお、これらの支点ピン73,74
の間隔、孔43,44の間隔、孔79,80の間隔はな
るべく隔てて各部材の外周部に設けることが望ましいこ
とは第1実施例の場合と同様である。
【0064】また、底面部53の中心に形成された貫通
孔57の周囲にはベアリング収容部56が形成されてお
り、このベアリング収容部56には、その中心の高さが
凸状の当接面47,48の高さと一致するようにボール
ベアリング31が挿嵌されている。なお、このボールベ
アリング31は、その内輪の中心軸と外輪の中心軸との
間に多少の傾斜を許容する自由度を有する軸受が用いら
れる点や、リード12a、凸状の当接面47,48、ベ
アリング収容部56等は、同時加工仕上げすることが好
ましいことは第1実施例の場合と同様である。
【0065】下側固定ドラム10Aにはドラム軸18が
圧入されており、ドラム軸18にはボールベアリング2
5,26を介して上側回転ドラム10Bがロータリート
ランス29とともに回転自在に支持されている。また、
磁気ヘッドHa,Hbを搭載した上側回転ドラム10B
にはドラムモータ19のロータ19bがネジ27,28
によって固定されており、カラー23にネジ21,22
で固定されたドラムモータ19のステータ19aに対し
て回転する構成になっている。なお、ここでカラー23
は、セットスクリュー24によりドラム軸18に固定さ
れておりこのカラー23と下側固定ドラム10Aとによ
りボールベアリング25,26の間には予圧が与えられ
ている。
【0066】一方、ドラム軸18はその下方においてボ
ールベアリング31の内輪に挿嵌されており、その端部
には、ボールベアリング31に予圧を与えた状態でカラ
ー36がセットスクリュー37により固定されている。
そして、下側固定ドラム10Aに設けられたスプリング
保持ピン67,68は、リード部材の貫通孔75,76
とドラムベース20の貫通孔77,78を遊嵌態様で貫
通しており、それぞれの先端部にはスプリング69,7
0がCリング71,72により係止されている。即ち、
これらのスプリング69,70は下側固定ドラム10A
の当接面45,46をリード部材の当接面47,48に
押圧付勢するとともにリード部材の当接面81,82を
ドラムベース20の当接面83,84に押圧付勢するも
のである。
【0067】また、下側固定ドラム10Aのスプリング
保持穴49とドラムベース20のスプリング保持穴87
との間にはリード部材12の貫通孔85を貫通してスプ
リング51は設けられており、ドラム軸18に支持され
た下側固定ドラム10A、上側回転ドラム10B等をリ
ード部材12に対して一体的に図20(b)中、直線C
L3を中心に反時計方向に傾斜させる付勢力を与えてい
る。本実施例の場合には更に、リード部材12のスプリ
ング保持穴86とドラムベース20のスプリング保持穴
88との間にスプリング89が設けられており、リード
部材12をドラムベース20に対して図20(b)中、
直線CL4を中心に反時計方向に傾斜させる付勢力を与
えている。そして、このスプリング51又はスプリング
89の反対側、即ちリード部材12の0度の方向、に設
けられたネジ孔59,92には一端にギア42a,90
aを有するギアスクリュー42、90が螺合しており、
ギアスクリュー42,90は中間ギア91を介してモー
タ40により、図20(b)中、上下に駆動される構成
になっている。
【0068】即ち、図示しない駆動回路がモータ40を
駆動してギアスクリュー42,90を、図20(b)
中、上方に前進させると、ドラム軸18を介して一体に
構成されたテープガイドドラム10、ドラムモータ19
等はスプリング51の付勢力に抗して直線CL3を軸と
して時計方向に傾斜してトラック補正がなされ、これと
同時に、リード部材12はスプリング89の付勢力に抗
して直線CL4を軸として時計方向に傾斜してリード補
正がなされてFF再生状態となる(図21(a)参
照)。また、この逆にギアスクリュー42が、図20
(b)中、下方に後退すると、ドラム軸18を介して一
体に構成されたテープガイドドラム10、ドラムモータ
19等はスプリング51の作用により直線CL3を軸と
して反時計方向に傾斜してトラック補正がなされ、これ
と同時にリード部材12はスプリング89の作用により
直線CL4を軸として反時計方向に傾斜してリード補正
がなされてFB再生状態となる(図21(b)参照)。
【0069】なお、ここで、ドラム軸18を介して一体
に構成されたテープガイドドラム10、ドラムモータ1
9等をトラック補正のために傾斜させるべき角度(θ
1)は、FF再生又はFB再生時の磁気テープTの走行
速度に応じて一義的に決まるものでありギアスクリュー
42の突出量を変化させて適宜設定されるべきものであ
ることは第1実施例の場合と同様であるが、リード補正
のためにリード部材12の中心軸93を傾斜させるべき
角度(θ2)は、予め実験的に決められるべきものであ
る。
【0070】以上説明したように、本実施例によれば、
トラック補正に際するテープガイドドラム10の傾斜に
伴って磁気テープTの基準縁Teとリード部材12のリ
ード12aとの間に角度のズレ(θ2)が発生しても、
リード部材12が直線CL4の周りに、この角度のズレ
(θ2)だけ傾斜駆動されてリード補正がなされるた
め、先に述べたVHS方式におけるEPモードのように
比較的狭いトラックピッチで記録された磁気テープTで
あっても、磁気ヘッドHa,Hbの回転軌跡を磁気テー
プTのトラックパターンに正確に一致させることができ
るものである。また、本実施例によれば、テープガイド
ドラム10等を一体に支持するドラム軸18は、リード
部材12の底面部53のベアリング収容部56に挿嵌さ
れたボールベアリング31によって支持されるため、ノ
ーマル再生モードや記録モードにおいては、リード部材
12の中心軸93とドラム軸18との同軸度を極めて高
精度に維持することができ、FF再生モード、FB再生
モード等のトリックプレイにおいては、ドラム軸18の
傾斜回動の中心軸となる直線CL3が一定位置に維持さ
れるものである点等は先に説明した第1実施例の場合と
同様である。
【0071】次に、図25乃至図33を参照して、上に
述べた第2実施例の4種類の変形例(第1変形例乃至第
4変形例)について第2実施例と対比してその相違点を
簡単に説明する。 第1変形例 図25は、テープガイドドラム10周辺の構成を示す第
1変形例の斜視図であり、図26(a),(b)は、第
1変形例の断面図であり、ノーマル再生時におけるテー
プガイドドラム10及びその周辺部材を、図2中におけ
る直線L1,L2に沿ってそれぞれ切断した断面を示す。
図27(a),(b)は、それぞれFF再生時、FB再
