JPH0726188A - プラスチックフィルム用水性印刷インキ組成物 - Google Patents

プラスチックフィルム用水性印刷インキ組成物

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JPH0726188A
JPH0726188A JP10293493A JP10293493A JPH0726188A JP H0726188 A JPH0726188 A JP H0726188A JP 10293493 A JP10293493 A JP 10293493A JP 10293493 A JP10293493 A JP 10293493A JP H0726188 A JPH0726188 A JP H0726188A
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Toshiaki Ichimura
敏明 市村
Hikari Tamada
光 玉田
Kunikatsu Fujiwara
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 再溶解性、印刷適性などのインキの基本性能
を備え、プラスチックフィルムに印刷された際に、強固
な接着性と優れた耐水性等を有するプラスチックフィル
ム用水性印刷インキ組成物を開発する。 【構成】 顔料、水性バインダー樹脂、水、及び水混和
性溶剤から主として構成されるプラスチックフィルム用
水性印刷インキ組成物において、前記水性バインダー樹
脂として、 a)酸価50〜150のアクリル系樹脂、スチレン−ア
クリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、あるいは
スチレン−アクリル−マレイン酸系樹脂から選ばれた少
なくとも1種以上の水溶性樹脂、と b)酸価70〜210のエチレン−アクリル酸系水分散
性樹脂、を含有し、更に、 c)2個以上のヒドラジン残基を有するヒドラジン誘導
体、を前記組成物100g中に3×10-5〜6×10-3
mol含有する、更に、 d)分子内にケト基、アルド基、グリシジル基の中の1
種以上を有するアクリル系またはスチレン−アクリル系
水分散性樹脂、をバインダー樹脂として含有することか
らなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチックフィルム
用水性印刷インキに関し、より詳しくは、再溶解性、印
刷適性などのインキの基本性能を備え、プラスチックフ
ィルムに印刷された際に、強固な接着性と優れた耐水性
等を有するプラスチックフィルム用水性印刷インキ組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】包装印刷インキの分野においては、省資
源、安全性及び環境問題から有機溶剤の使用を極力抑え
た水性タイプの印刷インキの要望が強くなっている。し
かし、水と有機溶剤との蒸発速度や表面張力などの物理
的特性の差から、水性インキは溶剤性インキと比較し
て、乾燥性が低くなり、また、濡れ張力の低い被着体に
対しては平滑で美粧印刷物を得るのが困難となる等の問
題がある。さらに、インキの基本性能を決定するバイン
ダー樹脂が水性タイプのものに制限されるために、有機
顔料の分散性の低下、インキの再溶解性と耐水性が相反
する性能となり両立が困難、プラスチックフィルムに対
する接着性の低下等の問題が発生する。
【0003】この印刷インキの水性化をいち早く実現し
たのが、紙を被着体とする分野であるが、それは被着体
が紙の場合には、インキの媒質が紙中へ浸透するために
乾燥が促進され、また、インキが紙の繊維中で保持され
るために接着性、耐水性も比較的良好となるためであ
る。しかし、本願発明が目的とする、プラスチックフィ
ルム用印刷インキの場合には、基本的にフィルム表面は
濡れ張力が低く、非浸透性であるため、乾燥は媒質の蒸
発のみに限られ、また、強い接着性、耐水性が要求され
る。従って、プラスチックフィルム用水性印刷インキ
は、紙用のものと比較して、優れた乾燥性、被着体に対
する接着性、耐水性を有していなければならない。
【0004】そこで、従来のプラスチックフィルム用水
性印刷インキは、顔料分散性、再溶解性、印刷適性等の
基本性能を付与するために、水溶性樹脂をメインバイン
ダーとして使用し、更に耐水性、乾燥性、耐久性等付与
するために、水分散性樹脂を併用していたが、単に水溶
性樹脂と水分散性樹脂との併用だけでは、再溶解性、耐
水性共に優れる水性印刷インキを製造する事は困難であ
