JPH07317885A

JPH07317885A - 遊星歯車用回転支持装置

Info

Publication number: JPH07317885A
Application number: JP6110893A
Authority: JP
Inventors: Kazuto Hayakawa; 和人早川
Original assignee: NSK Ltd
Current assignee: NSK Ltd
Priority date: 1994-05-25
Filing date: 1994-05-25
Publication date: 1995-12-08

Abstract

(57)【要約】【目的】必要とする部分に十分量の潤滑油を供給す
る。【構成】間座２３ａの内周縁の幅を狭くし、ノズル孔
２７から空間２２内に潤滑油が送り込まれ易くする。
又、スラストワッシャ１８ａ、１８ａの内側面に、直径
方向に亙る凹溝３３、３３を形成し、スラストワッシャ
１７、１８ａ設置部分の潤滑油の流れを円滑にする。更
に、ノズル孔２７に通じる給油路２５Ａを、支持板５か
ら離れるに従って内径が大きくなるテーパ孔とし、遠心
力によりノズル孔２７に向け潤滑油が送られる様にす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明に係る遊星歯車用回転支
持装置は、自動車用自動変速機やトランスアクスルを構
成する遊星歯車装置に組み込まれる遊星歯車を、支持軸
の周囲に回転自在に支持する為に利用する。

【０００２】

【従来の技術】自動車用自動変速機を構成する遊星歯車
装置は、例えば図１４〜１５に示す様に構成されてい
る。入力軸１は、軸受２によりハウジング３の内側に回
転自在に支承されている。この入力軸１の回転は、ハブ
４を介して支持板５に伝達される。この支持板５には、
上記入力軸１を中心とする同心円上に配置された複数本
の支持軸６、６の基端部を、それぞれ嵌合固定してい
る。そして、これら各支持軸６、６の中間部周囲に遊星
歯車７、７を、それぞれころ軸受８、８を介して回転自
在に支持している。

【０００３】即ち、図１５に詳示する様に、上記各支持
軸６、６の中間部外周面に形成された円筒面状の内輪軌
道１９と、上記各遊星歯車７、７の内周面に形成された
円筒面状の外輪軌道２０との間に、それぞれ複数本ずつ
のころ２１、２１を転動自在に配置している。これら複
数本のころ２１、２１の転動に基づき、上記各支持軸
６、６の周囲で上記各遊星歯車７、７が回転する。又、
上記内輪軌道１９と外輪軌道２０との間の空間２２の中
間部には、間座２３を設けている。この間座２３は、金
属或は合成樹脂等により、図１６に示す様な矩形断面を
有する円環状に形成されている。上記複数本のころ２
１、２１は、この間座２３を挟んで複列に配置されてい
る。

【０００４】上記支持板５と支持軸６、６との内側に
は、互いに連通する給油路２４、２５を設けている。こ
の給油路２４、２５は、上記ハブ４を介して、上記入力
軸１の中心部に形成した主給油路２６に通じている。
又、上記各支持軸６、６の中間部には、その直径方向に
亙るノズル孔２７を形成している。このノズル孔２７の
一端（図１５の上端）は、当該支持軸６の中心部に形成
した給油路２５に連通し、他端（図１５の下端）は、当
該支持軸６の中間部外周面で、上記間座２３の内周縁に
対向する部分に開口している。

【０００５】上記支持軸６の中心部に形成した給油路２
５の先端部（図１５の左端部）は、プラグ２８により塞
いでいる。又、この給油路２５の基端部（図１５の右端
部）には、直径方向（図１５の上下方向）に亙る接続部
２５ａを形成している。そして、この接続部２５ａと、
上記支持板５に直径方向に亙って形成した給油路２４と
を整合させて、これら両給油路２４、２５同士を連通さ
せている。又、上記給油路２４の直径方向外端から挿入
したピン２９を、上記接続部２５ａの端部に圧入してい
る。このピン２９は、上記接続部２５ａの一端（図１５
の上端）開口を塞いで、上記給油路２４から送り込まれ
る潤滑油が総て上記ノズル孔２７に送られる様にすると
共に、上記支持軸６が支持板５に対し回転する事を防止
する。