生時におけるテープガイドドラム10及びその周辺部材
を含めた断面図であり、いずれも図2中における直線L
2に沿って切断した断面図である。また、図28は、テ
ープガイドドラム10の下側固定ドラム10A、リード
部材12及びこれらを支持するドラムベース20を分解
して示す斜視図である。
【0072】本変形例を上に説明した第2実施例と比較
した場合、第2実施例においては、例えば、単列深溝玉
軸受のように、その内輪の中心軸と外輪の中心軸との間
に多少の傾斜を許容する自由度を有する軸受(ボールベ
アリング31)によって、ドラム軸18を傾斜可能に支
持する構成であったが、本変形例においては、このボー
ルベアリング31の代わりにその断面形状が所謂ナイフ
エッジ状に形成された孔によってドラム軸18を傾斜可
能に支持する構成である点において異なる。この関係
は、図16(a),(b)を参照して先に説明した第1
実施例とその第2変形例との関係と同様である。
【0073】更に、本変形例を第2実施例と比較した場
合、リード補正のためにリード部材12をドラムベース
20に対して傾斜可能に支持する態様を異にする。即
ち、第2実施例の場合は、リード部材12に植設された
支点ピン73,74をドラムベース20に設けられた孔
79,80に遊嵌することにより直線CL4を決定する
とともにスプリング69,70の付勢力によりリード部
材12を直線CL4の周りに傾斜可能に支持するもので
あった。これに対して、本変形例ではドラムベース20
に設けられた段付きのシャフト94,95によってリー
ド部材12を傾斜可能に支持するものである。以下、こ
れらのリード部材12に対するテープガイドドラム10
の支持機構とドラムベース20に対するリード部材12
の支持機構の具体的な構成について説明する。なお、そ
の他の点については上に説明した第2実施例と大略同様
であるためその説明を省略する。
【0074】本変形例では、リード部材12は段付きシ
ャフト94,95によってドラムベース20に支持され
る。即ち、段付きシャフト94,95の小径部94a,
95aはリード部材12の90度の方向及び270度の
方向にそれぞれ形成された貫通孔106,107に嵌合
するとともにその大径部94b,95bはドラムベース
20の軸受部96,97に形成されたV溝98,99に
載置されて取付板100,101によって固定されてい
る。なお、図28に示す如くドラムベース20の軸受部
102,103には貫通孔104,105を形成しこの
貫通孔104,105に段付きシャフト94,95の大
径部94b,95bを圧入固定するようにしてもよい。
なおここで、リード部材12の貫通孔106,107と
段付きシャフト94,95の小径部94a,95aとは
充分小さなクリアランスをもった嵌合状態にあり、リー
ド部材12はこれらの小径部94a,95aを結ぶ直線
CL6の周りに傾斜回動自在に支持されている。また、
図26(a)中におけるリード部材12とドラムベース
20との左右方向の位置決めは段付きシャフト94,9
5の大径部94b,95bの長さによって規制される構
成になっている。
【0075】一方、リード部材12の底面部53の中心
にその断面形状がナイフエッジ状である孔64が形成さ
れており、この孔64がドラム軸18が圧入される下側
固定ドラムの嵌合部65の外周と嵌合することによりド
ラム軸18を傾斜可能に支持しているのである。またこ
の際、ドラム軸18やこのドラム軸18に一体に支持さ
れたテープガイドドラム10等の傾斜回動の中心軸とな
るべき直線CL5は、リード部材12に植設された支点
ピン34,35が下側固定ドラム10Aに形成された孔
43,44と遊嵌することにより決定されていることは
第2実施例の場合と同様である。なお、図26(c)に
示すように、嵌合部65の外周面にブッシング108を
圧入するとともにリード部材12の中心に形成するその
断面形状がナイフエッジ状である孔64は、別部材であ
るカラー109を取り付けて構成してもよい。これらの
ブッシング108やカラー109を真鍮やオイルレスメ
タル等の比較的滑りがよく且つ耐摩耗性の大きな材質で
構成することによりトラック補正に際するテープガイド
ドラム10の傾斜動作が滑らかになるとともに嵌合部位
における摩耗を防止することができるからである。
【0076】そして、テープガイドドラム10は下側固
定ドラム10Aにネジ110、111によって取り付け
られた板バネ112によって下方に付勢されている。即
ち、板バネ112には、その90度の方向と270度の
方向にそれぞれ腕部112a,112bが設けられてお
り、これらの腕部112a,112bはドラムベース2
0の底面を押圧することにより下側固定ドラム10Aの
当接面45,46をリード部材12の当接面47,48
に押圧する構成になっている。
【0077】また、本変形例のようにリード部材12を
傾斜可能に支持する構造とテープガイドドラム等を傾斜
可能に支持する構造とが独立に設けられている場合は、
リード部材12を傾斜回動の中心軸となるべき直線を、
図26中に直線CL7として示すように直線CL6より1
80度の方向に所定量ずらせて配置することが望まし
い。このような構成とすることにより、リード補正に伴
いリード部材12が直線CL7の周りに傾斜回動した場
合、テープガイドドラム10に対する磁気テープTの入
り口側におけるリード部材12のリード12aの変位量
は、磁気テープTの出口側におけるリード12aの変位
量より大きなものとなるのである。
【0078】以下、本変形例について斯かる構成を採用
した理由について説明する。本願発明者等は上に説明し
た第2実施例の第1変形例をVHS方式のVTRに適用
した装置を試作した。そして、この装置を用いてFF再
生及びFB再生について種々の倍速数での評価実験を行
った。その結果、FF再生についてはSPモード、EP
モードのいずれにおいても、かなりの高倍速まで所謂ノ
イズバーのないノイズレスサーチが可能であることが確
認されたが、FB再生については比較的低倍速の場合は
問題がないものの、高倍速になると再生出力が不均一に
なり一定の倍速数を越えるとノイズバーの発生が確認さ
れた。そしてこの傾向はEPモードにおいて特に顕著な
ものであった。
【0079】そこで、本願発明者等はこの原因を明らか
にすべくリード部材12のリード12aを切削して磁気
テープTの基準縁Teを実質的に自由な状態となるよう
に装置を改造し、テープガイドドラム10に対する磁気
テープTの入り口側と出口側での磁気テープTの挙動を
観察した。その結果、FF再生モードでは入り口側にお
ける磁気テープTの上昇量と、出口側における磁気テー
プTの降下量とはほぼ同程度であるが、FB再生モード
