JPH07234537A - 静電荷像現像用トナー及び加熱定着方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及び加熱定着方法

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JPH07234537A
JPH07234537A JP6322414A JP32241494A JPH07234537A JP H07234537 A JPH07234537 A JP H07234537A JP 6322414 A JP6322414 A JP 6322414A JP 32241494 A JP32241494 A JP 32241494A JP H07234537 A JPH07234537 A JP H07234537A
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polyester resin
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宏明 川上
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博英 谷川
Tsutomu Konuma
努 小沼
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温定着性及び耐ブロッキング性に優れ、か
つ低温から高温までの広い温度領域での耐オフセット性
に優れ、さらに高湿環境下での帯電の立上りの良好な静
電荷像現像用トナー及び該トナーを用いた加熱定着方法
の提供。 【構成】 本発明は、少なくとも結着樹脂及びワックス
を有する静電荷像現像用トナーにおいて、該結着樹脂は
ソフトセグメントを有するポリエステル樹脂を主成分と
して含有しており、且つ、該ワックスの示差走査熱量計
によるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピーク及び降
温時の発熱ピークに関し、吸熱のオンセット温度が50
〜110℃の範囲にあり、温度70〜130℃の領域に
少なくとも一つの昇温時の吸熱ピークP1 を有し、該吸
熱ピークP1 の±9℃の範囲内に降温時の最大発熱ピー
クを有する事を特徴とする静電荷像現像用トナー及び該
トナーを用いた加熱定着方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法及び磁気記録法に用いられる熱定着に適した、静電荷
像現像用トナー及び該トナーを用いて形成したトナー像
を加熱定着手段により記録材に定着する加熱定着方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては、米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報に記載されて
いる如く、多数の方法が知られているが、一般には光導
電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的
潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、
必要に応じて紙の如き転写材にトナー画像を転写した
後、加熱、加圧あるいは溶剤蒸気の如き定着手段により
定着し、複写物を得るものであり、そして感光体上に転
写せず残ったトナーは種々の方法でクリーニングされ、
上述の工程が繰り返される。
【0003】近年このような複写装置は、単なる一般に
言うオリジナル原稿を複写するための事務処理用複写機
というだけでなく、コンピュータの出力としてのプリン
ター或いは個人向けのパーソナルコピーという分野で使
われ始めた。
【0004】そのため、より小型、より軽量そしてより
高速、より高信頼性が厳しく追求されてきており、機械
は種々な点でよりシンプルな要素で構成されるようにな
ってきている。その結果、トナーに要求される性能はよ
り高度になり、トナーの性能向上が達成できなければ、
より優れた機械が成り立たなくなってきている。
【0005】トナー像を紙の如きシートに定着する工程
に関して種々の方法や装置が開発されている。例えば熱
ローラーによる圧着加熱方式や、フィルムを介して加熱
体と加圧部材により密着させる加熱定着方法がある。
【0006】加熱ローラーやフィルムを介した加熱方式
はトナーに対し離型性を有する材料で表面を形成した熱
ローラー或いはフィルムの表面に被定着シートのトナー
像面を接触させながら通過せしめる事により定着を行う
ものである。この方法は熱ローラーやフィルムの表面と
被定着シートのトナー像とが接触するため、トナー像を
被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であ
り、迅速に定着を行う事ができ、電子写真複写機に於い
て非常に有効である。しかしながら上記方法では、熱ロ
ーラーやフィルム表面とトナー像とが溶融状態で接触す
るためにトナー像の一部が定着ローラーやフィルム表面
に付着、転移し、次の被定着シートにこれが再転移して
所謂オフセット現象を生じ、被定着シートを汚す事があ
る。熱定着ローラーやフィルム表面に対してトナーが付
着しないようにすることが加熱定着方式の必須条件の1
つとされている。
【0007】従来、定着ローラーの表面にトナーを付着
させない目的で、例えばローラー表面をシリコーンゴム
や弗素系樹脂の如きトナーに対して離型性の優れた材料
で形成し、更にその表面にオフセット防止及びローラー
表面の疲労を防止するためにシリコーンオイルの如き離
型性の良い液体の薄膜でローラー表面を被覆する事が行
われている。しかしながら、この方法はトナーのオフセ
ットを防止する点では極めて有効であるが、オフセット
防止用液体を供給するための装置が必要なため、定着装
置が複雑になるという問題点を有している。
【0008】これは小型化、軽量化と逆方向であり、し
かもシリコーンオイルが熱により蒸発し、機内を汚染す
る場合がある。そこでシリコーンオイルの供給装置を用
いないで、かわりにトナー中から加熱時にオフセット防
止液体を供給しようという考えから、トナー中に低分子
量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンの如き離型剤
を添加する方法が提案されている。十分な効果を出すた
めに多量にこのような添加剤を加えると、感光体へのフ
ィルミングの発生及びキャリアやスリーブの如きトナー
担持体の表面の汚染の発生が生じ、画像が劣化し実用上
問題となる。そこで画像を劣化させない程度に少量の離
型剤をトナー中に添加し、若干の離型性オイルの供給若
しくはオフセットしたトナーを巻き取り式の例えばウェ
ブの如き部材を用いた装置でクリーニングする装置を併
用する事が行われている。
【0009】しかし最近の小型化、軽量化、高信頼性の
要求を考慮するとこれらの補助的な装置すら除去する事
が必要であり好ましい。従ってトナーの定着或いはオフ
セットの更なる性能向上がなければ対応しきれず、それ
はトナーの結着樹脂、離型剤の更なる改良がなければ実
現する事が困難である。
【0010】トナー中に離型剤としてワックスを含有さ
せる事は例えば、特開昭52−3304号公報、特開昭
52−3305号公報及び特開昭57−52574号公
報に開示されている。
【0011】さらに、特開平3−50559号公報、特
開平2−79860号公報、特開平1−109359号
公報、特開昭62−14166号公報、特開昭61−2
73554号公報、特開昭61−94062号公報、特
開昭61−138259号公報、特開昭60−2523
61号公報、特開昭60−252360号公報及び特開
昭60−217366号公報にワックス類を含有させる
技術が開示されている。
【0012】ワックス類は、トナーの低温時や高温時の
耐オフセット性の向上や、低温時の定着性の向上のため
に用いられている。しかしながら、これらの性能を向上
させる反面、耐ブロッキング性を悪化させたり、複写機
内での昇温によってトナーが熱にさらされると現像性が
悪化したり、長期放置時にワックスがブルーミングして
現像性が悪化したりする。
【0013】従来のトナーでは、これらの面をすべて満
足するものは無く、何らかの問題点が生じていた。例え
ば、高温オフセットや現像性は優れているが低温定着性
が今一歩であったり、低温オフセットや低温定着性には
優れているが耐ブロッキング性にやや劣り、機内昇温で
現像性が低下する弊害があったり、或は低温時と高温時
の耐オフセット性が両立できなかったりしていた。
【0014】低分子量ポリプロピレン[例えば、三洋化
成工業(株)製のビスコール550P、660Pその
他]を含有するトナーが市販されているが、更に低温オ
フセット性の向上及び定着性の向上したトナーが待望さ
れている。
【0015】トナーの定着性を改善するためには、トナ
ー中の結着樹脂の改良もなされており、定着性のみを考
慮するなら結着樹脂の分子量やガラス転移点を低くする
事が要求される。しかしこの事は逆に耐高温オフセット
性、耐ブロッキング性の低下を招く。
【0016】このような欠点の解消のため、例えば特公
昭51−23354号公報には、架橋高分子(ビニル系
重合体)を結着樹脂とするトナーが提案され、特公昭5
5−6895号公報にはα、β不飽和エチレン単量体を
構成単位とする重量平均分子量と数平均分子量との比が
3.5〜40となるように分子量分布を広くした結着樹
脂を含有するトナーが提案され、更には特開昭56−1
6144号公報にはビニル系重合体に於いてGPCクラ
マトグラムで低分子領域と高分子領域のぞれぞれにピー
クを有する結着樹脂を含有するトナーがそれぞれ提案さ
れている。確かにこれらの提案によるトナーは耐高温オ
フセット性、且つそれと同時に定着性との両立がある程
度は達成されているが更なる向上が望まれる。
【0017】これらのビニル系の付加重合タイプの結着
樹脂に対し、重縮合タイプのポリエステル低温定着にマ
ッチした素材として、従来からも提案されている。
【0018】例えば、特開昭59−7960号公報には
改良された特定のポリエステルを結着樹脂とするトナー
が提案されている。
【0019】確かにビニル系樹脂より低温定着性は優れ
ているが、離型成分であるワックスの分散が悪く、耐オ
フセット性が劣るという問題があった。
【0020】さらに、特開平5−197192号公報に
は、特定の熱特性を有する炭化水素系ワックスを含有す
るトナーが提案されている。この特定の熱特性を有する
炭化水素系ワックスは、トナーに好ましい熱特性を与え
ることができるため、低温時の定着性、耐オフセット性
及び耐ブロッキング性に優れるものであるが、この特定
の熱特性を有する炭化水素系ワックスの有する効果をよ
り発揮するためには、結着樹脂に対する炭化水素系ワッ
クスのより優れた分散性が望まれ、さらに改良すべき点
がある。