【０００６】又、上記各支持軸６、６の先端部（図１５
の左端部）は、円輪状に形成された連結板９に嵌合固定
し、各支持軸６、６の先端部同士を連結している。そし
て、上記各遊星歯車７、７の軸方向（図１４の左右方
向）両端面と上記支持板５及び連結板９の内側面との間
には、図１５に詳示する様に、それぞれスラストワッシ
ャ１７、１８を設けている。これら各スラストワッシャ
１７、１８は金属により、図１７に示す様に円輪状に造
られている。これら各スラストワッシャ１７、１８は、
上記各遊星歯車７、７と上記支持板５及び連結板９の内
側面とが摩擦し合う事を防止すると共に、前記各ころ軸
受８、８を構成するころ２１、２１の端面が、上記支持
板５及び連結板９の内側面を削る事を防止する。

【０００７】一方、上記入力軸１の周囲で上記各遊星歯
車７、７の内側部分には、円筒状の太陽歯車１０を、別
のころ軸受１１、１１を介して、この入力軸１に対する
回転自在に設けている。そして、この太陽歯車１０と上
記各遊星歯車７、７とを噛合させている。又、上記太陽
歯車１０のボス部１２と上記連結板９との間には、スラ
スト軸受１３を設けている。

【０００８】更に、前記ハブ４の周囲には出力歯車１４
を、１対のテーパころ軸受１５、１５により、このハブ
４に対する回転を自在に支持している。そして、この出
力歯車１４の片側面（図１４の左側面）にリング歯車１
６を支持し、このリング歯車１６と上記各遊星歯車７、
７とを噛合させている。

【０００９】上述の様に構成される遊星歯車装置は、例
えば上記太陽歯車１０とリング歯車１６との回転状態を
切り換える事により、上記入力軸１と出力歯車１４との
回転速度比を変える事ができる。又、遊星歯車装置を組
み込んだ自動変速機の運転中には、図示しないポンプか
ら前記主給油路２６内に送り込まれた潤滑油が、前記給
油路２４、２５を介して前記ノズル孔２７に送り込まれ
る。そして、このノズル孔２７から潤滑油が、前記内輪
軌道１９と外輪軌道２０との間の空間２２内に吐出し、
これら各軌道１９、２０と前記複数のころ２１、２１の
転動面とを潤滑する。

【００１０】上記各軌道１９、２０と複数のころ２１、
２１の転動面とを潤滑した後、潤滑油は、前記各スラス
トワッシャ１７、１８の側面同士の間、並びにこれら各
スラストワッシャ１７、１８の側面と、前記支持板５及
び前記連結板９の内側面或は前記遊星歯車７の両端面と
の間の隙間を通過して、上記空間２２外に流出する。そ
して空間２２外に流出した潤滑油は、再び上記ポンプに
吸引されて、自動変速機各部の潤滑に供される。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の遊星
歯車用回転支持装置に於いては、条件が厳しい場合には
潤滑を必要とする部分、即ち、内輪軌道１９及び外輪軌
道２０と複数のころ２１、２１の転動面との当接部分、
並びに遊星歯車７の両端面と支持板５及び連結板９の内
側面との間で、スラストワッシャ１７、１８の設置部分
の潤滑を十分に行えない可能性があった。即ち、遊星歯
車装置を組み込んだ自動車用自動変速機の場合、変速機
ケース内に貯溜した潤滑油（オートマチックフルードと
兼用する）をポンプにより潤滑が必要な各部に圧送する
が、遊星歯車７の回転支持部は、潤滑油供給用の油圧回
路の末端に位置する。又、この油圧回路は途中で複数に
分岐しており、末端は複数個所存在する。

【００１２】従って、末端部分である遊星歯車用回転支
持部で、潤滑油の流れに対する抵抗が大きくなると、潤
滑油が他の末端部分に多く流れ、抵抗が大きい末端部分
に流れる量が少なくなってしまう。又、末端部分の抵抗
増大は、上記ポンプの背圧を高め、このポンプを駆動す
る為に要する動力が嵩む原因となって、遊星歯車装置を
組み込んだ自動変速機等の性能を低下させる原因とな
る。従って、遊星歯車用回転支持部の潤滑を十分に行わ
せ、しかも上記自動変速機等の性能を向上させる為に
は、複数設けられた各遊星歯車用回転支持部の（潤滑油
通過に対する）抵抗を小さくする必要がある。ところ
が、従来の遊星歯車用回転支持装置の場合、次の〜
の様な原因によって、この回転支持装置部分の抵抗が必
ずしも小さくなかった。

