JP3256001B2 - オフセット印刷用基材 - Google Patents

オフセット印刷用基材

Info

Publication number
JP3256001B2
JP3256001B2 JP32116392A JP32116392A JP3256001B2 JP 3256001 B2 JP3256001 B2 JP 3256001B2 JP 32116392 A JP32116392 A JP 32116392A JP 32116392 A JP32116392 A JP 32116392A JP 3256001 B2 JP3256001 B2 JP 3256001B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
polymer
printing
emulsifier
paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP32116392A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06145251A (ja
Inventor
洋介 堤
昌広 福永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sakata Inx Corp
Original Assignee
Sakata Inx Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sakata Inx Corp filed Critical Sakata Inx Corp
Priority to JP32116392A priority Critical patent/JP3256001B2/ja
Publication of JPH06145251A publication Critical patent/JPH06145251A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3256001B2 publication Critical patent/JP3256001B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Paper (AREA)
  • Printing Methods (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オフセット印刷用基材
に関し、より詳しくは、本発明で特定される材料からな
る塗工剤組成物を、着色紙、プラスチックフィルムまた
は金属箔などの有色あるいは高光沢表面を有する被印刷
体に塗工する事により、良好なインキ受理性やセット性
等の印刷適性を有し、かつ被印刷体の色彩や光沢を損な
う事なく、美粧印刷物を印刷する事が可能なオフセット
印刷用基材を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】従来、オフセット印刷の分野では、被印
刷体は主として紙であった。その中でも、塗工紙は、印
刷面が平滑であると共に、インキの受理性やセット性等
の印刷適性も良好で、光沢のある鮮明な印刷物を効率よ
く製造できるという利点を有するため、美粧印刷物を製
造するためによく利用されてきた。
【0003】この塗工紙を製造するために使用される塗
工剤は、一般にカオリンクレー、炭酸カルシウム、二酸
化チタンなどの無機顔料と、カゼイン、澱粉、SBR、
アルカリ可溶型ラテックス等の水性バインダー樹脂とを
混合して得られるもので、紙面にロールコーター、ブレ
ードコーター、あるいはエアーナイフコーター等の種々
の塗工手段でこれらの塗工剤が塗工され、更に熱プレス
加工されて塗工紙となる。
【0004】ここで顔料は、紙の表面で層状に配列し、
光沢と平滑性を付与すると共に、オフセットインキに流
動成分を吸収して、インキのセット性を向上させる効果
を有する。また、水性バインダー樹脂は、塗工剤の流動
性を保ち、また被印刷体からの顔料の脱落、塗工剤層の
クラックを防止する効果を有する。従って、このタイプ
の塗工剤では、顔料濃度を高くする事により、オフセッ
ト印刷適性、印刷物の光沢や鮮明性を付与する事から、
塗工剤の多くは、固形分中に約80%以上の顔料を含有
したものが使用されていた。
【0005】一方、最近では印刷物の美粧性の要望はま
すます高くなり、被印刷体として紙以外の、高い光沢や
鮮明な色彩を有するものが利用されるようになってい
る。その最も顕著な例の一つとして、最近、被印刷体に
プラスチックフィルムや、アルミ箔等の金属箔積層紙が
非常に多く使用されている点が挙げられる。これらの被
