JPH06162631A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トリックプレイ時にもノイズバーのない再生
画像が得られるＶＴＲを得る。 【構成】 磁気テープの基準縁の案内部Ｇを備えている
下ドラムＤｄが装置の固定部ＤＢに対して固設する。下
ドラムＤｄの内方空間部には、下ドラムＤｄの中心軸に
直交する面の内の特定な面付近だけで下ドラムＤｄに嵌
合している状態にされているとともに、前記した嵌合部
を含む面付近の面内でドラムの周面に対する磁気テープ
の巻付範囲の中央位置と下ドラムの中心軸とを通過する
直線上に構成させた２つの回動支点３０，３１によって
回動自在に支持部材ＳＡを設ける。前記した２つの回動
支点３０，３１を結ぶ直線に直交する直線の内で下ドラ
ムの中心軸を通る直線と下ドラムの中心軸とを含む面内
で上ドラムの回転中心の軸を傾斜させて、回転磁気ヘッ
ドの回転軌跡面の位置を変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は磁気記録再生装置、特
に、ドラムの周面の一部に摺接しながら走行する磁気テ
ープの走行速度の変化に応じて回転磁気ヘッドの回転軌
跡面の空間位置を変化させることにより回転磁気ヘッド
が記録跡を良好に追跡できるようにした磁気記録再生装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】上ドラムと下ドラムとからなるドラムの
周面の一部へ巻回された状態の磁気テープを所定の走行
速度で走行させて、回転磁気ヘッドを用いて記録再生動
作を行なうようにしている磁気記録再生装置の代表例と
してはビデオ・テープ・レコーダ(ＶＴＲ)を挙げること
ができる。そして、現在、実用されているＶＴＲは、開
発されてからこれまでの間の飛躍的な進歩によって画質
や機能が大幅に向上したものになっていることは周知の
とおりである。ＶＴＲの使用に当っては、記録時と同一
の磁気テープ走行速度で記録情報の再生動作を行なう通
常再生（ノーマル再生）の他に、記録時の磁気テープの
走行速度や走行方向とは異なる走行速度や走行方向で磁
気テープを走行（停止も含む）させて再生動作を行なう
トリックプレイも広く行なわれている。

【０００３】ところで、回転磁気ヘッドの回転軌跡と対
応して磁気テープに記録形成される記録跡パターン（ト
ラックパターン）は、磁気テープの走行速度が異なるの
につれて、例えば図１３に示されているように異なるも
のになる。図１３において、図中の磁気テープＴの下縁
に矢印により起点と指示してある部分と、磁気テープの
上縁に×１と記載してある点とを結ぶ直線及び前記の直
線に平行な多数の直線は、記録時における磁気テープの
走行速度と走行方向と、同一の走行速度と走行方向で磁
気テープを走行させて再生動作を行なった場合（通常記
録再生時…ノーマル記録再生時）に、磁気テープＴ上に
描かれる回転磁気ヘッドの回転軌跡であり、また、図１
３中に＋２，＋３…＋７のように記載してある各点の位
置と、起点とを結んだときに描かれる各直線は、記録時
における磁気テープＴの走行方向と同一の方向（記録時
における磁気テープＴの走行方向を＋の符号で現わして
いる）に、記録時の磁気テープＴの走行速度の２倍，３
倍…７倍の走行速度で、磁気テープＴを走行させて再生
動作を行なった場合（２倍速，３倍速…７倍速で再生動
作を行なった場合）に磁気テープＴ上に描かれる回転磁
気ヘッドの回転軌跡を示すことになる。

【０００４】さらに、図１３中に−２，−３…−７のよ
うに記載してある各点の位置と、起点とを結ぶ各直線
は、記録時における磁気テープＴの走行方向と逆の方向
（記録時における磁気テープＴの走行方向と逆の走行方
向を−の符号で現わしている）に、記録時の磁気テープ
Ｔの走行速度の２倍，３倍…７倍の走行速度で、磁気テ
ープＴを走行させて再生動作を行なった場合に磁気テー
プＴ上に描かれる回転磁気ヘッドの回転軌跡を示すこと
になる。なお、図１３中に、前記した起点と図中の磁気
テープＴの上縁に０のように指示してある点とを結ぶ直
線は、磁気テープＴを停止させた状態で再生動作を行な
った場合（スチル再生時）に磁気テープＴ上に描かれる
回転磁気ヘッドの回転軌跡を示している。

【０００５】磁気記録再生装置がＶＨＳ(登録商標)方式
における標準モードで連続再生できるようなものとして
構成されている場合に、直径が６２ｍｍの回転ドラムに
取付けられた回転磁気ヘッドを毎分毎分１８００回転さ
せ、ドラムの外周の一部に巻回されている磁気テープが
毎秒３３.３５ｍｍの送り速度で移送した状態として記
録再生動作が行なわれたときに、前記した回転磁気ヘッ
ドによって磁気テープＴに描かれる記録跡(回転磁気ヘ
ッドの回転軌跡)は、磁気ヘッドＴの基準縁Ｔｅに対し
て５°５８’９.９”の角度を示すものとなる{磁気テー
プＴの走行時におけるビデオトラック角度は…５°５
８’９.９”である}。そして、前記したＶＨＳ(登録商
標)方式において、磁気テープＴを停止状態にして再生
している場合におけるビデオトラック角度は、５°５
６’７.４”であり、また例えば、既述した図１３中の
＋７のように記載してある点の位置と起点とを結ぶ直線
は、磁気ヘッドＴの基準縁Ｔｅに対して６°１０’５
４”の角度を示し、さらに例えば既述した図１３中の−
７のように記載してある点の位置と起点とを結ぶ直線
は、磁気ヘッドＴの基準縁Ｔｅに対して５°４２’２
５.７”の角度を示すものとなる。

【０００６】さて、図１３に例示されている記録跡パタ
ーンを参照すれば明らかなように、磁気テープＴの下縁
の起点位置と、磁気テープの上縁に×１と記載してある
点とを結ぶ直線及び前記の直線に平行な多数の直線によ
って示されている記録跡、すなわち通常記録再生時（ノ
ーマル記録再生時）に、回転磁気ヘッドによって磁気テ
ープＴ上に描かれる回転磁気ヘッドの回転軌跡と、トリ
ックプレイ時に回転磁気ヘッドによって磁気テープＴ上
に描かれる回転磁気ヘッドの回転軌跡とは交叉した状態
になる。したがって、トリックプレイ時に再生される再
生信号の周波数被変調波信号の信号レベルは、回転磁気
ヘッドが記録跡を横切る度毎に大きく変化しており、１
垂直走査期間における再生信号の周波数被変調波信号の
エンベロープをみると、１垂直走査期間中に大きな起伏
が生じているものになる。それで、トリックプレイ時に
おける再生画像としては、画像中にノイズバーが生じて
いる品質の悪い再生画像しか得られない。特に、民生用
デジタルＶＴＲでは、高能率符号化方式によって映像信
号のデータ量を圧縮して記録しているために、早送り再
生時や巻戻し再生時等のように回転磁気ヘッドが磁気テ
ープＴの記録跡を横切って再生動作を行なった場合に、
モザイク状に並べられているデータのブロックの配列状
態の如何によっては全く画像が再生できないことも起こ
る。

【０００７】前述の問題点を解決するのには、回転磁気
ヘッドの回転軌跡と磁気テープＴの記録跡とを一致させ
ればよいのであり、従来から開ループ制御回路または
閉ループ制御回路におけるアクチュエータとして使用さ
れる電気ー機械変換素子に回転磁気ヘッドを取付けてお
き、電気ー機械変換素子によって回転磁気ヘッドを変位
させて、回転磁気ヘッドを磁気テープＴの記録跡に追跡
させるようにしたり、例えば特開平３ー２１６８４９
号公報、実開昭６１ー１５８６３３号公報等に開示され
ているように、回転磁気ヘッドを取付けた回転ドラムと
下ドラムとを一体的に傾斜させて回転ヘッドが磁気テー
プＴの記録跡を追跡できるようにする、その他の解決手
段が提案されて来ている他に、デジタルＶＴＲにおい
ては画素の単位となるブロック配置や誤り訂正能力の改
善などについての提案が行なわれて来ている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前記した
のようにアクチュエータとして使用される電気ー機械変
換素子を用いて回転磁気ヘッドの回転軌跡を制御させる
ようにしたＶＴＲでは、回転磁気ヘッドの回転軌跡を制
御するための電気ー機械変換素子を、回転ドラム内の狭
い空間内に設けなければならないので、使用する電気ー
機械変換素子としては小さな形状寸法のものが必要とさ
れるが、小さな形状寸法の電気ー機械変換素子は回転磁
気ヘッドに大きな変位を与えることが困難であり、ま
た、電気ー機械変換素子によって変位される回転磁気ヘ
ッドが変位によっても磁気テープに対するヘッドタッチ
の状態が不良にならないような構成のものでなければな
らないが、良好な動作特性を示す小型なアクチュエータ
を用いて良好な記録再生動作を行なうＶＴＲを構成させ
ることは困難である。

【０００９】また、前記したの回転ドラムと下ドラム
とを一体的に傾斜させて回転ヘッドが磁気テープＴの記
録跡を追跡できるようにした特開平３ー２１６８４９号
公報に開示されている磁気記録再生装置では、トリック
プレイ時に磁気テープの基準縁Ｔｅの位置が案内部によ
って案内されていない状態で磁気テープＴが走行してい
る状態となるために、早送り再生時と巻戻し再生時との
何れの場合にも、ノイズバーの除去を完全に行なうこと
ができないということが問題になる。また、実開昭６１
ー１５８６３３号公報等に開示されている磁気テープ記
録再生装置では、下ドラムと別体に構成されている磁気
テープの基準縁を案内する部材を装置の固定部に固着さ
せておいて、回転磁気ヘッドを取付けた回転ドラムと下
ドラムとを一体的に傾斜させて回転ヘッドが磁気テープ
Ｔの記録跡を追跡できるようにしているが、この装置で
は磁気テープＴの基準縁Ｔｅを案内するための部材を装
置の固定部に固着させておいたとしても、磁気テープＴ
との摺接面を有する下ドラムが回転ドラムと一体的に傾
斜したときに、下ドラムの摺接面に摺接している状態で
走行している磁気テープＴが、下ドラムの摺接面に摺接
している状態のままで下ドラムとともに傾斜するため
に、前記した上，下のドラムの傾斜によって、磁気テー
プＴの基準縁Ｔｅを案内するための部材から磁気テープ
Ｔの基準縁Ｔｅが離れる方向に変位した場合には、前記
した磁気テープＴの基準縁Ｔｅを案内するための部材に
よって、磁気テープＴの基準縁Ｔｅが案内されていない
状態で磁気テープＴが走行している状態となるために、
早送り再生時と巻戻し再生時との何れか一方の場合に、
ノイズバーの除去を完全に行なうことができないことが
起こるということが問題になる他、この実開昭６１ー１
５８６３３号公報等に開示されている磁気テープ記録再
生装置のように、装置の固定部に固着させておくべき磁
気テープの基準縁を案内する部材が、下ドラムと別体に
構成されている場合には製作が極めて困難である等の問
題点がある。さらに、のデジタルＶＴＲにおける画素
の単位となるブロック配置や誤り訂正能力の改善によっ
ても、良好な再生画像は得ることができない。それで、
前記した諸問題点の解決策が求められた。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は上ドラムと下ド
ラムとからなるドラムの周面の一部へ巻回された状態の
磁気テープに、回転磁気ヘッドを用いて記録再生動作が
行なわれる磁気記録再生装置において、外周面に磁気テ
ープの基準縁に対する案内部を備えている下ドラムを装
置の固定部に固設し、また、前記した下ドラムの内方空
間部には、回転磁気ヘッドが取付けられた部材を回転さ
せるための回転軸の軸受け部を備えた支持部材を、前記
した下ドラムの中心軸に直交する面の内で特定な面付近
だけで下ドラムに嵌合している状態に設け、前記したド
ラムの周面に対する磁気テープの巻付範囲の中央位置と
下ドラムの中心軸とを通過し、かつ、前記した下ドラム
の中心軸に直交する平面内に在る直線を第１の基準方向
の直線とし、さらに前記した第１の基準方向の直線と下
ドラムの中心軸との双方に直交し、かつ、下ドラムの中
心軸を通過する直線を第２の基準方向の直線として、前
記した回転磁気ヘッドの回転軌跡面の傾斜態様を変化さ
せるために、前記した下ドラムと支持部材とが嵌合して
いる特定な平面の近傍の面内における前記した第１の基
準方向の直線上に構成させた回動支点を回動中心として
前記の支持部材を回動させたときに、前記した回転軸が
前記した第２の基準方向の直線と下ドラムの中心軸とを
含む面内で傾斜できるように、前記した支持部材を装置
の固定部に弾発的に連結支持させてなる磁気記録再生装
置や、上ドラムと下ドラムとからなるドラムの周面の一
部へ巻回された状態の磁気テープに、回転磁気ヘッドを
用いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再生装置にお
いて、外周面に磁気テープの基準縁に対する案内部を備
えている下ドラムを装置の固定部に固設し、また、前記
した下ドラムの内方空間部には、ドラム駆動モータのロ
ータが一体的に固着されているとともに、回転磁気ヘッ
ドが取付けられている上ドラムに固設してある軸受けを
嵌装して上ドラムの回転中心位置を定めるべき固定軸を
固設させてある支持部材を、前記した下ドラムの中心軸
に直交する面の内で特定な面付近だけで下ドラムに嵌合
している状態に設け、前記したドラムの周面に対する磁
気テープの巻付範囲の中央位置と下ドラムの中心軸とを
通過し、かつ、前記した下ドラムの中心軸に直交する平
面内に在る直線を第１の基準方向の直線とし、さらに前
記した第１の基準方向の直線と下ドラムの中心軸との双
方に直交し、かつ、下ドラムの中心軸を通過する直線を
第２の基準方向の直線として、前記した回転磁気ヘッド
の回転軌跡面の傾斜態様を変化させるために、前記した
下ドラムと支持部材とが嵌合している特定な平面の近傍
の面内における前記した第１の基準方向の直線上に構成
させた回動支点を回動中心として前記の支持部材を回動
させたときに、前記した上ドラムの回転中心位置を定め
るべき固定軸が前記した第２の基準方向の直線と下ドラ
ムの中心軸とを含む面内で傾斜できるように、前記した
支持部材を装置の固定部に弾発的に連結支持させてなる
磁気記録再生装置、及び前記した磁気記録再生装置にお
いて前記した回転軸あるいは固定軸の傾斜を可変調節で
きるようにした手段を備えた磁気記録再生装置、ならび
に前記した磁気記録再生装置において前記した回転軸あ
るいは固定軸の傾斜を、磁気テープの走行速度と対応し
て変化させる手段とを備えた磁気記録再生装置、及び前
記した磁気記録再生装置において下ドラムの中心軸を回
動中心として回動させるうるような態様を以って、装置
の固定部と前記した支持部材との間に環状のカム部材を
配設するとともに、前記したカム部材の円周方向に構成
させたカム輪郭と支持部材に設けたカム従動体とが圧接
状態となるように前記した装置の固定部と支持部材とカ
ム部材とを弾発的に連結させ、前記した環状のカム部材
の回動時に、前記した２つの回動支点を結ぶ直線と直交
し、かつ、前記した下ドラムの中心軸を含む面内におい
て前記の回転軸あるいは固定軸の傾斜を変化させる傾斜
調節手段を備えた磁気記録再生装置を提供する。

【００１１】

【作用】装置の固定部に対して下ドラムが固設されてい
るために、磁気記録再生装置の再生モードがどうであっ
ても、上ドラムと下ドラムとからなるドラムの周面の一
部へ巻回された状態の磁気テープは、下ドラムの外周面
に設けられている磁気テープの基準縁に対する案内部に
よって案内された状態でドラムの周面上を走行したり停
止した状態にされる。回転磁気ヘッドを取付けてある部
材を回転させるための回転軸の軸受け部を備えている支
持部材が、前記のように装置の固定部に固設されている
下ドラムの内方空間部には、下ドラムの中心軸に直交す
る面の内の特定な面付近だけで下ドラムに嵌合している
状態にされているとともに、前記した嵌合部を含む面付
近の面内でドラムの周面に対する磁気テープの巻付範囲
の中央位置と下ドラムの中心軸とを通過する直線上に構
成させた２つの回動支点によって回動自在に設けられて
いるから、前記の支持部材を前記した２つの回動支点を
結ぶ直線を回動中心として回動させて、前記した２つの
回動支点を結ぶ直線に直交する直線の内で下ドラムの中
心軸を通る直線と下ドラムの中心軸とを含む面内で前記
の回転軸を傾斜させることにより回転磁気ヘッドの回転
軌跡面の位置を変化させて、回転磁気ヘッドを磁気テー
プの記録跡を良好に追跡できるようにさせることが可能
となる。

【００１２】また、ドラム駆動モータのロータが一体的
に固着されているとともに、回転磁気ヘッドが取付けら
れている上ドラムに固設してある軸受けを嵌装して上ド
ラムの回転中心位置を定めるべき固定軸を固設させてあ
る支持部材が、前記のように装置の固定部に固設されて
いる下ドラムの内方空間部には、下ドラムの中心軸に直
交する面の内の特定な面付近だけで下ドラムに嵌合して
いる状態にされているとともに、前記した嵌合部を含む
面付近の面内でドラムの周面に対する磁気テープの巻付
範囲の中央位置と下ドラムの中心軸とを通過する直線上
に構成させた２つの回動支点によって回動自在に設けら
れているから、前記の支持部材を前記した２つの回動支
点を結ぶ直線を回動中心として回動させて、前記した２
つの回動支点を結ぶ直線に直交する直線の内で下ドラム
の中心軸を通る直線と下ドラムの中心軸とを含む面内で
前記の回転軸を傾斜させることにより、回転磁気ヘッド
の回転軌跡面の位置を変化させて、回転磁気ヘッドを磁
気テープの記録跡を良好に追跡できるようにさせること
が可能となる。

【００１３】さらに、前記した回転軸あるいは前記した
固定軸の傾斜を磁気テープの走行速度と対応して変化さ
せることにより、磁気テープの走行速度がどうであって
も、ノイズバーの無い再生画像を得ることができる。前
記した回転軸あるいは前記した固定軸の傾斜により回転
磁気ヘッドの回転軌跡面の位置を変化させるための機構
として、下ドラムの中心軸を回動中心として回動させる
うるような態様を以って、装置の固定部と前記した支持
部材との間に環状のカム部材を配設させるとともに、前
記したカム部材の円周方向に構成させたカム輪郭と支持
部材に設けたカム従動体とが圧接状態となるように前記
した装置の固定部と支持部材とカム部材とを弾発的に連
結させた構造のものを用いたから、環状のカム部材の回
動々作によって、前記した２つの回動支点を結ぶ直線と
直交し、かつ、前記した下ドラムの中心軸を含む面内に
おいて前記の回転軸あるいは前記した固定軸の傾斜角を
精密に容易に変化させることができる。

【００１４】

【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の磁気記録
再生装置の具体的な内容を詳細に説明する。図１及び図
１４は本発明の磁気記録再生装置の斜視図であり、ま
た、図２はドラムの平面図、図３，図７，図１１及び図
１７ならびに図２１は本発明の磁気記録再生装置の構成
原理及び動作原理の説明に用いられる図、図４,図６,図
９，図１０，図１２，図１５，図１８乃至図２０及び図
２２は本発明の磁気記録再生装置の断面図、図５及び図
１６は要部の分解斜視図、図８は回転軸の傾斜調節用の
カム部材を説明する図、図１３は記録跡パターンを示す
平面図である。図１及び図１４はそれぞれ本発明の磁気
記録再生装置の異なる実施例の斜視図である。図１及び
図１４においてＤＢはドラムベースであって、このドラ
ムベースＤＢには上ドラムＤｕと下ドラムＤｄとからな
るドラム構体ＤＡにおける下ドラムＤｄが固設されてい
る。本発明の磁気記録再生装置の実施に当って使用され
るべきドラム構体ＤＡとしては、それの上ドラムＤｕ
が、回転する上ドラム（回転ドラム）として構成された
ものでも、あるいは回転しない上ドラムとして構成され
たものでも、そのどちらの構成態様のものでも使用でき
るが、以下に記述されている各実施例におけるドラム構
体ＤＡでは、それの上ドラムＤｕが回転ドラムとして構
成されている場合の例を示している。なお、上ドラムが
回転しないような構成のものであっても、回転磁気ヘッ
ドを回転させるための部材を備えてあることはいうまで
もない。