った。この問題を解決するために、本発明者らは、イン
キのバインダー樹脂として水分散性エチレン−アクリル
酸系共重合体を使用する事により、良好な再溶解性を維
持した上で、耐水性等に優れた効果を有する水性印刷イ
ンキ組成物を特願平3−292698号で提案してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、エチレン−ア
クリル酸系樹脂をインキのバインダー樹脂として使用し
ても、水性インキはプラスチックフィルムとの濡れ性が
低いため、従来の溶剤タイプのインキと比較すると、フ
ィルムに対する接着性も十分でないという問題がある。
そこで本発明が解決しようとする課題は、再溶解性、印
刷適性などのインキの基本性能を備え、プラスチックフ
ィルムに印刷された際に、強固な接着性と優れた耐水性
等を有するプラスチックフィルム用水性印刷インキ組成
物を開発する事にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、顔
料、水性バインダー樹脂、水、及び水混和性溶剤から主
として構成されるプラスチックフィルム用水性印刷イン
キ組成物において、前記水性バインダー樹脂として、 a)酸価50〜150のアクリル系樹脂、スチレン−ア
クリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、あるいは
スチレン−アクリル−マレイン酸系樹脂から選ばれた1
種以上の水溶性バインダー樹脂、と b)酸価70〜210のエチレン−アクリル酸系水分散
性バインダー樹脂を含有し、更に、 c)2個以上のヒドラジン残基を有するヒドラジン誘導
体、を前記組成物100g中に3×10-5〜6×10-3
mol含有する事を特徴とするプラスチックフィルム用
水性印刷インキ組成物に関するものである。
【0007】また、前記のプラスチックフィルム用水性
印刷インキとして、更に、 d)分子内にケト基、アルド基、グリシジル基の中の1
種以上を有するアクリル系またはスチレン−アクリル系
エマルジョン樹脂、をバインダー樹脂として含有する事
を特徴とするプラスチックフィルム用水性印刷インキ組
成物に関するものである。
【0008】以下に本発明をより詳細に説明する。ま
ず、本発明で使用する顔料としては、通常の印刷インキ
や塗料で使用する無機有色顔料、有機有色顔料、及び体
質顔料を挙げる事ができる。その使用量は、顔料の種類
やインキの色相によって異なるが、インキ組成物中、1
〜50重量%の範囲である。次に、本発明で使用する水
性バインダー樹脂は、顔料分散に使用する水溶性バイン
ダー樹脂と、乾燥性、耐水性、及び接着性に寄与する水
分散性バインダー樹脂の二種を併用するものである。そ
の中で水溶性バインダー樹脂としては、酸価50〜15
0のアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチ
レン−マレイン酸系樹脂、またはスチレン−アクリル−
マレイン酸系樹脂から選ばれる1種以上の水溶性樹脂が
使用できる。
【0009】なお、各々の水溶性樹脂は、以下の様に定
義する。アクリル系樹脂とは、アクリル系単量体を共重
合して得られる共重合体、スチレン−アクリル系樹脂と
は、スチレン系単量体とアクリル系単量体を共重合して
得られる共重合体、スチレン−マレイン酸系樹脂とは、
スチレン系単量体とマレイン酸系単量体を共重合して得
られる共重合体、スチレン−アクリル−マレイン酸系樹
脂とは、スチレン系単量体とアクリル系単量体とマレイ
ン酸系単量体を共重合して得られる共重合体であつて、
アルカリによって水中に可溶となる樹脂である。ここ
で、アクリル系単量体としては、アクリル酸またはメタ
クリル酸と、そのアルキルエステル、ヒドロキシアルキ
ルエステル、アルキルアミドを使用する事ができる。
【0010】スチレン系単量体としては、スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン等の炭素数が8ない
し9個の不飽和芳香族化合物の中から1種以上を選択し
て使用する事ができる。マレイン酸系単量体としては、
無水マレイン酸またはマレイン酸と、そのアルキルエス
テル、ヒドロキシアルキルエステル、アルキルアミドを
使用する事ができる。以上の水溶性バインダー樹脂にお
いて、水溶化のために必要なカルボキシル基の含有量
は、当該水溶性バインダー樹脂の酸価を50〜150の
範囲とする量である。
【0011】ここで水溶性バインダー樹脂の酸価が50
より小さくなると、樹脂の水に対する溶解性が低下し、