印刷体にオフセットインキを印刷すると、被印刷体表面
の特性をよく反映して、プラスチックフィルムではクリ
スタル光沢、金属箔積層紙では金属光沢といった、通常
の紙印刷物では得る事のできない優れた光沢と鮮明な色
彩を持つ、非常に質感の高い印刷物を得る事ができる。
【0006】しかし、これらの被印刷体は、共に非浸透
性表面であるため、オフセットインキのセット性が著し
く遅くなるという問題点を有する。例えば、通常のオフ
セットインキを使用した際、塗工紙印刷では、インキの
セット時間は10分程度であるのに対して、プラスチッ
クフィルムや金属箔印刷では1日放置してもセットしな
い場合も少なくなく、作業性や製造効率が著しく低くな
る。
【0007】この問題を解決する方法として、被印刷体
表面にセット性を向上させる効果を有する塗工剤の塗工
が考えられる。しかし、従来の顔料を含有した塗工剤で
は、被印刷体表面を隠蔽するため、被印刷体の光沢や色
相を印刷物に反映させる事はできない。そこで、良好な
インキのセット性を付与し、しかも透明性の高い塗工剤
が強く要望されている。
【0008】この問題を解決するために、系中に顔料を
含有する事なく、オフセットインキの流動成分を吸収す
るジエン系重合体と、オフセットインキを固着させるス
チレン系重合体の混合物からなる塗工剤が、例えば特開
昭49−37705号公報に記載されている。しかし、
スチレンおよびジエン系モノマーはいずれも親油性であ
る事から、この塗工剤は有機溶剤系であり、安全性ある
いは労働衛生の面から好ましくない。また、性能面から
みても、折り曲げられてもクラックが生じないほどに柔
軟で、良好なインキのセット性を有し、かつ、透明性の
高い塗工剤を得る事は困難である。
【0009】一方、水性の塗工剤においては、スチレン
およびブタジエン系モノマーの共重合体(SBR)の水
分散物が使用され、例えば特開平2−107305号公
報等にその効果等が記載されている。しかし、SBRは
耐ブロッキング性、インキのセット性向上効果が低いと
いう問題を有している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る課題を解決すべく、透明性が高く、かつ、オフセット
インキの受理性とセット性が良好な塗工剤組成物を、
色紙、金属蒸着紙、金属箔積層紙、プラスチックフィル
ム又は金属箔等の被印刷体に予め塗工する事により、オ
フセットインキを印刷する際の優れたインキの受理性や
セット性等の印刷適性を有し、かつ被印刷体の光沢や色
彩を損なう事なく、質感の高い印刷物を得る事ができる
ようなオフセット印刷用基材を提供する事にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
酸価が20〜350のマレイン化ポリブタジエンを乳
化剤として用い、スチレン系モノマー100〜60重量
%と、他の共重合可能なビニル基含有モノマー0〜40
重量%とを乳化重合させて得られる重合体からなる水性
エマルジョンをバインダー樹脂として含有する塗工剤組
成物被印刷体に塗、乾燥してオフセット印刷
用基材に関するものである。以下、本発明について詳
細に説明する。
【0012】本発明の塗工剤組成物に含有されるバイン
ダー樹脂としては、酸価が20〜350のマレイン化ポ
リブタジエンを乳化剤として用い、スチレン系モノマー
100〜60重量%と、他の共重合可能なビニル基含有
モノマー0〜40重量%とを乳化重合させて得られる重
合体からなる水性エマルジョンを主たるバインダー樹脂
とするものである。即ち、この水性エマルジョンは、前
記のようにして得られる重合体と乳化剤とからなり、水
性バインダー樹脂として使用される。
【0013】乳化剤として使用するマレイン化ポリブタ
ジエンは、酸価が20〜350、より好ましくは50〜
250の範囲である。酸価が20未満になると、マレイ
ン化ポリブタジエンの水に対する乳化能が低下し、均一
な乳化重合が困難となる。一方、酸価が350を越える
と、得られる塗工剤組成物の耐水性が低下して好ましく
ない。ここで、酸価は下記の製造方法において、例えば
ポリブタジエンとマレイン酸または無水マレイン酸との
使用比率を調整することにより設定することができる。
【0014】前記のマレイン化ポリブタジエンは、数平
均分子量が200〜20000、より好ましくは500
〜10000のポリブタジエンと、マレイン酸または無
水マレイン酸とを付加重合させて得る事ができる。ここ
で、使用するポリブタジエンの数平均分子量が200未
満の場合は、得られるマレイン化ポリブタジエンは、高
分子乳化剤としての作用をほとんど果たさず、耐ブロッ