【００１５】図１及び図１４において、Ｈａは上ドラム
Ｄｕに取付けられた回転磁気ヘッドである。図中にはＳ
ＰヘッドとＥＰヘッドとが隣接配設されている状態の回
転磁気ヘッドＨａが示されている。なお、上ドラム(回
転ドラム)Ｄｕには前記の磁気ヘッドＨａに対して１８
０度対称の位置に、回転磁気ヘッドＨｂ(例えば図４参
照)が取付けられている。上ドラムＤｕに取付けられる
べき磁気ヘッドが、前記した回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂ
だけに限られないことはいうまでもない。既述のよう
に、磁気記録再生装置の固定部の一部として機能するド
ラムベースＤＢに固設された下ドラムＤｄには、それの
外周面に磁気テープＴの基準縁Ｔｅ（図１３参照）の位
置を規制する案内部Ｇが設けられていて、磁気記録再生
装置の再生モードがどうであっても、上ドラムＤｕと下
ドラムＤｄとのドラムの周面の一部へ巻回された状態の
磁気テープは、下ドラムＤｄの外周面に設けられている
前記の磁気テープの基準縁に対する案内部Ｇによって、
それの基準縁Ｔｅが確実に案内された状態でドラムの周
面上を走行したり停止した状態にされる。

【００１６】本発明の磁気記録再生装置において、前記
のように装置の固定部の一部として機能するドラムベー
スＤＢに固設されている下ドラムＤｄの外周面の一部
と、前記の下ドラムＤｄとともにドラム構体ＤＡを構成
している上ドラムＤｕの外周面の一部とには、磁気テー
プＴが巻回された状態にされる。そして、前記した両ド
ラムＤｄ，Ｄｕにおける磁気テープＴの摺接部分の外径
寸法はいうまでもなく同一である。図２はドラムの外周
面の一部に磁気テープＴが巻回されている状態を示して
いるドラム構体ＤＡの平面図であり、図２において２
６，２７は磁気テープＴをドラム構体ＤＡのドラム面に
ローディングする機構の一部として使用される傾斜ポー
ルを示している。磁気テープＴはドラム構体ＤＡのドラ
ムの外周面に対して、ドラムの中心角で１８０度よりも
僅かに大きな角度と対応する範囲で巻回されている。

【００１７】図２においてＯはドラム構体ＤＡにおける
下ドラムＤｄの中心軸の位置を示しており、図中の９０
度の位置はドラムの周面に対する磁気テープの巻付範囲
の中央位置であり、図２中に示してある直線Ｌ1は前記
したドラムの周面に対する磁気テープの巻付範囲の中央
位置と下ドラムＤｄの中心軸の位置Ｏとを結ぶ第１の直
線Ｌ1（９０度の位置と２７０度の位置とを結ぶ直線と
同じ）であり、また、図２中に示してある直線Ｌ2は前
記した第１の直線Ｌ1に直交する直線の内で下ドラムＤ
ｄの中心軸の位置Ｏを通過している直線である。そし
て、本発明の磁気記録再生装置において、下ドラムＤｄ
は既述のように装置の固定部の一部として機能するドラ
ムベースＤＢに固設されているから、下ドラムＤｄの中
心軸の位置は、常に、図３中に直線０−０として示され
ている一定の位置に保持されている。

【００１８】図１に示されている本発明の磁気記録再生
装置の実施例において、磁気ヘッドＨａ，Ｈｂを取付け
てある部材として機能する上ドラムＤｕは、上ドラムＤ
ｕを回転させるためドラム駆動モータＭｄの回転軸１の
軸受け部５，６を備えている支持部材ＳＡ（図４，図５
参照）が、回転軸の傾斜調節手段として機能する回転軸
の傾斜調節用の環状のカム部材（環状のカム部材）ＣＡ
（図４，図５参照）との共働動作によって下ドラムＤｄ
の内方空間部中で傾斜されたときには、上ドラムＤｕの
中心軸の位置が、例えば図３中の一点鎖線図示の位置
（巻戻し再生動作時）と点線図示の位置（早送り再生動
作時）との間で変化する。また、図１４に示されている
本発明の磁気記録再生装置の実施例においては、磁気ヘ
ッドＨａ，Ｈｂを取付けてある部材として機能する上ド
ラムＤｕに対してドラム駆動モータＤＭのロータ９２
（図１５参照）が、ねじ１０３，１０４によって固着さ
れており、上ドラムＤｕはそれに固設してある軸受け部
９３，９４に嵌装されている固定軸９９を固設してある
支持部材ＳＡ（図１５，図１６参照）が、回転軸の傾斜
調節手段として機能する回転軸の傾斜調節用の環状のカ
ム部材（環状のカム部材）ＣＡ（図１５，図１６参照）
との共働動作によって下ドラムＤｄの内方空間部中で傾
斜することにより、上ドラムＤｕの中心軸の位置が、例
えば図３中の一点鎖線図示の位置（巻戻し再生動作時）
と点線図示の位置（早送り再生動作時）との間で変化す
る。図１４において９５はドラムモータ取付基板であ
り、ドラムモータ取付基板９５が取付部材１０６にねじ
９６，９７によって取付けられている。９８はコネクタ
である。

【００１９】装置の固定部として機能するドラムベース
ＤＢに固設されている下ドラムＤｄの内方空間部に設け
られている前記した支持部材ＳＡは、下ドラムＤｄの中
心軸に直交する面の内の特定な面付近だけで下ドラムＤ
ｄに嵌合している状態にされているとともに、前記した
嵌合部を含む面付近の面内でドラムの周面に対する磁気
テープＴの巻付範囲の中央位置と下ドラムＤｄの中心軸
とを通過する直線（図２中の直線Ｌ1)上に構成させた２
つの回動支点によって回動自在にされており、前記の支
持部材ＳＡを前記した２つの回動支点を結ぶ直線（図２
中の直線Ｌ1)を回動中心として回動させて、前記した２
つの回動支点を結ぶ直線（図２中の直線Ｌ1)に直交する
直線の内で下ドラムの中心軸を通る直線（図２中の直線
Ｌ2)と下ドラムの中心軸とを含む面内で前記の回転軸１
を傾斜させると、上ドラムＤｕに取付けられている回転
磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの回転軌跡面の位置が変化するか
ら回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂを磁気テープＴの記録跡に
良好に追跡できるようにさせることが可能となる。

【００２０】まず、図１に示してある本発明の一実施例
の磁気記録再生装置について説明する。図１に示してあ
る本発明の磁気記録再生装置の一部の縦断面図｛図４の
(ａ）は、図２中の９０度ー２７０度線位置におけるド
ラム構体ＤＡの断面図、図４の(ｂ)は図２中の０度−１
８０度線位置におけるドラム構体ＤＡの断面図}におい
て、外周面に磁気テープの基準縁の案内部Ｇを構成させ
てある下ドラムＤｄが、磁気記録再生装置における固定
部として機能するドラムベースＤＢに対して複数個のね
じ３２（図４中には１個のねじ３２しか示されてない
が、図５に示す分解斜視図には３本のねじ３２が示され
ている）によって固着されている。前記した下ドラムＤ
ｄの内方に構成させてある内方空間部に設けられている
支持部材ＳＡは、それの上端部の外周面から突設させて
ある縁部２８、すなわち、下ドラムＤｄの内壁面の直径
と同一の直径を有するように構成されている縁部２８を
下ドラムＤｄの内壁面に嵌合させてある。

【００２１】また、ドラムの周面に対する磁気テープＴ
の巻付範囲の中央位置と下ドラムＤｄの中心軸とを通過
する直線（図２中の直線Ｌ1)上に位置する２つの位置に
おいて前記した支持部材ＳＡと、下ドラムＤｄとは回動
支点用部材３０，３１によって回動自在に連結されてい
る。図４に例示されている実施例においては、ドラムの
周面に対する磁気テープＴの巻付範囲の中央位置と下ド
ラムＤｄの中心軸とを通過する直線（図２中の直線Ｌ1)
上の位置における前記した支持部材ＳＡの上端部と、下
ドラムＤｄに設けられた突出縁２９との間で、前記した
回動支点用部材３０，３１によって回動支点が構成され
ている。

【００２２】前記した回動支点用部材３０，３１によっ
て下ドラムＤｄと、支持部材ＳＡとの間に構成された２
個の回動支点を含む面と、前述した支持部材ＳＡの上端
部の外周面から突設させた縁部２８と下ドラムＤｄの内
壁面との嵌合面とは極めて近接しており、また、前記し
た回動支点用部材３０，３１によって下ドラムＤｄと支
持部材ＳＡとの間に構成された２個の回動支点を含む面
は、回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの回転軌跡面に近接して
いるから、前記した支持部材ＳＡを前記した２つの回動
支点を結ぶ直線（図２中の直線Ｌ1)を回動中心として回
動させて、前記した２つの回動支点を結ぶ直線（図２中
の直線Ｌ1)に直交する直線の内で下ドラムの中心軸を通
る直線（図２中の直線Ｌ2)と下ドラムの中心軸とを含む
面内で前記の回転軸１を傾斜させた場合でも、回転磁気
ヘッドＨａ，Ｈｂの回転軌跡が下ドラムＤｄの外周面の
延長面の位置から大きくずれることがなく、したがっ
て、支持部材ＳＡを前記した回動支点によって回動させ
ることにより回転軸１を傾斜させて回転磁気ヘッドＨ
ａ，Ｈｂの回転軌跡を変化させても、回転磁気ヘッドＨ
ａ，Ｈｂの磁気空隙部と磁気テープＴとの接触状態を悪
化させることがなく、常に良好な再生画像が得られる。

【００２３】図４において、ドラムベースＤＢと支持部
材ＳＡとの間に設けられている部材ＣＡは、下ドラムＤ
ｄと支持部材ＳＡとの間に、前記した回動支点用部材３
０，３１によって構成された２個の回動支点を結ぶ直線
（図２中の直線Ｌ1)を回動中心として支持部材ＳＡを所
定のように回動させるために用いられる環状のカム部材
ＣＡであり、それの具体的な構成例が図５の（ｅ）に示
されている。ドラムベースＤＢには図５の（ｇ）に示さ
れているように、環状のカム部材ＣＡにおける環状部３
４を嵌合させるべき案内溝３３が設けられていて、前記
した環状のカム部材ＣＡはドラムベースＤＢに設けられ
ている案内溝３３中に、それの環状部３４が回動自在に
嵌合されることにより位置決めされる。前記した環状の
カム部材ＣＡにおける環状部３４には、所定形状のカム
輪郭３４ａ，３４ｂが構成されている。

【００２４】また、前記の環状部３４には連結部３５を
介して円弧状ラック２２が設けられている。そして、前
記した支持部材ＳＡや環状のカム部材ＣＡは、スプリン
グ３８〜４１による付勢により、装置の固定部として機
能するドラムベースＤＢに対して弾発的に連結支持され
ている。前記したスプリング３８，３９は図４の（ａ）
に示されているように、ドラムベースＤＢに設けられて
いる孔４４，４５と支持部材ＳＡに設けた孔４６，４７
とに挿入されており、また、前記したスプリング４０，
４１は、ドラムベースＤＢに設けられている孔４８，４
９とドラムモータ取付基板７に設けた孔５０，５１とに
挿入されている。

【００２５】前記した環状のカム部材ＣＡにおける円弧
状ラック２２には、図１に示されているように、モータ
Ｍｇの回転力が減速器１９と回転軸２０とピニオン２１
とを介して伝達されるようになされており、前記したモ
ータの正逆回転に応じて、環状のカム部材ＣＡの環状部
３４がドラムベースＤＢに設けられている案内溝３３に
嵌合された状態で回動したときに、環状部３４に構成さ
れている所定形状のカム輪郭３４ａ,３４ｂと係合して
いる支持部材ＳＡに設けられている従動体３６,３７に
よって、支持部材ＳＡが下ドラムＤｄと支持部材ＳＡと
の間に、前記した回動支点用部材３０，３１によって構
成された２個の回動支点を結ぶ直線（図２中の直線Ｌ1)
を回動中心として回動して、回転軸１を傾斜させて回転
磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの回転軌跡面の位置が変化するこ
とになる。

【００２６】上ドラムＤｕを駆動回転させるドラム駆動
モータＭｄの回転軸１は、支持部材ＳＡに設けられてい
る軸受５，６によって回転自在に支持されている。図４
中に縦断面図によって示されているドラム駆動モータＭ
ｄはアウターロータ型の構造のものとして示されてい
て、環状の永久磁石１４が永久磁石の支持板８に固着さ
れており、前記した永久磁石１４の支持板８はねじ９，
１０によって軸固着部材１１に固着されている。前記の
軸固着部材１１はそれの中心孔に回転軸１を嵌合させた
後に止めねじによって回転軸１と固着される。固定子の
コイル１５〜１８が設けられている固定子の取付部材
は、ねじ１２，１３によってドラムモータ取付基板７と
支持部材ＳＡとに固着されている。また、ドラムモータ
取付基板７と支持部材ＳＡとは図４の（ｂ）のねじ４
２，４３によっても固着されている。

【００２７】支持部材ＳＡに設けられている軸受５，６
によって回転自在に支持されている回転軸１は、上ドラ
ム固着部材２に嵌合固着されており、上ドラム固着部材
２には上ドラムＤｕがねじ３，４によって固着されてい
て、ドラム駆動モータＭｄは回転軸１によって上ドラム
Ｄｕを回転させる。２３は上ドラムＤｕ側の回転トラン
ス、２４は支持部材ＳＡ側の回転トランスであるが、前
記した２つの回転トランス２３，２４は、既述のような
支持部材ＳＡの回動々作によって支持部材が回動したこ
とによって回転軸１が傾斜しても、両者間の間隙は一定
の状態に保持されることになる。

【００２８】図１及び図１４中に示されているモータＭ
ｇは、支持部材ＳＡの回動量、すなわち、回転軸１の傾
斜量を変化させる際に使用される駆動機構の動力源のモ
ータであり、このモータＭｇは図示されていない駆動制
御回路によって動作が制御されて、前記したモータＭｇ
の回転力が減速器１９と回転軸２０とピニオン２１及び
円弧状ラック２２を介して回転軸の傾斜調節用カム部材
（環状のカム部材）ＣＡに伝達される。２５は環状のカ
ム部材ＣＡの回動位置の検出装置（例えば、フオトイン
タラプタ）であり、この環状のカム部材ＣＡの回動位置
の検出装置２５は、ドラムベースＤＢに固着されてい
る。前記した環状のカム部材ＣＡにおけるの検出装置２
５は、環状のカム部材ＣＡにおける円弧状ラック２２の
特定な位置に設けられた位置検出用の透孔５２〜５４
(図５参照)と対応して位置検出信号を発生する。

【００２９】そして、前記の位置検出信号は駆動制御回
路の動作の制御に用いられる。また、前記した環状のカ
ム部材ＣＡの回動位置の検出装置２５には、環状のカム
部材ＣＡにおける円弧状ラック２２の特定な位置に設け
られたストッパ用の透孔５５〜５７（図５参照）に係合
しうるストッパ機構も備えている。前記のストッパ機構
としては、例えば、スプリングによって付勢されたボー
ルを備えた構造のものが使用でき、前記した環状のカム
部材ＣＡにおける円弧状ラック２２の特定な位置に設け
られたストッパ用の透孔５５〜５７の内の選択された１
個のものに、ストッパ機構におけるボールを係合させる
ことにより、環状のカム部材ＣＡの回動位置、すなわち
回転軸１の傾斜態様を設定することができる。

【００３０】図７は、図４に示されている本発明の磁気
記録再生装置の実施例のドラム構体ＤＡ付近の構成部分
において、前記のように回転軸の傾斜調節手段として機
能する回転軸の傾斜調節用の環状のカム部材(環状のカ
ム部材)ＣＡを回動させたときに、環状のカム部材ＣＡ
の円周方向に構成させたカム輪郭３４ａ，３４ｂに圧接
しているカム従動体３６，３７を有する支持部材ＳＡ
が、２つの回動支点用部材３０，３１によって構成され
る２つの回動支点を結ぶ直線（図２中の直線Ｌ1)を回動
中心として回動し、それにより前記した支持部材ＳＡに
設けられている軸受け５，６で支持されている回転軸１
が、前記した２つの回動支点を結ぶ直線（図２中の直線
Ｌ1)に直交する直線の内で下ドラムの中心軸を通る直線
（図２中の直線Ｌ2)と下ドラムの中心軸とを含む面内で
傾斜して、上ドラムＤｕに取付けられている回転磁気ヘ
ッドＨａ，Ｈｂの回転軌跡面の位置が変化させる状態を
図示説明している図であって、図７の（ａ）,（ｄ）,
（ｇ）はそれぞれ図４の（ｂ）に示されている縦断面図
と同様に、図１中のＡ−Ａ線位置（図２中の０度ー１８
０度線位置）におけるドラム構体ＤＡの断面図である。

【００３１】図７の(ａ），（ｄ）,（ｇ）の各図に示さ
れているドラム構体ＤＡ付近の断面図中の０−０線は、
既述のように装置の固定部の一部として機能するドラム
ベースＤＢに固設されている下ドラムＤｄの中心軸の位
置（図３中に直線０−０の位置と同じ）を示している。
図７の（ａ）は回転軸１が下ドラムＤｄの中心軸と一致
している状態（ノーマル再生時の状態）となるように、
回転軸の傾斜調節用の環状のカム部材(環状のカム部材)
ＣＡが回動調節されている状態を示している図であり、
図７の(ｂ）は前記のノーマル再生時における環状のカ
ム部材ＣＡの回動調節の状態を示している環状のカム部
材ＣＡの平面図であり、図中の直線Ｌ1，Ｌ2は図２中に
示されている直線Ｌ1，Ｌ2と対応している。また、図７
の(ｃ）は前記のノーマル再生時における環状のカム部
材ＣＡの平面図｛図７の(ｂ）｝と対応する環状のカム
部材ＣＡの側面図である。

【００３２】図７の（ｄ）は磁気記録再生装置に早送り
再生動作を行なわせている場合のドラム構体ＤＡ付近の
断面図であり、この場合における回転軸１は図３の
（ｂ）中に示されている点線のような傾斜方向で傾斜し
ている状態になる。図７の(ｅ）は前記のように磁気記
録再生装置が早送り再生動作を行なっている場合におけ
る回動調節の状態を示す環状のカム部材ＣＡの平面図
で、図中の直線Ｌ1，Ｌ2は図２中に示されている直線Ｌ
1，Ｌ2と対応しており、また、図７の(ｆ）は前記のよ
うに磁気記録再生装置が早送り再生動作を行なっている
場合における環状のカム部材ＣＡの平面図｛図７の
(ｅ）｝と対応する環状のカム部材ＣＡの側面図であ
る。また図７の(ｇ)は、磁気記録再生装置に巻戻し再生
動作を行なわせている場合のドラム構体ＤＡ付近の断面
図であり、この場合における回転軸１は図３の(ｂ)中に
示されている一点鎖線のような傾斜方向で傾斜している
状態になる。図７の(ｈ）は前記のように磁気記録再生
装置が巻戻し再生動作を行なっている場合における回動
調節の状態を示す環状のカム部材ＣＡの平面図で、図中
の直線Ｌ1，Ｌ2は図２中に示されている直線Ｌ1，Ｌ2と
対応しており、また、図７の(ｉ）は前記のように磁気
記録再生装置が巻戻し再生動作を行なっている場合にお
ける環状のカム部材ＣＡの平面図｛図７の(ｈ）｝と対
応する環状のカム部材ＣＡの側面図である。

【００３３】さて、本発明の磁気記録再生装置における
再生動作モードの設定は、操作者が磁気記録再生装置の
操作部に対して動作モードの情報を入力することによっ
て行なわれるが、磁気記録再生装置の再生動作モード
が、ノーマル再生モード、早送り再生モード、巻戻し再
生モードのように変更される場合には、前記した再生モ
ードの変更と対応して、前記した回転軸の傾斜調節用カ
ム部材ＣＡが、ドラムベースＤＢ上で選択された所定の
回動位置まで正確に回動された後に、その位置に固定さ
れた状態にされることが必要とされるが、それは既述の
ようにドラムベースＤＢに設けられているモータＭｇ、
減速器１９、回転軸２０、ピニオン２１（図１参照）と
を介し、回転軸の傾斜調節用カム部材ＣＡ(図５参照)に
設けられている円弧状ラック２２に対して、モータの動
力を伝達することによって、ドラムベースＤＢに設けら
れている案内溝３３に回動自在に嵌合されている環状の
カム部材ＣＡを選択された所定の回動位置まで回動させ
た後に、前記の選択された特定な回動位置で環状のカム
部材ＣＡが、例えば既述したようなクリックストップ機
構を用いて固定化されるのである。

