JP2556286B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JP2556286B2 JP6023408A JP2340894A JP2556286B2 JP 2556286 B2 JP2556286 B2 JP 2556286B2 JP 6023408 A JP6023408 A JP 6023408A JP 2340894 A JP2340894 A JP 2340894A JP 2556286 B2 JP2556286 B2 JP 2556286B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はドラムの周面の一部に摺
接して走行する磁気テープの走行速度の変化に応じて回
転磁気ヘッドの回転軌跡面の空間位置を変化させること
により回転磁気ヘッドが記録跡を良好に追跡できるよう
にした磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上ドラムと下ドラムとからなるドラムの
周面の一部へ巻回された状態の磁気テープを所定の走行
速度で走行させて、回転磁気ヘッドを用いて記録再生動
作を行なうようにしている磁気記録再生装置の代表例と
してはビデオ・テープ・レコーダ(VTR)を挙げること
ができる。VTRの使用に当っては、記録時と同一の磁
気テープ走行速度で記録情報の再生動作を行なう通常再
生(ノーマル再生)の他に、記録時の磁気テープの走行
速度や走行方向とは異なる走行速度や走行方向で磁気テ
ープを走行(停止も含む)させて再生動作を行なうトリ
ックプレイも広く行なわれている。
【0003】ところで、回転磁気ヘッドの回転軌跡と対
応して磁気テープに記録形成される記録跡パターン(テ
ープパターンまたはトラックパターン)は、磁気テープ
の走行速度が異なるのにつれて、例えば図24に示され
ているように異なるものになる。図24において、図中
の磁気テープTの下縁Teに矢印により起点と指示して
ある部分と、磁気テープの上縁側の上方に記載してある
「ノーマル+1- +3-・」の部分に対応する点とを結ぶ
直線及び前記の直線に平行な多数の直線は、記録時にお
ける磁気テープの走行速度と走行方向と、同一の走行速
度と走行方向で磁気テープを走行させて再生動作を行な
った場合[通常記録再生時(ノーマル記録再生時)…S
Pモード時は+1,EPモード時は+3]に、磁気テー
プT上に描かれる回転磁気ヘッドの回転軌跡であり、ま
た、図24中にSPモード時の倍速数+2,+3…+7
と、EPモード時の倍速数+6,+9…+21等のよう
に記載してある各点の位置と、起点とを結んだときに描
かれる各直線は、記録時における磁気テープTの走行方
向と同一の方向(記録時における磁気テープTの走行方
向を+の符号で現わしている)に、記録時の磁気テープ
Tの走行速度の2倍,3倍…7倍の走行速度(SPモー
ドの場合)及び記録時の磁気テープTの走行速度の6
倍,9倍…21倍の走行速度(EPモードの場合)で、
磁気テープTを走行させて再生動作を行なった場合(S
Pモードで2倍速,3倍速…7倍速、EPモードで6倍
速,9倍速…21倍速で再生動作を行なった場合)に、
磁気テープT上に描かれる回転磁気ヘッドの回転軌跡を
示すことになる。なお、図24においては、図示の複雑
化から逃がれるために、SPモード時における記録跡と
EPモード時における記録跡とが平行な状態のものとし
て図示してあるが、EPモード時における実際の記録跡
はSPモード時における記録跡とは平行ではない。
【0004】さらに、図24中にSPモードにおける−
2,−3…−7のように記載してある各点の位置、及び
EPモードにおける−6,−9…−21と、起点とを結
ぶ各直線は、記録時における磁気テープTの走行方向と
逆の方向(記録時における磁気テープTの走行方向と逆
の走行方向を−の符号で現わしている)に、記録時の磁
気テープTの走行速度の2倍,3倍…7倍(SPモード
の場合)、及び記録時の磁気テープTの走行速度の6
倍,9倍…21倍(EPモードの場合)の走行速度で、
磁気テープTを走行させて再生動作を行なった場合に磁
気テープT上に描かれる回転磁気ヘッドの回転軌跡を示
すことになる。なお、図24中に、前記した起点と、図
中の磁気テープTの上縁側の上方に記載してある「静止
画0-0-・」の部分に対応する点とを結ぶ直線は、磁気テ
ープTを停止させた状態で再生動作を行なった場合(ス
チル再生時)に磁気テープT上に描かれる回転磁気ヘッ
ドの回転軌跡を示している。
【0005】磁気記録再生装置がVHS(登録商標)方
式における標準モードで連続再生できるようなものとし
て構成されている場合に、直径が62mmの回転ドラム
に取付けられた回転磁気ヘッドを毎分1800回転さ
せ、ドラムの外周の一部に巻回されている磁気テープが
毎秒33.35mmの送り速度で移送した状態として記
録再生動作が行なわれたときに、前記した回転磁気ヘッ
ドによって磁気テープTに描かれる記録跡(回転磁気ヘ
ッドの回転軌跡)は、磁気ヘッドTの基準縁Teに対し
て5°58’9.9”の角度を示すものとなる{磁気テ
ープTの走行時におけるビデオトラック角度は…5°5
8’9.9”である}。そして、前記したVHS(登録
商標)方式において、磁気テープTを停止状態にして再
生している場合におけるビデオトラック角度は、5°5
6’7.4”であり、また例えば、既述した図24中の
SPモード時における+7の表示によって指示している
磁気テープTの上縁の位置、及びEPモード時における
+21の表示によって指示している磁気テープTの上縁
の位置と起点とを結ぶ直線は、磁気ヘッドTの基準縁T
eに対して6°10’54”の角度を示し、さらに例え
ば、既述した図24中のSPモード時における−7の表
示によって指示している磁気テープTの上縁の位置及び
EPモード時における−21の表示によって指示してい
る磁気テープTの上縁の位置と起点とを結ぶ直線は、磁
気ヘッドTの基準縁Teに対して5°42’25.7”
の角度を示すものとなる。
【0006】さて、図24に例示されている記録跡パタ
ーンを参照すれば明らかなように、通常記録再生時(ノ
ーマル記録再生時)に、回転磁気ヘッドによって磁気テ
ープT上に描かれる回転磁気ヘッドの回転軌跡と、トリ
ックプレイ時に回転磁気ヘッドによって磁気テープT上
に描かれる回転磁気ヘッドの回転軌跡とは交叉した状態
になる。したがって、トリックプレイ時に再生される再
生信号の周波数被変調波信号の信号レベルは、回転磁気
ヘッドが記録跡を横切る度毎に大きく変化しており、1
垂直走査期間における再生信号の周波数被変調波信号の
エンベロープをみると、1垂直走査期間中に大きな起伏
が生じているものになる。それで、トリックプレイ時に
おける再生画像としては、画像中にノイズバーが生じて
いる品質の悪い再生画像しか得られない。特に、民生用
デジタルVTRでは、高能率符号化方式によって映像信
号のデータ量を圧縮して記録しているために、早送り再
生時や巻戻し再生時等のように回転磁気ヘッドが磁気テ
ープTの記録跡を横切って再生動作を行なった場合に、
モザイク状に並べられているデータのブロックの配列状
態の如何によっては全く画像が再生できないことも起こ
る。
【0007】また最近になって、19μmの記録跡幅を
有する3本の記録跡を磁気テープTに同時に並列記録し
て、図25(a)に示されているような記録跡パターン
を磁気テープTに形成させることにより、所謂、ハイビ
ジョンの画像情報の記録再生も可能にできるようにした
新しい形態のVTRが提案された。前記の新しい形態の
VTRにおいて、磁気テープTに同時に並列的に形成さ
れる3本の記録跡の内で隣接する2本の記録跡は、互い
に逆方向のアジマス角を有する2個の回転磁気ヘッドに
よって映像信号の記録再生に用いられ、また残り1本の
記録跡は他の1個の回転磁気ヘッドによって音響信号の
記録再生に用いられている。
【0008】前記のような新しい形態のVTRによって
記録された記録済み磁気テープからの再生動作が、早送
り再生動作や巻戻し再生動作とされた場合における回転
磁気ヘッドの移動軌跡は、図25(a)中に起点として
示されている点から、例えば図中の磁気テープTにおけ
る上縁の上方に記載してある+7あるいは−7の数字に
よって指示している磁気テープTの上縁の位置とを結ぶ
直線によって示されるものになり、それぞれアジマス角
を異にしている映像用の2個の回転磁気ヘッドが、磁気
テープTに形成されている3本の記録跡を横切って再生
動作を行なうことになるために再生される画像はノイズ
バーだらけのものになってしまう。
【0009】前述の問題点を解決するのには、回転磁気
ヘッドの回転軌跡と磁気テープTの記録跡とを一致させ
ればよいのであり、従来から開ループ制御回路または
閉ループ制御回路におけるアクチュエータとして使用さ
れる電気ー機械変換素子に回転磁気ヘッドを取付けてお
き、電気ー機械変換素子によって回転磁気ヘッドを変位
させて、回転磁気ヘッドを磁気テープTの記録跡に追跡
させるようにしたり、例えば実公昭63ー34126
号公報、実開昭61ー158633号公報等に開示され
ているように、回転磁気ヘッドを取付けた回転ドラムと
下ドラムとを一体的に傾斜させて、回転ヘッドが磁気テ
ープTの記録跡を追跡できるようにしたり、例えば特
公昭61ー22376号公報に開示されているように、
ドラムに対する磁気テープの進入側とドラムからの磁気
テープの離脱側とに設けられている磁気テープの幅方向
の高さを制限するためのガイドの高を変化させて、回転
ヘッドが磁気テープTの記録跡を追跡できるようにした
り、する等の各種の解決手段が提案されて来ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記した
のようにアクチュエータとして使用される電気ー機械変
換素子を用いて回転磁気ヘッドの回転軌跡を制御させる
ようにしたVTRでは、回転磁気ヘッドの回転軌跡を制
御するための電気ー機械変換素子を、回転ドラム内の狭
い空間内に設けなければならないので、使用する電気ー
機械変換素子としては小さな形状寸法のものが必要とさ
れるが、小さな形状寸法の電気ー機械変換素子は回転磁
気ヘッドに大きな変位を与えることが困難であり、ま
た、電気ー機械変換素子によって変位される回転磁気ヘ
ッドが変位によっても磁気テープに対するヘッドタッチ
の状態が不良にならないような構成のものでなければな
らないが、良好な動作特性を示す小型なアクチュエータ
を用いて良好な記録再生動作を行なうVTRを構成させ
ることは困難である他、高密度記録が行なわれている磁
気記録媒体における記録跡幅の小さな記録跡に対して高
精度で回転磁気ヘッドを追跡させることが困難である等
の問題がある。
【0011】また前記したにおける回転ドラムと下ド
ラムとを一体的に傾斜させて回転ヘッドが磁気テープT
の記録跡を追跡できるようにした磁気記録再生装置の内
で、実公昭63ー34126号公報に開示されている磁
気記録再生装置では、磁気テープTの基準縁Teの案内
部が、磁気テープTの基準縁Teに対して、いわば点接
触に近いような状態で接触しているだけであるために、
磁気テープTの基準縁Teの位置が大巾にゆれている状
態になっており、磁気テープTが低記録密度で記録され
ている場合、すなわち記録跡幅が大きな記録跡の場合に
は、ノーマル再生が辛うじて良好に行なえるとしても、
トリックプレイ時には磁気テープの基準縁Teの位置が
案内部によって正しく案内されていない状態で磁気テー
プTが走行している状態となるために、早送り再生時と
巻戻し再生時との何れの場合にも、ノイズバーの除去を
良好に行なうことができないということが問題になる。
【0012】さらに、前記したにおける回転ドラムと
下ドラムとを一体的に傾斜させて回転ヘッドが磁気テー
プTの記録跡を追跡できるようにした磁気記録再生装置
の内で、実開昭61ー158633号公報に開示されて
いる磁気記録再生装置では、下ドラムと別体に構成され
ている磁気テープの基準縁における所定の長さの部分を
案内できる部材(案内部)を装置の固定部に固着させて
あるから、前記した実公昭63ー34126号公報に開
示されている磁気記録再生装置で生じていた磁気テープ
Tの基準縁Teの位置の変動は、少なくともノーマル再
生動作時には生じないようにできるが、早送り再生動作
または巻戻し再生動作等を行なうために磁気ヘッドを取
付けた回転ドラムと下ドラムとを一体的に傾斜させた場
合には、磁気テープTとの摺接面を有する上,下ドラム
における摺接面に摺接している状態で走行している磁気
テープTが、上,下ドラムの摺接面に摺接している状態
のままで上,下ドラムとともに傾斜する傾向を持ってい
ることから、前記した上,下のドラムの傾斜に伴い、磁
気テープTの基準縁Teを案内するための部材(案内
部)から磁気テープTの基準縁Teが離れる方向に変位
することが起こる。それで早送り再生動作または巻戻し
再生動作等を行なうために、磁気ヘッドを取付けた回転
ドラムと下ドラムとを一体的に傾斜させた場合には、前
記した上,下のドラムの傾斜に伴って、磁気テープTの
基準縁Teが前記した磁気テープTの基準縁Teを案内
するための部材(案内部)によって案内されていない状
態の部分が生じ、その部分における磁気テープTの基準
縁Teの位置が変動してノイズバーを発生させることが
ある。
【0013】すなわち、既述したVHS(登録商標)方
式のVTRが、SPモードで記録再生動作を行なってい
て、磁気テープTの記録跡の記録跡幅が、58μmとい
うように比較的に大きな場合には、早送り再生動作また
は巻戻し再生動作等を行なうために、磁気ヘッドを取付
けた回転ドラムと下ドラムとを一体的に傾斜させたとき
に、磁気テープTの基準縁Teの一部へ磁気テープTの
基準縁Teを案内するための部材(案内部)で案内され
ていない状態の部分が生じて、その部分における磁気テ
ープTの基準縁Teの位置が変動したとしても、再生画
像中にノイズバーを生じさせることは殆ど無いが、例え
ば既述したVHS(登録商標)方式のVTRがEPモー
ドで記録再生動作を行なっていて、磁気テープTの記録
跡の記録跡幅が、例えば19μmというように小さな場
合に、早送り再生動作または巻戻し再生動作等を行なう
ために、磁気ヘッドを取付けた回転ドラムと下ドラムと
を一体的に傾斜させたときに、磁気テープTの基準縁T
eを案内するための部材(案内部)で案内されていない
状態の状態の部分が磁気テープTの基準縁Teの一部に
生じると、その部分に生じた位置の変動によって、再生
画像中にはノイズバーを生じさせることが明らかになっ
た。
【0014】前記の問題は、19μmの記録跡幅を有す
る3本の記録跡を磁気テープTに同時に並列記録して、
図25(a)に示されているような記録跡パターンを磁
気テープTに形成させるようにした既述の新しい形態の
VTRについても同様に生じることはいうまでもない。
それで、前記のような諸問題点の解決策が求められた。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記諸問題点
に鑑みなされたものであり、請求項1に係る発明は、
「上ドラムと下ドラムとからなるドラム構体の周面の一
部へ巻回された状態の磁気テープに、回転磁気ヘッドを
用いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再生装置にお
いて、磁気テープの摺接面を備えている上ドラムと回転
磁気ヘッドとの中心軸を、磁気テープに形成されている
記録跡と回転磁気ヘッドの回転軌跡面とが一致した状態
となるように、磁気テープの基準縁の位置を規制する磁
気テープの位置規制用案内部と磁気テープの摺接面とを
備えている下ドラムの中心軸に対して傾斜させる第1の
傾斜駆動手段と、下ドラムにおける磁気テープの位置規
制用案内部が、磁気テープの基準縁の位置に一致する状
態となるように下ドラムを傾斜させる第2の傾斜駆動手
段とを備えてなる磁気記録再生装置。」を提供するもの
であり、
【0016】請求項2に係る発明は、「第1の傾斜駆動
手段は、下ドラムに対して上ドラムと回転磁気ヘッドと
を回動自在に支持する第1の回動支点を具備し、第2の
傾斜駆動手段は、装置の基部に対して下ドラムを回動自
在に支持する第2の回動支点を具備し、第1の回動支点
は、下ドラムの中心軸に直交し且つドラム構体の周面に
対する磁気テープの巻付範囲の略中央位置を通過する第
1の直線上に配置し、第2の回動支点は、第1の直線に
平行な第2の直線上に配置したことを特徴とする請求項
1の磁気記録再生装置。」を提供するものであり、
【0017】請求項3に係る発明は、「第2の直線は、
ドラム構体の周面に対する磁気テープの巻付範囲の略中
央位置より磁気テープの走行経路中の出口側に位置した
直線であることを特徴とする請求項2の磁気記録再生装
置。」を提供するものであり、
【0018】請求項4に係る発明は、「上ドラムと下ド
ラムとからなるドラム構体の周面の一部へ巻回された状
態の磁気テープに、回転磁気ヘッドを用いて記録再生動
作が行なわれる磁気記録再生装置において、磁気テープ
の摺接面を備えている上ドラムと、回転磁気ヘッドと、
上ドラムにおける磁気テープの摺接面の延長面上に位置
する磁気テープの摺接面とその下部に摺接面より小径で
ある小径部とを備えているとともに、上ドラムと同軸状
に設けられている下ドラムと、上,下ドラムとは別体構
成で、かつ、下ドラムの下部に構成させた小径部の外周
面に接近した状態に配置されている、磁気テープの基準
縁の位置を規制する磁気テープの位置規制用案内部と、
磁気テープに形成されている記録跡と回転磁気ヘッドの
回転軌跡面とが一致する状態となるように、上,下ドラ
ムと回転磁気ヘッドとを一体的に傾斜させる第1の傾斜
駆動手段と磁気テープの位置規制用案内部を磁気テープ
の基準縁位置に一致させるように傾斜させる第2の傾斜
駆動手段とを備えてなる磁気記録再生装置。」を提供す
るものであり、
【0019】請求項5に係る発明は、「第1の傾斜駆動
手段は、磁気テープの位置規制用案内部に対して下ドラ
ムを回動自在に支持する第1の回動支点を具備し、第2
の傾斜駆動手段は、装置の基部に対して磁気テープの位
置規制用案内部を回動自在に支持する第2の回動支点を
具備し、第1の回動支点は、下ドラムの中心軸に直交し
且つドラム構体の周面に対する磁気テープの巻付範囲の
略中央位置を通過する第1の直線上に配置し、第2の回
動支点は、第1の直線に平行な第2の直線上に配置した
ことを特徴とする請求項4の磁気記録再生装置。」を提
供するものであり、
【0020】請求項6に係る発明は、「第1の直線と第
2の直線とは、同一の直線であることを特徴とする請求
項5の磁気記録再生装置。」を提供するものであり、
【0021】請求項7に係る発明は、「第2の直線は、
ドラム構体の周面に対する磁気テープの巻付範囲の略中
央位置より磁気テープの走行経路中の出口側に位置した
直線であることを特徴とする請求項5の磁気記録再生装
置。」を提供するものであり、
【0022】請求項8に係る発明は、「第1の傾斜駆動
手段と第2の傾斜駆動手段とによってそれぞれ傾斜され
る構成部分の傾斜態様を、磁気テープの走行速度に対応
して変化させるようにした請求項1乃至請求項7の何れ
かの磁気記録再生装置。」を提供するものであり、
【0023】請求項9に係る発明は、「第1の傾斜駆動
手段における駆動源と第2の駆動手段における駆動源と
を個別に設けるようにした請求項1乃至請求項8の何れ
かの磁気記録再生装置。」を提供するものであり、
【0024】請求項10に係る発明は、「第1の傾斜駆
動手段における駆動源と第2の傾斜駆動手段における駆
動源とに同一の駆動源を用いるようにした請求項1乃至
請求項8の何れかの磁気記録再生装置。」を提供するも
のであり、
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】請求項11に係る発明は、「第1の傾斜駆
動手段は、下ドラムに当接して磁気テープの位置規制用
案内部に対して下ドラムを傾斜させる第1のスクリュー
を具備し、第2の傾斜駆動手段は、磁気テープの位置規
制用案内部に当接して装置の基部に対して磁気テープの
位置規制用案内部を傾斜させる第2のスクリューを具備
することを特徴とする請求項4乃至請求項8の何れかの
磁気記録再生装置。」を提供するものである。
【0030】
【作用】上ドラムと下ドラムとからなるドラムの周面の