キング性等が低下して好ましくない。一方、ポリブタジ
エンの数平均分子量が20000を越えると、得られる
マレイン化ポリブタジエンの水に対する乳化能が低下
し、均一な乳化重合が困難になる。
【0015】なお、該ポリブタジエンは、1,2−ビニ
ル型、1,4−トランス型または1,4−シス型のいず
れの構造を有するものでも良く、更には、それらの混合
物であっても良い。
【0016】さらに、マレイン化ポリブタジエンを水中
で乳化するために、塩基性化合物を使用することがで
き、このような塩基性化合物としては、有機アミン類、
アルカリ金属の水酸化物、アンモニア等が挙げられる。
ここで、有機アミン類としては、モノエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンの他
に、ジアミンやトリアミン類も使用でき、またアルカリ
金属の水酸化物としては、水酸化ナトリウムや水酸化カ
リウムなどが使用できる。中でも、塗工剤組成物の耐水
性の面から、アンモニアまたは有機アミン類が好まし
い。
【0017】上記マレイン化ポリブタジエンからなる乳
化剤の存在下で、乳化重合するモノマーとしては、スチ
レン系モノマーを単独で使用してもよく、またはスチレ
ン系モノマーと他の共重合可能なビニル基含有モノマー
を併用してもよい。
【0018】ここで、スチレン系モノマーとしては、ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が使用
できる。使用量の範囲は、通常100〜60重量%、好
ましくは100〜80重量%である。スチレン系モノマ
ーの含有量が60重量%未満になると、本発明の目的と
する塗工剤組成物のセット性が得られず、好ましくな
い。
【0019】また、他の共重合可能なビニル基含有モノ
マーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸とそのアル
キル(炭素数1〜8)エステル、(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシアルキル(炭素数2〜4)エステル、(メタ)
アクリルアミド、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、
シトラコン酸、イタコン酸とそのアルキル(炭素数1〜
8)エステル、不飽和二重結合を有するエーテル化合物
等が使用できる。使用量の範囲は、通常0〜40重量
%、好ましくは0〜20重量%である。
【0020】また、上記の乳化重合によって得られる重
合体のガラス転移温度は、60℃以上であることが好ま
しい。60℃より低くなると、得られる塗工剤組成物が
柔軟になり、耐ブロッキング性の低下等が起こりやすく
なり好ましくない。
【0021】以上の乳化剤及び重合体からなる水性エマ
ルジョンよりなる水性バインダー樹脂において、乳化剤
と重合体の重量比率は、通常10:90〜50:50、
より好ましくは20:80〜35:65の範囲である。
乳化剤の重量比率が10:90の範囲より低くなると、
得られる塗工剤組成物は不透明となり、また耐摩擦性等
が低下する。一方、乳化剤の重量比率が50:50の範
囲より高くなると、耐ブロッキング性が不良となる。
【0022】本発明における水性エマルジョンを得るた
めの重合方法としては、従来公知の方法を用いる事がで
きる。例えば、前記のマレイン化ポリブタジエンを用い
て塩基性化合物の存在下で水中で乳化させた後、攪拌の
もと、重合性モノマーと必要に応じて開始剤を滴下しな
がら、加熱して反応させる方法等が使用できる。
【0023】本発明の塗工剤組成物は、前記の水性エマ
ルジョンよりなる水性バインダー樹脂のみでも充分な効
果を有するが、更に、耐摩擦性、接着性、乾燥性、印刷
物の鮮明性等を向上させるために、塗工剤組成物の透明
性、耐ブロッキング性、インキのセット性を低下させな
い範囲で、他の水性バインダー樹脂、着色剤、水混和性
溶剤、また離型剤、ワックス、消泡剤、及び防腐剤等の
各種添加剤を混合する事ができる。
【0024】ここで他の水性バインダー樹脂としては、
一般に紙塗工剤で使用されている水溶性樹脂、アルカリ
可溶型樹脂、水分散性樹脂が使用できる。具体的には、
水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、水溶性セ
ルロース類等が挙げられ、アルカリ可溶型樹脂として
は、ロジン変性マレイン酸樹脂、スチレン−マレイン酸
系樹脂、スチレン−アクリル酸系樹脂、アクリル酸、メ
タクリル酸等の不飽和カルボン酸モノマーと、そのエス
テルまたはアミド化合物を共重合して得られるアクリル
系樹脂等が挙げられ、水分散性樹脂としては、カゼイ