【0021】特開平5−249735号公報には、官能
基を有する(スチレン系)結着樹脂及び炭化水素系ワッ
クスを含有するトナーであって、該トナーの弾性率及び
熱特性を規定し、定着性、耐オフセット性及び耐ブロッ
キング性を向上させることが提案されている。
【0022】しかしながら、これらの開示技術だけでは
その性能(特に定着性)に限界がある。低温定着にマッ
チしたポリエステルの性能を十分に引き出すには、耐ブ
ロッキング性、現像性等その他のトナー特性を維持しつ
つ、さらなる性能の向上が望まれる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き従来技術の問題点を解決したトナー及び該トナー
の加熱定着方法を提供する事にある。
【0024】本発明の目的は、低温時の定着性、耐オフ
セット性に優れたトナー及び該トナーの加熱定着方法を
提供する事にある。
【0025】本発明の目的は、高温時の耐オフセット性
に優れたトナー及び該トナーの加熱定着方法を提供する
事にある。
【0026】本発明の目的は、耐ブロッキング性に優
れ、長期間放置しても現像性が劣化しないトナー及び該
トナーの加熱定着方法を提供する事にある。
【0027】本発明の目的は、機械本体の昇温に対する
耐久性に優れたトナー及び該トナーの加熱定着方法を提
供する事にある。
【0028】本発明の目的は、高湿環境下での帯電の立
上りに優れたトナー及び該トナーの加熱定着方法を提供
する事にある。
【0029】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、以下
の構成により上記目的を達成する。
【0030】本発明は、少なくとも結着樹脂及びワック
スを有する静電荷像現像用トナーにおいて、該結着樹脂
は、ソフトセグメントを有するポリエステル樹脂を主成
分として含有しており、且つ、該ワックスの示差走査熱
量計によるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピーク及
び降温時の発熱ピークに関し、吸熱のオンセット温度が
50〜110℃の範囲にあり、温度70〜130℃の領
域に少なくとも一つの昇温時の吸熱ピークP1 を有し、
該吸熱ピークP1 の±9℃の範囲内に降温時の最大発熱
ピークを有することを特徴とする静電荷像現像用トナー
に関する。
【0031】本発明は、記録材上のトナー像を加熱定着
手段により定着する加熱定着方法において、該トナー像
は、少なくとも結着樹脂及びワックスを有するトナーに
よって形成されており、該結着樹脂は、ソフトセグメン
トを有するポリエステル樹脂を主成分として含有してお
り、且つ、該ワックスの示差走査熱量計によるDSC曲
線において、昇温時の吸熱ピーク及び降温時の発熱ピー
クに関し、吸熱のオンセット温度が50〜110℃の範
囲にあり、温度70〜130℃の領域に少なくとも一つ
の昇温時の吸熱ピークP1 を有し、該吸熱ピークP1
±9℃の範囲内に降温時の最大発熱ピークを有する事を
特徴とする加熱定着方法に関する。
【0032】本発明者らは、トナーの定着性、耐オフセ
ット性、耐ブロッキング性及び現像性の改良について鋭
意検討を行ったところ、結着樹脂の主成分としてソフト
セグメントを有するポリエステル樹脂を用い、トナーの
離型剤として機能するワックスとして特定の熱特性を有
するシャープメルト性のワックスを用いることにより、
ポリエステル樹脂の有するソフトセグメントが特定の熱
特性を有するワックスのポリエステル樹脂中への分散性
を向上させるように作用するものと見られ、さらにこの
ソフトセグメントを有するポリエステル樹脂が結着樹脂
の主成分であることから、トナーの結着樹脂中に特定の
熱特性を有するワックス成分が均一分散され、これによ
りトナーは、低温から高温までの耐オフセット性、耐ブ
ロッキング性を維持しつつ、さらに良好なる低温定着性
を有し、かつ現像性に優れることを見い出した。
【0033】本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂及
びワックスによって構成されるものである。
【0034】本発明に用いられるワックスは、該ワック
スの示差走査熱量計により測定されるDSC曲線におけ
る昇温時の吸熱ピーク及び降温時の発熱ピークにおい
て、(i)50〜110℃の範囲に吸熱のオンセット温
度を有し、(ii)70〜130℃の範囲に少なくとも
1つの昇温時の吸熱ピーク(P1 )を有し、かつ(ii
i)該吸熱ピーク(P1 )の±9℃の範囲に降温時の最
大発熱ピークを有するものである。
【0035】昇温時には、ワックスに熱を与えた時の変
化を見る事ができ、ワックスの相転移、融解に伴う吸熱
ピークが観測される。吸熱のオンセット温度が50〜1
10℃、好ましくは50〜90℃、更に好ましくは60
〜90℃の範囲内にある事により、耐ブロッキング性及
び低温定着性のみならず現像性をも満足する事ができ
る。
【0036】吸熱のオンセット温度が50℃未満の場合
には、ワックスの変化温度が低過ぎるため、耐ブロッキ
ング性や昇温時の現像性に劣り、さらに本発明において
用いられる後述するポリエステルはその骨格内にトナー
に可塑性を付与するソフトセグメントを有しているの
で、吸熱のオンセト温度が50℃未満の場合、トナーの
耐ブロッキング性の悪化が特に顕著である。吸熱のオン
セット温度が110℃を越える場合、ワックスの変化温
度が高過ぎる為十分な定着性が得られなくなる。
【0037】吸熱ピークが70〜130℃の範囲内に、
好ましくは70〜120℃、より好ましくは95〜12
0℃、特に好ましくは97〜115℃の範囲内に存在す
る事により、良好な定着性及び耐オフセット性を満足で
きる。
【0038】70℃未満のみにピーク温度が存在する場
合にはワックスの融解温度が低過ぎ、十分な耐高温オフ
セット性が得られない。130℃を越える温度のみにピ
ーク温度が存在する場合にはワックスの融解温度が高過
ぎ、十分な耐低温オフセット性及び低温定着性が得られ
ない。
【0039】ここで、70℃未満のピークが最大ピーク
となると、この領域にのみピークがある場合と同様の挙
動を示すので、この領域にピークが存在してもよいが、
その場合は70〜130℃の領域のピークより小さい必
要がある。
【0040】降温時には、ワックスの冷却時の変化や常
温時の状態を見る事ができ、ワックスの凝固、結晶化及
び相転移に伴う発熱ピークが観測される。降温時の最大
の発熱ピークは、ワックスの凝固及び結晶化に伴う発熱
ピークである。この発熱ピーク温度と近い温度に昇温時
の融解に伴う吸熱ピークが存在する事は、ワックスの構
造がより均質である事及び分子量分布がよりシャープで
ある事を示しており、その差は9℃以内にある事がよ
く、好ましくは7℃以内、より好ましくは5℃以内であ
る事がよい。この差を小さくする事で、ワックスをシャ
ープメルト化でき、低温時には硬く、融解時の溶融が早
く更に溶融粘度の低下が大きく起こる事で、現像性、耐
ブロッキング性、定着性及び耐オフセット性をバランス
よく成り立たせる事ができる。
【0041】最大発熱ピークは温度85〜115℃、好
ましくは90〜110℃の領域にある事がよい。
【0042】ワックスのDSC測定は、ワックスの熱の
やり取りを測定しその挙動を観測するので、かかる測定
原理から高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で
測定する必要がある。例えばパーキンエルマー社製のD
SC−7が利用できる。
【0043】測定方法はASTM D3418−82に
準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇
温させて前履歴を取り除いた後、温度速度10℃/mi
n.、温度0〜200℃の範囲で降温又は昇温させた時
に測定されるDSC曲線を用いる。各温度の定義は次の
ように定める。
【0044】吸熱のオンセット温度:昇温時の曲線の微
分値が極大となる温度の最低の温度。
【0045】吸熱ピーク温度:昇温時の吸熱ピークのピ
ークトップ温度。
【0046】発熱ピーク温度:降温時の最大発熱ピーク
のピークトップ温度。
【0047】本発明に用いられるワックスは、次のよう
なワックスをベースとして必要に応じ分別することによ
り得られるものである。
【0048】このベースとなるワックスとしては、パラ
フィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及び
その誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘
導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体
或はポリオレフィンワックス及びその誘導体が挙げら
れ、誘導体には酸化物やビニル系モノマーとのブロック
共重合体及びグラフト変性物を含む。
【0049】さらにベースとなる他のワックスとして
は、高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸及びそのエステ
ル化物、高級脂肪酸アミド、ケトンワックス、硬化ひま
し油及びその誘導体に加えてカルナバワックス及びその
誘導体の如き植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系
ワックス或いはペトロラクタムも利用できる。
【0050】特に好ましく用いられるものは、金属酸化
物触媒を使用した一酸化炭素、水素の反応によって合成
される合成炭化水素系ワックス、例えばジントール法、
ヒドロコール法(流動触媒床を使用)或いはワックス状
炭化水素が多く得られるアーゲ法(固定触媒床を使用)
により得られる炭素数が数百ぐらい迄のもの(所謂フィ
ッシャートロプシュワックス)や、エチレンの如きアル
キレンチーグラー触媒により重合したポリオレフィン及
びこの時の副生成物がある。
【0051】これらのワックスをベースとして、プレス
発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽
出法或いは融液晶析法を利用して、ワックスを分子量に
より分別したワックスが本発明に好ましく用いられる。
これらの方法のうち超臨界ガス抽出法(この方法は溶媒
がガス態であるから溶媒の分離及び回収が容易で目的に
応じた分子量分別体が得られる)や真空蒸留及びそれか
ら得られる留出物を融液晶析し結晶濾別する方法が特に
好ましい。
【0052】即ちこれらの方法で低分子量分を除去した
もの、低分子量分を抽出したもの或いはこれらから低分
子量分を更に除去したものの如く任意の分子量分布を持
つものが得られる。なお、分別後に酸化やグラフト変性
を行ってもよい。
【0053】本発明において、ワックスの好ましい分子
量はその構造により異なり、一概に限定できないが、G
PC測定における分子量分布において数平均分子量で3
