JPH07279881A

JPH07279881A - 自動車の燃料タンクから内燃機関へ燃料を送出する装置ユニット

Info

Publication number: JPH07279881A
Application number: JP7076595A
Authority: JP
Inventors: Willi Strohl; シュトロールヴィリ; Jochen Rose; ローゼヨッヘン
Original assignee: Robert Bosch GmbH
Current assignee: Robert Bosch GmbH
Priority date: 1994-04-02
Filing date: 1995-03-31
Publication date: 1995-10-27
Also published as: US5516259A; DE4411627A1

Abstract

(57)【要約】【目的】燃料の流れによる非対称的な圧力分布に起因
する、羽根車とポンピング室の端壁との間の極めて僅か
な軸方向間隙における羽根車の傾斜、ひいてはまたポン
ピング室端壁面との接触（高い摩耗と高いノイズを生じ
る）を避けるための液力クッションを発生させる凹部の
羽根車における配置形式を改良する。【構成】凹部３３を、羽根車１の羽根５をこれらの半
径方向外側に向い端部のところで結合し羽根車を周方向
で制限している外側リング７の範囲に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、請求項１の上位概念部
に記載の形式の、自動車の燃料タンクから内燃機関へ燃
料を送出する装置ユニットに関する。

【０００２】

【従来の技術】ＵＳ−ＰＳ４８５４８３０号明細書
から公知の送出装置ユニットでは、電動機が流体ポンプ
（Stroemungspumpe）として構成されたフィードポンプ
の羽根車を回転駆動する。外周に半径方向外方に向いた
多数の羽根が配置されているこの円板状の羽根車はこの
場合円筒形のポンピング室内で回転し、該ポンピング室
は前記羽根車の軸方向では２つの互いに反対側にある端
壁によりかつ半径方向では１つの環状壁によって制限形
成されている。ポンピング室の軸方向の端壁にはこの場
合羽根の高さにそれぞれ１つの、羽根車回転軸線を中心
にして部分リング状に延びている溝が設けられており、
該溝は羽根車と１つの送出通路を形成し、該送出通路は
その一端にある、ポンピング室内への入口開孔から、他
端にある出口開孔へ延びており、この場合羽根車の回転
運動中燃料が前記入口開孔からポンピング室内へ吸い込
まれ、前記出口開孔から高圧で排出される。

【０００３】この場合、羽根車とポンピング室の端壁と
の間に極めて僅かな軸方向間隙があるときに、燃料の流
れにによる非対称的な圧力分布に起因する羽根車の傾
斜、ひいてはまた端壁面との接触−これは高い摩耗と高
いノイズを生じる−を避けるために、公知の送出装置ユ
ニットは、羽根車の軸方向の端面に凹部を有しており、
該凹部には羽根車の回転運動中燃料が充填され、羽根車
とポンピング室の軸方向端壁との間に液圧クッションが
生じるようになっている。

【０００４】この場合公知の送出装置ユニットでは、羽
根車内における凹部の形状的構成に関して種々異なる可
能性が示されまた記載されているが、この場合凹部は常
に羽根車の軸方向の端壁に限られている。このことはし
かし、液力クションもまた常に半径方向で送出通路の内
側にある範囲だけに制限される欠点を有する。これに対
して、軸方向圧力は送出通路の高さで優勢に羽根車に作
用し、かつ羽根車軸線から比較的大きく離れた部位で作
用するため（テコ作用）、液力クッションよりも大きな
合力を軸方向で羽根車に対して作用させ、その結果公知
の送出装置ユニットにおける液力クッションの形成によ
っては羽根車の傾斜を十分確実に避けることができな
い。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は前記公
知の送出装置ユニットの欠点を排除することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記課題は本発明によれ
ば請求項１記載の特徴を有する手段によって解決されて
いる。

【０００７】

【発明の効果】請求項１記載の特徴を有する本発明によ
る送出装置ユニットは以下の利点を有している。即ち、
送出通路の半径方向外側にある範囲への凹所の配置によ
り、液力クッションが送出通路の半径方向外側で生ぜし
められかつ、羽根車軸線からの大きな距離を介して大き
な軸方向力が羽根車に対して生ぜしめられ、従ってまた
大きな戻し力が羽根車に対して作用せしめられる。送出
通路の半径方向外側に配置された、羽根車を取り囲む外
側リングに作用するこの軸方向力は、従って送出通路の
半径方向内側で作用する軸方向力よりも有効であり、羽
根車の傾斜、ひいてはポンピング室端壁の一方への接触
を確実に避けることを可能にし、この場合外側リングに
おける凹部への燃料の充填は送出通路内における圧力比
の他、ポンピング室内において回転する燃料の遠心力の
作用によっても確実に保証される。

