JPH0722247Y2 - 体腔内超音波診断装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、体腔内に超音波振動子を挿入して、体腔内か
ら腸壁、胃壁、胆のう、膵臓等の深部臓器を高分解能に
超音波診断するための体腔内超音波診断装置に関する。

〔従来の技術〕

体腔内に挿入される挿入部の先端に設けた超音波振動子
を回転制御しながら信号処理することにより超音波によ
る診断を行なうようにした体腔内超音波診断装置は、こ
れまでにも種々のものが提案されている。

既に本出願人も特願昭62-96861号において、超音波内視
鏡等の先端部に超音波振動子および超音波モータを設
け、超音波振動子を直接回転駆動するようにした装置を
提案している。この装置は超音波振動子の後端部に回転
軸を付設し、間隔を置いて配設してある２つの軸受によ
り支持させている。このように超音波振動子は回転自在
に軸支され、回転軸の外周方向には超音波振動子が回転
可能に超音波モータを設けている。この場合、超音波モ
ータのロータは超音波振動子端部に付設している。

一方、前記２つの軸受の間の回転軸には回転検出片を設
け、回転検出片に対向して回転スタートパルス検出セン
サを設け、１回転中の超音波画像の書き出し位置を検出
するようにしている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来の体腔内超音波診断装置は、超音波モータの構
成要素であるロータと超音波振動子の回転軸に設けてい
る回転検出片とは別体であるので、挿入部先端部の硬質
部長が長くなってしまう。したがって、体腔内深部への
挿入部の挿入操作が困難であるとともに、被検者の受け
る苦痛も大であるという不具合があった。

本考案は、超音波プローブを回転ムラや位相ズレなく安
定した回転操作ができるように挿入部先端に超音波モー
タ等を設けた体腔内超音波診断装置の先端硬質部を短か
くすることを目的としたものである。

〔課題を解決するための手段および作用〕

本考案は、上記目的を達成するため体腔内への挿脱自在
に挿入される挿入部の先端部内に超音波ビームを送受信
する超音波振動子と超音波ビームを体腔内へ向けて走査
するための回転部材と回転部材を駆動する超音波モータ
を設けた体腔内超音波診断装置において、 超音波モータのロータのステータと対向する面と反対側
の面に回転検出面を一体的に形成し、回転検出面を検知
できる所要位置に回転スタートパルス検出センサを設け
たものである。

このように超音波モータのロータに回転検出面を一体的
に形成したので、独立して設ける場合に比較し挿入部先
端の硬質部長を短くできる。

〔実施例〕

第１図は、考案の第１実施例を示す全体図である。先端
部１、弯曲部２、軟性部３を有する挿入部４と、挿入部
４に連続する操作部５と、操作部５に連設した接眼部
と、操作部５に連続するユニバーサルコード７、電気ケ
ーブルコード８を設けてある。ユニバーサルコード７の
先端には図示しない光源装置と接続する内視鏡コネクタ
９を付設し、電気ケーブルコード８の先端には電気コネ
クタ10を付設している。

第２図は、先端部１の内部構成を示す断面図である。挿
入軸方向前方に超音波送受信面11を向けて超音波プロー
ブ12を固定し、超音波送受信面11に対向した位置にほぼ
45°の反射斜面を有する回転部材13を設け、この回転部
材13には超音波モータのロータ軸14がビス等により挿入
軸方向に固定してあり回転可能にしてある。

超音波モータは、スライダ15aと動体15bから成るロータ
15および圧電体16aと弾性体16bから成るステータ16を有
する。ロータ15には滑り板17が固定してあり、板バネ等
の加圧スプリング18は滑り板17を介してロータ15をステ
ータ16方向へ押圧している。ロータ軸14はＯリングやＸ
リング等のシール部材19でシールしてあり、超音波モー
タ全体はカバー20で覆っている。