00〜1500程度のものがよい。例えばポリオレフィ
ンの如き炭化水素系の場合で好ましい範囲は数平均分子
量で300〜1500であり、好ましくは400〜12
00であり、より好ましくは600〜1000であり、
重量平均分子量で500〜6000、好ましくは600
〜3500、より好ましくは800〜2000であり、
Mw/Mnが3.0以下がよく、好ましくは2.5以
下、より好ましくは2.0以下である。
【0054】分子量及び分子量分布の測定には粘度法、
沸点上昇法、氷点降下法、蒸気圧降下法、末端基定量
法、高温ガスクロ法及びGPC法が利用でき、GPCに
より測定可能の場合には次の条件で測定される。
【0055】GPC測定条件 装 置:GPC−150C(ウォーターズ社製) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製) 温 度:135℃ 溶 媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール
添加) 流 速:1.0ml/min 試 料:0.15%の試料を0.4ml注入
【0056】試料の分子量算出に当っては、単分散ポリ
スチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用
する。更に、Mark−Houwink粘度式から導き
出される換算式でワックスの構造に応じた換算をする事
によって算出される。
【0057】構造ごとによる好ましい分子量分布から得
られる物性は、DSC特性で代用としてみる事ができ
る。構造ごとにより必要以上に低分子量成分があれば、
吸熱ピークのオンセット温度が50℃未満となる。一
方、必要以上に高分子量成分があれば、最大吸熱ピーク
のピークトップ温度が130℃を越えるようになる。そ
して、ワックスの効果が小さくなったり、弊害が発生し
たりするようになる。
【0058】その他のワックスの物性としては、25℃
での密度が0.95g/cm3 以上、針入度が1.5
(10-1mm)以下、好ましくは1.0(10-1mm)
以下である。これらの範囲を外れると、低温時に変化し
易く保存性及び現像性に劣り易くなってくる。
【0059】140℃における溶融粘度は100cp以
下、好ましくは50cp以下、より好ましくは20cp
以下である。溶融粘度が100cpを越えるようになる
と、可塑性及び離型性に劣るようになり、定着性及び耐
オフセット性に影響を及ぼすようになる。
【0060】さらに、軟化点が130℃以下である事が
好ましく、特に好ましくは120℃以下である。軟化点
が130℃を越えると、離型性が有効に働く温度が高く
なり、耐オフセット性に影響を及ぼすようになる。
【0061】これらのワックスの含有量は、結着樹脂1
00重量部に対し20重量部以内で用いられ、0.5〜
10重量部で用いるのが特に効果的である。
【0062】本発明におけるワックス類の針入度は、J
IS K2207に準拠し測定される値である。具体的
には、直径1mmで頂角9°の円錐形先端を持つ針を一
定荷重で貫入させた時の貫入深さを0.1mmの単位で
表した数値である。本発明中での試験条件は試料温度2
5℃、加重100g及び貫入時間5秒である。
【0063】溶融粘度はブルックフィールド型粘度計を
用いて測定される値であり、試験条件は測定温度140
℃、ずり速度1.32rpm及び試料10mlである。
密度は測定温度25℃でJIS K6760に、軟化点
はJIS K2207にそれぞれ準じて測定される環球
法による値である。
【0064】本発明に用いられる上記の特定の熱特性を
有するワックスは、溶融特性がシャープメルトであるこ
とから、結着樹脂に対して分散されにくく、特にトナー
を補給しながら使用するようなより耐久性の要求される
トナーの場合には、この特定の熱特性を有するワックス
の結着樹脂に対するより優れた分散が要求される。
【0065】しかしながら、本発明で用いる結着樹脂
は、主成分としてソフトセグメントを有するポリエステ
ル樹脂を有していることから、理由は不明であるが、こ
のような吸熱特性に対応した発熱特性を有するワックス
は、ソフトセグメントを骨格中に有するポリエステルへ
の分散が良好であり、その為現像性、耐ブロッキング
性、定着性及び耐オフセット性をいっそう高いレベルで
成り立たせる事が可能となった。
【0066】本発明において、結着樹脂における主成分
とは、結着樹脂に含有される成分の中で1番含有量の多
い樹脂を意味する。
【0067】本発明においてソフトセグメントを有する
ポリエステル樹脂とは、具体的には、該ソフトセグメン
ト(すなわち、炭素数5〜30のアルキル基又はアルケ
ニル基)がポリエステルの骨格中にブランチ化されて導
入されたものであり、このようなポリエステル樹脂は、
ソフトセグメントで置換された脂肪族のジカルボン酸類
又はソフトセグメントで置換された脂肪族のジオール類
をモノマー成分として用いて合成することによって得る
ことが可能である。
【0068】本発明に用いられるソフトセグメントを有
するポリエステルにおいては、ジカルボン酸類にソフト
セグメントの置換基を持たせる場合には、ソフトセグメ
ントで置換された脂肪族ジカルボン酸類を、全モノマー
成分中2〜30モル%含有させる事が好ましく、より好
ましくは5〜20モル%含有させるのがよく、ジオール
類にソフトセグメントの置換基を持たせる場合には、ソ
フトセグメントで置換された脂肪族ジオール類を全モノ
マー成分中に2〜30モル%含有させる事が好ましく、
より好ましくは5〜20モル%含有させるのがよく、更
にジカルボン酸類及びジオール類のいずれにもソフトセ
グメントの置換基を持たせる場合は、ソフトセグメント
で置換された脂肪族ジカルボン酸類とソフトセグメント
で置換された脂肪族ジオール類を合計量で全モノマー成
分中2〜30モル%含有させるのが好ましく、より好ま
しくは5〜20モル%含有させるのがよい。ソフトセグ
メントで置換されたモノマーが全モノマー中で2モル%
未満しか含有されていないと低温定着性が不十分とな
り、30モル%を上回る場合は耐ブロッキング性及び昇
温時の現像性に劣るトナーとなる。
【0069】本発明に用いられるポリエステルのモノマ
ー組成は以下の通りである。
【0070】二価の酸成分としては、例えばフタル酸、
テレフタル酸、イソフタル酸或いは無水フタル酸の如き
芳香族ジカルボン酸類又はその無水物及び低級アルキル
エステル;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸或いはア
ゼライン酸の如き脂肪族ジカルボン酸類又はその無水物
及び低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シ
トラコン酸或いはイタコン酸の如き脂肪族不飽和ジカル
ボン酸類又はその無水物及び低級アルキルエステル;更
に本発明のポリエステルに必須成分であるソフトセグメ
ント(炭素数5〜30のアルキル基若しくはアルケニル
基)で置換された脂肪族ジカルボン酸類又はその無水物
及び低級アルキルエステルが挙げられる。
【0071】ソフトセグメントで置換された脂肪族ジカ
ルボン酸類としては、具体的には、n−ドデセニルコハ
ク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク
酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸或
いはn−オクチルコハク酸が挙げられ、中でもn−ドデ
セニルコハク酸及びn−ドデシルコハク酸が好ましい。
【0072】二価のアルコール成分としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−
ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA或いは下記
(A)式、
【0073】
【外1】 (式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x、y
はそれぞれ0以上の整数であり、且つx+yの平均値は
0〜10である。)で示されるビスフェノール類及びそ
の誘導体;或いは下記(B)式、
【0074】
【外2】 で示されるジオール類が挙げられる。
【0075】更に、本発明のポリエステルの必須成分で
あるソフトセグメント(炭素数5〜30のアルキル基又
はアルケニル基)で置換された脂肪族ジオール類、例え
ばn−ドデセニルエチレングリコールやn−ドデセニル
トリエチレングリコールを挙げる事もできる。
【0076】本発明における三価以上の多価カルボン酸
成分としては、例えばトリメリット酸、ピロメリット
酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5
−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレント
リカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン
酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−
ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2
−メチル−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチ
レンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタン
テトラカルボン酸或いはエンポール三量体酸等の多価カ
ルボン酸又はこれらの無水物及び低級アルキルエステ
ル;下記(C)式、
【0077】
【外3】 (式中、Xは炭素数3以上の側鎖を1個以上有する炭素
数5〜30のアルキレン基又はアルケニレン基)で表さ
れるテトラカルボン酸、これらの無水物及び低級アルキ
ルエステルが挙げられる)。
【0078】三価以上の多価アルコール成分としては、
例えばゾルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロ
ール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジ
ペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、
1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタン
トリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオ
ール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン或いは
1,3,5−トリヒドロキシベンゼンが挙げられる。
【0079】非線状ポリエステル樹脂を形成するため
の、この三価以上の多価カルボン酸成分及び多価アルコ