一部へ巻回された状態の磁気テープに、回転磁気ヘッド
を用いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再生装置に
おける磁気テープの摺接面を備えている上ドラムと回転
磁気ヘッドとの中心軸を、第1の傾斜手段によって、磁
気テープに形成されている記録跡と回転磁気ヘッドの回
転軌跡面とが一致した状態となるように、磁気テープの
基準縁の位置を規制する磁気テープの位置規制用案内部
と磁気テープの摺接面とを備えている下ドラムの中心軸
に対して傾斜させる。また、前記した下ドラムにおける
磁気テープの位置規制用案内部が、磁気テープの基準縁
の位置に一致する状態となるように、第2の傾斜駆動手
段によって下ドラムを傾斜させる。それにより、磁気テ
ープに記録形成されている記録跡が記録跡幅の小さな場
合でも、ノイズバーが出ない状態で高速再生や巻戻し再
生を行なうことができる。
【0031】上ドラムと下ドラムとからなるドラム構体
の周面の一部へ巻回された状態の磁気テープに、回転磁
気ヘッドを用いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再
生装置において、磁気テープの摺接面を備えている上ド
ラムと、回転磁気ヘッドと、上ドラムにおける磁気テー
プの摺接面の延長面上に位置する磁気テープの摺接面と
その下部に摺接面より小径である小径部とを備えている
とともに、上ドラムと同軸状に設けられている下ドラム
と、上,下ドラムとは別体構成で、かつ、下ドラムの下
部に構成させた小径部の外周面に接近した状態に配置さ
れている、磁気テープの基準縁の位置を規制する磁気テ
ープの位置規制用案内部とを設け、第1の傾斜駆動手段
により上,下ドラムと回転磁気ヘッドとを一体的に傾斜
させるとともに第2の傾斜駆動手段により磁気テープの
位置規制用案内部を磁気テープの基準縁位置に一致させ
るように傾斜させることにより、磁気テープに形成され
ている記録跡と回転磁気ヘッドの回転軌跡面とを一致さ
せることができる。それにより、磁気テープに記録形成
されている記録跡が記録跡幅の小さな場合でも、ノイズ
バーが出ない状態で高速再生や巻戻し再生を行なうこと
ができる。
【0032】
【0033】
【0034】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の磁気記録
再生装置の具体的な内容を詳細に説明する。図1,図
2,図10,図11は本発明の磁気記録再生装置の要部
の全体的な側断面図、図3及び図4は本発明の磁気記録
再生装置の構成部分の一部の斜視図、図5は図1及び図
2に示す本発明の磁気記録再生装置の動作説明のための
側断面図、図6及び図8は本発明の磁気記録再生装置の
要部の全体的な斜視図でありまた図7及び図9は本発明
の磁気記録再生装置の構成部分の一部の側断面図、図1
2は図10に示す本発明の磁気記録再生装置の動作説明
のための側断面図、図13はVTRのテープ走行系を説
明するためのドラム近傍の側面図、図14はVTRのド
ラムの正面図、図15及び図17は本発明の磁気記録再
生装置の構成部分の一部として使用される既提案の磁気
記録再生装置の要部の全体的な側断面図、図16及び図
18は図15及び図17に示す本発明の磁気記録再生装
置の構成部分の一部として使用される既提案の磁気記録
再生装置の動作説明のための側断面図、図19及び図2
1はドラム傾斜時の磁気テープ位置を説明するための側
面図、図20及び図22はドラム傾斜時の再生信号波形
の説明図、図23はドラムの上面図、図24及び図25
はテープパターンを示す図である。
【0035】図13はVTRのテープ走行系を例示して
いる図であって、1は機板、Ddは磁気テープTの基準
縁Teの位置を規制する磁気テープの位置規制用案内部
Gを備えている下ドラム、Duは上ドラム、2,3は傾
斜ポール、SGRはサプライ側のガイドローラ、TGR
はティクアップ側のガイドローラであり、磁気テープT
は前記したガイドローラSGR、サプライ側の傾斜ポー
ル2と、下ドラムDdに形成されている磁気テープの基
準縁の位置を規制する磁気テープの位置規制用案内部G
と、ティクアップ側のガイドローラTGRとによって走
行経路が規制された状態で、上ドラムDuと下ドラムD
dとの周面の一部に摺接しながら所定の移動速度で走行
し、前記の磁気テープTには上ドラムDuと下ドラムD
dとの間隙部分で回転している回転磁気ヘッドによって
傾斜した記録跡が形成される。
【0036】図14は前記した上ドラムDuと下ドラム
Ddとの正面図であり、図中においてHa,Hbは回転
磁気ヘッド、O−Oは前記した上ドラムDuと下ドラム
Ddとの中心軸を示している。図23はドラム付近の上
面図であり、磁気テープTが上ドラムDuと下ドラムD
dとからなるドラム(ドラム構体DA)の外周面に、ド
ラムの中心角で180度よりも僅かに大きな角度と対応
する範囲で巻回されている状態が示されている。図中の
0度−180度の方向の表示と90度−270度の方向
の表示とは、各図についての記述中で、0度−180度
の方向、及び90度−270度の方向というような表現
で示す方向と対応しているものである。図23において
Oはドラムの中心軸の位置を示しており、図中の90度
の位置はドラムの周面に対する磁気テープの巻付範囲の
中央位置であり、図23中に示してある90度と270
度とを結ぶ直線は、前記したドラムの周面に対する磁気
テープの巻付範囲の中央位置とドラムの中心軸の位置O
とを結ぶ直線であり、また、図23中に示してある0度
と180度とを結ぶ直線は、前記した90度と270度
とを結ぶ直線に直交する直線の内でドラムの中心軸の位
置Oを通過している直線である。なお、図23中には傾
斜ポールの図示を省略している。
【0037】まず、図1,図2に例示してある本発明の
磁気記録再生装置は、上ドラムDuと下ドラムDdとか
らなるドラムの周面の一部へ巻回された状態の磁気テー
プに回転磁気ヘッドHa,Hbを用いて記録再生動作が
行なわれる磁気記録再生装置における磁気テープの摺接
面4を備えている上ドラムDuと回転磁気ヘッドHa,
Hbとの中心軸を、磁気テープに形成されている記録跡
と回転磁気ヘッドの回転軌跡面とが一致した状態となる
ように、磁気テープの基準縁の位置を規制する磁気テー
プの位置規制用案内部Gと磁気テープの摺接面5とを備
えている下ドラムDdの中心軸に対して傾斜させるよう
に動作する第1の傾斜手段と、前記した下ドラムDdに
おける磁気テープの位置規制用案内部Gが、磁気テープ
の基準縁の位置に一致する状態となるように、下ドラム
を傾斜させる第2の傾斜駆動手段とを備えたものとして
構成した磁気記録再生装置の実施態様を示している。
【0038】また、図10及び図11は上ドラムDuと
下ドラムDdとからなるドラムの周面の一部へ巻回され
た状態の磁気テープに、回転磁気ヘッドHa,Hbを用
いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再生装置におけ
る磁気テープの摺接面4を備えている上ドラムDuと回
転磁気ヘッドHa,Hbと、上ドラムDuにおける磁気
テープの摺接面4の延長面上に位置する磁気テープの摺
接面5を備えているとともに、上ドラムDuと同軸的に
設けられている下ドラムDdと、前記した上,下ドラム
Du,Ddと回転磁気ヘッドHa,Hbとを、磁気テー
プに形成されている記録跡と回転磁気ヘッドの回転軌跡
面とが一致する状態となるように一体的に傾斜させる第
1の傾斜駆動手段と、前記した上,下ドラムDu,Dd
とは別体に構成されており、かつ、前記した下ドラムD
dの下部に構成させた小径部82の外周面に接近した状
態に配置されている、磁気テープの基準縁の位置を規制
する磁気テープの位置規制用案内部GAを、磁気テープ
の基準縁位置に一致させるように傾斜させる第2の傾斜
駆動手段とを備えたものとして構成した磁気記録再生装
置の実施態様を示している。
【0039】さらに、図15は既述した図1及び図2に
示されている磁気記録再生装置における下ドラムが固定
状態にされているとともに、前記した第1の傾斜手段に
対応する傾斜手段だけを備えている構成形態の磁気記録
再生装置の構成部分を示している図であって、この図1
5に示されている構成形態の磁気記録再生装置の構成部
分は、下ドラムにおける磁気テープの位置規制用案内部
Gと磁気テープの基準縁位置とを一致させるように、磁
気テープの走行路中に設けられている複数個のガイドポ
ールの高さを、磁気テープの幅方向に変化させるような
動作を行なう磁気テープの変位駆動手段(具体的な構成
例が図6〜図9に例示されている)とともに本発明の磁
気記録再生装置を構成させるのに用いられる。
【0040】さらにまた図17は既述した図10,図1
1に示されている磁気記録再生装置における磁気テープ
の位置規制用案内部GAが固定状態にされているととも
に前記した第1の傾斜手段に対応する傾斜手段だけを備
えている構成形態の磁気記録再生装置の構成部分を示し
ている図であって、この図17に示されている構成形態
の磁気記録再生装置の構成部分は、磁気テープの位置規
制用案内部GAと磁気テープの基準縁位置とを一致させ
るように、磁気テープの走行路中に設けられている複数
個のガイドポールの高さを、磁気テープの幅方向に変化
させるような動作を行なう磁気テープの変位駆動手段
(具体的な構成例が図6〜図9に例示されている)とと
もに本発明の磁気記録再生装置を構成させるのに用いら
れる。
【0041】まず、図1乃至図5を参照して本発明の磁
気記録再生装置の第1実施例について説明する。図1及
び図2において、DBはドラムベース、BPはベースプ
レート、DAは上ドラムDuと下ドラムDdとからなる
ドラム構体DA、Ha,Hbは回転磁気ヘッドである。
本発明の磁気記録再生装置の実施に当って使用されるべ
きドラム構体DAとしては、それの上ドラムDuが、回
転する上ドラム(回転ドラム)として構成されたもので
も、あるいは回転しない上ドラムとして構成されたもの
でも、そのどちらの構成態様のものでも使用できるが、
以下に記述されている各実施例におけるドラム構体DA
では、それの上ドラムDuが回転ドラムとして構成され
ている場合の例を示している。なお、上ドラムが回転し
ないような構成のものであっても、回転磁気ヘッドH
a,Hbを回転させるための部材を備えてあることはい
うまでもない。
【0042】図示の構成例において、回転磁気ヘッドH
aを取付けてあるヘッドホルダ15と、回転磁気ヘッド
Hbを取付けてあるヘッドホルダ14とは、ねじ16,
17によって上ドラムDuに固着されている。上ドラム
Duの外周方向で互いに180度対称の位置に設けられ
るべき前記の回転磁気ヘッドHa,Hbとしては、例え
ば、それぞれのものがSPヘッドとEPヘッドとを隣接
配設させてある構成形態の回転磁気ヘッドであったり、
あるいは、それぞれのものが例えば複数個(例えば3
個)の回転磁気ヘッドによって同時に複数本(例えば3
本)の記録跡を並列に記録形成させうるような構成形態
の回転磁気ヘッドであったり、その他任意の構成形態の
回転磁気ヘッドを用いることができる。
【0043】前記した上ドラムDuは、ドラムモータM
dの回転軸6に固着されている上ドラム固着部材7に対
して、ねじ8,9で固着されている。それで、ドラムモ
ータMdが所定の回転数で回転すると、上ドラムDuに
固着されている回転磁気ヘッドHa,Hbは、支持部材
SAに取付けられている軸受10,11によって回転自
在に支持されている回転軸6と一体的に回転する。12
は上ドラム固着部材7に固着されている回転トランス、
13は前記した支持部材SAに取付けられている回転ト
ランスである。前記の支持部材SAにはドラムモータM
dの固定子の部分20がねじ18,19によって固着さ
れており、また前記したドラムモータMdの回転子の部
分21は、ねじ25によって回転軸6に固着されている
支持体22に対し、ねじ23,24によって取付けられ
ている。図中に示されているドラムモータMdは、それ
の固定子の部分20に電機子巻線20aを備えており、
また、それの回転子の部分21に永久磁石21bを備え
て構成されているものとして示されている。
【0044】前記した支持部材SAは、それの上方部分
が下ドラムDdの内方空間部に位置するような態様で設
けられているが、支持部材SAの上端部26と固定ドラ
ムDdの内方突縁部27との間におけるドラム構体DA
の90度−270度の方向には図1(a)中に示されて
いるように回動支点28,29が設けられている。ま
た、支持部材SAは、それの上端部26の突出部26a
が固定ドラムDdの内周に嵌合されており、さらに、下
ドラムDdの下端部にねじ32(図2)によって固着さ
れているベースプレートBPの上面側と支持部材SAの
下面側との間にはスプリング30,31が装着され、さ
らにまた前記のベースプレートBPの下面側と前記した
支持部材SAと一体的に連結固着されているドラムモー
タMdのカバー33との間には、スプリング34,35
が装着されている。図4には前記したベースプレートB
Pを裏側から見た場合の斜視図が示されており、また図
3には前記のベースプレートBPを表側から見た場合の
斜視図が示されている。
【0045】前記したベースプレートBPには、図2中
に示されているようにねじ40,41によって板バネ4
2(板バネ42の全体形状は図3中に示されている)の
基端部が固着されており、前記の板バネ42の先端部を
ドラムベースDBの下面に圧着させることにより、前記
のベースプレートBPはドラムベースDBに対して上下
方向に僅かに変位可能な状態になっている。また、前記
のベースプレートBPのドラムベースDBに対する位置
決めは、ドラム構体における0度と180度方向でドラ
ムベースDBに設けてある位置決めピン43,44を、
ベースプレートBPに設けた孔に嵌合させることによっ
て行なわれる{図1(b)参照}。
【0046】前記したベースプレートBPの上面側と支
持部材SAの下面側との間には、回転軸6の傾斜調節手
段として機能する回転軸の傾斜調節用の環状のカム部材
CA(環状のカム部材CA)が設けられており、また前
記のベースプレートBPの下面側とドラムベースDBの
上面側との間には下ドラムDdの中心軸の傾斜調節手段
として機能する傾斜調節用の環状のカム部材CRA(環
状のカム部材CRA)が設けられている。前記した環状
のカム部材CRAのドラムベースDBに対する位置決め
は、ドラム構体における90度と270度方向でドラム
ベースDBに設けてある位置決めピン45,46{図1
(a)及び図3参照}を、環状のカム部材CRAの内周
縁に当接させることによって行なう。前記した回転軸の
傾斜調節用の環状のカム部材CAと、下ドラムDdの中
心軸の傾斜調節手段として機能する傾斜調節用の環状の
カム部材CRAとの具体的な構成例が図3中に示されて
いる。
【0047】前記した環状のカム部材CAの上面に形成
されているカム輪郭58〜63(図3参照)には、支持
部材SAに突設されているカム従動体36,37が当接
されていて、前記の環状のカム部材CAが、図示されて
いない駆動源からの駆動力が与えられて回動したとき
に、回転軸6を介して連結されている前記した上ドラム
Duと支持部材SAとドラムモータMdとからなる構成
部分は、前記の回動支点28,29を回動中心にして、
上ドラムDuや支持部材SAの中心軸(回転軸6の中心
軸)が、所定の角度だけ、下ドラムDdの中心軸に対し
てドラム構体DAの0度−180度の方向{図1(b)
における紙面の左右方向}で傾斜されることになるが、
前記した環状のカム部材CAの具体的な構成例や、動作
態様等については図3、その他の図を参照して詳細に後
述されている。
【0048】また、前記のベースプレートBPの下面側
とドラムベースDBの上面側との間に設けられている下
ドラムDdの中心軸の傾斜調節手段として機能する傾斜
調節用の環状のカム部材CRAは、環状のカム部材CR
Aの上面に形成されているカム輪郭51〜56(図3参
照)に、ベースプレートBPに突設されているカム従動
体47,48が当接されていて、前記の環状のカム部材
CRAが、図示されていない駆動源からの駆動力が与え
られて回動したときに、前記したベースプレートBPに
固着されている下ドラムDdが、下ドラムDdの中心軸
が所定の角度だけ、上ドラムDuの中心軸に対してドラ
ム構体DAの0度−180度の方向{図1(b)におけ
る紙面の左右方向}で傾斜されることになるが、前記し
た環状のカム部材CRAの具体的な構成例や、動作態様
等については図3、その他の図を参照して詳細に後述さ
れている。
【0049】図3は、ドラムベースDBと、ドラムベー
スDBの上面に底面が回動可能に載置されていて、ベー
スプレートBPの裏面側に突設されているカム従動子4
7,48{第1図(a),(b)及び図4参照}と係合
するカム輪郭51〜56及び、ベースプレートBPの裏
面側に突設されている支点突起49,50に当接する支
点平面部分38,39とが上面に構成されている環状の
カム部材CRAと、ベースプレートBPと、ベースプレ
ートBPの上面側に設けられた案内溝57に回動可能に
嵌合される環状のカム部材CAとの各部の具体的な構成
態様を示すための斜視図である。ベースプレートBPの
上面側の案内溝57に回動可能に嵌合されていて、回転
軸6の傾斜調節手段として機能する回転軸の傾斜調節用
の環状のカム部材CAには、支持部材SAに突設されて
いるカム従動体36,37が当接されるカム輪郭58〜
63が構成されている。64は連結部であって先端部に
は円弧状ギヤ65が設けられている。
【0050】前記した円弧状ギヤ65に対して、図示さ
れていない駆動源から図示されていないピニオンを介し
て動力が供給されて、環状のカム部材CAがベースプレ
ートBPの上面側の案内溝57中で回動されると、支持
部材SAに突設されているカム従動体36,37が、環
状のカム部材CAに構成されている順次に異なるカム輪
郭58〜63に当接されるために、支持部材SAに取付
けられている軸受10,11に回転自在に支持されてい
る回転軸6を、それぞれ所定の角度だけ、下ドラムDd
の中心軸に対してドラム構体DAの0度−180度の方
向{図1(b)における紙面の左右方向}で傾斜させる
ことができるのであり、それにより上ドラムDuと支持
部材SAとドラムモータMdとが一体的に、それぞれ所
定の角度だけ下ドラムDdの中心軸に対してドラム構体
DAの0度−180度の方向{図1(b)における紙面
の左右方向}で傾斜した状態にさせることができる。
【0051】前記したベースプレートBPの上面側の案
内溝57には切欠部57aと透孔57b,57c(図3
及び図4参照)が設けられており、前記の切欠部57a
と透孔57b,57cとの部分には、前記した2つの環
状のカム部材CRAと環状のカム部材CAとを連結する
ためのピン66〜68が通過できるようにしてある。前
記したピン66は、それの一端部が環状のカム部材CA
に穿設されている孔69に圧入され、また、ピン67の
一端部は環状のカム部材CAに穿設されている孔70に
圧入され、さらにピン68の一端部は環状のカム部材C
Aに穿設されている孔71に圧入される。そして、前記
の各ピン66〜68は、ベースプレートBPの上面側の
案内溝57に設けられたは切欠部57aと透孔57b,
57cとにおける対応する位置のものを通過して、環状
のカム部材CRAに設けられている透孔72〜74にお
ける対応しているものに、各ピン66〜68の他端が圧
入される。なお、図3中に示されているベースプレート
BPに設けられている孔75,76と図4中に示されて
いるベースプレートBPに設けられている孔77,78
とは、図1(a),(b)中に示されている既述のスプ
リング30,31,34,35が装着される孔である。
【0052】図4における79〜81で示されている円
弧状の部材は、それの外周壁面79a,80a,81a
によって環状のカム部材CRAにおける内周壁面82の
位置の規制を行なう。前記したように、ベースプレート
BPの上面側に設けられていて、回転軸6の傾斜調節用
に使用される環状のカム部材CAと、ベースプレートB
Pの下面側に設けられていて、下ドラムDdの中心軸の
傾斜調節用に使用されている環状のカム部材CRAと
が、ピン66〜68によって連結されていることによ
り、回転軸6の傾斜調節用に使用される環状のカム部材
CAに設けられている円弧状ギヤ65に対して、図示さ