分離や沈降を起こし、一方、酸価が150より大きくな
ると印刷物の耐水性が低下し、好ましい結果が得られな
くなる。また、前記水溶性樹脂を水溶化するために中和
するアルカリ化合物としては、有機アミン、アンモニア
水、アルカリ金属水酸化物が使用できる。具体的には、
有機アミンとしては、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ン、エチレンジアミン等のアルキルアミン、モノエタノ
ールアミン、エチルエタノールアミン、ジエチルエタノ
ールアミン等のアルカノールアミンが挙げられ、アルカ
リ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等が挙げられる。なお塩基の揮発性と水中での樹
脂の溶解安定性の面から、アルカノールアミンまたはア
ンモニア水が好適である。
【0012】これらの水溶性バインダー樹脂の使用量と
しては、水性印刷インキ組成物中、0.2〜5重量%で
ある。なお、本水溶性バインダー樹脂は、顔料分散用の
樹脂として使用するために、顔料100重量部に対し
て、3重量部以上、より好ましくは6重量部以上の割合
で使用するにより、良好な顔料分散性を有するインキ組
成物を得ることができる。従って、前記の使用量より少
ない場合は、良好な顔料分散性が得ることが困難とな
る。一方、前記の使用量より多い場合は印刷物の耐水性
が低下して好ましくない。次に、水分散性バインダー樹
脂としては、エチレン60ないし90重量%、アクリル
酸またはメタクリル酸10ないし30重量%、その他の
共重合可能なビニル基含有化合物0ないし30重量%を
共重合させてなるエチレン−アクリル酸系水分散性樹脂
を必須成分として含有するものである。
【0013】ここで、当該エチレン−アクリル酸系水分
散性樹脂において、その他の共重合可能なビニル基含有
化合物としては、アクリル酸またはメタクリル酸のアル
キルエステル類、アルキルアミド類、スチレン、ビニル
トルエン等のスチレン類、ビニルクロライド、ビニルア
セテート等が使用できるが、その含有量が30重量%を
超えると、本発明で特定するインキ性能が得られなくな
る。また、本発明に係るエチレン−アクリル酸系水分散
性樹脂の酸価は、70〜210の範囲である。当該水分
散性樹脂の酸価が前記の範囲より低くなると、樹脂の水
に対する乳化能が低くなり、析出・沈降して使用できな
くなる。一方、前記の範囲より高くなると、得られる印
刷物の耐水性が低下して好ましくない。
【0014】更に、本発明で使用するエチレン−アクリ
ル酸系樹脂のメルトインデックスは100〜2000g
/10分、より好ましくは300〜1000g/10分
の範囲である。樹脂のメルトインデックスが100g/
10分より小さくなると、樹脂の水中での分散安定性が
低くなり、析出・沈降して使用できなくなり、また20
00g/10分を超えると、樹脂が柔軟になり過ぎて、
得られる水性インキ印刷面とフィルムとの間でブロッキ
ングを起こし、好ましくない。当該エチレン−アクリル
酸系樹脂は、エチレン、アクリル酸及びその他の共重合
可能なビニル基含有化合物の所定量を高温、高圧下、触
媒を使用して直接共重合させるか、あるいはエチレン−
アルキルアクリレート系共重合体を加水分解して得ら
れ、ペレット状の固体樹脂として、例えば三菱油化か
ら、エチレン−アクリル酸樹脂A−200W等が市販さ
れている。このエチレン−アクリル酸系樹脂はアルカリ
化合物で、水中に分散した状態で水分散性樹脂ワニスと
して使用される。
【0015】なお、水性化のために中和するアルカリ化
合物としては、前記の有機アミン、アンモニア水、アル
カリ金属水酸化物が使用できる。本発明において、エチ
レン−アクリル酸系樹脂の使用量は、全水分散性バイン
ダー樹脂中、20〜100重量%である。エチレン−ア
クリル酸系樹脂の使用量が、この範囲より少なくなる
と、良好な再溶解性と耐水性を有するインキが得られ
ず、好ましくない。更に併用可能な水分散性バインダー
樹脂としては、乳化剤の存在下、アクリル系単量体、及
び必要に応じてスチレン系単量体を乳化重合したエマル
ジョン樹脂、ポリウタレン樹脂、ポリエステル樹脂など
の各種水分散性樹脂を使用する事ができる。とりわけ、
分子内にケト基、アルド基、またはグリシジル基を有す
る単量体、アクリル系単量体、及び必要に応じてスチレ
ン系単量体を乳化重合して得られるエマルジョン樹脂を
使用する事により、インキの接着性、光沢を向上するこ
とがでる。
【0016】ここで、分子内にケト基、アルド基、また
はグリシジル基を有する単量体とは、アクロレイン、ジ
