JPH07249946A - Ab級プッシュプル駆動回路、その駆動方法及びこれを用いたab級電子回路 - Google Patents

Ab級プッシュプル駆動回路、その駆動方法及びこれを用いたab級電子回路

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JPH07249946A
JPH07249946A JP6144539A JP14453994A JPH07249946A JP H07249946 A JPH07249946 A JP H07249946A JP 6144539 A JP6144539 A JP 6144539A JP 14453994 A JP14453994 A JP 14453994A JP H07249946 A JPH07249946 A JP H07249946A
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circuit
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semiconductor element
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Kazuo Yamashita
和郎 山下
Masayuki Adachi
誠幸 足立
Masatoyo Nishibe
匡豊 西部
Masahiko Egawa
政彦 江川
Shoji Inoue
昭治 井上
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Japan Radio Co Ltd
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Japan Radio Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 出力振幅を大きくすることができ、対称性が
良く、異常発振が生じ難く温度的にも安定なAB級プッ
シュプル駆動回路を実現する。 【構成】 NPNトランジスタQ1 及びQ2 とPNPト
ランジスタQ3 及びQ4のエミッタを共通接続する。定
電圧回路1及び2によりQ1 とQ3 及びQ2 とQ4 のベ
ース間電圧を一定に保持する。Q1 のベースとQ2 のベ
ースの間に差動入力電圧Vi を印加する。コレクタ電流
1 とI3 、I2 とI4 がそれぞれ指数関数的にかつ差
動的に増減する。I1 とI3 を反転加算しあるいはI2
とI4 を反転加算することによりAB級駆動電流が得ら
れる。信号増幅に係る経路差が生じないため高周波にお
ける経路間位相差が生じ難い。AB級動作のための帰還
等がないため異常発振が生じ難い。定電圧回路1及び2
がダイオードD1 〜D4 により構成されているためQ1
〜Q4 の温度特性が補償される。さらに、低電圧駆動も
可能になる。FETを用いてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音響装置におけるスピ
ーカ駆動回路、サーボ系におけるモータ駆動回路、演算
増幅器における出力回路等、負荷をAB級プッシュプル
駆動する回路に関し、さらにはその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】AB級プッシュプル駆動回路としては、
例えば図23に示されるような構成が知られている。こ
の図に示される回路は、NPNトランジスタQ101 のエ
ミッタとPNPトランジスタQ102 のエミッタとを接続
し、トランジスタQ101 のコレクタに正の電源電圧Vcc
を、トランジスタQ102 のコレクタに負の電源電圧Vss
を、それぞれ印加した構成を有している。トランジスタ
101 のコレクタベース間には定電流源Q103 が、トラ
ンジスタQ102 のベースコレクタ間には定電流源Q104
が、それぞれ接続されている。また、トランジスタQ
101 のベースとトランジスタQ102 のベースの間には2
個のダイオードD101 及びD102 が直列接続されてい
る。これら、ダイオードD101 及びD102 は、トランジ
スタQ101 及びトランジスタQ102 のベースエミッタ間
PN接合と順方向である。ダイオードD101 とD102
接続点には外部から電圧Vi が印加され、またトランジ
スタQ10 1 及びQ102 のエミッタからは、図示しない後
段の負荷に駆動電流io が出力される。
【0003】この図で示される回路によれば、駆動電流
o を、図24に示されるように、AB級とすることが
できる。すなわち、トランジスタQ101 及びQ102 のエ
ミッタの電圧をVo とすると、Vi −Vo に対し、トラ
ンジスタQ101 のコレクタ電流in 及びトランジスタQ
102 のコレクタ電流ip が、図24中破線で示されるよ
うに変化するから、駆動電流io =in −ip は、図2
4中実線で示されるように変化することとなる。
【0004】図25には、AB級プッシュプル駆動回路
の他の構成が示されている。この従来例では、図23の
従来例におけるNPNトランジスタQ101 に代えNチャ
ネルFET(電界効果トランジスタ)Q105 が、PNP
トランジスタQ102 に代えPチャネルFETQ106 が、
それぞれ使用されている。FETQ105 及びQ106 のソ
ースは共通接続されており、図示しない後段の負荷に駆
動電流io を出力している。FETQ105 のドレインに
は正の電源電圧VDDが、FETQ106 のドレインには負
の電源電圧Vssが、それぞれ印加されている。FETQ
105 のゲートドレイン間には定電流源Q103 が、FET
106 のゲートドレイン間には定電流源Q104 が、それ
ぞれ接続されている。また、図23におけるダイオード
101 に代えNチャネルFETQ107 が、ダイオードD
102 に代えPチャネルFETQ10 8 が、それぞれ使用さ
れており、これらのFETQ107 及びQ108 のゲートド
レインは外部短絡されており、両者のソースには電圧V
i が印加されている。この回路においても、図24に示
されるような特性が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図23や図2
4に示される回路は、電源電圧Vcc及びVssが低い場合
には使用することができない。すなわち、トランジスタ
101 のベース電圧やFETQ105 のゲート電圧は正の
電源電圧Vcc又はVDD以上になることができず、またそ
のベースエミッタ間又はゲートソース間電圧分の降下も
存在している。また、トランジスタQ102 のベース電圧
やFETQ106 のゲート電圧は負の電源電圧Vss以下に
なることができず、またそのベースエミッタ間電圧又は
ゲートソース間電圧分の電圧降下も存在している。従っ
て、これらの従来例においては、出力電圧Vo の振幅
が、正負の電源電圧によって定まる値より小さくなり、
正負の電源電圧間をフルに活用することができないた
め、低電圧電源で駆動することができない。
【0006】このような問題のないAB級プッシュプル
駆動回路としては、例えば図26に示されるような構成
が知られている。この回路においては、PNPトランジ
スタQ112 のコレクタとNPNトランジスタQ114 のコ
レクタが接続されており、トランジスタQ112 のエミッ
タには正の電源電圧Vccが、トランジスタQ114 のエミ
ッタには負の電源電圧Vssが、それぞれ印加されてい
る。トランジスタQ112及びQ114 のコレクタからは、
後段の負荷に供給される駆動電流i0 が出力されてお
り、またこの点の電位はVo である。トランジスタQ
112 のコレクタ電流をip 、トランジスタQ114 のコレ
クタ電流をin とすると、出力される駆動電流i0 は、
p −in となる。
【0007】トランジスタQ112 及びQ114 には、それ
ぞれ、PNPトランジスタQ111 及びNPNトランジス
タQ113 が接続されている。トランジスタQ111 のベー
スには、外部から電圧Vi が印加されている。電圧Vi
は、他方で、差動入力回路101を構成するNPNトラ
ンジスタQ118 のコレクタにも印加されている。この差
動入力回路101は、エミッタ同士が接続された2個の
NPNトランジスタQ117 及びQ118 の他、これらのト
ランジスタQ117 及びQ118 のエミッタに定電流を供給
する定電流源Q119 、トランジスタQ117 又はQ118
コレクタに定電流を供給する定電流源Q120 及びQ121
から構成されている。トランジスタQ11 8 には、そのベ
ースエミッタ間PN接合と順方向となるよう直列接続さ
れた2個のダイオードD111 及びD112 が接続されてお
り、このダイオードD111 及びD112 には定電流源Q
122 から定電流が供給されている。従って、トランジス
タQ118 のベースエミッタ間電圧は定電圧に保持されて
いる。前述のトランジスタQ113 のベースは、このトラ
ンジスタQ118 と対をなすトランジスタQ117 のコレク
タに接続されている。
【0008】また、トランジスタQ117 のベースは、P
NPトランジスタQ115 のコレクタとPNPトランジス
タQ116 のエミッタに接続されており、トランジスタQ
115エミッタには正の電源電圧Vccが、トランジスタQ
116 のコレクタには負の電源電圧Vssが、それぞれ印加
されている。従って、この従来例においては、トランジ
スタQ112 のベースエミッタ間電圧がトランジスタQ
116 のベースエミッタ間に転写され、これによりトラン
ジスタQ114 のベースエミッタ間電圧とトランジスタQ
112 のベースエミッタ間電圧の和がトランジスタQ117
のベースに印加される。前述のように、トランジスタQ
117 のベースにはダイオードD111 及びD112 による2
個のPN接合に係る電圧が印加されており、差動入力回
路101においては、これらのダイオードに係る電圧と