【０００８】この場合有利な形式において凹部の配置は
羽根車内にもまたポンピング室端壁内にも可能である。

【０００９】凹部の形状は、羽根車の回転方向と無関係
な構成としては対称な槽状にするのが有利である。

【００１０】しかし凹部への確実な充填のためには該凹
部を斜めに配置し、かつこの場合凹部の、外側リングの
周面又は送出通路の範囲へそれぞれ開口する端部とは反
対側の端部が、羽根車の回転方向に対して逆向きに向い
ているようにするのが有利である。さらに凹部の斜めに
傾斜した範囲の横断面が、羽根車の回転方向に向いてい
る端部まで、ランプウエイ（傾斜路）状に増大している
ようにすると凹部への確実な燃料の充填にさらに有利で
ある。

【００１１】斜めに傾斜した凹部は周面の範囲から始ま
って半径方向内側へ向かって、又は送出通路の範囲から
始まって半径方向外側へ向かって延びるように配置する
ことができ、この場合羽根車の位置の確実な安定化のた
めに、前記両構成のいずれか一方だけの構成も、また前
記両構成を交互に採用した構成も可能であり、このよう
な構成は特にスペースの節減にも役立つ。

【００１２】凹部のさらに別の有利な構成は屈曲した形
状によってえられ、該形状は確実な充填と申し分のない
圧力の発生を可能にする。

【００１３】

【実施例】本発明にとって重要な構造部分だけで図示さ
れている、自動車の燃料タンクから燃料を内燃機関へ送
出する装置ユニットでは、図示されていない電動機が、
流体ポンプとして構成された図１のフィードポンプの羽
根車１をロータ軸を介して回転駆動する。中心に配置さ
れた異形の輪郭の連行用穴３を介して回動不能にロータ
軸に結合可能な円板状羽根車１は外周に、半径方向外方
に向けられた羽根５の冠を有し、該羽根の半径方向外方
に向いている端部は羽根車１の外周側を取り囲んでいる
外側リング７によって互いに結合されている。

【００１４】羽根車１は、図２に詳細に示されている円
筒形のポンピング室９内に配置されており、該ポンピン
グ室９は、羽根車１の軸方向では、２つの互いに向かい
合っている端壁１１，１３によって、かつ周方向では、
環状壁１５によって制限され形成されている。この場
合、図１からも判るように、ポンピング室９の第１の端
壁１１は、吸込導管接続部１７を有するフィードポンプ
の吸込側の蓋１９に、また第２の端壁１３はフィードポ
ンプを電動機側で制限している出口側の蓋２１に配置さ
れている。環状壁１５は吸込側の蓋１９と出口側の蓋２
１との間に締め込まれ両蓋の相互間隔を固定しているス
ペーサリング２３によって形成されており、該スペーサ
リング２３の適宜の寸法を介して羽根車１と両端壁１
１，１３との間に残される軸方向間隙を選択することが
でき、この場合該スペーサリング２３は吸込側又は出口
側の蓋１９，２１の一部であることも可能である。

【００１５】端壁１１，１３内にはそれぞれ、羽根車１
の羽根５の高さに互いに向かい合って位置していて部分
リング状に、羽根車１の回転軸線を中心にして延びてい
る溝２５が設けられており、該溝は羽根車１と１つの送
出通路２７を形成し、該通路はこの場合、公知の形式
で、その一方の端部にあって吸込側の蓋１９内の、吸込
導管接続部１７に接続した入口開孔２９から、出口側の
蓋２１内に配置された出口開孔３１へ通じている。フィ
ードポンプの運転中における羽根車１の軸方向の位置を
安定化するため、図３〜図６にも示されているように、
槽状溝の形の凹部３３がポンピング室９の外側リング７
又は端壁１１，１３に配置されている。これらの凹部３
３は外側リング７又はポンピング室９の外周に亙って等
間隔に分配されており、図１では屈曲した形状を有し、
この場合この屈曲した凹部４９の羽根車１の周方向に向
いている範囲が羽根車軸線に対して半径方向に向いてい
る範囲に続いている。屈曲した凹部４９の、羽根車１の
周方向に向いている範囲はこの場合羽根車１の回転方向
に対して逆向きに向いておりかつ半径方向範囲に向かう
方向で増大する横断面を有し、この場合該半径方向範囲
は半径方向内側に向いていても外側に向いていてもよ
く、又は図示のように、交互に半径方向で内側及び外側
に向いていてもよい。