れていない駆動源から図示されていないピニオンを介し
て動力を供給して、回転軸6の傾斜調節用に使用される
環状のカム部材CAをベースプレートBPの上面側の案
内溝57中で回動させると、前記した環状のカム部材C
Aの回動々作と同時に、下ドラムDdの中心軸の傾斜調
節用に使用されている環状のカム部材CRAがドラムベ
ースDBの上面上で、ベースプレートBPの裏面側に設
けられている円弧状の部材79〜81の外周面に案内さ
れて回動するから、1つの駆動源からの動力によって回
転軸6の傾斜調節用に使用される環状のカム部材CA
と、下ドラムDdの中心軸の傾斜調節用に使用されてい
る環状のカム部材CRAとの双方を連動させて駆動する
ことができるので、駆動機構の構成を簡単化することが
できる。なお、前記した回転軸6の傾斜調節用に使用さ
れる環状のカム部材CAと、下ドラムDdの中心軸の傾
斜調節用に使用されている環状のカム部材CRAとが個
別の駆動源によって別々に駆動されるように構成されて
もよいことは勿論である。
【0053】図1及び図2に例示してある本発明の磁気
記録再生装置において、回転軸6の傾斜調節手段として
機能する回転軸の傾斜調節用の環状のカム部材CAは、
円弧状ギヤ65が図示されていないピニオンの回転によ
って駆動されて、ベースプレートBPの上面側の案内溝
57内で回動すると、支持部材SAに突設されているカ
ム従動体36,37と当接状態にされる傾斜調節用の環
状のカム部材CAのカム輪郭58〜63が順次に変化す
る。また、下ドラムDdの中心軸の傾斜調節手段として
機能する傾斜調節用の環状のカム部材CRAは、前記の
環状のカム部材CAとピン66〜68によって連結して
いるから、前記した環状のカム部材CAの回動々作と同
期して環状のカム部材CRAが回動々作を行なうと、ベ
ースプレートBPに突設されているカム従動体47,4
8と当接状態にされる環状のカム部材CRAのカム輪郭
51〜56が順次に変化する。なお、環状のカム部材C
RAにおける38,39の部分は、環状のカム部材CR
AをドラムベースDB上に載置した状態において、同一
高さになる支点平面部分であり、前記した環状のカム部
材CRAにおける支点平面部分38,39には、ベース
プレートBPに突設されている支点用突起49,50が
当接する。
【0054】図1及び図2に示されている磁気記録再生
装置が、ノーマル再生モードで動作している場合に、支
持部材SAに突設されているカム従動体36は、傾斜調
節用の環状のカム部材CAのカム輪郭62と当接し、ま
た、支持部材SAに突設されているカム従動体37は、
傾斜調節用の環状のカム部材CAのカム輪郭59と当接
する。他方、ベースプレートBPに突設されているカム
従動体47は、環状のカム部材CRAのカム輪郭55と
当接し、また、ベースプレートBPに突設されているカ
ム従動体48は、環状のカム部材CRAのカム輪郭52
と当接する。前記した傾斜調節用の環状のカム部材CA
のカム輪郭59,62は同一高さのものとして構成され
ており、また、環状のカム部材CRAのカム輪郭55,
52とは、環状のカム部材CRAにおける支点平面部分
38,39と同一高さのものとして構成されているか
ら、磁気記録再生装置が、ノーマル再生モードで動作し
ている場合には、上ドラムDu及び下ドラムDdの中心
軸は一致した状態になっていて、この動作状態において
磁気テープTは、それの基準縁Teが下ドラムDdの外
周部に形成されている磁気テープの位置規制用案内部G
の全域にわたって正しく当接している状態とされ、磁気
テープTの走行位置が磁気テープの位置規制用案内部G
によって正規の位置に安定に保持された状態で所定の走
行速度で走行することができ、例えば図20(a)に例
示されているように良好な状態のエンベロープを示す再
生信号が得られる。
【0055】磁気記録再生装置がノーマル再生モードで
動作している場合における上ドラムDuと、下ドラムD
dと、前記した上ドラムDuと下ドラムDdとの外周面
の一部に巻回されている状態の磁気テープTとの状態
を、図19(a)及び図21(a)に示してある。図1
9及び図21の各図中にO−Oで示してある実線図示の
直線は、前記のように磁気記録再生装置がノーマル再生
モードで動作している場合における上ドラムDuと、下
ドラムDdとの中心軸の位置を示しているものである。
【0056】次に、図1及び図2に示してある磁気記録
再生装置が、早送り再生モード(FF)で動作している
場合には、支持部材SAに突設されているカム従動体3
6は傾斜調節用の環状のカム部材CAのカム輪郭61と
当接し、また、支持部材SAに突設されているカム従動
体37は、傾斜調節用の環状のカム部材CAのカム輪郭
58と当接する。そして、前記した傾斜調節用の環状の
カム部材CAのカム輪郭61はカム輪郭58よりも高い
のものとして構成されているために、上ドラムDuと支
持部材SAとの中心軸は、磁気記録再生装置が早送り再
生モードで動作している場合には、図19(b)〜
(d)中に示されている破線図示の直線のように、磁気
記録再生装置がノーマル再生モードで動作している場合
における上ドラムDuと、下ドラムDdとの中心軸の位
置を示している既述した図19中にO−Oで示してある
実線図示の直線に対して右方に傾斜している状態のもの
になるから、図1に示されている磁気記録再生装置は、
図5(a)に例示されているような状態になる。
【0057】図1及び図2に示されている磁気記録再生
装置は、既述のように、回転軸6の傾斜調節手段として
機能する回転軸の傾斜調節用の環状のカム部材CAと、
下ドラムDdの中心軸の傾斜調節手段として機能する傾
斜調節用の環状のカム部材CRAとの2つの環状のカム
部材CA,CRAが、ピン66〜68によって連結して
いて、前記した2つの環状のカム部材CA,CRAの回
動々作が同期して行なわれるような構成態様とされてい
るが、仮に、図1及び図2に示されている磁気記録再生
装置が、前記した下ドラムDdの中心軸の傾斜調節手段
として機能する傾斜調節用の環状のカム部材CRAを備
えていなかったとした場合(後述されている図15に示
されているような構成態様のものに相当する)には、磁
気記録再生装置が早送り再生モードでの動作時に、前記
した回転軸6の傾斜調節手段として機能する回転軸の傾
斜調節用の環状のカム部材CAの動作により、磁気記録
再生装置がノーマル再生モードで動作している場合にお
ける上ドラムDuと、下ドラムDdとの中心軸の位置
が、既述した図19中にO−Oで示してある実線図示の
直線に対して傾斜している図19(b)〜(d)中に示
されている破線図示の直線のような状態に傾斜した状態
となるように上ドラムDuと支持部材SAとが傾斜する
だけであるために、前記した上ドラムDuの傾斜につれ
て磁気テープTの基準縁Teが、図19(b)に示され
ているように、下ドラムDdの外周部に形成されている
磁気テープの位置規制用案内部Gの一部から離れた状態
が生じ、それにより、磁気テープTの走行位置が磁気テ
ープの位置規制用案内部Gによって正しく規制されなく
なって、磁気テープTの走行位置が磁気テープの幅方向
に変動している状態になるために、回転磁気ヘッドの回
転軌跡によって磁気テープTの記録跡を正しく追跡でき
なくなって、例えば図20(b)に例示されているよう
な大きな変動のあるエンベロープを示す再生信号しか得
られないことが起きる。
【0058】ところが本発明の図1及び図2に例示した
磁気記録再生装置では、回転軸6の傾斜調節手段として
機能する回転軸の傾斜調節用の環状のカム部材CAの他
に、下ドラムDdの中心軸の傾斜調節手段として機能す
る傾斜調節用の環状のカム部材CRAも備えていて、前
記のように磁気記録再生装置が早送り再生モードで再生
動作を行なう場合には、前記した環状のカム部材CAの
動作によって上ドラムDuと支持部材SAとの中心軸が
所定の角度だけ傾斜されるのに伴って、磁気テープTの
基準縁Teが下ドラムDdの外周部に形成されている磁
気テープの位置規制用案内部Gの一部から離れる分だ
け、下ドラムDdの外周部に形成されている磁気テープ
の位置規制用案内部Gの位置を変位させるように、図1
9(c)に示されているように、下ドラムDdの中心軸
の傾斜調節手段として機能する傾斜調節用の環状のカム
部材CRAの動作によって、下ドラムDdの中心軸を上
ドラムDu及び支持部材SAの中心軸の傾斜方向へ向っ
て、所定の僅かな角度だけ傾斜させて、磁気テープTの
基準縁Teが下ドラムDdの外周部に形成されている磁
気テープの位置規制用案内部Gの全域にわたって正しく
当接している状態にさせ、磁気テープTの走行位置が磁
気テープの位置規制用案内部Gによって正規の位置に安
定に保持された状態で所定の走行速度で走行させるよう
にしているのであり、それにより例えば図20(a)に
例示されているように良好な状態のエンベロープを示す
再生信号が得られるようにしているのである。
【0059】すなわち、図1及び図2に示されている磁
気記録再生装置を、早送り再生モード(FF)で動作さ
せて、支持部材SAに突設されているカム従動体36
が、傾斜調節用の環状のカム部材CAのカム輪郭61と
当接し、また、支持部材SAに突設されているカム従動
体37が、傾斜調節用の環状のカム部材CAのカム輪郭
58と当接した状態にされたときには、前記した回転軸
6の傾斜調節手段として機能する回転軸の傾斜調節用の
環状のカム部材CAとピン66〜68によって連結され
ている下ドラムDdの中心軸の傾斜調節手段として機能
する傾斜調節用の環状のカム部材CRAにおけるカム輪
郭54には、下ドラムDdに固着されているベースプレ
ートBPに突設されているカム従動子47が当接し、ま
た前記の環状のカム部材CRAにおけるカム輪郭51
は、下ドラムDdに固着されているベースプレートBP
に突設されているカム従動子48が当接した状態にされ
る。
【0060】前記した傾斜調節用の環状のカム部材CR
Aのカム輪郭54はカム輪郭51よりも高いのものとし
て構成されており、かつ前記の環状のカム部材CRAに
おいて同一高さに構成されている支点平面部分38,3
9には、ベースプレートBPに突設されている支点用突
起49,50が当接した状態にされているために、前記
したベースプレートBPを固着させてある下ドラムDd
は、前記した支点用突起49,50を結ぶ直線と直交す
る方向で、前記した傾斜調節用の環状のカム部材CRA
における2つのカム輪郭54,51の高さの差と対応す
る角度だけ傾斜することになる。それにより前記した下
ドラムDdの中心軸は上ドラムDu及び支持部材SAの
中心軸の傾斜方向へ向って、所定の僅かな角度だけ傾斜
して磁気テープTの基準縁Teが下ドラムDdの外周部
に形成されている磁気テープの位置規制用案内部Gの全
域にわたって正しく当接している状態にされ、磁気テー
プTの走行位置を磁気テープの位置規制用案内部Gによ
って正規の位置に安定に保持された状態で所定の走行速
度で走行させることを可能にしているのである。
【0061】次に、図1及び図2に示してある磁気記録
再生装置が、巻戻し再生モード(FB)で動作している
場合には、支持部材SAに突設されているカム従動体3
6は傾斜調節用の環状のカム部材CAのカム輪郭63と
当接し、また、支持部材SAに突設されているカム従動
体37は、傾斜調節用の環状のカム部材CAのカム輪郭
60と当接する。そして、前記した傾斜調節用の環状の
カム部材CAのカム輪郭63はカム輪郭60よりも低い
のものとして構成されているために、上ドラムDuと支
持部材SAとの中心軸は、磁気記録再生装置が巻戻し再
生モードで動作している場合には、図21(b)〜
(d)中に示されている破線図示の直線のように、磁気
記録再生装置がノーマル再生モードで動作している場合
における上ドラムDuと、下ドラムDdとの中心軸の位
置を示している既述した図21中にO−Oで示してある
実線図示の直線に対して左方に傾斜している状態のもの
になるから、図1に示されている磁気記録再生装置は、
図5(b)に例示されているような状態になる。
【0062】本発明の図1及び図2に例示した磁気記録
再生装置では、回転軸6の傾斜調節手段として機能する
回転軸の傾斜調節用の環状のカム部材CAの他に、下ド
ラムDdの中心軸の傾斜調節手段として機能する傾斜調
節用の環状のカム部材CRAも備えていて、前記のよう
に磁気記録再生装置が巻戻し再生モードで再生動作を行
なう場合には、前記した環状のカム部材CAの動作によ
って上ドラムDuと支持部材SAとの中心軸が所定の角
度だけ傾斜されるのに伴って、磁気テープTの基準縁T
eが図21(b)に例示されているように、下ドラムD
dの外周部に形成されている磁気テープの位置規制用案
内部Gの一部から離れる分だけ、下ドラムDdの外周部
に形成されている磁気テープの位置規制用案内部Gの位
置を変位させて、図21(c)に示されているように、
下ドラムDdの中心軸の傾斜調節手段として機能する傾
斜調節用の環状のカム部材CRAの動作によって、下ド
ラムDdの中心軸を上ドラムDu及び支持部材SAの中
心軸の傾斜方向へ向って、所定の僅かな角度だけ傾斜さ
せ、磁気テープTの基準縁Teが下ドラムDdの外周部
に形成されている磁気テープの位置規制用案内部Gの全
域にわたって正しく当接している状態にさせ、磁気テー
プTの走行位置が磁気テープの位置規制用案内部Gによ
って正規の位置に安定に保持された状態で所定の走行速
度で走行させるようにして、それにより例えば図22
(b)に例示されているように良好な状態のエンベロー
プを示す再生信号が得られるようにしているのである。
【0063】図22(a)に例示されている変動の多い
不良な状態のエンベロープを示す再生信号は、図1及び
図2に示されている磁気記録再生装置が、前記した下ド
ラムDdの中心軸の傾斜調節手段として機能する傾斜調
節用の環状のカム部材CRAを備えていなかったとした
場合(後述されている図15に示されているような構成
態様のものに相当する)に、磁気記録再生装置が巻戻し
再生モードで動作させた状態に得られる再生信号波形例
を示しているものである。すなわち、図1及び図2に示
されている磁気記録再生装置が、巻戻し再生動作時に回
転軸6の傾斜調節手段として機能する回転軸の傾斜調節
用の環状のカム部材CAだけの動作により、磁気記録再
生装置がノーマル再生モードで動作している場合におけ
る上ドラムDuと、下ドラムDdとの中心軸の位置(図
21中にO−Oで示してある実線図示の直線)に対し
て、上ドラムDuと支持部材SAとの中心軸を図21
(b)〜(d)中に示されている破線図示の直線のよう
な状態に傾斜傾斜させただけの場合には、前記した上ド
ラムDuの傾斜につれて磁気テープTの基準縁Teが、
図21(b)に示されているように、下ドラムDdの外
周部に形成されている磁気テープの位置規制用案内部G
の一部から離れた状態が生じ、それにより、磁気テープ
Tの走行位置が磁気テープの位置規制用案内部Gによっ
て正しく規制されなくなって、磁気テープTの走行位置
が磁気テープの幅方向に変動している状態になるため
に、回転磁気ヘッドの回転軌跡によって磁気テープTの
記録跡を正しく追跡できなくなり、例えば図22(a)
に例示されているような大きな変動のあるエンベロープ
を示す再生信号しか得られないことが起きるのである。
【0064】図1及び図2に示されている磁気記録再生
装置を、巻戻し再生モード(FB)で動作させて、支持
部材SAに突設されているカム従動体36が、傾斜調節
用の環状のカム部材CAのカム輪郭63と当接し、ま
た、支持部材SAに突設されているカム従動体37が、
傾斜調節用の環状のカム部材CAのカム輪郭60と当接
した状態にされたときには、前記した回転軸6の傾斜調
節手段として機能する回転軸の傾斜調節用の環状のカム
部材CAとピン66〜68によって連結されている下ド
ラムDdの中心軸の傾斜調節手段として機能する傾斜調
節用の環状のカム部材CRAにおけるカム輪郭56に
は、下ドラムDdに固着されているベースプレートBP
に突設されているカム従動子47が当接し、また前記の
環状のカム部材CRAにおけるカム輪郭53は、下ドラ
ムDdに固着されているベースプレートBPに突設され
ているカム従動子48が当接した状態にされる。
【0065】前記した傾斜調節用の環状のカム部材CR
Aのカム輪郭56はカム輪郭53よりも低いのものとし
て構成されており、かつ前記の環状のカム部材CRAに
おいて同一高さに構成されている支点平面部分38,3
9には、ベースプレートBPに突設されている支点用突
起49,50が当接した状態にされているために、前記
したベースプレートBPを固着させてある下ドラムDd
は、前記した支点用突起49,50を結ぶ直線と直交す
る方向で、前記した傾斜調節用の環状のカム部材CRA
における2つのカム輪郭56,53の高さの差と対応す
る角度だけ傾斜することになる。それにより前記した下
ドラムDdの中心軸は上ドラムDu及び支持部材SAの
中心軸の傾斜方向へ向って、所定の僅かな角度だけ傾斜
して磁気テープTの基準縁Teが下ドラムDdの外周部
に形成されている磁気テープの位置規制用案内部Gの全
域にわたって正しく当接している状態にされ、磁気テー
プTの走行位置を磁気テープの位置規制用案内部Gによ
って正規の位置に安定に保持された状態で所定の走行速
度で走行させることを可能にしているのである。
【0066】次に、図10乃至図12を参照して本発明
の磁気記録再生装置の第2実施例について説明する。本
実施例の磁気記録再生装置では、上ドラムDuと下ドラ
ムDdとからなるドラム構体DAにおける下ドラムDd
として、磁気テープの摺接面4を備えている上ドラムD
uにおける磁気テープの摺接面4の延長面上に位置する
磁気テープの摺接面5を備えているとともに、それの下
部に小径部82が構成されているものを使用している。
前記したドラム構体DAとしては、それの上ドラムDu
が、回転する上ドラム(回転ドラム)として構成された
ものでも、あるいは回転しない上ドラムとして構成され
たものでも、そのどちらの構成態様のものでも使用でき
るが、以下に記述されている各実施例におけるドラム構
体DAでは、それの上ドラムDuが回転ドラムとして構
成されている場合の例を示している。なお、上ドラムが
回転しないような構成のものであっても、回転磁気ヘッ
ドHa,Hbを回転させるための部材を備えてあること
はいうまでもない。図10及び図11に示されている構
成例において、回転磁気ヘッドHaを取付けてあるヘッ
ドホルダ15と、回転磁気ヘッドHbを取付けてあるヘ
ッドホルダ14とは、ねじ16,17によって上ドラム
Duに固着されている。上ドラムDuの外周方向で互い
に180度対称の位置に設けられるべき前記の回転磁気
ヘッドHa,Hbとしては、例えば、それぞれのものが
SPヘッドとEPヘッドとを隣接配設させてある構成形
態の回転磁気ヘッドであったり、あるいは、それぞれの
ものが例えば複数個(例えば3個)の回転磁気ヘッドに
よって同時に複数本(例えば3本)の記録跡を並列に記
録形成させうるような構成形態の回転磁気ヘッドであっ
たり、その他任意の構成形態の回転磁気ヘッドを用いる
ことができる。
【0067】前記した上ドラムDuは、ドラムモータM
dの回転軸6に固着されている上ドラム固着部材7に対
して、ねじ8,9で固着されている。それで、ドラムモ
ータMdが所定の回転数で回転すると、上ドラムDuに
固着されている回転磁気ヘッドHa,Hbは、固定ドラ
ムDdに取付けられている軸受10,11によって回転
自在に支持されている回転軸6と一体的に回転する。1
2は上ドラム固着部材7に固着されている回転トラン
ス、13は前記した下ドラムDdに取付けられている回
転トランスである。前記の下ドラムDdにはドラムモー
タMdの固定子の部分20がねじ18,19によって固
着されており、また前記したドラムモータMdの回転子
の部分21は、ねじ25によって回転軸6に固着されて
いる支持体22に対し、ねじ23,24によって取付け
られている。図中に示されているドラムモータMdは、
それの固定子の部分20に電機子巻線20aを備えてお
り、また、それの回転子の部分21に永久磁石21bを
備えて構成されているものとして示されている。
【0068】GAは磁気テープの基準縁の位置を規制す
る磁気テープの位置規制用案内部であり、この磁気テー
プの位置規制用案内部GAは、上ドラムDu及び下ドラ
ムDdとは別体のものとして、ベースプレートBPと一
体的に構成されていて、前記した下ドラムDdにおける