【００３４】前記した操作部に対して操作者が設定した
再生動作モードが、例えばノーマル再生モードであった
場合には、図示されていない制御装置では前記したモー
タＭｇ、減速器１９、回転軸２０、ピニオン２１（図１
参照）とを介し、回転軸の傾斜調節用カム部材ＣＡ(図
５参照)に設けられている円弧状ラック２２に対して、
モータの動力を伝達して、ドラムベースＤＢに設けられ
ている案内溝３３に回動自在に嵌合されている環状のカ
ム部材ＣＡを回動させたときに、環状のカム部材ＣＡの
円周方向に構成させたカム輪郭３４ａ，３４ｂに圧接し
ているカム従動体３６，３７を有する支持部材ＳＡが、
２つの回動支点用部材３０，３１によって構成される２
つの回動支点を結ぶ直線（図２中の直線Ｌ1)を回動中心
として回動することにより前記した支持部材ＳＡに設け
られている軸受け５，６で支持されている回転軸１が、
下ドラムＤｄの中心軸と一致している状態になると、環
状ののカム部材ＣＡにおける円弧状ラック２２の特定な
位置に設けられた位置検出用の透孔５２〜５４(図５参
照)におけるノーマル再生モード用の透孔５３と対応し
て位置検出信号を発生し、前記した位置検出信号によっ
て駆動制御回路の動作が制御されてモータＭｇの回転が
停止されるとともに、前記した環状のカム部材ＣＡの回
動位置の検出装置２５に設けられているストッパ機構に
おけるスプリングによって付勢されたボールが、前記し
た環状のカム部材ＣＡにおける円弧状ラック２２の特定
な位置に設けられたストッパ用の透孔５６に係合して、
前記した環状のカム部材ＣＡをノーマル再生と対応して
定められた特定な回動位置に、前記のクリックストップ
機構によって固定化させる。

【００３５】次に、前記した操作部に対して操作者が設
定した再生動作モードが、例えば早送り再生モードであ
った場合には、図示されていない制御装置では前記した
モータＭｇ、減速器１９、回転軸２０、ピニオン２１
(図１参照)とを介し、回転軸の傾斜調節用カム部材ＣＡ
(図５参照)に設けられている円弧状ラック２２に対し
て、モータの動力を伝達して、ドラムベースＤＢに設け
られている案内溝３３に回動自在に嵌合されている環状
のカム部材ＣＡを回動させたときに、環状のカム部材Ｃ
Ａの円周方向に構成させたカム輪郭３４ａ，３４ｂに圧
接しているカム従動体３６，３７を有する支持部材ＳＡ
が、２つの回動支点用部材３０，３１によって構成され
る２つの回動支点を結ぶ直線（図２中の直線Ｌ1)を回動
中心として回動することにより前記した支持部材ＳＡに
設けられている軸受け５，６で支持されている回転軸１
が、図３の（ｂ）中の点線図示のような傾斜方向で特定
な角度だけ傾斜している状態になると、環状のカム部材
ＣＡの回動位置の検出装置（例えば、フオトインタラプ
タ）２５が、環状のカム部材ＣＡにおける円弧状ラック
２２の特定な位置に設けられた位置検出用の透孔５２〜
５４(図５参照)における早送り再生モード用の透孔５４
と対応して位置検出信号を発生し、前記した位置検出信
号によって駆動制御回路の動作が制御されてモータＭｇ
の回転が停止されるとともに、前記した環状のカム部材
ＣＡの回動位置の検出装置２５に設けられているストッ
パ機構におけるスプリングによって付勢されたボール
が、前記した環状のカム部材ＣＡにおける円弧状ラック
２２の特定な位置に設けられたストッパ用の透孔５７
(図５参照)に係合して、前記した環状のカム部材ＣＡを
早送り再生モードと対応して定められた特定な回動位置
に、前記のクリックストップ機構によって固定化させ
る。

【００３６】次いで、前記した操作部に対して操作者が
設定した再生動作モードが、例えば巻戻し再生モードで
あった場合には、図示されていない制御装置では前記し
たモータＭｇ、減速器１９、回転軸２０、ピニオン２１
(図１参照)とを介し、回転軸の傾斜調節用カム部材ＣＡ
(図５参照)に設けられている円弧状ラック２２に対し
て、モータの動力を伝達して、ドラムベースＤＢに設け
られている案内溝３３に回動自在に嵌合されている環状
のカム部材ＣＡを回動させたときに、環状のカム部材Ｃ
Ａの円周方向に構成させたカム輪郭３４ａ，３４ｂに圧
接しているカム従動体３６，３７を有する支持部材ＳＡ
が、２つの回動支点用部材３０，３１によって構成され
る２つの回動支点を結ぶ直線（図２中の直線Ｌ1)を回動
中心として回動することにより前記した支持部材ＳＡに
設けられている軸受け５，６で支持されている回転軸１
が、図３の（ｂ）中の一点鎖線図示のような傾斜方向で
特定な角度だけ傾斜している状態になると、環状のカム
部材ＣＡの回動位置の検出装置（例えば、フオトインタ
ラプタ）２５が、環状のカム部材ＣＡにおける円弧状ラ
ック２２の特定な位置に設けられた位置検出用の透孔５
２〜５４(図５参照)における巻戻し再生モード用の透孔
５２と対応して位置検出信号を発生し、前記した位置検
出信号によって駆動制御回路の動作が制御されてモータ
Ｍｇの回転が停止されるとともに、前記した環状のカム
部材ＣＡの回動位置の検出装置２５に設けられているス
トッパ機構におけるスプリングによって付勢されたボー
ルが、前記した環状のカム部材ＣＡにおける円弧状ラッ
ク２２の特定な位置に設けられたストッパ用の透孔５５
(図５参照)に係合して、前記した環状のカム部材ＣＡを
巻戻し再生モードと対応して定められた特定な回動位置
に、前記のクリックストップ機構によって固定化させ
る。

【００３７】図８はドラムベースＤＢに設けられている
案内溝３３に嵌合された状態で回動され、所定の回動位
置に位置決めされた状態において使用されるる環状のカ
ム部材ＣＡの構成例を示す図である。図８の（ａ）は環
状のカム部材ＣＡの一部の斜視図であり、図中のＯは環
状のカム部材ＣＡにおける環状部３４の中心点を示して
いる。環状のカム部材ＣＡにおける環状部３４には、図
中に示されている９０度−２７０度の線の両側の部分
に、前記した環状体３４の中心点を通過するそれぞれの
直線Ｌｆ2，Ｌｆ1，Ｌｎ，Ｌｂ1，Ｌｂ2上に位置して、
それぞれ各一対の異なるカム輪郭６０〜６９が構成され
ている。図８の（ｂ）は、環状のカム部材ＣＡにおける
環状部３４における一部に構成されているカム輪郭６
１，６３，６５，６７，６９の構成態様を例示している
環状のカム部材ＣＡにおける環状部３４の側面図であ
り、図中に示されている−×１１，−×５，０，＋×
５，＋×１１等の表示において、０はノーマル再生用の
カム輪郭であることを示し、また、−の符号は巻戻し
（ＦＢ）再生であることを示し、さらに＋の符号は早送
り（ＦＦ）再生であることを示し、さらにまた×５はノ
ーマル再生時の磁気テープ速度の５倍の速度、×１１は
ノーマル再生時の磁気テープ速度の１１倍の速度である
ことを、それぞれ示している。

【００３８】図８の（ｃ）は前記のようなカム輪郭６０
〜６９を環状部３４に設けてある環状のカム部材ＣＡを
使用して、環状のカム部材ＣＡの円周方向に構成させた
カム輪郭６０〜６９に支持部材ＳＡのカム従動体３６，
３７を圧接させて、支持部材ＳＡを、２つの回動支点用
部材３０，３１によって構成される２つの回動支点を結
ぶ直線（図２中の直線Ｌ1)を回動中心として回動させた
ときに、前記した支持部材ＳＡに設けられている軸受け
５，６で支持されている回転軸１が、前記した２つの回
動支点を結ぶ直線（図２中の直線Ｌ1)に直交する直線の
内で下ドラムの中心軸を通る直線（図２中の直線Ｌ2)と
下ドラムの中心軸とを含む面内で傾斜して、上ドラムＤ
ｕに取付けられている回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの回転
軌跡面の位置が変化される状態を図示説明している図で
ある。なお、図８に例示したようにカム輪郭６０〜６９
を環状部３４に設けてある環状のカム部材ＣＡを使用し
た場合におけるカム部材ＣＡに対する回動駆動々作は図
１及び図７を参照して既述したところから容易に類推で
きるところであるから、ここではその詳細な記述を省略
する。

【００３９】図６は図４を参照して既述した本発明の磁
気記録再生装置の実施例のドラム構体ＤＡにおける支持
部材ＳＡと下ドラムＤｄとの嵌合の態様、及び下ドラム
Ｄｄに対して支持部材ＳＡを回動自在に支持するための
支持態様とを異にして構成させた本発明の磁気記録再生
装置の別の実施例のドラム構体ＤＡにおける下ドラムＤ
ｄの部分と支持部材ＳＡの部分との関連構成を示してい
る縦断面図であって、図６の(ａ）はドラム構体ＤＡに
おける下ドラムＤｄの部分と支持部材ＳＡの部分とから
なる構成部分について、図２中の９０度ー２７０度線位
置と対応する位置での断面図を示しており、また、図６
の（ｂ）はドラム構体ＤＡにおける下ドラムＤｄの部分
と支持部材ＳＡの部分とからなる構成部分について、図
２中の０度ー１８０度線位置と対応する位置での断面図
を示している。

【００４０】図６に示されている本発明の磁気記録再生
装置の別の実施例のドラム構体ＤＡにおける下ドラムＤ
ｄの部分と支持部材ＳＡの部分との関連構成を示してい
る縦断面図において、外周面に磁気テープの基準縁の案
内部Ｇを構成させてある下ドラムＤｄは、磁気記録再生
装置における固定部として機能するドラムベースＤＢに
対して複数個のねじ３２（図６中には１個のねじ３２し
か示されていない）によって固着されている。前記した
下ドラムＤｄ上端部には内方に突出する縁部５８が設け
られており、前記した縁部５８の先端は下ドラムＤｄの
内方に構成させてある内方空間部に設けられている支持
部材ＳＡの外壁面に嵌合されている。すなわち、前記し
た下ドラムＤｄの上端部から内方に突設させてある縁部
５８は、それの内径寸法が支持部材ＳＡの外壁面の直径
と同一の直径を有するように構成されている。また、ド
ラムの周面に対する磁気テープＴの巻付範囲の中央位置
と下ドラムＤｄの中心軸とを通過する直線（図２中の直
線Ｌ1)上に位置する２つの位置において前記した支持部
材ＳＡと、下ドラムＤｄとは回動支点用部材３０，３１
によって回動自在に連結されている。図６に例示されて
いる実施例においては、ドラムの周面に対する磁気テー
プＴの巻付範囲の中央位置と下ドラムＤｄの中心軸とを
通過する直線（図２中の直線Ｌ1)上の位置における前記
した下ドラムＤｄの上端部と、支持部材ＳＡに設けられ
た突出部７０の下面との間に、前記した回動支点用部材
３０，３１によって回動支点が構成されている。

【００４１】前記した回動支点用部材３０，３１によっ
て下ドラムＤｄと、支持部材ＳＡとの間に構成された２
個の回動支点を含む面と、前述した下ドラムＤｄの上端
部から内方に突設させた縁部５８と支持部材ＳＡの外壁
面との嵌合面とは極めて近接している。また前記した回
動支点用部材３０，３１によって下ドラムＤｄと支持部
材ＳＡとの間に構成された２個の回動支点を含む面と、
回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂ（図示せず）の回転軌跡面と
は、支持部材ＳＡに設けられた突出部７０の外周面７０
ａにおける母線方向の長さだけ離隔しているが、前記し
た支持部材ＳＡに設けられている軸受５，６に支持され
ている回転軸１に固着されている上ドラムＤｕ（図示せ
ず）の下端部と、支持部材ＳＡの上端部との間に構成さ
れる空隙寸法（あるいは支持部材ＳＡの上端部と上ドラ
ムに固着されている回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの回転軌
跡面との距離）は、前記した支持部材ＳＡが前記した回
動支点用部材３０，３１によって構成された２個の回動
支点によって回動された場合でも変化することがなく、
また、図示されていない上ドラムＤｕの外周面と支持部
材ＳＡに設けられた突出部７０の外周面７０ａとは、前
記した支持部材ＳＡが前記した回動支点用部材３０，３
１によって構成された２個の回動支点によって回動され
た場合でも、互に他方の面の延長する面に含まれるよう
な状態に保たれているから、支持部材ＳＡを前記した回
動支点によって回動させることにより回転軸１を傾斜さ
せて回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの回転軌跡を変化させて
も、回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの磁気空隙部と磁気テー
プＴとの接触状態は変化せず、常に良好な再生画像が得
られる。

【００４２】本発明の磁気記録再生装置の他の実施例の
ドラム構体ＤＡにおける下ドラムＤｄの部分と支持部材
ＳＡの部分との関連構成の縦断面図を示している図１２
に記載してあるドラム構体ＤＡにおける下ドラムＤｄの
部分と支持部材ＳＡの部分との関連構成部分は、図６を
参照して既述した磁気記録再生装置のドラム構体ＤＡの
場合と同様に、下ドラムＤｄと上ドラムＤｕ（図示せ
ず）との間に、前記した上ドラムＤｕの外周面の延長面
に含まれるような外周面７０ａを有する突出部７０を備
えている支持部材ＳＡを用いているものであるが、この
図１２に例示されている構成例のものでは、支持部材Ｓ
Ａと下ドラムＤｄとの嵌合の位置、と下ドラムＤｄに対
して支持部材ＳＡを回動自在に支持するための回動支点
の位置とを、既述した図６に示されている実施例の場合
とは異なり、下ドラムＤｄの下方端部付近に設けてい
る。図１２の(ａ）はドラム構体ＤＡにおける下ドラム
Ｄｄの部分と支持部材ＳＡの部分とからなる構成部分に
ついて、図２中の９０度ー２７０度線位置と対応する位
置での断面図を示しており、また、図１２の（ｂ）はド
ラム構体ＤＡにおける下ドラムＤｄの部分と支持部材Ｓ
Ａの部分とからなる構成部分について、図２中の０度ー
１８０度線位置と対応する位置での断面図を示してい
る。

【００４３】図１２に示されている本発明の磁気記録再
生装置の実施例のドラム構体ＤＡにおける下ドラムＤｄ
の部分と支持部材ＳＡの部分との関連構成を示している
縦断面図において、外周面に磁気テープの基準縁の案内
部Ｇを構成させてある下ドラムＤｄは、磁気記録再生装
置における固定部として機能するドラムベースＤＢに対
して複数個のねじ３２（図６中には１個のねじ３２しか
示されていない）によって固着されている。前記した下
ドラムＤｄの内方に設けられている空間部には、既述し
た図６について既述した構成例の場合と同様に、下ドラ
ムＤｄから突出していて上ドラムＤｕの外周面の延長面
と同一な面に含まれる外周面７０ａを有する突出部７０
を備えている支持部材ＳＡが設けられている。前記の支
持部材ＳＡは、ドラムの周面に対する磁気テープＴの巻
付範囲の中央位置と下ドラムＤｄの中心軸とを通過する
直線（図２中の直線Ｌ1)上に位置する２つの位置におい
て前記した支持部材ＳＡと、下ドラムＤｄとは回動支点
用部材３０，３１によって回動自在に連結されている。

【００４４】図１２に例示されている実施例において
は、ドラムの周面に対する磁気テープＴの巻付範囲の中
央位置と下ドラムＤｄの中心軸とを通過する直線（図２
中の直線Ｌ1)上の位置における前記した下ドラムＤｄの
底部と、支持部材ＳＡの中間段部７２の下面との間に、
前記した回動支点用部材３０，３１によって回動支点が
構成されている。また、前記した支持部材ＳＡにおける
中間段部７２の部分には外方に突出する縁部７１が設け
られており、前記した縁部７１の先端は下ドラムＤｄの
内壁面に嵌合されている。すなわち、前記した支持部材
ＳＡにおける中間段部７２の部分には外方に突出する縁
部７１の外径寸法と、下ドラムＤｄの内壁面の直径とは
同一となるように構成されている。

【００４５】前記した回動支点用部材３０，３１によっ
て下ドラムＤｄと、支持部材ＳＡとの間に構成された２
個の回動支点を含む面と、前述した下ドラムＤｄの内壁
面と支持部材ＳＡにおける中間段部７２の部分から外方
に突出させた縁部７１との嵌合面とは極めて近接してい
る。また前記した回動支点用部材３０，３１によって下
ドラムＤｄと支持部材ＳＡとの間に構成された２個の回
動支点を含む面と、回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂ（図示せ
ず）の回転軌跡面とは大きく離隔しているが、前記した
支持部材ＳＡに設けられている軸受５，６に支持されて
いる回転軸１に固着されている上ドラムＤｕ（図示せ
ず）の下端部と、支持部材ＳＡの上端部との間に構成さ
れる空隙寸法（あるいは支持部材ＳＡの上端部と上ドラ
ムに固着されている回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの回転軌
跡面との距離）は、前記した支持部材ＳＡが前記した回
動支点用部材３０，３１によって構成された２個の回動
支点によって回動された場合でも変化することがなく、
また、図示されていない上ドラムＤｕの外周面と支持部
材ＳＡに設けられた突出部７０の外周面７０ａとは、前
記した支持部材ＳＡが前記した回動支点用部材３０，３
１によって構成された２個の回動支点によって回動され
た場合でも同一の面に含まれている状態に保たれている
から、支持部材ＳＡを前記した回動支点によって回動さ
せることにより回転軸１を傾斜させて回転磁気ヘッドＨ
ａ，Ｈｂの回転軌跡を変化させても、回転磁気ヘッドＨ
ａ，Ｈｂの磁気空隙部と磁気テープＴとの接触状態は変
化せず、常に良好な再生画像が得られる。

【００４６】次に本発明の磁気記録再生装置の他の実施
例を示している図９において、外周面に磁気テープの基
準縁の案内部Ｇを構成させてある下ドラムＤｄは、磁気
記録再生装置における固定部として機能するドラムベー
スＤＢに対して複数個のねじ３２（図９中には１個のね
じ３２しか示されていない）によって固着されている。
前記した下ドラムＤｄの内方の上端部には内側に突出す
る縁部７５が設けられており、前記した縁部７５の先端
は下ドラムＤｄの内方に構成させてある内方空間部に設
けられている支持部材ＳＡの外壁面に嵌合されている。
すなわち前記した下ドラムＤｄの上端部から内方に突設
させてある縁部７５は、それの内径寸法が支持部材ＳＡ
の外壁面の直径と同一の直径を有するように構成されて
いる。また、ドラムの周面に対する磁気テープＴの巻付
範囲の中央位置と下ドラムＤｄの中心軸とを通過する直
線（図２中の直線Ｌ1)上に位置する２つの位置において
前記した支持部材ＳＡと、下ドラムＤｄとは回動支点用
部材３０，３１によって回動自在に連結されている。図
９に例示されている実施例においては、ドラムの周面に
対する磁気テープＴの巻付範囲の中央位置と下ドラムＤ
ｄの中心軸とを通過する直線（図２中の直線Ｌ1)上の位
置における前記した下ドラムＤｄの内方の上端部と、支
持部材ＳＡに設けられた連結部７６の下面との間に、前
記した回動支点用部材３０，３１によって回動支点が構
成されている。

【００４７】ドラムベースＤＢと支持部材ＳＡとの間に
設けられている部材ＣＡは、下ドラムＤｄと支持部材Ｓ
Ａとの間に、前記した回動支点用部材３０，３１によっ
て構成された２個の回動支点を結ぶ直線（図２中の直線
Ｌ1)を回動中心として支持部材ＳＡを所定のように回動
させるために用いられる環状のカム部材ＣＡ{図５の
(ｅ)参照}に示されている。ドラムベースＤＢには図５
の（ｇ）に示されているように、環状のカム部材ＣＡに
おける環状部３４を嵌合させるべき案内溝３３が設けら
れていて、前記した環状のカム部材ＣＡはドラムベース
ＤＢに設けられている案内溝３３中に、それの環状部３
４が回動自在に嵌合されることにより位置決めされる。
前記した環状のカム部材ＣＡにおける環状部３４には、
所定形状のカム輪郭３４ａ，３４ｂが構成されており、
また、前記の環状部３４には連結部３５を介して円弧状
ラック２２が設けられている。そして、前記した支持部
材ＳＡや環状のカム部材ＣＡは、スプリング３８〜４１
による付勢により、装置の固定部として機能するドラム
ベースＤＢに対して弾発的に連結支持されている。