では、入り口側における磁気テープの降下量の方が出口
側における上昇量より大きい傾向を生じるという事実が
明らかになった。なお、このような現象が発生するメカ
ニズムは必ずしも明かではないが、磁気テープTがテー
プガイドドラム10に傾斜して巻き付けられているこ
と、磁気テープTがテープガイドドラム10に巻き付け
られている位置とトラック補正の為の回動支点(直線C
L5)の位置とがドラム軸18の軸方向上で離れている
こと等と密接に関連しているものと考えられる。
【0080】以上説明した実験結果から明らかなよう
に、上記構成をとることにより、FB再生モードにおけ
るテープガイドドラム10における磁気テープTの入り
口側と出口側における磁気テープTの降下量と上昇量の
アンバランスに適応して、リード部材12のリード12
aを変位させることが可能となるため、リード12aは
磁気テープTの基準縁Teをその巻き付け範囲の全域に
亘って安定に案内することができるようになるのであ
る。なお、先にも説明したようにFF再生モードにおい
ては、リード補正用の回動支点をCL6からCL7のよう
に変位させる必要はない。従って、リード補正用の回動
支点をCL6からCL7に変位させるべき量は、FF再生
モードにおける性能とFB再生モードにおける性能とを
勘案して両者のバランスによって決定すべきものであ
る。なお、リード部材12を傾斜回動の中心軸となるべ
き直線を、直線CL7のように直線CL6からずらせて配
置するには、ドラムベース20の軸受部96,97(又
は軸受部102,103)、これらに形成されるV溝9
8,99(又は貫通孔104,105)、リード部材1
2に形成される貫通孔106,107を対応してずらせ
て設ければよいことは明かである。
【0081】第2変形例 図29(a),(b)は、第2変形例の断面図であり、
ノーマル再生時におけるテープガイドドラム10及びそ
の周辺部材を、図2中における直線L1,L2に沿ってそ
れぞれ切断した断面を示す。図30(a),(b)は、
それぞれFF再生時、FB再生時におけるテープガイド
ドラム10及びその周辺部材を含めた断面図であり、い
ずれも図2中における直線L2に沿って切断した断面図
である。本変形例を上に説明した第2実施例と比較した
場合、本変形例ではドラムモータ19がドラム軸18の
下端に設けられており、ドラム軸18自身が回転してド
ラム軸18にフライホイール113を介して取り付けら
れた上側回転ドラム10Bを回転駆動する構成である点
にその主な相違点がある。以下、この構成上の相違点に
ついて具体的に説明し、その他の点については説明を省
略する。
【0082】本変形例では、ドラム軸18の上部にフラ
イホイール113が接着固定されておりこのフライホイ
ール113に上側回転ドラム10Bがネジ114,11
5により固定されている。また、ドラム軸18の下部に
はカラー36がボールベアリング31に予圧を与えた状
態でセットスクリュー37により固定されている。カラ
ー36には、ドラムモータ19のロータ19bがネジ1
16,117により固定されている。そして、ベアリン
グ25,26の間に配されたスプリング118はこれら
のベアリングに予圧を与えている。また、下側固定ドラ
ム10Aの底面にはボス119,120が設けられてお
り、これらのボス119,120はリード部材12の底
面に設けられた貫通孔121,122を貫通してドラム
ベース20の下方にその端部が突出している。そして、
これらのボス119,120の端部にはドラムモータ1
9のステータ19aがネジ123,124により固定さ
れている。
【0083】また、下側固定ドラム10Aの底面には丸
ピン62植設されており、この丸ピン62がリード部材
12の底面部53に形成された長孔63と遊嵌すること
によりリード部材12の中心軸93の周りにおける下側
固定ドラム10Aの回転方向の位置決めがなされるとと
もにリード部材12に対するテープガイドドラム10等
の傾斜方向の規制がなされ点は先に第1実施例の第1変
形例で説明したのと同様である。
【0084】第3変形例 図31(a),(b)は、先に示した図20と対応する
第3変形例の断面図であり、ノーマル再生時におけるテ
ープガイドドラム10及びその周辺部材を、図2中にお
ける直線L1,L2に沿ってそれぞれ切断した断面を示
す。また、図32は、テープガイドドラム10の下側固
定ドラム10A、リード部材12及びこれらを支持する
ドラムベース20を分解して示す斜視図である。本変形
例を上に説明した第2実施例と比較した場合、第2実施
例においては、例えば、単列深溝玉軸受のように、その
内輪の中心軸と外輪の中心軸との間に多少の傾斜を許容
する自由度を有する軸受(ボールベアリング31)によ
って、ドラム軸18を傾斜可能に支持する構成であった
が、本変形例においては、このボールベアリング31の
代わりに図32に示すようなサスペンションリング12
5によってドラム軸18を傾斜可能に支持する構成であ
る点において異なる。この関係は、先に説明した第1実
施例(トラック補正のみを行う磁気記録再生装置)とそ
のの第3変形例との関係とほぼ同様である。
【0085】また、ドラムベース20の90度の方向と
270度の方向にはスペーサ付き支点ピン128,12
9が植設されており下側固定ドラム12に形成された貫
通孔130,131とそれぞれ遊嵌して、スペーサ付き
支点ピン128,129を結ぶ直線CL4の周りにおけ
るリード部材12の傾斜の自由度を与えるものである。
なお、本変形例では、下側固定ドラム10Aの嵌合部6
5の大径部65bの下面に取り付けられた板バネ112
がドラムベース20の底面を押圧して下側固定ドラム1
0A及びリード部材12を下方に付勢している。また、
本変形例では、下側固定ドラム10Aの嵌合部65の嵌
合長が長くとられておりドラム軸18は該嵌合部65に
圧入されて充分な圧入強度及び垂直精度をもってしっか
りと固着されている。
【0086】第4変形例 図33(a),(b)は、先に示した図20と対応する
第4変形例の断面図であり、ノーマル再生時におけるテ
ープガイドドラム10及びその周辺部材を、図2中にお
ける直線L1,L2に沿ってそれぞれ切断した断面を示
す。本変形例は上に述べた第2実施例の第1変形例と第
2実施例の第3変形例とを組み合わせたものである。即
ち、リード補正のためにリード部材12は、段付きシャ
フト94,95により直線CL6又は直線CL7の周りに
傾斜可能に支持され、トラック補正のためにテープガイ
ドドラム10はサスペンションリング125と支点ピン
34,35とにより直線CL5の周りに傾斜可能に支持
されているのである。