ール成分の如き多価モノマー成分は、全モノマー成分中
の5〜60モル%用いることが好ましく、より好ましく
は7〜30モル%が良い。
【0080】この三価以上の多価モノマー成分の使用量
が5モル%未満の場合には、耐高温オフセット性能が劣
るようになり、60モル%を超える場合には、低温定着
性が損なわれる。
【0081】但し、例えば定着ローラーにシリコーンオ
イルの如き離型性向上剤を塗布する補助手段を施す場合
は5モル%未満でも構わない。
【0082】本発明においては、結着樹脂はポリエステ
ル樹脂から構成され、このポリエステル樹脂は二価のカ
ルボン酸成分及び二価のアルコール成分から合成される
線状ポリエステル樹脂と三価以上の多価カルボン酸成分
や多価アルコール成分を更に用いて合成される非線状ポ
リエステル樹脂とを組み合わせて用いることが定着性及
び耐オフセット性の高度な両立の点でより好ましい。
【0083】この非線状ポリエステル樹脂は、特に耐オ
フセット性に対して機能し、線状ポリエステル樹脂は定
着性に対して機能するものであり、この非線状ポリエス
テル樹脂と線状ポリエステル樹脂とは、好ましくは5:
95〜60:40、より好ましくは10:90〜50:
50、特に好ましくは10:90〜40:60の比率で
混合することが良い。
【0084】非線状ポリエステル樹脂の比率が5より小
さい場合には、耐高温オフセットに劣り、60より大き
い場合には低温定着性に劣る。
【0085】この線状ポリエステル樹脂と非線状ポリエ
ステル樹脂とを組合せて用いる場合には、線状ポリエス
テル樹脂の影響によって耐オフセット性が低下する傾向
にあるため、これらのポリエステル樹脂を溶融混練時に
架橋反応を施して良好な定着性を維持しつつ、耐オフセ
ット性を向上させ、線状ポリエステル樹脂と非線状ポリ
エステル樹脂を組み合わせて用いた場合の耐オフセット
性の低下を改良することが好ましい。
【0086】この溶融混練時に架橋反応を施すことが可
能な物質としては、金属塩、金属錯体及び有機金属化合
物の如き無機系又は有機系の金属化合物を用いることが
可能である。
【0087】この溶融混練時の架橋反応は、分子鎖の端
末の多い非線状ポリエステル樹脂が主体となってこの末
端のカルボキシル基や水酸基の如き官能基が金属化合物
における金属を介した配位結合やイオン結合により施さ
れるが、末端の少ない線状ポリエステル樹脂において
も、溶融混練時に分子鎖が切断されることで末端が現出
し、この末端の官能基が同様に金属化合物によってある
程度の架橋反応が施される。
【0088】従って、本発明において、結着樹脂に非線
状ポリエステル樹脂と線状ポリエステル樹脂を組み合わ
せて用い、さらに金属化合物を用いて溶融混練時にポリ
エステル樹脂を金属架橋させる場合には、結着樹脂の酸
価は好ましくは10mgKOH/g以下、より好ましく
は9KOH/g以下、更に好ましくは6KOH/g以下
であることが良い。
【0089】この結着樹脂の酸価が10mgKOH/g
より大きい場合には、金属化合物を用いた金属架橋が進
行しすぎてしまい、定着性の低下が生じてしまう。
【0090】本発明において、トナーの結着樹脂は、ソ
フトセグメントを有するポリエステル樹脂を主成分(す
なわち、結着樹脂の中で1番含有量の多い)とすること
が良く、好ましくは結着樹脂の重量基準で50重量%以
上とすることが好ましく、より好ましくは70重量%以
上とすることが、前述の特定の熱特性を有するワックス
を結着樹脂に対して良好に分散させる上で好ましい。
【0091】本発明においてトナーの結着樹脂として
は、ソフトセグメントを有するポリエステル樹脂と組み
合わせて用いることが可能な副成分としては、スチレン
重合体、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチ
レン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレ
ン系樹脂;アクリル樹脂、メタクリル樹脂、シリコーン
樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、
フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニル
ブチラール、テルペン樹脂、クロマンインデン樹脂及び
石油系樹脂が挙げられるが、特に好ましくは結着樹脂へ
の特定の熱特性を有するワックスの分散性を考慮する
と、主成分であるソフトセグメントを有するポリエステ
ル樹脂と組み合わせる副成分としてもポリエステル樹脂
が良い。
【0092】なぜならば、特定の熱特性を有するワック
スは、ソフトセグメントを有するポリエステル樹脂に対
して良好に分散し、このソフトセグメントを有するポリ
エステル樹脂は、組み合わせる樹脂がポリエステル樹脂
であれば、相溶性が良好であるため、よって特定の熱特
性を有するワックスの結着樹脂全体に対する分散性がよ
り向上するからである。
【0093】上記の説明において、結着樹脂は主成分で
あるソフトセグメントを有するポリエステル樹脂を副成
分である他の結着樹脂と組み合わせて用いることについ
て述べたが、ソフトセグメントを有するポリエステル樹
脂を単独で結着樹脂として用いた場合には、特定の熱特
性を有するワックスは、結着樹脂全体に対して当然高い
分散性を有するものである。
【0094】更に、本発明においては、ソフトセグメン
トを有するポリエステル樹脂の酸価は、湿度の影響を考
慮した場合には、好ましくは10mgKOH/g以下、
より好ましくは9mgKOH/g以下、更に好ましくは
6mgKOH/g以下であることが良い。
【0095】ソフトセグメントを有するポリエステル樹
脂は、熱及び湿度の影響を受け易いことから、特に高温
高湿環境下においてトナー劣化を生じ易く、更にこのポ
リエステル樹脂の酸価が10mgKOH/gより大きい
場合には、より湿度の影響を受け易いことからトナーの
帯電性が低下し画像濃度の低下やカブリの増大が生じ易
くなる。
【0096】更に、本発明で用いるポリエステル樹脂の
全体の酸価は、トナーの環境依存性を考慮すると、好ま
しくは10mgKOH/g以下、より好ましくは9mg
KOH/g以下、更に好ましくは6mgKOH/g以下
であることが良い。
【0097】ポリエステル樹脂全体の酸価が10mgK
OH/gより大きい場合には、特に高湿環境下での湿度
の影響を受け易くなり、帯電のリークが大きくなり結果
としてトナーの帯電性が低下する。
【0098】一方、酸価の低い結着樹脂を用いた場合に
は、上述の如く、湿度に対する影響を受けにくくなるた
め環境特性が向上することから好ましいが、酸価の低い
結着樹脂を用いたトナーは、樹脂自体の持つ帯電能が低
いため、トナーの帯電の立ち上がりが遅くなる傾向にあ
るが、結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いた場合に
は、酸価として発現される末端のカルボキシル基が少な
くなっても、ポリエステル自体の構造としてエステル結
合を有しているため帯電の立ち上がりがそもそも良好で
あり(特に負帯電で)、初期から高い画像濃度を得るこ
とができると言うポリエステル樹脂特有の効果を有して
いる。
【0099】このポリエステル樹脂の酸価を低くする方
法としては、例えばポリエステル樹脂における未反応の
カルボキシル基をエステル反応を促進させることによっ
て減少させることによって行うことが可能であり、具体
的には後述する実施例において詳述している通り、ポリ
エステル樹脂の合成時の反応容器中の圧力をコントロー
ルすることによって行うことができる。
【0100】本発明のトナーは、荷電制御剤を含有して
もよい。
【0101】トナーを負帯電性に制御するものとして
は、例えば有機金属錯体及びキレート化合物が有効であ
り、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳
香族ハイドロキシカルボン酸及び芳香族ダイカルボン酸
系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカル
ボン酸や芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属
塩、無水物、エステル類或いはビスフェノールの如きフ
ェノール誘導体類、尿素系化合物類等がある。
【0102】トナーを正荷電性に制御するものとして
は、ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物、トリブ
チルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフ
トスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフル
オロボレートの如き四級アンモニウム塩及びこれらの類
似体であるホスニウム塩の如きオニウム塩、更にこれら
のレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレ
ーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐
モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン
酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物及びフェ
ロシアン化物)が挙げられる。高級脂肪酸の金属塩も用
いられ、具体的にはジブチル錫オキサイド、ジオクチル
錫オキサイド及びジシクロヘキシル錫オキサイドの如き
ジオルガノ錫オキサイド;ジブチル錫ボレート、ジオク
チル錫ボレート及びジシクロヘキシル錫ボレートの如き
ジオルガノ錫ボレート類が挙げられる。これらを単独で
或いは2種類以上組み合わせて用いる事ができる。これ
らの中でも、ニグロシン系及び四級アンモニウム塩の如
き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
【0103】本発明のトナーに於いては、帯電安定性、
現像性、流動性及び耐久性向上の為、シリカ微粉末を添
加する事が好ましい。本発明に用いられるシリカ微粉末
は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30
2 /g以上、より好ましくは50〜400m2 /gの
範囲内のものが良好な結果を与える。トナー100重量
部に対してシリカ微粉体0.01〜8重量部、好ましく
は0.1〜5重量部使用するのがよい。
【0104】本発明に用いられるシリカ微粉末は、必要
に応じ、疎水化或いは帯電性コントロールの目的でシリ
コーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーン
オイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリン
グ剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の
有機ケイ素化合物の如き処理剤を単独で又は複数用いて
処理されている事も好ましい。
【0105】他の添加剤としては、例えばテフロン粉
末、ステアリン酸亜鉛粉末及びポリ弗化ビニリデン粉末
の如き滑性粉末(中でもポリ弗化ビニリデンが好まし
い);酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末及びチタン酸
ストロンチウム粉末の如き研磨剤(中でもチタン酸スト
ロンチウムが好ましい);例えば酸化チタン粉末及び酸
化アルミニウム粉末の如き流動性付与剤(中でも特に疎
水性のものが好ましい);ケーキング防止剤;カーボン
ブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化アンチモン粉末及び
酸化錫粉末の如き導電性付与剤;逆極性の白色微粒子及
び黒色微粒子の現像性向上剤が挙げられ、これらを少量
用いる事もできる。
【0106】本発明のトナーは、二成分系現像剤として
用いる場合には、キャリア粉と混合して用いられる。こ
の場合には、トナーとキャリア粉との混合比はトナー濃
度として0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10
重量%、更な好ましくは3〜10重量%がよい。
【0107】本発明に使用し得るキャリアとしては、公
知のものが使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉
或いはニッケル粉の如き磁性を有する粉体、ガラスビー
ズ及びこれらの表面をフッ素系樹脂、ビニル系樹脂或い
はシリコーン系樹脂で処理したものが挙げられる。
【0108】本発明のトナーは更に磁性材料を含有させ
磁性トナーとしても使用し得る。この場合、磁性材料は
着色剤の役割を兼ねる事もできる。本発明に於いて、磁
性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイ
ト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバル
ト、ニッケルの如き、磁性金属或いはこれらの金属とア
ルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜
鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、
カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステ
ン、バナジウムの如きその他の金属との合金及びその混
合物が挙げられる。
【0109】これらの強磁性体は平均粒子が2μm以
下、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものがよい。
トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部
に対し約20〜200重量部、好ましくは40〜150
重量部がよい。
【0110】10キロエルステッド印加での磁気特性が
抗磁力化(Hc)が20〜300エルステッド、飽和磁
化(σs)50〜200emu/g、残留磁化(σr)
2〜20emu/gのものが好ましい。
【0111】本発明のトナーに使用し得る着色剤として
は、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。トナーの
着色剤としては、例えば顔料としてカーボンブラック、
アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイ
エロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリ
ンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダス
レンブルーがある。これらは定着画像の光学濃度を維持
するのに必要十分な量が用いられ、樹脂100重量部に
対し0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量
部の添加量がよい。又同様の目的で、更に染料が用いら
れる。例えばアゾ系染料、アントラキノン系染料、キサ
ンテン系染料或いはメチン系染料があり樹脂100重量
部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜1
0重量部の添加量がよい。
【0112】本発明に係る静電荷像現像用トナーを作製
するには結着樹脂、ワックス、金属塩又は金属錯体、着
色剤としての顔料又は染料、磁性体、必要に応じて荷電
制御剤及びその他の添加剤を、ヘンシェルミキサー又は
ボールミルの如き混合機により十分混合してから加熱ロ
ール、ニーダー又はエクストルーダーの如き熱混練機を
用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に金
属化合物、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解せしめ、
冷却固化後粉砕し分級を行って本発明の静電荷像現像用
トナーを得る事ができる。
【0113】更に必要に応じ所望の添加剤をヘンシェル
ミキサーの如き混合機により十分混合し、本発明の静電
荷像現像用トナーを得る事ができる。
【0114】本発明の加熱定着方法について、図5及び
図6を用いて説明する。
【0115】本発明のトナーは、接触加熱定着手段によ
り普通紙又はオーバーヘッドプロジェクター(OHP)
用透明シートの如き記録材(転写材)へ加熱定着され
る。
【0116】接触加熱定着手段としては、加熱加圧ロー
ル定着装置による定着手段又は固定支持された加熱体
と、該加熱体に対し対向圧接し且つフィルムを介して該
転写材を該加熱体に密着させる加圧部材とにより、トナ
ーを加熱定着する定着手段が挙げられる。該定着手段の
一例を図5に示す。
【0117】図5に示す定着装置に於いて加熱体は従来
の熱ロールに比べてその熱容量が小さく、線状の加熱部
を有するもので、加熱部の最高温度は100〜300℃
である事が好ましい。
【0118】加熱体と加圧部材の間に位置するフィルム
は、厚さ1〜100μmの耐熱性のシートである事が好
ましく、これら耐熱性シートとしては、耐熱性の高い、
ポリエステル、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテ
トラフルオロエチレン)、ポリイミド或いはポリアミド
の如きポリマーシート、アルミニウムの如き金属シート
及び金属シートとポリマーシートから構成されたラミネ
ートシートが用いられる。
【0119】より好ましいフィルムの構成としては、こ
れら耐熱性シートが離型層及び/又は低抵抗層を有して
いる事である。
【0120】図5を参照しながら、定着装置の一具体例
を説明する。
【0121】図中1は、装置に固定支持された低熱容量
線状加熱体(加熱手段)であって、一例として厚み1.
0mm、幅10mm、長手長240mmのアルミナ基板
10に抵抗材料9を幅1.0mmに塗工したもので長手
方向両端より通電される。通電はDC100Vの周期2
0msecのパルス状波形で検温素子11によりコント
ロールされた所望の温度及びエネルギー放出量に応じた
パルスをそのパルス幅を変化させて与える。略パルス幅
は0.5msec〜5msecとなる。この様にエネル
ギー及び温度を制御された加熱体1に当接して、図中矢
印方向に定着フィルム2は移動する。加熱定着手段は、
この加熱体1と定着フィルム2によって構成されてい
る。
【0122】この定着フィルムの一例として厚み20μ
mの耐熱フィルム(例えばポリイミド、ポリエーテルイ
ミド、PES又はPFAに少なくとも画像当接面側にP
TFE、PAFの如きフッ素樹脂)に導電剤を添加した
離型層を10μmコートしたエンドレスフィルムであ
る。一般的には総厚は100μm未満、より好ましくは
40μm未満が良い。フィルム駆動は駆動ローラー3と
従動ローラー4による駆動とテンションにより矢印方向
にシワなく移動する。
【0123】図中5は、シリコーンゴムの如き離型性の
良いゴム弾性層を有する加圧ローラーで、総圧4〜20
kgでフィルム2を介して加熱体1を加圧し、フィルム
と圧接回転する。記録材6上の未定着トナー(トナー画
像)7は、入口ガイド8により定着部に導かれ上述の加
熱定着手段による加熱により定着像を得るものである。
【0124】以上定着フィルムはエンドレスフィルムで
説明したが、シート送り出し軸及び巻き取り軸を使用し
た有端のフィルムであってもよい。
【0125】図6は、本発明の加熱定着方法に用いるこ
とが可能な他の定着装置を示す。
【0126】図中21は、定着ローラー22及び加圧ロ
ーラー23を有する加熱定着手段である。定着ローラー
22と加圧ローラー23とは、所定の圧力を持って圧接
されており、未定着のトナー画像26を有する記録材2
5は、この加熱ローラー22と加圧ローラー23との間
を通過することにより、この記録材25は、熱及び圧力
が付与されて未定着のトナー画像26は、記録材25上
に定着され定着されたトナー画像27が形成される。な
お、加熱ローラー22は、ハロゲンヒーターの如き加熱
手段24が内部に設けられている。
【0127】本発明の定着方法は、複写機、プリンター
及びFAXの如く、トナーを用いて画像を形成する画像
形成装置の定着装置に適用することが出来る。
【0128】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。
【0129】製造例1(非線状ポリエステルAの製造) ポリオキシエチレン(3)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン 48モル% テレフタル酸 18モル% 無水トリメリット酸 18モル% n−ドデセニルコハク酸 16モル% 以上の原料を合計量で1500g、温度計、攪拌器、窒
素ガス導入管及び流下式コンデンサーを備えた4つ口フ
ラスコに入れた。次いでフラスコをマントルヒーター中
におき、窒素ガスを導入して反応器内を不活性ガス雰囲
気に保ち昇温した。その後、0.05gのジブチルチン
オキサイドを加え210℃に保ち12時間重縮合反応さ
せ非線状ポリエステルAを得た。この非線状ポリエステ
ル樹脂Aの酸価は15mgKOH/gであった。酸価の
測定は、JIS K 5902に準じて行った。
【0130】製造例2 (線状ポリエステル樹脂Bの製造) ポリオキシプロピレン(2,5)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン 50モル% トリエチレングリコール 12モル% フマル酸 17モル% n−ドデセニルコハク酸 21モル% 以上の原料を製造例1と同様に重縮合反応させ、線状ポ