【００１３】ノズル孔２７の開口が間座２３の内周
縁に近接している為、ノズル孔２７と空間２２との間の
流路面積が狭い。即ち、従来構造の場合には、図１５に
示す様に、上記間座２３の内径が支持軸６の外径よりも
僅かに大きいだけであり、しかもこの間座２３の内周縁
が上記ノズル孔２７の開口に対向していた。この為、こ
のノズル孔２３の開口のうちの多くの部分が上記間座２
３で塞がれ、上記流路面積が狭くなって、潤滑油の流れ
に対する抵抗が大きくなっていた。

【００１４】前記ワッシャ１７、１８設置部分の潤
滑油流路が、幅が狭く、しかも長い為、潤滑油が流通し
にくい。この結果、各スラストワッシャ１７、１８の側
面同士の間、並びにこれら各スラストワッシャ１７、１
８の側面と、前記支持板５及び前記連結板９の内側面或
は前記遊星歯車７の両端面との間の隙間内に十分な量の
潤滑油が送り込まれにくくなる。この結果、このスラス
トワッシャ１７、１８設置部分の潤滑が不十分となり、
この部分で焼き付きが発生する可能性が生じるだけでな
く、上記空間２２内の潤滑油の入れ替わりも不良とな
る。この結果、前記内輪軌道１９及び外輪軌道２０と複
数のころ２１、２１の転動面との間の潤滑も不良とな
る。

【００１５】支持板５内に設けた給油路２４から支
持軸６の中心部に設けた給油路２５内に入り込んだ潤滑
油が、必ずしも有効にノズル孔２７内に送り込まれな
い。この結果、この給油路２５内に潤滑油が滞留し、こ
れら給油路２４、２５内の抵抗が増大する。この結果、
上記空間２２内やスラストワッシャ１７、１８設置部分
に送り込まれる潤滑油が不足する可能性が生じる。

【００１６】本発明の遊星歯車用回転支持装置は、これ
ら〜に示した原因の少なくとも１個をなくす事によ
り、潤滑油の流通に対する抵抗を減少させ、潤滑を必要
とする各部に十分量の潤滑油を送り込める様にするもの
である。

【００１７】

【課題を解決するための手段】本発明の遊星歯車用回転
支持装置は何れも、支持板と、一端部をこの支持板に支
持固定され、中間部外周面を円筒面状の内輪軌道とした
支持軸と、外周面に歯を、内周面に円筒面状の外輪軌道
を、それぞれ形成し、上記支持軸の周囲に回転自在に設
けられ、外側に設けられたリング歯車及び内側に設けら
れた太陽歯車と噛合する遊星歯車と、上記内輪軌道と外
輪軌道との間に転動自在に設けられた複数本のころと、
上記支持板及び上記支持軸の内側に設けられ、互いに連
通する給油路と、この給油路にその一端を連通させ、上
記支持軸の中間部外周面にその他端を開口させたノズル
孔とを備えている。

【００１８】又、請求項１〜２に記載した遊星歯車用回
転支持装置の場合には、上記外輪軌道の中間部内周面に
は円環状の間座が設けられており、上記内輪軌道と外輪
軌道との間にはこの間座を介してそれぞれ複数本ずつの
ころが複列に配置されており、上記ノズル孔の他端は上
記間座の内周縁に対向する部分に開口している。

【００１９】特に、請求項１に記載した遊星歯車用回転
支持装置に於いては、上記間座の内周縁寄り部分の軸方
向厚さが、この間座の本体部分で上記複列に配置された
ころの端面が当接する部分の軸方向厚さよりも小さい。

【００２０】又、請求項２に記載した遊星歯車用回転支
持装置に於いては、上記間座の直径方向厚さが上記内輪
軌道と上記外輪軌道との間隔の半分よりも小さく、この
間座の内周縁と上記ノズル孔の開口との間に十分に大き
な隙間が存在する。

