JP3436273B2 - オレフィン重合用触媒及びオレフィン系重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒及びオレフィン系重合体の製造方法

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JP3436273B2 JP25767193A JP25767193A JP3436273B2 JP 3436273 B2 JP3436273 B2 JP 3436273B2 JP 25767193 A JP25767193 A JP 25767193A JP 25767193 A JP25767193 A JP 25767193A JP 3436273 B2 JP3436273 B2 JP 3436273B2
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオレフィン重合用として
新規有用な触媒及びそれを用いたオレフィン系重合体の
効率的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高活性可溶系オレフィン重合用触
媒としては、遷移金属化合物とアルミノキサンとの組合
せが知られている(特開昭58−19309号,特開昭
60−217209号)。また、可溶系オレフィン重合
用触媒の活性種はカオチン種であることが提唱されてい
た[J.Am.Chem.Soc.81,81(1959),J.Am.Chem.Soc.82,195
3(1960) ,J.Am.Chem.Soc.107,7219(1985)] 。また、こ
の活性種を単離しオレフィン重合に応用した例として、
J.Am.Chem.Soc.108,7410(1986),特表平01−5026
36号,特開平03−139504号,ヨーロッパ公開
特許468651号などがあり、さらに有機アルミニウ
ム化合物を併用した例として、例えば特開平03−20
7704号,国際特許公開92−1723号などが挙げ
られる。また、特定の遷移金属とアルミノキサンからな
る触媒を用いたオレフィンの重合方法として、国際特許
公開87−2370号,特開平4−185614号が知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、遷移金属化合
物とアルミノキサンとの組合せによる触媒系は、アルミ
ノキサンの合成原料となるトリアルキルアルミニウムが
危険であり、また高価であり、さらに遷移金属に対し、
多量に用いなければならない、という欠点があり、生産
性において必ずしも工業的に適していなかった。
【0004】また、活性種を単離しオレフィン重合に適
用した例、又は有機アルミニウム化合物を併用した例を
記載した前記文献や公報中の重合例では、多量のアルミ
ノキサンを使用しなければならないという問題を有して
いた。さらに、これらの例示の中で使用されるシクロペ
ンタジエニル系配位子をもつ錯体により生成する重合体
は、反応温度が工業プロセスにおいて効率的な70〜1
00℃、あるいはそれ以上で重合を行なった場合、得ら
れる重合体の分子量が小さいという問題点があった。
【0005】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
であり、オレフィン重合用触媒として用いた場合高活性
であり、得られる重合体、又は共重合体の分子量が大
で、その組成が均一で、有機アルミニウムの残留が少な
く、かつ分子量分布を狭く制御しうるオレフィン重合用
触媒を提供するとともに、その触媒を用いた、優れた性
状を有するオレフィン系重合体を、大量の有機金属化合
物を用いることなく効率的に製造することができる方法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記化
合物(A)、(B)及び(C)を含有することを特徴と
するオレフィン重合用触媒が提供される。 (A)下記(I)式に示す遷移金属化合物 (B)遷移金属化合物(A)と反応してイオン性の錯体
を形成するイオン性化合物(C)トリイソブチルアルミニウム
【0007】
【化1】
【0008】[式中、Mは4価のチタン、ジルコニウ
ム又はハフニウムを示し、R,Rは、単結合または
炭素数1〜20の炭化水素基で、R,RはYを介
し、架橋構造を形成するものである。R,Rは、σ
結合性配位子、キレート性の配位子、またはルイス塩基
を示し、これらは互いに同一のものであってもよく、異
なるものであってもよい。e及びfはそれぞれ0〜2の
整数(e+fは2)を示す。Yは、単結合、2価の炭素
数1〜6の炭化水素基、窒素又は硫黄を含んでもよい炭
素数4〜10の芳香環、酸素又は硫黄を示す。ただし、
,R が、単結合のとき、Yは単結合ではない。
【0009】
【0010】さらに、前記重合用触媒を用いるオレフィ
ン系重合体の製造方法が提供される。なお、本発明に係
るオレフィン重合用触媒は上記の他、ルイス酸(D)を
含有するものや担体(E)に担持されたものも包含す
る。
【0011】以下、本発明を具体的に説明する。 1.遷移金属化合物(A) 本発明の重合用触媒の触媒成分(A)としての遷移金属
化合物(A)としては、たとえば前記(I)式の化合物
を挙げることができる。その好ましい具体例としては下
記のもの、及びチタンをジルコニウム、ハフニウムに代
えたものを挙げることができる。さらには、周期律表第
3〜10族又はランタノイド系列の金属を含む類似の遷
移金属化合物であってもよい。
【0012】2,2’−チオビス(6−t−ブチル−4
−メチルフェノキシ)チタンジクロリド、2,2’−チ
オビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)チタ