ン、SBR樹脂、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽
和カルボン酸とそのエステルまたはアミド化合物を乳化
重合して得られる樹脂、酢酸ビニルなどの脂肪酸ビニル
エステル型化合物を乳化重合して得られる樹脂等が使用
できる。これらの樹脂は、塗工剤組成物中0〜20重量
%の含有量の範囲で使用できる。
【0025】また、着色剤としては、各種染料及び透明
性の高い有機顔料を、塗工剤組成物中1〜50重量%の
含有量の範囲で使用できる。また、水混和性溶剤として
は、低級アルコール類、多価アルコール類及びそのアル
キルエーテルまたはアルキルエステル類などが挙げら
れ、具体的には、メタノール、エタノール、ノルマルプ
ロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等
の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリ
コールモノエチルエーテル、プロピレングリコールアセ
テート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
プロピレングリコールモノメチルエーテル等が使用でき
る。以上の組成からなる塗工剤組成物の製造に関して
は、高速ミキサーなどの攪拌機を使用して、各材料の所
定量を攪拌混合して製造する事ができる。
【0026】次に本発明の印刷用基材について説明する
が、該印刷用基材は被印刷体に前記の塗工剤組成物を塗
工、乾燥して製造されるものである。
【0027】まず、本発明で使用する被印刷体として
は、各種印刷用紙、プラスチックフィルムまたは金属箔
が使用できる。ここで、印刷用紙としては、特に着色
紙、金属蒸着紙、金属箔積層紙等が、プラスチックフィ
ルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
ステル、ナイロン、セロファン等が、金属箔としては、
アルミ箔、銅箔等が使用できる。なお、上記以外の通常
の印刷用紙に、本塗工剤組成物を塗工する事はなんら差
し支えなく、オフセットインキの受理性やセット性等の
印刷適性を向上させる事ができる。
【0028】本発明の塗工剤組成物の塗工方法として
は、通常のロールコーター、ドクターブレードコータ
ー、ナイフエッジコーター、カーテンコーター、グラビ
アコーター、バーコーター等のいずれもが使用できる。
更に、被印刷体の片面もしくは両面に塗工する事もで
き、塗工量としては、1回または複数回の塗工で、通常
0.5〜10g/m2 (乾燥重量)の範囲で利用され
る。
【0029】また、被印刷体に塗工剤組成物が塗工され
た後の乾燥方法としては、熱風加熱、赤外線ヒーターな
どの各種ヒーター類を使用する事ができる。更に、被印
刷体が寸法変化や熱劣化を起こさない範囲で、加熱・加
圧下、ドラム面を使用してプレス加工することができ
る。
【0030】以上のようにして製造された本発明の印刷
用基材は、通常のオフセット印刷方法により印刷され、
良好なインキ受理性やセット性等の印刷適性を有し、更
に被印刷体の光沢や色彩を損なうことなく、優れた印刷
物を与える印刷用基材である。
【0031】
【実施例】以下、実施例によって本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、以下「部」及び「%」とあるのは、特に限定
しない限り「重量部」及び「重量%」を意味する。
【0032】合成例1 攪拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入管を備えた四
ツ口フラスコに、マレイン化ポリブタジエンA(BN−
1010、日本曹達製、酸価110)60部、及び当量
のアンモニアを溶解させた水600部を仕込み、80〜
85℃で加熱して、マレイン化ポリブタジエンを溶解さ
せた。更に、同温度に保ったまま、よく攪拌しながら、
スチレン340部、ジtert−ブチルオキサイド3部
の混合物を2時間かけて滴下した後、更に2時間反応さ
せて乳化重合を行った。以上の操作により、固形分40
%、重合体のガラス転移温度100℃、粘度650cp
s(25℃)の試料エマルジョン No.1(乳化剤と重合
体の重量比率、10:57)を得た。
【0033】合成例2 仕込み量をマレイン化ポリブタジエンA120部、スチ
レン280部に変えた以外は、合成例1と同じ操作で、
固形分40%、重合体のガラス転移温度100℃、粘度
1040cps(25℃)の試料エマルジョン No.2
(乳化剤と重合体の重量比率、12:28)を得た。
【0034】合成例3 仕込み量をマレイン化ポリブタジエンA160部、スチ
