JPH07258320A - 重合用触媒及び重合体の製造方法 - Google Patents

重合用触媒及び重合体の製造方法

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JPH07258320A
JPH07258320A JP5152794A JP5152794A JPH07258320A JP H07258320 A JPH07258320 A JP H07258320A JP 5152794 A JP5152794 A JP 5152794A JP 5152794 A JP5152794 A JP 5152794A JP H07258320 A JPH07258320 A JP H07258320A
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JP
Japan
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group
compound
polymerization
polymerization catalyst
component
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Application number
JP5152794A
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English (en)
Inventor
Kiyohiko Yokota
清彦 横田
Noriyuki Tani
徳行 谷
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オレフィン重合用触媒成分として有用な新規
な遷移金属化合物、組成が均一で狭い分子量分布を有す
るオレフィン系重合体を与える高活性かつ良共重合性重
合用触媒、該触媒を用いたオレフィン系重合体の製造方
法を提供すること。 【構成】 一般式(I) 〔(Ra )55 〕MYb c ・・・(I) (式中、各記号は明細書に記載のとおりである。)で表
される(A)遷移金属化合物、(B)該遷移金属化合物
又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる
化合物などの活性化助触媒、及び場合により(C)有機
アルミニウム化合物を含有するオレフィン重合用触媒で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有用な重合用触媒及び
それを使用した重合体の製造方法に関する。さらに詳し
くは、オレフィン重合用触媒として特に有用な重合用触
媒、及び該触媒を使用したオレフィン系重合体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘテロシクロペンタジエニル配位子を持
つ錯体を重合用触媒に用いた例としてはEP57479
4号明細書がある。しかしここで用いられている方法で
は共重合性が極めて低いという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情の下でヘテロシクロペンタジエニル配位子を持つ錯体
の共重合性能を改善し、共重合体を効率よく製造する方
法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するために鋭意努力を重ねた結果、特定の遷移金属
化合物と、該遷移金属化合物又はその派生物からカチオ
ン種を形成しうる化合物などの活性化助触媒と、場合に
より有機アルミニウム化合物とを含有する重合用触媒に
より、その目的を達成しうることを見出した。本発明は
このような知見に基づいて完成したものである。すなわ
ち、本発明は、(A)下記一般式(I) 〔(Ra )55 〕MYb c ・・・(I) 〔式中、Mは、周期律表3〜10族又はランタノイド系
列の金属を示す。Xは、14族又は15族の元素を示
す。各Xは、同一でも異なっていてもよいが、5個のX
のうち少なくとも一つは炭素以外の元素を含み、5個の
Xは合計6個のπ電子を持ち、モノアニオン性の芳香性
配位子を構成する。Rは、水素原子,ハロゲン原子もし
くは炭素数1〜20の炭化水素基、酸素含有基又は珪素
含有基を示す。各Rは、同一でも異なっていてもよく、
R同士が架橋していてもよい。aは0又は1を示す。Y
は、σ結合性の配位子又はキレート性の配位子を示す。
各Yは、同じでも異なっていてもよい。〔(Ra )
55 〕基とYとは、架橋していてもよい。bは、0以
上で、(Mの原子価−1)に等しい整数である。Zは、
ルイス塩基を示し、cは0〜3の整数である。〕で示さ
れる化合物及び(B)活性化助触媒を含有する重合用触
媒、ならびに該(A)式(I)で示される化合物,
(B)活性化助触媒及び(C)有機アルミニウム化合物
を含有する重合用触媒を提供するものである。
【0005】さらに、本発明は、前記重合用触媒の存在
下、単量体を単独重合又は共重合、特にオレフィン類を
単独重合又はオレフィン類と他のオレフィン類及び/又
は他の単量体とを共重合させることを特徴とする(共)
重合体の製造方法を提供するものである。なお、本発明
の重合用触媒は、上記のもののほか、(A),(B)及
び(C)成分の少なくともいずれか一成分を担体に担持
させたものをも包含する。本発明の重合用触媒において
は、(A)成分として、一般式(I) 〔(Ra )55 〕MYb c ・・・(I) で示される化合物(遷移金属化合物)が用いられる。こ
の遷移金属化合物は、特に下記構造式(I')
【0006】
【化1】
【0007】(式中の各記号は、式(I)の場合と同じ
である。)で表されるものが特に好ましい。
【0008】上記一般式(I)あるいは構造式(I')に
おいて、Mは、周期律表3〜10族又はランタノイド系
列の金属を示す。このMとしては、チタニウム,ジルコ
ニウム,ハフニウム,イットリウム,バナジウム,クロ
ム,マンガン,ニッケル,コバルト,パラジウム及びラ
ンタノイド系金属などがあり、周期律表4族の金属、具
体的にはチタニウム,ジルコニウム,ハフニウムが好ま
しく、とりわけチタニウムが好適である。また、Xは、
14族又は15族の元素を示すが、好ましくは炭素原