【0087】次に、図34、図35を参照して本発明の
第3実施例について説明する。先に図36、図37を参
照して説明したように、本実施例は第2の方法によるリ
ード補正を採用した例である。即ち、サプライ側ガイド
ローラSGRと、テイクアップ側ガイドローラTGRと
をそれぞれ、磁気テープTの幅方向に変位可能に構成し
ておく。そして、例えばFF再生時には、サプライ側ガ
イドローラSGRを下方に変位させるとともに、テイク
アップ側ガイドローラTGRを上方に変位させることに
より、磁気テープTの走行経路を矯正してリード部材1
2のリード12aに沿うようにするのである。なお、本
実施例におけるトラック補正は、先に説明した第1実施
例乃至その変形例の何れをも採用できるものである。従
ってここでは重複を避けるためにトラック補正を行うた
めの構成については説明は省略し、リード補正を行うた
めの具体的な構成について説明する。
【0088】図34は、本発明の第3実施例の磁気記録
再生装置の主要部であるテープガイドドラム周辺の構成
及びサプライ側ガイドローラSGR(図示せず)とテイ
クアップ側ガイドローラTGRとを上下方向にに変位さ
せる機構を併せて示す斜視図である。ガイドローラSG
R,TGRを上下方向に変位させる機構は、大略一対の
円弧状の作動体132,133と該一対の作動体13
2,133をドラムベース20に形成された案内溝13
4に沿って駆動するモータ135,136とから構成さ
れている。モータ135,136の出力軸にはピニオン
135a,136aがそれぞれ取り付けられておりこれ
らのピニオン135a,136aが作動体132,13
3に設けられたギア132a,133aと噛合すること
により作動体132,133を案内溝134に沿って駆
動する。なお、各作動体132,133には案内溝13
4に沿って長孔132b,133bが形成されており該
長孔132b,133bを貫通してドラムベース20に
植設されたカラー付きピン137,138により保持さ
れて各作動体132,133は案内溝134内で安定に
摺動する。
【0089】また、各作動体132,133の先端には
略フォーク状のカム部132c,133cが設けられて
おり、このカム部132c,133cは一様な斜面で構
成されておりその先端が薄く根元が厚い楔形状となって
いて、後述するように、これらがサプライ側ガイドロー
ラSGRとテイクアップ側ガイドローラTGRとにそれ
ぞれ作用することにより各ガイドローラSGR,TGR
を上下方向に変位させる。以下、この様子を図35を参
照して更に詳しく説明する。同図(a),(b)はノー
マル再生時における各ガイドローラSGR,TGRの状
態と各作動体132,133のカム部132c,133
cの状態とを示す断面図である。同様に、同図(c)、
(d)はFF再生時の状態を示し、同図(e),(f)
はFB再生時の状態を示す。
【0090】ここで先ず、サプライ側ガイドローラSG
Rとティクアップ側ガイドローラTGRとの構造につい
て説明する。サプライ側ガイドローラSGRとテイクア
ップ側ガイドローラTGRとは、ローディング機構の基
板139に取付けられている支持部140に対して、磁
気テープTの幅方向(図中、上下方向)に変位自在な状
態なものとして構成されている。支持部140はローデ
ィング機構の基板139を挟むように設けられている2
つの支持構成部140a,140bによって構成されて
いて、これらの支持構成部140a,140bでローデ
ィング機構の基板139を挟んで結合することにより、
ローディング機構の基板139に対して支持部140が
ローディングに際して移動可能に構成されている。
【0091】支持構成部140aの下方には中空部分1
41が設けられているとともに、この中空部分141の
外壁の一部には、スリットSが構成されている。また、
支持部140の支持構成部140a,140bの中心部
に設けた孔には、軸142が挿通されており、軸142
の端部にはピン143が固着されている。ピン143は
その両端部分がスリットSに案内されるため、軸142
が上下方向に移動するときに、軸142は回転すること
はない。また、ピン142と中空部分141の底部との
間には、軸142を常に下方に付勢するスプリング14
4が装着されている。従って、円弧状の作動体132,
133が回動すると、作動体132,133はその底面
が、ガイドローラSGR,TGRの支持部140の支持
構成部140a,140bの上部に構成されている小径
部分145の端面に摺接する。また、作動体132,1
33はそのフォーク状のカム部132c,133cのそ
れぞれの間隙の部分が、ガイドローラSGR,TGRの
下部フランジ146の下方に設けられている筒状部14
7を挟んだ状態で、ドラムベース20に設けられた案内
溝134に案内されて摺動する。
【0092】また、ローディング機構の基板139の上
方に設けられている支持構成部140bの上部に構成さ
れている小径部145には、軸142の径よりも大径の
中空部145aが構成されていて、下部フランジ146
の下方に設けられた筒状部147を、その上下方向の移
動に際して案内する。148は、磁気テープTの幅と対
応する長さを有するローラであって、軸142に回転自
在に装着されている。軸142の上端には上部フランジ
149が固着されている。それで、磁気テープTは、下
部フランジ146の上面と上部フランジ149の下面と
の間に設けられているローラ148の周面に摺接し、か
つ、下部フランジ146の上面と、上部フランジ149
の下面とによって幅方向の位置が規制された状態で走行
する。
【0093】図35(a),(b)は、磁気記録再生装
置がノーマル再生モードで動作している場合に、円弧状
の作動体132,133に設けられているカム部132
c,133cによって、ガイドローラSGR,TGRの
高さが規制されている状態を示している。すなわち、こ
のノーマル再生モードでは、図36(a)又は図37
(a)に示すようにドラム軸18とリード部材12の中
心軸93とは一致しており、サプライ側ガイドローラS
GRとテイクアップ側ガイドローラTGRとは、相対的
に変位されない状態とされるのである。
【0094】また、図35(c),(d)は、磁気記録
再生装置がFF再生モードで動作している場合に、円弧
状の作動体132,133に設けられているカム部13
2c,133cによって、ガイドローラSGR,TGR
のそれぞれの高さが規制されている状態を示している。
すなわち、FF再生モードでは、図36(b)に示すよ
うにドラム軸18はリード部材12の中心軸93に対し
て時計方向に回動傾斜してトラック補正がなされるた
め、磁気テープTの基準縁Teはリード部材12のリー