トランジスタQ114 及びQ112 に係るベースエミッタ間
電圧の差が比較され、これによって電流io がAB級駆
動される。
【0009】図26に示される回路によれば、図23に
示される回路と異なり出力に係るトランジスタQ112
びQ114 のベースエミッタ間電圧が出力電圧Vo の振幅
範囲に影響を与えないため、比較的低い電源電圧であっ
ても駆動することができる。しかし、この従来例には他
の問題点がある。
【0010】第1に、図26に示される回路においては
プッシュプル増幅の経路が2個存在しており、両経路の
経路差が大きいため各経路を介して増幅された信号間に
位相差が発生してしまう。すなわち、図26において
は、トランジスタQ111 のベース→エミッタ→トランジ
スタQ112 のベース→コレクタという第1の増幅経路が
あり、また、トランジスタQ111 のベース→エミッタ→
トランジスタQ115 のベース→コレクタ→トランジスタ
117 のベース→コレクタ→トランジスタQ113のベー
ス→エミッタ→トランジスタQ134 のベース→コレクタ
という第2の経路がある。図から理解できるように、こ
れら2個の信号増幅経路の経路差は大きい。
【0011】図26の回路においては、第2に、AB級
動作のための負帰還閉ループが2個存在しており、この
2個の負帰還閉ループが発振し易いという問題点があ
る。すなわち、トランジスタQ111 のベース→エミッタ
→トランジスタQ115 のベース→コレクタ→トランジス
タQ117 のベース→エミッタ→トランジスタQ118 のエ
ミッタ→コレクタ→トランジスタQ111 のベースという
経路を辿る第1の負帰還閉ループと、トランジスタQ
113 のベース→エミッタ→トランジスタQ116 のベース
→エミッタ→トランジスタQ117 のベース→コレクタ→
トランジスタQ113のベースという第2の負帰還閉ルー
プが存在しており、これらのループは共に発振し易い。
【0012】本発明は、これらの問題点を解決すること
を課題としてなされたものであり、出力振幅を大きくす
ることができ従って電源電圧が低い場合にも負荷をAB
級駆動可能なAB級プッシュプル駆動回路及びその駆動
方法を提供することを目的とする。また、本発明は、プ
ッシュプル増幅のための信号増幅経路の経路差が少な
く、従って例えば高周波領域での信号間の位相差が生じ
ないAB級プッシュプル駆動回路及びその駆動方法を提
供することを目的とする。本発明は、さらに、AB級動
作のための負帰還閉ループ等を必要とせず従って発振の
生じにくいより安定なAB級プッシュプル駆動回路及び
その駆動方法を提供することを目的とする。本発明は、
そして、その動作が温度補償されたより安定なAB級プ
ッシュプル駆動回路及びその駆動方法を提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の第1の構成に係るAB級プッシュプ
ル駆動回路は、それぞれ供給電極、駆動電極及び制御電
極を有する第1極性の第1半導体素子(Q1 、Q5 )及
び第2半導体素子(Q2 、Q6 )並びに第2極性の第3
半導体素子(Q3 、Q7 )及び第4半導体素子(Q4
8 )と、第1半導体素子(Q1 、Q5 )の制御電極と
第3半導体素子(Q3 、Q7 )の制御電極の間の電圧を
一定に保持する第1定電圧回路(1)と、第2半導体素
子(Q2、Q6 )の制御電極と第4半導体素子(Q4
8 )の制御電極の間の電圧を一定に保持する第2定電
圧回路(2)と、第1半導体素子(Q1 、Q5 )の駆動
電極に流れる電流(I1 、I5 )と第3半導体素子(Q
3 、Q7 )の駆動電極に流れる電流(I3 、I7 )を反
転加算することによりAB級駆動電流を発生させこれを
出力する第1出力回路(3、5)と、を備え、第1乃至
第4半導体素子(Q1 〜Q8 )の供給電極が共通接続さ
れており、駆動電極には供給電極に流れる電流とほぼ等
しい電流が流れ、制御電極によって駆動電極に流れる電
流が制御されることを特徴とする。
【0014】本発明の第2の構成に係るAB級プッシュ
プル駆動回路は、それぞれ供給電極、駆動電極及び制御
電極を有する第1極性の第1半導体素子(Q1 、Q5
及び第2半導体素子(Q2 、Q6 )並びに第2極性の第
3半導体素子(Q3 、Q7 )及び第4半導体素子
(Q4 、Q8 )と、第1半導体素子(Q1 、Q5 )の制
御電極と第3半導体素子(Q3 、Q7 )の制御電極の間
の電圧を一定に保持する第1定電圧回路(1)と、第2
半導体素子(Q2 、Q6 )の制御電極と第4半導体素子
(Q4 、Q8 )の制御電極の間の電圧を一定に保持する
第2定電圧回路(2)と、第2半導体素子(Q2
6 )の駆動電極に流れる電流(I2 、I6 )と第4半
導体素子(Q4 、Q8 )の駆動電極に流れる電流
(I4 、I8 )を反転加算することによりAB級駆動電
流を発生させこれを出力する第2出力回路(4、6、1
2〜15)と、を備え、第1乃至第4半導体素子(Q1
〜Q8 )の供給電極が共通接続されており、駆動電極に
は供給電極に流れる電流とほぼ等しい電流が流れ、制御
電極によって駆動電極に流れる電流が制御されることを
特徴とする。
【0015】本発明の第3の構成に係るAB級プッシュ
プル駆動回路は、第1の構成に、さらに、第2半導体素
子(Q2 、Q6 )の駆動電極に流れる電流(I2
6 )と第4半導体素子(Q4 、Q8 )の駆動電極に流
れる電流(I4 、I8 )を反転加算することによりAB
級駆動電流を発生させこれを出力する第2出力回路
(4、6、12〜15)を備えることを特徴とする。
【0016】本発明は、さらに、第1出力回路が、第1
半導体素子(Q1 、Q5 )の駆動電極に流れる電流(I
1 、I5 )のミラー比倍の電流を出力する第1電流ミラ
ー回路(3)と、第3半導体素子(Q3 、Q7 )の駆動
電極に流れる電流(I3 、I7 )のミラー比倍の電流を
出力する第3電流ミラー回路(5)と、を有し、その出
力電流が反転加算反転されAB級駆動電流が生成される
よう、第1電流ミラー回路(3)と第3電流ミラー回路
(5)が接続されたことを特徴とする。本発明は、ま
た、第2出力回路が、第2半導体素子(Q2 、Q4 )の
駆動電極に流れる電流(I2 、I4 )のミラー比倍の電
流を出力する第2電流ミラー回路(4、12、14)
と、第4半導体素子(Q4 、Q8 )の駆動電極に流れる
電流(I4 、I8 )のミラー比倍の電流を出力する第4
電流ミラー回路(6、13、15)と、を有し、その出
力電流が反転加算反転されAB級駆動電流が生成される
よう、第2電流ミラー回路(4、12、14)と第4電
流ミラー回路(6、13、15)が接続されたことを特
徴とする。
【0017】本発明は、第1乃至第4半導体素子がバイ
ポーラトランジスタ(Q1 〜Q4 )であり、第1及び第
2極性がそれぞれNPN接合及びPNP接合であり、供
給電極、駆動電極及び制御電極がそれぞれエミッタ、コ
レクタ及びベースであることを特徴とする。本発明は、
あるいは、第1乃至第4半導体素子がFET(Q5 〜Q
8 )であり、第1及び第2極性がそれぞれNチャネル型
及びPチャネル型であり、供給電極、駆動電極及び制御
電極がそれぞれソース、ドレイン及びゲートであること
を特徴とする。
【0018】本発明は、第1定電圧回路(1)が、第1
及び第3半導体素子(Q1 、Q3 、Q5 、Q7 )の温度
対電圧特性を補償する第1温度特性補償手段を有し、第
2定電圧回路(2)が、第2及び第4半導体素子
(Q2 、Q4 、Q6 、Q8 )の温度対電圧特性を補償す
る第2温度特性補償手段を有することを特徴とする。本
発明は、さらに、第1温度特性補償手段が、第1半導体
素子(Q1 、Q5 )と実質的に等しい温度対電圧特性を
有する第1温度補償用素子(D1 、Q9 、Q17、Q25
37、Q41)と、第3半導体素子(Q3 、Q7 )と実質
的に等しい温度対電圧特性を有し第1温度補償用素子
(D1 、Q9 、Q17、Q25、Q37、Q41)に順方向直列
接続された第3温度補償用素子(D3 、Q11、Q19、Q
27、Q39、Q43)と、を有し、第2温度特性補償手段
が、第2半導体素子(Q2 、Q6 )と実質的に等しい温
度対電圧特性を有する第2温度補償用素子(D2
10、Q18、Q26、Q38、Q42)と、第4半導体素子
(Q4 、Q8 )と実質的に等しい温度対電圧特性を有し
第2温度補償用素子(D2 、Q10、Q18、Q26、Q38
42)に順方向直列接続された第4温度補償用素子(D
4 、Q12、Q20、Q28、Q40、Q44)と、を有し、第1
温度補償用素子(D1 、Q9 、Q17、Q25、Q37
41)と第3温度補償用素子(D3 、Q11、Q19
27、Q39、Q43)の直列接続体が第1及び第3半導体
素子(Q1 、Q3 、Q5 、Q7 )に順方向並列接続さ
れ、第2温度補償用素子(D2 、Q10、Q18、Q26、Q
38、Q42)と第4温度補償用素子(D4 、Q12、Q20
28、Q40、Q44)の直列接続体が第2及び第4半導体
素子(Q2 、Q4 、Q6 、Q8 )に順方向並列接続され
たことを特徴とする。本発明は、加えて、第1乃至第4
温度補償用素子が、それぞれ、第1乃至第4半導体素子
(Q1 〜Q8 )と実質的に等しい温度対電圧特性を有し
順バイアスされたPN接合(D1 〜D4 、Q17〜Q20
25〜Q28)であり、第1及び第2温度特性補償手段
が、第1乃至第4温度補償用素子(D1 〜D4 、Q17
20、Q25〜Q28)を順バイアスする第1定電流源(Q
13〜Q16)を有することを特徴とする。
【0019】本発明における温度特性補償手段は、第1
乃至第4半導体素子がバイポーラトランジスタ(Q1
4 )である場合、コレクタベース間が短絡されたバイ
ポーラトランジスタ(Q17〜Q20)のベースエミッタ間
PN接合を用いて実現できる。あるいは、第1定電流源
(Q13〜Q16)によりそのベースが駆動されるバイアス
用バイポーラトランジスタ(Q21〜Q24)と、バイアス