小径部82の外周面に接近した状態となるような配置態
様で、磁気テープの位置規制用案内部GAの中心軸の傾
斜調節用に使用されている環状のカム部材CRAgを介
してドラムベースDB上に設けられている。磁気テープ
の位置規制用案内部GAと、下ドラムDdにおける小径
部82の底部83と、前記したベースプレートBPとの
間におけるドラム構体DAの90度−270度の方向に
は図10(a)中に示されているように回動支点28,
29が設けられている。また、前記したベースプレート
BPの上面側と、下ドラムDdにおける小径部82の底
部83との間には、回転軸6の傾斜調節用に使用される
環状のカム部材CAが設けられている。
【0069】それで、上ドラムDuと、下ドラムDd
と、ドラムモータMdとは、前記した回転軸6の傾斜調
節用に使用される環状のカム部材CAが後述のように回
動されたときには、ベースプレートBPと下ドラムDd
における小径部82の底部83との間におけるドラム構
体DAの90度−270度の方向に設けられている回動
支点28,29を結ぶ直線と直交する方向、すなわち、
ドラム構体DAの0度−180度の方向{図10(b)
における左右の方向}に、一体的に傾斜しうるのであ
る。
【0070】前記したベースプレートBPの下面側に
は、図10(a)中に示されている孔84,85と、図
10(b)中に示されている孔77,78が設けられて
おり、前記した各孔84,85、77,78と、下ドラ
ムDdに一体的に結合されているドラムモータMdのカ
バー33との間には、それぞれ個別のスプリング86,
87、34,35が装着されている。また、前記したベ
ースプレートBPには、図11中に示されているように
ねじ40,41によって板バネ42(板バネ42の全体
形状は図3中に示されている)の基端部が固着されてお
り、前記の板バネ42の先端部をドラムベースDBの下
面に圧着させることにより、既述のように磁気テープの
位置規制用案内部GAと一体的に構成されている前記の
ベースプレートBPはドラムベースDBに対して上下方
向に僅かに変位可能な状態にされる。
【0071】前記のベースプレートBPのドラムベース
DBに対する位置決めは、ドラム構体における0度と1
80度方向でドラムベースDBに設けてある位置決めピ
ン43,44を、ベースプレートBPに設けた孔に嵌合
させることによって行なわれる{図10(b)参照}。
図10及び図11に示されている磁気記録再生装置中に
使用されているベースプレートBPについて、別図を用
いて詳細な構造を特別に図示しなかったのは、図10及
び図11に示されている磁気記録再生装置中に使用され
ているベースプレートBPは、それに磁気テープの位置
規制用案内部GAと一体的に構成されている点と、ベー
スプレートBPの裏面側に前記した4個の孔84,8
5、77,78を設けている点(既述した図1及び図2
に示されている磁気記録再生装置中に使用されているベ
ースプレートBPでは、スプリング装着用の4個の孔の
内の2個の孔75,76が、ベースプレートの下面側に
2個の孔77,78を設けてある)とが、図3及び図4
中に示されているベースプレートBPの構造と異なるだ
けであり、図10及び図11に示されている磁気記録再
生装置の構成及び動作の説明には、図3及び図4を参照
して行なうことが可能と考えられるからである。
【0072】既述のように、前記した磁気テープの位置
規制用案内部GAと一体的に構成されているベースプレ
ートBPの上面側と、下ドラムDdの小径部82の底部
83との間には、回転軸6の傾斜調節手段として機能す
る回転軸の傾斜調節用の環状のカム部材CA(環状のカ
ム部材CA)が設けられており、また、前記の磁気テー
プの位置規制用案内部GAと一体的に構成されているベ
ースプレートBPの下面側とドラムベースDBの上面側
との間には、ベースプレートBPと一体的に構成されて
いる磁気テープの位置規制用案内部GAの中心軸の傾斜
調節手段として機能する傾斜調節用の環状のカム部材C
RAg(環状のカム部材CRAg)が設けられている
が、前記した環状のカム部材CRAgのドラムベースD
Bに対する位置決めは、ドラム構体における90度と2
70度方向でドラムベースDBに設けてある位置決めピ
ン45,46{図10(a)及び図3参照}を、環状の
カム部材CRAgの内周縁に当接させることによって行
なわれている。
【0073】前記した回転軸の傾斜調節用の環状のカム
部材CAと、磁気テープの位置規制用案内部GAの中心
軸の傾斜調節手段として機能する傾斜調節用の環状のカ
ム部材CRAgとの具体的な構成は図3に示されている
ものと同様な構成態様のものであってもよい。前記した
環状のカム部材CAの上面に形成されているカム輪郭5
8〜63(図3参照)には、下ドラムDdに突設されて
いるカム従動体36,37が当接されていて、前記の環
状のカム部材CAが、図示されていない駆動源からの駆
動力が与えられて回動したときに、回転軸6を介して連
結されている前記した上ドラムDuと下ドラムDdとド
ラムモータMdとからなる構成部分は、前記の回動支点
28,29を回動中心にして、上ドラムDuや下ドラム
Ddの中心軸(回転軸6の中心軸)が、所定の角度だけ
磁気テープの位置規制用案内部GAの中心軸に対してド
ラム構体DAの0度−180度の方向{図10(b)に
おける紙面の左右方向}で傾斜されることになる。
【0074】また、前記のベースプレートBPの下面側
とドラムベースDBの上面側との間に設けられている磁
気テープの位置規制用案内部GAの中心軸の傾斜調節手
段として機能する傾斜調節用の環状のカム部材CRAg
は、環状のカム部材CRAgの上面に形成されているカ
ム輪郭51〜56(図3参照)に、ベースプレートBP
に突設されているカム従動体47,48が当接されてい
て、前記の環状のカム部材CRAgが、図示されていな
い駆動源からの駆動力が与えられて回動したときに、前
記したベースプレートBPに固着されている磁気テープ
の位置規制用案内部GAの中心軸が所定の角度だけ、上
ドラムDuの中心軸に対してドラム構体DAの0度−1
80度の方向{図10(b)における紙面の左右方向}
で傾斜されることになる。
【0075】図3中に示されている円弧状ギヤ65に対
して、図示されていない駆動源から図示されていないピ
ニオンを介して動力が供給されて、環状のカム部材CA
がベースプレートBPの上面側の案内溝57中で回動々
作を行なったときに、前記した上ドラムDuと下ドラム
DdとドラムモータMdとからなる構成部分が、回動支
点28,29を回動中心にして、上ドラムDuや下ドラ
ムDdの中心軸(回転軸6の中心軸)を、所定の角度だ
け磁気テープの位置規制用案内部GAの中心軸に対して
ドラム構体DAの0度−180度の方向{図10(b)
における紙面の左右方向}で傾斜させる具体的な動作態
様、及び、磁気テープの位置規制用案内部GAの中心軸
の傾斜調節手段として機能する傾斜調節用の環状のカム
部材CRAgが、図示されていない駆動源からの駆動力
が与えられて、ドラムベースDB上で回動々作を行なっ
たときに、ベースプレートBPに固着されている磁気テ
ープの位置規制用案内部GAの中心軸を所定の角度だ
け、上ドラムDuの中心軸に対してドラム構体DAの0
度−180度の方向{図10(b)における紙面の左右
方向}で傾斜させる具体的な動作態様などは、図1及び
図2ならびに図5等を参照して既述の記載内容から容易
に類推できるところであるから、ここではそれの詳細な
記述を省略する。
【0076】ベースプレートBPの上面側に設けられて
いて、回転軸6の傾斜調節用に使用される環状のカム部
材CAと、ベースプレートBPの下面側に設けられてい
て、磁気テープの位置規制用案内部の中心軸の傾斜調節
用に使用されている環状のカム部材CRAgとが、ピン
66〜68によって連結されていることにより、回転軸
6の傾斜調節用に使用される環状のカム部材CAに設け
られている円弧状ギヤ65に対して、図示されていない
駆動源から図示されていないピニオンを介して動力を供
給して、回転軸6の傾斜調節用に使用される環状のカム
部材CAをベースプレートBPの上面側の案内溝57中
で回動させると、前記した環状のカム部材CAの回動々
作と同時に、磁気テープの位置規制用案内部の中心軸の
傾斜調節用に使用されている環状のカム部材CRAgが
ドラムベースDBの上面上で、ベースプレートBPの裏
面側に設けられている円弧状の部材79〜81の外周面
に案内されて回動するから、1つの駆動源からの動力に
よって回転軸6の傾斜調節用に使用される環状のカム部
材CAと、磁気テープの位置規制用案内部の中心軸の傾
斜調節用に使用されている環状のカム部材CRAgとの
双方を連動させて駆動することができるので、駆動機構
の構成を簡単化することができる。
【0077】前記した回転軸6の傾斜調節用に使用され
る環状のカム部材CAと、磁気テープの位置規制用案内
部の中心軸の傾斜調節用に使用されている環状のカム部
材CRAgとが個別の駆動源によって別々に駆動される
ように構成されてもよいことは勿論である。また回転軸
6の傾斜調節用に使用される環状のカム部材CAや、磁
気テープの位置規制用案内部の中心軸の傾斜調節用に使
用されている環状のカム部材CRAgなどにおけるカム
輪郭の個数は任意に決定できることは勿論であり、この
点は図1及び図2、その他の図に示されている磁気記録
再生装置についても同様である。
【0078】図10及び図11に例示してある本発明の
磁気記録再生装置においても、回転軸6の傾斜調節手段
として機能する回転軸の傾斜調節用の環状のカム部材C
Aが円弧状ギヤ65が図示されていないピニオンの回転
によって駆動されて、ベースプレートBPの上面側の案
内溝57内で回動すると、下ドラムDdに突設されてい
るカム従動体36,37と当接状態にされる傾斜調節用
の環状のカム部材CAのカム輪郭58〜63が順次に変
化し、また、磁気テープの位置規制用案内部の中心軸の
傾斜調節手段として機能する傾斜調節用の環状のカム部
材CRAgは、前記の環状のカム部材CAとピン66〜
68によって連結しているから、前記した環状のカム部
材CAの回動々作と同期して環状のカム部材CRAgが
回動々作を行なうと、ベースプレートBPに突設されて
いるカム従動体47,48と当接状態にされる環状のカ
ム部材CRAgのカム輪郭51〜56が順次に変化す
る。なお環状のカム部材CRAgにおける38,39の
部分は、環状のカム部材CRAgをドラムベースDB上
に載置した状態において、同一高さになる支点平面部分
であり、前記した環状のカム部材CRAgにおける支点
平面部分38,39には、ベースプレートBPに突設さ
れている支点用突起49,50が当接する。
【0079】図10及び図11に示されている磁気記録
再生装置が、ノーマル再生モードで動作している場合
に、下ドラムDdに突設されているカム従動体36は、
傾斜調節用の環状のカム部材CAのカム輪郭62と当接
し、また、下ドラムDdに突設されているカム従動体3
7は、傾斜調節用の環状のカム部材CAのカム輪郭59
と当接する。他方、ベースプレートBPに突設されてい
るカム従動体47は、環状のカム部材CRAgのカム輪
郭55と当接し、また、ベースプレートBPに突設され
ているカム従動体48は、環状のカム部材CRAgのカ
ム輪郭52と当接する。前記した傾斜調節用の環状のカ
ム部材CAのカム輪郭59,62は同一高さのものとし
て構成されており、また、環状のカム部材CRAgのカ
ム輪郭55,52とは、環状のカム部材CRAgにおけ
る支点平面部分38,39と同一高さのものとして構成
されているから、磁気記録再生装置が、ノーマル再生モ
ードで動作している場合には、上ドラムDu及び下ドラ
ムDdの中心軸は一致した状態になっていて、この動作
状態において磁気テープTは、それの基準縁Teが磁気
テープの位置規制用案内部GAの全域にわたって正しく
当接している状態とされ、磁気テープTの走行位置が磁
気テープの位置規制用案内部GAによって正規の位置に
安定に保持された状態で所定の走行速度で走行すること
ができ、例えば図20(a)に例示されているように良
好な状態のエンベロープを示す再生信号が得られる。
【0080】次に、図10及び図11に示してある磁気
記録再生装置が、早送り再生モード(FF)で動作して
いる場合には、下ドラムDdに突設されているカム従動
体36は傾斜調節用の環状のカム部材CAのカム輪郭6
1と当接し、また、下ドラムDdに突設されているカム
従動体37は、傾斜調節用の環状のカム部材CAのカム
輪郭58と当接する。そして、前記した傾斜調節用の環
状のカム部材CAのカム輪郭61はカム輪郭58よりも
高いのものとして構成されているために、上ドラムDu
と下ドラムDdとの中心軸は、磁気記録再生装置が早送
り再生モードで動作している場合には、図19(b)〜
(d)中に示されている破線図示の直線のように、磁気
記録再生装置がノーマル再生モードで動作している場合
における上ドラムDuと、下ドラムDdとの中心軸の位
置を示している既述した図19中にO−Oで示してある
実線図示の直線に対して右方に傾斜している状態のもの
になるから、図10に示されている磁気記録再生装置
は、図12(a)に例示されているような状態になる。
【0081】図10及び図11に示されている磁気記録
再生装置は、既述のように、回転軸6の傾斜調節手段と
して機能する回転軸の傾斜調節用の環状のカム部材CA
と、磁気テープの位置規制用案内部の中心軸の傾斜調節
手段として機能する傾斜調節用の環状のカム部材CRA
gとの2つの環状のカム部材CA,CRAgが、ピン6
6〜68によって連結していて、前記した2つの環状の
カム部材CA,CRAgの回動々作が同期して行なわれ
るような構成態様とされているが、仮に、図10及び図
11に示されている磁気記録再生装置が、前記した磁気
テープの位置規制用案内部の中心軸の傾斜調節手段とし
て機能する傾斜調節用の環状のカム部材CRAgを備え
ていなかったとした場合には、磁気記録再生装置が早送
り再生モードでの動作時に、前記した回転軸6の傾斜調
節手段として機能する回転軸の傾斜調節用の環状のカム
部材CAの動作により、磁気記録再生装置がノーマル再
生モードで動作している場合における上ドラムDuと、
下ドラムDdとの中心軸の位置が、既述した図19中に
O−Oで示してある実線図示の直線に対して傾斜してい
る図19(b)〜(d)中に示されている破線図示の直
線のような状態に傾斜した状態となるように、上ドラム
Duと下ドラムDdとが傾斜するだけであるために、前
記した上ドラムDuの傾斜につれて、磁気テープTの基
準縁Teが、図19(b)に示されているように、磁気
テープの位置規制用案内部GAの一部から離れた状態が
生じ、それにより、磁気テープTの走行位置が磁気テー
プの位置規制用案内部GAによって正しく規制されなく
なって、磁気テープTの走行位置が磁気テープの幅方向
に変動している状態になるために、回転磁気ヘッドの回
転軌跡によって磁気テープTの記録跡を正しく追跡でき
なくなって、例えば図20(b)に例示されているよう
な大きな変動のあるエンベロープを示す再生信号しか得
られないことが起きる。
【0082】ところが本発明の図10及び図11に例示
した磁気記録再生装置では、回転軸6の傾斜調節手段と
して機能する回転軸の傾斜調節用の環状のカム部材CA
の他に、磁気テープの位置規制用案内部の中心軸の傾斜
調節手段として機能する傾斜調節用の環状のカム部材C
RAgも備えていて、前記のように磁気記録再生装置が
早送り再生モードで再生動作を行なう場合には、前記し
た環状のカム部材CAの動作によって、上ドラムDuと
下ドラムDdとの中心軸が所定の角度だけ傾斜されるの
に伴って、磁気テープTの基準縁Teが磁気テープの位
置規制用案内部GAの一部から離れる分だけ、磁気テー
プの位置規制用案内部GAの位置を変位させるように、
図19(c)に示されているように、磁気テープの位置
規制用案内部の中心軸の傾斜調節手段として機能する傾
斜調節用の環状のカム部材CRAgの動作によって、磁
気テープの位置規制用案内部GAの中心軸を上ドラムD
u及び下ドラムDdの中心軸の傾斜方向へ向って、所定
の僅かな角度だけ傾斜させて、磁気テープTの基準縁T
eが磁気テープの位置規制用案内部GAの全域にわたっ
て正しく当接している状態にさせ、磁気テープTの走行
位置が磁気テープの位置規制用案内部GAによって正規
の位置に安定に保持された状態で所定の走行速度で走行
させるようにしているのであり、それにより例えば図2
0(a)に例示されているように良好な状態のエンベロ
ープを示す再生信号が得られるようにしているのであ
る。
【0083】図10及び図11に示されている磁気記録
再生装置を、早送り再生モード(FF)で動作させて、
下ドラムDdに突設されているカム従動体36が、傾斜
調節用の環状のカム部材CAのカム輪郭61と当接し、
また、下ドラムDdに突設されているカム従動体37
が、傾斜調節用の環状のカム部材CAのカム輪郭58と
当接した状態にされたときには、前記した回転軸6の傾
斜調節手段として機能する回転軸の傾斜調節用の環状の
カム部材CAとピン66〜68によって連結されている
磁気テープの位置規制用案内部の中心軸の傾斜調節手段
として機能する傾斜調節用の環状のカム部材CRAgに
おけるカム輪郭54には、磁気テープの位置規制用案内
部GAと一体的なベースプレートBPに突設されている
カム従動子47が当接し、また前記の環状のカム部材C
RAgにおけるカム輪郭51は、磁気テープの位置規制
用案内部GAと一体的なベースプレートBPに突設され
ているカム従動子48が当接した状態にされる。
【0084】前記した傾斜調節用の環状のカム部材CR
Agのカム輪郭54はカム輪郭51よりも高いのものと
して構成されており、かつ前記の環状のカム部材CRA
gにおいて同一高さに構成されている支点平面部分3
8,39には、ベースプレートBPに突設されている支
点用突起49,50が当接した状態にされているため
に、前記したベースプレートBPと一体的な磁気テープ
の位置規制用案内部GAは、前記した支点用突起49,
50を結ぶ直線と直交する方向で、前記した傾斜調節用
の環状のカム部材CRAgにおける2つのカム輪郭5
4,51の高さの差と対応する角度だけ傾斜することに
なる。それにより、前記した磁気テープの位置規制用案
内部GAの中心軸は上ドラムDu及び下ドラムDdの中
心軸の傾斜方向へ向って、所定の僅かな角度だけ傾斜し
て磁気テープTの基準縁Teが磁気テープの位置規制用
案内部GAの全域にわたって正しく当接している状態に
され、磁気テープTの走行位置を磁気テープの位置規制
用案内部GAによって正規の位置に安定に保持された状
態で所定の走行速度で走行させることを可能にしている
のである。
【0085】次に、図10及び図11に示してある磁気
記録再生装置が、巻戻し再生モード(FB)で動作して
いる場合には、下ドラムDdに突設されているカム従動
体36は傾斜調節用の環状のカム部材CAのカム輪郭6
3と当接し、また、下ドラムDdに突設されているカム
従動体37は、傾斜調節用の環状のカム部材CAのカム
輪郭60と当接する。そして、前記した傾斜調節用の環
状のカム部材CAのカム輪郭63はカム輪郭60よりも
低いのものとして構成されているために、上ドラムDu
と下ドラムDdとの中心軸は、磁気記録再生装置が巻戻
し再生モードで動作している場合には、図21(b)〜
(d)中に示されている破線図示の直線のように、磁気
記録再生装置がノーマル再生モードで動作している場合
における上ドラムDuと、下ドラムDdとの中心軸の位
置を示している既述した図21中にO−Oで示してある
実線図示の直線に対して左方に傾斜している状態のもの
になるから、図10に示されている磁気記録再生装置
は、図12(b)に例示されているような状態になる。
【0086】本発明の図10及び図11に例示した磁気
記録再生装置では、回転軸6の傾斜調節手段として機能
する回転軸の傾斜調節用の環状のカム部材CAの他に、
磁気テープの位置規制用案内部の中心軸の傾斜調節手段
として機能する傾斜調節用の環状のカム部材CRAgも
備えていて、前記のように磁気記録再生装置が巻戻し再
生モードで再生動作を行なう場合には、前記した環状の
カム部材CAの動作によって上ドラムDuと下ドラムD
dとの中心軸が所定の角度だけ傾斜されるのに伴って、
磁気テープTの基準縁Teが図21(b)に例示されて
いるように、磁気テープの位置規制用案内部GAの一部