アセトン(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)ア
クリルアミド、アセトニル(メタ)アクリレート、アル
カナール(メタ)アクリレート類、ホルミルスチロー
ル、ビニルアルキルケトン類、グリシジル(メタ)アク
リレート等であり、単独または混合して、その他のアク
リル系単量体、及び必要に応じてスチレン系単量体と共
に乳化重合して得られるエマルジョン樹脂である。これ
らのケト基、アルド基、またはグリシジル基を有する単
量体の使用量は、当該エマルジョン樹脂の全単量体中、
0.5ないし50重量%の範囲であり、本単量体の使用
量が前記範囲より少ない場合は、インキのプラスチック
フィルムに対する接着性向上の効果が得られず、また多
い場合は、インキ皮膜が硬くなり過ぎて好ましくない。
【0017】なお、これらの単量体を乳化重合して得ら
れる共重合体のガラス転移温度は、−50ないし100
℃、より好ましくは−20ないし40℃の範囲である。
共重合体のガラス転移温度がこの範囲より低くなると、
耐ブロッキング性が低下し、また、高くなるとフィルム
に対する接着性が低下する。これらの単量体を乳化重合
させる際に使用する乳化剤としては、例えば高級アルコ
ール硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、
ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩等の陰イオ
ン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ソル
ビタン誘導体等の非イオン系界面活性剤が使用できる。
【0018】本発明において、当該アクリル系、または
スチレン−アクリル系エマルジョン樹脂の使用量は、全
水分散性バインダー樹脂中0〜80重量%であり、特に
ケト基、アルド基、またはグリシジル基を有するエマル
ジョン樹脂を使用する際には、当該エマルジョン樹脂を
全水分散性バインダー樹脂中15〜80重量%使用する
ことが望ましい。更に本発明では、少なくとも2個以上
のヒドラジン残基を有するヒドラジン誘導体を、インキ
組成物100g中に、3×10-5〜6×10-3mol含
有させる事により、インキの接着性をより強固にする事
ができる。
【0019】ここで、少なくとも2個以上のヒドラジン
残基を有するヒドラジン誘導体としては、炭素数が2な
いし10の飽和脂肪族二塩基酸のジヒドラジド化合物、
具体的には、蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジ
ド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、
アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等、
また、不飽和二塩基酸のジヒドラジド化合物、具体的に
は、フタル酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イ
タコン酸ジヒドラジド、更に、炭素数2ないし4個のア
ルキレンジヒドラジン、具体的には、エチレン−1,2
−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−ジヒドラジン
、ブチレン−1,4−ジヒドラジン等を単または混合
して使用する事ができる。
【0020】なお、本ヒドラジン誘導体は、ケト基、ア
ルド基、グリシジル基と共有結合が可能であるため、水
分散性バインダー樹脂として、ケト基、アルド基、グリ
シジル基を含有するエマルジョン樹脂を使用する際に
は、ケト基、アルド基、グリシジル基の総和に対して、
0.2ないし3当量、より好ましくは0.5ないし2当
量を更に添加する事により、より良好な接着性を有する
印刷物を得ることができる。次に、本発明で使用する水
混和性溶剤としては、例えば低級アルコール系溶剤、グ
リコール系溶剤を挙げる事ができる。
【0021】また、本発明のインキ性能を低下させない
範囲で、他の性能を向上させる事を目的として、その他
の水溶性樹脂、水分散性樹脂を添加することができる。
更に、ブロッキング防止剤、消泡剤、可塑剤、成膜助
剤、レベリング剤等の各種添加剤を含有させる事もでき
る。以上の材料から水性印刷インキを製造する方法とし
ては、まず顔料と水溶性バインダー樹脂を撹拌混合させ
た後、通常の分散装置で顔料を分散し、更に水分散樹
脂、水混和性溶剤、その他のインキ材料の所定量を添加
混合して製造することができる。次に、プラスチックフ