第２図Ｂは、A-A断面図であるが、ここに示してあるよ
うにロータ15の外周面には反射面21aと非反射面21bの組
み合わせから成る回転検出面21を貼着している。

一方、カバー20の一部に切欠き20aを形成し、カバー20
外側に設けたファイバセンサ23が切欠き20aを介して回
転検出面21に対向するようにし、回転スタートパルスを
検出するようにしている。24はステータ16の圧電体16a
および金属部に接続し、圧電体16aに電圧を印加して進
行波を発生させるための複数本のケーブルである。

超音波モータおよび回転部材の周囲には超音波を透過す
るプラスチック等から成る先端キャップ25を水密に設け
ている。その内部は超音波伝達媒体液26を充満してい
る。さらに先端キャップ25の周囲には、内部に脱気水等
の液体22を注入して被検体に密着させるためのバルーン
27を装着している。

バルーン27装置位置より弯曲部寄りの先端部１側部には
対物レンズ28a、イメージガイドバンドル28b等から成る
観察光学系28と、照明レンズ29a、ライドガイドバンド
ル29b等から成る照明光学系、その外図示していない送
気、送水ノズル、鉗子口を設けている。なお、第２図Ｃ
はB-B断面図である。

第３図A,Bは超音波モータを示した斜視図である。Ａ
は、円板型超音波モータであり、Ｂは円環型超音波モー
タである。これら超音波モータは、圧電体16aと弾性体1
6bから成るステータ16を振動体とし、スライダ15aと動
体15bから成るロータ15を移動体としている。振動体16
にたわみ振動を発生させると、これに強く圧着している
移動体15が回転するのである。この回転力をロータ軸14
を介して回転部材26に伝達して回転させるようにしてい
るのである。

ロータ15の表面に反射面21aと非反射面21bを形成し小型
フォトセンサを用いた回転スタートパルス検出センサ23
により、１回転中の超音波画像の書き出し位置を検出で
きるようになっている。

（円板型超音波モータの場合）。

円環型超音波モータの場合は、ロータ15の外周囲面に形
成した反射面21aと非反射面21bをファイバセンサを用い
たスタートパルス検出センサ23で同様に検出するように
なっている。

本実施例の体腔内超音波診断装置を用いた超音波診断の
動作を説明すると、超音波プローブ12が駆動されると超
音波ビームが回転部材13に向けて放射される。回転部材
13の回転により反射面で反射された超音波ビームは、出
射窓を透過し挿入軸に対し垂直方向に出射してゆき同方
向の挿入軸全周にわたって被検体を走査する。被検体か
らのエコーを超音波プローブで受信し、所定の信号処理
をした後、モニタに画像表示をするのである。

この場合、回転部材13を回転させる超音波モータのロー
タ15に貼着している回転検出面21から回転スタートパル
ス検出センサ23によって、１回転中に１回スタートパル
スが図示しない信号処理装置へ送られ、画像の書き出し
位置が定まるのである。

なお、ロータ軸14は超音波モータに一体的に設けてある
シール部材19により、回転自在にシールされており、先
端キャップ25内の超音波伝達媒体液26が、超音波モータ
内に浸入するのを防止している。

本実施例では、超音波モータに画像の書き出し位置を定
めるための回転検出面を一体的に設けているので、装置
の簡素化、小型化を実現できる。また、装置の簡素化、
小型化のためのに超音波モータ内にシール部材を設け、
さらに回転部材をミラーとして超音波プローブからの超
音波を出射するようにして接点ブラシやロータリートラ
ンス等を設けていない。

第４図は、本考案の第２実施例を示したもので第１実施
例と対応する個所には同一符号を付した（他の実施例に
ついても同様）。本実施例では、超音波プローブ12を先
端部の先端に設け、超音波を挿入軸に対して垂直方向に
出射させるための回転部材13を後方に対向して設け、回
転部材13の後方に超音波モータを設けている。超音波モ
ータのロータ15の後面には回転検出面21を印刷により形
成し、カバー20の後部に切欠き20aを形成しこの切欠き2
0aに対向して設けた回転スタートパルス検出用の小型フ
ォトセンサ30により画像の書き出し位置を検出できるよ
うにしている。なお、本実施例では観察光学系28を前方
直視型として挿入軸に沿って設けている。なお、第４図
ＢはA-A断面図、ＣはB-B断面図である。