用バイポーラトランジスタ(Q21〜Q24)によりそのベ
ースが駆動されるバイポーラトランジスタ(Q17
20)のベースエミッタ間PN接合とを用いて実現でき
る。もしくは、第2定電流源(Q29〜Q32)と、第2定
電流源(Q29〜Q32)によりそのベースが駆動されるバ
イポーラトランジスタ(Q15〜Q28)のベースエミッタ
間PN接合とを用いて実現できる。
【0020】本発明における温度特性補償手段は、第1
乃至第4半導体素子が電界効果トランジスタ(Q5 〜Q
8 )である場合、第1乃至第4半導体素子(Q5
8 )と実質的に等しい温度対電圧特性を有しゲートド
レイン間が短絡された電界効果トランジスタ(Q9 〜Q
12、Q37〜Q40)を用いて実現でき、この場合、第1乃
至第4温度補償用素子を順バイアスする第1定電流源
(Q13〜Q16)を設ける。あるいは、第1乃至第4半導
体素子(Q5 〜Q8 )と実質的に等しい温度対電圧特性
を有しゲートドレイン間が短絡された電界効果トランジ
スタ(Q41〜Q44)を用いて実現でき、この場合、第1
乃至第4温度補償用素子を順バイアスする第1定電流源
(Q33〜Q36)と、第1乃至第4温度補償用素子のゲー
トを駆動する第2定電流源(Q29〜Q32)と、を設け
る。
【0021】本発明に係るAB級プッシュプル駆動回路
の第1の駆動方法は、差動入力電圧(Vi )を、第1半
導体素子(Q1 、Q5 )の制御電極と第2半導体素子
(Q2、Q6 )の制御電極の間に直接印加すると共に、
第3半導体素子(Q3 、Q7 )の制御電極と第4半導体
素子(Q4 、Q8 )の制御電極の間に第1及び第2定電
圧回路(1、2)を介して印加することを特徴とする。
第2の駆動方法は、差動入力電圧(Vi )を、第3半導
体素子(Q3 、Q7 )の制御電極と第4半導体素子(Q
4 、Q8 )の制御電極の間に直接印加すると共に、第1
半導体素子(Q1、Q5 )の制御電極と第2半導体素子
(Q2 、Q6 )の制御電極の間に第1又は第2定電圧回
路(1、2)を介して印加することを特徴とする。第3
の駆動方法は、差動入力電圧(Vi )を、第1及び第2
定電圧回路(1、2)の一部を介して第1半導体素子
(Q1 、Q5 )の制御電極と第2半導体素子(Q2 、Q
6 )の制御電極の間に印加すると共に、第1及び第2定
電圧回路(1、2)の他の一部を介して第3半導体素子
(Q3 、Q7 )の制御電極と第4半導体素子(Q4 、Q
8 )の制御電極の間に印加することを特徴とする。
【0022】本発明に係る第1のAB級電子回路は、本
発明のAB級プッシュプル駆動回路と、差動入力電圧
(Vi )の印加に応じて差動電流を発生させ第1及び第
2定電圧回路(1、2)に供給する差動入力回路(7)
と、を備え、第1及び第2定電圧回路(1、2)が、差
動電流の供給に応じて上記定電圧保持動作を実行するこ
とを特徴とする。第2のAB級電子回路は、本発明のA
B級プッシュプル駆動回路と、定電流によって駆動され
差動入力電圧(Vi )の入力に応じて第1差動電流を出
力する第1差動入力回路(Q65、Q66)と、上記定電流
によって駆動され上記差動入力電圧(Vi )の入力に応
じて第2差動電流を出力する第2差動入力回路(Q67
68)と、を備え、第1定電圧回路(1)が、第1及び
第2差動電流の供給を直接又は間接に受けて上記定電圧
保持動作を実行し、第2定電圧回路(2)が、正負の電
源電圧の中間値を基準として上記定電圧保持動作を実行
することを特徴とする。
【0023】
【作用】本発明に係るAB級プッシュプル駆動回路にお
いては、第1半導体素子の制御電極(ベースあるいはゲ
ート)と第3半導体素子の制御電極の間の電圧が第1定
電圧回路により、第2半導体素子の制御電極と第4半導
体素子の制御電極の間の電圧が第2定電圧回路により、
それぞれ一定電圧に保持される。これらの半導体素子
(例えばバイポーラトランジスタやFET)の供給電極
(エミッタあるいはソース)は共通接続されている。従
って、第1半導体素子の制御電極と第2半導体素子の制
御電極の間の電圧又は第3半導体素子の制御電極と第4
半導体素子の制御電極の間の電圧に対し、これら半導体
素子の駆動電極電流(コレクタ電流又はドレイン電流)
が指数関数的(バイポーラトランジスタの場合)又は二
次関数的(FETの場合)に増減することとなる。ま
た、第1及び第4半導体素子の駆動電極電流と第2及び
第3半導体素子の駆動電極電流は、互いに差動関係で増
減する。従って、第1の出力回路を用い第1半導体素子
の駆動電極電流と第3半導体素子の駆動電極電流を反転
加算することによって、あるいは第2の出力回路を用い
第2半導体素子の駆動電極電流と第4半導体素子の駆動
電極電流を反転加算することによって、AB級駆動電流
を得ることができる。その際、本発明に係る回路におい
ては、AB級動作のための信号増幅経路の経路差が少な
いため例えば高周波領域で信号間の位相差が生じるとい
った問題が発生しない。また、AB級動作のためのルー
プを必要としないため、異常発振が生じ難く安定な動作
が可能になる。
【0024】さらに、第1及び第2出力回路を共に設け
るようにした場合、AB級駆動電流を差動出力させるこ
とができる。すなわち、第1及び第3半導体素子により
得られる第1のAB級駆動電流と、第2及び第4半導体
素子により得られる第2のAB級駆動電流とが、差動関
係となるため、AB級駆動電流を差動出力するAB級電
子回路を実現することが可能になる。
【0025】本発明においては、第1及び第2出力回路
が電流ミラー回路によって構成される。第1半導体素子
に対応する第1電流ミラー回路と第3半導体素子に対応
する第3電流ミラー回路は、これらの半導体素子の出力
電流が反転加算反転されAB級駆動電流が生成されるよ
う接続され、第2半導体素子に対応する第2電流ミラー
回路と第4半導体素子に対応する第4電流ミラー回路
も、やはりこれらの半導体素子の出力電流が反転加算反
転されAB級駆動電流が生成されるよう接続される。従
って、各電流ミラー回路のミラー比を大きな値に設定す
ることにより、後段の負荷を大電流駆動することが可能
になる。なお、第1電流ミラー回路と第3電流ミラー回
路の接続、第2電流ミラー回路と第4電流ミラー回路の
接続は、これら電流ミラー回路の出力トランジスタをプ
ッシュプル接続することにより実現できる。
【0026】本発明においては第1乃至第4半導体素子
としてバイポーラトランジスタやFETを使用できる。
バイポーラトランジスタを使用した場合には、そのコレ
クタ電流は入力に対し指数関数特性となり、FETを使
用した場合には、そのドレイン電流は入力に対し二次関
数特性となる。
【0027】本発明においては、第1及び第2定電圧回
路に、それぞれ第1又は第2温度特性補償手段が設けら
れている。従って、第1及び第3半導体素子の温度対電
圧特性は第1温度特性補償手段により、第2及び第4半
導体素子の温度対電圧特性は第2温度特性補償手段によ
り、それぞれ補償される。このような構成とすると、各
半導体素子の制御電極・供給電極間の温度対電圧特性に
もかかわらず、温度的に安定なAB級プッシュプル駆動
回路が実現される。
【0028】また、各温度特性補償手段は、各2個の温
度補償用素子を用いて構成することができる。すなわ
ち、温度対電圧特性の補償対象とする第1乃至第4半導
体素子と実質的に等しい温度対電圧特性を有する合計4
種類の素子を、温度補償用素子として準備する。第1半
導体素子と実質的に等しい温度対電圧特性を有する第1
温度補償用素子と、第3半導体素子と実質的に等しい温
度対電圧特性を有する第3温度補償用素子を、順方向直
列接続し、第2半導体素子と実質的に等しい温度対電圧
特性を有する第2温度補償用素子と、第4半導体素子と
実質的に等しい温度対電圧特性を有する第4温度補償用
素子を、順方向直列接続する。さらに、第1温度補償用
素子と第3温度補償用素子の直列接続体を第1及び第3
半導体素子に順方向並列接続し、第2温度補償用素子と
第4温度補償用素子の直列接続体を第2及び第4半導体
素子に順方向並列接続する。このようにすると、上術の
温度補償が好適に実現される。
【0029】さらに、これらの温度補償用素子は、PN
接合により実現できる。すなわち、第1乃至第4半導体
素子と実質的に等しい温度対電圧特性を有するPN接
合、例えば第1乃至第4半導体素子の制御電極・供給電
極間PN接合と同一設計のPN接合を、第1乃至第4温
度補償用素子として用い、これらに第1定電流源から定
電流を供給する。
【0030】第1乃至第4半導体素子がバイポーラトラ
ンジスタである場合、これらのPN接合は、例えば第1
乃至第4半導体素子と同一設計のバイポーラトランジス
タを用い、そのコレクタベース間を短絡させることによ
り、当該バイポーラトランジスタのベースエミッタ間P
N接合として実現できる。あるいは、第1定電流源によ
りバイアス用バイポーラトランジスタのベースを駆動
し、バイアス用バイポーラトランジスタにより例えば第
1乃至第4半導体素子と同一設計のバイポーラトランジ
スタのベースを駆動する回路を用い、このバイポーラト
ランジスタのベースエミッタ間PN接合を用いてもよ
い。あるいは、第2定電流源により例えば第1乃至第4
半導体素子と同一設計のバイポーラトランジスタのベー
スを駆動する回路を用い、このバイポーラトランジスタ
のベースエミッタ間PN接合を用いてもよい。第1乃至
第4半導体素子がFETである場合、同様の温度補償
は、ゲートドレイン間が短絡されたFET及び第1定電
流源を用いて実現できる。その際には、第2定電流源に
よりそのゲートを駆動してもよい。なお、集積回路化す
る場合には、第1乃至第4半導体素子と同一特性の素子
を容易に実現できるから、かかるバイポーラトランジス
タ又はFETを利用することにより、温度補償の効果が
顕著になる。
【0031】本発明に係るAB級プッシュプル駆動回路
の駆動方法は、第1乃至第4半導体素子に対し差動入力
電圧をどの様に供給するかにより、次の3通りの方法に
分類でいる。すなわち、第1及び第2半導体素子に差動