ィルムに、水性印刷インキ組成物を印刷する方法につい
て説明する。
【0022】本発明の水性印刷インキ組成物は、既知の
フレキソ印刷機、グラビア印刷機を使用して、フレキソ
またはグラビア印刷方式で印刷する事ができる。被着体
としては、低密度ポリエチレン、無延伸及び延伸ポリプ
ロピレン、セロファン、ポリエステル、ナイロン及び各
種Kコートフィルム等のプラスチックフィルムが使用で
きる。以下、実施例をもって、本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。なお、特にことわりの無い限り、「部」および
「%」は「重量部」及び「重量%」を表す。
【0023】<水溶性バインダー樹脂ワニス製造例>撹
拌機、冷却管、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコ
に、酢酸エチル600部を仕込み、75〜78℃に加熱
した後、窒素ガスを導入しながら、メタクリル酸50
部、メタクリル酸メチル120部、スチレン130部、
アクリル酸−2−エチルヘキシル100部、及び反応開
始剤として、ジターシャリーブチルパーオキサイド4部
を混合して、2時間かけて滴下した。更に同温度に保ち
ながら2時間ランダム共重合させた後、溶剤を減圧下、
蒸発させて、理論酸価81、理論Tg30℃の水性バイ
ンダー樹脂を得た。この水性バインダー樹脂400部を
破砕した後、当量のアンモニアを溶解させた水600部
中に撹拌混合し、80℃で加熱溶解させて、固形分40
%、粘度25poise(20℃)の水溶性バインダー樹脂
ワニスを得た。
【0024】<水分散性バインダー樹脂ワニス製造例> 製造例1 撹拌機、冷却管、窒素ガス導入管、温度計を備えた四つ
口フラスコに、水180部、エチレンオキサイド20モ
ルを付加したp−ノニルフェノールの硫酸ハーフエステ
ルのナトリウム塩(アニオン性乳化剤)の35%水溶液
5部、エチレンオキサイド25モルを付加したp−ノニ
ルフェノール(ノニオン性乳化剤)20部を仕込み、窒
素ガスを導入しながら、水182.5部、前記アニオン
性乳化剤の35%溶液25部、メチルメタアクリレート
150部、スチレン150部、ブチルアクリレート20
0部からなる添加液1の10%を添加し、混合物を90
℃に加熱した。次いで、水85部、過硫酸カリウム2.
5部からなる添加液2の10%を添加し、その後、一様
に並行して3.5時間かけて前記の添加液1および2の
残量それぞれ90%を添加した。更に1.5時間90℃
に保って乳化重合を行い、固形分50%の水分散性バイ
ンダー樹脂ワニスNo.1を得た。
【0025】製造例2 メチルメタアクリレート150部をジアセトンアクリル
アミド5部、メチルメタアクリレート145部に変えた
以外は、水分散性バインダー樹脂ワニス製造例1と同じ
条件で、水分散性バインダー樹脂ワニスNo.2を得
た。
【0026】製造例3 メチルメタアクリレート150部をジアセトンアクリル
アミド25部、メチメタアクリレート125部に変えた
以外は、水分散性バインダー樹脂ワニス製造例1と同じ
条件で、水分散性バインダー樹脂ワニスNo.3を得
た。
【0027】製造例4 メチルメタアクリレート150部をジアセトンアクリル
アミド150部に変えた以外は、水分散性バインダー樹
脂ワニス製造例1と同じ条件で、水分散性バインダー樹
脂ワニスNo.4を得た。
【0028】製造例5 メチルメタアクリレート150部をアクロレイン25
部、メチルメタアクリレート125部に変えた以外は、
水分散性バインダー樹脂ワニス製造例1と同じ条件で、
水分散性バインダー樹脂ワニスNo.5を得た。
【0029】製造例6 メチルメタアクリレート150部をグリシジルメタアク
リレート25部、メチルメタアクリレート125部に変
えた以外は、水分散性バインダー樹脂ワニス製造例1と
同じ条件で、水分散性バインダー樹脂ワニスNo.6を
得た。
【0030】実施例1〜11、比較例1〜7 表1の印刷インキ配合に従い、まず、顔料、適量の水、
およびそれぞれ水溶性バインダー樹脂ワニスを混合し
て、レッドデビル型分散機で30分間顔料分散を行った
後、更に所定の材料を添加して、それぞれ実施例1〜1
および比較例1〜7の水性印刷インキを製造した。ここ
で、顔料として、ファストゲンブルーTGR(大日本イ
ンキ化学工業製)、エチレン−アクリル酸系樹脂ワニス
として、ザイクセンAC(住友精化製、アクリル酸の含
有量20重量%、メルトインデックス300g/10
分、アンモニア中和、固形分30重量%)を使用した。