ンジメトキシド、2,2’−チオビス(6−t−ブチル
−4−メチルフェノキシ)チタンジイソプロポキシド、
2,2’−チオビス(6−t−ブチル−4−メチルフェ
ノキシ)チタンジメチル、2,2’−チオビス(6−t
−ブチル−4−メチルフェノキシ)チタンジベンジル、
2,2’−チオビス(6−t−ブチル−4−メチルフェ
ノキシ)チタンクロリドヒドリド、2,2’−オキシビ
ス(6−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)チタンジ
クロリド、2,2’−エチレンビス(6−t−ブチル−
4−メチルフェノキシ)チタンジクロリド、1,1’−
ビ−2,2’−ナフトキシチタンジクロリド、1,1’
−ビ−2,2’−ナフトキシチタンジイソプロポキシ
ド、1,1’−ビ−2,2’−ナフトキシチタンジメチ
ル、1,1’−ビ−2,2’−フェノキシチタンジクロ
リド、2,5−チオフェンジメトキシチタンジクロリ
ド、2,6−ピリジンジメトキシチタンジクロリド、カ
テコキシチタンジクロリド、1,8−ナフタレンジオキ
シチタンジクロリド、1,2−エタンジオキシチタンジ
クロリド、1,2−プロパンジオキシチタンジクロリ
ド、メソ−2,3−ブタンジオキシチタンジクロリド、
ラセミ−2,3−ブタンジオキシチタンジクロリド、メ
ソ−2,4−ペンタンジオキシチタンジクロリド、ラセ
ミ−2,4−ペンタンジオキシチタンジクロリド、
【0013】2.遷移金属化合物(A)と反応してイオ
ン性の錯体を形成するイオン性化合物(B) 本発明の重合用触媒の触媒成分(B)としての、遷移金
属化合物(A)と反応してイオン性の錯体を形成する化
合物(B)としては、特に制限はないが、下記一般式
(II),(III)のものを好適に使用することができ
る。 ([L−R11k+([Z] …(II) ([Lk+([Z] …(III) (ただし、LはM,R1213,R14
又はR15である。)[(II),(III)式中、
[Z]は非配位性アニオン[Z又は[Z
を示し、[Zは複数の基が元素に結合したアニオ
ンすなわち[M・・・A、(ここでM
は5〜15族元素,好ましくは13〜15族元素を示
し、また、A〜Aは水素原子、ジアルキルアミノ
基、炭素数1〜20の酸素含有基、炭素数1〜20の炭
化水素基、有機メタロイド基、ハロゲン原子、ハロゲン
置換炭化水素基を示し、2つ以上が環を形成していても
よい。nは[(中心金属Mの原子価)+1]の整数で
ある。)を示し、その少なくとも一個が周期律表第13
〜第15族から選ばれる元素に複数の基が結合したアニ
オンである非配位性アニオンを示す。また[Z
は、酸解離定数(pKa)が−10以下のブレンステ
ッド酸の共役塩基、ブレンステッド酸およびルイス酸の
組合せの共役塩基、または一般的に超強酸と定義される
ものの共役塩基を示す。ルイス塩基が配位していてもよ
い。]ここで、複数の基が元素に結合したアニオン[Z
1-、すなわち[M112・・・An]の具体例として
は、M1としてB,Al,Si,P,As,Sb好まし
くはB,Al、A1〜Anとして、ジアルキルアミノ基:
ジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基、炭素数1〜20
の酸素含有基:メトキシ基,エトキシ基,n−ブトキシ
基,フェノキシ基,2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフェノキシ基、炭素数1〜20の炭化水素基:メチル
基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−
ブチル基,イソブチル基,n−オクチル基,n−エイコ
シル基,フェニル基,p−トリル基,ベンジル基,4−
t−ブチルフェニル基,3,5−ジメチルフェニル基、
ハロゲン原子:フッ素,塩素,臭素,ヨウ素、炭素数1
〜20のハロゲン置換炭化水素基:p−フルオロフェニ
ル基,3,5−ジフルオロフェニル基,ペンタクロロフ
ェニル基,3,4,5−トリフルオロフェニル基,ペン
タフルオロフェニル基,3,5−ビス(トリフルオロメ
チル)フェニル基、有機メタロイド基:ペンタメチルア
ンチモン基,トリメチルシリル基,トリメチルゲルミル
基,ジフェニルアルシン基,ジシクロヘキシルアンチモ
ン基,ジフェニル硼素基を挙げることができる。非配位
性のアニオン、すなわち酸解離定数(pKa)が−10
以下のブレンステッド酸の共役塩基、ブレンステッド酸
およびルイス酸の組合せの共役塩基,または一般的に超
強酸と定義されるものの共役塩基[Zの具体例と
しては、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン(CF
3SO3-,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)メ
チルアニオン,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)
ベンジルアニオン,ビス(トリフルオロメタンスルホニ
ル)アミド,過塩素酸アニオン(ClO4-,トリフル
オロ酢酸アニオン(CF3CO2-,ヘキサフルオロア
ンチモンアニオン(SbF6-,フルオロスルホン酸ア
ニオン(FSO3-,クロロスルホン酸アニオン(Cl
SO3-,フルオロスルホン酸アニオン/5−フッ化ア
ンチモン(FSO3−SbF5-,フルオロスルホン酸
アニオン/5−フッ化ヒ素(FSO3−AsF5-,ト
リフルオロメタスルホン酸/5−フッ化アンチモン(C
3−SO3/SbF5-を挙げることができる。L
ルイス塩基、R11は、水素原子、炭素数1〜20の炭