【００２１】又、請求項３に記載した遊星歯車用回転支
持装置の場合には、上記支持板の側面と上記遊星歯車の
軸方向端面との間にスラストワッシャが設けられてい
る。特に、請求項３に記載した遊星歯車用回転支持装置
に於いては、このスラストワッシャの少なくとも片面に
は、直径方向に亙る曲率を持った凹溝が形成されてい
る。

【００２２】更に、請求項４に記載した遊星歯車用回転
支持装置に於いては、上記支持軸内に設けられた給油路
は、上記支持板から離れるに伴って内径が大きくなるテ
ーパ孔である。

【００２３】

【作用】上述の様に構成される本発明の遊星歯車装置用
回転支持装置の場合には、潤滑油の流通に対する抵抗を
小さくして、必要とする部分に十分な潤滑油を供給でき
る。

【００２４】先ず、請求項１、２に記載した遊星歯車装
置用回転支持装置の場合には、間座の内周縁とノズル孔
の開口との間に十分に大きな面積の大きな潤滑油流路が
形成される。従って、前記の様な、ノズル孔開口部で
の抵抗増大の原因がなくなる。

【００２５】又、請求項３に記載した遊星歯車装置用回
転支持装置の場合には、凹溝がポンプ作用をし、この凹
溝を通じて十分量の潤滑油が流れる為、前記の様なス
ラストワッシャ設置部分での抵抗増大の原因がなくな
る。

【００２６】更に、請求項４に記載した遊星歯車装置用
回転支持装置の場合には、支持軸の公転運動に基づく遠
心力によって、給油路内に入り込んだ潤滑油が支持板か
ら離れる方向に流れる。従って、この給油路内での潤滑
油の流れが円滑になり、前記の様な、給油路部分での
抵抗増大の原因がなくなる。

【００２７】

【実施例】図１〜２は、請求項１に対応する、本発明の
第一実施例を示している。尚、前述した従来構造と同等
部分には同一符号を付して重複する説明を省略し、以
下、本発明の特徴部分を中心に説明する。

【００２８】空間２２の軸方向（図１の左右方向）中間
部に配置され、複列に配置されたころ２１、２１同士を
仕切る間座２３ａは金属により、図２に示す様な円環状
に形成されている。この間座２３ａは、外輪軌道２０の
直径と同じか僅かに小さい外径と、内輪軌道１９の直径
よりも大きな内径とを有する。

【００２９】又、この間座２３ａの軸方向両端面内周縁
寄り部分には、互いに逆方向に傾斜した傾斜面３０、３
０を形成している。この傾斜面３０、３０の存在に基づ
き、上記間座２３ａの内周縁寄り部分の軸方向に亙る厚
さが、内周縁に向かう程小さくなっている。そして、こ
の間座２３ａの内周縁の幅寸法ｗは、ノズル孔２７の開
口の直径ｄよりも十分に小さく（ｗ≪ｄ）なっている。
上記各ころ２１、２１の端面は、上記各傾斜面３０、３
０よりも外周寄り部分で、厚さ寸法が十分に大きな部分
に当接する。従って、遊星歯車７の回転に伴ってこれら
各ころ２１、２１の端面が間座２３ａの側面に衝突して
も、この間座２３ａの強度は十分に確保される。

【００３０】上述の様に構成される本発明の遊星歯車装
置用回転支持装置の場合には、上記間座２３ａの内周縁
とノズル孔２７の開口との間に、十分に大きな面積の大
きな潤滑油流路が形成される。従って、ノズル孔２７か
ら吐出される潤滑油は、特に流路を絞られる事なく、こ
ろ２１、２１を配置した空間２２内に流入する。従っ
て、これら各ころ２１、２１の転動面と上記内輪軌道１
９及び外輪軌道２０との当接部に十分量の潤滑油を送り
込める。