から離れる分だけ、磁気テープの位置規制用案内部GA
の位置を変位させて、図21(c)に示されているよう
に、磁気テープの位置規制用案内部の中心軸の傾斜調節
手段として機能する傾斜調節用の環状のカム部材CRA
gの動作によって、磁気テープの位置規制用案内部GA
の中心軸を上ドラムDu及び下ドラムDdの中心軸の傾
斜方向へ向って、所定の僅かな角度だけ傾斜させ、磁気
テープTの基準縁Teが磁気テープの位置規制用案内部
GAの全域にわたって正しく当接している状態にさせ、
磁気テープTの走行位置が磁気テープの位置規制用案内
部GAによって正規の位置に安定に保持された状態で所
定の走行速度で走行させるようにして、それにより例え
ば図22(b)に例示されているように良好な状態のエ
ンベロープを示す再生信号が得られるようにしているの
である。
【0087】図10及び図11に示されている磁気記録
再生装置が、巻戻し再生動作時に回転軸6の傾斜調節手
段として機能する回転軸の傾斜調節用の環状のカム部材
CAだけの動作により、磁気記録再生装置がノーマル再
生モードで動作している場合における上ドラムDuと、
下ドラムDdとの中心軸の位置(図21中にO−Oで示
してある実線図示の直線)に対して、上ドラムDuと下
ドラムDdとの中心軸を図21(b)〜(d)中に示さ
れている破線図示の直線のような状態に傾斜傾斜させた
だけの場合には、前記した上ドラムDuの傾斜につれて
磁気テープTの基準縁Teが、図21(b)に示されて
いるように、磁気テープの位置規制用案内部GAの一部
から離れた状態が生じ、それにより、磁気テープTの走
行位置が磁気テープの位置規制用案内部GAによって正
しく規制されなくなって、磁気テープTの走行位置が磁
気テープの幅方向に変動している状態になるために、回
転磁気ヘッドの回転軌跡によって磁気テープTの記録跡
を正しく追跡できなくなり、例えば図22(a)に例示
されているような大きな変動のあるエンベロープを示す
再生信号しか得られないことが起きるのである。
【0088】図10及び図11に示されている磁気記録
再生装置を、巻戻し再生モード(FB)で動作させて、
下ドラムDdに突設されているカム従動体36が、傾斜
調節用の環状のカム部材CAのカム輪郭63と当接し、
また、下ドラムDdに突設されているカム従動体37
が、傾斜調節用の環状のカム部材CAのカム輪郭60と
当接した状態にされたときには、前記した回転軸6の傾
斜調節手段として機能する回転軸の傾斜調節用の環状の
カム部材CAとピン66〜68によって連結されている
磁気テープの位置規制用案内部の中心軸の傾斜調節手段
として機能する傾斜調節用の環状のカム部材CRAgに
おけるカム輪郭56には、磁気テープの位置規制用案内
部GAと一体的なベースプレートBPに突設されている
カム従動子47が当接し、また前記の環状のカム部材C
RAgにおけるカム輪郭53は、磁気テープの位置規制
用案内部GAと一体的なベースプレートBPに突設され
ているカム従動子48が当接した状態にされる。
【0089】前記した傾斜調節用の環状のカム部材CR
Agのカム輪郭56はカム輪郭53よりも低いのものと
して構成されており、かつ前記の環状のカム部材CRA
gにおいて同一高さに構成されている支点平面部分3
8,39には、ベースプレートBPに突設されている支
点用突起49,50が当接した状態にされているため
に、前記したベースプレートBPを固着させてある下ド
ラムDdは、前記した支点用突起49,50を結ぶ直線
と直交する方向で、前記した傾斜調節用の環状のカム部
材CRAgにおける2つのカム輪郭56,53の高さの
差と対応する角度だけ傾斜することになる。それによ
り、前記した下ドラムDdの中心軸は上ドラムDu及び
下ドラムDdの中心軸の傾斜方向へ向って、所定の僅か
な角度だけ傾斜して磁気テープTの基準縁Teが磁気テ
ープの位置規制用案内部GAの全域にわたって正しく当
接している状態にされ、磁気テープTの走行位置を磁気
テープの位置規制用案内部GAによって正規の位置に安
定に保持された状態で所定の走行速度で走行させること
を可能にしているのである。
【0090】これまでに、図1乃至図5を参照して説明
した本発明の磁気記録再生装置の第1実施例は、上ドラ
ムDuと下ドラムDdとからなるドラム構体DAにおけ
る磁気テープの摺接面4を備えている上ドラムDuと回
転磁気ヘッドとの中心軸を、磁気テープTに形成されて
いる記録跡と、回転磁気ヘッドの回転軌跡面とが一致し
た状態となるように、磁気テープTの基準縁Teの位置
を規制する磁気テープの位置規制用案内部Gと磁気テー
プの摺接面とを備えている下ドラムDdの中心軸に対し
て傾斜させるようにする機構と、前記した下ドラムDd
における磁気テープの位置規制用案内部Gが、磁気テー
プTの基準縁Teの位置に一致する状態となるように、
下ドラムを傾斜させるようにする機構とを備えて構成し
たものであり、図10乃至図12を参照して説明した本
発明の磁気記録再生装置の第2実施例は、磁気テープの
摺接面4を備えている上ドラムDuと回転磁気ヘッド
と、上ドラムDuにおける磁気テープの摺接面4の延長
面上に位置する磁気テープの摺接面5を備えているとと
もに、上ドラムDdと同軸的に設けられている下ドラム
Ddと、前記した上,下ドラムと回転磁気ヘッドとを、
磁気テープに形成されている記録跡と回転磁気ヘッドの
回転軌跡面とが一致する状態となるように一体的に傾斜
させる機構と、前記した上,下ドラムとは別体に構成さ
れており、かつ、前記した下ドラムDdの下部に構成さ
せた小径部82の外周面に接近した状態に配置されてい
て、磁気テープの基準縁の位置を規制する磁気テープの
位置規制用案内部GAを、磁気テープのTの基準縁Te
の位置に一致させるように傾斜させる機構とを備えて構
成させた磁気記録再生装置であり、前記した何れの構成
形態の磁気記録再生装置においても、ドラムを傾斜させ
る機構と、磁気テープの位置規制用の案内機能を有する
部材を傾斜させる機構とを備えているものであった。
【0091】ここで更に、上述した第2実施例の4種類
の変形例について説明する。上に述べた第1実施例及び
第2実施例は、いずれもドラムモータMdが下ドラムD
dの下方に設けられて回転軸6を介して上ドラムDuを
回転駆動する構成のものであったが、ここで説明する各
変形例は、図28にその要部の全体的な斜視図を示すよ
うに、ドラムモータMdの回転子が直接上ドラムDuに
取り付けらて上ドラムDuや下ドラムDdを支持する軸
自体は回転しないタイプのものである。 変形例1 以下、図26乃至図31を参照して第2実施例の変形例
1について説明する。図26は先に第2実施例において
説明した図10に対応する図であり、図26(a)は本
発明の磁気記録再生装置の要部を図23における90度
−270度の方向で切断した側断面図であり、図26
(b)は同様に0度−180度の方向で切断した側断面
図である。同様に図27は先に第2実施例において説明
した図12に対応する図であり、図27(a)は早送り
再生モード(FF)時の本発明の磁気記録再生装置の要
部を図23における0度−180度の方向で切断した側
断面図であり、図27(b)は同様に巻戻し再生モード
(FB)時の本発明の磁気記録再生装置の要部を図23
における0度−180度の方向で切断した側断面図であ
る。本変形例は、図示しない装置のシャーシに固定され
たドラムベースDBと、このドラムベースDB上に座付
き支点ピン206,207を介して載置された磁気テー
プの位置規制用案内部GAと、この磁気テープの位置規
制用案内部GA上に座付き支点ピン202,203を介
して載置された下ドラムDdと、この下ドラムDdにド
ラム軸201を介して一体化された上ドラムDu及びド
ラムモータMdとから大略構成されているものであり、
以下その詳細を説明する。
【0092】図26において、201はドラム軸であり
その一端が下ドラムDdに圧入されて固着されている。
下ドラムDdはその外周面が磁気テープTを巻回して案
内する摺接面5とこの摺接面5より小径である小径部8
2とから大略構成されるとともにその内部には上ドラム
Duに取り付けられる回転トランス12と対向して配置
されて信号の授受を行う回転トランス13が取り付けら
れている。また、ドラム軸201には軸受212,21
3を介して上ドラムDuが回転自在に取り付けられると
ともにその他端には、ドラムモータMdの固定子214
がねじ215,216とセットスクリュウ211とによ
りカラー210を介して軸受212,213に予圧を与
えた状態で固着されている。また、上ドラムDuには、
ドラムモータMdの回転子217がねじ218,219
によって取り付けられるとともに回転磁気ヘッドHa,
Hbがねじ16,17によって取り付けられている。こ
のようにして、下ドラムDdと上ドラムDuとドラムモ
ータMdとは、ドラム軸201を介して一体に構成され
ることになる。
【0093】一方、磁気テープの位置規制用案内部GA
は下ドラムDdとは別体の部材でありその内径は下ドラ
ムDdの摺接面5より小さく且つ下ドラムDdの小径部
82より大きく構成されており、下ドラムDdの小径部
82が磁気テープの位置規制用案内部GAに遊嵌して若
干のクリアランスを形成するようになっている。また、
磁気テープの位置規制用案内部GAの上面には磁気テー
プTの基準縁Teを案内するリードLが形成されている
(図29、図31参照)。そして、この磁気テープの位
置規制用案内部GAは、図26(a)又は図29に示す
ように、ドラムベースDBの90度−270度の方向に
植設された座付き支点ピン206,207を介してドラ
ムベースDB上に載置され、更にこの磁気テープの位置
規制用案内部GA上には、磁気テープの位置規制用案内
部GAの90度−270度の方向に植設された座付き支
点ピン202,203を介して下ドラムDdが載置され
ている。ここで、座付き支点ピン206,207は、ド
ラムベースDBに圧入されて取り付けられるとともに、
それぞれの先端は磁気テープの位置規制用案内部GAに
設けられた孔208,209に対して若干のクリアラン
スをもって遊嵌した状態となるようになっている。ま
た、座付き支点ピン202,203も同様に、磁気テー
プの位置規制用案内部GAに圧入されて取り付けられる
とともに、それぞれの先端は下ドラムDdに設けられた
孔204,205に対して若干のクリアランスをもって
遊嵌した状態となるようになっている(図30参照)。
【0094】また、下ドラムDdの底面271には板バ
ネ220がねじ221,222によって取り付けられて
いる。板バネ220には、図26(a)又は図29に示
すように、90度−270度の方向に腕部220a,2
20bが設けられており、これらの腕部220a,22
0bがドラムベースDBの底面273を挟み込むことよ
り下ドラムDdと磁気テープの位置規制用案内部GAと
を座付き支点ピン202,203、206,207のそ
れぞれの座面に対して押しつける力を生じている。一
方、図26(b)に示すように、0度−180度の方向
の断面における180度の位置にはスプリング223が
ドラムベースDBと下ドラムDdとの間に設けられてお
り、座付き支点ピン202,203を結ぶ直線CL1を
軸として反時計方向に下ドラムDdを回動させる付勢力
を与えている。また同様に、0度−180度の方向の断
面における180度の位置にはスプリング224がドラ
ムベースDBと磁気テープの位置規制用案内部GAとの
間に設けられており、座付き支点ピン206,207を
結ぶ直線CL2を軸として反時計方向に磁気テープの位
置規制用案内部GAを回動させる付勢力を与えている。
【0095】他方、磁気テープの位置規制用案内部GA
の底面274の0度−180度の方向の断面における0
度の位置には、ねじ孔229が磁気テープの位置規制用
案内部GAの底面274を貫通して設けられており、こ
のねじ孔229には、一端に歯車が形成されたギアスク
リュー227が螺合するとともにその先端が下ドラムD
dの底面270に当接している。また同様に、ドラムベ
ースDBの底面273の0度−180度の方向の断面に
おける0度の位置には、ねじ孔230がドラムベースD
Bの底面273を貫通して設けられており、このねじ孔
230には、一端に歯車が形成されたギアスクリュー2
28が螺合するとともにその先端が磁気テープの位置規
制用案内部GAの底面274に当接している。そして、
これらのギアスクリュー227,228の一端に形成さ
れたそれぞれの歯車はドラムベースDBに設けられた中
間ギア226に噛合しており、中間ギア226がモータ
225によって回転駆動されると、ギアスクリュー22
7,228はモータ225の回転方向に応じて、図26
(b)中、上下方向に前進又は後退する。
【0096】次に、この変形例1の磁気記録再生装置の
動作について、図26(b)、図27(a)、図27
(b)を参照して簡単に説明する。ノーマル再生モード
では、図26(b)に示すように、ドラム軸1及び磁気
テープの位置規制用案内部GAの中心軸は一致し且つこ
れらの軸はドラムベースの面275に対して垂直な状態
となっている。即ち、この状態で標準モードで記録され
た磁気テープTがその基準縁Teを磁気テープの位置規
制用案内部GAのリードLに案内されてノーマル再生モ
ードに対応した所定の速度(VHS方式VTRの場合毎
秒33.35mm)で走行すると、回転磁気ヘッドH
a,Hbの回転軌跡は磁気テープTに記録されたトラッ
クパターンと一致した状態となり図20(a)に例示さ
れているように良好な状態のエンベロープを示す再生信
号が得られる。
【0097】このノーマル再生モードの状態から早送り
再生モード(FF)の状態にするには、図27(a)に
示すように、モータ225を駆動して、早送りの倍速数
に応じてギアスクリュー227,228を同図中上方に
繰り出せばよい。即ち、ギアスクリュー227が繰り出
されると、その先端が下ドラムDdの底面270を押圧
する。これによりドラム軸201を介して一体に構成さ
れた下ドラムDd、上ドラムDu、ドラムモータMdは
スプリング223の付勢力に抗して直線CL1の周りに
時計方向に回動する。この回動動作により、磁気テープ
の位置規制用案内部GAのリードLに対する回転磁気ヘ
ッドHa,Hbの回転軌跡面の角度が変化し、所望の早
送り倍速数に適合したリードLと回転磁気ヘッドHa,
Hbの回転軌跡面の相対角度が得られる。(以下、ここ
で述べたリードLと回転磁気ヘッドHa,Hbの回転軌
跡面との相対角度を変化させる補正を便宜上「トラック
補正」と呼ぶ場合がある。)
【0098】また、ギアスクリュー228もこの時同時
に同図中上方に繰り出されるため、その先端が磁気テー
プの位置規制用案内部GAの底面274を押圧する。こ
れにより磁気テープの位置規制用案内部GAはスプリン
グ224の付勢力に抗して直線CL2の周りに所定の角
度だけ時計方向に回動する。これは先に第2実施例にお
いて図19を参照して説明したように、トラック補正に
伴うドラム構体DAの回動により磁気テープTがその回
動の方向に引っ張られることにより、ドラム構体DAに
対する磁気テープTの入り口側ではその基準縁Teがリ
ードLから離れる傾向を生じ、出口側ではその基準縁T
eがリードLに押しつけられる傾向を生じるため磁気テ
ープの位置規制用案内部GAを回動してリードLを磁気
テープTの基準縁Teに合わせるものである。(以下、
リードLを回動してトラック補正に伴う磁気テープTの
基準縁Teの変位に合わせる補正を便宜上「リード補
正」と呼ぶ場合がある。)従って、トラック補正により
磁気テープTの基準縁TeがリードLから離間してもこ
のリード補正により、磁気テープTの基準縁Teはリー
ドLによりそのドラム構体DAへの巻き付け範囲の全般
に亘り安定に案内されるため、所期の早送り倍速数で磁
気テープTが走行すると、回転磁気ヘッドHa,Hbの
回転軌跡は磁気テープTに記録されたトラックパターン
と一致した状態となり図20(a)に例示されているよ
うに良好な状態のエンベロープを示す再生信号が得られ
る。
【0099】次に、例えばノーマル再生モードの状態か
ら巻戻し再生モード(FB)の状態にするには、上述し
た早送り再生モード(FF)にする場合とは逆にモータ
225を回転駆動すればよい。これによりギアスクリュ
ー227,228は、図27(b)に示すように下方に
後退し、スプリング223,224の付勢力により、下
ドラムDdと磁気テープの位置規制用案内部GAはそれ
ぞれ直線CL1,CL2の周りに反時計方向に回動して
トラック補正及びリード補正がなされることは容易に理
解されるところである。
【0100】変形例2 次に、図32乃至図36を参照して第2実施例の変形例
2について説明する。なお、上に説明した変形例1で
は、座付き支点ピン202,203を磁気テープの位置
規制用案内部GAに植設してトラック補正用の回動支点
を構成し、座付き支点ピン206,207をドラムベー
スDBに植設してリード補正用の回動支点を構成するも
のであったが、本変形例2は、この回動支点の構成態様
を異にするのみであり、その他の点については変形例1
と同様であるため、以下この回動支点の構成についての
み説明しその他の点については説明を省略する。図32
(a)は本発明の磁気記録再生装置の要部を図23にお
ける90度−270度の方向で切断した側断面図であ
り、図32(b)は同様に0度−180度の方向で切断
した側断面図である。また、同図(c)は、同図(a)
の部分側面図である。同様に図33(a)は早送り再生
モード(FF)時の本発明の磁気記録再生装置の要部を
図23における0度−180度の方向で切断した側断面
図であり、図33(b)は同様に巻戻し再生モード(F
B)時の本発明の磁気記録再生装置の要部を図23にお
ける0度−180度の方向で切断した側断面図である。
【0101】本変形例では、トラック補正のために磁気
テープの位置規制用案内部GAに対して下ドラムDdを
回動自在に支持する回動支点とリード補正のためにドラ
ムベースに対して磁気テープの位置規制用案内部GAを
回動自在に支持する回動支点とは共に共通の一対のシャ
フト240,241によって構成される。即ち、図32
(a)、図34又は図36に示すように、一対のシャフ
ト240,241は、磁気テープの位置規制用案内部G
Aの底面274の90度−270度の方向に設けられた
V溝242,243に沿って配置され、取付板244,
245をねじ246〜249で取り付けることにより固
定されている。なお、これらのシャフト240,241
はそれぞれの端面240a,241aの間隔は下ドラム
Ddの小径部254に形成されたU溝255,256の
間隔Wに設定されるとともに図36中、0度−180度
の方向の直線に対して対称に位置するように調整して固
定されている(図35参照)。即ち、下ドラムDdのU
溝255,256がこれらのシャフト240,241の
内側の端部240c,241cに上方から勘合した際、
上ドラムDuや下ドラムDd等を一体に支持するドラム
軸201と磁気テープの位置規制用案内部GAの中心軸
とが一致するようにこれらのシャフト240,241は
磁気テープの位置規制用案内部GAに固定されているの
である。
【0102】他方、このようにして磁気テープの位置規
制用案内部GAに固定されたシャフト240,241
は、その外側の端部240b,241bがそれぞれドラ
ムベースDBの軸受部276,277に形成されたV溝
250、251に受けられて、取付板252,253で
押さえられて回動自在に支持される。なおこの際、磁気
テープの位置規制用案内部GAのドラムベースDBに対
するシャフト240,241方向(図32(a)中の左
右方向)の位置決めは、磁気テープの位置規制用案内部
GAの外周面をドラムベースDBの軸受部276,27
7に当接させることによって行われる。このように、変
形例2ではトラック補正用の回動支点をシャフト24
0,241の内側の端部240c,241cと下ドラム
Ddの小径部254に形成されたU溝254、255と
の嵌合により構成するとともに、リード補正用の回動支
点を、シャフト240,241の外側の端部240b,
241bとドラムベースBDに形成された軸受部27
6,277とによって構成されるため、いずれの回動支
点もシャフト240,241の軸心を通る共通の直線C
L3上に配置することができる。
【0103】このように、本変形例2では、回動支点を
ドラム軸201の軸心を通る共通の直線CL3上に配置