【００１６】羽根車１の外側リング７内の図３〜図６に
示されている凹部３３は外側リング７の半径方向で外側
に向いている周面３５から又は送出通路２７から外側リ
ング幅Ａ（図４）のほぼ半分の部位まで延びており、こ
の場合凹部３３の、外側リング７の端面側に加工されて
いる面の輪郭は、図４に示されているように、湾曲して
いる。

【００１７】凹部３３はこの場合図３に示されているよ
うに対称形又は斜めに構成することができ、この場合半
径方向で外側に向いている斜めの凹部４５及び半径方向
で内側に向いている凹部４７は、これらの傾斜した端部
が羽根車１の回転方向に対して逆向きになるように、要
するにフィードポンプの運転中における燃料の充填が助
成されるように、向けられている。この場合たんに半径
方向内側にだけ又は外側にだけ向けられた凹部を設ける
ことも可能であり、又はこれらの両者を交互に設けるこ
とも可能である。この場合凹部３３の横断面は出口開口
に向かって連続的に増大している。

【００１８】凹部３３のさらに別の構成は図１に示され
ているような屈曲した形である。この場合屈曲した凹部
４９の半径方向端部はそれぞれ周面３５又は送出通路２
７に開口している。

【００１９】外側リング７の外周面３５における凹部３
３の図５及び図６に示されている出口開口は互いに向か
い合っていてもよくまた互いにずらされていてもよい。
この場合これらの出口開口は図示の実施例では対称形で
ある。

【００２０】本発明の送出装置ユニットは以下のように
作用する。

【００２１】電動機によって回転駆動された羽根車１は
吸込導管接続部１７及び入口開孔２９を介して燃料を燃
料タンクから送出通路２７内へ吸い込む。ここで燃料は
出口開孔３１に向かって通過中、羽根車１内で加速され
た燃料と送出通路２７中を流れる燃料との間でのエネル
ギ交換に基づいて圧力を高められ、高い圧力で出口開孔
３１から、送出装置ユニットのフィードポンプ及び電動
機を受容しているケーシング内へ入り、該ケーシング
の、内燃機関への送出導管に接続した図示されていない
吐出導管接続部へ達する。この場合、燃料送出中羽根車
１とポンピング室９の端壁１１，１３との間の軸方向間
隙を介して漏洩燃料が送出通路２７から流出する。この
漏洩は送出通路２７の高圧側４１（図１）、即ち該送出
通路の真中の範囲から出口開孔３１までの範囲、では、
送出通路２７から前記軸方向間隙内へ、さらにここから
外側リング７又は端壁１１，１３の凹部３３を経て、外
側リングと環状壁１５との間に残されている環状室へ行
われ、また低圧側４３では前記環状室から逆方向で送出
通路２７内へ行われ、その結果凹部３３にはそれぞれ確
実に燃料が充填され、充填された燃料はここで羽根車１
に対して軸方向に負荷される液圧クサビ、即ち羽根車１
と端壁１１，１３との間における液圧クッションを発生
させ、この場合凹部３３の一様な配置に基づき羽根車１
は、ハイドロダイナミック−スラスト軸受の形式でセン
タリングされる。

【００２２】従って構造的に簡単な形式で、羽根車の傾
斜若しくは傾斜に基づくポンピング室端壁面への擦過を
伴う回転が確実に避けられ、この場合羽根車の外周へ
の、羽根車に対する支持及びセンタリング機能を有する
軸方向力の作用は特に効果的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】ポンピング室の端壁内に配置された凹部を有す
る、送出装置ユニットの流体ポンプの分解略示図

【図２】流体ポンプ断面図

【図３】外側リングに種々異なる凹部形状を有する流体
ポンプの羽根車を示す図

【図４】図２の部分ＩＶの、羽根車軸方向断面における
凹部の構成を示す拡大図

【図５】凹部が配置されている外側リングの外周面の拡
大図

【図６】凹部が配置されている外側リングの外周面の拡
大図

【符号の説明】

１羽根車３連行用穴５羽根７外側リング９ポンピング室１１端壁１３端壁１５環状壁１７吸込導管接続部１９吸込側の蓋２１出口側の蓋２３スペーサリング２５溝２７送出通路２９入口開孔３１出口開孔３３凹部３５周面４１高圧側４３低圧側４５外側に向いた凹部４７内側に向いた凹部４９屈曲した凹部