入力電圧を直接印加する方法、第3及び第4半導体素子
に差動入力電圧を直接印加する方法、いずれの半導体素
子に対しても差動入力電圧を間接的に(第1及び第2定
電圧回路の一部を介して)印加する方法である。これら
いずれの方法によっても、良好な駆動が可能である。
【0032】本発明に係る第1のAB級電子回路におい
ては、差動入力回路は差動入力電圧の印加に応じて差動
電流を発生させ、第1及び第2定電圧回路に供給する。
第1及び第2定電圧回路は、差動電流の供給に応じて上
記定電圧保持動作を実行する。また、第2のAB級電子
回路においては、それぞれ同一の定電流によって駆動さ
れる第1及び第2差動入力回路が用いられる。第1及び
第2差動入力回路は、それぞれ、差動入力電圧の入力に
応じて第1又は第2差動電流を出力する。第1定電圧回
路は、第1及び第2差動電流の供給を直接又は間接に受
けて上記定電圧保持動作を実行し、第2定電圧回路は、
正負の電源電圧の中間値を基準として上記定電圧保持動
作を実行する。このようにすると、正の電源電圧と負の
電源電圧の差が小さい場合、すなわち電源電圧が低い場
合であっても、後段の負荷をAB級駆動することが可能
になる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。
【0034】(1)第1〜第3実施例の構成 図1には、本発明の第1実施例に係るAB級プッシュプ
ル駆動回路の要部構成が示されている。この実施例にお
いては、NPNトランジスタQ1 及びQ2 とPNPトラ
ンジスタQ3 及びQ4 が用いられており、各トランジス
タQ1 〜Q4 のエミッタが共通接続されている。また、
トランジスタQ1 のベースとトランジスタQ3 のベース
の間には2個のダイオードD1 及びD3 から構成される
定電圧回路1が接続されており、トランジスタQ2 のベ
ースとトランジスタQ4 のベースの間には2個のダイオ
ードD1 及びD4 から構成される定電圧回路2が接続さ
れている。各ダイオードD1 〜D4 は、対応するトラン
ジスタQ1 〜Q4 のベースエミッタ間PN接合に対して
順方向となるよう接続されている。そして、トランジス
タQ1 のベースとトランジスタQ2 のベースの間には、
差動入力電圧Vi が印加されている。
【0035】図2には、本発明の第2実施例に係るAB
級プッシュプル駆動回路の構成が示されている。この実
施例においては、上述の第1実施例と異なり、差動入力
電圧Vi が、ダイオードD1 及びD3 の接続点とダイオ
ードD2 及びD4 の接続点の間に印加されている。
【0036】図3には、本発明の第3実施例に係るAB
級プッシュプル駆動回路の要部構成が示されている。こ
の実施例においては、差動入力電圧Vi が、トランジス
タQ3 のベースとトランジスタQ4 のベースの間に印加
されている。
【0037】これらいずれの実施例においても、2個の
NPNトランジスタQ1 及びQ2 のエミッタと2個のP
NPトランジスタQ3 及びQ4 のエミッタが共通接続さ
れており、また差動入力電圧Vi がトランジスタQ1
ベースとトランジスタQ2 のベースの間及びトランジス
タQ3 のベースとトランジスタQ4 のベースの間に直接
又は電圧回路1及び2の一部を介して印加されている。
さらに、定電圧回路1及び2は、後述するように定電流
の供給を受け、トランジスタQ1 のベースとトランジス
タQ3 のベースの間の電圧又はトランジスタQ2 のベー
スとトランジスタQ4 のベースの間の電圧を一定電圧に
保持している。このような動作により、第1〜第3実施
例によれば、低電圧駆動が可能で従って出力振幅を大き
くすることができ、信号経路差が少なく対称性が良好
で、AB級動作のためのループを必要とせず、かつ温度
に対しても安定なAB級プッシュプル駆動回路を実現で
きる。
【0038】(2)第1〜第3実施例の動作原理 次に、第1〜第3実施例の動作について原理的に説明す
る。
【0039】まず、NPNトランジスタのベースエミッ
タ間電圧Vbeとエミッタ流出電流Ienの関係、PNPト
ランジスタのエミッタベース間電圧Vebとエミッタ流入
電流Iepの関係、及びPN接合ダイオードの電圧Vd
電流Id の関係は、次のような式で表すことができる。
【0040】
【数1】 Vbe=VT ・ln (Ien/Isn) Veb=VT ・ln (Iep/Isp) Vd =VT ・ln (Id /Isd) …(1) VT =k・T/q …(2) 但し、Isn、Isp、Isdは、トランジスタ又はダイオー
ドの製造プロセス及びサイズによって定まる逆方向飽和
電流、kはボルツマン定数(=1.38066×10
-23 (J/K)、qは単位電荷=1.60216×10
-19 (C)である。従って、絶対温度T(K)に依存す
る電圧VT は、常温では約26(mV)となり、上述の
電圧Vbe,Veb,Vd の温度係数は約−2mv/℃とな
る。
【0041】ここに、各実施例の動作を説明するために
トランジスタQ1 とQ2 が同サイズ、トランジスタQ3
とQ4 が同サイズ、定電圧回路1と2が同サイズである
とする。また、定電圧回路1の電圧降下と定電圧回路2
の電圧降下が互いに等しくEs であるとする。さらに
は、トランジスタQ1 〜Q4 のエミッタ電流及びベース
エミッタ間電圧をそれぞれIe1〜Ie4と表し、さらに差
動入力電圧Vi が0の時のエミッタ電流をIe0と表わす
とする。上述の式(1)をトランジスタQ1 及びQ2
適用することにより次の式(3)が、トランジスタQ3
及びQ4 に適用することにより式(4)が、トランジス
タQ1 及びQ3 に適用することにより次の式(5)が、
さらに差動入力電圧Vi が0の場合にトランジスタQ1
及びQ3 に適用することにより次の式(6)が、それぞ
れ得られる。
【0042】
【数2】 Vi =Vbe1 −Vbe2 =VT ・ln (Ie1/Isn)−VT ・ln (Ie2/Isn) =VT ・ln (Ie1/Ie2) …(3) Vi =(Es +Vbe4 )−(Es +Vbe3 ) =VT ・ln (Ie4/Isp)−VT ・ln (Ie3/Isp) =VT ・ln (Ie4/Ie3) …(4) Es =Vbe1 +Vbe3 =VT ・ln (Ie1/Isn)+VT ・ln (Ie3/Isp) =VT ・ln {(Ie1・Ie3)/(Isn・Isp)} …(5) Es =Vbe1 +Vbe3 =VT ・ln (Ie0/Isn)+VT ・ln (Ie0/Isp) =VT ・ln {(Ie0・Ie0)/(Isn・Isp)} …(6) さらに、トランジスタQ1 〜Q4 のエミッタは共通接続
されているから、次の式が成り立つ。
【0043】
【数3】 Ie1+Ie2= Ie3+Ie4 …(7) このようにして得られた式のうち、式(3)と(4)の
比較により次の式(8)が、さらに式(5)、(6)の
比較結果と式(8)により次の式(9)が、そして式
(7)と(8)の比較により次の式(10)が、それぞ
れ得られる。
【0044】
【数4】 Ie1/Ie2= Ie4/Ie3 …(8) Ie1・Ie3= Ie2・Ie4=Ie0 2 …(9) Ie1=Ie4 ,Ie2=Ie3 …(10) 従って、式(3)、(4)、(9)及び(10)を変形
することにより、次の式(11)〜(13)が得られ
る。
【0045】
【数5】 Vi =VT ・ln (Ie1・Ie4/Ie0 2 ) =VT ・ln (Ie0 2 /Ie2・Ie3) =2・VT ・ln (Ie1/Ie0) =2・VT ・ln (Ie4/Ie0) =2・VT ・ln (Ie0/Ie2) =2・VT ・ln (Ie0/Ie3) …(11) Ie1=Ie4=Ie0・exp(Vi /VT ) …(12) Ie2=Ie3=Ie0・exp(−Vi /VT ) …(13) このように、トランジスタQ1 のエミッタ電流Ie1とト
ランジスタQ4 のエミッタ電流Ie4は等しい値となり、
トランジスタQ2 のエミッタ電流Ie2とトランジスタQ
3 のエミッタ電流Ie3は等しい電流となる。さらに、エ
ミッタ電流Ie1及びIe4とIe2及びIe3は、差分入力電
圧Vi に対して指数関数的に増減することとなると共
に、前者と後者は互いに差動関係となる。加えて、トラ
ンジスタのエミッタ電流とコレクタ電流はほぼ等しい。
従って、前述の各実施例における各トランジスタQ1
4 のコレクタ電流I1 〜I4 の差動入力電圧Vi に対
する特性は図4に示されるような特性となる。この特性
から明らかなように、電流I1 とI3 の差電流及び電流
2 及びI4 の差電流は、いずれも、AB級の電流とな
る。
【0046】従って、図1〜図3に示される回路と共に
電流を反転加算して出力する出力回路を使用することに
より、出力回路を介して電流供給を受ける負荷をAB級
駆動することができる。その際、複数の信号増幅経路が
生じる場合であっても各経路間の経路差をなくすことが
できるため、高周波領域における信号の位相差を防ぐこ
とができる。また、AB級駆動のためのループが必要で
ないため異常発振が起り難い。加えて、ダイオードD1
〜D4 によって定電圧回路1及び2が構成されているた
め、これらダイオードD1 〜D4 によってトランジスタ
1 〜Q4 のベースエミッタ間PN接合の温度特性が補
償されることとなり、温度的にもより安定した回路とな
る。
【0047】図5には、差動入力電圧Vi が0の場合の
トランジスタQ1 のエミッタ電流Ie01 とトランジスタ
2 のエミッタ電流Ie02 が等しくない場合のコレクタ
電流I1 〜I4 の特性が示されている。この図に示され
る特性を式で表すと次のようになる。
【0048】
【数6】 これらの図及び式からも明らかなように、やはり、AB
級の電流が得られることが分る。
【0049】(3)第4〜第6実施例の構成 図6には、本発明の第4実施例に係るAB級プッシュプ
ル駆動回路の要部構成が示されている。この実施例にお
いては、第1実施例におけるNPNトランジスタQ1
