JPH0732026Y2 - 型締シリンダの制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、射出成形機の型締装置において、型締シリン
ダに供給される油圧を制御するための装置に関するもの
である。

（従来の技術） 従来、加熱シリンダ内で加熱され流動化された成形材料
を高圧により金型内に射出し、その中で冷却固化又は硬
化させ、次いで金型を開いて成形品を取り出すようにし
た射出成形機には、機台上に型締装置と射出装置が設置
されている。そして、該型締装置により、可動金型を固
定金型に当接させる高速型閉じ工程、射出時の成形材料
の高圧に抗して金型を締め付ける高圧型締め工程、高圧
下で型を開く高圧型開き工程、高速で型を開く高速型開
き工程の各工程が行われる。

第２図に、上記従来の型締シリンダの制御装置における
油圧回路図を示す。

図において、１はピストン２の両側の油室3,4に圧油を
供給することができるように配設された型締シリンダ
で、油圧の給排によりピストン２を矢印Ａ方向に移動さ
せて型開きを行い、矢印Ｂ方向に移動させて型閉じを行
う。そのため、ピストン２から延びるロッド５は可動金
型を保持する可動プラテンと連結されている。

６は油を供給する可変容量形の油圧ポンプ、７は該油圧
ポンプとオイルタンク８の間にあって油をろ過するため
のフィルタである。

また、９は油圧ポンプ６からの圧油を型締シリンダ１の
油室3,4に選択的に供給するための電磁切換弁であり、
弁をＩ位置にすることによって油室３内に圧油を供給
し、II位置にすることによって油室４内に圧油を供給す
るとともに、Ｎ位置にすることによって型締シリンダを
中立状態とする。10は上記油室３内の圧油が成形材料の
圧力等により逆流するのを防止するためのチェック弁で
ある。

11は油圧ポンプ６からの圧油を他のアクチュエータに供
給する油路である。

上記油圧ポンプ６はモータ15によって回転させられるポ
ンプ本体16、ポンプ本体16から吐出される油の圧力を検
出する圧力センサ17、油の圧力及び流量を設定値と比較
するための比較器18、圧力及び流量を設定値に維持する
ための弁19,19′、油圧ポンプ６の容量を可変とするた
めの機構を操作するアクチュエータ20、該機構の状態を
検出するためのセンサ21及びリリーフ弁22を内蔵してい
る。上記圧力設定及び流量設定は、比較器18に接続され
た制御装置25によって行われる。

上記構成の型締シリンダの制御装置においては、電磁切
換弁９を切り換えるとともに、圧力センサ17を内蔵した
油圧ポンプ６の流量及び圧力が制御され、型締シリンダ
１が駆動される。

そして、型締シリンダ１が前進して高速型閉じを行い金
型が閉鎖されると、続いて上記油圧ポンプ６の比較器18
に制御装置25から高圧型締めのための型締力の設定信号
が入力される。上記圧力センサ17の検出圧力と該設定値
とが等しくなるように圧力制御が行われ、型締シリンダ
１の油室３に高圧の圧油が供給される。

さらに、高圧型締めの工程における油の昇圧を確認する
ために、昇圧確認専用圧力スイッチ26が設けられてい
て、油室３内の圧力を該昇圧確認専用圧力スイッチ26で
検出することにより昇圧が行われたか否かを判断するこ
とができる。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記従来の型締シリンダの制御装置にお
いては、昇圧確認専用圧力スイッチ26を型締シリンダ１
の油室３に連通させて配設する必要があり、コストを高
くしている。

また、型締装置における型締力の変更は、型締シリンダ
１への油圧を変更することにより行われるが、型締シリ
ンダ１への油圧を一旦変更すると、昇圧確認専用圧力ス
イッチの設定圧も変更しないと昇圧の確認ができなくな
り、操作性が悪い。

本考案の目的は、上記従来の型締シリンダの制御装置の
問題点を解決して、高圧型締め時の昇圧確認専用圧力ス
イッチを配設する必要がなく、型締力を変更した場合に
おいても操作性を悪くすることのない型締シリンダの制
御装置を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） そのために、本考案の型締シリンダの制御装置において
は、圧力センサを内蔵した油圧ポンプと、電磁切換弁を
介して該油圧ポンプに接続された型締シリンダし、油圧
ポンプの吐出油圧を設定するための手段と、高圧型締め
時の昇圧確認用の油圧を設定するための手段とを有する
とともに、両設定手段を圧力センサに接続している。

（作用） 本考案によれば、上記のように圧力センサを内蔵した油
圧ポンプと、電磁切換弁を介して該油圧ポンプに接続さ
れた型締シリンダと、吐出油圧を設定するための手段
と、高圧型締め時の昇圧確認用の油圧を設定するための
手段と、上記両設定手段を圧力センサに接続しているの
で、該圧力センサにより吐出油圧を検出するとともに、
高圧型締め時の油の昇圧を確認することができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例について第１図に基づき詳細に説
明する。