レン240部に変えた以外は、合成例1と同じ操作で、
固形分40%、重合体のガラス転移温度100℃、粘度
1500cps(25℃)の試料エマルジョン No.3
(乳化剤と重合体の重量比率、16:24)を得た。
【0035】合成例4 マレイン化ポリブタジエンAの仕込み量を120部に変
え、滴下するモノマーとして、スチレン240部、メタ
クリル酸メチル40部の混合物を用いる以外は、合成例
1と同じ操作で、固形分40%、重合体のガラス転移温
度101℃、粘度400cps(25℃)の試料エマル
ジョン No.4(乳化剤と重合体の重量比率、12:2
8)を得た。
【0036】合成例5 マレイン化ポリブタジエンAの仕込み量を120部に変
え、滴下するモノマーとして、スチレン180部、メタ
クリル酸イソブチル100部の混合物を用いる以外は、
合成例1と同じ操作で、固形分40%、重合体のガラス
転移温度88℃、粘度200cps(25℃)の試料エ
マルジョン No.5(乳化剤と重合体の重量比率、12:
28)を得た。
【0037】合成例6 マレイン化ポリブタジエンB(M−1000−80、日
本石油化学製、酸価160)を120部用い、スチレン
の仕込み量を280部に変えた以外は、合成例1と同じ
操作で、固形分40%、重合体のガラス転移温度100
℃、粘度1100cps(25℃)の試料エマルジョン
No.6(乳化剤と重合体の重量比率、12:28)を得
た。
【0038】合成例7 仕込み量をマレイン化ポリブタジエンA20部、スチレ
ン380部に変えた以外は、合成例1と同じ操作で、固
形分40%、重合体のガラス転移温度100℃、粘度1
000cps(25℃)の試料エマルジョン No.7(乳
化剤と重合体の重量比率、2:38)を得た。
【0039】合成例8 仕込み量をマレイン化ポリブタジエンA240部、スチ
レン160部に変えた以外は、合成例1と同じ操作で、
固形分40%、重合体のガラス転移温度100℃、粘度
2000cps(25℃)の試料エマルジョン No.8
(乳化剤と重合体の重量比率、24:16)を得た。
【0040】合成例9 マレイン化ポリブタジエンAの仕込み量を120部に変
え、滴下するモノマーとして、スチレン140部、メタ
クリル酸イソブチル140部の混合物を用いる以外は、
合成例1と同じ操作で、固形分40%、重合体のガラス
転移温度83℃、粘度130cps(25℃)の試料エ
マルジョン No.9(乳化剤と重合体の重量比率、12:
28)を得た。
【0041】実施例1〜9 合成例1〜6で得られた試料エマルジョン No.1〜6、
SBR樹脂分散体、スチレン−アクリル酸系エマルジョ
ン、ポリビニルアルコール3%水溶液、ポリエチレンワ
ックス分散体、及び水を表1の組成に従って混合、攪拌
して本発明の塗工剤組成物を得た。ここで、SBR樹脂
分散体として、JSR−0624(N.V.:47.5
%、日本合成ゴム製)、スチレン−アクリル酸系エマル
ジョンとして、ジョンクリル74J(N.V.:45
%、ジョンソンポリマー製)、ポリビニルアルコールと
して、ゴーセサイズP−7000(日本合成化学製)、
ポリエチレンワックスとして、ハイテックE−68A
(N.V.:50%、東邦化学工業製)を使用した。
【0042】比較例1〜5 合成例7〜9で得られた試料エマルジョン No.7〜9、
SBR樹脂分散体またはスチレン−アクリル酸系エマル
ジョンを主成分として用いる以外は実施例と同様にし
て、表1の組成からなる塗工剤組成物を得た。
【0043】
【表1】
【0044】試験例1 被印刷体として塗工紙を用い、実施例1〜9及び比較例
1〜5の塗工剤組成物を塗工して得られた印刷用基材の
表面光沢、オフセットインキのセット性、耐ブロッキン
グ性、及び透明性について、以下に示す方法に従って評
価試験を行い、その結果を表2に示した。
【0045】
【表2】
【0046】なお、塗工紙としては、レンゴーCRC
(レンゴー製)、オフセットインキとしては、ダイヤト
ーン・カルトンマスターG−A藍(サカタインクス製)
を使用した。
【0047】(1)光沢の評価 0.15mmΦメアバーにて、試料塗工剤を塗工紙に塗
工し、目視にて光沢の評価を行った。 評価基準 A : 塗工剤を塗工していない被印刷体と同等以上の
光沢を有するもの B : 塗工剤を塗工していない被印刷体より低い光沢
を有するもの
【0048】(2)オフセットインキのセット性の評価 0.15mmΦメアバーにて、試料塗工剤を塗工紙に塗
工し、その塗工面上にオフセットインキをRIテスター
を用いて0.1cc/200cm2 の盛りにて印刷し、
オフセットインキセット試験機にてセット試験を行っ
た。そのセット時間より、オフセットインキのセット性