リエステルBを得た。このポリエステル樹脂Bの酸価は
12mgKOH/gであった。
【0131】製造例3(非線状ポリエステルCの製造) ポリオキシエチレン(3)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン 52モル% テレフタル酸 30モル% 無水トリメリット酸 18モル% 以上の原料を製造例1と同様に重縮合反応させ、非線状
ポリエステルCを得た。この非線状ポリエステル樹脂の
酸価は13mgKOH/gであった。
【0132】製造例4(非線状ポリエステルDの製造) ポリオキシエチレン(3)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン 45モル% テレフタル酸 5モル% 無水トリメリット酸 18モル% n−ドデセニルコハク酸 32モル% 以上の原料を製造例1と同様に重縮合反応させ、非線状
ポリエステルDを得た。この非線状ポリエステル樹脂の
酸価は15mgKOH/gであった。
【0133】製造例5(線状ポリエステルEの製造) ポリオキシプロピレン(2,5)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン 50モル% トリエチレングリコール 12モル% フマル酸 38モル% 以上の原料を製造例1と同様に重縮合反応させ、線状ポ
リエステルEを得た。この線状ポリエステル樹脂の酸価
は12mgKOH/gであった。
【0134】製造例6 (非線状ポリエステルA−1の製造) 製造例1と同じ原料を蒸留塔、減圧装置及び攪拌羽根を
有するステンレス製反応器に投入し、210℃に保ち攪
拌羽根を回転させながら、4時間後に系内の水の留出が
停止したところで系内を5mmHgになるまで減圧した
ところ、ジオール成分が留出するにつれて攪拌羽根の回
転負荷が次第に増大し、1.5時間後に急激に負荷が増
大し始めた。ここで系内の圧力を50mmHgに変更し
たところ、攪拌負荷の増大は緩慢となった。この操作を
系内の圧力が150mmHgになるまで数回繰り返した
ところ、留出成分の発生は殆ど無くなり、攪拌の負荷も
反応スタート時の3倍以内に収まった。この時点で系内
の圧力を常圧に戻して攪拌を続けた。常圧にしてからは
攪拌の負荷の増大は殆ど認められず、1時間後重合体を
取り出し、非線状ポリエステルA−1を得た。この非線
状ポリエステルA−1の酸価は8mgKOH/gであっ
た。
【0135】製造例7 (非線状ポリエステルA−2の製造) 製造例1と同じ原料を蒸留塔、減圧装置及び攪拌羽根を
有するステンレス製反応器に投入し、210℃に保ち攪
拌羽根を回転させながら、4時間後に系内の水の留出が
停止したところで系内を5mmHgになるまで減圧した
ところ、ジオール成分が留出するにつれて攪拌羽根の回
転負荷が次第に増大し、1.5時間後に急激に負荷が増
大し始めた。ここで系内の圧力を50mmHgに変更し
たところ、攪拌負荷の増大は緩慢となった。この操作を
系内の圧力が300mmHgになるまで数回繰り返した
ところ、留出成分の発生は殆ど無くなり、攪拌の負荷も
反応スタート時の3倍以内に収まった。この時点で系内
の圧力を常圧に戻して攪拌を続けた。常圧にしてからは
攪拌の負荷の増大は殆ど認められず、1時間後重合体を
取り出し、非線状ポリエステルA−2を得た。この非線
状ポリエステルA−2の酸価は1.0mgKOH/gで
あった。
【0136】製造例8 (線状ポリエステルB−1の製造) 製造例6で用いた原料を製造例2と同じ原料に変更する
ことを除いては、製造例6と同様に重合反応させ線状ポ
リエステルB−1を得た。この線状ポリエステルB−1
の酸価は7mgKOH/gであった。
【0137】製造例9 (線状ポリエステルB−2の製造) 製造例7で用いた原料を製造例2と同じ原料に変更する
ことを除いては、製造例7と同様に重合反応させ線状ポ
リエステルB−2を得た。この線状ポリエステルB−2
の酸価は2.0mgKOH/gであった。
【0138】製造例10 (非線状ポリエステルC−1の製造) 製造例7で用いた原料を製造例3と同じ原料に変更する
ことを除いては、製造例7と同様に重合反応させ非線状
ポリエステルC−1を得た。この非線状ポリエステルC
−1の酸価は1.5mgKOH/gであった。
【0139】製造例11 (線状ポリエステルE−1の製造) 製造例7で用いた原料を製造例5と同じ原料に変更する
ことを除いては、製造例7と同様に重合反応させ線状ポ
リエステルE−1を得た。この線状ポリエステルE−1
の酸価は3.0mgKOH/gであった。
【0140】ワックスA−G 一酸化炭素及び水素からなる合成ガスからアーゲ法によ
り合成された炭化水素系ワックスFから、ワックスA、
ワックスB、ワックスCを結晶分別化により得た。
【0141】チーグラー触媒を用いて、エチレンを低圧
重合し、比較的低分子量のワックスEを得、分別結晶化
により低分子量成分を抽出除去してワックスDを得た。
【0142】市販の熱分解ワックスである低分子量ポリ
プロピレン、ビスコール550p(ワックスG)を入手
した。
【0143】これらワックスA−Gの物性を表1、表2
及び表3に示す。さらにワックスAのDSC曲線を図1
及び図2に、ワックスFのDSC曲線を図3及び図4に
示す。
【0144】
【表1】
【0145】
【表2】
【0146】
【表3】
【0147】トナー1の製造 非線状ポリエステルA 100重量部 マグネタイト 70重量部 尿素系負帯電性制御剤 2重量部 ワックスA 4重量部 上記材料を予備混合した後、130℃に設定した二軸押
出混練機により溶融混練を行った。混練物を冷却後粗粉
砕し、ジェット気流を用いた粉砕機により微粉砕し、更
に風力分級機により重量平均径11.5μmのトナー粒
子(トナー)を得、このトナー粒子100重量部に疎水
性コロイダルシリカ微粉末0.4重量部を外添してトナ
ー1を調製しこれを一成分系現像剤とした。
【0148】トナー2の製造 ワックスAをワックスBに代えた事以外はトナー1の製
造と同様にしてトナー2を調製しこれを一成分系現像剤
とした。
【0149】トナー3の製造 ワックスAをワックスCに代えた事以外はトナー1の製
造と同様にしてトナー3を調製しこれを一成分系現像剤
とした。
【0150】トナー4の製造 ワックスAをワックスDに代えた事以外はトナー1の製
造と同様にしてトナー4を調製しこれを一成分系現像剤
とした。
【0151】トナー5の製造 非線状ポリエステルAの代わりに、線状ポリエステルB
を75重量部と非線状ポリエステルCを25重量部と
し、尿素系負帯電性制御剤の代わりにモノアゾクロム錯
体系負帯電性制御剤2重量部とすること以外は、トナー
1の製造と同様にしてトナー5を調製しこれを一成分系
現像剤とした。
【0152】トナー6の製造 非線状ポリエステルAの代わりに、線状ポリエステルE
を50重量部と非線状ポリエステルAを50重量部と
し、尿素系負帯電性制御剤の代わりにモノアゾクロム錯
体系負帯電性制御剤2重量部とすること以外は、トナー
1の製造と同様にしてトナー6を調製しこれを一成分系
現像剤とした。
【0153】トナー7の製造 非線状ポリエステルAの代わりに、線状ポリエステルB
を75重量部、非線状ポリエステルAを15重量部及び
非線状ポリエステルCを10重量部とし、尿素系負帯電
性制御剤の代わりにモノアゾクロム錯体系負帯電性制御
剤2重量部とすること以外は、トナー1の製造と同様に
してトナー7を調製しこれを一成分系現像剤とした。
【0154】トナー8の製造 非線状ポリエステルAの代わりに、線状ポリエステルB
を75重量部と非線状ポリエステルAを25重量部と
し、尿素系負帯電性制御剤の代わりにモノアゾクロム錯
体系負帯電性制御剤2重量部とすること以外は、トナー
1の製造と同様にしてトナー8を調製しこれを一成分系
現像剤とした。
【0155】トナー9の製造 ワックスAをワックスEに代えた事以外はトナー1の製
造と同様にしてトナー9を調製しこれを一成分系現像剤
とした。
【0156】トナー10の製造 ワックスAをワックスFに代えた事以外はトナー1の製
造と同様にしてトナー10を調製しこれを一成分系現像
剤とした。
【0157】トナー11の製造 ワックスAをワックスGに代えた事以外はトナー1の製
造と同様にしてトナー11を調製しこれを一成分系現像
剤とした。
【0158】トナー12の製造 非線状ポリエステルAの代わりに非線状ポリエステル
D、ワックスAの代わりにワックスEを使用することを
除いてはトナー1の製造と同様にしてトナー12を調製
しこれを一成分系現像剤とした。
【0159】トナー13の製造 非線状ポリエステルAの代わりに非線状ポリエステルC
を使用すること以外はトナー1の製造と同様にしてトナ
ー13を調製しこれを一成分系現像剤とした。
【0160】トナー14の製造 非線状ポリエステルAの代わりに非線状ポリエステルA
を30重量部及び非線状ポリエステルCを70重量部使
用すること以外はトナー1の製造と同様にしてトナー1
4を調製しこれを一成分系現像剤とした。
【0161】トナー15の製造 非線状ポリエステルAの代わりに線状ポリエステルEを
75重量部及び非線状ポリエステルCを25重量%使用
すること以外はトナー1の製造例1と同様にしてトナー
15を調製しこれを一成分系現像剤とした。
【0162】トナー1乃至15の構成を表4に示す。
【0163】
【表4】
【0164】(実施例1乃至8及び比較例1乃至7)ト
ナー1乃至15を用いて下記の定着及びオフセット試験
−1、定着及びオフセット試験−2、ブロッキング試
験、現像性試験を行った。
【0165】定着及びオフセット試験−1 市販の電子写真複写機NP−6650(キヤノン社製:
図6に示すような定着手段を有する)により未定着画像
を得て、NP−6650の熱ローラー定着機を改造した
温度可変の熱ローラー定着機を用いて、未定着トナー像
の定着及びオフセット試験を行った。プロセススピード
100mm/secとして100〜230℃の温度範囲
で5℃おきに温調をして試験を行った。
【0166】低温オフセット、及び定着性の試験には、
80g/m2 紙を用いた。高温オフセットの試験には、
52g/m2 紙を用いて評価した。定着性は、定着画像
を50g/cm2 の荷重をかけ、シルボン紙[lenz
cleaning paper “dasper
(R)”(Ozu paper Co.Ltd]で擦
り、擦り前後の濃度低下率が10%未満となる温度を定
着開始点とした。オフセットは、目視でオフセットの出
なくなる温度を低温オフセットフリー始点とし、温度を
上げ、オフセットの出ない最高温度を高温オフセットの
フリー終点とした。試験結果を表5にまとめる。表5に
は定着開始温度、150℃における濃度低下率、低温オ
フセットフリー始点、高温オフセットフリー終点及び非
オフセット領域を記載する。