化水素基を示し、R12およびR13は、それぞれシク
ロペンタジエニル基、または置換シクロペンタジエニル
基(各Cpは、互いに同一のものであってもよく、異な
るものであってもよい。2つ以上のCpは架橋構造であ
ってもよい。)を示す。R14は、炭素数1〜20の炭
化水素基あるいは炭素数1〜20の酸素含有基を示す。
kは、[L−R]、[L]のイオン価数で1〜
3、pは、1以上の整数、q=p×kである。Mは、
1〜3、11〜13、17族元素を含むものであり、M
は、7〜12族元素を示す。R15は、ポルフィン
類、フタロシアニン類、アリル基誘導体などを示す。]
【0014】ここで、ルイス塩基(L1 )の具体例とし
ては、アミン類:アンモニア,メチルアミン,アニリ
ン,ジメチルアミン,ジエチルアミン,N−メチルアニ
リン,ジフェニルアミン,N,N−ジメチルアニリン,
トリメチルアミン,トリエチルアミン,トリ−n−ブチ
ルアミン,メチルジフェニルアミン,ピリジン,p−ブ
ロモ−N,N−ジメチルアニリン,p−ニトロ−N,N
−ジメチルアニリン、ホスフィン類:トリエチルホスフ
ィン,トリフェニルホスフィン,ジフェニルホスフィ
ン、エーテル類:ジメチルエーテル,ジエチルエーテ
ル,ジオキサン,テトラヒドロフラン、チオエーテル
類:テトラヒドロチオフェン、エステル類:安息香酸エ
チル、ニトリル類:アセトニトリル,ベンゾニトリル、
鎖状不飽和炭化水素:エチレン,ブタジエン,1−ペン
テン,イソプレン及びこれらの誘導体、環状不飽和炭化
水素:ベンゼン,トルエン,キシレン,シクロオクタジ
エン,シクロオクタテトラエンを挙げることができる。
11の具体例としては水素,メチル基,エチル基,ベン
ジル基,トリチル基を挙げることができる。R12,R13
の具体例としてはシクロペンタジエニル基,メチルシク
ロペンタジエニル基,エチルシクロペンタジエニル基,
ペンタメチルシクロペンタジエニル基を挙げることがで
きる。R14の具体例としてはフェニル,p−トリル,p
−メトキシフェニルなどを挙げることができる。R15
具体例としてはテトラフェニルポルフィリン,フタロシ
アニン,アリル,メタリルを挙げることができる。M2
の具体例としてはLi,Na,K,Ag,Cu,Br,
I,I3 などを挙げることができる。M3 の具体例とし
てはMn,Fe,Co,Ni,Znなどを挙げることが
できる。
【0015】このような遷移金属化合物(A)と反応し
てイオン性の錯体を形成するイオン性化合物(B)の具
体例としてはテトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウ
ム、テトラフェニル硼酸トリ(n−ブチル)アンモニウ
ム、テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム、テト
ラフェニル硼酸テトラエチルアンモニウム、テトラフェ
ニル硼酸メチル(トリ−n−ブチル)アンモニウム、テ
トラフェニル硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモ
ニウム、テトラフェニル硼酸ジメチルジフェニルアンモ
ニウム、テトラフェニル硼酸トリフェニル(メチル)ア
ンモニウム、テトラフェニル硼酸トリメチルアニリニウ
ム、テトラフェニル硼酸メチルピリジニウム、テトラフ
ェニル硼酸ベンジルピリジニウム、テトラフェニル硼酸
メチル(2−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)硼酸トリエチルアンモニウム、テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ(n−ブ
チル)アンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸トリフェニルアンモニウム、テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸テトラ−n−ブチルアンモ
ニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テ
トラエチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニ
ウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メ
チルジフェニルアンモニウム、テトラキス(ペンタフル
オロフェニル)硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウ
ム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル
アニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
硼酸ジメチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸トリメチルアニリニウム、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルピリジニウム、
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジルピ
リジニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸メチル(2−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(2−シアノピリ
ジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸メチル(4−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルホスホニウ
ム、テトラキス[ビス(3,5−ジトリフルオロメチ
ル)フェニル]硼酸ジメチルアニリニウム、テトラフェ
ニル硼酸フェロセニウム、テトラフェニル硼酸銀、テト
ラフェニル硼酸トリチル、テトラフェニル硼酸テトラフ
ェニルポルフィリンマンガン、テトラキス(ペンタフル
オロフェニル)硼酸フェロセニウム、テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)硼酸(1,1’−ジメチルフェロ
セニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸デカメチルフェロセニウム、テトラキス(ペンタフル
オロフェニル)硼酸銀、テトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)硼酸トリチル、テトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)硼酸リチウム、テトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)硼酸ナトリウム、テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸テトラフェニルポルフィリンマンガン、
テトラフルオロ硼酸銀、ヘキサフルオロリン酸銀、ヘキ
サフルオロ砒素酸銀、過塩素酸銀、トリフルオロ酢酸
銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、を挙げることが
できる。
【0016】3.有機アルミニウム化合物(C) 本発明の重合用触媒は、触媒成分(C)として、有機ア
ルミニウム化合物(C)を含んでいてもよい。本発明に
用いられる、有機アルミニウム化合物(C)としては、
下記一般式(IV),(V)又は(VI)で表わされるもの
を挙げることができる。 R16 rAlQ3-r …(IV) (R16は炭素数1〜20、好ましくは1〜12のアルキ
ル基、Qは水素原子,ハロゲン原子、炭素数1〜20の
アルコキシ基又は炭素数6〜20のアリール基を示しQ
は同一でも異なっていてもよい。rは0〜3の整数であ
る。)式(IV)の化合物として、具体的には、トリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプ
ロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジ
メチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムク
ロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミ
ニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムフルオリド、
ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニ
ウムヒドリド、エチルアルミニウムセスキクロリド等が
挙げられる。
【0017】
【化2】 (R17は炭素数1〜20、好ましくは1〜12のアルキ
ル基,アルケニル基,アリール基,アリールアルキル基
等の炭化水素基、ハロゲン原子を示し、これらはそれぞ
れ同一でも異なっていてもよい。また、sは重合度を示
し、好ましい繰り返し単位数は3〜50、さらに好まし
くは7〜40である。)で示される鎖状アルミノキサ
ン。
【0018】
【化3】 (R17は式(V)と同じものを示す。また、sは重合
度を示し、好ましい繰り返し単位数は3〜50、さらに
好ましくは7〜40である。)で示される繰り返し単位
を有する環状アルミノキサン。
【0019】(IV)〜(VI)式の化合物の中で、好まし
いのは炭素数3以上のアルキル基、なかでも分岐アルキ
ル基を少なくとも1個以上有するアルキル基含有アルミ
ニウム化合物又はアルミノキサンである。特に好ましい
のは、トリイソブチルアルミニウム又は重合度7以上の
アルミノキサンである。このトリイソブチルアルミニウ
ムもしくは重合度7以上のアルミノキサン、またはこれ
らの混合物を用いた場合には、高い活性を得ることがで
きる。
【0020】前記アルミノキサンの製造法としては、ア
ルキルアルミニウムと水等の縮合剤とを接触させる方法
が挙げられるが、その手段に特に限定はなく、公知の方
法に準じて反応させればよい。例えば、有機アルミニ
ウム化合物を有機溶剤に溶解しておき、これを水と接触
させる方法、重合時に当初有機アルミニウム化合物を
加えておき、後に水を添加する方法、金属塩等に含有
されている結晶水、無機物や有機物への吸着水を有機ア
ルミニウム化合物と反応させる方法、テトラアルキル
ジアルミノキサンにトリアルキルアルミニウムを反応さ
せ、さらに水を反応させる方法等がある。なお、アルミ
ノキサンとしては、トルエン不溶性のものであってもよ
い。
【0021】また、(C)成分を用いる場合の使用量
は、(A)成分1モルに対し通常1〜2,000モル、
好ましくは5〜1,000モル、特に好ましくは10〜
500モルである。(C)成分を用いると重合活性の向
上を図ることができるが、あまり多いと有機アルミニウ
ム化合物が無駄になるとともに重合体中に多量に残存し
好ましくない。なお、(C)成分は、本発明の触媒と接
触させて用いてもよい。接触は、あらかじめ接触させて
もよく、重合系内で接触させてもよい。
【0022】4.ルイス酸(D) 本発明の重合用触媒は、触媒成分(D)としてルイス酸
(D)を含んでいてもよい。本発明に用いられるルイス