【００３１】次に、図３〜５は、請求項２に対応する、
本発明の第二実施例を示している。本実施例の場合に
は、複列に配置されたころ２１、２１同士を仕切る間座
２３ｂの直径方向（図３〜４の上下方向）に亙る厚さＴ
を、内輪軌道１９と外輪軌道２０との間隔Ｄの半分以下
（Ｔ≦Ｄ／２）と、十分に小さくしている。即ち、上記
間座２３ｂの外径は、外輪軌道２０の直径よりも僅かに
小さく、この間座２３ｂの内径は内輪軌道１９の直径よ
りも十分に大きい。従って、この間座２３ｂの内周縁と
上記ノズル孔２７の開口との間には十分に大きな隙間が
存在する。

【００３２】本実施例の場合も、上述した第一実施例の
場合と同様に、間座２３ｂの強度を確保しつつ、この間
座２３ｂの内周縁とノズル孔２７の開口との間に、十分
に大きな面積の大きな潤滑油流路が形成して、各ころ２
１、２１の転動面と上記内輪軌道１９及び外輪軌道２０
との当接部に十分量の潤滑油を送り込める。

【００３３】次に、図６〜８は、請求項２に対応する、
本発明の第三実施例を示している。本実施例の場合に
は、複列に配置されたころ２１ａ、２１ａの軸方向両端
面が球面ではなく平坦面となっている。これに合わせて
間座２３ｃの形状を変えている。即ち、本実施例の場合
には、間座２３ｃの直径方向に亙る厚さＴ´を、上述し
た第二実施例よりも更に小さくしている。各ころ２１
ａ、２１ａの軸方向両端面が平坦である為、この様に間
座２３ｃの厚さＴ´を小さくしても、複列に配置された
ころ２１ａ、２１ａ同士がぶつかり合う事を確実に防止
できる。その他の構成及び作用は、上述した第二実施例
の場合と同様である。

【００３４】次に、図９〜１０は、請求項３に対応す
る、本発明の第四実施例を示している。本実施例の場合
には、支持板５及び連結板９側に設けるスラストワッシ
ャ１８ａ、１８ａの内周縁部分に、外側面側に突出する
円筒部３１、３１を形成している。そして、各円筒部３
１、３１を、上記支持板５及び連結板９の内側面に形成
した凹部３２、３２に嵌合させて、これら両スラストワ
ッシャ１８ａ、１８ａの回転を防止している。

【００３５】又、これら各スラストワッシャ１８ａ、１
８ａの内側面には、直径方向に亙る曲率を持った凹溝３
３、３３を、それぞれ複数本ずつ形成している。図示の
実施例では、これら各凹溝３３、３３を、円周方向に傾
斜しつつ直径方向に変位する円弧形の動圧溝としてい
る。

【００３６】本実施例の遊星歯車装置用回転支持装置の
場合には、上記各スラストワッシャ１８ａ、１８ａの内
側面に形成した凹溝３３、３３のポンプ作用により、各
凹溝３３、３３を通じて、空間２２から遊星歯車７の周
囲に向けて、十分量の潤滑油が流れる。この為、スラス
トワッシャ１８ａ、１７設置部分で潤滑油の流通に対す
る抵抗が増大する事ががなくなる。

【００３７】特に、図示の実施例の場合には、上記各凹
溝３３、３３が動圧溝となっている為、遊星歯車７と共
にスラストワッシャ１７、１７が回転すると、これら各
スラストワッシャ１７、１７の外側面と上記各スラスト
ワッシャ１８ａ、１８ａの内側面との間に動圧が発生
し、これら両スラストワッシャ１７、１８ａの側面同士
が確実に離隔する。この結果、これら各スラストワッシ
ャ１７、１８ａ設置部分の摩擦抵抗が十分に小さくな
る。

【００３８】尚、請求項３に記載された発明を実施する
場合に、必ずしも凹溝を動圧溝とする必要はない。又、
遊星歯車７の両端面と支持板６及び連結板９の内側面と
の間にスラストワッシャを１枚のみ設け、このスラスト
ワッシャの両面にそれぞれ複数本ずつの凹溝を形成する
事もできる。

【００３９】次に、図１１〜１２は請求項４に対応す
る、本発明の第五実施例を示している。本実施例の場合
には、支持軸６内に設けた給油路２５Ａを、支持板５か
ら離れるに伴って内径が大きくなるテーパ孔としてい
る。又、プラグ２８をノズル孔２７の近くにまで押し込
んでいる。