また、アジピン酸ジヒドラジド水溶液は、アジピン酸ジ
ヒドラジドの20%水溶液を使用した。なお、インキ組
成物中への、アジピン酸ジヒドラジド水溶液の0.03
%の添加は、インキ100gに対して3.4×10-5m
ol、また、アジピン酸ジヒドラジドの1%の添加は、
インキ100gに対して5.7×10-3molに相当す
る。
【0031】実施例1〜11および比較例1〜7の評価 実施例1〜11および比較例1〜7の耐水性、再溶解
性、接着性、及び光沢を評価し、その結果を表1に示し
た。なお、評価方法および評価基準は以下に示す通りで
ある。 試験方法および評価基準
【0032】耐水性 試験方法 OPP(延伸ポリプロピレン)フィルム
に試験インキをグラビア校正機で印刷して得られた印刷
物を学振型耐摩堅牢度試験機にセットし、試験機のアー
ムの部分に晒布を取り付けて、 水を
十分に含ませた状態で印刷面に当て、荷重200gで2
00回摩擦する。 評価基準 A : 当て布にインキが全く付着しな
い B : 当て布にインキが付着するが、印刷面に傷がな
い C : 印刷面に筋状の傷がみられる D : 印刷面全面にわたって傷がみられる
【0033】再溶解性 試験方法 グラビア校正機で試験インキを10秒間
運転後、運転を止めてそのまま60秒間間放置する。続
いて、OPPフィルムに印刷し、正常な印刷物になるま
でのピッチ数からインキの再溶解性を判定する。 評価基準 A : 5ピッチ以内で正常に戻る B : 6〜20ピッチで正常に戻る C : 21〜40ピッチで正常に戻る D : 40ピッチでも正常に戻らない
【0034】接着性 試験方法 印刷面にセロテープを貼り付け、これを
急速に剥したときの、 印刷皮膜がフ
ィルムから剥離する度合いから接着性を評価し
た。 評価基準 A : 印刷皮膜がフィルムから全く剥
離しないもの B : 印刷皮膜の面積比率として、20%未満がフィ
ルムから剥離するもの C : 印刷皮膜の面積比率として、20%以上、50
%未満がフィルムから剥離するもの D : 印刷皮膜の面積比率として、50%以上フィル
ムから剥離するもの
【0035】光沢 試験方法 60゜反射光測定により、印刷物の光沢
を評価した。 評価基準 A : 測定値が70以上のもの B : 測定値が60以上70未満のもの C : 測定値が50以上60未満のもの D : 測定値が50未満のもの
【0036】
【0037】
【発明の効果】以上、実施例を用いて具体的に説明した
ように、本発明で特定する水性印刷インキ組成物は再溶
解性が優れ、プラスチックフィルムに印刷された際に、
強固な接着性と優れた耐水性等、光沢を有するプラスチ
ックフィルム用水性印刷インキ組成物である。
フロントページの続き (72)発明者 玉田 光 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目23番37号 サカタインクス株式会社内 (72)発明者 藤原 国勝 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目23番37号 サカタインクス株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料、水性バインダー樹脂、水、及び水
    混和性溶剤から主として構成されるプラスチックフィル
    ム用水性印刷インキ組成物において、前記水性バインダ
    ー樹脂として、 a)酸価50〜150のアクリル系樹脂、スチレン−ア
    クリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、あるいは
    スチレン−アクリル−マレイン酸系樹脂から選ばれた少
    なくとも1種以上の水溶性樹脂、と b)酸価70〜210のエチレン−アクリル酸系水分散
    性樹脂、を含有し、更に、 c)2個以上のヒドラジン残基を有するヒドラジン誘導
    体、を前記組成物100g中に3×10-5〜6×10-3
    mol含有する事を特徴とするプラスチックフィルム用
    水性印刷インキ組成物。
  2. 【請求項2】 前記プラスチックフィルム用水性印刷イ
    ンキ組成物において、更に、 d)分子内にケト基、アルド基、グリシジル基の中の1
    種以上を有するアクリル系またはスチレン−アクリル系
    水分散性樹脂、をバインダー樹脂として含有する事を特
    徴とする請求項1記載のプラスチックフィルム用水性印
    刷インキ組成物。
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