【００４８】支持部材ＳＡに設けられている軸受５，６
によって回転自在に支持されている回転軸１は、上ドラ
ム固着部材２に嵌合固着されており、上ドラム固着部材
２には上ドラムＤｕがねじ３，４によって固着されてい
て、ドラム駆動モータＭｄは回転軸１によって上ドラム
Ｄｕを回転させる。７３は上ドラムＤｕ側の中空円筒状
の回転トランス、７４は支持部材ＳＡ側の中空円筒状の
回転トランスである。回転軸１によって駆動回転されて
いる上ドラムＤｕは、ドラムの周面に対する磁気テープ
Ｔの巻付範囲の中央位置と下ドラムＤｄの中心軸とを通
過する直線（図２中の直線Ｌ1)上に位置する２つの位置
において回動支点用部材３０，３１によって回動自在に
連結されている支持部材ＳＡによって回転軸１が支持さ
れているから、下ドラムＤｄに対して回動自在に支持さ
れている支持部材ＳＡに取付けられている中空円筒状の
回転トランス７４と、上ドラムＤｕに取付けられている
中空円筒状の回転トランス７３とは、前記した支持部材
ＳＡの回動々作によっても相互の間隔が一定に保たれて
いるために回転軸１の傾斜角が変更された場合でも回転
磁気ヘッドからの再生出力には信号レベルの変動が生じ
ない。なお、図４に例示されている磁気記録再生装置の
場合においても、上ドラムＤｕに取付けられている環状
の回転トランス２３と、支持部材ＳＡに取付けられてい
る環状の回転トランス２４との相互間の間隔は、回転軸
１の傾斜角が変更された場合でも変化しないから、回転
磁気ヘッドからの再生出力には信号レベルの変動が生じ
ることがない。

【００４９】本発明の磁気記録再生装置の各実施例とし
てこれまでに説明して来た各構成例中で使用されていた
回転軸の傾斜調節用カム部材ＣＡは、例えば図５の
（ｅ）、図８等に例示されているように、円弧状ラック
２２に対してモータの動力が伝達されたときに、ドラム
ベースＤＢに構成させてある案内溝３３中で回動される
環状部３４に対して、ドラムベースＤＢに設けられた案
内溝３３の底面からの高さが変化しているような構成態
様のカム輪郭を構成させたものであったが、図１０に示
す本発明の磁気記録再生装置の実施例においては、回転
軸の傾斜調節用カム部材ＣＡcとして、例えば図１１の
(ｂ），（ｄ），（ｆ）中に平断面形状が例示されてい
るような中空円筒体７７が使用されている。前記した中
空円筒体７７として構成されている回転軸の傾斜調節用
カム部材ＣＡc（環状のカム部材ＣＡｃ）は、図１，図
５等を参照して既述した環状のカム部材ＣＡの場合と同
様に環状のカム部材における円弧状ラック２２に対して
モータの動力が伝達されたときに、ドラムベースＤＢに
構成させてある案内溝３３中で案内溝の壁面３３ａに外
周面７７ａが嵌合した状態で回動する中空円筒体７７の
内周面７７ｂが前記した外周面７７ａに対して偏心して
いる状態のカム輪郭を構成している。

【００５０】図１０の(ａ）はドラム構体ＤＡにおける
下ドラムＤｄの部分と支持部材ＳＡの部分とからなる構
成部分について、図２中の９０度ー２７０度線位置と対
応する位置での断面図を示しており、また、図１０の
（ｂ）はドラム構体ＤＡにおける下ドラムＤｄの部分と
支持部材ＳＡの部分とからなる構成部分について、図２
中の０度ー１８０度線位置と対応する位置での断面図を
示している。図１０において、外周面に磁気テープの基
準縁の案内部Ｇを構成させてある下ドラムＤｄは、磁気
記録再生装置における固定部として機能するドラムベー
スＤＢに対して複数個のねじ３２(図１０中には１個の
ねじ３２しか示されていない)によって固着されてい
る。前記した下ドラムＤｄの内方の上端部には内側に突
出する縁部７５が設けられており、前記した縁部７５の
先端は下ドラムＤｄの内方に構成させてある内方空間部
に設けられている支持部材ＳＡの外壁面に嵌合されてい
る。すなわち前記した下ドラムＤｄの上端部から内方に
突設させてある縁部７５は、それの内径寸法が支持部材
ＳＡの外壁面の直径と同一の直径を有するように構成さ
れている。

【００５１】また、ドラムの周面に対する磁気テープＴ
の巻付範囲の中央位置と下ドラムＤｄの中心軸とを通過
する直線（図２中の直線Ｌ1)上に位置する２つの位置に
おいて、前記した支持部材ＳＡと下ドラムＤｄとは回動
支点用部材３０，３１によって回動自在に連結されてい
る。図１０に例示されている実施例においては、ドラム
の周面に対する磁気テープＴの巻付範囲の中央位置と下
ドラムＤｄの中心軸とを通過する直線（図２中の直線Ｌ
1)上の位置における前記した下ドラムＤｄの内方の上端
部と、支持部材ＳＡに設けられた連結部７６の下面との
間に、前記した回動支点用部材３０，３１によって回動
支点が構成されている。ドラムベースＤＢに設けた孔８
０,８３,８６，８９と、ドラムモータ取付基板７に設け
た孔８２,８５,８８,９１とにおける互に対応している
孔には、図１０の（ａ）,（ｂ）に示されているよう
に、それぞれ個別のスプリング８１,８４，８７，９１
が装着されている。それにより支持部材ＳＡと上ドラム
Ｄｕとは下ドラムＤｄと支持部材ＳＡとの間に設けられ
た２個の回動支点用部材３０，３１を介して下ドラムＤ
ｄと弾発的に連結支持されている。

【００５２】ドラムベースＤＢに設けられている案内溝
３３（図５の（ｇ）参照）の壁面３３ａに外周面７７ａ
が嵌合して回動される中空円筒体７７として構成されて
いる回転軸の傾斜調節用カム部材ＣＡc（環状のカム部
材ＣＡｃ）の内周面７７ｂには、支持部材ＳＡに突設さ
せたカム従動体７８，７９を圧接させてあるが、前記の
カム従動体７８，７９は例えば半球状のものとして構成
されている。既述のように回転軸の傾斜調節用カム部材
ＣＡcの円弧状ラック２２に対してモータの動力が伝達
されたときに、ドラムベースＤＢに構成させてある案内
溝３３中で案内溝の壁面３３ａに外周面７７ａが嵌合し
た状態で回動する中空円筒体７７の内周面７７ｂは前記
した外周面７７ａに対して偏心した状態で変位する。そ
れにより、中空円筒体７７の内周面７７ｂによって構成
されているカム輪郭に圧接しているカム従動体７８，７
９は、前記したカム輪郭として機能する中空円筒体７７
の内周面７７ｂの偏心運動に従って、カム従動体７８，
７９が固着されている支持部材ＳＡを変位させる。

【００５３】図１０に例示した磁気記録再生装置におい
て、図示されていないモータ（図１中のモータＭｇ）の
回転力が減速器と回転軸とピニオンを介して、回転軸の
傾斜調節用カム部材（環状のカム部材）ＣＡｃの円弧状
ラックに伝達されると、図１を参照して既述したよう
に、図１中の環状のカム部材の回動位置の検出装置２５
は、環状のカム部材ＣＡｃにおける図示されていない円
弧状ラックの特定な位置に設けられた位置検出用の透孔
と対応して位置検出信号を発生して、図示されていない
駆動制御回路の動作を制御する。前記の駆動制御回路の
動作によって、回転軸の傾斜調節手段として機能する回
転軸の傾斜調節用の環状のカム部材(環状のカム部材)Ｃ
Ａｃを回動させたときに、環状のカム部材ＣＡｃの内周
面７７ｂによって構成されているカム輪郭に圧接してい
るカム従動体７８，７９を有する支持部材ＳＡは、２つ
の回動支点用部材３０，３１によって構成される２つの
回動支点を結ぶ直線（図２中の直線Ｌ1)を回動中心とし
て回動し、それにより前記した支持部材ＳＡに設けられ
ている軸受け５，６で支持されている回転軸１が、前記
した２つの回動支点を結ぶ直線（図２中の直線Ｌ1)に直
交する直線の内で下ドラムの中心軸を通る直線（図２中
の直線Ｌ2)と下ドラムの中心軸とを含む面内で傾斜し
て、図示されていない上ドラムに取付けられている回転
磁気ヘッドの回転軌跡面の位置を変化させる。

【００５４】図１１の（ａ），（ｃ），（ｅ）は、それ
ぞれ図１０の（ｂ）に示されている縦断面図と同様に、
図１中のＡ−Ａ線位置（図２中の０度ー１８０度線位
置）におけるドラム構体ＤＡの断面図である。図１１の
(ａ），（ｃ）,（ｅ）の各図に示されているドラム構体
ＤＡ付近の断面図中の０−０線は、既述のように装置の
固定部の一部として機能するドラムベースＤＢに固設さ
れている下ドラムＤｄの中心軸の位置（図３中に直線０
−０の位置と同じ）を示している。図１１の（ａ）は回
転軸１が下ドラムＤｄの中心軸と一致している状態（ノ
ーマル再生時の状態）となるように、回転軸の傾斜調節
用の環状のカム部材(環状のカム部材)ＣＡが回動調節さ
れている状態を示している図であって、図１１の(ｂ）
は前記のノーマル再生時における環状のカム部材ＣＡｃ
の回動調節の状態を示している環状のカム部材ＣＡｃと
支持部材ＳＡとの関連する部分の平面図であり、また図
１１の（ｃ)は、磁気記録再生装置に巻戻し再生動作を
行なわせている場合のドラム構体ＤＡ付近の断面図であ
って、この場合における回転軸１は、図３の(ｂ)中に示
されている一点鎖線のような傾斜方向で傾斜している状
態になる。

【００５５】図１１の(ｄ）は前記のように磁気記録再
生装置が巻戻し再生動作を行なっている場合における回
動調節の状態を示す環状のカム部材ＣＡｃと支持部材Ｓ
Ａとの関連する部分の平面図であり、さらに図１１の
（ｅ）は磁気記録再生装置に早送り再生動作を行なわせ
ている場合のドラム構体ＤＡ付近の断面図であり、この
場合における回転軸１は図３の（ｂ）中に示されている
点線のような傾斜方向で傾斜している状態になる。図１
１の(ｆ）は前記のように磁気記録再生装置が早送り再
生動作を行なっている場合における回動調節の状態を示
す環状のカム部材ＣＡｃと支持部材ＳＡとの関連する部
分の平面図である。

【００５６】次に図１４に示してある本発明の一実施例
の磁気記録再生装置について説明する。図１４に示して
ある本発明の磁気記録再生装置の一部の縦断面図｛図１
５の(ａ）は図２中の９０度ー２７０度線位置における
ドラム構体ＤＡの断面図、図１５の(ｂ)は図２中の０度
−１８０度線位置におけるドラム構体ＤＡの断面図}に
おいて、外周面に磁気テープの基準縁の案内部Ｇを構成
させてある下ドラムＤｄが、磁気記録再生装置における
固定部として機能するドラムベースＤＢに対して複数個
のねじ３２（図１５中には１個のねじ３２しか示されて
ないが、図１６に示す分解斜視図中には３本のねじ３２
が示されている）によって固着されている。前記した下
ドラムＤｄの内方に構成させてある内方空間部に設けら
れている支持部材ＳＡは、それの上端部の外周面から突
設させてある縁部２８、すなわち、下ドラムＤｄの内壁
面の直径と同一の直径を有するように構成されている縁
部２８を下ドラムＤｄの内壁面に嵌合させてある。

【００５７】図１４に示されている磁気記録再生装置に
おいて、図１５に示すようにドラム駆動モータＤＭのロ
ータ９２がねじ１０３，１０４によって固着されている
上ドラムＤｕは、その上ドラムＤｕに取付けられている
軸受け部９３，９４が、支持部材ＳＡに固設されている
固定軸９９に嵌装されている。前記の固定軸９９に嵌合
して固着されている取付部材１０６には、ドラム駆動モ
ータＤＭのステータ１０５が取付けられているドラムモ
ータ取付基板９５が、ねじ９６，９７によって固着され
ている。また、上ドラムＤｕの下方の端部にはロータリ
ートランス２３が固着されている。上ドラムＤｕはそれ
に固設されている軸受９３，９４が、支持部材ＳＡに固
設されている固定軸９９に嵌装されていて、上ドラムＤ
ｕと支持部材ＳＡとは前記した固定軸９９を共通の中心
軸としているから、ドラム駆動モータＤＭのステータ１
０５のコイルに対して駆動電力を供給してロータ９２を
回転させたときには、前記のロータ９２と一体的に回転
する上ドラムＤｕ側の回転トランス２３と、支持部材Ｓ
Ａ側の回転トランス２４とは、固定軸９９が傾斜しても
両者間の間隙は一定の状態に保持されることになる。

【００５８】前記したように支持部材ＳＡに固設されて
いる固定軸９９によって、常に同心的な状態に保持され
ている支持部材ＳＡと下ドラムＤｄとは、ドラムの周面
に対する磁気テープＴの巻付範囲の中央位置と下ドラム
Ｄｄの中心軸とを通過する直線（図２中の直線Ｌ1)上に
位置する２つの位置において回動支点用部材３０，３１
によって回動自在に連結されている。図１５に例示され
ている実施例においては、ドラムの周面に対する磁気テ
ープＴの巻付範囲の中央位置と下ドラムＤｄの中心軸と
を通過する直線（図２中の直線Ｌ1)上の位置における前
記した支持部材ＳＡの上端部と、下ドラムＤｄに設けら
れた突出縁２９との間には、図１５の(ａ)に示されてい
るように前記した回動支点用部材３０，３１によって回
動支点が構成されている。

【００５９】前記した回動支点用部材３０，３１によっ
て下ドラムＤｄと、支持部材ＳＡとの間に構成された２
個の回動支点を含む面と、前述した支持部材ＳＡの上端
部の外周面から突設させた縁部２８と下ドラムＤｄの内
壁面との嵌合面とは極めて近接しており、また、前記し
た回動支点用部材３０，３１によって下ドラムＤｄと支
持部材ＳＡとの間に構成された２個の回動支点を含む面
は、回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの回転軌跡面に近接して
いるから、前記した２つの回動支点を結ぶ直線（図２中
の直線Ｌ1)を回動中心として前記した支持部材ＳＡを回
動させて、前記した２つの回動支点を結ぶ直線（図２中
の直線Ｌ1)に直交する直線の内で下ドラムの中心軸を通
る直線（図２中の直線Ｌ2)と下ドラムの中心軸とを含む
面内で、上ドラムＤｕの回転中心とされている既述した
固定軸９９を傾斜させた場合においても、回転磁気ヘッ
ドＨａ，Ｈｂの回転軌跡が下ドラムＤｄの外周面の延長
面の位置から大きくずれることがなく、したがって支持
部材ＳＡを前記した回動支点によって回動させることに
より固定軸９９を傾斜させて回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂ
の回転軌跡を変化させても、回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂ
の磁気空隙部と磁気テープＴとの接触状態は悪化するこ
とがなく常に良好な再生画像が得られる。

【００６０】図１５においてドラムベースＤＢと支持部
材ＳＡとの間に設けられている部材ＣＡは、下ドラムＤ
ｄと支持部材ＳＡとの間に、前記した回動支点用部材３
０，３１によって構成された２個の回動支点を結ぶ直線
（図２中の直線Ｌ1)を回動中心として支持部材ＳＡを所
定のように回動させるために用いられる環状のカム部材
ＣＡであり、それの具体的な構成例が図１６の（ｅ）に
示されている。ドラムベースＤＢには図１６の（ｇ）に
示されているように、環状のカム部材ＣＡにおける環状
部３４を嵌合させるべき案内溝３３が設けられていて、
前記した環状のカム部材ＣＡはドラムベースＤＢに設け
られている案内溝３３中に、それの環状部３４が回動自
在に嵌合されることにより位置決めされる。前記した環
状のカム部材ＣＡにおける環状部３４には、所定形状の
カム輪郭３４ａ，３４ｂが構成されている。

【００６１】また前記の環状部３４には連結部３５を介
して円弧状ラック２２が設けられている。そして前記し
た支持部材ＳＡや環状のカム部材ＣＡは、スプリング３
８〜４１による付勢により、装置の固定部として機能す
るドラムベースＤＢに対して弾発的に連結支持されてい
る。前記したスプリング３８,３９は図１５の(ａ）に示
されているように、ドラムベースＤＢに設けられている
孔４４，４５と支持部材ＳＡに設けた孔４６，４７とに
挿入されており、また、前記したスプリング４０，４１
は、ドラムベースＤＢに設けられている孔４８，４９と
抑止板１００に設けた孔１０１，１０２とに挿入されて
いる。

【００６２】前記した環状のカム部材ＣＡにおける円弧
状ラック２２には、図１４に示されているように、モー
タＭｇの回転力が減速器１９と回転軸２０とピニオン２
１とを介して伝達されるようになされており、前記した
モータＭｇの正逆回転に応じて、環状のカム部材ＣＡの
環状部３４がドラムベースＤＢに設けられている案内溝
３３に嵌合された状態で回動したときに、環状部３４に
構成されている所定形状のカム輪郭３４ａ,３４ｂと係
合している支持部材ＳＡに設けられている従動体３６,
３７によって、支持部材ＳＡが下ドラムＤｄと支持部材
ＳＡとの間に、前記した回動支点用部材３０，３１によ
って構成された２個の回動支点を結ぶ直線（図２中の直
線Ｌ1)を回動中心として回動して、固定軸９９を傾斜さ
せて回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの回転軌跡面の位置が変
化することになる。

【００６３】支持部材ＳＡの回動量、すなわち、固定軸
９９の傾斜量を変化させる際に使用される駆動機構の動
力源のモータＭｇは、図１４中には図示されていない駆
動制御回路によって動作が制御された回転を行なう。前
記したモータＭｇの回転力は減速器１９と回転軸２０と
ピニオン２１及び円弧状ラック２２を介して回転軸の傾
斜調節用カム部材（環状のカム部材）ＣＡに伝達され
る。２５は環状のカム部材ＣＡの回動位置の検出装置
（例えば、フオトインタラプタ）であり、この環状のカ
ム部材ＣＡの回動位置の検出装置２５は、ドラムベース
ＤＢに固着されている。前記した環状のカム部材ＣＡに
おけるの検出装置２５は、環状のカム部材ＣＡにおける
円弧状ラック２２の特定な位置に設けられた位置検出用
の透孔５２〜５４(図１６参照)と対応し、て駆動制御回
路の動作の制御に用いられる位置検出信号を発生する。

【００６４】また前記した環状のカム部材ＣＡの回動位
置の検出装置２５には、環状のカム部材ＣＡにおける円
弧状ラック２２の特定な位置に設けられたストッパ用の
透孔５５〜５７（図１６参照）に係合しうるストッパ機
構も備えている。前記のストッパ機構としては、例えば
スプリングによって付勢されたボールを備えた構造のも
のが使用でき、前記した環状のカム部材ＣＡにおける円
弧状ラック２２の特定な位置に設けられたストッパ用の
透孔５５〜５７の内の選択された１個のものに、ストッ
パ機構におけるボールを係合させることにより、環状の
カム部材ＣＡの回動位置、すなわち前記した固定軸９９
の傾斜態様を設定することができる。

【００６５】図１７は、図１５に示されている本発明の
磁気記録再生装置の実施例のドラム構体ＤＡ付近の構成
部分において、前記のように回転軸の傾斜調節手段とし
て機能する回転軸の傾斜調節用の環状のカム部材(環状
のカム部材)ＣＡを回動させたときに、環状のカム部材
ＣＡの円周方向に構成させたカム輪郭３４ａ，３４ｂに
圧接しているカム従動体３６，３７を有する支持部材Ｓ
Ａが、２つの回動支点用部材３０，３１によって構成さ
れる２つの回動支点を結ぶ直線（図２中の直線Ｌ1)を回
動中心として回動し、それにより前記した支持部材ＳＡ
に固設されている固定軸９９が、前記した２つの回動支
点を結ぶ直線（図２中の直線Ｌ1)に直交する直線の内で
下ドラムの中心軸を通る直線（図２中の直線Ｌ2)と下ド
ラムの中心軸とを含む面内で傾斜して、上ドラムＤｕに
取付けられている回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの回転軌跡
面の位置が変化させる状態を図示説明している図であっ
て、図１７の（ａ）,（ｄ）,（ｇ）はそれぞれ図１５の
（ｂ）に示されている縦断面図と同様に、図１中のＡ−
Ａ線位置（図２中の０度ー１８０度線位置）におけるド
ラム構体ＤＡの断面図である。