【００４０】本実施例の遊星歯車装置用回転支持装置の
場合には、入力軸１（図１４）を中心とする、上記支持
軸６の公転運動に基づく遠心力によって、上記給油路２
５Ａ内に入り込んだ潤滑油が、上記支持板５から離れる
方向（図１１〜１２の左方向）に流れる。従って、この
給油路２５Ａ内での潤滑油の流れが円滑になり、この給
油路２５Ａ内に潤滑油が滞留する事がなくなって、給油
路２５Ａ部分で抵抗が増大する事がなくなる。

【００４１】尚、図示の実施例の場合には、ノズル孔２
７を支持軸６の直径方向内側に設けているが、直径方向
外側に設ければ、上記公転運動による潤滑油の流れを一
層円滑にし、流通抵抗の減少を図れる。

【００４２】又、請求項１〜４に記載した発明は、それ
ぞれ独立して実施しても、或る程度の効果を得られる。
但し、組み合わせて実施する事により、より潤滑油の流
通抵抗を減少させて、遊星歯車用回転支持装置の潤滑性
向上を図れる。例えば、図１３は、請求項１、３、４に
記載された発明を組み合わせた、本発明の第六実施例を
示している。この様に、複数の発明を組み合わせる事
で、遊星歯車用回転支持装置の各部に十分量の潤滑油を
流通させて、潤滑油不足等、条件が厳しい場合にも焼き
付き等の故障が発生する事を、より確実に防止できる。

【００４３】

【発明の効果】本発明の遊星歯車用回転支持装置は、以
上に述べた通り構成され作用する為、必要とする部分に
十分量の潤滑油を送り込む事ができ、摩耗の低減、焼き
付き等の故障の発生防止を図れ、自動車用自動変速機
等、遊星歯車装置を組み込んだ各種機械装置の耐久性並
びに信頼性の向上を図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一実施例を示す、要部断面図。

【図２】第一実施例に使用する間座を示しており、
（Ａ）は正面図、（Ｂ）は側面図である。

【図３】本発明の同第二実施例を示す、要部断面図。

【図４】図３のイ部拡大図。

【図５】第二実施例に使用する間座を示しており、
（Ａ）は正面図、（Ｂ）は側面図である。

【図６】本発明の第三実施例を示す、要部断面図。

【図７】図６のロ部拡大図。

【図８】第三実施例に使用する間座を示しており、
（Ａ）は正面図、（Ｂ）は側面図である。

【図９】本発明の第四実施例を示す、要部断面図。

【図１０】第四実施例に使用するスラストワッシャを示
しており、（Ａ）は正面図、（Ｂ）は側面図である。

【図１１】本発明の第五実施例を示す、要部断面図。

【図１２】同じく支持軸のみを取り出して示す断面図。

【図１３】本発明の第六実施例を示す、要部断面図。

【図１４】遊星歯車装置の１例を示す、要部断面図。

【図１５】従来構造の１例を示す、要部断面図。

【図１６】従来構造に組み込まれていた間座を示してお
り、（Ａ）は正面図、（Ｂ）は側面図である。

【図１７】従来構造に組み込まれていたスラストワッシ
ャを示しており、（Ａ）は正面図、（Ｂ）は側面図であ
る。

【符号の説明】

１入力軸２軸受３ハウジング４ハブ５支持板６支持軸７遊星歯車８ころ軸受９連結板１０太陽歯車１１ころ軸受１２ボス部１３スラスト軸受１４出力歯車１５テーパころ軸受１６リング歯車１７、１８、１８ａスラストワッシャ１９内輪軌道２０外輪軌道２１、２１ａころ２２空間２３、２３ａ、２３ｂ、２３ｃ間座２４、２５、２５Ａ給油路２５ａ接続部２６主給油路２７ノズル孔２８プラグ２９ピン３０傾斜面３１円筒部３２凹部３３凹溝