フロントページの続き (72)発明者ヨッヘンローゼドイツ連邦共和国ヘミンゲンミュンヒンガーシュトラーセ 10

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】自動車の燃料タンクから内燃機関へ燃料
を送出する装置ユニットであって、流体ポンプとして構
成されたフィードポンプを有し、該フィードポンプの、
半径方向外側へ向けられた羽根（５）の羽根冠を備え
た、円板状の羽根車（１）が、円筒形のポンピング室
（９）内において回転駆動されるようになっており、該
ポンピング室（９）が羽根車（１）の軸方向では２つの
互いに向かい合って位置する端壁（１１，１３）により
かつ羽根車（１）の周方向では環状壁（１５）により形
成されており、この場合前記両端壁（１１，１３）内
に、それも羽根車（１）の高さに、それぞれ１つの、羽
根車（１）の回転軸線を中心にして部分リング状に延び
ている溝（２５）が配置されており、該溝が羽根車
（１）と１つの送出通路（２７）を形成しており、該送
出通路（２７）はその一方の端部にある入口開孔（２
９）から他方の端部にある出口開孔（３１）へ通じてお
り、かつ羽根車（１）の軸方向の端面又は前記端壁（１
１，１３）内に凹部が設けられていて、該凹部にフィー
ドポンプの運転中燃料が充填され、羽根車（１）とポン
ピング室（９）の端壁（１１，１３）との間に、羽根車
（１）の端面に対して軸方向に作用し該羽根車（１）の
位置を安定化する液力クッションが形成される形式のも
のにおいて、前記凹部（３３）が、羽根車（１）の羽根
（５）をそれらの半径方向外側に向いている端部のとこ
ろで結合しかつ羽根車（１）を周方向で制限している外
側リング（７）の範囲に、配置されていることを特徴と
する、自動車の燃料タンクから内燃機関へ燃料を送出す
る装置ユニット。
【請求項２】凹部（３３）が外側リング（７）に配置
されていることを特徴とする、請求項１記載の装置ユニ
ット。
【請求項３】凹所（３３）が送出通路（２７）の半径
方向外側においてポンピング室（９）の端壁（１１，１
３）に配置されていることを特徴とする、請求項１記載
の装置ユニット。
【請求項４】ハイドロダイナミック軸受を形成する凹
部（３３）が、周方向両サイドで楔状に減少する横断面
を有する対称形の槽状の溝として構成されていることを
特徴とする、請求項３記載の装置ユニット。
【請求項５】凹部（３）が、外側リング（７）に対し
て半径方向で、該リングの半径方向外側に向いてい周面
（３５）から外側リング幅の半分のところまで、湾曲面
を形成して延びていることを特徴とする、請求項４記載
の装置ユニット。
【請求項６】凹部（３３）の、外側リング外周面（３
５）に開口するエッジが、円形セグメント状に形成され
ていることを特徴とする、請求項５記載の装置ユニッ
ト。
【請求項７】凹部（３３）が羽根車（１）若しくはポ
ンピング室（９）の全周に亙って一様に分配されて配置
されていることを特徴とする、請求項１記載の装置ユニ
ット。
【請求項８】凹部（３３）が羽根車（１）の半径方向
平面に対して斜めにかつ羽根車（１）の回転方向に対し
て逆向きに傾斜していることを特徴とする、請求項１記
載の装置ユニット。
【請求項９】凹部（３３）が、半径方向外側へ向いて
いてかつ外側リング（７）の周面（３５）へ出ている傾
斜した凹部（４５）として形成されていることを特徴と
する、請求項８記載の装置ユニット。
【請求項１０】凹部（３３）が、半径方向内側へ向い
ていてかつ送出通路（２７）の範囲へ出ている傾斜した
凹部（４７）として形成されていることを特徴とする、
請求項８記載の装置ユニット。
【請求項１１】傾斜した凹部（４５，４７）が外側リ
ングの周面に交互に分配されて配置されていることを特
徴とする、請求項８から１０までのいずれか１項記載の
装置ユニット。
【請求項１２】傾斜した凹部（４５，４７）の横断面
が羽根車（１）の回転方向で増大していることを特徴と
する、請求項８記載の装置ユニット。
【請求項１３】凹部（３３）が屈曲した凹部（４９）
として形成されていて、羽根車（１）に対して半径方向
に向いた範囲と、該範囲から羽根車の回転方向に対して
逆向きに羽根車（１）の周方向に延びている範囲とを有
し、かつ羽根車（１）の周方向に向いている範囲の横断
面が半径方向範囲に向かって連続的に増大していること
を特徴とする、請求項３記載の装置ユニット。
【請求項１４】外側リング（７）の互いに反対側の端
面に配置された凹部（３３）がそれぞれ外側リング
（７）の周方向で互いにずらして配置されていることを
特徴とする、請求項２記載の装置ユニット。