びQ2 に代えてNチャネルFETQ5 及びQ6 が用いら
れており、またPNPトランジスタQ3 及びQ4 に代え
てPチャネルFETQ7 及びQ8 が用いられている。ま
た、各FETQ5 〜Q8 のソースは共通接続されてい
る。定電圧回路1は、ゲートドレイン間が共通接続され
たNチャネルFETQ9 及びPチャネルFETQ11から
構成されており、定電圧回路2は、ゲートドレイン間が
共通接続されたNチャネルFETQ10及びPチャネルF
ETQ12から構成されている。各FETQ9 〜Q12は、
対応するFETQ5 〜Q8 のゲートソース間電圧に対し
て順方向となるよう接続されている。そして、FETQ
5 のゲートとFETQ6 のゲートのベースの間には、差
動入力電圧Vi が印加されている。
【0050】図7には、本発明の第5実施例に係るAB
級プッシュプル駆動回路の構成が示されている。この実
施例においては、上述の第4実施例と異なり、差動入力
電圧Vi が、FETQ9 及びQ11の接続点とFETQ10
及びQ12の接続点の間に印加されている。
【0051】図8には、本発明の第6実施例に係るAB
級プッシュプル駆動回路の要部構成が示されている。こ
の実施例においては、差動入力電圧Vi が、FETQ7
のゲートとトランジスタQ8 のゲートの間に印加されて
いる。
【0052】第4〜第6実施例のいずれにおいても、2
個のNチャネルFETQ5 及びQ6のソースと2個のP
チャネルFETQ7 及びQ8 のソースが共通接続されて
おり、また差動入力電圧Vi がFETQ5 のゲートとF
ETQ6 のゲートの間及びFETQ7 のゲートとFET
8 のベースの間に直接又は定電圧回路1及び2の一部
を介して印加されている。定電圧回路1及び2は、第1
〜第3実施例と同様、定電流の供給を受け、FETQ5
のベースとFETQ7 のゲートの間の電圧又はFETQ
6 のゲートとFETQ8 のゲートの間の電圧を一定電圧
に保持している。このような動作により、第4〜第6実
施例によれば、低電圧駆動が可能で従って出力振幅を大
きくすることができ、信号経路差が少なく対称性が良好
で、AB級動作のためのループを必要とせず、かつ温度
に対しても安定なAB級プッシュプル駆動回路を実現で
きる。
【0053】(4)第4〜第6実施例の動作原理 次に、第4〜第6実施例の動作について原理的に説明す
る。
【0054】まず、NチャネルFETのドレイン電流I
dn及びPチャネルFETのドレイン電流Ipnは一般に次
のように表される。
【0055】
【数7】 Idn=−qμn (Cox1 /2L1 )(Vgs1 −Vt12 =Kn g1 …(18) Ipn=qμp (Cox2 /2L2 )(Vgs2 −Vt22 =Kp g2 …(19) 但し、q:単位電荷 μn ,μp :電子、正孔の移動度 Cox:ゲート酸化膜の厚み W1 ,W2 :ゲート幅 L1 ,L2 :ゲート長 Vgs1 ,Vgs2 :ゲートソース間電圧 Vt1,Vt2:しきい値電圧 Kn =μn (Cox1 /2L1 ) Kp =μp (Cox2 /2L2 ) Vg1=Vgs1 −Vt1g2=Vgs2 −Vt2 添字1はNチャネル、2はPチャネル ここでは、説明のため、FETQ5 とQ6 が同サイズ、
FETQ7 とQ8 が同サイズ、定電圧回路1と2の電圧
降下が互いに等しいとする。さらに、Kn とKp が等し
いとする(K=Kn =−Kp )。第4〜第6実施例にお
けるFETQ5〜Q8 のドレイン電流をそれぞれI5
8 ,ゲートソース間電圧をVg5〜Vg8と表すこととす
ると、差動入力電圧Vi が入力された場合のドレイン電
流I5 〜I8 は次の式で表すことができる。
【0056】
【数8】 I5 =Kn (Vg1−Vg2=KVi …(20) I6 =−Kn (Vg1−Vg2=−KVi …(21) I7 =Kp (Vg4−Vg3 =Kp (Vg1−Vg2=−KVi …(22) I8 =−Kp (Vg4−Vg3 =−Kp (Vg1−Vg2=KVi …(23) 従って、式(20)及び(23)から式(24)が、式
(21)及び(22)から式(25)が得られる。
【0057】
【数9】 I5 =I8 …(24) I6 =I7 …(25) 式(24)及び(25)にて表されているように、FE
TQ5 のドレイン電流I5 とFETQ8 のドレイン電流
8 は等しい値となり、FETQ6 のドレイン電流I6
とFETQ7 のドレイン電流I7 は等しい値となる。ま
た、式(20)〜(24)にて表されているように、ド
レイン電流I5 及びI6 7 及びI8 は差動入力電圧V
i に対して二次関数的に増減することとなると共に、前
者と後者は互いに差動関係となる。従って、第4〜第6
実施例におけるFETQ5 〜Q8のドレイン電流I5
8 の差動入力電圧Vi に対する関係は図9に示される
ような特性となる。この特性から明らかなように、電流
5 と電流I7 の差電流及び電流I6 と電流I8 の差電
流はいずれもAB級の電流となる。
【0058】従って、図6〜図8に示される回路と共に
電流を反転加算して出力する出力回路を使用することに
より、出力回路を介して電流供給を受ける負荷をAB級
駆動することができる。その際、複数の信号増幅経路が
生じる場合であっても各経路間の経路差をなくすことが
できるため、高周波領域における信号の位相差を防ぐこ
とができる。また、AB級駆動のためのループが必要で
ないため異常発振が起こりにくい。加えて、ゲートとド
レインが共通に接続されたNチャネルFETQ9 、Q10
及びPチャネルFETQ11、Q12によって定電圧回路1
及び2が構成されているため、これらのFETQ9 〜Q
12によってFETQ5 〜Q8 のゲートソース間温度特性
が補償されることになり、温度的にもより安定した回路
となる。 (5)定電圧回路の態様 図10には、本発明の第1〜第3実施例において使用可
能な定電圧回路1又は2の構成の例が5種類示されてい
る。
【0059】まず、図10(a)に示される構成におい
ては、前述のダイオードD1 又はD2 とダイオードD3
又はD4 が直列接続されており、さらにこれに2個の抵
抗r及び2個の定電流源Q13又はQ14及びQ15又はQ16
が直列接続されている。定電流源Q13又はQ14及びQ15
又はQ16は、ダイオードD1 又はD2 及びD3 又はD4
に定電流を供給し、図中に示される電圧降下Es を定電
圧に保持している。また、抵抗rは電圧降下Es を調整
する抵抗である。
【0060】図10(b)に示される構成においては、
ダイオードD1 又はD2 が、コレクタベース間が短絡さ
れたトランジスタQ17又はQ18により、ダイオードD3
又はD4 が、ベースコレクタ間が短絡されたトランジス
タQ19又はQ20により、それぞれ構成されている。
【0061】図10(c)においては、図10(b)と
異なり、トランジスタQ17又はQ18として、PNPトラ
ンジスタではなくNPNトランジスタが使用されてい
る。同様に、トランジスタQ19又はQ20として、NPN
トランジスタではなくPNPトランジスタが使用されて
いる。
【0062】図10(d)に示される回路においては、
トランジスタQ17又はQ18のコレクタベース間が2個の
NPNトランジスタQ21又はQ22によって短絡されてお
り、トランジスタQ19又はQ20のコレクタベース間が2
個のPNPトランジスタによって短絡されている。
【0063】図10(e)に示される回路においては、
トランジスタQ25又はQ26のベースとトランジスタQ27
又はQ28のベースとの間に2個の抵抗rが接続されてお
り、これらの抵抗rの接続点が電圧印加点とされてい
る。トランジスタQ25又はQ26及びQ27又はQ28のベー
スには2個の定電流源Q29又はQ30及びQ31又はQ32
ら定電流が供給されている。トランジスタQ25又はQ26
のエミッタには定電流源Q33又はQ34から定電流が供給
されており、トランジスタQ27又はQ28のエミッタには
定電流源Q35又はQ36から定電流が供給されている。従
って、トランジスタQ25又はQ26のエミッタとトランジ
スタQ27又はQ28のエミッタの間に現れる電圧Es は一
定となる。すなわち、この実施例においては、ダイオー
ドD1 又はD2 がトランジスタQ25又はQ26と抵抗rに
より、ダイオードD3 又はD4 がトランジスタQ27又は
28と抵抗rにより、それぞれ実現されている。
【0064】図11には、本発明の第4〜第6実施例に
おいて使用可能な定電圧回路1又は2の構成の例が3種
類示されている。
【0065】図11(a)に示される構成においては、
NチャネルFETQ9 又はQ10とPチャネルFETQ11
又はQ12とが直列接続されており、さらにこれに2個の
抵抗r及び2個の定電流源Q13又はQ14及びQ15又はQ
16が直列接続されている。定電流源Q13又はQ14及びQ
15又はQ16は、FETQ9 又はQ10及びQ11又はQ12
定電流を供給し、図中に示される電圧降下Es を定電圧
に保持している。また、抵抗rは電圧降下Es を調整す
る抵抗である。
【0066】図11(b)に示される構成においては、
NチャネルFETQ9 又はQ10に代えPチャネルFET
37又はQ38が、PチャネルFETQ11又はQ12に代え
NチャネルFETQ39又はQ40が、それぞれ用いられて
いる。
【0067】図11(c)に示される回路においては、
FETQ41又はQ42のゲートとFETQ43又はQ44のゲ
ートとの間に2個の抵抗rが接続されており、これらの
抵抗rの接続点が電圧印加点とされている。FETQ41
又はQ42及びFETQ43又はQ44のゲートには2個の定
電流源Q29又はQ30及びQ31又はQ32から定電流が供給
されている。FETQ41又はQ42のソースには定電流源
33又はQ34から定電流が供給されており、FET43
はQ44のソースには定電流源Q35又はQ36から定電流が
供給されている。従って、FETQ41又はQ42のソース
とFETQ43又はQ44のソースの間に現れる電圧Es
一定となる。