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】支持板と、一端部をこの支持板に支持固
定され、中間部外周面を円筒面状の内輪軌道とした支持
軸と、外周面に歯を、内周面に円筒面状の外輪軌道を、
それぞれ形成し、上記支持軸の周囲に回転自在に設けら
れ、外側に設けられたリング歯車及び内側に設けられた
太陽歯車と噛合する遊星歯車と、上記内輪軌道と外輪軌
道との間に転動自在に設けられた複数本のころと、上記
支持板及び上記支持軸の内側に設けられ、互いに連通す
る給油路と、この給油路にその一端を連通させ、上記支
持軸の中間部外周面にその他端を開口させたノズル孔と
を備え、上記外輪軌道の中間部内周面には円環状の間座
が設けられており、上記内輪軌道と外輪軌道との間には
この間座を介してそれぞれ複数本ずつのころが複列に配
置されており、上記ノズル孔の他端は上記間座の内周縁
に対向する部分に開口している遊星歯車用回転支持装置
に於いて、上記間座の内周縁寄り部分の軸方向厚さ寸法
が、この間座の本体部分で上記複列に配置されたころの
端面が当接する部分の軸方向厚さ寸法よりも小さい事を
特徴とする遊星歯車用回転支持装置。
【請求項２】支持板と、一端部をこの支持板に支持固
定され、中間部外周面を円筒面状の内輪軌道とした支持
軸と、外周面に歯を、内周面に円筒面状の外輪軌道を、
それぞれ形成し、上記支持軸の周囲に回転自在に設けら
れ、外側に設けられたリング歯車及び内側に設けられた
太陽歯車と噛合する遊星歯車と、上記内輪軌道と外輪軌
道との間に転動自在に設けられた複数本のころと、上記
支持板及び上記支持軸の内側に設けられ、互いに連通す
る給油路と、この給油路にその一端を連通させ、上記支
持軸の中間部外周面にその他端を開口させたノズル孔と
を備え、上記外輪軌道の中間部内周面には円環状の間座
が設けられており、上記内輪軌道と外輪軌道との間には
この間座を介してそれぞれ複数本ずつのころが複列に配
置されており、上記ノズル孔の他端は上記間座の内周縁
に対向する部分に開口している遊星歯車用回転支持装置
に於いて、上記間座の直径方向厚さが上記内輪軌道と上
記外輪軌道との間隔の半分よりも小さく、この間座の内
周縁と上記ノズル孔の開口との間に十分に大きな隙間が
存在する事を特徴とする遊星歯車用回転支持装置。
【請求項３】支持板と、一端部をこの支持板に支持固
定され、中間部外周面を円筒面状の内輪軌道とした支持
軸と、外周面に歯を、内周面に円筒面状の外輪軌道を、
それぞれ形成し、上記支持軸の周囲に回転自在に設けら
れ、外側に設けられたリング歯車及び内側に設けられた
太陽歯車と噛合する遊星歯車と、上記内輪軌道と外輪軌
道との間に転動自在に設けられた複数本のころと、上記
支持板及び上記支持軸の内側に設けられ、互いに連通す
る給油路と、この給油路にその一端を連通させ、上記支
持軸の中間部外周面にその他端を開口させたノズル孔と
を備え、上記支持板の側面と上記遊星歯車の軸方向端面
との間にスラストワッシャが設けられている遊星歯車用
回転支持装置に於いて、このスラストワッシャの少なく
とも片面には、直径方向に亙る曲率を持った凹溝が形成
されている事を特徴とする遊星歯車用回転支持装置。
【請求項４】支持板と、一端部をこの支持板に支持固
定され、中間部外周面を円筒面状の内輪軌道とした支持
軸と、外周面に歯を、内周面に円筒面状の外輪軌道を、
それぞれ形成し、上記支持軸の周囲に回転自在に設けら
れ、外側に設けられたリング歯車及び内側に設けられた
太陽歯車と噛合する遊星歯車と、上記内輪軌道と外輪軌
道との間に転動自在に設けられた複数本のころと、上記
支持板及び上記支持軸の内側に設けられ、互いに連通す
る給油路と、この給油路にその一端を連通させ、上記支
持軸の中間部外周面にその他端を開口させたノズル孔と
を備えた遊星歯車用回転支持装置に於いて、上記支持軸
内に設けられた給油路は、上記支持板から離れるに伴っ
て内径が大きくなるテーパ孔である事を特徴とする遊星
歯車用回転支持装置。