を評価した。 評価基準 A : セット時間が5分未満のもの B : セット時間が5分以上、20分未満のもの C : セット時間が20分以上のもの
【0049】(3)耐ブロッキング性の評価 0.15mmΦメアバーにて、試料塗工剤を塗工紙に塗
工し、乾燥後、塗工面同士を合わせて、1kg/cm2
の荷重をかけ、温度40℃、湿度90%の環境下で24
時間放置後、剥離時の状況から耐ブロッキング性の評価
を行った。 評価基準 A : 全く抵抗がなく剥離するもの B : 剥離抵抗はあるが、剥離するもの C : 剥離の際に被印刷体が破れるもの
【0050】(4)透明性の評価 0.15mmΦメアバーにて、試料塗工剤を黒色着色紙
に塗工し、塗工面の曇りを目視にて判断し、透明性の評
価を行った。 評価基準 A : 完全に透明なもの B : 僅かに曇りのあるもの C : 完全に不透明なもの
【0051】試験例2 被印刷体としてアルミ箔を用い、実施例1〜4及び比較
例1〜5の塗工剤組成物を塗工して得られた印刷用基材
の表面光沢、オフセットインキのセット性、耐ブロッキ
ング性、及び透明性について、試験例1と同様の方法で
評価試験を行い、その結果を表3に示した。
【0052】
【表3】
【0053】なお、アルミ箔としては、A1N30H−
H18(20μm、日本製箔製)を用いた。
【0054】以上、実施例等を用いて具体的に説明した
ように、本発明の塗工剤組成物を使用して得られた印刷
用基材は、いずれも光沢、オフセットインキのセット
性、耐ブロッキング性、透明性に優れていた。これに対
し、本発明と異なる種類の樹脂エマルジョンを用いた場
合(比較例1,2)、乳化剤の重量比率が異なる場合
(比較例3,4)、モノマーの使用比率が異なる場合
(比較例5)は、光沢、オフセットインキセット性、耐
ブロッキング性、透明性のいずれかの性能が不充分であ
った。
【0055】
【発明の効果】本発明の塗工剤組成物は高い透明性を有
し、これを被印刷体に塗工する事により、被印刷体の有
する光沢や色彩を損なうことなく良好な光沢、オフセッ
トインキのセット性を有する印刷用基材を得る事ができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−73488(JP,A) 特開 昭61−63794(JP,A) 特開 平4−107186(JP,A) 特公 昭49−43381(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 19/58 B41M 1/30 C08F 2/26 C08F 212/06 - 212/12 C09D 125/02 - 125/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸価が20〜350のマレイン化ポリブ
    タジエンを乳化剤として用い、スチレン系モノマー10
    0〜60重量%と、他の共重合可能なビニル基含有モノ
    マー0〜40重量%とを乳化重合させて得られる重合体
    からなる水性エマルジョンをバインダー樹脂として含有
    る塗工剤組成物を被印刷体に塗工し、乾燥してなるオ
    フセット印刷用基材
  2. 【請求項2】 乳化剤と重合体の重量比率が10:90
    〜50:50である請求項1記載のオフセット印刷用基
  3. 【請求項3】 重合体のガラス転移温度が、60℃以上
    である請求項1または2記載のオフセット印刷用基材
  4. 【請求項4】 被印刷体が、着色紙、金属蒸着紙、金属
    箔積層紙、プラスチックフィルムまたは金属箔である請
    求項1〜3いずれか記載のオフセット印刷用基材。
JP32116392A 1992-11-04 1992-11-04 オフセット印刷用基材 Expired - Lifetime JP3256001B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32116392A JP3256001B2 (ja) 1992-11-04 1992-11-04 オフセット印刷用基材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32116392A JP3256001B2 (ja) 1992-11-04 1992-11-04 オフセット印刷用基材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06145251A JPH06145251A (ja) 1994-05-24
JP3256001B2 true JP3256001B2 (ja) 2002-02-12