子,リン原子,窒素原子である。各Xは、同一でも異な
っていてもよいが、5個のXのうち少なくとも一つは炭
素以外の元素(例えば、リン原子(P)あるいは窒素原
子(N)など)を含み、5個のXは合計6個のπ電子を
持ち、モノアニオン性の芳香性配位子を構成する。R
は、水素原子,ハロゲン原子もしくは炭素数1〜20の
炭化水素基,酸素含有基又は珪素含有基を示す。好まし
くは、水素原子,メチル基,エチル基,t−ブチル基,
トリメチルシリル基などである。各Rは、同一でも異な
っていてもよく、R同士が架橋していてもよい。aは0
又は1を示す。Yは、σ結合性の配位子又はキレート性
の配位子を示す。各Yは、同じでも異なっていてもよい
が、好ましくは水素原子、塩素原子,臭素原子などのハ
ロゲン原子、メチル基,エチル基,ベンジル基などの炭
化水素基、メトキシ基,エトキシ基,t−ブトキシ基,
フェノキシ基,2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ基な
どのアルコキシ基(又はアリールオキシ基)、ジメチル
アミノ基,ジエチルアミノ基,ジフェニルアミノ基など
のアミノ基がある。特に、少なくとも一つがアルコキシ
基(又はアリールオキシ基)、特に炭素数1〜20のア
ルコキシ基(又は炭素数6〜20のアリールオキシ基)
である。とりわけ、Yの1〜3個がメトキシ基,エトキ
シ基,t−ブトキシ基あるいはフェノキシ基であること
が共重合性の点で望ましい。〔(Ra )55 〕基とYと
は、架橋していてもよい。bは、0以上で、(Mの原子
価−1)に等しい整数である。Zは、ルイス塩基を示
し、cは0〜3の整数である。ここでルイス塩基は各種
のものを挙げることができるが、アンモニア,メチルア
ミン,アニリン,ジメチルアミン,ジエチルアミン,N
−メチルアニリン,ジフェニルアミン,N,N−ジメチ
ルアニリン,トリメチルアミン,トリエチルアミン,ト
リ−n−ブチルアミン,メチルジフェニルアミン,ピリ
ジン,p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン,p−ニ
トロ−N,N−ジメチルアニリンなどのアミン類、トリ
エチルホスフィン,トリフェニルホスフィン,ジフェニ
ルホスフィンなどのホスフィン類、ジメチルエーテル,
ジエチルエーテル,ジオキサン,テトラヒドロフランな
どのエーテル類、テトラヒドロチオフェンなどのチオエ
ーテル類、安息香酸エチルなどのエステル類、アセトニ
トリル,ベンゾニトリルなどのニトリル類、エチレン,
ブタジエン,1−ペンテン,イソプレン及びこれらの誘
導体などの鎖状不飽和炭化水素、ベンゼン,トルエン,
キシレン,シクロオクタジエン,シクロオクタテトラエ
ンなどの環状不飽和炭化水素などを挙げることができ
る。
【0009】前記一般式(I)で示される遷移金属化合
物の具体例としては、(2,3,4,5−テトラメチル
ホスホリル)チタニウムトリクロリド;(2,3,4,
5−テトラメチルホスホリル)チタニウムトリメトキシ
ド;(2,3,4,5−テトラメチルホスホリル)チタ
ニウムジメトキシドクロリド;(2,3,4,5−テト
ラメチルホスホリル)チタニウムジクロリドメトキシ
ド;(3,4−ジメチルホスホリル)チタニウムトリメ
トキシド;(2,3,4,5−テトラメチルホスホリ
ル)チタニウムトリメチル;(2,3,4,5−テトラ
メチルホスホリル)チタニウムトリベンジル;(2,
3,4,5−テトラメチルホスホリル)チタニウムトリ
ス(ジメチルアミド);(2,3,4,5−テトラメチ
ルホスホリル)チタニウムトリス(トリフルオロメタン
スルホナート)など、及びこれらの化合物におけるチタ
ニウムを、ジルコニウム,ハフニウムに置換したものを
あげることができるが、もちろん、これらに限定される
ものではない。他の族又はランタノイド系列若しくはア
クチノイド系列金属の類似化合物であってもよい。これ
らの遷移金属化合物は一種用いてもよく、また二種以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0010】次に、本発明の重合用触媒は、上記(A)
式(I)で示される化合物と(B)活性化助触媒からな
る。ここで、(B)成分である活性化助触媒は、各種の
ものがあるが、好ましくは式(I)で示される化合物
(A)又は該(A)の派生物からカチオン種を形成する
ことができる化合物(B’)が用いられる。この(B)
成分化合物としては、(B−1)該(A)成分の遷移金
属化合物と反応してイオン性の錯体を形成するイオン性
化合物と、(B−2)アルミノキサンと、(B−3)ル
イス酸を挙げることができる。該(B−1)成分の化合
物としては、前記(A)成分の遷移金属化合物と反応し
て、イオン性の錯体を形成するイオン性化合物であれ
ば、いずれのものでも使用できるが、次の一般式(I
I),(III) (〔L1 −R1 k+) p (〔Z〕- ) q ・・・(II) (〔L2 k+p ( 〔Z〕- ) q ・・・(III) 〔ただし、L2 はM2 ,R2 3 3 , R4 3CまたはR
5 3 である。〕 ((II), (III)式中、〔Z〕- は、非配位性アニオン
〔Z1 - 及び〔Z2 - 、〔Z1 - は複数の基が元
素に結合したアニオンすなわち〔M1 1 2 ・・・A
n - (ここでM1 は5〜15族元素、好ましくは13
〜15族元素を示す。A1 〜An は水素原子,ハロゲン
原子,有機メタロイド基,アミノ基,アルコキシ基,炭
化水素基、またはヘテロ原子含有炭化水素基を示す。A
1 〜An のうち2つ以上が環を形成していてもよい。n
は〔(中心金属M1 の原子価)+1〕の整数を示
す。)、〔Z2 - は、酸性度定数(pKa)が−10
以下のブレンステッド酸単独またはブレンステッド酸及
びルイス酸の組み合わせの共役塩基、あるいは一般的に
超強酸と定義されるものの共役塩基を示す。また、ルイ
ス塩基が配位していてもよい。)で示されるものを好適
に使用することができる。
【0011】上記複数の基が元素に結合したアニオン
〔Z1 - 、すなわち〔M1 1 2・・・An 〕にお
いて、M1 の具体例としては、B, Al, Si, P, A
s, Sbなど、好ましくはB及びAlが挙げられる。ま