ド12aに対して角度θ2だけ傾こうとするが、これを
矯正すべくサプライ側ガイドローラSGRは下方に、テ
イクアップ側ガイドローラTGRは上方に変位すること
により、図36(d)に示すように、磁気テープTの基
準縁Teはリード12aの全体にわたって案内され、磁
気テープTは安定な走行状態になり、良好な状態の再生
信号が得られることになる。
【0095】また、図35(e),(f)は、磁気記録
再生装置がFB再生モードで動作している場合に、円弧
状の作動体132,133に設けられているカム部13
2c,133cによって、ガイドローラSGR,TGR
のそれぞれの高さが規制されている状態を示している。
すなわち、FB再生モードでは、図37(b)に示すよ
うにドラム軸18はリード部材12の中心軸93に対し
て反時計方向に回動傾斜してトラック補正がなされるた
め、磁気テープTの基準縁Teはリード部材12のリー
ド12aに対して角度θ2だけ傾こうとするが、これを
矯正すべくサプライ側ガイドローラSGRは上方に、テ
イクアップ側ガイドローラTGRは下方に変位すること
により、図37(d)に示すように、磁気テープTの基
準縁Teはリード12aの全体にわたって案内され、磁
気テープTは安定な走行状態になり、良好な状態の再生
信号が得られることになる。
【0096】次に、図38乃至図41を参照して本発明
の第4実施例について説明する。先に説明した第1実施
例乃至第3実施例におけるトラック補正はドラム軸18
を介して一体に構成されたテープガイドドラム10をリ
ード部材12に対して傾斜させるものであったが、本実
施例はこの逆に、テープガイドドラム10はドラムベー
ス20に固定しておきリード部材12を傾斜させてトラ
ック補正を行うものである。そして、リード補正は、上
に説明した第3実施例で採用した第2の方法によるリー
ド補正を用いるものである。以下、本実施例の動作原理
を図40及び図41を参照して説明した後、その具体的
な構成について説明する。
【0097】図40(a)は、ノーマル再生時の磁気テ
ープTの走行状態を示す図である。この状態では、ドラ
ム軸18とリード部材12の中心軸93は、一致してお
り、磁気テープTの基準縁Teは、リード部材12のリ
ード12aに沿って走行しており、磁気テープTがリー
ド12aから浮き上がったり、リード12aに押しつけ
られたりする現象は発生していない。
【0098】これに対し、同図(b)に示すFF再生時
の磁気テープTの走行状態では、リード部材12の中心
軸93は一点鎖線で示すように、ドラム軸18に対し
て、同図中点Oを中心として矢印で示すように反時計方
向に回動した状態とされる。このため、テープガイドド
ラム10に対する出口側(テイクアップ側ガイドローラ
TGR側)では、リード部材12のリード12aは磁気
テープTの基準縁Teを上方に押し上げる傾向を生じ
る。他方、テープガイドドラム10に対する入り口側
(サプライ側ガイドローラSGR側)では、リード部材
12のリード12aは磁気テープTの基準縁Teから離
間する傾向を生じることになる。この結果、磁気テープ
Tは同図(a)の走行態様に比較して入り口側が低く出
口側が高く傾斜することになるが、テープガイドドラム
10との摩擦力やその他の要因によりその基準縁Teが
リード12aと完全に一致した状態とはなりきれず、リ
ード部材12のリード12aに対して僅かな角度(θ
2)傾いてしまうことになる。
【0099】そこで、同図(c)に示すように、サプラ
イ側ガイドローラSGRを下方に変位させるとともに、
テイクアップ側ガイドローラTGRを上方に変位させる
ことにより、磁気テープTの走行経路を矯正してリード
部材12のリード12aに沿うようにリード補正を行う
のである。なお、このリード補正は、先に第3実施例に
おいて説明したのと同様に行えばよい。
【0100】図38(a),(b)は、第4実施例の断
面図であり、ノーマル再生時におけるテープガイドドラ
ム10及びその周辺部材を、図2中における直線L1,
L2に沿ってそれぞれ切断した断面を示す。図39
(a),(b)は、それぞれFF再生時、FB再生時に
おけるテープガイドドラム10及びその周辺部材を含め
た断面図であり、いずれも図2中における直線L2に沿
って切断した断面図である。本実施例は、上に説明した
ようにリード補正がなされる点を除いて、その他の点
は、先に説明した第1実施例と類似した構成であるた
め、以下、第1実施例と対比してその構成上の相違点を
説明し、その他の点については説明を省略する。第1実
施例では、リード部材12がドラムベース20に固定さ
れており、このリード部材12に対して、テープガイド
ドラム10が傾斜可能に構成されているが、本実施例で
は、下側固定ドラム10Aがドラムベース20に固定さ
れており、リード部材12がテープガイドドラム10に
対して傾斜可能に構成されている点に主たる相違点があ
る。
【0101】即ち、本実施例の下側固定ドラム10Aの
底面にはボス150,151が設けられており、これら
のボス150,151はリード部材12の底面部53に
形成された貫通孔154,155を貫通して、ネジ15
2,153によりドラムベース20の裏面側からドラム
ベース20に固定されている。そして、リード部材12
の底面部53とドラムベース20との間にはその90度
の方向と270度の方向にそれぞれスプリング156,
157が設けられており、これらのスプリング156,
157はリード部材12を上方に付勢して下側固定ドラ
ム10Aに押しつけている。
【0102】なお、リード部材12の底面部53の90
度の方向と270度の方向には支点ピン34,35が植
設してあり、これらの支点ピン34,35が下側固定ド
ラム10Aの孔43,44に遊嵌する構成である点、リ
ード部材12の底面部53に形成された貫通孔57の周
囲にはベアリング収容部56が形成されており、このベ
アリング収容部56には、その中心の高さが凸状の当接
面47,48の高さと一致するようにボールベアリング
31が挿嵌されている点、このボールベアリング31
は、例えば、単列深溝玉軸受のように、その内輪の中心
軸と外輪の中心軸との間に多少の傾斜を許容する自由度
を有する軸受が用いられる点等は、第1実施例の場合と
同様である。
【0103】このように、本実施例では、テープガイド
ドラム10はドラムベース20に固定されており、リー
ド部材12が支点ピン34,35とボールベアリング3
1とによって傾斜可能に支持されている。従って、ギア
スクリュー158がモータ40により駆動されて図39
(a)に示すように下方へ後退すると、リード部材12
はスプリング89の付勢力により直線CL1の周りに反