【００６６】図１７の(ａ），（ｄ）,（ｇ）の各図に示
されているドラム構体ＤＡ付近の断面図中の０−０線
は、既述のように装置の固定部の一部として機能するド
ラムベースＤＢに固設されている下ドラムＤｄの中心軸
の位置（図３中に直線０−０の位置と同じ）を示してい
る。図１７の（ａ）は固定軸９９が下ドラムＤｄの中心
軸と一致している状態（ノーマル再生時の状態）となる
ように、回転軸の傾斜調節用の環状のカム部材(環状の
カム部材)ＣＡが回動調節されている状態を示している
図であり、図１７の(ｂ）は前記のノーマル再生時にお
ける環状のカム部材ＣＡの回動調節の状態を示している
環状のカム部材ＣＡの平面図であり、図中の直線Ｌ1，
Ｌ2は図２中に示されている直線Ｌ1，Ｌ2と対応してい
る。また、図１７の(ｃ）は前記のノーマル再生時にお
ける環状のカム部材ＣＡの平面図｛図１７の(ｂ）｝と
対応する環状のカム部材ＣＡの側面図である。

【００６７】図１７の(ｄ)は磁気記録再生装置に早送り
再生動作を行なわせている場合のドラム構体ＤＡ付近の
断面図であり、この場合における固定軸９９は図３の
（ｂ）中に示されている点線のような傾斜方向で傾斜し
ている状態になる。図１７の(ｅ）は前記のように磁気
記録再生装置が早送り再生動作を行なっている場合にお
ける回動調節の状態を示す環状のカム部材ＣＡの平面図
で、図中の直線Ｌ1，Ｌ2は図２中に示されている直線Ｌ
1，Ｌ2と対応しており、また、図１７の(ｆ）は前記の
ように磁気記録再生装置が早送り再生動作を行なってい
る場合における環状のカム部材ＣＡの平面図｛図１７の
(ｅ）｝と対応する環状のカム部材ＣＡの側面図であ
る。

【００６８】また、図１７の(ｇ)は、磁気記録再生装置
に巻戻し再生動作を行なわせている場合のドラム構体Ｄ
Ａ付近の断面図であり、この場合における固定軸９９は
図３の(ｂ)中に示されている一点鎖線のような傾斜方向
で傾斜している状態になる。図１７の(ｈ）は前記のよ
うに磁気記録再生装置が巻戻し再生動作を行なっている
場合における回動調節の状態を示す環状のカム部材ＣＡ
の平面図で、図中の直線Ｌ1，Ｌ2は図２中に示されてい
る直線Ｌ1，Ｌ2と対応しており、また、図１７の(ｉ）
は前記のように磁気記録再生装置が巻戻し再生動作を行
なっている場合における環状のカム部材ＣＡの平面図
｛図１７の(ｈ）｝と対応する環状のカム部材ＣＡの側
面図である。

【００６９】図１４に示されている本発明の磁気記録再
生装置において、操作者が磁気記録再生装置の操作部に
対して動作モードの情報を入力して、磁気記録再生装置
の再生動作モードが、ノーマル再生モード、早送り再生
モード、巻戻し再生モードのように変更される場合に、
前記した再生モードの変更と対応して、前記した回転軸
の傾斜調節用カム部材ＣＡが、ドラムベースＤＢ上で選
択された所定の回動位置まで正確に回動された後に、そ
の位置に固定された状態にされることが必要とされる
が、それは既述のようにドラムベースＤＢに設けられて
いるモータＭｇ、減速器１９、回転軸２０、ピニオン２
１（図１参照）とを介し、回転軸の傾斜調節用カム部材
ＣＡ(図１６参照)に設けられている円弧状ラック２２に
対して、モータの動力を伝達することによって、ドラム
ベースＤＢに設けられている案内溝３３に回動自在に嵌
合されている環状のカム部材ＣＡを選択された所定の回
動位置まで回動させた後に、前記の選択された特定な回
動位置で環状のカム部材ＣＡが、例えば既述したような
クリックストップ機構を用いて固定化されることなど
は、図１を参照して既述した本発明の磁気記録再生装置
の実施例の場合と同様である。

【００７０】すなわち、前記した操作部に対して操作者
が設定した再生動作モードが、例えばノーマル再生モー
ドであった場合には、図示されていない制御装置では前
記したモータＭｇ、減速器１９、回転軸２０、ピニオン
２１(図１４参照）とを介して、回転軸の傾斜調節用カ
ム部材ＣＡ(図１６参照)に設けられている円弧状ラック
２２に対して、モータの動力を伝達してドラムベースＤ
Ｂに設けられている案内溝３３に回動自在に嵌合されて
いる環状のカム部材ＣＡを回動させたときに、環状のカ
ム部材ＣＡの円周方向に構成させたカム輪郭３４ａ，３
４ｂに圧接しているカム従動体３６,３７を有する支持
部材ＳＡが、２つの回動支点用部材３０,３１によって
構成される２つの回動支点を結ぶ直線（図２中の直線Ｌ
1)を回動中心として回動することにより前記した支持部
材ＳＡに設けられている軸受け５，６で支持されている
固定軸９９が、下ドラムＤｄの中心軸と一致している状
態になると、環状ののカム部材ＣＡにおける円弧状ラッ
ク２２の特定な位置に設けられた位置検出用の透孔５２
〜５４(図１６参照)におけるノーマル再生モード用の透
孔５３と対応して位置検出信号を発生し、前記した位置
検出信号によって駆動制御回路の動作が制御されてモー
タＭｇの回転が停止されるとともに、前記した環状のカ
ム部材ＣＡの回動位置の検出装置２５に設けられている
ストッパ機構におけるスプリングによって付勢されたボ
ールが、前記した環状のカム部材ＣＡにおける円弧状ラ
ック２２の特定な位置に設けられたストッパ用の透孔５
６に係合して、前記した環状のカム部材ＣＡをノーマル
再生と対応して定められた特定な回動位置に、前記のク
リックストップ機構によって固定化させる。

【００７１】次に、前記した操作部に対して操作者が設
定した再生動作モードが、例えば早送り再生モードであ
った場合には、図示されていない制御装置では前記した
モータＭｇ、減速器１９、回転軸２０、ピニオン２１
(図１４参照)とを介し、回転軸の傾斜調節用カム部材Ｃ
Ａ(図１６参照)に設けられている円弧状ラック２２に対
して、モータの動力を伝達して、ドラムベースＤＢに設
けられている案内溝３３に回動自在に嵌合されている環
状のカム部材ＣＡを回動させたときに、環状のカム部材
ＣＡの円周方向に構成させたカム輪郭３４ａ，３４ｂに
圧接しているカム従動体３６，３７を有する支持部材Ｓ
Ａが、２つの回動支点用部材３０，３１によって構成さ
れる２つの回動支点を結ぶ直線（図２中の直線Ｌ1)を回
動中心として回動することにより前記した支持部材ＳＡ
に固設されている固定軸９９が、図３の（ｂ）中の点線
図示のような傾斜方向で特定な角度だけ傾斜している状
態になると、環状のカム部材ＣＡの回動位置の検出装置
（例えば、フオトインタラプタ）２５が、環状のカム部
材ＣＡにおける円弧状ラック２２の特定な位置に設けら
れた位置検出用の透孔５２〜５４(図１６参照)における
早送り再生モード用の透孔５４と対応して位置検出信号
を発生し、前記した位置検出信号によって駆動制御回路
の動作が制御されてモータＭｇの回転が停止されるとと
もに、前記した環状のカム部材ＣＡの回動位置の検出装
置２５に設けられているストッパ機構におけるスプリン
グによって付勢されたボールが、前記した環状のカム部
材ＣＡにおける円弧状ラック２２の特定な位置に設けら
れたストッパ用の透孔５７(図１６参照)に係合して、前
記した環状のカム部材ＣＡを早送り再生モードと対応し
て定められた特定な回動位置に、前記のクリックストッ
プ機構によって固定化させる。

【００７２】次いで、前記した操作部に対して操作者が
設定した再生動作モードが、例えば巻戻し再生モードで
あった場合には、図示されていない制御装置では前記し
たモータＭｇ、減速器１９、回転軸２０、ピニオン２１
(図１４参照)とを介し、回転軸の傾斜調節用カム部材Ｃ
Ａ(図１６参照)に設けられている円弧状ラック２２に対
して、モータの動力を伝達して、ドラムベースＤＢに設
けられている案内溝３３に回動自在に嵌合されている環
状のカム部材ＣＡを回動させたときに、環状のカム部材
ＣＡの円周方向に構成させたカム輪郭３４ａ，３４ｂに
圧接しているカム従動体３６，３７を有する支持部材Ｓ
Ａが、２つの回動支点用部材３０，３１によって構成さ
れる２つの回動支点を結ぶ直線（図２中の直線Ｌ1)を回
動中心として回動することにより前記した支持部材ＳＡ
に固設されている固定軸９９が、図３の（ｂ）中の一点
鎖線図示のような傾斜方向で特定な角度だけ傾斜してい
る状態になると、環状のカム部材ＣＡの回動位置の検出
装置（例えば、フオトインタラプタ）２５が、環状のカ
ム部材ＣＡにおける円弧状ラック２２の特定な位置に設
けられた位置検出用の透孔５２〜５４(図１６参照)にお
ける巻戻し再生モード用の透孔５２と対応して位置検出
信号を発生し、前記した位置検出信号によって駆動制御
回路の動作が制御されてモータＭｇの回転が停止される
とともに、前記した環状のカム部材ＣＡの回動位置の検
出装置２５に設けられているストッパ機構におけるスプ
リングによって付勢されたボールが、前記した環状のカ
ム部材ＣＡにおける円弧状ラック２２の特定な位置に設
けられたストッパ用の透孔５５(図１６参照)に係合し
て、前記した環状のカム部材ＣＡを巻戻し再生モードと
対応して定められた特定な回動位置に、前記のクリック
ストップ機構によって固定化させる。

【００７３】図１８は図１５を参照して既述した本発明
の磁気記録再生装置の実施例のドラム構体ＤＡにおける
支持部材ＳＡと下ドラムＤｄとの嵌合の態様、及び下ド
ラムＤｄに対して支持部材ＳＡを回動自在に支持するた
めの支持態様とを異にして構成させた本発明の磁気記録
再生装置の別の実施例のドラム構体ＤＡにおける下ドラ
ムＤｄの部分と支持部材ＳＡの部分との関連構成を示し
ている縦断面図であって、図１８の(ａ）はドラム構体
ＤＡにおける下ドラムＤｄの部分と支持部材ＳＡの部分
とからなる構成部分について、図２中の９０度ー２７０
度線位置と対応する位置での断面図を示しており、ま
た、図１８の（ｂ）はドラム構体ＤＡにおける下ドラム
Ｄｄの部分と支持部材ＳＡの部分とからなる構成部分に
ついて、図２中の０度ー１８０度線位置と対応する位置
での断面図を示している。

【００７４】図１８に示されている本発明の磁気記録再
生装置の別の実施例のドラム構体ＤＡにおける下ドラム
Ｄｄの部分と支持部材ＳＡの部分との関連構成を示して
いる縦断面図において、外周面に磁気テープの基準縁の
案内部Ｇを構成させてある下ドラムＤｄは、磁気記録再
生装置における固定部として機能するドラムベースＤＢ
に対して複数個のねじ３２（図１８中には１個のねじ３
２しか示されていない）によって固着されている。前記
した下ドラムＤｄ上端部には内方に突出する縁部５８が
設けられており、前記した縁部５８の先端は下ドラムＤ
ｄの内方に構成させてある内方空間部に設けられている
支持部材ＳＡの外壁面に嵌合されている。すなわち、前
記した下ドラムＤｄの上端部から内方に突設させてある
縁部５８は、それの内径寸法が支持部材ＳＡの外壁面の
直径と同一の直径を有するように構成されている。

【００７５】また、ドラムの周面に対する磁気テープＴ
の巻付範囲の中央位置と下ドラムＤｄの中心軸とを通過
する直線（図２中の直線Ｌ1)上に位置する２つの位置に
おいて前記した支持部材ＳＡと、下ドラムＤｄとは回動
支点用部材３０，３１によって回動自在に連結されてい
る。図１８に例示されている実施例においては、ドラム
の周面に対する磁気テープＴの巻付範囲の中央位置と下
ドラムＤｄの中心軸とを通過する直線（図２中の直線Ｌ
1)上の位置における前記した下ドラムＤｄの上端部と、
支持部材ＳＡに設けられた突出部７０の下面との間に、
前記した回動支点用部材３０，３１によって回動支点が
構成されている。そして、前記した回動支点用部材３
０，３１によって下ドラムＤｄと、支持部材ＳＡとの間
に構成された２個の回動支点を含む面と、前述した下ド
ラムＤｄの上端部から内方に突設させた縁部５８と支持
部材ＳＡの外壁面との嵌合面とは極めて近接している。

【００７６】また、前記した回動支点用部材３０，３１
によって下ドラムＤｄと支持部材ＳＡとの間に構成され
た２個の回動支点を含む面と、回転磁気ヘッドＨａ,Ｈ
ｂ(図示せず）の回転軌跡面とは、支持部材ＳＡに設け
られた突出部７０の外周面７０ａにおける母線方向の長
さだけ離隔しているが、前記した支持部材ＳＡに固設さ
れている固定軸９９に対して上ドラムＤｕに固設させて
ある軸受け９３，９４を嵌装させてある上ドラムＤu
（図示せず）の下端部と、支持部材ＳＡの上端部との間
に構成される空隙寸法（あるいは支持部材ＳＡの上端部
と上ドラムに固着されている回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂ
の回転軌跡面との距離）は、前記した支持部材ＳＡが前
記した回動支点用部材３０，３１によって構成された２
個の回動支点によって回動された場合でも変化すること
がなく、また、図示されていない上ドラムＤｕの外周面
と支持部材ＳＡに設けられた突出部７０の外周面７０ａ
とは、前記した支持部材ＳＡが前記した回動支点用部材
３０，３１によって構成された２個の回動支点によって
回動された場合でも、互に他方の面の延長する面に含ま
れるような状態に保たれているから、支持部材ＳＡを前
記した回動支点によって回動させることにより固定軸９
９を傾斜させて回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの回転軌跡を
変化させても、回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの磁気空隙部
と磁気テープＴとの接触状態は変化せず、常に良好な再
生画像が得られる。

【００７７】本発明の磁気記録再生装置の他の実施例の
ドラム構体ＤＡにおける下ドラムＤｄの部分と支持部材
ＳＡの部分との関連構成の縦断面図を示している図１９
に記載してあるドラム構体ＤＡにおける下ドラムＤｄの
部分と支持部材ＳＡの部分との関連構成部分は、図１８
を参照して既述した磁気記録再生装置のドラム構体ＤＡ
の場合と同様に、下ドラムＤｄと上ドラムＤｕ（図示せ
ず）との間に、前記した上ドラムＤｕの外周面の延長面
に含まれるような外周面７０ａを有する突出部７０を備
えている支持部材ＳＡを用いているものであるが、この
図１９に例示されている構成例のものでは、支持部材Ｓ
Ａと下ドラムＤｄとの嵌合の位置、と下ドラムＤｄに対
して支持部材ＳＡを回動自在に支持するための回動支点
の位置とを、既述した図１８に示されている実施例の場
合とは異なり、下ドラムＤｄの下方端部付近に設けてい
る。

【００７８】図１９の(ａ）はドラム構体ＤＡにおける
下ドラムＤｄの部分と支持部材ＳＡの部分とからなる構
成部分について、図２中の９０度ー２７０度線位置と対
応する位置での断面図を示しており、また、図１９の
（ｂ）はドラム構体ＤＡにおける下ドラムＤｄの部分と
支持部材ＳＡの部分とからなる構成部分について、図２
中の０度ー１８０度線位置と対応する位置での断面図を
示している。図１９に示されている本発明の磁気記録再
生装置の実施例のドラム構体ＤＡにおける下ドラムＤｄ
の部分と支持部材ＳＡの部分との関連構成を示している
縦断面図において、外周面に磁気テープの基準縁の案内
部Ｇを構成させてある下ドラムＤｄは、磁気記録再生装
置における固定部として機能するドラムベースＤＢに対
して複数個のねじ３２（図１８中には１個のねじ３２し
か示されていない）によって固着されている。

【００７９】前記した下ドラムＤｄの内方に設けられて
いる空間部には、既述した図１８について既述した構成
例の場合と同様に、下ドラムＤｄから突出していて上ド
ラムＤｕの外周面の延長面と同一な面に含まれる外周面
７０ａを有する突出部７０を備えている支持部材ＳＡが
設けられている。前記の支持部材ＳＡは、ドラムの周面
に対する磁気テープＴの巻付範囲の中央位置と下ドラム
Ｄｄの中心軸とを通過する直線（図２中の直線Ｌ1)上に
位置する２つの位置において前記した支持部材ＳＡと、
下ドラムＤｄとは回動支点用部材３０，３１によって回
動自在に連結されている。図１９に例示されている実施
例においては、ドラムの周面に対する磁気テープＴの巻
付範囲の中央位置と下ドラムＤｄの中心軸とを通過する
直線（図２中の直線Ｌ1)上の位置における前記した下ド
ラムＤｄの底部と、支持部材ＳＡの中間段部７２の下面
との間に、前記した回動支点用部材３０，３１によって
回動支点が構成されている。また、前記した支持部材Ｓ
Ａにおける中間段部７２の部分には外方に突出する縁部
７１が設けられており、前記した縁部７１の先端は下ド
ラムＤｄの内壁面に嵌合されている。すなわち、前記し
た支持部材ＳＡにおける中間段部７２の部分には外方に
突出する縁部７１の外径寸法と、下ドラムＤｄの内壁面
の直径とは同一となるように構成されている。

【００８０】前記した回動支点用部材３０，３１によっ
て下ドラムＤｄと、支持部材ＳＡとの間に構成された２
個の回動支点を含む面と、前述した下ドラムＤｄの内壁
面と支持部材ＳＡにおける中間段部７２の部分から外方
に突出させた縁部７１との嵌合面とは極めて近接してい
る。また前記した回動支点用部材３０，３１によって下
ドラムＤｄと支持部材ＳＡとの間に構成された２個の回
動支点を含む面と、回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂ（図示せ
ず）の回転軌跡面とは大きく離隔しているが、前記した
支持部材ＳＡに設けられている軸孔１０８に嵌入固着さ
れる固定軸９９（図１９中には示されていない）に対し
て、上ドラムＤｕに固設されている軸受け９３，９４を
嵌装させてある上ドラムＤｕ（図示せず）の下端部と、
支持部材ＳＡの上端部との間に構成される空隙寸法（あ
るいは支持部材ＳＡの上端部と上ドラムに固着されてい
る回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの回転軌跡面との距離）
は、前記した支持部材ＳＡが前記した回動支点用部材３
０，３１によって構成された２個の回動支点によって回
動された場合でも変化することがなく、また、図示され
ていない上ドラムＤｕの外周面と支持部材ＳＡに設けら
れた突出部７０の外周面７０ａとは、前記した支持部材
ＳＡが前記した回動支点用部材３０，３１によって構成
された２個の回動支点によって回動された場合でも同一
の面に含まれている状態に保たれているから、支持部材
ＳＡを前記した回動支点によって回動させることにより
固定軸９９を傾斜させて回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの回
転軌跡を変化させても、回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの磁
気空隙部と磁気テープＴとの接触状態は変化せず、常に
良好な再生画像が得られる。

【００８１】次に本発明の磁気記録再生装置の他の実施
例を示している図２０において外周面に磁気テープの基
準縁の案内部Ｇを構成させてある下ドラムＤｄは、磁気
記録再生装置における固定部として機能するドラムベー
スＤＢに対して複数個のねじ３２(図２０中には１個の
ねじ３２しか示されていない)によって固着されてい
る。前記した下ドラムＤｄの内方の上端部には内側に突
出する縁部７５が設けられており、前記した縁部７５の
先端は下ドラムＤｄの内方に構成させてある内方空間部
に設けられている支持部材ＳＡの外壁面に嵌合されてい
る。すなわち前記した下ドラムＤｄの上端部から内方に
突設させてある縁部７５は、それの内径寸法が支持部材
ＳＡの外壁面の直径と同一の直径を有するように構成さ
れている。