本実施例のようにすることにより第１実施例と同様に装
置の簡素化、小型化を実現できることはいうまでもな
い。

第５図は本考案の第３実施例を示したもので、本実施例
では超音波プローブ12を回転部材13に一体的に固定し
て、超音波プローブを直接回転させて超音波走査をする
ようにしている。超音波モータの空洞部にロータリート
ランス、スリップリング等の回転信号伝達部材31を設け
て、超音波プローブ12と信号ケーブル32とにかけて回転
しながら信号の伝達ができるようにしている。

超音波モータのロータ15の外周には回転検出面を形成
し、これに対向して回転スタートパルス検出センサであ
るフォトセンサ33を設けている。

本実施例は超音波プローブを直接回転させるものである
ため、前記各実施例のような反射ミラー方式による多重
エコー等の不具合はない。しかも超音波モータの空洞部
に回転信号伝達部材を配設するとともに、ロータの外周
に回転検出面を設けたので先端硬質部長を長くすること
を避けられる。

本考案は以上の実施例に限定されるものではなく、幾多
の変更、変形が可能である。例えば、本考案は第６図に
示すような超音波プローブからの超音波を挿入軸方向前
方に出射し、平面内で超音波走査をし、その走査面内に
穿刺針34を出没させ得るようにしたものにも適用でき
る。なお、図示されていないが観察光学系を穿刺針34挿
入孔に並設している。第６図に示したものは挿入軸に垂
直方向に超音波プローブ、超音波モータの軸を設けて超
音波プローブを駆動させるようにしたもので超音波走査
の下、被検体への穿刺を行える。超音波モータに回転検
出面を形成して検出を行うことはいうまでもない。

〔考案の効果〕

以上のごとく本考案は、先端部に超音波モータを設けて
フレキシブルシャフト等を不要として挿入部が曲げられ
てもモータの回転不良、位相ズレを防止して安定した超
音波走査ができるとともに挿入部の軟性部も細くできる
体腔内超音波診断装置の挿入部先端における回転検出機
構が簡素化、小型化され、硬質部長を短かくできる。こ
れにより体腔内深部への挿入部の挿入が容易となり被検
者の苦痛も低減できる。また操作部に設けていた駆動モ
ータや回転検出器が不要となったので、操作部が軽量化
し術者の負担が軽減できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る体腔内超音波診断装置の全体斜
視図、 第２図A,B,Cは本発明の第１実施例を示す先端部断面
図、A-A断面図、B-B断面図である。 第３図A,Bは円板型超音波モータと円環型超音波モータ
の分解斜視図、 第４図A,B,Cは本考案の第２実施例を示す先端部断面
図、A-A断面図、B-B断面図、 第５図は、本考案の第３実施例を示す先端部断面図、 第６図は本考案を適用する他の先端部断面図である。 12……超音波振動子、13……回転部材 14……ロータ軸、15……ロータ 16……ステータ、21……回転検出面 23……ファイバセンサ（回転スタートパルス検出セン
サ）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】体腔内への挿脱自在に挿入される挿入部の
   先端部内に超音波ビームを送受信する超音波振動子と超
   音波ビームを体腔内に向けて走査するための回転部材と
   回転部材を駆動する超音波モータを設けた体腔内超音波
   診断装置において、 超音波モータのロータのステータと対向する面と反対側
   の面に回転検出面を一体的に形成し、回転検出面を検知
   できる所要位置に回転スタートパルス検出センサを設け
   たことを特徴とする体腔内超音波診断装置。