酸(D)としては、特に制限はなく、有機物でも、固体
状無機物でもよい。有機物としては、硼素化合物、アル
ミニウム化合物、無機物では、マグネシウム化合物等が
好適に用いられる。アルミニウム化合物としては、ビス
(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル)アルミニウム
メチル、[1,1’−ビス(2−ナフトキシ)]アルミ
ニウムメチル、マグネシウム化合物としては、塩化マグ
ネシウム、ジエトキシマグネシウム、硼素化合物として
は、トリフェニル硼素、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼素、トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチ
ル)フェニル]硼素、トリス[(4−フルオロメチル)
フェニル]硼素、トリメチル硼素、トリエチル硼素、ト
リ(n−ブチル)硼素、トリス(フルオロメチル)硼
素、トリス(ペンタフルオロエチル)硼素、トリス(ノ
ナフルオロブチル)硼素、トリス(2,4,6−トリフ
ルオロフェニル)硼素、トリス(3,5,−ジフルオロ
フェニル)硼素、ビス(ペンタフルオロフェニル)フル
オロ硼素、ジフェニルフルオロ硼素、ビス(ペンタフル
オロフェニル)クロロ硼素、ジメチルフルオロ硼素、ジ
エチルフルオロ硼素、ジ(n−ブチル)フルオロ硼素、
(ペンタフルオロフェニル)ジフルオロ硼素、フェニル
ジフルオロ硼素、(ペンタフルオロフェニル)ジフルオ
ロ硼素、フェニルジフルオロ硼素、(ペンタフルオロフ
ェニル)ジクロロ硼素、メチルジフルオロ硼素、エチル
ジフルオロ硼素、(n−ブチル)ジフルオロ硼素が挙げ
られる。
【0023】化合物(A)とルイス酸(D)との混合割
合(モル比)は1:0.1〜1:2000、好ましくは
1:0.2〜1:1000、特に好ましくは1:1〜
1:500である。ルイス酸(D)を用いることによ
り、遷移金属あたりの重合活性を向上させることができ
る。
【0024】5.担体(E) 本発明の重合用触媒においては、触媒成分(A)〜
(D)のうちの少なくとも一つの成分を担体(E)に担
持してもよい。この場合、担体(E)の種類に特に制限
はなく、無機担体、無機酸化物担体又は有機担体のいず
れでも用いることができるが、特に無機担体または無機
酸化物担体が好ましい。具体的には、無機担体として、
MgCl2,MgCl(OEt),Mg(OEt)2等の
マグネシウム化合物やその錯塩、またはMgR18 X1 Y
で表される有機マグネシウム化合物などを例示できる。
ここで、R18は炭素数1〜20のアルキル基,炭素数1
〜20のアルコキシ基又は炭素数6〜20のアリール
基、X1はハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル
基を示し、xは0〜2、yは0〜2である。
【0025】無機酸化物担体としては、SiO2 ,Al
23 ,MgO,ZrO2 ,TiO2 ,Fe23 ,B
23 ,CaO,ZnO,BaO,ThO2 や、これら
の混合物、例えばシリカアルミナ,ゼオライト,フェラ
イト,グラスファイバーなどを例示できる。これらの中
では、SiO2 ,Al23 が特に好ましい。なお、上
記無機酸化物担体は、少量の炭酸塩,硝酸塩,硫酸塩等
を含有してもよい。また、有機担体としては、ポリスチ
レン,ポリエチレン,直鎖状低密度ポリエチレン,ポリ
プロピレン,置換ポリスチレン,ポリアリレート等の重
合体や、スターチ,カーボンなどを例示することができ
る。
【0026】本発明に用いられる担体(E)の性状は、
その種類及び製法により異なるが、平均粒径は通常1〜
300μm、好ましくは10〜200μm、より好まし
くは20〜100μmである。粒径が小さいと重合体中
の微粉が増大し、粒径が大きいと重合体中の粗大粒子が
増大し、嵩密度の低下やホッパーの詰まりの原因とな
る。また、担体(E)の比表面積は、通常1〜1,00
0m2/g、好ましくは50〜500m2/g、細孔容積
は、通常0.1〜5cm3/g、好ましくは0.3〜3
cm3/gである。比表面積又は細孔容積のいずれかが
上記範囲を逸脱すると、触媒活性が低下することがあ
る。なお、比表面積及び細孔容積は、例えば、BET法
に従って吸着された窒素ガスの体積から求めることがで
きる[「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソ
サエテイ(J.Am.Chem.Soc.) 」第60巻、第309ペー
ジ(1983年)参照]。さらに、上記担体(E)は、通常
150〜1000℃、好ましくは200〜800℃で焼
成して用いることが望ましい。
【0027】本発明の重合用触媒は、前記化合物
(A),(B)を主成分とし、その化合物(A)及び
(B)の少なくとも一方を、好ましくは化合物(A)及
び(B)の両方を前記担体(E)に担持させることがで
きる。担体(E)に化合物(A)及び(B)の少なくと
も一方を担持させる方法としては、特に制限されない
が、例えば次の〜の方法を例示することができる。 化合物(A)及び(B)の少なくとも一方と担体
(E)とを混合する方法。 担体(E)を有機アルミニウム化合物(C)又はハロ
ゲン含有ケイ素化合物で処理した後、不活性溶媒中で化
合物(A)及び(B)の少なくとも一方と混合する方
法。 担体(E)と化合物(A)及び/又は(B)と有機ア
ルミニウム化合物(C)又はハロゲン含有ケイ素化合物
とを反応させる方法。 化合物(A)又は(B)を担体(E)に担持させた
後、化合物(B)又は(A)と混合する方法。 化合物(A)と化合物(B)との接触反応物を担体