【0068】(6)応用回路例 図12には、本発明の第2実施例を応用して差動出力を
有するAB級出力回路を構成した回路例が示されてい
る。この図に示される回路においては、定電圧回路1及
び2の構成として図10(b)の構成が使用されている
が、これは図10(a)や図10(c)〜(e)の構成
と置き換えることもできる。
【0069】トランジスタQ1 〜Q4 のコレクタは、そ
れぞれ、電流ミラー回路3〜6の入電側のトランジスタ
45〜Q48のコレクタ及びベースに接続されている。電
流ミラー回路3の出力トランジスタQ49のコレクタと電
流ミラー回路5の出力側トランジスタQ51のコレクタは
接続されており、同様に、電流ミラー回路4の出力側ト
ランジスタQ50のコレクタと電流ミラー回路6の出力側
トランジスタQ52のコレクタは接続されている。従っ
て、トランジスタQ49及びQ51のコレクタと、トランジ
スタQ50とQ52のコレクタから、互いに差動関係にある
2種類のAB級駆動電流が得られる。両者が差動関係と
なるのは、前述の図4及び5から明らかである。
【0070】図13には、本発明の第5実施例を応用し
て差動出力を有するAB級出力回路を構成した回路例が
示されている。この回路例においては、図12における
PNP又はNPNトランジスタQ1 〜Q4 、Q17〜Q20
及びQ45〜Q52が、いずれもP又はNチャネルFETQ
5 〜Q8 、Q37〜Q40及びQ53〜Q60に置換されてい
る。なお、定電圧回路1及び2の構成として図11
(b)の構成が使用されているが、これは図11(a)
又は図11(c)の構成と置き換えることもできる。
【0071】図14には、本発明の第2実施例を用いて
構成した演算増幅器の回路例が示されている。この実施
例においては、定電圧回路1及び2として図10(b)
に示される構成が使用されている。
【0072】この図に示される回路は、2個のNPNト
ランジスタQ61及びQ62から構成される差動入力回路7
を有している。トランジスタQ61及びQ62のベースに
は、外部から差動入力電圧Vi が印加される。また、電
流ミラー回路8は、電源電圧Vcc及びVssの値、と抵抗
Rの値及び自身のミラー比により定まる定電流をトラン
ジスタQ61及びQ62のエミッタに供給する。定電圧回路
1及び2のトランジスタQ17及びQ18のエミッタには、
それぞれ、電流ミラー回路9及び10を介し、トランジ
スタQ62又はQ61のコレクタ電流に対応した値の電流が
供給される。さらに、トランジスタQ19のエミッタ電流
は、電流ミラー回路11により、トランジスタQ20のエ
ミッタ電流と同一電流に保持される。トランジスタQ2
及びQ4 のコレクタには、それぞれ、電流ミラー回路1
2及び13が接続されており、これらの電流ミラー回路
12及び13の出力トランジスタQ63及びQ64が、この
図に示される演算増幅器の出力トランジスタとなる。そ
して、トランジスタQ17及びQ19のコレクタは、コンデ
ンサC1 を介してトランジスタQ63及びQ64のコレクタ
に接続されている。
【0073】このような構成とすると、AB級出力を有
し上述の各効果を奏する演算増幅器が得られる。
【0074】図15には、本発明の第5実施例を用いて
構成した演算増幅器の回路例が示されている。この応用
例においては、定電圧回路1及び2として図11(b)
に示される構成が使用されており、また図14における
PNP又はNPNトランジスタQ61〜Q64がP又はNチ
ャネルFETQ65〜Q68に置き換えられている。
【0075】図16には、本発明の第2実施例に係る回
路を用いて構成した演算増幅器の構成が示されている。
この図に示される回路においては、図14に示される回
路と異なり、定電圧回路1及び2として図10(d)に
示される構成が使用されている。さらに、出力回路を構
成する電流ミラー回路14及び15は、それぞれ、コレ
クタがVss又はVccにより駆動されるPNPトランジス
タQ69及びQ70を有している。従って、この構成におい
ては、出力回路に係る電流ミラー回路14及び15のミ
ラー比を大きくすることができ、負荷をより大電流で駆
動することができる。
【0076】図17には、本発明の第2実施例に係る回
路を使用して構成した演算増幅器の他の一例が示されて
いる。この回路においては、定電圧回路1及び2の構成
として、図10(e)の構成が使用されている。
【0077】まず、トランジスタQ25のエミッタに対
しては、電流ミラー回路16及び17を介し、電源電圧
cc及びVss、抵抗r並びにミラー比で定まる定電流値
に正の定電流が供給される。すなわち、前述の定電流源
33は、抵抗R、電流ミラー回路16及び17から構成
されている。同様に、トランジスタQ27のエミッタに
は、抵抗R及び電流ミラー回路17から構成される定電
流源Q35から定電流が供給される。トランジスタQ25
ベースには、抵抗R、電流ミラー回路17及び18から
構成される定電流源Q29から定電流が供給され、トラン
ジスタQ27のベースには、抵抗R、電流ミラー回路19
及び20から構成される定電流源Q31から定電流が供給
される。
【0078】次に、定電圧回路2を構成するトランジス
タQ26のエミッタには、抵抗R、電流ミラー回路16及
び17から構成される定電流源Q34から定電流が供給さ
れる。トランジスタQ28のエミッタには、抵抗R及び電
流ミラー回路17から構成される定電流源Q36から定電
流が供給される。さらに、トランジスタQ26及びQ28
ベースには、外部から、正の電源電圧Vccと負の電源電
圧Vssの中間値、すなわち(Vcc+Vss)/2が印加さ
れる。
【0079】差動入力電圧Vi は、トランジスタQ65
ベースとトランジスタQ66のベースの間に印加されてお
り、また、トランジスタQ67のベースとトランジスタQ
68のベースの間にも印加されている。トランジスタQ65
とQ66は差動入力回路を構成しており、そのエミッタに
は電流ミラー回路17から定電流が供給されている。ま
た、これらのトランジスタQ65及びQ66のコレクタに
は、ベースコレクタ間が短絡されたトランジスタQ69
びQ70がそれぞれ接続されている。トランジスタQ69
電流ミラー回路21の入力側トランジスタであり、トラ
ンジスタQ70は電流ミラー回路18の入力側トランジス
タである。電流ミラー回路21の出力側トランジスタQ
71のコレクタは、電流ミラー回路20のトランジスタQ
72及びQ73のベースに接続されており、トランジスタQ
73のコレクタはトランジスタQ25及びQ27のベースに接
続されている。また、電流ミラー回路18の出力側トラ
ンジスタQ74のコレクタも、同様に、トランジスタQ25
及びQ27のベースに接続されている。
【0080】トランジスタQ67及びQ68も、同様に差動
入力回路を構成している。トランジスタQ67及びQ68
エミッタには、電流ミラー回路19から定電流が供給さ
れている。トランジスタQ67のコレクタは、電流ミラー
回路22の入力側トランジスタQ75に接続されており、
トランジスタQ68のコレクタは電流ミラー回路20の入
力側トランジスタQ72に接続されている。電流ミラー回
路22の出力側トランジスタQ76は、ちょうどトランジ
スタQ71と対称となるよう、電流ミラー回路18の出力
側トランジスタQ74のベースに接続されている。
【0081】このように、各(Vcc+Vss)/2を基準
として定電圧回路2を動作させる一方で、トランジスタ
65及びQ66から構成される差動入力回路の出力を用い
てトランジスタQ25のベースを駆動しトランジスタQ67
及びトランジスタQ68から構成される差動入力回路の出
力を用いてトランジスタQ25のベースを駆動するように
すると、電源電圧VccとVssの差が例えば1.5V程度
の低電圧であっても、後段に接続されている負荷をAB
級駆動することができる。
【0082】図18には、本発明の第5実施例に係る回
路を応用して構成した演算増幅器の他の一例が示されて
いる。この回路においては、定電圧回路1及び2の構成
として、図11(e)の構成が使用されており、また図
17におけるバイポーラトランジスタQ1 〜Q4 、Q25
〜Q28及びQ65〜Q76に代え、FETQ5 〜Q8 、Q41
〜Q44及びQ7788が用いられている。
【0083】(7)補遺 なお、以上の説明では、第1〜第3実施例を用いた場合
の出力回路がバイポーラトランジスタによる電流ミラー
回路として、第4〜第6実施例を用いた場合の出力回路
がFETによる電流ミラー回路として、構成されてい
る。しかし、本発明の出力回路の構成は、このような構
成に限定されるものではない。
【0084】例えば図19に示されるように、トランジ
スタQ2 及びQ4 のコレクタによって出力トランジスタ
89及びQ90のベースを駆動してもよい。このようにし
た場合、トランジスタQ2 及びQ4 のコレクタ電流を反
転増幅した電流が、トランジスタQ89及びQ90のコレク
タ電流になる。すなわち、バイポーラトランジスタQ89
及びQ90の反転増幅特性が加わった電流出力特性が得ら
れる。また、出力段の電源ミラー回路12及び13の構
成を、図20に示されるようにFETから構成してもよ
い。この図においては、電流ミラー回路12を構成する
トランジスタQ91及びQ92がそれぞれPMOSFETで
あり、電流ミラー回路13を構成するトランジスタQ93
及びQ94がそれぞれNMOSFETである。このように
しても本発明に係る効果を得ることができる。
【0085】あるいは、図21に示されるように、FE
TQ6 及びQ8 のドレインによって出力トランジスタQ
95及びQ96のベースを駆動してもよい。このようにした
場合、FETQ6 及びQ8 のドレイン電流を反転増幅し
た電流が、トランジスタQ95及びQ96のコレクタ電流に
なる。すなわち、バイポーラトランジスタQ95及びQ96
の反転増幅特性が加わった電流出力特性が得られる。ま
た、出力段の電流ミラー回路12及び13の構成を、図
22に示されるようにバイポーラトランジスタから構成