することができる。また、軸受部をV溝又はU溝として
加工できるため高さ方向の位置精度を出し易いものであ
る。
【0104】変形例3 次に、図37、図38を参照して第2実施例の変形例3
について説明する。上に説明した変形例2では、トラッ
ク補正用の回動支点をシャフト240,241の内側の
端部240c,241cと下ドラムDdの小径部254
に形成されたU溝254、255との嵌合により構成す
るとともに、リード補正用の回動支点を、シャフト24
0,241の外側の端部240b,241bとドラムベ
ースBDに形成された軸受部276,277とによって
構成するものであった。これに対し、本変形例3はドラ
ムベースDB、磁気テープの位置規制用案内部GA、下
ドラムDdにそれぞれ貫通孔を設けこれらの貫通孔に段
付きのシャフトを挿通して回動支点を構成するものであ
る。以下、この回動支点の構成について説明し、その他
の点については、上に説明した変形例2と同様であるた
め説明を省略する。図37(a)は本発明の磁気記録再
生装置の要部を図23における90度−270度の方向
で切断した側断面図であり、図37(b)は同様に0度
−180度の方向で切断した側断面図である。図38は
ドラムベースDB、磁気テープの位置規制用案内部G
A、下ドラムDd及びその周辺の構成を示す分解斜視図
である。
【0105】本変形例では、トラック補正のために磁気
テープの位置規制用案内部GAに対して下ドラムDdを
回動自在に支持する回動支点とリード補正のためにドラ
ムベースに対して磁気テープの位置規制用案内部GAを
回動自在に支持する回動支点とは共に共通の一対の段付
きシャフト264,265によって構成される。即ち、
図37(a)又は図38に示すように、ドラムベースD
Bの軸受部278,279には大径の貫通孔266,2
67、磁気テープの位置規制用案内部GAには中径の貫
通孔260,261、下ドラムDdには小径の貫通孔2
62,263がそれぞれ図23における90度−270
度の方向に形成されている。そして、これらの貫通孔に
は大径段部264a,265a、中径段部264b,2
65b、小径段部264c,265cが形成された一対
の段付きシャフト264,265がドラムベースの外側
から挿通されている。ここで、段付きシャフト264,
265の大径段部264a,265aとドラムベースD
Bの大径の貫通孔266,267とは圧入状態でそのカ
ラー部264d,265dがドラムベースの軸受部27
8,279に当接する位置まで嵌合しており、抜け落ち
ることはない。また、段付きシャフト264,265の
中径段部264b,265bと磁気テープの位置規制用
案内部GAの中径貫通孔260,261との嵌合状態及
び小径段部264c,265cと下ドラムDdの小径貫
通孔262,263との嵌合状態はそれぞれ磁気テープ
の位置規制用案内部GA、下ドラムDdが自由に回動で
きる状態になっている。ここで、図37(a)中におけ
るドラムベースDB、磁気テープの位置規制用案内部G
A、下ドラムDdの左右方向の位置決めはそれぞれ段付
きシャフト264,265の大径段部264a,265
a、中径段部264b,265bの長さを所定の長さE
2,E1とすることによって行われる。なお、ドラムベ
ースDBに段付きシャフト264,265を固定するに
は、上に述べた変形例2と同様にドラムベースDBにV
溝250,251を形成した軸受部276,277を設
けこのV溝250,251に段付きシャフト264,2
65の大径段部264a,265aを取付板252,2
53で固定するようにしてもよい。
【0106】このように、変形例3ではトラック補正用
の回動支点とリード補正用の回動支点とを互いに同軸に
形成した貫通孔266,267、260,261、26
2,263とこれらの貫通孔に挿通された一対の段付き
シャフト264,265とによって構成しているため、
上に述べた変形例2と同様に、いずれの回動支点も段付
きシャフト264,265の軸心を通る共通の直線CL
4上に配置できるばかりか、変形例2と比較した場合に
は、この直線CL4の位置を変形例2における直線CL
3の位置より回転磁気ヘッドHa,Hbの回転軌跡面に
近い位置に配置することができる。このことは、トラッ
ク補正又はリード補正に伴うドラム構体DAや磁気テー
プの位置規制用案内部GAの図37(b)中における左
右方向への揺動変位を変形例2のそれより小さくできる
ということであり、磁気テープTへの負荷その他磁気テ
ープTの走行径のバランス上より好ましいことである。
【0107】変形例4 次に、図39及び先に変形例1で参照した図26乃至図
31を参照して第2実施例の変形例4について説明す
る。先に説明した変形例1においては、トラック補正用
の回動支点とリード補正用の回動支点とはいずれも、図
23中、90度−270度の方向を向き且つドラム軸2
01の軸心を通る直線CL1及びCL2の上に構成され
たものであった。これに対し、本変形例4はそのリード
補正用の回動支点が変形例1における直線CL2より図
23中180度の方向へ平行に変位した直線CL2´上
に構成される点において、変形例1とはその構成を基本
的に異にするものである。なお、本変形例においても、
トラック補正用の回動支点は、図23中、90度−27
0度の方向を向き且つドラム軸201の軸心を通る直線
CL1上に構成されること及びその他の構成は変形例1
の場合と同様である。従って、以下このリード補正用の
回動支点の構成及びその作用効果について説明し、その
他の点については説明を省略する。
【0108】図39はドラムベースDB、磁気テープの
位置規制用案内部GA、下ドラムDd及びその周辺の構
成を示す分解斜視図である。本変形例では、図39に示
すように、トラック補正用の回動支点は変形例1の場合
と同様、磁気テープの位置規制用案内部GA上の直線C
L1(図23中、90度−270度の方向を向き且つド
ラム軸201の軸心を通る。)上に植設された座付き支
点ピン202,203とこれらの先端がそれぞれ遊嵌す
る下ドラムDdに形成された孔204,205とによっ
て構成されている。他方、リード補正用の回動支点はド
ラムベースDBの面275上の直線CL2´(変形例1
における直線CL2よりも図39中右方へ平行に変位し
た直線)上に植設された座付き支点ピン231,232
とこれらの先端がそれぞれ遊嵌する磁気テープの位置規
制用案内部GAに形成された孔233,234とによっ
て構成されている。
【0109】本変形例においては、このようにリード補
正用の回動支点を直線CL2から図23中、右方向へ変
位した直線CL2´上に設ける構成としたためリード補
正に伴う磁気テープの位置規制用案内部GAの回動態様
が変形例1のそれとは異なったものとなる。即ち、リー
ド補正に伴いギアスクリュー228又はスプリング22
3に押圧されて磁気テープの位置規制用案内部GAが直
線CL2´の周りに回動した場合、ドラム構体DAに対
する磁気テープTの入り口側(図23における0度の方
向)における磁気テープの位置規制用案内部GAのリー
ドLの変位量は、磁気テープTの出口側(図23におけ
る180度の方向)における磁気テープの位置規制用案
内部GAのリードLの変位量より大きなものとなるので
ある。
【0110】以下、本変形例につて斯かる構成を採用し
た理由について説明する。本願発明者等は先に説明した
変形例1をVHS方式のVTRに適用した装置を試作し
た。そして、この装置を用いて早送り再生及び巻戻し再
生について種々の倍速数での評価実験を行った。その結
果、早送り再生についてはSPモード、EPモードのい
ずれにおいても、かなりの高倍速まで所謂ノイズバーの
ないノイズレスサーチが可能であることが確認された
が、巻戻し再生については比較的低倍速の場合は問題が
ないものの、高倍速になると再生出力が不均一になり一
定の倍速数を越えるとノイズバーの発生が確認された。
そしてこの傾向はEPモードにおいて特に顕著なもので
あった。
【0111】そこで、本願発明者等はこの原因を明らか
にすべく磁気テープの位置規制用案内部GAのリードL
を切削して磁気テープTの基準縁Teを実質的に自由な
状態となるように装置を改造し内視鏡カメラを用いてド
ラム構体DAに対する磁気テープTの入り口側と出口側
での磁気テープTの挙動を観察した。その結果、早送り
再生モードでは入り口側における磁気テープTの上昇量
と、出口側における磁気テープTの降下量とはほぼ同程
度であるが、巻戻し再生モードでは、入り口側における
磁気テープの降下量の方が出口側における上昇量より大
きい傾向を生じるという事実が明らかになった。なお、
このような現象が発生するメカニズムは必ずしも明かで
はないが、磁気テープTがドラム構体DAに傾斜して巻
き付けられていること、磁気テープTがドラム構体DA
に巻き付けられている位置とトラック補正の為の回動支
点の位置とがドラム軸201の軸方向上で離れているこ
と等と密接に関連しているものと考えられる。
【0112】以上説明した実験結果から明らかなよう
に、本変形例4のような構成をとることにより、巻戻し
再生モードにおけるドラム構体DAにおける磁気テープ
Tの入り口側と出口側における磁気テープTの降下量と
上昇量のアンバランスに適応して、磁気テープの位置規
制用案内部GAのリードLを変位させることが可能とな
るため、磁気テープの位置規制用案内部GAのリードL
は磁気テープTの基準縁Teをその巻き付け範囲の全域
に亘って安定に案内することができるようになるのであ
る。なお、先にも説明したように早送り再生モードにお
いては、リード補正用の回動支点をCL2からCL2´
のように変位させる必要はない。従って、リード補正用
の回動支点をCL2からCL2´に変位させるべき量x
は、早送り再生モードにおける性能と巻戻し再生モード
における性能とを勘案して両者のバランスによって決定
すべきものである。
【0113】以上、変形例4の構成とその作用効果につ
いてその実験評価を含めて説明してきたが、ここで説明
した内容は先に説明した第1実施例についても同様にい
えることである。即ち、第1実施例にあってはそのトラ
ック補正として上ドラムDuを下ドラムDdに対して回
動し、リード補正として磁気テープの位置規制用案内部
Gを備えている下ドラムDdを回動する構成のものであ
ったが、この場合には下ドラムDdを回動可能に支持し
ている支点突起49,50を変形例4における直線CL
2´に対応した直線上に設ければよいのである。
【0114】次に、主として図6乃至図9及び図15乃
至図18等を参照して本発明の磁気記録再生装置の第3
実施例及び第4実施例について説明する。なお、これら
の実施例はその構成に共通な部分が多いため、以下並列
的に説明する。第3実施例に係る磁気記録再生装置は、
磁気テープの摺接面4を備えている上ドラムDuと回転
磁気ヘッドとの中心軸を、磁気テープに形成されている
記録跡と回転磁気ヘッドの回転軌跡面とが一致した状態
となるように、磁気テープTの基準縁Teの位置を規制
する磁気テープの位置規制用案内部Gと磁気テープの摺
接面5とを備えている下ドラムDdの中心軸に対して傾
斜させることができるような特殊な構成態様のドラム構
体(図15参照)を具備するものである。また、第4実
施例に係る磁気記録再生装置は、磁気テープの摺接面4
を備えている上ドラムDuと回転磁気ヘッドと、上ドラ
ムDuにおける磁気テープの摺接面4の延長面上に位置
する磁気テープの摺接面5を備えているとともに、上ド
ラムDuと同軸的に設けられている下ドラムDdとを、
磁気テープに形成されている記録跡と回転磁気ヘッドの
回転軌跡面とが一致する状態となるように一体的に傾斜
させる機構を備えているとともに、前記した上,下ドラ
ムDu,Ddとは別体に構成されており、前記した下ド
ラムの下部に構成させた小径部の外周面に接近した配置
態様を以って機体の固定部に固着されている、磁気テー
プの基準縁の位置を規制する磁気テープの位置規制用案
内部を備えているような特殊な構成態様のドラム構体
(図17参照)を具備するものである。そしてこれらの
実施例においては、磁気テープの走行位置を変化させる
ことによって、磁気テープの基準縁Teの位置を前記し
たドラム構体DA側に設けられている磁気テープの位置
規制用案内部G(GA)に一致させることができるよう
に、磁気テープの走行路中に磁気テープの幅方向に変位
可能な構造のものとして構成された高さ可変なガイドポ
ールSGRv,TGRvを配置し、前記の高さ可変なガ
イドポールSGRv,TGRvの高さを、所定のように
変化させる駆動機構とを備えることによって、磁気テー
プに記録形成されている記録跡が記録跡幅の小さな場合
でも、ノイズバーが出ない状態で高速再生や巻戻し再生
を行なうことができるようにした磁気記録再生装置であ
って、その代表的な構成例が図6及び図8に示されてい
る。
【0115】図6(a)及び図8中において、DAはド
ラム構体であり、このドラム構体DAとしては、例え
ば、図15または図17に例示されているような構成態
様を有するものを使用することができる。図15に例示
されているドラム構体DAは、図1及び図2について既
述した磁気記録再生装置におけるドラム構体DAから、
ベースプレートBPや、下ドラムの中心軸の傾斜調節手
段として機能する傾斜調節用の環状のカム部材CRAな
どの構成部分を省いた構成態様のものであり、また、図
17に例示されているドラム構体DAは、図10及び図
11について既述した磁気記録再生装置におけるドラム
構体DAから、ベースプレートBPや、磁気テープの位
置規制用案内部GAの中心軸の傾斜調節手段として機能
する傾斜調節用の環状のカム部材CRAgなどの構成部
分を省いた構成態様のものであって、前記した図15に
示されているドラム構体DAにおける下ドラムDdや、
図17に示されているドラム構体DAにおける磁気テー
プの位置規制用案内部GAは、機体の固定部に固着され
た状態にされている。
【0116】図1に示されているドラム構体DAと図1
5に示されているドラム構体DAとにおける互いに対応
している構成部分には、同一の図面符号を付してあり、
また図10に示されているドラム構体DAと図17に示
されているドラム構体DAとにおける互いに対応してい
る構成部分には、同一の図面符号を付してあるので、前
記した各ドラム構体DA間の構成上の差異点は直ちに理
解できるであろう。すなわち、図1に示されているドラ
ム構体DAでは、スプリング30,31をベースプレー
トBPの上面側に設けた孔75,76に装着し、また、
スプリング34,35をベースプレートBPの下面側に
設けた孔77,78に装着しているのが、図15に示さ
れているドラム構体DAでは、スプリング30,31を
ドラムベースDBの上面側に設けた孔90,91に装着
し、また、スプリング34,35をドラムベースDBの
下面側に設けた孔92,93に装着している点、及び図
15に示されているドラム構体DAにおける下ドラムD
dが、ねじ94によってドラムベースDBに直接に固着
されていて、図1に示されているドラム構体DA中に設
けられていたベースププレートBPや、下ドラムの中心
軸の傾斜調節手段として機能する傾斜調節用の環状のカ
ム部材CRAなどの構成部分が省かれている点が直ちに
判かる。
【0117】同様に、図10に示されているドラム構体
DAでは、スプリング86,87をベースプレートBP
の下面側に設けた孔85,84に装着し、また、スプリ
ング34,35をベースプレートBPの下面側に設けた
孔77,78に装着したり、回動支点28,29をベー
スプレートBPと下ドラムDd間に設けてあるが、図1
7に示されているドラム構体DAでは、スプリング8
6,87をドラムベースDBの下面側に設けた孔96,
95に装着し、また、スプリング34,35をドラムベ
ースDBの下面側に設けた孔97,98に装着している
とともに、回動支点28,29をドラムベースDBと下
ドラムDd間に設けてある点、及び図17に示されてい
るドラム構体DAにおける磁気テープの位置規制用案内
部GAが、ねじ99によってドラムベースDBに直接に
固着されていて、図10に示されているドラム構体DA
中に設けられていたベースププレートBPや、磁気テー
プの位置規制用案内部GAの中心軸の傾斜調節手段とし
て機能する傾斜調節用の環状のカム部材CRAgなどの
構成部分が省かれている点が直ちに判かる。
【0118】前記した図15に例示してあるドラム構体
DAにおいて、回転軸6の傾斜調節手段として機能する
回転軸の傾斜調節用の環状のカム部材CAとして、図3
中に例示されているような構成態様の環状のカム部材C
Aが使用されていたとした場合には、円弧状ギヤ65が
図示されていないピニオンの回転により駆動されて、環
状のカム部材CAがドラムベースDBの上面に設けられ
ている案内溝100内で回動すると、支持部材SAに突
設されているカム従動体36,37と当接状態にされる
傾斜調節用の環状のカム部材CAのカム輪郭58〜63
が順次に変化することになる。また、前記した図17に
例示してあるドラム構体DAにおいて、回転軸6の傾斜
調節手段として機能する回転軸の傾斜調節用の環状のカ
ム部材CAとして、図3中に例示されているような構成
態様の環状のカム部材CAが使用されていたとした場合
には、円弧状ギヤ65が図示されていないピニオンの回
転によって駆動されて環状のカム部材CAがドラムベー
スDBの上面に設けられている案内溝100内で回動す
ると、下ドラムDdにおける小径部82の底部83に突
設されているカム従動体36,37と当接状態にされる
傾斜調節用の環状のカム部材CAのカム輪郭58〜63
が順次に変化することになる。
【0119】前記した図15(または図17)に例示し
てあるドラム構体DAを使用してある磁気記録再生装置
が、例えばノーマル再生モードで動作している場合に、
支持部材SA(または下ドラムDdにおける小径部82
の底部83)に突設されているカム従動体36は、傾斜
調節用の環状のカム部材CAのカム輪郭62と当接し、
支持部材SA(または下ドラムDdにおける小径部82
の底部83)に突設されているカム従動体37は、傾斜
調節用の環状のカム部材CAのカム輪郭59と当接する
ことになり、また前記の磁気記録再生装置が、早送り再
生モード(FF)で動作している場合には、支持部材S
A(または下ドラムDdにおける小径部82の底部8
3)に突設されているカム従動体36は傾斜調節用の環
状のカム部材CAのカム輪郭61と当接し、支持部材S
A(または下ドラムDdにおける小径部82の底部8
3)に突設されているカム従動体37は、傾斜調節用の
環状のカム部材CAのカム輪郭58と当接する。
【0120】そして、既述のように前記した傾斜調節用
の環状のカム部材CAのカム輪郭61はカム輪郭58よ
りも高いのものとして構成されているために、上ドラム
Duと支持部材SA(または上ドラムDuと下ドラムD
d)との中心軸は、磁気記録再生装置が早送り再生モー
ドで動作している場合には、図16(a){または図1
8(a)}に示されているように、磁気記録再生装置が
ノーマル再生モードで動作している場合における図15
(または図17)中に示されている上ドラムDuと支持
部材SA(または上ドラムDuと下ドラムDd)との中
心軸の位置に対して右方に傾斜している状態のものにな
る。
【0121】次に、前記した図15(または図17)に
例示してあるドラム構体DAを使用してある磁気記録再
生装置が、例えば巻戻し再生モード(FB)で動作して
いる場合には、支持部材SA(または下ドラムDdにお
ける小径部82の底部83)に突設されているカム従動
体36は、傾斜調節用の環状のカム部材CAのカム輪郭
63と当接し、また支持部材SA(または下ドラムDd
における小径部82の底部83)に突設されているカム
従動体37は、傾斜調節用の環状のカム部材CAのカム
輪郭60と当接する。そして前記した傾斜調節用の環状
のカム部材CAのカム輪郭63はカム輪郭60よりも低
いのものとして構成されているために、上ドラムDuと
支持部材SA(または上ドラムDuと下ドラムDd)と
の中心軸は、磁気記録再生装置が巻戻し再生モードで動
作している場合には、図16(b){または図18
(b)}に示されているように、磁気記録再生装置がノ
ーマル再生モードで動作している場合における図15
(または図17)中に示されている上ドラムDuと支持
部材SA(または上ドラムDuと下ドラムDd)との中
心軸の位置に対して左方に傾斜している状態のものにな
る。