た、A1 ,A2 〜An の具体例としては、アミノ基とし
てジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基など、アルコキ
シ基若しくはアリールオキシ基としてメトキシ基,n−
ブトキシ基,フェノキシ基など、炭化水素基としてメチ
ル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n
−ブチル基,イソブチル基,n−オクチル基,n−エイ
コシル基,フェニル基,p−トリル基,ベンジル基,4
−t−ブチルフェニル基;3,5−ジメチルフェニル基
など、ハロゲン原子としてフッ素,塩素,臭素,沃素,
ヘテロ原子含有炭化水素基としてp−フルオロフェニル
基;3,5−ジフルオロフェニル基;ペンタクロロフェ
ニル基;3,4,5−トリフルオロフェニル基;ペンタ
フルオロフェニル基;3,5−ビス(トリフルオロメチ
ル)フェニル基;ビス(トリメチルシリル)メチル基な
ど、有機メタロイド基としてペンタメチルアンチモン
基,トリメチルシリル基,トリメチルゲルミル基,ジフ
ェニルアルシン基,ジシクロヘキシルアンチモン基,ジ
フェニル硼素基などが挙げられる。
【0012】また、非配位性のアニオンすなわち酸性度
定数(pKa)が−10以下のブレンステッド酸単独、
又はブレンステッド酸及びルイス酸の組合せの共役塩基
〔Z 2 - の具体例としてはトリフルオロメタンスルホ
ン酸アニオン(CF3 SO3) - ,ビス(トリフルオロメ
タンスルホニル)メチルアニオン,ビス(トリフルオロ
メタンスルホニル)ベンジルアニオン,ビス(トリフル
オロメタンスルホニル)アミド,過塩素酸アニオン(C
lO4)- ,トリフルオロ酢酸アニオン(CF3
2)- ,ヘキサフルオロアンチモンアニオン(SbF6)
- ,フルオロスルホン酸アニオン(FSO3)- ,クロロ
スルホン酸アニオン(ClSO3)- ,フルオロスルホン
酸アニオン/5−フッ化アンチモン(FSO3 /SbF
5)- ,フルオロスルホン酸アニオン/5−フッ化砒素
(FSO3 /AsF5)- ,トリフルオロメタンスルホン
酸/5−フッ化アンチモン(CF3 SO3 /SbF5)-
などを挙げることができる。
【0013】さらに、L1 はルイス塩基、R1 は水素原
子、炭化水素基を示し、R2 およびR3 は、それぞれシ
クロペンタジエニル基または置換シクロペンタジエニル
基(各Cpは同じでも異なっていてもよく、2つ以上の
Cpは架橋構造であってもよい。)を示す。R4 は、炭
化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基あるいはアルコキ
シ基を示す。kは、〔R1 −R1 〕,〔L2 〕のイオン
価数で1〜3、pは、1以上の整数、q=p×kであ
る。M2 は、1〜3,11〜13,17族元素を含むも
のであり、M3 は、7〜12族元素を示す。R8 は、ポ
ルフィン類,フタロシアニン類,アリル基誘導体などを
示す。
【0014】ここで、ルイス塩基(L1)の具体例として
は、アンモニア,メチルアミン,アニリン,ジメチルア
ミン,ジエチルアミン,N−メチルアニリン,ジフェニ
ルアミン,N,N−ジメチルアニリン,トリメチルアミ
ン,トリエチルアミン,トリ−n−ブチルアミン,メチ
ルジフェニルアミン,ピリジン,p−ブロモ−N,N−
ジメチルアニリン,p−ニトロ−N,N−ジメチルアニ
リンなどのアミン類、トリエチルホスフィン,トリフェ
ニルホスフィン,ジフェニルホスフィンなどのホスフィ
ン類、ジメチルエーテル,ジエチルエーテル,ジオキサ
ン,テトラヒドロフランなどのエーテル類、テトラヒド
ロチオフェンなどのチオエーテル類、安息香酸エチルな
どのエステル類、アセトニトリル,ベンゾニトリルなど
のニトリル類、エチレン,ブタジエン,1−ペンテン,
イソプレン及びこれらの誘導体などの鎖状不飽和炭化水
素、ベンゼン,トルエン,キシレン,シクロオクタジエ
ン,シクロオクタテトラエンなどの環状不飽和炭化水素
などを挙げることができる。
【0015】R1 の具体例としては水素,メチル基,エ
チル基,ベンジル基,トリチル基などを挙げることがで
き、R2 ,R3 の具体例としては、シクロペンタジエニ
ル基,メチルシクロペンタジエニル基,エチルシクロペ
ンタジエニル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル基
などを挙げることができる。R4 の具体例としては、フ
ェニル基,p−トリル基,p−メトキシフェニル基など
を挙げることができ、R5 の具体例としては、テトラフ
ェニルポルフィン,フタロシアニン,アリル,メタリル
などを挙げることができる。また、M2 の具体例として
は、Li,Na,K,Ag,Cu,Br,I,I3 など
を挙げることができ、M3 の具体例としては、Mn,F
e,Co,Ni,Znなどを挙げることができる。
【0016】このような前記(A)成分の遷移金属化合
物と反応してイオン性の錯体を形成する化合物、すなわ
ち(B−1)成分化合物の具体例としては、テトラフェ
ニル硼酸トリエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸
トリ−n−ブチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸ト
リメチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸テトラエチ
ルアンモニウム,テトラフェニル硼酸メチル(トリ−n
−ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸ベンジル
(トリ−n−ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼
酸ジメチルジフェニルアンモニウム,テトラフェニル硼
酸トリフェニル(メチル)アンモニウム,テトラフェニ
ル硼酸トリメチルアニリニウム,テトラフェニル硼酸メ
チルピリジニウム,テトラフェニル硼酸ベンジルピリジ
ニウム,テトラフェニル硼酸メチル(2−シアノピリジ
ニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸
トリエチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム,テトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルアン
モニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸
テトラ−n−ブチルアンモニウム,テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)硼酸テトラエチルアンモニウム,テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(ト
リ−n−ブチル)アンモニウム,テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウム,
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニ
ル(メチル)アンモニウム,テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸メチルアニリニウム,テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリニウム、テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリメチルア
ニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸メチルピリジニウム,テトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)硼酸ベンジルピリジニウム,テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)硼酸メチル(2−シアノピリジニ
ウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベ
ンジル(2−シアノピリジニウム),テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)硼酸メチル(4−シアノピリジニ
ウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ト
リフェニルホスホニウム,テトラキス〔ビス(3,5−
ジトリフルオロメチル)フェニル〕硼酸ジメチルアニリ
ニウム,テトラフェニル硼酸フェロセニウム、テトラフ
ェニル硼酸銀,テトラフェニル硼酸トリチル,テトラフ
ェニル硼酸テトラフェニルポルフィリンマンガン,テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニウ
ム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(1,
1’−ジメチルフェロセニウム),テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム,テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸銀,テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリチル,テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)硼酸リチウム,テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ナトリウム,テトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テオラフェニルポ
ルフィリンマンガン,テトラフルオロ硼酸銀,ヘキサフ
ルオロ燐酸銀,ヘキサフルオロ砒素酸銀,過塩素酸銀,
トリフルオロ酢酸銀,トリフルオロメタンスルホン酸銀
などを挙げることができる。この(B−1)成分であ
る、該(A)成分の遷移金属化合物と反応してイオン性
の錯体を形成するイオン性化合物は一種用いてもよく、
また二種以上を組み合わせて用いてもよい。一方、(B
−2)成分のアルミノキサンとしては、一般式(IV)
【0017】
【化2】
【0018】〔式中、R6 は炭素数1〜20、好ましく
は1〜12のアルキル基,アルケニル基アリールアルキ
ル基などの炭化水素基、sは重合度を示し、通常3〜5
0、好ましくは7〜40の整数である〕で示される鎖状
アルミノキサン、及び一般式(V)
【0019】
【化3】
【0020】〔式中、R6 及びsは前記と同じであ
る。〕で示される環状アルミノキサンを挙げることがで
きる。
【0021】前記アルミノキサンの製造法としては、ア
ルキルアルミニウムと水などの縮合剤とを接触させる方
法が挙げられるが、その手段については特に限定はな
く、公知の方法に準じて反応させればよい。例えば、
有機アルミニウム化合物を有機溶剤に溶解しておき、こ
れを水と接触させる方法、重合時に当初有機アルミニ
ウム化合物を加えておき、後に水を添加する方法、金
属塩などに含有されている結晶水、無機物や有機物への
吸着水を有機アルミニウム化合物と反応させる方法、
テトラアルキルジアルミノキサンにトリアルキルアルミ
ニウムを反応させ、さらに水を反応させる方法などがあ
る。なお、アルミノキサンとしては、トルエン不溶性の
ものであってもよい。これらのアルミノキサンは一種用
いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。また、
アルミノキサンとしては、好ましくはメチルアルミノキ
サン,エチルアルミノキサン,イソブチルアルミノキサ
ンなどが挙げられる。
【0022】(B−3)成分のルイス酸については特に
制限はなく、有機化合物でも固体状無機化合物でもよ
い。有機化合物としては、硼素化合物やアルミニウム化
合物などが、無機化合物としてはマグネシウム化合物,
アルミニウム化合物などが好ましく用いられる。該アル
ミニウム化合物としては例えばビス(2,6−ジ−t−
ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウムメチル,
(1,1−ビ−2−ナフトキシ)アルミニウムメチルな