【0167】定着及びオフセット試験−2 市販の電子写真複写機NP−6650(キヤノン社製)
を用いて記録材上に形成した未定着画像を図5に示すよ
うな、加熱体1に対向圧接し、かつフィルム2を介して
転写材6を該加熱体1に密着させる加圧部材5からなる
外部定着機を用いて定着、オフセット試験を行った。定
着フィルム2の材質として、ポリイミドフィルムに導電
剤を添加したフッ素樹脂の離型層を10μmコートした
エンドレスフィルムを使用した。加圧ローラー5として
はシリコーンゴムを使用し、ニップ3.5mm、加熱体
1と加圧ローラー5との間の総圧8kg、プロセススピ
ード50mm/sec、温度可変として試験を行った。
フィルム駆動は、駆動ローラー3と従動ローラー4によ
る駆動とテンションにより行い、低熱容量の線状加熱体
1にパルス状にエネルギーを与え温調した。
【0168】低温オフセット、及び定着性の試験には、
80g/m2 紙を用いた。高温オフセットの試験には、
52g/m2 紙を用いて評価した。定着性は、定着画像
を50g/cm2 の荷重をかけ、シルボン紙[lenz
cleaning paper “dasper
(R)”(Ozu paper Co.Ltd]で擦
り、擦り前後の濃度低下率が10%未満となる温度を定
着開始点とした。オフセットは、目視でオフセットの出
なくなる温度を低温オフセットフリー始点とし、温度を
上げ、オフセットの出ない最高温度を高温オフセットの
フリー終点とした。試験結果を表6にまとめる。表6に
は定着開始温度、150℃における濃度低下率、低温オ
フセットフリー始点、高温オフセットフリー終点及び非
オフセット領域を記載する。
【0169】ブロッキング試験 約20gの現像剤を100ccポリコップに入れ、50
℃で3日放置した後、目視で評価した。この結果を表7
に記す。
【0170】現像性試験 約100gの現像剤を500ccのポリエチレン製コッ
プに入れ、45℃で3日放置した後、市販の電子写真複
写機NP−270Z(キヤノン社製)により、20枚の
複写後の画像で現像性を評価した。その試験の結果(画
像濃度、かぶり)を表7に記す。この試験により、機械
昇温に対する耐久性及び長期放置による安全性を見るシ
ミュレーションとすることができる。
【0171】
【表5】
【0172】
【表6】
【0173】
【表7】
【0174】トナー16の製造 非線状ポリエステルA 100重量部 カーボンブラック 5重量部 モノアゾクロム錯体系負帯電制御剤 2重量部 ワックスA 4重量部 上記材料を予備混合した後、130℃に設定した二軸押
出混練機により溶融混練を行った。混練物を冷却後粗粉
砕し、ジェット気流を用いた粉砕機により微粉砕し、更
に風力分級機により重量平均径8μmのトナー粒子(ト
ナー)を得、このトナー100重量部に正帯電性疎水性
コロイダルシリカ微粉末1.0重量部を外添して、トナ
ー16を調製した。スチレン−アクリル樹脂とフッ素樹
脂をコートしたフェライトキャリア100重量部に対
し、トナー16を10重量部混合してスタート剤とし、
更に外添トナーを補給剤とする現像剤を得た。
【0175】トナー17の製造 非線状ポリエステルAを非線状ポリエステルA−1に代
えることを除いては、トナー16の製造と同様にしてト
ナー17を調製し、フェライトキャリアと混合して現像
剤を得た。
【0176】トナー18の製造 非線状ポリエステルAを非線状ポリエステルA−2に代
えることを除いては、トナー16の製造と同様にしてト
ナー18を調製し、フェライトキャリアと混合して現像
剤を得た。
【0177】トナー19の製造 非線状ポリエステルA100重量部を線状ポリエステル
Bを75重量部及び非線状ポリエステルAを25重量部
に代えることを除いては、トナー16の製造と同様にし
てトナー19を調製し、フェライトキャリアと混合して
現像剤を得た。
【0178】トナー20の製造 非線状ポリエステルA100重量部を線状ポリエステル
B−1を75重量部及び非線状ポリエステルA−1を2
5重量部に代えることを除いては、トナー16の製造と
同様にしてトナー20を調製し、フェライトキャリアと
混合して現像剤を得た。
【0179】トナー21の製造 非線状ポリエステルA100重量部を線状ポリエステル
B−2を75重量部及び非線状ポリエステルA−2を2
5重量部に代えることを除いては、トナー16の製造と
同様にしてトナー21を調製し、フェライトキャリアと
混合して現像剤を得た。
【0180】トナー22の製造 非線状ポリエステルA100重量部を線状ポリエステル
Eを75重量部及び非線状ポリエステルCを25重量部
に代えることを除いては、トナー16の製造と同様にし
てトナー22を調製し、フェライトキャリアと混合して
現像剤を得た。
【0181】トナー23の製造 非線状ポリエステルA100重量部を線状ポリエステル
E−1を75重量部及び非線状ポリエステルC−1を2
5重量部に代えることを除いては、トナー16の製造と
同様にしてトナー23を調製し、フェライトキャリアと
混合して現像剤を得た。
【0182】トナー16乃至23の構成を表8に示す。
【0183】
【表8】
【0184】(実施例9乃至14及び比較例8及び9)
トナー16乃至23を用いて下記の定着及びオフセット
試験−3、ブロッキング試験、現像性試験−1及び現像
性試験−2を行った。
【0185】定着及びオフセット試験−3 市販の電子写真複写機NP−6650(キヤノン社製)
のカラー現像剤として上記のトナー16乃至23を有す
る二成分系現像剤を用いて形成した未定着画像を図5に
示すような、加熱体1に対向圧接し、かつフィルム2を
介して転写材6を該加熱体1に密着させる加圧部材5か
らなる外部定着機を用いて定着、オフセット試験を行っ
た。定着フィルム2の材質として、ポリイミドフィルム
に導電剤を添加したフッ素樹脂の離型層を10μmコー
トしたエンドレスフィルムを使用した。加圧ローラー5
としてはシリコーンゴムを使用し、ニップ3.5mm、
加熱体1と加圧ローラー5との間の総圧8kg、プロセ
ススピード50mm/sec、温度可変として試験を行
った。フィルム駆動は、駆動ローラー3と従動ローラー
4による駆動とテンションにより行い、低熱容量の線状
加熱体1にパルス状にエネルギーを与え温調した。
【0186】低温オフセット、及び定着性の試験には、
80g/m2 紙を用いた。高温オフセットの試験には、
52g/m2 紙を用いて評価した。定着性は、定着画像
を50g/cm2 の荷重をかけ、シルボン紙[lenz
cleaning paper “dasper
(R)”(Ozu paper Co.Ltd]で擦
り、擦り前後の濃度低下率が10%未満となる温度を定
着開始点とした。オフセットは、目視でオフセットの出
なくなる温度を低温オフセットフリー始点とし、温度を
上げ、オフセットの出ない最高温度を高温オフセットの
フリー終点とした。試験結果を表9にまとめる。表9に
は定着開始温度、150℃における濃度低下率、低温オ
フセットフリー始点、高温オフセットフリー終点及び非
オフセット領域を記載する。
【0187】ブロッキング試験 約20gの現像剤を100ccポリコップに入れ、50
℃で3日放置した後、目視で評価した。この結果を表1
0に記す。
【0188】現像性試験−1 約100gの現像剤を500ccのポリエチレン製コッ
プに入れ、45℃で3日放置した後、市販の電子写真複
写機NP−270Z(キヤノン社製)により、20枚の
複写後の画像で現像性を評価した。その試験の結果(画
像濃度、かぶり)を表10に記す。この試験により、機
械昇温に対する耐久性及び長期放置による安定性を見る
シミュレーションとすることができる。
【0189】現像性試験−2 約100gの現像剤を500ccのポリエチレン製コッ
プに入れ、32.5℃/85%Rh下で3日放置した
後、市販の電子写真複写機NP−270Z(キヤノン社
製)により、1枚目と20枚目の複写後の画像で現像性
を評価した。その試験の結果(画像濃度、かぶり)を表
10に記す。この試験により、トナーの帯電立上がりの
シミュレーションとすることができる。
【0190】
【表9】
【0191】
【表10】
【0192】
【発明の効果】本発明の静電荷像現像用トナーは、少な
くとも結着樹脂及びワックスを有しており、該結着樹脂
が主成分としてソフトセグメントを有するポリエステル
樹脂を有しており、該ワックスが特定の熱特性を有して
いるため、この特定の熱特性を有するワックスが結着樹
脂に対して良好に分散されることにより、この特定の熱
特性を有するシャープメルト性に優れたワックスの有す
る効果が充分に発揮されることから、低温から高温まで
の耐オフセット性、耐ブロッキング性を維持しつつ、さ
らに良好なる低温定着性を有し、かつ現像性に優れるも
のである。
【0193】また、このトナーを用いて形成したトナー
像を記録材に加熱定着手段を用いて定着すると、低温か
ら高湿までの広い温度領域でオフセットが発生せず、か
つ低温域でも良好に定着することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いているワックスAの昇温時におけ
るDSC曲線を示す図である。
【図2】実施例で用いているワックスAの降温時におけ
るDSC曲線を示す図である。
【図3】比較例で用いているワックスFの昇温時におけ
るDSC曲線を示す図である。
【図4】比較例で用いているワックスFの降温時におけ
るDSC曲線を示す図である。
【図5】本発明の加熱定着方法を実施する為の、定着装
置の一具体例を示す概略的説明図である。
【図6】本発明の加熱定着方法を実施する為の他の定着
装置の一具体例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 加熱手段 2 定着フィルム 3 駆動ローラー 4 従動ローラー 5 加圧ローラー 6 記録材 7 トナー画像 8 入口ガイド 9 抵抗材料 10 アルミナ基板 11 検温素子 21 加熱定着手段 22 定着ローラー 23 加圧ローラー 24 加熱手段 25 記録材 26 未定着のトナー画像 27 定着されたトナー画像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷川 博英 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 小沼 努 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂及びワックスを有す
    る静電荷像現像用トナーにおいて、 該結着樹脂は、ソフトセグメントを有するポリエステル
    樹脂を主成分として含有しており、且つ、該ワックスの
    示差走査熱量計によるDSC曲線において、昇温時の吸
    熱ピーク及び降温時の発熱ピークに関し、吸熱のオンセ
    ット温度が50〜110℃の範囲にあり、温度70〜1
    30℃の領域に少なくとも一つの昇温時の吸熱ピークP
    1 を有し、該吸熱ピークP1 の±9℃の範囲内に降温時