時計方向に傾斜してFF再生モードに適合したトラック
補正がなされることになる。この逆に、ギアスクリュー
158がモータ40により駆動されて図39(b)に示
すように上方へ前進すると、リード部材12はスプリン
グ89の付勢力に抗して直線CL1の周りに時計方向に
傾斜してFB再生モードに適合したトラック補正がなさ
れることになる。またこの際、サプライ側ガイドローラ
SGR、テイクアップ側ガイドローラTGRがそれぞれ
変位されて必要なリード補正がなされることは上に述べ
たとおりである。
【0104】なお、以上の説明では、リード部材の中心
軸93とドラム軸18とが一致した同軸の状態が記録モ
ードであり、このような状態で記録された磁気テープを
FF再生又はFB再生する場合にリード部材12の中心
軸93とドラム軸18とを相対的に傾斜させる例につい
て述べた。しかし、本願発明に係る磁気記録再生装置は
このような記録態様又は再生態様のみ限定されるもので
はない。即ち、先にも述べたように、タイムラプス又は
所謂駒撮り記録を行う場合には、記録モードににおいて
リード部材12の中心軸93とドラム軸18とを予め相
対的に傾斜させ状態で記録を行い、このようにして記録
された磁気テープを標準の速度で走行させて再生するに
は、リード部材の中心軸93とドラム軸18とが一致し
た同軸の状態とすればよいのである。
【0105】また、以上の実施例やそれらの変形例で
は、磁気ヘッドHa,Hbが上側回転ドラム10Bに搭
載されて、上側回転ドラム10Bとともに回転する構成
の磁気記録再生装置を例に説明したが、本発明は斯かる
構成の磁気記録再生装置に限定されるものではない。即
ち、先に説明した各実施例における上側回転ドラム10
Bをドラム軸18に固着し、磁気ヘッドHa,Hbはド
ラム軸18の周りに回転する別部材に搭載する構成の変
形例も可能である。以下、斯かる構成をとった変形例に
ついて図42を参照して簡単に説明する。図42は、ノ
ーマル再生時におけるテープガイドドラム10及びその
周辺部材を含めた断面図であり、同図(a)は、図2中
における直線L1に沿って切断した断面図である。本変
形例では、上ドラム10Cはカラー23を介してドラム
モータ19のステータ19aとともにドラム軸18にネ
ジ21,22により固定されている。一方、磁気ヘッド
Ha,Hbは上ドラム10Cとは切り放されて別体に構
成されたヘッドベース159に搭載されドラム軸18の
周りに回転する構成となっている。即ち、ヘッドベース
159はボールベアリング25,26によりドラム軸1
8の周りに回転自在に支持されるとともにその上面には
ドラムモータ19のロータ19bがネジ27,28によ
り取り付けられている。また、ヘッドベース159の下
面にはロータリートランス29が設けられており下側固
定ドラム10Aに固定されたロータリートランス30と
対向して信号の授受を行う。従って、本変形例では、上
ドラム10C、ドラムモータ19、ヘッドベース15
9、下側固定ドラム10Aは、ドラム軸18を介して一
体に支持されこれら全体がリード部材12に対して直線
CL1の周りに傾斜してトラック補正がなされる構成と
なっている。なお、ドラム軸18がリード部材12に設
けられたボールベアリング31に挿嵌されて支持されて
いる点、支点ピン34,35により傾斜回動の中心軸と
なるべき直線CL1が決定されている点等は、図9を参
照して最初に説明した第1実施例の場合と同様である。
なお、ここで説明した変形例では、トラック補正のみ行
う場合の構成について述べたが、先に説明した第2実施
例乃至第4実施例を参照すれば、本変形例にリード補正
を併せて実施することが可能なことはいうまでもない。
【0106】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気記録
再生装置によれば、記録時と再生時とにおける磁気テー
プの走行速度や走行方向が異なる場合であっても、磁気
テープの走行状態を安定に維持しながら、記録時と再生
時とにおけるトラックパターンを常に一致させた状態に
維持することができるため、ノイズバーのない良好な再
生画像を得ることができるものである。
【0107】また、圧電素子やボイスコイル等のアクチ
ュエータを用いた従来の磁気記録再生装置では、その振
幅周波数特性の制限から、記録時の磁気テープの走行速
度と再生時のそれとの比をあまり大きくとることはでき
なかったが、本発明の磁気記録再生装置では、このよう
な振幅周波数特性の制限がないため、大きな速度比での
トリックプレイも可能となるものである。
【0108】更に、本発明の磁気記録再生装置では、ド
ラム軸と円環状部の中心軸とが同軸である第1の状態と
該ドラム軸と該円環状部の中心軸とが互いに傾斜した第
2の状態との間で、該ドラム軸と該円環状部の中心軸と
を該第1の状態における該ドラム軸上の特定点を中心に
相対的に傾斜させる第1の回動手段と、該第1の状態と
該第2の状態とにおける該ドラム軸と該円環状部の中心
軸とを該特定点上に支持する支持手段と、該第1の状態
における該ドラム軸と該第2の状態における該ドラム軸
とを含む特定平面上の該特定点に立てた法線の方向が該
テープガイドドラムの周面に対する該磁気テープの巻き
付け角度範囲を2等分した方向と一致すべく該ドラム軸
と該円環状部の中心軸との相対的な傾斜方向を規制する
傾斜方向規制手段とを具備した構成であるため、ノーマ
ル再生時、FF再生時、FB再生時等の各モードにおい
て、これらの特定点、特定平面は不動の状態に維持され
て磁気テープ上に形成される磁気ヘッドHa,Hbの回
転軌跡はその直線性が維持される。
【0109】また、本発明のテープ案内部材は、円環状
部と底面部とから構成されており大略お椀状の形状であ
るため、その剛性が高く、リード等の加工に際しても加
工歪み等を生じることがなく高精度な加工が可能であり
生産性に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なVTRのテープガイドドラム近傍にお
ける磁気テープの走行系を示す正面図である。
【図2】図1をドラム軸の方向からみた平面図である。
【図3】FM再生信号波形を示す図である。
【図4】テープパターンを模式的に示す図である。
【図5】テープパターンを模式的に示す図である。
【図6】従来の磁気記録再生装置の全体構成を示す斜視
図である。
【図7】図6の磁気記録再生装置のテープガイドドラム
近傍における磁気テープの走行系を示す正面図である。
【図8】本発明の第1実施例のテープガイドドラム周辺
の構成を示す斜視図である。
【図9】第1実施例のノーマル再生時におけるテープガ
イドドラム及びその周辺部材を含めた断面図である。