(E)と混合する方法。 化合物(A)と化合物(B)の接触反応に際して担体
(E)を共存させる方法。 なお、上記,,の反応において、前記有機アルミ
ニウム化合物(C)を添加することもできる。このよう
にして得られた触媒は、一旦溶媒留去を行なって固体と
して取り出してから重合に用いてもよいし、そのまま重
合に用いてもよい。
【0028】また、本発明においては、化合物(A)及
び(B)の少なくとも一方の担体(E)への担持操作を
重合系内で行なうことにより触媒を生成させることもで
きる。化合物(A)及び(B)の少なくとも一方と担体
(E)、さらに必要に応じて有機アルミニウム化合物
(C)を加え、エチレンなどのオレフィンを常圧〜20
Kg/cm2加えて、−20〜100℃で1分〜2時間
予備重合を行い触媒粒子を生成させる方法がある。
【0029】本発明において、化合物(B)と担体
(E)との混合割合(重量比)は、1:5〜1:100
00、特に1:10〜1:500とすることが好まし
い。また、化合物(A)と担体(E)との混合割合(重
量比)は、1:5〜1:10000、特に1:10〜
1:500とすることが好ましい。化合物(B)と担体
(E)との混合割合又は化合物(A)と担体(E)との
混合割合が上記範囲を外れると、活性が低下することが
ある。上記のようにして調製される本発明の重合用触媒
の平均粒径は、通常2〜200μm、好ましくは10〜
150μm、特に好ましくは20〜100μmであり、
比表面積は、通常20〜1000m2/g、好ましくは
50〜500m2/gである。平均粒径が2μm未満で
あると重合体中の微粉が増大することがあり、200μ
mを超えると重合体中の粗大粒子が増大することがあ
る。比表面積が20m2/g未満であると活性が低下す
ることがあり、1000m2/gを超えると重合体の嵩
密度が低下することがある。
【0030】また、本発明の触媒において、担体100
g中の遷移金属量は、通常0.05〜10g、特に0.
1〜2gであることが好ましい。上記遷移金属量が範囲
外であると、活性が低くなることがある。このように担
体(E)に担持することによって工業的に有利な高い嵩
密度と優れた粒径分布を有する重合体を得ることができ
る。
【0031】6.重合体の製造方法 本発明における重合体の製造方法によれば、上述した本
発明の重合用触媒を用いて、例えば、オレフィンの単独
重合又は、エチレンまたはプロピレンと、他のオレフィ
ンもしくは他の不飽和化合物との共重合を好適に行うこ
とができる。この場合、オレフィンの種類に特に限定は
ないが、エチレンまたは炭素数3〜20のα−オレフィ
ンが好ましい。具体的には、エチレン,プロピレン,1
−ブテン,3−メチル−1−ブテン,1ーペンテン,1
−ヘキセン,4−メチル−1−ペンテン,1−オクテ
ン,1−デセン,1−ドデセン,1−テトラデセン,1
−ヘキサデセン,1−オクタデセン,1−エイコセンな
ど、スチレン,p−メチルスチレン,p−クロロスチレ
ン,p−t−ブチルスチレン,p−フェニルスチレン,
p−メチルシリルスチレン,p−トリメチルシリルメチ
ルスチレンなどのスチレン類などを好適に使用すること
ができる。
【0032】本発明において、二種以上のオレフィンの
共重合を行なう場合、上記モノマーを任意に組み合わせ
ることができる。たとえば、プロピレンとエチレン又
は、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとを共
重合させる場合、プロピレンとエチレン又は、エチレン
と炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合比率は、
通常、モル比で99.9:0.1〜60.0:40.0
好ましくは99.5:0.5〜75.0:25.0であ
る。
【0033】なお、本発明の重合体の製造方法は、特に
オレフィンの重合用に適するものであるが他の不飽和化
合物との共重合、例えば、ブタジエン、イソプレン、
1,5−ヘキサジエンなどの鎖状ジオレフィン類、ノル
ボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなど
の環状オレフィン類、ノルボルナジエン、エチリデンノ
ルボルネンなどの環状ジオレフィン類、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸メチル等の不飽和エステル類、β−プ
ロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラク
トン等のラクトン類との共重合にも用いることができ
る。
【0034】本発明において、重合方法は特に制限され
ず、スラリー重合法、気相重合法、塊状重合法、溶液重
合法、懸濁重合法などのいずれの方法を用いてもよい
が、スラリー重合法、気相重合法が特に好ましい。重合
条件に関し、重合温度は通常−100〜250℃、好ま
しくは−50〜200℃、より好ましくは0〜130℃
である。また、反応原料に対する触媒の使用割合は、原
料モノマー/上記(A)成分(モル比)または原料モノ
マー/上記(B)成分(モル比)を1〜108、特に1
00〜105とすることが好ましい。さらに、重合時間
は通常5分〜10時間、反応圧力は常圧〜100Kg/
cm2G、好ましくは常圧〜30Kg/cm2Gである。
重合体の分子量の調節方法としては、各触媒成分の種
類,使用量,重合温度の選択、さらには水素存在下での
重合などがある。重合溶媒を用いる場合、例えば、ベン
ゼン,トルエン,キシレン,エチルベンゼンなどの芳香
族炭化水素、シクロペンタン,シクロヘキサン,メチル
シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、ペンタン,ヘキ