【００８２】また、ドラムの周面に対する磁気テープＴ
の巻付範囲の中央位置と下ドラムＤｄの中心軸とを通過
する直線（図２中の直線Ｌ1)上に位置する２つの位置に
おいて前記した支持部材ＳＡと、下ドラムＤｄとは回動
支点用部材３０，３１によって回動自在に連結されてい
る。図２０に例示されている実施例においては、ドラム
の周面に対する磁気テープＴの巻付範囲の中央位置と下
ドラムＤｄの中心軸とを通過する直線（図２中の直線Ｌ
1)上の位置における前記した下ドラムＤｄの内方の上端
部と、支持部材ＳＡに設けられた連結部７６の下面との
間に、前記した回動支点用部材３０，３１によって回動
支点が構成されている。

【００８３】ドラムベースＤＢと支持部材ＳＡとの間に
設けられている部材ＣＡは、下ドラムＤｄと支持部材Ｓ
Ａとの間に、前記した回動支点用部材３０，３１によっ
て構成された２個の回動支点を結ぶ直線（図２中の直線
Ｌ1)を回動中心として支持部材ＳＡを所定のように回動
させるために用いられる環状のカム部材ＣＡ{図１６の
(ｅ)参照}に示されている。ドラムベースＤＢには図１
６の（ｇ）に示されているように、環状のカム部材ＣＡ
における環状部３４を嵌合させるべき案内溝３３が設け
られていて、前記した環状のカム部材ＣＡはドラムベー
スＤＢに設けられている案内溝３３中に、それの環状部
３４が回動自在に嵌合されることにより位置決めされ
る。前記した環状のカム部材ＣＡにおける環状部３４に
は、所定形状のカム輪郭３４ａ，３４ｂが構成されてお
り、また、前記の環状部３４には連結部３５を介して円
弧状ラック２２が設けられている。そして前記した支持
部材ＳＡや環状のカム部材ＣＡは、スプリング３８〜４
１を装置の固定部として機能するドラムベースＤＢと抑
止板１００との間に設けることにより、ドラムベースＤ
Ｂに対して弾発的に連結支持されている。

【００８４】前記した支持部材ＳＡに設けられている軸
孔１０８に嵌入固着されている固定軸９９に、上ドラム
Ｄｕに固設されている軸受け９３，９４を嵌装させてあ
る上ドラムＤｕには、ドラム駆動モータＤＭのロータ９
２が固着されていて、ドラム駆動モータＤＭのロータ９
２の回転時に上ドラムＤｕは、前記した固定軸９９を回
転中心にして回転する。７３は上ドラムＤｕ側の中空円
筒状の回転トランス、７４は支持部材ＳＡ側の中空円筒
状の回転トランスである。前記した上ドラムＤｕは、ド
ラムの周面に対する磁気テープＴの巻付範囲の中央位置
と下ドラムＤｄの中心軸とを通過する直線（図２中の直
線Ｌ1)上に位置する２つの位置において回動支点用部材
３０，３１によって回動自在に連結されている支持部材
ＳＡに固設されている固定軸９９を回転中心にして駆動
回転されているから、下ドラムＤｄに対して回動自在に
支持されている支持部材ＳＡに取付けられている中空円
筒状の回転トランス７４と、上ドラムＤｕに取付けられ
ている中空円筒状の回転トランス７３とは、前記した支
持部材ＳＡの回動々作によっても相互の間隔が一定に保
たれているために、前記の固定軸９９の傾斜角が変更さ
れた場合でも回転磁気ヘッドからの再生出力には信号レ
ベルの変動を生じることがない。なお、図１５に例示さ
れている磁気記録再生装置の場合でも、上ドラムＤｕに
取付けられている環状の回転トランス２３と、支持部材
ＳＡに取付けられている環状の回転トランス２４との相
互間の間隔は、固定軸９９の傾斜角が変更された場合で
も変化しないから、回転磁気ヘッドからの再生出力には
信号レベルの変動が生じることがない。

【００８５】本発明の磁気記録再生装置の各実施例とし
てこれまでに説明して来た各構成例中で使用されていた
固定軸の傾斜調節用カム部材ＣＡは、例えば図１６の
（ｅ）や図８等に例示されているように、円弧状ラック
２２に対してモータの動力が伝達されたときに、ドラム
ベースＤＢに構成させてある案内溝３３中で回動される
環状部３４に対して、ドラムベースＤＢに設けられた案
内溝３３の底面からの高さが変化しているような構成態
様のカム輪郭を構成させたものであったが、図２２に示
す本発明の磁気記録再生装置の実施例においては、固定
軸の傾斜調節用カム部材ＣＡcとして、例えば図２１の
(ｂ），（ｄ），（ｆ）中に平断面形状が例示されてい
るような中空円筒体７７が使用されている。前記した中
空円筒体７７として構成されている固定軸の傾斜調節用
カム部材ＣＡc（環状のカム部材ＣＡｃ）は、図１４，
図１６等を参照して既述した環状のカム部材ＣＡの場合
と同様に環状のカム部材における円弧状ラック２２に対
してモータの動力が伝達されたときに、ドラムベースＤ
Ｂに構成させてある案内溝３３中で案内溝の壁面３３ａ
に外周面７７ａが嵌合した状態で回動する中空円筒体７
７の内周面７７ｂが前記した外周面７７ａに対して偏心
している状態のカム輪郭を構成している。

【００８６】図２２の(ａ）はドラム構体ＤＡにおける
下ドラムＤｄの部分と支持部材ＳＡの部分とからなる構
成部分について、図２中の９０度ー２７０度線位置と対
応する位置での断面図を示しており、また、図２２の
（ｂ）はドラム構体ＤＡにおける下ドラムＤｄの部分と
支持部材ＳＡの部分とからなる構成部分について、図２
中の０度ー１８０度線位置と対応する位置での断面図を
示している。図２２において、外周面に磁気テープの基
準縁の案内部Ｇを構成させてある下ドラムＤｄは、磁気
記録再生装置における固定部として機能するドラムベー
スＤＢに対して複数個のねじ３２(図２２中には１個の
ねじ３２しか示されていない)によって固着されてい
る。前記した下ドラムＤｄの内方の上端部には内側に突
出する縁部７５が設けられており、前記した縁部７５の
先端は下ドラムＤｄの内方に構成させてある内方空間部
に設けられている支持部材ＳＡの外壁面に嵌合されてい
る。すなわち前記した下ドラムＤｄの上端部から内方に
突設させてある縁部７５は、それの内径寸法が支持部材
ＳＡの外壁面の直径と同一の直径を有するように構成さ
れている。

【００８７】また、ドラムの周面に対する磁気テープＴ
の巻付範囲の中央位置と下ドラムＤｄの中心軸とを通過
する直線（図２中の直線Ｌ1)上に位置する２つの位置に
おいて、前記した支持部材ＳＡと下ドラムＤｄとは回動
支点用部材３０，３１によって回動自在に連結されてい
る。図２２に例示されている実施例においては、ドラム
の周面に対する磁気テープＴの巻付範囲の中央位置と下
ドラムＤｄの中心軸とを通過する直線（図２中の直線Ｌ
1)上の位置における前記した下ドラムＤｄの内方の上端
部と、支持部材ＳＡに設けられた連結部７６の下面との
間に、前記した回動支点用部材３０，３１によって回動
支点が構成されている。ドラムベースＤＢに設けた孔８
０,８３,８６，８９と、ねじ１０６，１０７によって支
持部材ＳＡに取付けた抑止板１００に設けた孔８２,８
５,８８,９１とにおける互に対応している孔には、図２
２の（ａ）,（ｂ）に示されているように、それぞれ個
別のスプリング８１,８４，８７，９０が装着されてい
る。それにより支持部材ＳＡと上ドラムＤｕとは、下ド
ラムＤｄと支持部材ＳＡとの間に設けられた２個の回動
支点用部材３０，３１を介して下ドラムＤｄと弾発的に
連結支持されている。

【００８８】ドラムベースＤＢに設けられている案内溝
３３（図１６の（ｇ）参照）の壁面３３ａに外周面７７
ａが嵌合して回動される中空円筒体７７として構成され
ている回転軸の傾斜調節用カム部材ＣＡc（環状のカム
部材ＣＡｃ）の内周面７７ｂには、支持部材ＳＡに突設
させたカム従動体７８，７９を圧接させてあるが、前記
のカム従動体７８，７９は例えば半球状のものとして構
成されている。既述のように回転軸の傾斜調節用カム部
材ＣＡcの円弧状ラック２２に対してモータの動力が伝
達されたときに、ドラムベースＤＢに構成させてある案
内溝３３中で案内溝の壁面３３ａに外周面７７ａが嵌合
した状態で回動する中空円筒体７７の内周面７７ｂは前
記した外周面７７ａに対して偏心した状態で変位する。
それにより、中空円筒体７７の内周面７７ｂによって構
成されているカム輪郭に圧接しているカム従動体７８，
７９は、前記したカム輪郭として機能する中空円筒体７
７の内周面７７ｂの偏心運動に従って、カム従動体７
８，７９が固着されている支持部材ＳＡを変位させる。

【００８９】図２２に例示した磁気記録再生装置におい
て、図示されていないモータ（図１や図１４中のモータ
Ｍｇ）の回転力が減速器と回転軸とピニオンを介して、
回転軸の傾斜調節用カム部材（環状のカム部材）ＣＡｃ
の円弧状ラックに伝達されると、図１、あるいは図１４
等を参照して既述したように、前記の各図中の環状のカ
ム部材の回動位置の検出装置２５は、環状のカム部材Ｃ
Ａｃにおける図示されていない円弧状ラックの特定な位
置に設けられた位置検出用の透孔と対応して位置検出信
号を発生して、図示されていない駆動制御回路の動作を
制御する。前記の駆動制御回路の動作によって、回転軸
の傾斜調節手段として機能する回転軸の傾斜調節用の環
状のカム部材(環状のカム部材)ＣＡｃを回動させたとき
に、環状のカム部材ＣＡｃの内周面７７ｂによって構成
されているカム輪郭に圧接しているカム従動体７８，７
９を有する支持部材ＳＡは、２つの回動支点用部材３
０，３１によって構成される２つの回動支点を結ぶ直線
（図２中の直線Ｌ1)を回動中心として回動し、それによ
り前記した支持部材ＳＡに固設されている固定軸９９
が、前記した２つの回動支点を結ぶ直線（図２中の直線
Ｌ1)に直交する直線の内で下ドラムの中心軸を通る直線
（図２中の直線Ｌ2)と下ドラムの中心軸とを含む面内で
傾斜して、図示されていない上ドラムに取付けられてい
る回転磁気ヘッドの回転軌跡面の位置を変化させる。

【００９０】図２１の（ａ）,（ｃ）,（ｅ）は、それぞ
れ図２２の（ｂ）に示されている縦断面図と同様に、図
１４中のＡ−Ａ線位置（図２中の０度ー１８０度線位
置）におけるドラム構体ＤＡの断面図であり、前記の図
２１の(ａ），（ｃ）,（ｅ）の各図に示されているドラ
ム構体ＤＡ付近の断面図中の０−０線は、既述のように
装置の固定部の一部として機能するドラムベースＤＢに
固設されている下ドラムＤｄの中心軸の位置（図３中に
直線０−０の位置と同じ）を示している。図２１の
（ａ）は固定軸９９が下ドラムＤｄの中心軸と一致して
いる状態（ノーマル再生時の状態）となるように、固定
軸の傾斜調節用の環状のカム部材(環状のカム部材)ＣＡ
が回動調節されている状態を示している図であって、図
２１の(ｂ）は前記のノーマル再生時における環状のカ
ム部材ＣＡｃの回動調節の状態を示している環状のカム
部材ＣＡｃと支持部材ＳＡとの関連する部分の平面図で
あり、また図２１の（ｃ)は磁気記録再生装置に巻戻し
再生動作を行なわせている場合のドラム構体ＤＡ付近の
断面図であって、この場合における固定軸９９は、図３
の(ｂ)中に示されている一点鎖線のような傾斜方向で傾
斜している状態になる。

【００９１】図２１の(ｄ）は前記のように磁気記録再
生装置が巻戻し再生動作を行なっている場合における回
動調節の状態を示す環状のカム部材ＣＡｃと支持部材Ｓ
Ａとの関連する部分の平面図であり、さらに図２１の
（ｅ）は磁気記録再生装置に早送り再生動作を行なわせ
ている場合のドラム構体ＤＡ付近の断面図であり、この
場合における固定軸１は図３の（ｂ）中に示されている
点線のような傾斜方向で傾斜している状態になる。図２
１の(ｆ）は前記のように磁気記録再生装置が早送り再
生動作を行なっている場合における回動調節の状態を示
す環状のカム部材ＣＡｃと支持部材ＳＡとの関連する部
分の平面図である。

【００９２】これまでに、本発明の磁気記録再生装置の
各実施例として説明して来た各構成例中で使用されてい
た回転軸１(または固定軸９９）の傾斜調節用の構成部
材としては、例えば図５{または図１６の(ｅ）｝や図８
等に例示されているように、円弧状ラック２２に対して
モータの動力が伝達されたときに、ドラムベースＤＢに
構成させてある案内溝３３中で回動される環状部３４に
対して、ドラムベースＤＢに設けられた案内溝３３の底
面からの高さが変化しているような構成態様のカム輪郭
を構成させた回転軸１(または固定軸９９)の傾斜調節用
カム部材ＣＡ、及び図１０や図２２に示す各構成例中に
使用されている回転軸１(または固定軸９９）の傾斜調
節用の構成部材のように、回転軸１（または固定軸９
９)の傾斜調節用カム部材ＣＡcとして、例えば図１１の
(ｂ)，（ｄ），（ｆ）｛または図２１の(ｂ），
（ｄ），（ｆ）｝中に平断面形状を例示してあるように
円筒の肉厚が周方向に所定のように変化しているカム輪
郭を構成するようにした中空円筒体７７が使用されてい
たが、本発明の磁気記録再生装置において、回転軸１
(または固定軸９９）を動作モードに応じた所定の傾斜
態様にさせるために使用されるべき回転軸１(または固
定軸９９）の傾斜調節用の構成部材としては、前記した
ような回転軸１（または固定軸９９)の傾斜調節用カム
部材ＣＡ,ＣＡｃに限定されることはないのである。

【００９３】すなわち、本発明の磁気記録再生装置にお
いて、回転軸１(または固定軸９９)を動作モードに応じ
た所定の傾斜態様にさせるのには、回転軸１(または固
定軸９９）、あるいは回転軸１(または固定軸９９)と一
体的に傾斜できるように構成されている支持部材ＳＡや
上ドラム等の構成部分を、磁気記録再生装置の動作モー
ドに応じた所定の傾斜態様となるように傾斜させうるよ
うな任意所望の構成態様を採用することができる。例え
ば、回転軸１(または固定軸９９)と一体的に傾斜できる
ように構成されている支持部材ＳＡ自体、または前記の
支持部材ＳＡと一体的に回動できる非回転的な構成部分
を、図２中に示されている第２の直線Ｌ2の方向に変位
させるような駆動変位手段を設けて、磁気記録再生装置
の動作モードに応じて前記の変位量を変化させ、回転軸
１(または固定軸９９)を所定の傾斜態様にさせうるよう
な構成とすることもできるのであり、例えば前記した駆
動変位手段としてはプランジャ、ステッピングモータ等
を動力源に用い、前記した動力源からの動力を、例えば
スチールワイヤによって直線的な変位として支持部材Ｓ
Ａ自体、または前記の支持部材ＳＡと一体的に回動でき
る非回転的な構成部分に伝えて、例えば、常に所定の傾
斜状態に保持されるようにスプリングと一方のストッパ
とによって位置が規制されている前記した支持部材ＳＡ
自体、または前記の支持部材ＳＡと一体的に回動できる
非回転的な構成部分を、他方のストッパの位置にまで変
位させることにより、回転軸１(または固定軸９９)を所
定の傾斜態様となるように変位させるような構成のもの
として実施できる。

【００９４】図２３は、支持部材ＳＡに設けられている
軸受５，６に回転自在に支持されているとともに、上ド
ラムＤｕに固着されている回転軸１の傾斜を、磁気記録
再生装置の動作モードに応じて、直接に変化させるよう
に構成した本発明の磁気記録再生装置の構成例であり、
また、図２４は、上ドラムＤｕに設けられている軸受９
３，９４に嵌装されているとともに、支持部材ＳＡに固
設されている固定軸９９の傾斜を、磁気記録再生装置の
動作モードに応じて、直接に変化させるように構成した
本発明の磁気記録再生装置の構成例であり、さらに、図
２５は前記した図２３及び図２４に例示した磁気記録再
生装置における回転軸１または固定軸９９の傾斜状態を
変化させるのに使用される駆動変位機構成の構成例を示
している斜視図である。

【００９５】まず、図２３に例示した本発明の磁気記録
再生装置の構成例について説明することにする。図２３
の（ａ）は既述した図４の(ａ）の場合と同様に、図２
中の９０度ー２７０度線位置におけるドラム構体ＤＡの
断面図であり、外周面に磁気テープの基準縁の案内部Ｇ
を構成させてある下ドラムＤｄが、磁気記録再生装置に
おける固定部として機能するドラムベースＤＢに対して
複数個のねじ３２（図２３中には１個のねじ３２しか示
されてない）によって固着されている。前記した下ドラ
ムＤｄの内方に構成させてある内方空間部に設けられて
いる支持部材ＳＡは、それの上端部の外周面から突設さ
せてある縁部２８、すなわち、下ドラムＤｄの内壁面の
直径と同一の直径を有するように構成されている縁部２
８を下ドラムＤｄの内壁面に嵌合させてある。

【００９６】また、ドラムの周面に対する磁気テープＴ
の巻付範囲の中央位置と下ドラムＤｄの中心軸とを通過
する直線（図２中の直線Ｌ1)上に位置する２つの位置に
おいて前記した支持部材ＳＡと、下ドラムＤｄとは回動
支点用部材３０，３１によって回動自在に連結されてい
て、ドラムの周面に対する磁気テープＴの巻付範囲の中
央位置と下ドラムＤｄの中心軸とを通過する直線（図２
中の直線Ｌ1)上の位置における前記した支持部材ＳＡの
上端部と、下ドラムＤｄに設けられた突出縁２９との間
で、前記した回動支点用部材３０，３１によって回動支
点が構成されている。前記した回動支点用部材３０，３
１によって下ドラムＤｄと、支持部材ＳＡとの間に構成
された２個の回動支点３０，３１を含む面と、前述した
支持部材ＳＡの上端部の外周面から突設させた縁部２８
と下ドラムＤｄの内壁面との嵌合面とは極めて近接して
おり、また前記した回動支点用部材３０，３１によって
下ドラムＤｄと支持部材ＳＡとの間に構成された２個の
回動支点を含む面は、回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの回転
軌跡面に近接しているから、前記した支持部材ＳＡを前
記した２つの回動支点を結ぶ直線（図２中の直線Ｌ1)を
回動中心として回動させて、前記した２つの回動支点を
結ぶ直線（図２中の直線Ｌ1)に直交する直線の内で下ド
ラムの中心軸を通る直線（図２中の直線Ｌ2)と下ドラム
の中心軸とを含む面内で前記の回転軸１を傾斜させた場
合でも、回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの回転軌跡が下ドラ
ムＤｄの外周面の延長面の位置から大きくずれることが
なく、したがって、支持部材ＳＡを前記した回動支点に
よって回動させることにより回転軸１を傾斜させて回転
磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの回転軌跡を変化させても、回転
磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの磁気空隙部と磁気テープＴとの
接触状態を悪化させることがなく、常に良好な再生画像
が得られる。なお、図２３中で使用している図面符号の
内で、図４中で使用している図面符号と同じ図面符号で
示している構成部分は、図４中に示されている構成部分
と対応する構成部分である。

【００９７】図２３の（ｂ）は図２中の０度ー１８０度
線位置における断面図であり、図２３の（ａ），（ｂ）
において、上ドラムＤｕを駆動回転させるドラム駆動モ
ータＭｄの回転軸１は、支持部材ＳＡに設けられている
軸受５，６によって回転自在に支持されている。ドラム
駆動モータＭｄの構成態様は図４を参照して既述したと
ころと同様であるので、ここでの詳細な説明は省略す
る。支持部材ＳＡに設けられている軸受５，６によって
回転自在に支持されている回転軸１は、それの一端部が
上ドラム固着部材２に嵌合固着されており、上ドラム固
着部材２には上ドラムＤｕがねじ３，４によって固着さ
れており、ドラム駆動モータＭｄは回転軸１によって上
ドラムＤｕを回転させる。前記したドラム駆動モータＭ
ｄの回転軸１の他端部には軸受１１４が嵌合されてお
り、前記の軸受１１４の筐体１１８は、前記した回転軸
１に直交する平断面形状が長方形（あるいは正方形）の
ものとされている。前記した軸受１１４の筐体１１８は
基板１０９に穿設されている長方形状の孔１１７に挿入
されていて、回転軸１が回転しても軸受１１４の筐体１
１８の回転は阻止されている。前記した基板１０９はね
じ１１０によってドラムベースＤＢに固着されている。