【図10】第1実施例のトリックプレイ時におけるテー
プガイドドラム及びその周辺部材を含めた断面図であ
る。
【図11】第1実施例の下側固定ドラム、リード部材及
びこれらを支持するドラムベースを分解して示す斜視図
である。
【図12】第1実施例の下側固定ドラムを図11の反対
側からみた斜視図である。
【図13】第1実施例のリード部材を図11の反対側か
らみた斜視図である。
【図14】第1実施例の第1変形例のノーマル再生時に
おけるテープガイドドラム及びその周辺部材を含めた断
面図である。
【図15】第1実施例の第2変形例のノーマル再生時に
おけるテープガイドドラム及びその周辺部材を含めた断
面図である。
【図16】第1実施例の第2変形例のノーマル再生時に
おけるテープガイドドラム及びその周辺部材を含めた断
面図である。
【図17】第1実施例の第3変形例のノーマル再生時に
おけるテープガイドドラム及びその周辺部材を含めた断
面図である。
【図18】第1実施例の第3変形例の下側固定ドラム、
リード部材及びこれらを支持するドラムベースを分解し
て示す斜視図である。
【図19】本発明の第2実施例のテープガイドドラム周
辺の構成を示す斜視図である。
【図20】第2実施例のノーマル再生時におけるテープ
ガイドドラム及びその周辺部材を含めた断面図である。
【図21】第2実施例のトリックプレイ時におけるテー
プガイドドラム及びその周辺部材を含めた断面図であ
る。
【図22】第2実施例の下側固定ドラム、リード部材及
びこれらを支持するドラムベースを分解して示す斜視図
である。
【図23】第2実施例の下側固定ドラムを図22の反対
側からみた斜視図である。
【図24】第2実施例のリード部材を図22の反対側か
らみた斜視図である。
【図25】第2実施例の第1変形例のテープガイドドラ
ム周辺の構成を示す斜視図である。
【図26】第2実施例の第1変形例のノーマル再生時に
おけるテープガイドドラム及びその周辺部材を含めた断
面図である。
【図27】第2実施例の第1変形例のトリックプレイ時
におけるテープガイドドラム及びその周辺部材を含めた
断面図である。
【図28】第2実施例の第1変形例の下側固定ドラム、
リード部材及びこれらを支持するドラムベースを分解し
て示す斜視図である。
【図29】第2実施例の第2変形例のノーマル再生時に
おけるテープガイドドラム及びその周辺部材を含めた断
面図である。
【図30】第2実施例の第2変形例のトリックプレイ時
におけるテープガイドドラム及びその周辺部材を含めた
断面図である。
【図31】第2実施例の第3変形例のノーマル再生時に
おけるテープガイドドラム及びその周辺部材を含めた断
面図である。
【図32】第2実施例の第3変形例の下側固定ドラム、
リード部材及びこれらを支持するドラムベースを分解し
て示す斜視図である。
【図33】第2実施例の第4変形例のノーマル再生時に
おけるテープガイドドラム及びその周辺部材を含めた断
面図である。
【図34】本発明の第3実施例のテープガイドドラム周
辺の構成を示す斜視図である。
【図35】第3実施例におけるガイドローラの状態と作
動体のカム部の状態とを示す断面図である。
【図36】第2実施例又は第3実施例におけるトラック
補正とリード補正との関係を説明する図である。
【図37】第2実施例又は第3実施例におけるトラック
補正とリード補正との関係を説明する図である。
【図38】第4実施例のノーマル再生時におけるテープ
ガイドドラム及びその周辺部材を含めた断面図である。
【図39】第4実施例のトリックプレイ時におけるテー
プガイドドラム及びその周辺部材を含めた断面図であ
る。
【図40】第4実施例におけるトラック補正とリード補
正との関係を説明する図である。
【図41】第4実施例におけるトラック補正とリード補
正との関係を説明する図である。
【図42】他の変形例のノーマル再生時におけるテープ
ガイドドラム及びその周辺部材を含めた断面図である。
【符号の説明】
1 傾斜ポール 2 傾斜ポール 3 サプライリール 4 消去ヘッド 5 インピーダンスローラ 6 オーディオコントロールヘッド 7 キャプスタン 8 ピンチローラ 9 テイクアップリール 10 テープガイドドラム 10A 下側固定ドラム 10B 上側回転ドラム 11 ドラム支持部材 12 リード部材 12a リード 13 ピン 14 シャーシ 15 ステッピングモータ 16 スチールベルト 17 プーリ 18 ドラム軸 19 ドラムモータ 20 ドラムベース 21 ネジ 22 ネジ 23 カラー 24 セットスクリュー 25 ボールベアリング 26 ボールベアリング 27 ネジ 28 ネジ 29 ロータリートランス 30 ロータリートランス 31 ボールベアリング 32 ネジ 33 ネジ 34 支点ピン 35 支点ピン 36 カラー 37 セットスクリュー 38 スプリング 39 スプリング 40 モータ 41 中間ギア 42 ギアスクリュー 43 孔 44 孔 45 当接面 46 当接面 47 当接面 48 当接面 49 スプリング保持穴 50 スプリング保持穴 51 スプリング 52 円環状部 53 底面部 54 スプリング保持穴 55 スプリング保持穴 56 ベアリング収容部 57 貫通孔 58 凸状円環部 59 ネジ孔 60 スプリング保持穴 61 スプリング保持穴 62 丸ピン 63 長孔 64 孔 65 嵌合部 66 ブッシング 67 スプリング保持ピン 68 スプリング保持ピン 69 スプリング 70 スプリング 71 Cリング 72 Cリング 73 支点ピン 74 支点ピン 75 貫通孔 76 貫通孔 77 貫通孔 78 貫通孔 79 孔 80 孔 81 当接面 82 当接面 83 当接面 84 当接面 85 貫通孔 86 スプリング保持穴 87 スプリング保持穴 88 スプリング保持穴 89 スプリング 90 ギアスクリュー 91 中間ギア 92 ネジ孔 93 リード部材の中心軸 94 段付きシャフト 95 段付きシャフト 96 軸受部 97 軸受部 98 V溝 99 V溝 100 取付板 101 取付板 102 軸受部 103 軸受部 104 貫通孔 105 貫通孔 106 貫通孔 107 貫通孔 108 ブッシング 109 カラー 110 ネジ 111 ネジ 112 板バネ 113 フライホイール 114 ネジ 115 ネジ 116 ネジ 117 ネジ 118 スプリング 119 ボス 120 ボス 121 貫通孔 122 貫通孔 123 ネジ 124 ネジ 125 サスペンションリング 126 凹部 127 係止穴 128 スペーサ付き支点ピン 129 スペーサ付き支点ピン 130 貫通孔 131 貫通孔 132 作動体 133 