第１図は本考案の型締シリンダの制御装置における油圧
回路図である。

図において、１はピストン２の両側の油室3,4に圧油を
供給することができるように配設された型締シリンダ
で、油圧の給排によりピストン２を矢印Ａ方向に移動さ
せて型開きを行い、矢印Ｂ方向に移動させて型閉じを行
うことができる。そのため、ピストン２から延びるロッ
ド５は可動金型を保持する図示しない可動プラテンと連
結されている。

６は油を供給する圧力センサを内蔵する可変容量形の油
圧ポンプ、７は該油圧ポンプとオイルタンク８の間にあ
って油をろ過するためのフィルタである。

また、９は油圧ポンプ６からの圧油を型締シリンダ１の
油室3,4に選択的に供給するための電磁切換弁であり、
弁をＩ位置にすることによって油室３内に供給してピス
トン２を右方へ移動させ、II位置にすることによって油
室４内に圧油を供給してピストン２を右方へ移動させる
とともに、型締シリンダをＮ位置にすることによってピ
ストン２を中立状態とする。10は上記油室４内の圧油が
成形材料の圧力等により逆流するのを防止するためのチ
ェック弁であり、11は油圧ポンプ６からの圧油を他のア
クチュエータに供給する油路である。

上記油圧ポンプ６はモータ15によって回転させられるポ
ンプ本体16、ポンプ本体16から吐出される油の圧力を検
出する圧力センサ17、油の圧力及び流量を設定値と比較
する比較器18、圧力及び流量を設定値に維持するための
弁19,19′、油圧ポンプ６の容量を可変とするための機
構を操作するアクチュエータ20、該機構の状態を検出す
るためのセンサ21及びリリーフ弁22を内蔵している。そ
して、上記圧力設定及び流量設定は、比較器18に接続さ
れた制御装置25によって行われる。

上記構成の型締シリンダの制御装置においては、電磁切
換弁９を切り換えるとともに、圧力センサ17を内蔵した
油圧ポンプ６の流量及び圧力が制御され、型締シリンダ
１が駆動される。

そして、型締シリンダ１が前進して高速型閉じを行い、
金型が閉鎖されると、続いて上記油圧ポンプ６の比較器
18に制御装置25から高圧型締めのための型締力の設定信
号が入力される。上記圧力センサ17の検出圧力と該設定
値とが等しくなるように圧力制御が行われ、型締シリン
ダ１の油室３に高圧の圧油が供給されて高圧型締めが行
われる。

また、上記油圧ポンプ16から吐出される油の油圧を検出
するための圧力センサ17の信号は、上記比較器18に送ら
れるとともに、昇圧確認用の比較器30にも送られる。

該昇圧確認用の比較器30は、高圧型締めの工程における
油の昇圧を確認するためのものであり、制御装置25によ
って設定された昇圧確認用の設定圧力と、上記圧力セン
サ17で検出した圧力とを比較して、その出力を制御装置
25に送るようになっている。

したがって、吐出油圧を検出するための圧力センサ17を
昇圧確認のためのセンサとしても使用することが可能に
なる。

このように昇圧を確認した後、ノズルが前進させられ射
出工程に移る。

なお、本考案は上記実施例に限定されるものではなく、
本考案の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、それら
を本考案の範囲から排除するものではない。

例えば、本実施例においては射出成形機について説明し
ているが、上記構成をダイキャストマシン、ゴム成形
機、又はIC封止装置（トランスファマシン）の型締シリ
ンダの制御装置に採用することもできる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、圧力センサを内
蔵した油圧ポンプと、電磁切換弁を介して該油圧ポンプ
に接続された型締シリンダと、吐出油圧を設定するため
の手段と、高圧型締め時の昇圧確認用の油圧を設定する
ための手段と、上記両設定手段を圧力センサに接続する
ようにしているので、該圧力センサにより高速型閉じ時
の圧力を検出するとともに、高圧型締め時の油の昇圧を
確認することができるようになる。

したがって、昇圧確認専用の圧力スイッチを配設する必
要がなくなるので、コストを低減することができるよう
になる。

また、型締力を変更した場合に、昇圧確認のために設定
値変更を何ら行う必要がなくなるので、操作性を向上す
ることができるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の型締シリンダの制御装置における油圧
回路図、第２図は従来の型締シリンダの制御装置におけ
る油圧回路図である。 １…型締シリンダ、２…ピストン、3,4…油室、５…ロ
ッド、６…油圧ポンプ、９…電磁切換弁、10…チェック
弁、15…モータ、16…ポンプ本体、17…圧力センサ、1
8,30…設定器、25…制御装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】（ａ）圧力センサを内蔵した油圧ポンプ
   と、 （ｂ）電磁切換弁を介して該油圧ポンプに接続された型
   締シリンダと、 （ｃ）油圧ポンプの吐出油圧を設定するための手段と、 （ｄ）高圧型締め時の昇圧確認用の油圧を設定するため
   の手段と、 （ｅ）両設定手段を上記圧力センサに接続することを特
   徴とする型締シリンダの制御装置。