してもよい。この図においては、電流ミラー回路12を
構成するトランジスタQ97及びQ98がそれぞれPNPト
ランジスタであり、電流ミラー回路13を構成するトラ
ンジスタQ99及びQ100 がそれぞれNPNトランジスタ
である。このようにしても本発明に係る効果を得ること
ができる。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るAB
級プッシュプル駆動回路によれば、第1乃至第4半導体
素子の供給電極を共通接続し、第1半導体素子の制御電
極と第3半導体素子の制御電極の間の電圧及び第2半導
体素子の制御電極と第4半導体素子の制御電極の間の電
圧をそれぞれ一定に保持するようにしたため、第1半導
体素子の駆動電極電流と第3半導体素子の駆動電極電流
を反転加算した電流や、段2半導体素子の駆動電極電流
と第4半導体素子の駆動電極電流を反転可能にした電流
がそれぞれAB級駆動電流となる。また、AB級駆動の
ためにループを設ける必要がないため異常発振が生じな
くなり、また信号増幅経路の経路差が少ないためより安
定なAB級プッシュプル駆動回路が得られる。さらに
は、定電圧保持のための第1及び第2定電圧回路を、そ
れぞれ、直列接続された2個のPN接合を用いて構成し
た場合、各半導体素子の温度特性を補償することがで
き、温度的にも安定となる。
【0087】さらに、本発明に係るAB級プッシュプル
駆動回路を用いて演算増幅器等の電子回路を構成する場
合、その出力回路として電流ミラー回路を用いることが
でき、ミラー比を大きく設定することにより負荷を大電
流でAB級駆動することが可能になる。さらには、正負
の電源電圧の中間値を基準として第2定電圧回路の定電
圧保持動作を実行させ、入力される差動入力電圧に基づ
き第1定電圧回路の定電圧保持動作を実行させるように
した場合、正負の電源電圧の差が小さい場合であって
も、後段の負荷をAB級駆動することができる。すなわ
ち、低電圧動作の可能な回路が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の要部構成を示す回路図で
ある。
【図2】本発明の第2実施例の要部構成を示す回路図で
ある。
【図3】本発明の第3実施例の要部構成を示す回路図で
ある。
【図4】Ie01 =Ie02 である場合のコレクタ電流の特
性を示す図である。
【図5】Ie01 ≠Ie02 である場合のコレクタ電流の特
性を示す図である。
【図6】本発明の第4実施例の要部構成を示す回路図で
ある。
【図7】本発明の第5実施例の要部構成を示す回路図で
ある。
【図8】本発明の第6実施例の要部構成を示す回路図で
ある。
【図9】ドレイン電流の特性を示す図である。
【図10】図10(a)〜(e)は、それぞれ、第1〜
第3実施例において使用可能な定電圧回路の一例構成を
示す図である。
【図11】図11(a)〜(c)は、それぞれ、第4〜
第6実施例において使用可能な定電圧回路の一例構成を
示す図である。
【図12】本発明の第2実施例に係る回路を用いて構成
したAB級差動出力回路の回路図である。
【図13】本発明の第5実施例に係る回路を用いて構成
したAB級差動出力回路の回路図である。
【図14】本発明の第2実施例に係る回路を使用して構
成した演算増幅器の一例構成を示す回路図である。
【図15】本発明の第5実施例に係る回路を使用して構
成した演算増幅器の一例構成を示す回路図である。
【図16】本発明の第2実施例に係る回路を使用して構
成した演算増幅器の一例構成を示す回路図である。
【図17】本発明の第2実施例に係る回路を使用して構
成した演算増幅器の一例構成を示す回路図である。
【図18】本発明の第5実施例に係る回路を使用して構
成した演算増幅器の一例構成を示す回路図である。
【図19】出力回路の他の例を示す回路図である。
【図20】出力回路の他の例を示す回路図である。
【図21】出力回路の他の例を示す回路図である。
【図22】出力回路の他の例を示す回路図である。
【図23】第1従来例に係る回路の構成を示す回路図で
ある。
【図24】この従来例におけるAB級駆動動作を説明す
る図である。
【図25】第2従来例に係る回路の構成を示す回路図で
ある。
【図26】第3従来例に係る回路の構成を示す回路図で
ある。
【符号の説明】 1,2 定電圧回路 3〜6,8〜22 電流ミラー回路 7 差動入力回路 Q1 〜Q12,Q17〜Q28,Q37〜Q100 バイポーラ又
は電界効果トランジスタ Q13〜Q16,Q29〜Q36 定電流源 D1 〜D4 ダイオード I1 〜I4 バイポーラトランジスタQ1 〜Q4 のコレ
クタ電流 I5 〜I8 FETQ5 〜Q8 のドレイン電流 Vi 差動入力電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江川 政彦 東京都三鷹市下連雀五丁目1番1号 日本 無線株式会社内 (72)発明者 井上 昭治 東京都三鷹市下連雀五丁目1番1号 日本 無線株式会社内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ供給電極、駆動電極及び制御電
    極を有する第1極性の第1半導体素子(Q1 、Q5 )及
    び第2半導体素子(Q2 、Q6 )並びに第2極性の第3
    半導体素子(Q3 、Q7 )及び第4半導体素子(Q4
    8 )と、 第1半導体素子(Q1 、Q5 )の制御電極と第3半導体
    素子(Q3 、Q7 )の制御電極の間の電圧を一定に保持
    する第1定電圧回路(1)と、 第2半導体素子(Q2 、Q6 )の制御電極と第4半導体
    素子(Q4 、Q8 )の制御電極の間の電圧を一定に保持
    する第2定電圧回路(2)と、 第1半導体素子(Q1 、Q5 )の駆動電極に流れる電流
    (I1 、I5 )と第3半導体素子(Q3 、Q7 )の駆動
    電極に流れる電流(I3 、I7 )を反転加算することに
    よりAB級駆動電流を発生させこれを出力する第1出力
    回路(3、5)と、 を備え、 第1乃至第4半導体素子(Q1 〜Q8 )の供給電極が共
    通接続されており、駆動電極には供給電極に流れる電流
    とほぼ等しい電流が流れ、制御電極によって駆動電極に
    流れる電流が制御されることを特徴とするAB級プッシ
    ュプル駆動回路。
  2. 【請求項2】 それぞれ供給電極、駆動電極及び制御電
    極を有する第1極性の第1半導体素子(Q1 、Q5 )及
    び第2半導体素子(Q2 、Q6 )並びに第2極性の第3
    半導体素子(Q3 、Q7 )及び第4半導体素子(Q4
    8 )と、 第1半導体素子(Q1 、Q5 )の制御電極と第3半導体
    素子(Q3 、Q7 )の制御電極の間の電圧を一定に保持
    する第1定電圧回路(1)と、 第2半導体素子(Q2 、Q6 )の制御電極と第4半導体
    素子(Q4 、Q8 )の制御電極の間の電圧を一定に保持
    する第2定電圧回路(2)と、 第2半導体素子(Q2 、Q6 )の駆動電極に流れる電流
    (I2 、I6 )と第4半導体素子(Q4 、Q8 )の駆動
    電極に流れる電流(I4 、I8 )を反転加算することに
    よりAB級駆動電流を発生させこれを出力する第2出力
    回路(4、6、12〜15)と、 を備え、 第1乃至第4半導体素子(Q1 〜Q8 )の供給電極が共
    通接続されており、駆動電極には供給電極に流れる電流
    とほぼ等しい電流が流れ、制御電極によって駆動電極に
    流れる電流が制御されることを特徴とするAB級プッシ
    ュプル駆動回路。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のAB級プッシュプル駆動
    回路において、 第2半導体素子(Q2 、Q6 )の駆動電極に流れる電流
    (I2 、I6 )と第4半導体素子(Q4 、Q8 )の駆動
    電極に流れる電流(I4 、I8 )を反転加算することに
    よりAB級駆動電流を発生させこれを出力する第2出力
    回路(4、6、12〜15)を備えることを特徴とする
    AB級プッシュプル駆動回路。
  4. 【請求項4】 請求項1又は3記載のAB級プッシュプ
    ル駆動回路において、 第1出力回路が、 第1半導体素子(Q1 、Q5 )の駆動電極に流れる電流
    (I1 、I5 )のミラー比倍の電流を出力する第1電流
    ミラー回路(3)と、 第3半導体素子(Q3 、Q7 )の駆動電極に流れる電流
    (I3 、I7 )のミラー比倍の電流を出力する第3電流
    ミラー回路(5)と、 を有し、 その出力電流が反転加算反転されAB級駆動電流が生成
    されるよう、第1電流ミラー回路(3)と第3電流ミラ
    ー回路(5)が接続されたことを特徴とするAB級プッ
    シュプル駆動回路。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3記載のAB級プッシュプ
    ル駆動回路において、 第2出力回路が、 第2半導体素子(Q2 、Q4 )の駆動電極に流れる電流
    (I2 、I4 )のミラー比倍の電流を出力する第2電流
    ミラー回路(4、12、14)と、 第4半導体素子(Q4 、Q8 )の駆動電極に流れる電流
    (I4 、I8 )のミラー比倍の電流を出力する第4電流
    ミラー回路(6、13、15)と、 を有し、 その出力電流が反転加算反転されAB級駆動電流が生成
    されるよう、第2電流ミラー回路(4、12、14)と
    第4電流ミラー回路(6、13、15)が接続されたこ
    とを特徴とするAB級プッシュプル駆動回路。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5記載のAB級プッシュプ
    ル駆動回路において、 第1乃至第4半導体素子がバイポーラトランジスタ(Q