作動体 134 案内溝 135 モータ 136 モータ 137 カラー付きピン 138 カラー付きピン 139 基板 140 支持部 141 中空部分 142 軸 143 ピン 144 スプリング 145 小径部 146 下部フランジ 147 筒状部 148 ローラ 149 上部フランジ 150 ボス 151 ボス 152 ネジ 153 ネジ 154 貫通孔 155 貫通孔 156 スプリング 157 スプリング 158 ギアスクリュー 159 ヘッドベース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−196458(JP,A) 特開 昭61−196459(JP,A) 特開 昭58−12129(JP,A) 特開 昭56−54656(JP,A) 実開 昭61−158633(JP,U) 実開 昭54−105508(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 15/60 - 15/61 G11B 5/52 G11B 5/56 G11B 5/588 G11B 5/027 501

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上ドラムと下ドラムとからなるテープガイ
    ドドラムと、 該上ドラムと該下ドラムとを同軸に支持するドラム軸
    と、 該上ドラムと該下ドラムとの間に設けられた回転磁気ヘ
    ッドと、 その一縁部が磁気テープの基準縁を案内するリードとし
    て機能する円環状部と底面部とから大略構成され該テー
    プガイドドラムとは別体のテープ案内部材と、 該下ドラムの下部に形成されて該下ドラムの磁気テープ
    摺接面より小径であって該テープ案内部材の円環状部と
    遊嵌すべき段部と、 該ドラム軸と該円環状部の中心軸とが同軸である第1の
    状態と該ドラム軸と該円環状部の中心軸とが互いに傾斜
    した第2の状態との間で、該ドラム軸と該円環状部の中
    心軸とを該第1の状態における該ドラム軸上の特定点を
    中心に相対的に傾斜させる第1の回動手段とを具備した
    磁気記録再生装置において、 該第1の状態と該第2の状態とにおける該ドラム軸と該
    円環状部の中心軸とを該特定点上に支持する支持手段を
    設け、 該装置の基部に該下ドラムを固定し、該ドラム軸に対し
    て該テープ案内部材を傾斜可能に支持したことを特徴と
    する磁気記録再生装置。
  2. 【請求項2】該第1の状態における該円環状部の中心軸
    と該第2の状態における該円環状部の中心軸とを含む特
    定平面上の該特定点に立てた法線の方向が該テープガイ
    ドドラムの周面に対する該磁気テープの巻き付け角度範
    囲を2等分した方向と一致すべく該ドラム軸と該円環状
    部の中心軸との相対的な傾斜方向を規制する傾斜方向規
    制手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の磁気記
    録再生装置。
  3. 【請求項3】上ドラムと下ドラムとからなるテープガイ
    ドドラムと、 該上ドラムと該下ドラムとを同軸に支持するドラム軸
    と、 該上ドラムと該下ドラムとの間に設けられた回転磁気ヘ
    ッドと、 その一縁部が磁気テープの基準縁を案内するリードとし
    て機能する円環状部と底面部とから大略構成され該テー
    プガイドドラムとは別体のテープ案内部材と、 該下ドラムの下部に形成されて該下ドラムの磁気テープ
    摺接面より小径であって該テープ案内部材の円環状部と
    遊嵌すべき段部と、 該ドラム軸と該円環状部の中心軸とが同軸である第1の
    状態と該ドラム軸と該円環状部の中心軸とが互いに傾斜
    した第2の状態との間で、該ドラム軸と該円環状部の中
    心軸とを該第1の状態における該ドラム軸上の特定点を
    中心に相対的に傾斜させる第1の回動手段とを具備した
    磁気記録再生装置において、 該第1の状態と該第2の状態とにおける該ドラム軸と該
    円環状部の中心軸とを該特定点上に支持する支持手段を
    設け、 該ドラム軸と該テープ案内部材の該円環状部の中心軸と
    を一体に傾斜させる第2の回動手段を設けたことを特徴
    とする磁気記録再生装置。
  4. 【請求項4】該磁気テープの走行経路中、該テープガイ
    ドドラムの入り口側に設けられて該磁気テープの走行高
    さを規制する第1のガイドローラと、 該磁気テープの走行経路中、該テープガイドドラムの出
    口側に設けられて該磁気テープの走行高さを規制する第
    2のガイドローラと、 該第1のガイドローラの高さを該磁気テープの幅方向に
    変化させる第1の変位駆動手段と、 該第2のガイドローラの高さを該磁気テープの幅方向に
    変化させる第2の変位駆動手段とを設けたことを特徴と
    する請求項1又は請求項2記載の磁気記録再生装置。
  5. 【請求項5】該支持手段はその内輪の中心軸と外輪の中
    心軸との間に多少の傾斜を許容する自由度を有し、該外
    輪が該テープ案内部材の該底面部に該円環状部と同軸に
    保持され、該内輪にドラム軸が嵌合したボールベアリン
    グであることを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の
    何れか一の磁気記録再生装置。
  6. 【請求項6】該支持手段は該テープ案内部材の該底面部
    に該円環状部と同軸に形成されてドラム軸が嵌合する貫
    通孔であって、該貫通孔はその断面形状が略ナイフエッ
    ジ形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項4記
    載の何れか一の磁気記録再生装置。
  7. 【請求項7】該支持手段は同心円状に形成された大径リ
    ングと小径リングと該大径リングと該小径リングとをこ
    れらの直径方向の2箇所で連結する可撓性を有する連結
    部材とからなるサスペンションリングと、 該テープ案内部材の該底面部に該円環状部と同軸に形成
    され該大径リングの外径が嵌合するサスペンションリン
    グ保持部と、 該小径リングの内径に嵌合すべく該下側固定ドラムに形
    成された該ドラム軸と同軸の嵌合部とからなることを特
    徴とする請求項1乃至請求項4記載の何れか一の磁気記
    録再生装置。
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