    の最大発熱ピークを有する事を特徴とする静電荷像現像
    用トナー。
  2. 【請求項2】 該結着樹脂は、該ソフトセグメントを有
    するポリエステル樹脂を結着樹脂の重量を基準として5
    0重量%以上含有していることを特徴とする請求項1記
    載の静電荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 該結着樹脂は、該ソフトセグメントを有
    するポリエステル樹脂を結着樹脂の重量を基準として7
    0重量%以上含有していることを特徴とする請求項1記
    載の静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 該ソフトセグメントは、炭素数5〜30
    のアルキル基又は炭素数5〜30のアルケニル基である
    ことを特徴とする請求項1乃至3記載の静電荷像現像用
    トナー。
  5. 【請求項5】 該ソフトセグメントは、ポリエステル樹
    脂の骨格中にブランチ化されて導入されていることを特
    徴とする請求項1乃至4記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 【請求項6】 該ソフトセグメントを有するポリエステ
    ル樹脂は、ソフトセグメントで置換された脂肪族ジカル
    ボン酸類及びソフトセグメントで置換された脂肪族ジオ
    ール類の少なくとも1方のモノマーを用いて合成するこ
    とによって得られたものであることを特徴とする請求項
    1乃至5記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 【請求項7】 該結着樹脂は、非線状ポリエステル樹脂
    及び線状ポリエステル樹脂の混合物を有することを特徴
    とする請求項1乃至6記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 【請求項8】 該結着樹脂中の非線状ポリエステル樹脂
    と線状ポリエステル樹脂との混合割合は、5:95〜6
    0:40であることを特徴とする請求項7記載の静電荷
    像現像用トナー。
  9. 【請求項9】 該結着樹脂中の非線状ポリエステル樹脂
    と線状ポリエステル樹脂との混合割合は、10:90〜
    50:50であることを特徴とする請求項7記載の静電
    荷像現像用トナー。
  10. 【請求項10】 該結着樹脂中の非線状ポリエステル樹
    脂と線状ポリエステル樹脂との混合割合は、10:90
    〜40:60であることを特徴とする請求項7記載の静
    電荷像現像用トナー。
  11. 【請求項11】 該トナーは(i)非線状ポリエステル
    樹脂及び線状ポリエステル樹脂の混合物を有する結着樹
    脂、及び(ii)無機金属酸化物又は有機金属酸化物の
    少なくともいずれか一方を有していることを特徴とする
    請求項7記載の静電荷像現像用トナー。
  12. 【請求項12】 該トナーは、該結着樹脂と該無機金属
    酸化物又は有機金属酸化物の少なくともいずれか一方と
    の金属架橋構造を有することを特徴とする請求項11記
    載の静電荷像現像用トナー。
  13. 【請求項13】 該結着樹脂は、酸価10mgKOH/
    g以下を有することを特徴とする請求項11記載の静電
    荷像現像用トナー。
  14. 【請求項14】 該結着樹脂は、酸価9mgKOH/g
    以下を有することを特徴とする請求項11記載の静電荷
    像現像用トナー。
  15. 【請求項15】 該結着樹脂は、酸価6mgKOH/g
    以下を有することを特徴とする請求項11記載の静電荷
    像現像用トナー。
  16. 【請求項16】 該結着樹脂は副成分としてスチレン系
    樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、シリコーン樹
    脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フ
    ラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブ
    チラール、テルペン樹脂、クロマンインデン樹脂及び石
    油系樹脂からなる群からなる群から選択される少なくと
    も1種以上の樹脂を有することを特徴とする請求項1記
    載の静電荷像現像用トナー。
  17. 【請求項17】 該ソフトセグメントを有するポリエス
    テル樹脂は、酸価10mgKOH/g以下を有すること
    を特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  18. 【請求項18】 該ソフトセグメントを有するポリエス
    テル樹脂は、酸価9mgKOH/g以下を有することを
    特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  19. 【請求項19】 該ソフトセグメントを有するポリエス
    テル樹脂は、酸価6mgKOH/g以下を有することを
    特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  20. 【請求項20】 記録材上のトナー像を加熱定着手段に
    より定着する加熱定着方法において、 該トナー像は、少なくとも結着樹脂及びワックスを有す
    るトナーによって形成されており、該結着樹脂は、ソフ
    トセグメントを有するポリエステル樹脂を主成分として
    含有しており、且つ、該ワックスの示差走査熱量計によ
    るDSC曲線において、昇温時の吸熱ピーク及び降温時
    の発熱ピークに関し、吸熱のオンセット温度が50〜1
    10℃の範囲にあり、温度70〜130℃の領域に少な
    くとも一つの昇温時の吸熱ピークP1 を有し、該吸熱ピ
    ークP1 の±9℃の範囲内に降温時の最大発熱ピークを
    有する事を特徴とする加熱定着方法。
  21. 【請求項21】 該結着樹脂は、該ソフトセグメントを
    有するポリエステル樹脂を結着樹脂の重量を基準として
    50重量%以上含有していることを特徴とする請求項2
    0記載の加熱定着方法。
  22. 【請求項22】 該結着樹脂は、該ソフトセグメントを
    有するポリエステル樹脂を結着樹脂の重量を基準として
    70重量%以上含有していることを特徴とする請求項2
    0記載の加熱定着方法。
  23. 【請求項23】 該ソフトセグメントは、炭素数5〜3
    0のアルキル基又は炭素数5〜30のアルケニル基であ
    ることを特徴とする請求項20乃至22記載の加熱定着
    方法。
  24. 【請求項24】 該ソフトセグメントは、ポリエステル
    樹脂の骨格中にブランチ化されて導入されていることを
    特徴とする請求項20乃至23記載の加熱定着方法。
  25. 【請求項25】 該ソフトセグメントを有するポリエス
    テル樹脂は、ソフトセグメントで置換された脂肪族ジカ
    ルボン酸類及びソフトセグメントで置換された脂肪族ジ
    オール類の少なくとも1方のモノマーを用いて合成する
    ことによって得られたものであることを特徴とする請求
    項29乃至24記載の加熱定着方法。
  26. 【請求項26】 該結着樹脂は、非線状ポリエステル樹
    脂及び線状ポリエステル樹脂の混合物を有することを特
    徴とする請求項20乃至25記載の加熱定着方法。
  27. 【請求項27】 該結着樹脂中の非線状ポリエステル樹
    脂と線状ポリエステル樹脂との混合割合は、5:95〜
    60:40であることを特徴とする請求項26記載の加
    熱定着方法。
  28. 【請求項28】 該結着樹脂中の非線状ポリエステル樹
    脂と線状ポリエステル樹脂との混合割合は、10:90
    〜50:50であることを特徴とする請求項26記載の
    加熱定着方法。
  29. 【請求項29】 該結着樹脂中の非線状ポリエステル樹
    脂と線状ポリエステル樹脂との混合割合は10:90〜
    40:60であることを特徴とする請求項26記載の加
    熱定着方法。
  30. 【請求項30】 該トナーは、(i)非線状ポリエステ
    ル樹脂及び線状ポリエステル樹脂の混合物を有する結着
    樹脂、及び(ii)無機金属酸化物又は有機金属酸化物
    の少なくともいずれか一方を有していることを特徴とす
    る請求項26記載の加熱定着方法。
  31. 【請求項31】 該トナーは、該結着樹脂と該無機金属
    酸化物又は有機金属酸化物の少なくともいずれか一方と
    の金属架橋構造を有することを特徴とする請求項30記
    載の加熱定着方法。
  32. 【請求項32】 該結着樹脂は、酸価10mgKOH/
    g以下を有することを特徴とする請求項30記載の加熱
    定着方法。
  33. 【請求項33】 該結着樹脂は、酸価9mgKOH/g
    以下を有することを特徴とする請求項30記載の加熱定
    着方法。
  34. 【請求項34】 該結着樹脂は、酸価6mgKOH/g
    以下を有することを特徴とする請求項30記載の加熱定
    着方法。
  35. 【請求項35】 該結着樹脂は副成分としてスチレン系
    樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、シリコーン樹
    脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フ
    ラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブ
    チラール、テルペン樹脂、クロマンインデン樹脂及び石
    油系樹脂からなる群からなる群から選択される少なくと
    も1種以上の樹脂を有することを特徴とする請求項20
    記載の加熱定着方法。
  36. 【請求項36】 該ソフトセグメントを有するポリエス
    テル樹脂は、酸価10mgKOH/g以下を有すること
    を特徴とする請求項20記載の加熱定着方法。
  37. 【請求項37】 該ソフトセグメントを有するポリエス
    テル樹脂は、酸価9mgKOH/g以下を有することを
    特徴とする請求項20記載の加熱定着方法。
  38. 【請求項38】 該ソフトセグメントを有するポリエス
    テル樹脂は、酸価6mgKOH/g以下を有することを
    特徴とする請求項20記載の加熱定着方法。
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