    1 〜Q4 )であり、 第1及び第2極性がそれぞれNPN接合及びPNP接合
    であり、 供給電極、駆動電極及び制御電極がそれぞれエミッタ、
    コレクタ及びベースであることを特徴とするAB級プッ
    シュプル駆動回路。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5記載のAB級プッシュプ
    ル駆動回路において、 第1乃至第4半導体素子が電界効果トランジスタ(Q5
    〜Q8 )であり、 第1及び第2極性がそれぞれNチャネル型及びPチャネ
    ル型であり、 供給電極、駆動電極及び制御電極がそれぞれソース、ド
    レイン及びゲートであることを特徴とするAB級プッシ
    ュプル駆動回路。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7記載のAB級プッシュプ
    ル駆動回路において、 第1定電圧回路(1)が、第1
    及び第3半導体素子(Q1 、Q3 、Q5 、Q7 )の温度
    対電圧特性を補償する第1温度特性補償手段を有し、 第2定電圧回路(2)が、第2及び第4半導体素子(Q
    2 、Q4 、Q6 、Q8)の温度対電圧特性を補償する第
    2温度特性補償手段を有することを特徴とするAB級プ
    ッシュプル駆動回路。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のAB級プッシュプル駆動
    回路において、 第1温度特性補償手段が、第1半導体素子(Q1
    5 )と実質的に等しい温度対電圧特性を有する第1温
    度補償用素子(D1 、Q9 、Q17、Q25、Q37、Q41
    と、第3半導体素子(Q3 、Q7 )と実質的に等しい温
    度対電圧特性を有し第1温度補償用素子(D1 、Q9
    17、Q25、Q37、Q41)に順方向直列接続された第3
    温度補償用素子(D3 、Q11、Q19、Q27、Q39
    43)と、を有し、 第2温度特性補償手段が、第2半導体素子(Q2
    6 )と実質的に等しい温度対電圧特性を有する第2温
    度補償用素子(D2 、Q10、Q18、Q26、Q38、Q42
    と、第4半導体素子(Q4 、Q8 )と実質的に等しい温
    度対電圧特性を有し第2温度補償用素子(D2 、Q10
    18、Q26、Q38、Q42)に順方向直列接続された第4
    温度補償用素子(D4 、Q12、Q20、Q28、Q40
    44)と、を有し、 第1温度補償用素子(D1 、Q9 、Q17、Q25、Q37
    41)と第3温度補償用素子(D3 、Q11、Q19
    27、Q39、Q43)の直列接続体が第1及び第3半導体
    素子(Q1 、Q3 、Q5 、Q7 )に順方向並列接続さ
    れ、第2温度補償用素子(D2 、Q10、Q18、Q26、Q
    38、Q42)と第4温度補償用素子(D4 、Q12、Q20
    28、Q40、Q44)の直列接続体が第2及び第4半導体
    素子(Q2 、Q4 、Q6 、Q8 )に順方向並列接続され
    たことを特徴とするAB級プッシュプル駆動回路。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のAB級プッシュプル駆
    動回路において、 第1乃至第4温度補償用素子が、それぞれ、第1乃至第
    4半導体素子(Q1 〜Q8 )と実質的に等しい温度対電
    圧特性を有し順バイアスされたPN接合(D1〜D4
    17〜Q20、Q25〜Q28)であり、 第1及び第2温度特性補償手段が、第1乃至第4温度補
    償用素子(D1 〜D4、Q17〜Q20、Q25〜Q28)を順
    バイアスする第1定電流源(Q13〜Q16)を有すること
    を特徴とするAB級プッシュプル駆動回路。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のAB級プッシュプル
    駆動回路において、 第1乃至第4半導体素子がバイポーラトランジスタ(Q
    1 〜Q4 )であり、 上記PN接合が、コレクタベース間が短絡されたバイポ
    ーラトランジスタ(Q17〜Q20)のベースエミッタ間P
    N接合であることを特徴とするAB級プッシュプル駆動
    回路。
  12. 【請求項12】 請求項10記載のAB級プッシュプル
    駆動回路において、 第1乃至第4半導体素子がバイポーラトランジスタ(Q
    1 〜Q4 )であり、 第1及び第2温度特性補償手段が、第1定電流源(Q13
    〜Q16)によりそのベースが駆動されるバイアス用バイ
    ポーラトランジスタ(Q21〜Q24)を有し、 上記PN接合が、バイアス用バイポーラトランジスタ
    (Q21〜Q24)によりそのベースが駆動されるバイポー
    ラトランジスタ(Q17〜Q20)のベースエミッタ間PN
    接合であることを特徴とするAB級プッシュプル駆動回
    路。
  13. 【請求項13】 請求項10記載のAB級プッシュプル
    駆動回路において、 第1乃至第4半導体素子がバイポーラトランジスタ(Q
    1 〜Q4 )であり、 第1及び第2温度特性補償手段が、第2定電流源(Q29
    〜Q32)を有し、 上記PN接合が、第2定電流源(Q29〜Q32)によりそ
    のベースが駆動されるバイポーラトランジスタ(Q15
    28)のベースエミッタ間PN接合であることを特徴と
    するAB級プッシュプル駆動回路。
  14. 【請求項14】 請求項9記載のAB級プッシュプル駆
    動回路において、 第1乃至第4半導体素子が電界効果トランジスタ(Q5
    〜Q8 )であり、 第1乃至第4温度補償用素子が、それぞれ、第1乃至第
    4半導体素子(Q5 〜Q8 )と実質的に等しい温度対電
    圧特性を有しゲートドレイン間が短絡された電界効果ト
    ランジスタ(Q9 〜Q12、Q37〜Q40)であり、 第1及び第2温度特性補償手段が、第1乃至第4温度補
    償用素子を順バイアスする第1定電流源(Q13〜Q16
    を有することを特徴とするAB級プッシュプル駆動回
    路。
  15. 【請求項15】 請求項9記載のAB級プッシュプル駆
    動回路において、 第1乃至第4半導体素子が電界効果トランジスタ(Q5
    〜Q8 )であり、 第1乃至第4温度補償用素子が、それぞれ、第1乃至第
    4半導体素子(Q5 〜Q8 )と実質的に等しい温度対電
    圧特性を有しゲートドレイン間が短絡された電界効果ト
    ランジスタ(Q41〜Q44)であり、 第1及び第2温度特性補償手段が、第1乃至第4温度補
    償用素子を順バイアスする第1定電流源(Q33〜Q36
    と、第1乃至第4温度補償用素子のゲートを駆動する第
    2定電流源(Q29〜Q32)と、を有することを特徴とす
    るAB級プッシュプル駆動回路。
  16. 【請求項16】 請求項1乃至15記載のAB級プッシ
    ュプル駆動回路を駆動する方法において、 差動入力電圧(Vi )を、第1半導体素子(Q1
    5 )の制御電極と第2半導体素子(Q2 、Q6 )の制
    御電極の間に直接印加すると共に、第3半導体素子(Q
    3 、Q7 )の制御電極と第4半導体素子(Q4 、Q8
    の制御電極の間に第1及び第2定電圧回路(1、2)を
    介して印加することを特徴とする方法。
  17. 【請求項17】 請求項1乃至15記載のAB級プッシ
    ュプル駆動回路を駆動する方法において、 差動入力電圧(Vi )を、第3半導体素子(Q3
    7 )の制御電極と第4半導体素子(Q4 、Q8 )の制
    御電極の間に直接印加すると共に、第1半導体素子(Q
    1 、Q5 )の制御電極と第2半導体素子(Q2 、Q6
    の制御電極の間に第1又は第2定電圧回路(1、2)を
    介して印加することを特徴とする方法。
  18. 【請求項18】 請求項1乃至15記載のAB級プッシ
    ュプル駆動回路を駆動する方法において、 差動入力電圧(Vi )を、第1及び第2定電圧回路
    (1、2)の一部を介して第1半導体素子(Q1
    5 )の制御電極と第2半導体素子(Q2 、Q6 )の制
    御電極の間に印加すると共に、第1及び第2定電圧回路
    (1、2)の他の一部を介して第3半導体素子(Q3
    7 )の制御電極と第4半導体素子(Q4 、Q8)の制
    御電極の間に印加することを特徴とする方法。
  19. 【請求項19】 請求項1乃至15記載のAB級プッシ
    ュプル駆動回路と、 差動入力電圧(Vi )の印加に応じて差動電流を発生さ
    せ第1及び第2定電圧回路(1、2)に供給する差動入
    力回路(7)と、 を備え、 第1及び第2定電圧回路(1、2)が、差動電流の供給
    に応じて上記定電圧保持動作を実行することを特徴とす
    るAB級電子回路。
  20. 【請求項20】 請求項1乃至15記載のAB級プッシ
    ュプル駆動回路と、 定電流によって駆動され差動入力電圧(Vi )の入力に
    応じて第1差動電流を出力する第1差動入力回路
    (Q65、Q66)と、 上記定電流によって駆動され上記差動入力電圧(Vi
    の入力に応じて第2差動電流を出力する第2差動入力回
    路(Q67、Q68)と、 を備え、 第1定電圧回路(1)が、第1及び第2差動電流の供給
    を直接又は間接に受けて上記定電圧保持動作を実行し、 第2定電圧回路(2)が、正負の電源電圧の中間値を基
    準として上記定電圧保持動作を実行することを特徴とす
    るAB級電子回路。
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