どが、マグネシウム化合物としては例えば塩化マグネシ
ウム,ジエトキシマグネシウムなどが、アルミニウム化
合物としては酸化アルミニウム,塩化アルミニウムなど
が、硼素化合物としては例えばトリフェニル硼素,トリ
ス(ペンタフルオロフェニル)硼素,トリス〔3,5−
ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕硼素,トリス
〔(4−フルオロメチル)フェニル〕硼素,トリメチル
硼素,トリエチル硼素,トリ−n−ブチル硼素,トリス
(フルオロメチル)硼素,トリス(ペンタフルオロエチ
ル)硼素,トリス(ノナフルオロブチル)硼素,トリス
(2,4,6−トリフルオロフェニル)硼素,トリス
(3,5−ジフルオロ)硼素,トリス〔3,5−ビス
(トリフルオロメチル)フェニル〕硼素,ビス(ペンタ
フルオロフェニル)フルオロ硼素,ジフェニルフルオロ
硼素,ビス(ペンタフルオロフェニル)クロロ硼素,ジ
メチルフルオロ硼素,ジエチルフルオロ硼素,ジ−n−
ブチルフルオロ硼素,ペンタフルオロフェニルジフルオ
ロ硼素,フェニルジフルオロ硼素,ペンタフルオロフェ
ニルジクロロ硼素,メチルジフルオロ硼素,エチルジフ
ルオロ硼素,n−ブチルジフルオロ硼素などが挙げられ
る。これらのルイス酸は一種用いてもよく、また二種以
上を組み合わせて用いてもよい。本発明の重合用触媒に
おける(A)触媒成分と(B)触媒成分との混合割合
は、(B)触媒成分として(B−1)化合物を用いた場
合には、モル比で10:1〜1:10、好ましくは2:
1〜1:5の範囲が望ましく、また(B−2)化合物を
用いた場合には、モル比で1:1〜1:100000
0、好ましくは1:10〜1:10000、さらに好ま
しくは1:5〜1:1000の範囲が望ましい。さら
に、(B−3)化合物を用いた場合には、モル比で1:
0.1〜1:2000、好ましくは1:0.2〜1:100
0、より好ましくは1:0.5〜1:500の範囲が望ま
しい。また、触媒成分(B)としては(B−1),(B
−2),(B−3)などを単独または二種以上組み合わ
せて用いることもできる。本発明の重合用触媒は、前記
の(A)成分及び(B)成分を主成分として含有するも
のであってもよいし、また、(A)成分、(B)成分及
び(C)有機アルミニウム化合物を主成分として含有す
るものであってもよい。ここで、(C)成分の有機アル
ミニウム化合物としては、一般式(VI) R6 r AlQ3-r ・・・(VI) 〔式中、R6 は前記と同じであり、Qは水素原子、炭素
数1〜20のアルコキシ基又はハロゲン原子を示し、r
は1〜3の数である。〕で示される化合物が用いられ
る。
【0023】前記一般式(VI)で示される化合物の具体
例としては、トリメチルアルミニウム,トリエチルアル
ミニウム,トリイソプロピルアルミニウム,トリイソブ
チルアルミニウム,ジメチルアルミニウムクロリド,ジ
エチルアルミニウムクロリド,メチルアルミニウムジク
ロリド,エチルアルミニウムジクロリド,ジメチルアル
ミニウムフルオリド,ジイソブチルアルミニウムヒドリ
ド,ジエチルアルミニウムヒドリド,エチルアルミニウ
ムセスキクロリドなどが挙げられる。これらの有機アル
ミニウム化合物は一種用いてもよく、二種以上を組合せ
て用いてもよい。前記(A)触媒成分と(C)触媒成分
との使用割合は、モル比で1:1〜1:10000、好
ましくは1:1〜1:2000、より好ましくは1:1
0ないし1:100の範囲が望ましい。該(C)触媒成
分を用いることにより、遷移金属あたりの重合活性を向
上させることができるが、あまり多いと有機アルミニウ
ム化合物が無駄になるとともに、重合体中に多量に残存
し、好ましくない。
【0024】本発明においては、触媒成分の少なくとも
一種を適当な担体に担持して用いることができる。該担
体の種類については特に制限はなく、無機酸化物担体、
それ以外の無機担体及び有機担体のいずれも用いること
ができるが、特に無機酸化物担体あるいはそれ以外の無
機担体が好ましい。無機酸化物担体としては、具体的に
は、SiO2 ,Al2 3 ,MgO,ZrO2 ,TiO
2 ,Fe2 3 ,B2 3 ,CaO,ZnO,BaO,
ThO2 や、これらの混合物、例えばシリカアルミナ,
ゼオライト,フェライト,グラスファイバーなどが挙げ
られる。これらの中では、特にSiO2 ,Al2 3
好ましい。なお、上記無機酸化物担体は、少量の炭酸
塩,硝酸塩,硫酸塩などを含有してもよい。
【0025】一方、上記以外の無機担体として、MgC
2 ,Mg(OEt)2 などのマグネシウム化合物やそ
の錯塩、あるいはMgR10 x 1 y で表される有機マグ
ネシウム化合物などを挙げることができる。ここで、R
10は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のア
ルコキシ基又は炭素数6〜20のアリール基、X1 はハ
ロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示し、x
は0〜2、yは0〜2である。各R10及び各X1 はそれ
ぞれ同一でもよく、また異なっていてもよい。また、有
機担体としては、ポリスチレン,ポリエチレン,ポリプ
ロピレン,置換ポリスチレン,ポリアリレートなどの重
合体や、スターチ,カーボンなどを挙げることができ
る。
【0026】本発明において用いる担体としては、Mg
Cl2 ,MgCl(OC2 5),Mg(OC2 5)2
SiO2 ,Al2 3 などが好ましい。また担体の性状
は、その種類及び製法により異なるが、平均粒径は通常
1〜300μm、好ましくは10〜200μm、より好
ましくは20〜100μmである。粒径が小さいと重合
体中の微粉が増大し、粒径が大きいと重合体中の粗大粒
子が増大し、嵩密度の低下や、ホッパーの詰まりの原因
となる。 また、担体の比表面積は、通常1〜1000
2 /g、好ましくは50〜500m2 /g、細孔容積
は、通常0.1〜5cm3 /g、好ましくは0.3〜3cm
3 /gである。比表面積又は細孔容積のいずれかが上記
範囲を逸脱すると、触媒活性が低下することがある。な
お、比表面積及び細孔容積は、例えばBET法に従って
吸着された窒素ガスの体積から求めることができる(ジ
ャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエテ
ィ、第60巻、第309ページ(1983年)参照)。さら
に、上記担体は、通常150〜1000℃、好ましくは
200〜800℃で焼成して用いることが望ましい。
【0027】触媒成分の少なくとも一種を前記担体に担
持させる場合、(A)触媒成分及び(B)触媒成分の少
なくとも一方を、好ましくは(A)触媒成分及び(B)
触媒成分の両方を担持させるのが望ましい。該担体に、
(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方を担持させ
る方法については、特に制限されないが、例えば
(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方と担体とを
混合する方法、担体を有機アルミニウム化合物又はハ
ロゲン含有珪素化合物で処理した後、不活性溶媒中で
(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方と混合する
方法、担体(A)成分及び/又は(B)成分と有機ア
ルミニウム化合物又はハロゲン含有珪素化合物とを反応
させる方法、(A)成分又は(B)成分を担体に担持
させた後、(B)成分又は(A)成分と混合する方法、
(A)成分と(B)成分との接触反応物を担体と混合
する方法、(A)成分と(B)成分の接触反応に際し
て、担体を共存させる方法、などを用いることができ
る。
【0028】なお、上記,及びの反応において、
(C)成分の有機アルミニウム化合物を添加することも
できる。このようにして得られた触媒は、一旦溶媒溜去
を行って固体として取り出してから重合に用いてもよい
し、そのまま重合に用いてもよい。また、本発明におい
ては、(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方の担
体への担持操作を重合系内で行うことにより触媒を生成
させることができる。例えば(A)成分及び(B)成分
の少なくとも一方と担体とさらに必要により前記(C)
成分の有機アルミニウム化合物を加え、エチレンなどの
オレフィンを常圧〜20kg/cm2 加えて、−20〜
200℃で1分〜2時間程度予備重合を行い触媒粒子を
生成させる方法を用いることができる。
【0029】本発明においては、前記化合物(B−1)
成分と担体との使用割合は、重量比で1:5〜1:10
000、好ましくは1:10〜1:500とするのが望
ましく、(B−2)成分と担体との使用割合は,重量比
で1:0.5〜1:1000、好ましくは1:1〜1:
50とするのが望ましく、(B−3)成分と担体との使
用割合は、重量比で好ましくは1:5〜1:1000
0、より好ましくは1:10〜1:500とするのが望
ましい。また、(A)成分と担体との使用割合は、重量
比で、1:5〜1:10000、好ましくは1:10〜
1:500とするのが望ましい。該(B)成分〔(B−
1)成分,(B−2)成分又は(B−3)成分〕と担体
との使用割合、又は(A)成分と担体との使用割合が上
記範囲を逸脱すると、活性が低下することがある。この
ようにして調整された本発明の重合用触媒の平均粒径
は、通常2〜200μm、好ましくは10〜150μ
m、より好ましくは20〜100μmであり、比表面積
は、通常20〜1000m2 /g、好ましくは50〜5
00m2 /gである。平均粒系が2μm未満であると重
合体中の微粉が増大することがあり、200μmを超え
ると重合体中の粗大粒子が増大することがある。比表面
積が20m2 /g未満であると活性が低下することがあ
り、1000m2 /gを超えると重合体の嵩密度が低下
することがある。また、本発明の触媒において、担体1
00g中の遷移金属量は、通常0.05〜10g、特に0.
1〜2gであることが好ましい。上記遷移金属量が範囲
外であると、活性が低くなることがある。このように担
体に担持することによって工業的に有利な高い嵩密度と
優れた粒径分布を有する重合体を得ることができる。
【0030】本発明の重合体の製造方法によると、上述
した重合用触媒を用いて、各種の単量体、特にオレフィ
ン類の単独重合、又はオレフィン類と他のオレフィン類
及び/又は他の単量体との共重合(つまり、異種のオレ
フィン類相互との共重合、オレフィン類と他の単量体と
の共重合、あるいは異種のオレフィン類相互と他の単量
体との共重合)を好適に行うことができる。該オレフィ
ン類については特に制限はないが、炭素数2〜20のα
−オレフィンが好ましい。このα−オレフィンとして
は、例えばエチレン,プロピレン,1−ブテン,3−メ
チル−1−ブテン,1−ペンテン,1−ヘキセン,4−
メチル−1−ペンテン,1−オクテン,1−デセン,1
−ドデセン,1−テトラデセン,1−ヘキサデセン,1
−オクタデセン,1−エイコセンなど、スチレン,p−
メチルスチレン,p−クロロスチレン,イソプロピルス
チレン,p−t−ブチルスチレン,p−フェニルスチレ
ン,p−トリメチルシリルスチレン,p−トリメチルシ
リルメチルスチレンなどのスチレン類などを挙げること
ができる。また、上述した他のオレフィン類について
も、上記オレフィン類の中から適宜選定すればよい。
【0031】本発明においては、上記オレフィン類は一
種用いてもよいし、二種以上を組合せて用いてもよい。
二種以上のオレフィンの共重合を行う場合、上記オレフ
ィン類を任意に組合せることができる。その際の使用割
合は、例えばプロピレンとエチレン、又はエチレンと炭
素数3〜10のα−オレフィンとを共重合させる場合、
プロピレンとエチレン、又はエチレンと炭素数3〜10
のα−オレフィンとの共重合比率(モル比)は、通常9
9.9:0.1〜0.1:99.9好ましくは99.5:0.5〜7
5.0:25.0の範囲で選ばれる。また、本発明において
は、上記オレフィン類と他の単量体とを共重合させても
よく、この際用いられる他の単量体としては、例えばブ
タジエン;イソプレン;1,5−ヘキサジエンなどの鎖
状ジオレフィン類、ノルボルネン;1,4,5,8−ジ
メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレンなどの環状オレフィン類、ノルボルナ