Family

ID=18129512

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32116392A Expired - Lifetime JP3256001B2 (ja) 1992-11-04 1992-11-04 オフセット印刷用基材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3256001B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1046051A (ja) * 1996-07-31 1998-02-17 Mitsubishi Chem Basf Co Ltd 無機多孔質基材用水性下塗剤
JPH1046052A (ja) * 1996-07-31 1998-02-17 Mitsubishi Chem Basf Co Ltd 無機多孔質基材用水性下塗剤
JPH1046053A (ja) * 1996-08-01 1998-02-17 Mitsubishi Chem Basf Co Ltd 無機多孔質基材用水性下塗剤
JP5075587B2 (ja) * 2007-11-02 2012-11-21 サカタインクス株式会社 オフセット印刷用水性プレコート剤
CN104449084A (zh) * 2014-11-13 2015-03-25 无锡信大气象传感网科技有限公司 一种高效防锈耐高温芯片

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06145251A (ja) 1994-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104892844B (zh) 氯乙烯基树脂乳液、水性油墨及记录用纸
JPS60141590A (ja) 水性オ−バ−コ−テイング用組成物およびそれを用いた印刷方法
JP3256001B2 (ja) オフセット印刷用基材
JP5664766B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂エマルジョン及びその製造方法並びに水性インキ及び記録用紙
KR20090003355A (ko) 인쇄용 도공지
JP2642037B2 (ja) プラスチックフィルム用水性印刷インキ組成物
JPS60137906A (ja) 水性樹脂組成物
JP3201582B2 (ja) インクジェット記録材料用の表面塗工剤
JP7173177B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂エマルジョン、水性インキ及び記録用紙
JP3125383B2 (ja) 感圧複写用呈色紙
JPH03215080A (ja) 印刷用フィルム
JPH11180030A (ja) インクジェット記録シート
JPH0726045A (ja) 印刷性に優れた塗工ポリオレフィンフィルム
JPH0718218A (ja) 印刷性に優れた塗工ポリオレフィンフィルム
JPH0718212A (ja) 水性インキ組成物
JPH01171892A (ja) 超光沢印刷物の製造方法
JPH07126562A (ja) 水性グラビア印刷インキ
JPH0128786B2 (ja)
JPS63303196A (ja) 紙塗工用組成物
JPH06104797B2 (ja) プラスチックフイルム用水性印刷インキ組成物
JPS60162898A (ja) 紙塗被用組成物
JP2011122023A (ja) 水性顔料分散体およびそれを用いた水性印刷インキ組成物
WO2004073995A1 (ja) インクジェット記録シート

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081130

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091130

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101130

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111130

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121130

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term