【0122】ところで、前記した図15(または図1
7)に例示してあるドラム構体DAを使用してある磁気
記録再生装置が、例えば早送り再生モード(FF)や巻
戻し再生モード(FB)として動作するために、前記し
た環状のカム部材CAの動作によって上ドラムDuと支
持部材SA(または上ドラムDuと下ドラムDd)との
中心軸が、磁気記録再生装置がノーマル再生モードで動
作している場合における図15(または図17)中に示
されている上ドラムDuと支持部材SA(または上ドラ
ムDuと下ドラムDd)との中心軸の位置に対して、右
方(または)左方に傾斜している状態のものにされたと
きには、既述のように、上ドラムDuと支持部材SA
(または上ドラムDuと下ドラムDd)との中心軸が所
定の角度だけ傾斜されるのに伴って、磁気テープTの基
準縁Teが図19(b){または21(b)}に例示さ
れているように、下ドラムDdの外周部に形成されてい
る磁気テープの位置規制用案内部G(または磁気テープ
の位置規制用案内部GA)の一部から離れた状態が生
じ、それにより、磁気テープTの走行位置が磁気テープ
の位置規制用案内部Gによって正しく規制されなくな
り、磁気テープTの走行位置が磁気テープの幅方向に変
動している状態になるために、回転磁気ヘッドの回転軌
跡によって磁気テープTの記録跡を正しく追跡できなく
なって、大きな変動のあるエンベロープを示す再生信号
しか得られないことが起きる。
【0123】図6(a)及び図8にそれぞれ示されてい
る磁気記録再生装置は、前記のように図15(または図
17)に例示してあるようなドラム構体DAを使用した
磁気記録再生装置が、早送り再生モード(FF)や巻戻
し再生モード(FB)として動作するために、前記した
環状のカム部材CAの動作によって上ドラムDuと支持
部材SA(または上ドラムDuと下ドラムDd)との中
心軸を、磁気記録再生装置がノーマル再生モードで動作
している場合における図15(または図17)中に示さ
れている上ドラムDuと支持部材SA(または上ドラム
Duと下ドラムDd)との中心軸の位置に対して傾斜さ
せたときに、前記した上ドラムDuと支持部材SA(ま
たは上ドラムDuと下ドラムDd)との中心軸が所定の
角度だけ傾斜されるのに伴って、磁気テープTの基準縁
Teが下ドラムDdの外周部に形成されている磁気テー
プの位置規制用案内部G(または磁気テープの位置規制
用案内部GA)の一部から離れた状態が生じて、磁気テ
ープTの走行位置が磁気テープの位置規制用案内部Gに
よって正しく規制されなくなるという問題点を、ドラム
構体DAの前後の磁気テープ走行路の位置を変化させる
ことによって解決できるような構成態様のものである。
【0124】図6(a)及び図8にそれぞれ示されてい
る磁気記録再生装置において、それの構成部分の一部と
して使用されているドラム構体DAは、図15を参照し
て既述したような構成態様のものであるが、図17を参
照して既述したような構成態様のドラム構体DAが使用
されても、あるいは、記録再生モードの変更に応じてド
ラム構体の中心軸の傾斜角が変更されるように構成され
たその他の構成態様のドラム構体DAが使用されても良
いことは勿論である。図6(a)及び図8においてドラ
ム構体DAにおける下ドラムDdはドラムベースDBに
固着されており、また、上ドラムDuは回転軸6は、例
えば図3中に例示されているような構成態様の回転軸の
傾斜調節手段として機能する回転軸の傾斜調節用の環状
のカム部材CAの回動々作に応じて、ドラム構体DAに
おける0度−180度の方向の回転軸を含む平面内で傾
斜できるようにされている。
【0125】図6(a)に示されている磁気記録再生装
置において、Mgは減速器付きのモータであり、それの
出力軸101にはピニオン102が固着されている。前
記のピニオン102は、前記した環状のカム部材CAに
連結部64を介して設けられている円弧状ギヤ65に噛
合わされている。それで図示されていない制御部による
制御動作に従って駆動されるモータの回転力が、前記の
出力軸101とピニオン102及び連結部64を介して
環状のカム部材CAに伝達されると、環状のカム部材C
Aは既述したような動作によって回転軸6の傾斜角が変
化させる。前記した連結部64には連結ピン103が植
設されていて、円弧状の作動部材FAの中間部分に穿設
されている孔104に貫通している。前記した円弧状の
作動部材FAの両端部にはそれぞれ2つずつの作動体1
05〜108が設けられている。
【0126】前記した各作動体105〜108には、図
6(b)に具体的に示されているように、それぞれ複数
のカム輪郭109〜120が構成されている。前記の各
作動体105〜108に構成されている複数のカム輪郭
109〜120には、高さ可変なガイドポールSGR
v,TGRvにおける下部フランジ135の下面がカム
従動子として当接される。前記した作動体105と作動
体106との間、及び前記した作動体107と作動体1
08との間には、高さ可変なガイドポールSGRv,T
GRvにおける下部フランジ135から下方に突設して
いて軸134を貫通させている筒状部140(図7)が
挿入できるような間隙121,122が設けられてい
る。前記した円弧状の作動部材FAには、長孔123,
124が設けられており、前記の長孔123,124に
は、ドラムベースDBに設けられた案内溝127,12
8中に植設されている案内ピン125,126の内の対
応するものが貫通している。
【0127】前記の円弧状の作動部材FAは、減速器付
きのモータMgが駆動されて、出力軸101の回転力が
ピニオン102を介して円弧状ギヤ65に与えられるこ
とにより、環状のカム部材CAが回動々作を行なうとき
に、連結部64に植設されている連結ピン103によっ
て連結部64と一体的に、ドラムベースDBの上面に設
けられている案内溝100(図15)内で回動々作を行
なう。そして、前記の円弧状の作動部材FAは、ローデ
ィング機構に取付けられている高さ可変なガイドポール
SGRv,TGRvが記録再生動作時に位置すべき正し
い位置に在る場合に、円弧状の作動部材FAの両端部に
構成されている2個ずつの作動体105,106、10
7,108におけるそれぞれの間隙121,122の部
分が、前記の高さ可変なガイドポールSGRv,TGR
vにおける下部フランジ135(図7)から下方に突設
されており軸134を貫通させてある筒状部140を挟
んだ状態で、ドラムベースDBに設けられた案内溝12
7,128に案内されて回動々作を行なうことができる
ような曲率を有するものとして構成されているから、前
記のように円弧状の作動部材FAが回動々作を行なった
ときには、円弧状の作動部材FAの両端部に構成されて
いる2個ずつの作動体105,106、107,108
に設けられている複数のカム輪郭109〜120におけ
る順次のものが、カム従動子として機能する高さ可変な
ガイドポールSGRv,TGRvにおける下部フランジ
135の下面に順次に当接して行くことになる。
【0128】図7は、サプライ側の高さ可変なガイドポ
ールSGRv、及びティクアップ側の高さ可変なガイド
ポールTGRvとの具体的な構成例と、磁気記録再生装
置がノーマル再生モードで動作している場合と、早送り
再生モード(FF)で動作している場合と、巻戻し再生
モード(FB)で動作している場合とにおいて、円弧状
の作動部材FAの両端部に構成されている2個ずつの作
動体105,106、107,108に設けられている
複数のカム輪郭109〜120によって、前記したサプ
ライ側の高さ可変なガイドポールSGRvと、ティクア
ップ側の高さ可変なガイドポールTGRvの高さ(磁気
テープの走行路の位置)とが、どのように変化するもの
であるのかを図示説明している図である。図7(a),
(b)は磁気記録再生装置がノーマル再生モードで動作
している場合に、円弧状の作動部材FAの両端部に構成
されている作動体(105,106,107,108)
に設けられている複数のカム輪郭(109〜120)の
内の選択されたものによって、高さ可変なガイドポール
SGRv,TGRvの高さ(磁気テープの走行路の位
置)が規制されている状態を示している。
【0129】また、図7(c),(d)は磁気記録再生
装置が早送り再生モードで動作している場合に、円弧状
の作動部材FAの両端部に構成されている作動体(10
5,106,107,108)に設けられている複数の
カム輪郭(109〜120)の内の選択されたもの11
1,118、114,115によって、高さ可変なガイ
ドポールSGRv,TGRvの高さ(磁気テープの走行
路の位置)が規制されている状態を示している。ところ
で、既述した図15に例示してあるようなドラム構体D
Aを使用した図6(a)に示す構成の磁気記録再生装置
を、早送り再生モード(FF)で動作させたときには、
環状のカム部材CAの動作によって上ドラムDuと支持
部材SAとの中心軸を、磁気記録再生装置がノーマル再
生モードで動作している場合における図15中に示され
ている上ドラムDuと支持部材SAとの中心軸の位置に
対して傾斜させると前記した上ドラムDuと支持部材S
Aとの中心軸が所定の角度だけ傾斜されるのに伴って磁
気テープTの基準縁Teが図19(b)に例示されてい
るように、下ドラムDdの外周部に形成されている磁気
テープの位置規制用案内部Gの一部から離れた状態が生
じて再生信号の状態は悪化している状態のものになる。
しかし図6(a)に示す構成の磁気記録再生装置では、
それが早送り再生モードで動作している場合に、高さ可
変なガイドポールSGRv,TGRvの高さ(磁気テー
プの走行路の位置)が、図7(c),(d)に示すよう
な状態に設定されるので、磁気テープTの基準縁Teは
図19(d)に例示されているように、下ドラムDdの
外周部に形成されている磁気テープの位置規制用案内部
Gの全体にわたって案内された状態になって磁気テープ
Tが安定な走行状態になり、良好な状態の再生信号が得
られることになる。
【0130】図7(e),(f)は磁気記録再生装置が
巻戻し再生モードで動作している場合に、円弧状の作動
部材FAの両端部に構成されている作動体(105,1
06,107,108)に設けられている複数のカム輪
郭(109〜120)の内の選択されたもの109,1
20、112,117によって、高さ可変なガイドポー
ルSGRv,TGRvの高さ(磁気テープの走行路の位
置)が規制されている状態を示している。ところで、既
述した図15に例示してあるようなドラム構体DAを使
用した図6(a)に示す構成の磁気記録再生装置を、巻
戻し再生モード(FB)で動作させたときには、環状の
カム部材CAの動作によって上ドラムDuと支持部材S
Aとの中心軸を、磁気記録再生装置がノーマル再生モー
ドで動作している場合における図15中に示されている
上ドラムDuと支持部材SAとの中心軸の位置に対して
傾斜させると前記した上ドラムDuと支持部材SAとの
中心軸が所定の角度だけ傾斜されるのに伴って磁気テー
プTの基準縁Teが図21(b)に例示されているよう
に、下ドラムDdの外周部に形成されている磁気テープ
の位置規制用案内部Gの一部から離れた状態が生じて再
生信号の状態は悪化している状態のものになる。しか
し、図6(a)に示す構成の磁気記録再生装置では、そ
れが早送り再生モードで動作している場合に、高さ可変
なガイドポールSGRv,TGRvの高さ(磁気テープ
の走行路の位置)が、図7(e),(f)に示すような
状態に設定されるので、磁気テープTの基準縁Teは図
21(d)に例示されているように、下ドラムDdの外
周部に形成されている磁気テープの位置規制用案内部G
の全体にわたって案内された状態になって磁気テープT
が安定な走行状態になり、良好な状態の再生信号が得ら
れることになる。
【0131】高さ可変なガイドポールSGRvと、高さ
可変なガイドポールSGRv,TGRvとは図7に示さ
れているように同一な構成態様のものであってもよく、
高さ可変なガイドポールSGRv(TGRv)は、ロー
ディング機構の基板129に取付けられている支持部P
Sに対して、上下方向に変位自在な状態なものとして構
成されている。前記した支持部PSはローディング機構
の基板129を挟むように設けられている2つの支持構
成部分130,138によって構成されていて、前記し
た2つの支持構成部分130,138をローディング機
構の基板129を挟んで結合することにより、ローディ
ング機構の基板129に対して支持部PSが固着されて
いる。
【0132】支持部PSの支持構成部分130,138
の内で、ローディング機構の基板129の下方に設けら
れている支持構成部分130における下方には中空部分
131が設けられているとともに、前記の中空部分13
1の一部には外壁にスリットSが構成されている。ま
た、前記した支持部PSの支持構成部分130,138
の中心部に設けた孔には、軸134がを挿通されてお
り、軸134の端部にはピン132が固着されている。
前記のピン132は軸134が上下方向に移動するとき
に、それの両端部分が前記した中空部分131の一部の
外壁に設けたスリットSに案内されることにより、軸1
34の回り止めの動作を行なう。また、前記したピン1
32と中空部分131の底部との間には、前記した軸1
34を常に下方に付勢するように動作するスプリング1
33が装着されている。
【0133】また、前記の支持部PSの支持構成部分1
30,138の内で、ローディング機構の基板129の
上方に設けられている支持構成部分138の上部に構成
されている小径部分140には、軸134の径よりも大
径の中空部139aが構成されていて、前記の中空部1
39aの中心を貫通している軸134の周囲に形成され
る円環状の空隙中は、高さ可変なガイドポールSGR
v,TGRvにおける下部フランジ135の下面から下
方に突設されていて軸134を貫通させてある筒状部1
40の上下方向での移動時の案内部として機能する。1
37は磁気テープの幅と対応する長さを有するローラで
あって、前記した軸134に回転自在に装着されてい
る。前記した軸134の上端には上部フランジ136が
固着されている。それで、磁気テープTは前記した下部
フランジ135の上面と、上部フランジ136の下面と
の間に設けられているローラ137の周面に摺接し、か
つ、前記した下部フランジ135の上面と、上部フラン
ジ136の下面とによって幅方向の位置が規制された状
態で走行する。
【0134】磁気記録再生装置の再生モードに従って、
前記した円弧状の作動部材FAが回動々作を行なうとき
に、前記した円弧状の作動部材FAは、それの底面が前
記した高さ可変なガイドポールSGRv(TGRv)に
おける支持部PSの支持構成部分138の上部に構成さ
れている小径部分140の端面に摺接し、また、円弧状
の作動部材FAの両端部に構成されている2個ずつの作
動体105,106、107,108におけるそれぞれ
の間隙121,122の部分が、前記の高さ可変なガイ
ドポールSGRv,TGRvにおける下部フランジ13
5から下方に突設されており軸134を貫通させてある
筒状部140を挟んだ状態で、ドラムベースDBに設け
られた案内溝127,128に案内されて回動々作を行
なう。
【0135】前記のように円弧状の作動部材FAが回動
々作を行なったときには、円弧状の作動部材FAの両端
部に構成されている2個ずつの作動体105,106、
107,108に設けられている複数のカム輪郭109
〜120における順次のものが、カム従動子として機能
する高さ可変なガイドポールSGRv,TGRvにおけ
る下部フランジ135の下面に対して、図7に示されて
いるように順次に当接して行くことになり、磁気記録再
生装置の再生モードに応じて、高さ可変なガイドポール
SGRv,TGRvの高さ(磁気テープの走行路の位
置)を、図7の各図のような所定の状態に変化させて、
磁気記録再生装置がどのような再生モードで動作を行な
った場合においても、磁気テープTの基準縁Teを下ド
ラムDdの外周部に形成されている磁気テープの位置規
制用案内部Gの全体にわたって案内されているた状態と
して、磁気テープTを安定な走行状態にし、それにより
良好な状態の再生信号が得られるようにする。
【0136】図6(a),(b)及び図7中(後述の図
8についても同じ)に示されている円弧状の作動部材F
Aは、それの両端部に設けてある2個ずつの作動体(1
05,106,107,108)が特定な複数のカム輪
郭(109〜120)を設けた構成のものであったが、
図9中に示されている円弧状の作動部材FAは、それの
両端部に設けてある2個ずつの作動体(図9中には1個
ずつの作動体しか示してなく、それをFAfのように表
示している)が、一様の傾斜面を有するカム輪郭14
9,151)を備えた構成態様のものとして構成されて
いる場合の構成例である。なお前記の円弧状の作動部材
FAの両端部に設けてある作動体FAfも、それの底面
が前記した高さ可変なガイドポールSGRv(TGR
v)における支持部PSの支持構成部分138の上部に
構成されている小径部分140の端面に摺接し、またそ
れの先端付近に間隙を隔てて並設させてある2部分によ
って、前記の高さ可変なガイドポールSGRv,TGR
vにおける下部フランジ135から下方に突設されてお
り軸134を貫通させてある筒状部140を挟んだ状態
で回動々作を行なうのである。
【0137】この図9に例示されているように一様な傾
斜面を有するカム輪郭149,151を備えている作動
体FAfを備えている円弧状の作動部材FAが使用され
た場合には、円弧状の作動部材FAが回動々作を行なっ
たときに、円弧状の作動部材FAの両端部に構成されて
いる作動体FAfにおける一様な傾斜面を有するカム輪
郭149,151が、カム従動子として機能する高さ可
変なガイドポールSGRv,TGRvにおける下部フラ
ンジ135の下面に当接しているために、高さ可変なガ
イドポールSGRv,TGRvの高さ(磁気テープの走
行路の位置)は、無段階的に変化している状態になる。
前記のように高さ可変なガイドポールSGRv,TGR
vの高さ(磁気テープの走行路の位置)が、無段階的に
変化するようにされた場合には、前記した高さ可変なガ
イドポールSGRv,TGRvの高さ(磁気テープの走
行路の位置)の無段階的な変化態様と対応して、上ドラ
ムDuと支持部材SA(または上ドラムDuと下ドラム
Dd)との中心軸の傾斜角を、無段階的に変化させるこ
とができるようなカム輪郭を備えている環状のカム部材
CAが使用されるようにすることは望まして実施の態様
である。図9中に示されている高さ可変なガイドポール
SGRv,TGRvの構造は、図7を参照して説明した
高さ可変なガイドポールSGRv,TGRvの構造と同
じであるから、その具体的な説明は省略する。
【0138】図6を参照して既述した本発明の磁気記録
再生装置では、磁気記録再生装置の再生モードに応じて
ドラム構体DAの中心角の傾斜角を変化させるための環
状のカム部材CAの回動々作と、磁気記録再生装置の再
生モードに応じて高さ可変なガイドポールSGRv,T
GRvの高さ(磁気テープの走行路の位置)を変化させ
るための円弧状の作動部材FAの回動々作とを、1つの
駆動源からの動力を用いて行なうようにしていたが、前
記した磁気記録再生装置の再生モードに応じてドラム構
体DAの中心角の傾斜角を変化させるための環状のカム
部材CAの回動々作を行なわせるための駆動源と、磁気
記録再生装置の再生モードに応じて高さ可変なガイドポ
ールSGRv,TGRvの高さ(磁気テープの走行路の
位置)を変化させるための円弧状の作動部材の回動々作
を行なわせるための駆動源とを別にして、本発明の磁気
記録再生装置が構成されてもよく、その一例構成を図8
に示す。
【0139】図8に示す磁気記録再生装置において、M
g,Mg1,Mg2は、それぞれ減速器付きのモータであ
り、前記した減速器付きのモータMgの出力軸101に
はピニオン102が固着されており、このピニオン10
2は、前記した環状のカム部材CAに連結部64を介し
て設けられている円弧状ギヤ65に噛合わされていて図
示されていない制御部による制御動作に従って駆動され
るモータの回転力が、前記の出力軸101とピニオン1
02及び円弧状ギヤ65ならびに連結部64を介して環
状のカム部材CAに伝達されることにより、環状のカム
部材CAの回動によって磁気記録再生装置は既述したよ
うな動作により回転軸6の傾斜角が変化される。
【0140】また、前記した減速器付きのモータMg1