サン,ヘプタン,オクタンなどの脂肪族炭化水素、クロ
ロホルム,ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素等を
用いることができる。これらの溶媒は1種を単独で用い
てもよく、2種以上のものを組合せてもよい。また、α
−オレフィン等のモノマーを溶媒として用いてもよい。
なお、重合は無溶媒で行なってもよい。
【0035】本発明の重合体の製造方法においては、本
発明触媒を用いて予備重合を行なうことができる。予備
重合は、固体触媒成分に、例えば、少量のオレフィンを
接触させることにより行なうことができるが、その方法
に特に制限はなく、既知の方法を用いることができる。
予備重合に用いるオレフィンに限定はなく、前記と同様
のもの、例えばエチレン,C3 〜C20のα−オレフィ
ン,あるいはこれらの混合物等を挙げることができる
が、本重合に用いるオレフィンと同じオレフィンを用い
ることが好ましい。また、予備重合温度は、通常−20
〜100℃、好ましくは−10〜70℃、より好ましく
は0〜50℃である。予備重合においては、溶媒とし
て、不活性炭化水素,脂肪族炭化水素,芳香族炭化水
素,モノマー等を用いることができる。これらの中で特
に好ましいのは脂肪族炭化水素である。また、予備重合
は無溶媒で行なってもよい。予備重合においては、予備
重合生成物の極限粘度[η](135℃デカリン中で測
定)が0.2dl/g以上、特に0.5dl/g以上、
触媒中の遷移金属成分1ミリモル当りに対する予備重合
生成物の量が1〜10,000g、特に10〜1,00
0gとなるように条件を調整することが好ましい。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。実施例1 (1)触媒成分(A):2,2’−チオビス(6−t−
ブチル−4−メチルフェノキシ)チタンジクロリドの合
成 文献:Makromol.Chem.,Rapid Commun.10,349(1989)に準
じ合成した。
【0037】(2)触媒調製 充分に窒素置換したシュレンクに窒素雰囲気下で2,
2’−チオビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノキ
シ)チタンジクロリド(触媒(1))0.082g
(0.173mmol)を採り、これに精製トルエン1
7.3mlを加え、0.01Mのトルエン溶液を調製し
た。 充分に窒素置換したシュレンクに窒素雰囲気下で触媒
成分(B):テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸N,N−ジメチルアニリニウム[PhNMe2 H]
[B(C654 ]0.0876g(0.109mm
ol)を採り、これに精製トルエン10.9mlを加
え、[PhNMe2 H][B(C654]の0.0
1Mのトルエン溶液を調製した。
【0038】(3)重合 充分に窒素置換した攪拌翼付1リットルオートクレーブ
に窒素雰囲気下で精製トルエン360ml及び1−オク
テン40mlを導入し、窒素雰囲気下でトリイソブチル
アルミニウム(TIBA)の1.0Mトルエン溶液を
1.0ml(1.0mmol)添加し、60℃に保っ
た。30分後、窒素雰囲気下で(2)で調製した触媒
(1)を0.05ml(0.5μmol)添加し、つい
で窒素雰囲気下で(2)で調製した[PhNMe2 H]
[B(C654 ]を0.05ml(0.5μmo
l)添加した。これに攪拌しながらエチレンを導入し、
80℃、8気圧に一定となるようエチレンを連続導入し
ながら1時間重合を行なった。その結果、表1に示すよ
うに0.60gのポリエチレン共重合体が得られた。ま
た、この重合体の極限粘度[η]は9.25で、DSC
から求めた融点(Tm,セカンドヒーティング)は79
℃であった。DSCの測定は、以下の条件に従った。 機種:セイコー電子(社)製、DSC220 条件:ファーストヒーティング 室温〜190℃ 10℃/分 190℃で3分保持 ファーストクーリング 190℃〜室温 10℃/分 室温で3分保持 セカンドヒーティング 室温〜190℃ 10℃/分
【0039】実施例2〜6及び比較例1 用いた触媒種、オレフィン、重合条件として表1に示し
た条件で重合を行なった以外は実施例1に準じて重合を
行なった。結果を表2に示す。
【0040】
【表1】
【0041】 [表2] ───────────────────────── No. 収 量 Tm [η]* g ℃ dl/g ───────────────────────── 実施例1 0.60 79 9.25 実施例2 4.8 129 − 実施例3 4.5 129 6.25 実施例4 0.66 138 6.87 実施例5 3.5 83 7.56 実施例6 0.13 132 − 比較例1 65 117 2.78 ───────────────────────── * −:未測定
【0042】実施例7〜14 用いた触媒種、オレフィン、重合条件として表3に示し
た条件で重合を行なった以外は、実施例1に準じて重合
を行なった。結果を表4に示す。なお、表3中の触媒
(4)〜(7)は、それぞれ下記式(VII) 〜(X)で
表わされる化合物(化4〜化7)を示す。
【0043】
【化4】
【0044】
【化5】
【0045】
【化6】
【0046】
【化7】
【0047】遷移金属錯体は、Chemistry Express Vol
2. No.7 P445〜448(1987) に準じて合成した。
【0048】
【表3】