【００９８】また、回転軸１が図２中の直線Ｌ2と下ド
ラムＤｄの中心軸を含む平面内で傾斜するときに、軸受
１１４の筐体１１８の側方の２つの面１１８ａ，１１８
ｃが基板１０９に穿設されている長方形状の孔１１７の
側面に摺接しながら長方形状の孔１１７中を移動する。
基板１０９に穿設されている長方形状の孔１１７に挿入
されている前記した軸受１１４の筐体１１８の１つの側
面１１８ｄには、前記した長方形状の孔１１７の長手方
向の一側方に設けられているスタッド１１６との間にス
プリング１１５が張設されており、また、前記した軸受
１１４の筐体１１８の他の側面１１８ｂは、長方形状の
孔１１７の長手方向の他側方に設けられているプランジ
ャ１１１の作動杆１１２とスチールワイヤ１１３によっ
て接続されている（図２５も参照のこと）。１１９，１
２２は前記した基板１０９にねじ１２０，１２３によっ
て取付けられているストッパ取付部材であり、前記のス
トッパ取付部材１１９，１２２にはそれぞれストッパ用
の調整ねじ１２１，１２４が螺合されている。また、前
記したストッパ取付部材１１９，１２２には、前記した
スチールワイヤ１１３を通過させるための透孔１２５、
あるいはスプリング１１５を通過させるための透孔１２
６が設けられている。

【００９９】前記した図２３に例示されている構成の磁
気記録再生装置では、プランジャ１１１に対する通電状
態と対応して定まる作動杆１１２の２つの位置の内の何
れの位置に作動杆１１２が位置しているかによって、前
記した軸受１１４の筐体１１８の１つの側面１１８ｂが
前記したストッパ用の調整ねじ１２１の先端によって位
置決めされた状態と、前記した軸受１１４の筐体１１８
の側面１１８ｄがストッパ用の調整ねじ１２４の先端に
よって位置決めされた状態との何れか一方の位置決め状
態にされることにより、前記した軸受１１４で回転自在
に支持されている回転軸１の傾斜の状態が設定される。

【０１００】次に図２４に例示した本発明の磁気記録再
生装置の構成例について説明する。図２４の（ａ）は既
述した図１５の（ａ）について既述した実施例と同様
に、図２中の９０度ー２７０度線位置におけるドラム構
体の断面図である。ドラム駆動モータＤＭのロータ９２
がねじ１０３，１０４によって固着されている上ドラム
Ｄｕは、その上ドラムＤｕに取付けられている軸受け部
９３，９４が、支持部材ＳＡに固設されている固定軸９
９に嵌装されている。前記の固定軸９９に嵌合して固着
されている取付部材１０６には、ドラム駆動モータＤＭ
のステータ１０５が取付けられているドラムモータ取付
基板９５が、ねじ９６，９７によって固着されている。
また、上ドラムＤｕの下方の端部にはロータリートラン
ス２３が固着されている。上ドラムＤｕはそれに固設さ
れている軸受９３，９４が、支持部材ＳＡに固設されて
いる固定軸９９に嵌装されていて、上ドラムＤｕと支持
部材ＳＡとは前記した固定軸９９を共通の中心軸として
いるから、ドラム駆動モータＤＭのステータ１０５のコ
イルに対して駆動電力を供給してロータ９２を回転させ
たときには、前記のロータ９２と一体的に回転する上ド
ラムＤｕ側の回転トランス２３と、支持部材ＳＡ側の回
転トランス２４とは、固定軸９９が傾斜しても両者間の
間隙は一定の状態に保持されることになる。

【０１０１】前記したように支持部材ＳＡに固設されて
いる固定軸９９によって、常に同心的な状態に保持され
ている支持部材ＳＡと下ドラムＤｄとは、ドラムの周面
に対する磁気テープＴの巻付範囲の中央位置と下ドラム
Ｄｄの中心軸とを通過する直線（図２中の直線Ｌ1)上に
位置する２つの位置において回動支点用部材３０，３１
によって回動自在に連結されている。ドラムの周面に対
する磁気テープＴの巻付範囲の中央位置と下ドラムＤｄ
の中心軸とを通過する直線（図２中の直線Ｌ1)上の位置
における前記した支持部材ＳＡの上端部と、下ドラムＤ
ｄに設けられた突出縁２９との間には、前記した回動支
点用部材３０，３１によって回動支点が構成されてい
る。前記した回動支点用部材３０，３１によって下ドラ
ムＤｄと、支持部材ＳＡとの間に構成された２個の回動
支点３０，３１を含む面と、前述した支持部材ＳＡの上
端部の外周面から突設させた縁部２８と下ドラムＤｄの
内壁面との嵌合面とは極めて近接しており、また、前記
した回動支点用部材３０，３１によって下ドラムＤｄと
支持部材ＳＡとの間に構成された２個の回動支点を含む
面は、回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの回転軌跡面に近接し
ている。それで、前記した２つの回動支点を結ぶ直線
（図２中の直線Ｌ1)を回動中心として前記した支持部材
ＳＡを回動させることによって、前記した２つの回動支
点を結ぶ直線（図２中の直線Ｌ1)に直交する直線の内で
下ドラムの中心軸を通る直線（図２中の直線Ｌ2)と下ド
ラムの中心軸とを含む面内で、上ドラムＤｕの回転中心
とされている既述した固定軸９９を傾斜させた場合にお
いても、回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの回転軌跡が下ドラ
ムＤｄの外周面の延長面の位置から大きくずれることが
なく、したがって、支持部材ＳＡを前記した２つの回動
支点３０，３１によって回動させることにより固定軸９
９を傾斜させて回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの回転軌跡を
変化させても、回転磁気ヘッドＨａ，Ｈｂの磁気空隙部
と磁気テープＴとの接触状態は悪化することがなく、常
に良好な再生画像が得られる。なお、図２４中で使用し
ている図面符号の内で、図１５中で使用している図面符
号と同じ図面符号で示している構成部分は、図１５中に
示されている構成部分と対応する構成部分である。

【０１０２】図２４の（ｂ）は図２中の０度ー１８０度
線位置における断面図である。図２４の（ａ），（ｂ）
において、ドラム駆動モータＤＭのロータ９２が固着さ
れている上ドラムＤｕに取付けられている軸受け部９
３，９４は、既述のように支持部材ＳＡに固設されてい
る固定軸９９に嵌装されているが、前記の固定軸９９の
端部９９ａは、基板１０９に穿設されている長方形状の
孔１１７に挿入されている。前記した基板１０９はねじ
１１０によってドラムベースＤＢに固着されている。前
記した固定軸９９が図２中の直線Ｌ2と下ドラムＤｄの
中心軸を含む平面内で傾斜するときに、前記した固定軸
９９の端部９９ａの周面の両側部は、基板１０９に穿設
されている長方形状の孔１１７の側面に摺接しながら長
方形状の孔１１７中を移動する。基板１０９に穿設され
ている長方形状の孔１１７に挿入されている前記した固
定軸９９の端部９９ａと、前記した長方形状の孔１１７
の長手方向の一側方に設けられているスタッド１１６と
の間にはスプリング１１５が張設されており、また、前
記した固定軸９９の端部９９ａと長方形状の孔１１７の
長手方向の他側方に設けられているプランジャ１１１の
作動杆１１２とはスチールワイヤ１１３によって接続さ
れている。

【０１０３】１１９，１２２は前記した基板１０９にね
じ１２０，１２３によって取付けられているストッパ取
付部材であり、前記のストッパ取付部材１１９，１２２
にはそれぞれストッパ用の調整ねじ１２１，１２４が螺
合されている。また、前記したストッパ取付部材１１
９，１２２には、前記したスチールワイヤ１１３を通過
させるための透孔１２５、あるいはスプリング１１５を
通過させるための透孔１２６が設けられている。前記し
た図２４に例示されている構成の磁気記録再生装置で
は、プランジャ１１１に対する通電状態と対応して定ま
る作動杆１１２の２つの位置の内の何れの位置に作動杆
１１２が位置しているかによって、前記した固定軸９９
の端部９９ａの周面が、前記したストッパ用の調整ねじ
１２１の先端により位置決めされた状態と、前記した固
定軸９９の端部９９ａの周面がストッパ用の調整ねじ１
２４の先端によって位置決めされた状態との何れか一方
の位置決め状態にされることにより、支持部材ＳＡに固
設されている固定軸９９の傾斜の状態が設定されること
になる。

【０１０４】なお、これまでに各図を参照して説明して
来た各実施例においては、装置の固定部に固設されてい
る状態の下ドラムＤｄと、支持部材ＳＡとの間に構成さ
れる回動支点は、前記した下ドラムＤｄと支持部材ＳＡ
とにおける上下方向に互に対向している構成部分に、２
つの回動支点用部材３０，３１を用いて構成されていた
が、本発明の実施に当っては前記した下ドラムＤｄと、
支持部材ＳＡとの間に構成される回動支点を、前記した
下ドラムＤｄと支持部材ＳＡとにおける左右方向に互に
対向している構成部分に、２つの回動支点用部材３０，
３１を用いて構成させるようにしてもよいことは勿論で
ある。また、磁気テープを間欠送りにしてスローモーシ
ョン再生を行なうようにした場合でも、本発明の磁気記
録再生装置を適用すると、ノイズバーのない良好なスロ
ーモーション再生画像も容易に得ることができることは
いうまでもない。

【０１０５】

【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように本発明の磁気記録再生装置では、下ドラムが装
置の固定部に対して固設されているために、磁気記録再
生装置の再生モードがどうであっても、上ドラムと下ド
ラムとからなるドラムの周面の一部へ巻回された状態の
磁気テープは、装置の固定部に固着されている下ドラム
の外周面に設けられている磁気テープの基準縁に対する
案内部で案内された状態でドラムの周面上を走行したり
停止した状態にされているので、本発明の磁気記録再生
装置では再生モードがどのように変更されても、磁気テ
ープの基準縁の位置が常に正規の位置に保持された状態
で、回転磁気ヘッドの回転軌跡を記録跡と一致するよう
に変更するようにしているから、どのような再生モード
における再生画像においても、常にノイズバーのない良
好な再生画像を得ることができる。すなわち、本発明の
磁気記録再生装置では、装置の固定部に固設させてある
下ドラムの内方空間部には、下ドラムの中心軸に直交す
る面の内の特定な面付近だけで下ドラムに嵌合している
状態にされているとともに、前記した嵌合部を含む面付
近の面内でドラムの周面に対する磁気テープの巻付範囲
の中央位置と下ドラムの中心軸とを通過する直線上に構
成させた２つの回動支点によって回動自在に設けられて
いるから、前記の支持部材を前記した２つの回動支点を
結ぶ直線を回動中心として回動させて、前記した２つの
回動支点を結ぶ直線に直交する直線の内で下ドラムの中
心軸を通る直線と下ドラムの中心軸とを含む面内で上ド
ラムの中心軸を傾斜させることにより、回転磁気ヘッド
の回転軌跡面の位置を変化させて、回転磁気ヘッドを磁
気テープの記録跡を良好に追跡できるようにさせること
ができるのであり、また前記した上ドラムの中心軸の傾
斜を磁気テープの走行速度と対応して変化させることに
より、磁気テープの走行速度がどうであっても、ノイズ
バーの無い良好な再生画像を得ることができる。さら
に、上ドラムの中心軸の傾斜により回転磁気ヘッドの回
転軌跡面の位置を変化させるための機構として、下ドラ
ムの中心軸を回動中心として回動させるうるような態様
を以って、装置の固定部と前記した支持部材との間に環
状のカム部材を配設させるとともに、前記したカム部材
の円周方向に構成させたカム輪郭と支持部材に設けたカ
ム従動体とが圧接状態となるように前記した装置の固定
部と支持部材とカム部材とを弾発的に連結させた構造の
ものを用いることにより、環状のカム部材の回動々作に
よって、前記した２つの回動支点を結ぶ直線と直交し、
かつ、前記した下ドラムの中心軸を含む面内において前
記の上ドラムの中心軸の傾斜角を精密に容易に変化させ
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の磁気記録再生装置の斜視図である。

【図２】ドラムの平面図である。

【図３】本発明の磁気記録再生装置の構成原理及び動作
原理の説明とに用いられる図である。

【図４】本発明の磁気記録再生装置の断面図である。

【図５】要部の分解斜視図である。

【図６】本発明の磁気記録再生装置の断面図である。

【図７】本発明の磁気記録再生装置の構成原理及び動作
原理の説明とに用いられる図である。

【図８】回転軸の傾斜調節用のカム部材を説明する図で
ある。

【図９】本発明の磁気記録再生装置の断面図である。

【図１０】本発明の磁気記録再生装置の断面図である。

【図１１】本発明の磁気記録再生装置の構成原理及び動
作原理の説明とに用いられる図である。

【図１２】本発明の磁気記録再生装置の断面図である。

【図１３】記録跡パターンを示す平面図である。

【図１４】本発明の磁気記録再生装置の斜視図である。

【図１５】本発明の磁気記録再生装置の断面図である。

【図１６】要部の分解斜視図である。

【図１７】本発明の磁気記録再生装置の構成原理及び動
作原理の説明とに用いられる図である。

【図１８】本発明の磁気記録再生装置の断面図である。

【図１９】本発明の磁気記録再生装置の断面図である。

【図２０】本発明の磁気記録再生装置の断面図である。

【図２１】本発明の磁気記録再生装置の構成原理及び動
作原理の説明とに用いられる図である。

【図２２】本発明の磁気記録再生装置の断面図である。

【図２３】本発明の磁気記録再生装置の断面図である。

【図２４】本発明の磁気記録再生装置の断面図である。

【図２５】構成部材の斜視図である。

【符号の説明】

ＤＢ…ドラムベース、Ｄｕ…上ドラム、Ｄｄ…下ドラ
ム、ＤＡ…ドラム構体、Ｍｄ,ＤＭ…ドラム駆動モー
タ、Ｈａ,Ｈｂ…回転磁気ヘッド、Ｔ…磁気テープ、Ｔ
ｅ…磁気テープの基準縁、ＳＡ…支持部材、ＣＡ，ＣＡ
ｃ…回転軸（または固定軸）の傾斜調節用の環状のカム
部材(環状のカム部材)、Ｇ…磁気テープの基準縁の案内
部、Ｍｇ…モータ、１…ドラム駆動モータＭｄの回転
軸、５，６…回転軸１の軸受け、７，９５…ドラムモー
タ取付基板、１９…減速器、２０…回転軸、２１…ピニ
オン、２２…円弧状ラック、２３，２４,７３,７４…回
転トランス、２５…環状のカム部材ＣＡの回動位置の検
出装置、２６,２７…傾斜ポール、２８，５８，７５…
縁部、３０，３１…回動支点用部材、３２…ねじ、３３
…案内溝、３４…環状部、３４ａ,３４ｂ，６１，６
３，６５，６７，６９，７７ｂ…カム輪郭、３５…連結
部、３６,３７，７８，７９…カム従動体、３８〜４１
…スプリング、７０…支持部材ＳＡの突出部、７２…支
持部材の中間段部、７７…中空円筒体、９２…ロータ、
９３，９４…軸受け、９９…固定軸、１００…抑止板、
１０５…ステータ、１０６…取付部材、１０９…基板、
１１１…プランジャ、１１２…プランジャ１１１の作動
杆、１１３…スチールワイヤ、１１４…軸受、１１５…
スプリング、１１６…スタッド、１１７…基板１０９に
穿設されている長方形状の孔、１１８…軸受１１４の筐
体、１１９，１２２…基板１０９にねじ１２０，１２３
によって取付けられているストッパ取付部材、１２１，
１２４…ストッパ用の調整ねじ、１２５，１２６…透
孔、