ジエン;5−エチリデンノルボルネン;5−ビニルノル
ボルネン;ジシクロペンタジエンなどの環状ジオレフィ
ン類、アクリル酸エチル;メタクリル酸メチルなどの不
飽和エステル類、β−プロピオラクトン;β−ブチロラ
クトン;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類、ε−カ
プロラクタム;δ−バレロラクタムなどのラクタム類、
エポキシプロパン;1,2−エポキシブタンなどのエポ
キシド類などを挙げることができる。なお、本発明の重
合触媒は,前記オレフィン類の重合に用いられるだけで
なく、オレフィン類以外の重合にも用いることができ
る。
【0032】本発明において、重合方法は特に制限され
ず、スラリー重合法、気相重合法、塊状重合法、溶液重
合法、懸濁重合法などのいずれの方法を用いてもよい
が、スラリー重合法、気相重合法が特に好ましい。重合
条件については、重合温度は通常−100〜250℃、
好ましくは−50〜200℃、より好ましくは0〜13
0℃である。また、反応原料に対する触媒の使用割合
は、原料モノマー/上記(A)成分(モル比)が1〜1
08、特に100〜105となることが好ましい。さら
に、重合時間は通常5分〜10時間、反応圧力は常圧〜
200kg/cm2 G、好ましくは常圧〜100kg/
cm2Gである。重合体の分子量の調節方法としては、
各触媒成分の種類,使用量,重合温度の選択、さらには
水素存在下での重合などがある。重合溶媒を用いる場
合、例えば、ベンゼン,トルエン,キシレン,エチルベ
ンゼンなどの芳香族炭化水素、シクロペンタン,シクロ
ヘキサン,メチルシクロヘキサン,などの脂環式炭化水
素、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,オクタンなどの脂
肪族炭化水素、クロロホルム,ジクロロメタンなどのハ
ロゲン化炭化水素などを用いることができる。これらの
溶媒は一種を単独で用いても良く、二種以上のものを組
合せてもよい。また、α−オレフィンなどのモノマーを
溶媒として用いてもよい。なお、重合方法によっては無
溶媒で行うことができる。
【0033】本発明においては、前記重合用触媒を用い
て予備重合を行うことができる。予備重合は、固体触媒
成分に、例えば、少量のオレフィンを接触させることに
より行うことができるが、その方法に特に制限はなく、
公知の方法を用いることができる。予備重合に用いるオ
レフィンについては特に制限はなく、前記に例示したも
のと同様のもの、例えばエチレン、炭素数3〜20のα
−オレフィン、あるいはこれらの混合物などを挙げるこ
とができるが該重合において用いるオレフィンと同じオ
レフィンを用いることが有利である。また、予備重合温
度は、通常−20〜200℃、好ましくは−10〜13
0℃、より好ましくは0〜80℃である。予備重合にお
いては、溶媒として、不活性炭化水素,脂肪族炭化水
素,芳香族炭化水素,モノマーなどを用いることができ
る。これらの中で特に好ましいのは脂肪族炭化水素であ
る。また、予備重合は無溶媒で行ってもよい。予備重合
においては、予備重合生成物の極限粘度〔η〕(135
℃デカリン中で測定)が0.2デシリットル/g以上、特
に0.5デシリットル/g以上、触媒中の遷移金属成分1
ミリモルあたりに対する予備重合生成物の量が1〜10
000g、特に10〜1000gとなるように条件を調
整することが望ましい。
【0034】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。
【0035】実施例1 (1)触媒成分(A):(テトラメチルホスホリル)チ
タニウムクロリドジメトキシド及び(テトラメチルホス
ホリル)チタニウムジクロリドメトキシドの合成(テト
ラメチルホスホリル)チタニウムトリクロリドは文献
(J. Chem. Soc.,Chem. Commun. 1988, 771 )に従い合
成した。次に充分に窒素置換した300ミリリットルシ
ュレンク管に、窒素雰囲気下で、(テトラメチルホスホ
リル)チタニウムトリクロリド1.89g(6.43ミリモ
ル) を採り、乾燥,窒素置換したテトラヒドロフラン1
00ミリリットルを加え溶解させた。これをドライアイ
ス−エタノールバスで冷却した。別の窒素置換した30
0ミリリットルシュレンク管にナトリウムメトキシド1.
04g(19.3ミリモル)を採り、乾燥, 窒素置換した
テトラヒドロフラン100ミリリットルを加え懸濁させ
た。この懸濁液を先の冷却した(テトラメチルホスホリ
ル)チタニウムトリクロリドのテトラヒドロフラン溶液
に撹拌しながら加え、ゆっくり室温まで昇温し、そのま
ま一晩撹拌した。減圧下で溶媒を溜去し、ヘキサンで抽
出した。濃縮後冷却すると赤橙色の結晶が析出した。N
MRにより確認したところ、(テトラメチルホスホリ
ル)チタニウムジクロリドメトキシドであった。残った
溶液をさらに濃縮し冷却すると黄橙色の結晶が析出し
た。NMRにより確認したところ、(テトラメチルホス
ホリル)チタニウムクロリドジメトキシドであった。
【0036】(2)触媒調製 充分に窒素置換した20ミリリットルシュレンク管に、
窒素雰囲気下で触媒成分(A):(テトラメチルホスホ
リル)チタニウムジクロリドメトキシド0.0351g
(0.122ミリモル)を採り、これに乾燥, 窒素置換し
たトルエン12.2ミリリットルを加え、(テトラメチル
ホスホリル)チタニウムクロリドジメトキシドの0.01
0Mのトルエン溶液を調製した。 (3)重合 充分に窒素置換した撹拌翼付き1リットルオートクレー
ブに、窒素雰囲気下で、乾燥,窒素置換したトルエン3
90ミリリットルと、乾燥,窒素置換した1−オクテン
10ミリリットルを導入し、次いで窒素雰囲気下でメチ
ルアルミノキサンの2.16Mトルエン溶液を0.46ミリ
リットル(1.0ミリモル)添加した。これを60℃に昇
温し、窒素雰囲気下で(2)で調製した(テトラメチル
ホスホリル)チタニウムクロリドジメトキシドの0.01
0Mトルエン溶液を1.00ミリリットル(10.0マイク
ロモル)添加した。これを80℃に昇温し、撹拌しなが
らエチレンを導入し、8気圧に一定となるようエチレン
を連続導入しながら30分間重合を行った。その結果2.