【0049】 [表4] ───────────────────────── No. 収 量 Tm [η]* g ℃ dl/g ───────────────────────── 実施例7 0.27 139 − 実施例8 0.06 121 × 実施例9 1.20 140 − 実施例10 1.20 127 3.09 実施例11 0.71 138 − 実施例12 0.25 120 × 実施例13 0.45 138 − 実施例14 0.42 118 × ───────────────────────── * −:未測定 ×:[η]測定条件で溶解しない高分子量体を示す。
【0050】実施例15〜22 用いた触媒種、オレフィン、重合条件として表5に示し
た条件で重合を行なった以外は、実施例7に準じて重合
を行なった。結果を表6に示す。なお、表5中の触媒
(8)〜(11)は、それぞれ下記式(XI)〜(XIV)
で表わされる化合物(化8〜化11)を示す。
【0051】
【化8】
【0052】
【化9】
【0053】
【化10】
【0054】
【化11】
【0055】
【表5】
【0056】 [表6] ───────────────────────── No. 収 量 Tm [η]* g ℃ dl/g ───────────────────────── 実施例15 0.23 139 − 実施例16 0.33 122 − 実施例17 0.32 137 − 実施例18 0.65 121 − 実施例19 0.78 138 − 実施例20 0.88 120 − 実施例21 0.52 138 − 実施例22 0.44 123 − ───────────────────────── * −:未測定
【0057】実施例23 窒素置換した200mlフラスコに、シリカ(平均粒径
70μm、比表面積260m2 /g、細孔容積260c
c/g)を300℃で4時間焼成したもの3.0g、
1,1’−ビ−2,2’−ナフトキシジルコニウムジク
ロリドのトルエン溶液(0.01mol/l)100m
l、トリイソブチルアルミニウム5mmol、テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリニウ
ム2mmolを投入し、攪拌をしながら室温で30分間
反応させた後、減圧下でトルエンを除去し固体触媒を得
た。加熱減圧乾燥した1リットルオートクレーブに、ト
ルエン360ml、1−オクテン40ml、TIBA1
mmolを入れ、溶液を60℃に昇温した。上記固体触
媒をジルコニウム換算で2μmol入れ、80℃に昇温
した。80℃でエチレンを8atm連続的に導入しなが
ら1時間重合した。得られたポリマーは5.2gで、融
点は124℃であった。
【0058】実施例24 加熱減圧乾燥した1リットルオートクレーブに、トルエ
ン360ml、1−オクテン40ml、トリス(ペンタ
フルオロフェニル)硼素1mmolを入れ、60℃に昇
温した。カテコキシチタンジクロリド2μmolを入
れ、80℃に昇温後、80℃でエチレンを8atm連続
的に導入しながら1時間重合した。得られたポリマー
1.1gで、融点は121℃であった。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、オレフィン重合用触媒
として用いた場合、高活性で、得られる重合体、又は共
重合体の分子量が大で、その組成が均一で、有機アルミ
ニウムの残留が少なく、かつ分子量分布を狭く制御しう
るオレフィン重合用触媒を提供することができる。ま
た、その触媒を用いた優れた性状を有するオレフィン系
重合体を大量の有機金属化合物を用いることなしに効率
的に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川崎 信夫 千葉県袖ケ浦市上泉1280番地 出光興産 株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−185614(JP,A) 特開 平3−290411(JP,A) 特開 平4−69394(JP,A) 特開 平4−25514(JP,A) 特開 平3−207704(JP,A) 特開 昭63−3008(JP,A) 特開 平5−279418(JP,A) 国際公開91/014713(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/60 - 4/70

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化合物(A)、(B)及び(C)を
    含有することを特徴とするオレフィン重合用触媒。 (A)下記(I)式に示す遷移金属化合物 (B)遷移金属化合物(A)と反応してイオン性の錯体
    を形成するイオン性化合物 (C)トリイソブチルアルミニウム 【化1】 [式中、Mは4価のチタン、ジルコニウム又はハフニ
    ウムを示し、R,Rは、単結合または炭素数1〜2
    0の炭化水素基で、R,RはYを介し、架橋構造を
    形成するものである。R,Rは、σ結合性配位子、
    キレート性の配位子、またはルイス塩基を示し、これら
    は互いに同一のものであってもよく、異なるものであっ
    てもよい。e及びfはそれぞれ0〜2の整数(e+fは
    2)を示す。Yは、単結合、2価の炭素数1〜6の炭化
    水素基、窒素又は硫黄を含んでもよい炭素数4〜10の
    芳香環、酸素又は硫黄を示す。ただし、R ,R が、
    単結合のとき、Yは単結合ではない。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の触媒を用いることを特徴
    とするオレフィン系重合体の製造方法。
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