Claims (16)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上ドラムと下ドラムとからなるドラムの
   周面の一部へ巻回された状態の磁気テープに、回転磁気
   ヘッドを用いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再生
   装置において、外周面に磁気テープの基準縁に対する案
   内部を備えている下ドラムを装置の固定部に固設し、ま
   た、前記した下ドラムの内方空間部には、回転磁気ヘッ
   ドが取付けられた部材を回転させるための回転軸の軸受
   け部を備えた支持部材を、前記した下ドラムの中心軸に
   直交する面の内で特定な面付近だけで下ドラムに嵌合し
   ている状態に設け、前記したドラムの周面に対する磁気
   テープの巻付範囲の中央位置と下ドラムの中心軸とを通
   過し、かつ、前記した下ドラムの中心軸に直交する平面
   内に在る直線を第１の基準方向の直線とし、さらに前記
   した第１の基準方向の直線と下ドラムの中心軸との双方
   に直交し、かつ、下ドラムの中心軸を通過する直線を第
   ２の基準方向の直線として、前記した回転磁気ヘッドの
   回転軌跡面の傾斜態様を変化させるために、前記した下
   ドラムと支持部材とが嵌合している特定な平面の近傍の
   面内における前記した第１の基準方向の直線上に構成さ
   せた回動支点を回動中心として前記の支持部材を回動さ
   せたときに、前記した回転軸が前記した第２の基準方向
   の直線と下ドラムの中心軸とを含む面内で傾斜できるよ
   うに、前記した支持部材を装置の固定部に弾発的に連結
   支持させてなる磁気記録再生装置。
2. 【請求項２】 上ドラムと下ドラムとからなるドラムの
   周面の一部へ巻回された状態の磁気テープに、回転磁気
   ヘッドを用いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再生
   装置において、外周面に磁気テープの基準縁に対する案
   内部を備えている下ドラムを装置の固定部に固設し、ま
   た、前記した下ドラムの内方空間部には、回転磁気ヘッ
   ドが取付けられた部材を回転させるための回転軸の軸受
   け部を備えた支持部材を、前記した下ドラムの中心軸に
   直交する面の内で特定な面付近だけで下ドラムに嵌合し
   ている状態にするとともに、前記したドラムの周面に対
   する磁気テープの巻付範囲の中央位置と下ドラムの中心
   軸とを通過し、かつ、前記した下ドラムと支持部材とが
   嵌合している特定な平面の近傍の面内に在る直線上の２
   つの位置で下ドラムとの間に構成させた回動支点により
   回動自在な状態として設け、さらに、前記した支持部材
   を装置の固定部に弾発的に連結支持させる手段と、さら
   にまた、前記した２個の回動支点を結ぶ直線と直交し、
   かつ、前記した下ドラムの中心軸を含む面内において、
   前記した回転軸の傾斜を可変調節できるようにする手段
   とを備えてなる磁気記録再生装置。
3. 【請求項３】 上ドラムと下ドラムとからなるドラムの
   周面の一部へ巻回された状態の磁気テープに、回転磁気
   ヘッドを用いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再生
   装置において、外周面に磁気テープの基準縁の案内部を
   備えているとともに、内方に空間部を設けてある下ドラ
   ムを装置の固定部に固設し、また、前記した下ドラムの
   内方空間部には、回転磁気ヘッドとロータリートランス
   とが取付けられている上ドラムの回転軸の軸受けとロー
   タリートランスとが取付けられている支持部材を、前記
   した下ドラムの中心軸に直交する面の内で特定な面付近
   だけで下ドラムに嵌合している状態にするとともに、前
   記したドラムの周面に対する磁気テープの巻付範囲の中
   央位置と下ドラムの中心軸とを通過し、かつ前記した下
   ドラムと支持部材とが嵌合している面付近の面内に在る
   直線上の２つの位置で下ドラムとの間に構成させた回動
   支点によって回動自在な状態として設け、さらに、前記
   した支持部材を装置の固定部に弾発的に連結支持させる
   手段と、さらにまた、前記した２個の回動支点を結ぶ直
   線と直交し、かつ、前記した下ドラムの中心軸を含む面
   内において、前記した回転軸の傾斜を可変調節できるよ
   うにする手段とを備えてなる磁気記録再生装置。
4. 【請求項４】 上ドラムと下ドラムとからなるドラムの
   周面の一部へ巻回された状態の磁気テープに、回転磁気
   ヘッドを用いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再生
   装置において、外周面に磁気テープの基準縁の案内部を
   備えているとともに内方に空間部を設けてある下ドラム
   を装置の固定部に固設し、また前記した下ドラムの内方
   空間部には、回転磁気ヘッドが取付けられた部材を回転
   させるための回転軸の軸受け部を備えた支持部材を、前
   記した下ドラムの中心軸に直交する面の内で特定な面付
   近だけで下ドラムに嵌合している状態にするとともに、
   前記したドラムの周面に対する磁気テープの巻付範囲の
   中央位置と下ドラムの中心軸とを通過し、かつ、前記し
   た下ドラムと支持部材とが嵌合している特定な平面の近
   傍の面内に在る直線上の２つの位置で下ドラムとの間に
   構成させた回動支点により回動自在な状態として設け、
   さらにまた、前記した２個の回動支点を結ぶ直線と直交
   し、かつ、前記した下ドラムの中心軸を含む面内におい
   て、前記した回転軸の傾斜を、磁気テープの走行速度と
   対応して変化させる手段とを備えてなる磁気記録再生装
   置。
5. 【請求項５】 上ドラムと下ドラムとからなるドラムの
   周面の一部へ巻回された状態の磁気テープに、回転磁気
   ヘッドを用いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再生
   装置において、外周面に磁気テープの基準縁の案内部を
   備えているとともに内方に空間部を設けてある下ドラム
   を装置の固定部に固設し、また、前記した下ドラムの内
   方空間部には、前記した上，下ドラムの外径寸法と同一
   の外径寸法を有していて下ドラムから突出している構成
   部分を備えているとともに、回転磁気ヘッドが取付けら
   れた部材を回転させるための回転軸の軸受け部を備えた
   支持部材を、前記した下ドラムの中心軸に直交する面の
   内で特定な面付近だけで下ドラムに嵌合している状態に
   するとともに、前記したドラムの周面に対する磁気テー
   プの巻付範囲の中央位置と下ドラムの中心軸とを通過
   し、かつ、前記した下ドラムと支持部材とが嵌合してい
   る特定な平面の近傍の面内における直線上の２つの位置
   で下ドラムとの間に構成させた回動支点により回動自在
   な状態として設け、さらに、前記した支持部材を装置の
   固定部に弾発的に連結支持させる手段と、さらにまた、
   前記した２個の回動支点を結ぶ直線と直交し、かつ、前
   記した下ドラムの中心軸を含む面内において、前記した
   回転軸の傾斜を可変調節できるようにする手段とを備え
   てなる磁気記録再生装置。
6. 【請求項６】 上ドラムと下ドラムとからなるドラムの
   周面の一部へ巻回された状態の磁気テープに、回転磁気
   ヘッドを用いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再生
   装置において、外周面に磁気テープの基準縁の案内部を
   備えているとともに、内方に空間部を設けてある下ドラ
   ムを装置の固定部に固設し、また前記した下ドラムの内
   方空間部には、前記した上，下ドラムの外径寸法と同一
   の外径寸法を有していて下ドラムから突出している構成
   部分を備えているとともに、回転磁気ヘッドとロータリ
   ートランスとが取付けられている上ドラムの回転軸の軸
   受けとロータリートランスとが取付けられている支持部
   材を、前記した下ドラムの中心軸に直交する面の内で特
   定な面付近だけで下ドラムに嵌合している状態にすると
   ともに、前記したドラムの周面に対する磁気テープの巻
   付範囲の中央位置と下ドラムの中心軸とを通過し、か
   つ、前記した下ドラムと支持部材とが嵌合している特定
   な平面の近傍の面内における直線上の２つの位置で下ド
   ラムとの間に構成させた回動支点により回動自在な状態
   として設け、さらに前記した支持部材を装置の固定部に
   弾発的に連結支持させる手段と、さらにまた前記した２
   個の回動支点を結ぶ直線と直交し、かつ、前記した下ド
   ラムの中心軸を含む面内において、前記した回転軸の傾
   斜を可変調節できるようにする手段とを備えてなる磁気
   記録再生装置。
7. 【請求項７】 上ドラムと下ドラムとからなるドラムの
   周面の一部へ巻回された状態の磁気テープに、回転磁気
   ヘッドを用いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再生
   装置において、外周面に磁気テープの基準縁の案内部を
   備えているとともに内方に空間部を設けてある下ドラム
   を装置の固定部に固設し、また、前記した下ドラムの内
   方空間部には、前記した上，下ドラムの外径寸法と同一
   の外径寸法を有していて下ドラムから突出している構成
   部分を備えているとともに、回転磁気ヘッドが取付けら
   れた部材を回転させるための回転軸の軸受け部を備えた
   支持部材を、前記した下ドラムの中心軸に直交する面の
   内で特定な面付近だけで下ドラムに嵌合している状態に
   するとともに、前記したドラムの周面に対する磁気テー
   プの巻付範囲の中央位置と下ドラムの中心軸とを通過
   し、かつ、前記した下ドラムと支持部材とが嵌合してい
   る特定な平面の近傍の面内における直線上の２つの位置
   で下ドラムとの間に構成させた回動支点により回動自在
   な状態として設け、さらに、前記した支持部材を装置の
   固定部に弾発的に連結支持させる手段と、さらにまた、
   前記した２個の回動支点を結ぶ直線と直交し、かつ、前
   記した下ドラムの中心軸を含む面内において、前記した
   回転軸の傾斜を磁気テープの走行速度と対応して変化さ
   せる手段とを備えてなる磁気記録再生装置。
8. 【請求項８】 上ドラムと下ドラムとからなるドラムの
   周面の一部へ巻回された状態の磁気テープに、回転磁気
   ヘッドを用いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再生
   装置において、外周面に磁気テープの基準縁に対する案
   内部を備えている下ドラムを装置の固定部に固設し、ま
   た、前記した下ドラムの内方空間部には、回転磁気ヘッ
   ドが取付けられた部材を回転させるための回転軸の軸受
   け部を備えた支持部材を、前記した下ドラムの中心軸に
   直交する面の内で特定な面付近だけで下ドラムに嵌合し
   ている状態に設け、前記したドラムの周面に対する磁気
   テープの巻付範囲の中央位置と下ドラムの中心軸とを通
   過し、かつ、前記した下ドラムの中心軸に直交する平面
   内に在る直線を第１の基準方向の直線とし、さらに前記
   した第１の基準方向の直線と下ドラムの中心軸との双方
   に直交し、かつ、下ドラムの中心軸を通過する直線を第
   ２の基準方向の直線として、前記した回転磁気ヘッドの
   回転軌跡面の傾斜態様を変化させるために、前記した下
   ドラムと支持部材とが嵌合している特定な平面の近傍の
   面内における前記した第１の基準方向の直線上に構成さ
   せた回動支点を回動中心として前記の支持部材を回動さ
   せたときに、前記した回転軸が前記した第２の基準方向
   の直線と下ドラムの中心軸とを含む面内で傾斜できるよ
   うに、前記した支持部材を装置の固定部に弾発的に連結
   支持させる手段と、下ドラムの中心軸を回動中心として
   回動させうるような態様を以って、装置の固定部と前記
   した支持部材との間に環状のカム部材を配設するととも
   に、前記したカム部材の円周方向に構成させたカム輪郭
   と支持部材に設けたカム従動体とが圧接状態となるよう
   に前記した装置の固定部と支持部材とカム部材とを弾発
   的に連結させ、前記した環状のカム部材の回動時に、前
   記した２個の回動支点を結ぶ直線と直交し、かつ、前記
   した下ドラムの中心軸を含む面内において前記の回転軸
   の傾斜を変化させる傾斜調節手段とを備えてなる磁気記
   録再生装置。
9. 【請求項９】 上ドラムと下ドラムとからなるドラムの
   周面の一部へ巻回された状態の磁気テープに、回転磁気
   ヘッドを用いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再生
   装置において、外周面に磁気テープの基準縁に対する案
   内部を備えている下ドラムを装置の固定部に固設し、ま
   た、前記した下ドラムの内方空間部には、ドラム駆動モ
   ータのロータが一体的に固着されているとともに、回転
   磁気ヘッドが取付けられている上ドラムに固設してある
   軸受けを嵌装して上ドラムの回転中心位置を定めるべき
   固定軸を固設させてある支持部材を、前記した下ドラム
   の中心軸に直交する面の内で特定な面付近だけで下ドラ
   ムに嵌合している状態に設け、前記したドラムの周面に
   対する磁気テープの巻付範囲の中央位置と下ドラムの中
   心軸とを通過し、かつ、前記した下ドラムの中心軸に直
   交する平面内に在る直線を第１の基準方向の直線とし、
   さらに前記した第１の基準方向の直線と下ドラムの中心
   軸との双方に直交し、かつ、下ドラムの中心軸を通過す
   る直線を第２の基準方向の直線として、前記した回転磁
   気ヘッドの回転軌跡面の傾斜態様を変化させるために、
   前記した下ドラムと支持部材とが嵌合している特定な平
   面の近傍の面内における前記した第１の基準方向の直線
   上に構成させた回動支点を回動中心として前記の支持部
   材を回動させたときに、前記した上ドラムの回転中心位
   置を定めるべき固定軸が前記した第２の基準方向の直線
   と下ドラムの中心軸とを含む面内で傾斜できるように、
   前記した支持部材を装置の固定部に弾発的に連結支持さ
   せてなる磁気記録再生装置。
10. 【請求項１０】 上ドラムと下ドラムとからなるドラム
    の周面の一部へ巻回された状態の磁気テープに、回転磁
    気ヘッドを用いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再
    生装置において、外周面に磁気テープの基準縁に対する
    案内部を備えている下ドラムを装置の固定部に固設し、
    また、前記した下ドラムの内方空間部には、ドラム駆動
    モータのロータが一体的に固着されているとともに、回
    転磁気ヘッドが取付けられている上ドラムに固設してあ
    る軸受けを嵌装して上ドラムの回転中心位置を定めるべ
    き固定軸を固設させてある支持部材を、前記した下ドラ
    ムの中心軸に直交する面の内で特定な面付近だけで下ド
    ラムに嵌合している状態にするとともに、前記したドラ
    ムの周面に対する磁気テープの巻付範囲の中央位置と下
    ドラムの中心軸とを通過し、かつ、前記した下ドラムと
    支持部材とが嵌合している特定な平面の近傍の面内に在
    る直線上の２つの位置で下ドラムとの間に構成させた回
    動支点により回動自在な状態として設け、さらに、前記
    した支持部材を装置の固定部に弾発的に連結支持させる
    手段と、さらにまた、前記した２個の回動支点を結ぶ直
    線と直交し、かつ、前記した下ドラムの中心軸を含む面
    内において、前記した上ドラムの回転中心位置を定める
    べき固定軸の傾斜を可変調節できるようにする手段とを
    備えてなる磁気記録再生装置。
11. 【請求項１１】 上ドラムと下ドラムとからなるドラム
    の周面の一部へ巻回された状態の磁気テープに、回転磁
    気ヘッドを用いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再
    生装置において、外周面に磁気テープの基準縁の案内部
    を備えているとともに、内方に空間部を設けてある下ド
    ラムを装置の固定部に固設し、また、前記した下ドラム
    の内方空間部には、ドラム駆動モータのロータが一体的
    に固着されているとともに、回転磁気ヘッドとロータリ
    ートランスとが取付けられている上ドラムに固設してあ
    る軸受けを嵌装して上ドラムの回転中心位置を定めるべ
    き固定軸を固設させてある支持部材を、前記した下ドラ
    ムの中心軸に直交する面の内で特定な面付近だけで下ド
    ラムに嵌合している状態にするとともに、前記したドラ
    ムの周面に対する磁気テープの巻付範囲の中央位置と下
    ドラムの中心軸とを通過し、かつ前記した下ドラムと支
    持部材とが嵌合している面付近の面内に在る直線上の２
    つの位置で下ドラムとの間に構成させた回動支点によっ
    て回動自在な状態として設け、さらに、前記した支持部
    材を装置の固定部に弾発的に連結支持させる手段と、さ
    らにまた、前記した２個の回動支点を結ぶ直線と直交
    し、かつ、前記した下ドラムの中心軸を含む面内におい
    て、前記した上ドラムの回転中心位置を定めるべき固定
    軸の傾斜を可変調節できるようにする手段とを備えてな
    る磁気記録再生装置。
12. 【請求項１２】 上ドラムと下ドラムとからなるドラム
    の周面の一部へ巻回された状態の磁気テープに、回転磁
    気ヘッドを用いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再
    生装置において、外周面に磁気テープの基準縁の案内部
    を備えているとともに内方に空間部を設けてある下ドラ
    ムを装置の固定部に固設し、また前記した下ドラムの内
    方空間部には、ドラム駆動モータのロータが一体的に固
    着されているとともに、回転磁気ヘッドが取付けられて
    いる上ドラムに固設してある軸受けを嵌装して上ドラム
    の回転中心位置を定めるべき固定軸を固設させてある支
    持部材を、前記した下ドラムの中心軸に直交する面の内
    で特定な面付近だけで下ドラムに嵌合している状態にす
    るとともに、前記したドラムの周面に対する磁気テープ
    の巻付範囲の中央位置と下ドラムの中心軸とを通過し、
    かつ、前記した下ドラムと支持部材とが嵌合している特
    定な平面の近傍の面内に在る直線上の２つの位置で下ド
    ラムとの間に構成させた回動支点により回動自在な状態
    として設け、さらにまた、前記した２個の回動支点を結
    ぶ直線と直交し、かつ、前記した下ドラムの中心軸を含
    む面内において、前記した上ドラムの回転中心位置を定
    めるべき固定軸の傾斜を、磁気テープの走行速度と対応
    して変化させる手段とを備えてなる磁気記録再生装置。
13. 【請求項１３】 上ドラムと下ドラムとからなるドラム
    の周面の一部へ巻回された状態の磁気テープに、回転磁
    気ヘッドを用いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再
    生装置において、外周面に磁気テープの基準縁の案内部
    を備えているとともに内方に空間部を設けてある下ドラ
    ムを装置の固定部に固設し、また、前記した下ドラムの
    内方空間部には、前記した上，下ドラムの外径寸法と同
    一の外径寸法を有していて下ドラムから突出している構
    成部分を備えているとともに、ドラム駆動モータのロー
    タが一体的に固着されているとともに、回転磁気ヘッド
    が取付けられている上ドラムに固設してある軸受けを嵌
    装して上ドラムの回転中心位置を定めるべき固定軸を固
    設させてある支持部材を、前記した下ドラムの中心軸に
    直交する面の内で特定な面付近だけで下ドラムに嵌合し
    ている状態にするとともに、前記したドラムの周面に対
    する磁気テープの巻付範囲の中央位置と下ドラムの中心
    軸とを通過し、かつ、前記した下ドラムと支持部材とが
    嵌合している特定な平面の近傍の面内における直線上の
    ２つの位置で下ドラムとの間に構成させた回動支点によ
    り回動自在な状態として設け、さらに、前記した支持部
    材を装置の固定部に弾発的に連結支持させる手段と、さ
    らにまた、前記した２個の回動支点を結ぶ直線と直交
    し、かつ、前記した下ドラムの中心軸を含む面内におい
    て、前記した上ドラムの回転中心位置を定めるべき固定
    軸の傾斜を可変調節できるようにする手段とを備えてな
    る磁気記録再生装置。
14. 【請求項１４】 上ドラムと下ドラムとからなるドラム
    の周面の一部へ巻回された状態の磁気テープに、回転磁
    気ヘッドを用いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再
    生装置において、外周面に磁気テープの基準縁の案内部
    を備えているとともに、内方に空間部を設けてある下ド
    ラムを装置の固定部に固設し、また前記した下ドラムの
    内方空間部には、前記した上，下ドラムの外径寸法と同
    一の外径寸法を有していて下ドラムから突出している構
    成部分を備えているとともに、ドラム駆動モータのロー
    タが一体的に固着されているとともに、回転磁気ヘッド
    とロータリートランスとが取付けられている上ドラムに
    固設してある軸受けを嵌装して上ドラムの回転中心位置
    を定めるべき固定軸を固設させてある支持部材を、前記
    した下ドラムの中心軸に直交する面の内で特定な面付近
    だけで下ドラムに嵌合している状態にするとともに、前
    記したドラムの周面に対する磁気テープの巻付範囲の中
    央位置と下ドラムの中心軸とを通過し、かつ、前記した
    下ドラムと支持部材とが嵌合している特定な平面の近傍
    の面内における直線上の２つの位置で下ドラムとの間に
    構成させた回動支点により回動自在な状態として設け、
    さらに前記した支持部材を装置の固定部に弾発的に連結
    支持させる手段と、さらにまた前記した２個の回動支点
    を結ぶ直線と直交し、かつ、前記した下ドラムの中心軸
    を含む面内において、前記した上ドラムの回転中心位置
    を定めるべき固定軸の傾斜を可変調節できるようにする
    手段とを備えてなる磁気記録再生装置。
15. 【請求項１５】 上ドラムと下ドラムとからなるドラム
    の周面の一部へ巻回された状態の磁気テープに、回転磁
    気ヘッドを用いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再
    生装置において、外周面に磁気テープの基準縁の案内部
    を備えているとともに内方に空間部を設けてある下ドラ
    ムを装置の固定部に固設し、また、前記した下ドラムの
    内方空間部には、前記した上，下ドラムの外径寸法と同
    一の外径寸法を有していて下ドラムから突出している構
    成部分を備えているとともに、ドラム駆動モータのロー
    タが一体的に固着されているとともに、回転磁気ヘッド
    が取付けられている上ドラムに固設してある軸受けを嵌
    装して上ドラムの回転中心位置を定めるべき固定軸を固
    設させてある支持部材を、前記した下ドラムの中心軸に
    直交する面の内で特定な面付近だけで下ドラムに嵌合し
    ている状態にするとともに、前記したドラムの周面に対
    する磁気テープの巻付範囲の中央位置と下ドラムの中心
    軸とを通過し、かつ、前記した下ドラムと支持部材とが
    嵌合している特定な平面の近傍の面内における直線上の
    ２つの位置で下ドラムとの間に構成させた回動支点によ
    り回動自在な状態として設け、さらに、前記した支持部
    材を装置の固定部に弾発的に連結支持させる手段と、さ
    らにまた、前記した２個の回動支点を結ぶ直線と直交
    し、かつ、前記した下ドラムの中心軸を含む面内におい
    て、前記した上ドラムの回転中心位置を定めるべき固定
    軸の傾斜を磁気テープの走行速度と対応して変化させる
    手段とを備えてなる磁気記録再生装置。
16. 【請求項１６】 上ドラムと下ドラムとからなるドラム
    の周面の一部へ巻回された状態の磁気テープに、回転磁
    気ヘッドを用いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再
    生装置において、外周面に磁気テープの基準縁に対する
    案内部を備えている下ドラムを装置の固定部に固設し、
    また、前記した下ドラムの内方空間部には、ドラム駆動
    モータのロータが一体的に固着されているとともに、回
    転磁気ヘッドが取付けられている上ドラムに固設してあ
    る軸受けを嵌装して上ドラムの回転中心位置を定めるべ
    き固定軸を固設させてある支持部材を、前記した下ドラ
    ムの中心軸に直交する面の内で特定な面付近だけで下ド
    ラムに嵌合している状態に設け、前記したドラムの周面
    に対する磁気テープの巻付範囲の中央位置と下ドラムの
    中心軸とを通過し、かつ、前記した下ドラムの中心軸に
    直交する平面内に在る直線を第１の基準方向の直線と
    し、さらに前記した第１の基準方向の直線と下ドラムの
    中心軸との双方に直交し、かつ、下ドラムの中心軸を通
    過する直線を第２の基準方向の直線として、前記した回
    転磁気ヘッドの回転軌跡面の傾斜態様を変化させるため
    に、前記した下ドラムと支持部材とが嵌合している特定
    な平面の近傍の面内における前記した第１の基準方向の
    直線上に構成させた回動支点を回動中心として前記の支
    持部材を回動させたときに、前記した上ドラムの回転中
    心位置を定めるべき固定軸が前記した第２の基準方向の
    直線と下ドラムの中心軸とを含む面内で傾斜できるよう
    に、前記した支持部材を装置の固定部に弾発的に連結支
    持させる手段と、下ドラムの中心軸を回動中心として回
    動させうるような態様を以って、装置の固定部と前記し
    た支持部材との間に環状のカム部材を配設するととも
    に、前記したカム部材の円周方向に構成させたカム輪郭
    と支持部材に設けたカム従動体とが圧接状態となるよう
    に前記した装置の固定部と支持部材とカム部材とを弾発
    的に連結させ、前記した環状のカム部材の回動時に、前
    記した２個の回動支点を結ぶ直線と直交し、かつ、前記
    した下ドラムの中心軸を含む面内において前記の上ドラ
    ムの回転中心位置を定めるべき固定軸の傾斜を変化させ
    る傾斜調節手段とを備えてなる磁気記録再生装置。