の出力軸141にはピニオン142が固着されており、
このピニオン142は円弧状の作動部材FAf1に設け
られている円弧状ギヤ143と噛合わされている。さら
に前記した減速器付きのモータMg2の出力軸144に
はピニオン145が固着されており、このピニオン14
5は円弧状の作動部材FAf2に設けられている円弧状
ギヤ146と噛合わされている。前記した円弧状の作動
部材FA1,FA2は、前記した減速器付きのモータMg
1,Mg2が図示されていない制御部による制御動作に従
って駆動されたときに、前記した各個別に設けられてい
る減速器付きのモータMg1,Mg2と、各個別の円弧状
の作動部材FA1,FA2との間の動力伝達系による動力
伝達によって、それぞれドラムベースDBに設けられて
いる円弧状の案内溝147,148内で回動々作を行な
う。なお、155は円弧状の作動部材FA1に構成され
ている長孔、157は円弧状の作動部材FA2に構成さ
れている長孔であり、また156,158はベースプレ
ートDBに植設されたピンである。
【0141】前記した円弧状の作動部材FA1,FA2に
おけるそれぞれの一端部には、間隙153,154を隔
てて並設させてある2部分によって構成されている作動
体FAf1,FAf2が設けられている。図8(図9をも
参照のこと)中において、円弧状の作動部材FA1の一
端部に設けられている作動体FAf1は、一様な傾斜面
によるカム輪郭149を備えている部分と、一様な傾斜
面によるカム輪郭150を備えている部分との2つの部
分が、間隙153を隔てて並設されている構成態様のも
のであるとされており、また、円弧状の作動部材FA2
の一端部に設けられている作動体FAf2は、一様な傾
斜面によるカム輪郭151を備えている部分と、一様な
傾斜面によるカム輪郭152を備えている部分との2つ
の部分が、間隙154を隔てて並設されている構成態様
のものであるとされている。
【0142】前記した円弧状の作動部材FA1の一端部
に設けられている作動体FAf1と、円弧状の作動部材
FA2の一端部に設けられている作動体FAf2とは、円
弧状の作動部材FA1と円弧状の作動部材FA2とが、既
述のように回動々作を行なったときに、それらの底面が
高さ可変なガイドポールSGRv,TGRvにおける支
持部PSの支持構成部分138の上部に構成されている
小径部分140の端面に摺接し、またそれの先端付近に
間隙を隔てて並設させてある2部分によって、前記の高
さ可変なガイドポールSGRv,TGRvにおける下部
フランジ135から下方に突設されており軸134を貫
通させてある筒状部140を挟んだ状態で回動々作を行
なう。
【0143】前記のように一様な傾斜面を有するカム輪
郭149〜152が形成されている作動体FAf1,F
Af2を備えている円弧状の作動部材FA1,FA2が使
用された場合には、円弧状の作動部材FA1,FA2が
回動々作を行なったときに、円弧状の作動部材FA1,
FA2の一端部に構成されている作動体FAf1,FAf
2における一様な傾斜面を有するカム輪郭149〜15
2が、カム従動子として機能する高さ可変なガイドポー
ルSGRv,TGRvにおける下部フランジ135の下
面に当接しているために、高さ可変なガイドポールSG
Rv,TGRvの高さ(磁気テープの走行路の位置)
は、無段階的に変化している状態になる。前記のように
高さ可変なガイドポールSGRv,TGRvの高さ(磁
気テープの走行路の位置)が、無段階的に変化するよう
にされた場合には、前記した高さ可変なガイドポールS
GRv,TGRvの高さ(磁気テープの走行路の位置)
の無段階的な変化態様と対応して、上ドラムDuと支持
部材SA(または上ドラムDuと下ドラムDd)との中
心軸の傾斜角を、無段階的に変化させることができるよ
うなカム輪郭を備えている環状のカム部材CAが使用さ
れるようにすることは望まして実施の態様である。
【0144】なお、円弧状の作動部材FA1,FA2の
一端部に構成されている作動体FAf1,FAf2に形成
させるカム輪郭として、例えば図7に例示されているよ
うに段階的な複数のカム輪郭を構成させてもよいことは
勿論であり、また、円弧状の作動部材FA1,FA2を
一体化して、それを1個の減速器付きのモータによって
回動させるようにしても良い。しかし、図8に例示され
ている磁気記録再生装置のように、2個の円弧状の作動
部材FA1,FA2を用いて、それぞれの円弧状の作動
部材FA1,FA2における一端部に構成されている作
動体FAf1,FAf2によって、サプライ側の高さ可変
なガイドポールSGRvの高さ(磁気テープの走行路の
位置)と、テークアップ側の高さ可変なガイドポールT
GRvの高さ(磁気テープの走行路の位置)とを個別に
変化できるようにした場合には、前記した高さ可変なガ
イドポールSGRv,TGRvの高さ(磁気テープの走
行路の位置)の変化を多様化することができる。
【0145】図8に示す磁気記録再生装置では、再生モ
ードに応じて図示されていない制御部による制御動作に
従って、前記した各モータMg,Mg1,Mg2の駆動を
制御して、駆動される各モータの回転力をそれぞれの動
力伝達系を介して、前記のようにドラム構体DAの中心
角の傾斜角を変化させるための環状のカム部材CA、2
個の円弧状の作動部材FA1,FA2に伝達することに
より、再生モードに応じてドラム構体DAの中心角の傾
斜角を変化させるための環状のカム部材CAの回動々作
によりドラム構体DAの中心角を、それぞれの再生モー
ドにおいて必要とされる角度だけ傾斜させるとともに、
再生モードに応じて円弧状の作動部材FA1,FA2を
回動させて、円弧状の作動部材FA1,FA2における
一端部に構成させてある作動体FAf1,FAf2によっ
て、サプライ側の高さ可変なガイドポールSGRvの高
さ(磁気テープの走行路の位置)と、テークアップ側の
高さ可変なガイドポールTGRvの高さ(磁気テープの
走行路の位置)とを、それぞれの再生モードにおいて必
要とされる高さとなるように変化させているから、再生
モードの変化に拘らずに、常に良好な再生信号を得るよ
うにすることができる。
【0146】前述した図6及び図8に示してある磁気記
録再生装置において、再生モードの変更に応じて変化さ
せるべき前記した環状のカム部材CAの回動量と、磁気
記録再生装置の再生モードに応じて変化させるべき円弧
状の作動部材FA,FA1,FA2等の回動量との制御
は、例えば、前記した各回動々作を行なう構成部材に位
置センサを設けておき、前記の位置センサから出力され
た位置情報に基づいて、図示しない制御部で発生させた
制御信号により、各駆動源(モータ)を動作させること
により容易に行なうことができ、その実施に当っては周
知の各種の制御回路の内から選択した制御回路を採用す
ればよい。
【0147】
【発明の効果】以上詳細に説明したところから明らかな
ように本発明の磁気記録再生装置は、上ドラムと下ドラ
ムとからなるドラムの周面の一部へ巻回された状態の磁
気テープに回転磁気ヘッドを用いて記録再生動作が行な
われる磁気記録再生装置における磁気テープの摺接面を
備えている上ドラムと回転磁気ヘッドとの中心軸を、磁
気テープの基準縁の位置を規制する磁気テープの位置規
制用案内部と磁気テープの摺接面とを備えている下ドラ
ムの中心軸に対して傾斜させるように動作する第1の傾
斜手段と、前記した下ドラムにおける磁気テープの位置
規制用案内部が、磁気テープの基準縁の位置に一致する
状熊となるように、下ドラムを傾斜させる第2の傾斜駆
動手段とを備えたものとして構成したり、上ドラムと下
ドラムとからなるドラムの周面の一部へ巻回された状態
の磁気テープに、回転磁気ヘッドを用いて記録再生動作
が行なわれる磁気記録再生装置における磁気テープの摺
接面を備えている上ドラムと回転磁気ヘッドと、上ドラ
ムにおける磁気テープの摺接面の延長面上に位置する磁
気テープの摺接面を備えているとともに、上ドラムと同
軸的に設けられている下ドラムと、前記した上,下ドラ
ムと回転磁気ヘッドとを、一体的に傾斜させる第1の傾
斜駆動手段と、前記した上,下ドラムとは別体に構成さ
れており、かつ、前記した下ドラムの下部に構成させた
小径部の外周面に接近した状態に配置されている、磁気
テープの基準縁の位置を規制する磁気テープの位置規制
用案内部を、磁気テープの基準縁位置に一致させるよう
に傾斜させる第2の傾斜駆動手段とを備えたものとして
構成したものであるから、磁気テープに形成されている
記録跡と回転磁気ヘッドの回転軌跡面とを一致させるこ
とができる。また、本発明の磁気記録再生装置では、再
生モードの変化と対応させて上ドラムと回転磁気ヘッド
の中心軸、又は、上ドラムと回転磁気ヘッドと下ドラム
の中心軸の傾斜を変化させた場合においても、磁気テー
プの基準縁が、磁気テープの位置規制用案内部の全体に
わたって良好に案内されている状態にされ、したがっ
て、再生モードの如何に拘らずに、磁気テープの走行状
態は安定化されており、常に良好な再生信号が確実に得
られるのであり、本発明によればEPモードによる早送
り再生モード時やEPモードによる巻戻しモード時にお
いても、ノイズバーの無い良好な再生画像が得られ、ま
た、記録跡幅が従来の記録跡の1/3の記録跡を3本並
列に同時記録再生するようにしたVTRについて適用し
ても良好な再生画像を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録再生装置の要部の全体的な側
断面図である。
【図2】本発明の磁気記録再生装置の要部の全体的な側
断面図である。
【図3】本発明の磁気記録再生装置の構成部分の一部の
分解斜視図である。
【図4】本発明の磁気記録再生装置の構成部分の一部の
斜視図である。
【図5】図1及び図2に示す本発明の磁気記録再生装置
の動作説明のための側断面図である。
【図6】本発明の磁気記録再生装置の要部の全体的な斜
視図である。
【図7】本発明の磁気記録再生装置の構成部分の一部の
側断面図である。
【図8】本発明の磁気記録再生装置の要部の全体的な斜
視図である。
【図9】本発明の磁気記録再生装置の構成部分の一部の
側断面図である。
【図10】本発明の磁気記録再生装置の要部の全体的な
側断面図である。
【図11】本発明の磁気記録再生装置の要部の全体的な
側断面図である。
【図12】図10に示す本発明の磁気記録再生装置の動
作説明のための側断面図である。
【図13】VTRのテープ走行系を説明するためのドラ
ム近傍の側面図である。
【図14】VTRのドラムの正面図である。
【図15】本発明の磁気記録再生装置の構成部分の一部
として使用される既提案の磁気記録再生装置の要部の全
体的な側断面図である。
【図16】図15及び図17に示す本発明の磁気記録再
生装置の構成部分の一部として使用される既提案の磁気
記録再生装置の動作説明のための側断面図である。
【図17】本発明の磁気記録再生装置の構成部分の一部
として使用される既提案の磁気記録再生装置の要部の全
体的な側断面図である。
【図18】図15及び図17に示す本発明の磁気記録再
生装置の構成部分の一部として使用される既提案の磁気
記録再生装置の動作説明のための側断面図である。
【図19】ドラム傾斜時の磁気テープ位置を説明するた
めの側面図である。
【図20】ドラム傾斜時の再生信号波形の説明図であ
る。
【図21】ドラム傾斜時の磁気テープ位置を説明するた
めの側面図である。
【図22】ドラム傾斜時の再生信号波形の説明図であ
る。
【図23】ドラムの上面図である。
【図24】テープパターンを示す図である。
【図25】テープパターンを示す図である。
【図26】本発明の磁気記録再生装置の要部の全体的な
側断面図である。
【図27】図26に示す本発明の磁気記録再生装置の動
作説明のための側断面図である。
【図28】本発明の磁気記録再生装置の要部の全体的な
斜視図である。
【図29】本発明の磁気記録再生装置の構成部分の一部
の分解斜視図である。
【図30】下ドラムを底面側から見た斜視図である。
【図31】磁気テープの位置規制用案内部を底面側から
見た斜視図である。
【図32】本発明の磁気記録再生装置の要部の全体的な
側断面図である。
【図33】図32に示す本発明の磁気記録再生装置の動
作説明のための側断面図である。
【図34】本発明の磁気記録再生装置の構成部分の一部
の分解斜視図である。
【図35】下ドラムを底面側から見た斜視図である。
【図36】磁気テープの位置規制用案内部を底面側から
見た斜視図である。
【図37】本発明の磁気記録再生装置の要部の全体的な
側断面図である。
【図38】本発明の磁気記録再生装置の構成部分の一部
の分解斜視図である。
【図39】本発明の磁気記録再生装置の構成部分の一部
の分解斜視図である。
【図面の符号】
Dd…下ドラム、Du…上ドラム、SGR…サプライ側
のガイドローラ、TGR…ティクアップ側のガイドロー
ラ、G,GA…磁気テープの位置規制用案内部、L…リ
ード、SA…支持部材、Ha,Hb…回転磁気ヘッド、
Md…ドラムモータ、BP…ベースプレート、DB…ド
ラムベース、PS…支持部、T…磁気テープ、CA,C
RA,CRAg…環状のカム部材、Mg,Mg1,Mg2
…減速器付きのモータ、FA,FA1,FA2…円弧状の
作動部材、Te…磁気テープの基準縁、1…機板、2,
3…傾斜ポール、4,5…磁気テープの摺接面、6…回
転軸、7…上ドラム固着部材、10,11…軸受、1
2,13…回転トランス、14,15…ヘッドホルダ、
20…ドラムモータMdの固定子の部分、21…ドラム
モータMdの回転子の部分、26…支持部材SAの上端
部、26a…上端部26の突出部、27…固定ドラムD
dの内方突縁部、28,29…回動支点、30,31,
34,35,86,87…スプリング、33…ドラムモ
ータMdのカバー、36,37…支持部材SAに突設さ
れているカム従動体、38,39…支点平面部分、42
…板バネ、43〜46…位置決めピン、47,48…ベ
ースプレートBPに突設されているカム従動体、49,
50…ベースプレートBPの裏面側に突設されている支
点突起、57…ベースプレートBPの上面側に設けられ
た案内溝、58〜63,109〜120,149〜15
2…カム輪郭、64…連結部、65,143,146…
円弧状ギヤ、79〜81…円弧状の部材、82…小径
部、101…出力軸、102…ピニオン、103…連結
ピン、105〜108,FAf1,FAf2…作動体、1
29…ローディング機構の基板、130,138…支持
構成部分、134…軸、135…可変なガイドポールS
GRv,TGRvにおける下部フランジ、136…上部
フランジ、137…磁気テープの幅と対応する長さを有
するローラ、140…筒状部、201…ドラム軸、20
2,203,206,207,231,232…座付き
支点ピン、220…板バネ、223,224…スプリン
グ、225…モータ、226…中間ギア、227,22
8…ギアスクリュー、240,241…シャフト、24
2,243,250,251…V溝、264,265…
段付きシャフト

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上ドラムと下ドラムとからなるドラム構体
    の周面の一部へ巻回された状態の磁気テープに、回転磁
    気ヘッドを用いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再
    生装置において、磁気テープの摺接面を備えている上ド
    ラムと回転磁気ヘッドとの中心軸を、磁気テープに形成
    されている記録跡と回転磁気ヘッドの回転軌跡面とが一
    致した状態となるように、磁気テープの基準縁の位置を
    規制する磁気テープの位置規制用案内部と磁気テープの
    摺接面とを備えている下ドラムの中心軸に対して傾斜さ
    せる第1の傾斜駆動手段と、下ドラムにおける磁気テー
    プの位置規制用案内部が、磁気テープの基準縁の位置に
    一致する状態となるように下ドラムを傾斜させる第2の
    傾斜駆動手段とを備えてなる磁気記録再生装置。
  2. 【請求項2】第1の傾斜駆動手段は、下ドラムに対して
    上ドラムと回転磁気ヘッドとを回動自在に支持する第1
    の回動支点を具備し、 第2の傾斜駆動手段は、装置の基部に対して下ドラムを
    回動自在に支持する第2の回動支点を具備し、 第1の回動支点は、下ドラムの中心軸に直交し且つドラ
    ム構体の周面に対する磁気テープの巻付範囲の略中央位
    置を通過する第1の直線上に配置し、 第2の回動支点は、第1の直線に平行な第2の直線上に
    配置したことを特徴とする請求項1の磁気記録再生装
    置。
  3. 【請求項3】第2の直線は、ドラム構体の周面に対する
    磁気テープの巻付範囲の略中央位置より磁気テープの走
    行経路中の出口側に位置した直線であることを特徴とす
    る請求項2の磁気記録再生装置。
  4. 【請求項4】上ドラムと下ドラムとからなるドラム構体
    の周面の一部へ巻回された状態の磁気テープに、回転磁
    気ヘッドを用いて記録再生動作が行なわれる磁気記録再
    生装置において、磁気テープの摺接面を備えている上ド
    ラムと、回転磁気ヘッドと、上ドラムにおける磁気テー
    プの摺接面の延長面上に位置する磁気テープの摺接面と
    その下部に摺接面より小径である小径部とを備えている
    とともに、上ドラムと同軸状に設けられている下ドラム
    と、上,下ドラムとは別体構成で、かつ、下ドラムの下
    部に構成させた小径部の外周面に接近した状態に配置さ
    れている、磁気テープの基準縁の位置を規制する磁気テ
    ープの位置規制用案内部と、磁気テープに形成されてい
    る記録跡と回転磁気ヘッドの回転軌跡面とが一致する状
    態となるように、上,下ドラムと回転磁気ヘッドとを一
    体的に傾斜させる第1の傾斜駆動手段と磁気テープの位
    置規制用案内部を磁気テープの基準縁位置に一致させる
    ように傾斜させる第2の傾斜駆動手段とを備えてなる磁
    気記録再生装置。
  5. 【請求項5】第1の傾斜駆動手段は、磁気テープの位置
    規制用案内部に対して下ドラムを回動自在に支持する第
    1の回動支点を具備し、 第2の傾斜駆動手段は、装置の基部に対して磁気テープ
    の位置規制用案内部を回動自在に支持する第2の回動支
    点を具備し、 第1の回動支点は、下ドラムの中心軸に直交し且つドラ
    ム構体の周面に対する磁気テープの巻付範囲の略中央位
    置を通過する第1の直線上に配置し、 第2の回動支点は、第1の直線に平行な第2の直線上に
    配置したことを特徴とする請求項4の磁気記録再生装
    置。
  6. 【請求項6】第1の直線と第2の直線とは、同一の直線
    であることを特徴とする請求項5の磁気記録再生装置。
  7. 【請求項7】第2の直線は、ドラム構体の周面に対する
    磁気テープの巻付範囲の略中央位置より磁気テープの走
    行経路中の出口側に位置した直線であることを特徴とす
    る請求項5の磁気記録再生装置。
  8. 【請求項8】第1の傾斜駆動手段と第2の傾斜駆動手段
    とによってそれぞれ傾斜される構成部分の傾斜態様を、
    磁気テープの走行速度に対応して変化させるようにした
    請求項1乃至請求項7の何れかの磁気記録再生装置。
  9. 【請求項9】第1の傾斜駆動手段における駆動源と第2
    の駆動手段における駆動源とを個別に設けるようにした
    請求項1乃至請求項8の何れかの磁気記録再生装置。
  10. 【請求項10】第1の傾斜駆動手段における駆動源と第
    2の傾斜駆動手段における駆動源とに同一の駆動源を用
    いるようにした請求項1乃至請求項8の何れかの磁気記
    録再生装置。
  11. 【請求項11】第1の傾斜駆動手段は、下ドラムに当接
    して磁気テープの位置規制用案内部に対して下ドラムを
    傾斜させる第1のスクリューを具備し、 第2の傾斜駆動手段は、磁気テープの位置規制用案内部
    に当接して装置の基部に対して磁気テープの位置規制用
    案内部を傾斜させる第2のスクリューを具備することを
    特徴とする請求項4乃至請求項8の何れかの磁気記録再
    生装置。
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