8gのエチレン/1−オクテン共重合体が得られた。融
点は105℃であった。Tm(融点)の測定は、示差走
査熱量計(DSC)を用い、昇温速度10℃/minと
して行った。
【0037】実施例2 充分に窒素置換した撹拌翼付き1リットルオートクレー
ブに、窒素雰囲気下で、乾燥,窒素置換したトルエン3
60ミリリットルと、乾燥,窒素置換した1−オクテン
40ミリリットルを導入し、80℃に昇温した。次いで
窒素雰囲気下でトリイソブチルアルミニウムの1.0Mト
ルエン溶液を1.0ミリリットル(1.0ミリモル)添加し
た。5分後、(テトラメチルホスホリル)チタニウムト
リクロリドの0.010Mトルエン溶液を0.10ミリリッ
トル(1.0マイクロモル)添加し、次いでテトラキス
(ペンタフルオロフェニル) 硼酸N,N−ジメチルアニ
リニウムの0.010Mトルエン溶液を0.10ミリリット
ル(1.0マイクロモル)添加した。これに、撹拌しなが
らエチレンを導入し、8気圧に一定となるようエチレン
を連続導入しながら1時間間重合を行った。その結果0.
3gのエチレン/1−オクテン共重合体が得られた。融
点は121℃であった。
【0038】比較例1 充分に窒素置換した撹拌翼付き1リットルオートクレー
ブに、窒素雰囲気下で、乾燥,窒素置換したトルエン3
60ミリリットルと、乾燥,窒素置換した1−オクテン
40ミリリットルを導入し、次いで窒素雰囲気下でメチ
ルアルミノキサンの2.16Mトルエン溶液を2.78ミリ
リットル(6.0ミリモル)添加した。これを60℃に昇
温し、窒素雰囲気下でビス(テトラメチルホスホリル)
ジルコニウムジクロリドの0.010Mトルエン溶液を0.
10ミリリットル(1.0マイクロモル)添加した。これ
を80℃に昇温し、撹拌しながらエチレンを導入し、8
気圧に一定となるようエチレンを連続導入しながら1時
間重合を行った。その結果26.9gのエチレン/1−オ
クテン共重合体が得られた。融点は126℃であった。
上記実施例と比較例1の結果から明らかなように、特に
実施例1においては、ここで得られたエチレン/1−オ
クテン共重合体の融点が、比較例1の融点126℃に比
べて21℃も低いことから、共重合性が格段に優れてい
ることがわかる。このことは、本発明の触媒を用いるこ
とによって、種々の共重合比率の共重合体を任意に製造
できることを示している。
【0039】
【発明の効果】本発明の(A)成分である遷移金属化合
物は新規な化合物であって、オレフィン重合用触媒成分
として有用である。また本発明のオレフィン重合用触媒
は、高活性およびすぐれた共重合性を有し、該触媒を用
いることにより、組成が均一で狭い分子量分布を有する
オレフィン系重合体が効率よく得られる。特に、本発明
の重合用触媒を用いると、エチレン/α−オレフィン共
重合体が極めて効率よく得られる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化合物(A)及び(B)を含有する
    ことを特徴とする重合用触媒。 (A)式(I)で示される化合物 (B)活性化助触媒 〔(Ra )55 〕MYb c ・・・(I) 〔式中、Mは、周期律表3〜10族又はランタノイド系
    列の金属を示す。Xは、14族又は15族の元素を示
    す。各Xは、同一でも異なっていてもよいが、5個のX
    のうち少なくとも一つは炭素以外の元素を含み、5個の
    Xは合計6個のπ電子を持ち、モノアニオン性の芳香性
    配位子を構成する。Rは、水素原子,ハロゲン原子もし
    くは炭素数1〜20の炭化水素基、酸素含有基又は珪素
    含有基を示す。各Rは、同一でも異なっていてもよく、
    R同士が架橋していてもよい。aは0又は1を示す。Y
    は、σ結合性の配位子又はキレート性の配位子を示す。
    各Yは、同じでも異なっていてもよい。〔(Ra )
    55 〕基とYとは、架橋していてもよい。bは、0以
    上で、(Mの原子価−1)に等しい整数である。Zは、
    ルイス塩基を示し、cは0〜3の整数である。〕
  2. 【請求項2】 下記化合物(A),(B)及び(C)を
    含有することを特徴とする重合用触媒。 (A)式(I)で示される化合物 (B)活性化助触媒 (C)有機アルミニウム化合物
  3. 【請求項3】 前記化合物(B)が、式(I)で示され
    る化合物(A)又は(A)の派生物からカチオン種を
    形成することができる化合物(B’)である請求項1又
    は2記載の重合用触媒。
  4. 【請求項4】 前記化合物(A)が、ヘテロ原子とし
    て、リン原子(P)及び窒素原子(N)から選択される
    一種以上の原子を含む遷移金属化合物である請求項1か
    ら3のいずれかに記載の重合用触媒。
  5. 【請求項5】 前記化合物(A)が、周期律表4族の金
    属を含有する遷移金属化合物である請求項1から4のい
    ずれかに記載の重合用触媒。
  6. 【請求項6】 前記化合物(B’)が、式(I)で示さ
    れる化合物(A)又は該(A)の派生物と反応してイオ
    ン性の錯体を形成するイオン性化合物(B−1)である
    請求項3から5のいずれかに記載の重合用触媒。
  7. 【請求項7】 前記化合物(B’)が、アルミノキサン
    (B−2)である請求項3から5のいずれかに記載の重
    合用触媒。
  8. 【請求項8】 前記化合物(A),(B)及び(C)の
    少なくとも一つを担体に担持してなる請求項2から7の
    いずれかに記載の重合用触媒。
  9. 【請求項9】 請求項1から8のいずれかに記載の重合
    用触媒の存在下、単量体を単独重合又は共重合させるこ
    とを特徴とする重合体の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1から8のいずれかに記載の重
    合用触媒の存在下、オレフィン類を単独重合、又はオレ
    フィン類と他のオレフィン類もしくは他の単量体とを共
    重合させることを特徴とする重合体の製造方法。
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