JPH07202631A - 弾性表面波装置及びその製造方法 - Google Patents

弾性表面波装置及びその製造方法

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JPH07202631A
JPH07202631A JP15022894A JP15022894A JPH07202631A JP H07202631 A JPH07202631 A JP H07202631A JP 15022894 A JP15022894 A JP 15022894A JP 15022894 A JP15022894 A JP 15022894A JP H07202631 A JPH07202631 A JP H07202631A
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acoustic wave
surface acoustic
ion
resonator
wave device
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JP15022894A
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English (en)
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Osamu Igata
理 伊形
Hidema Uchishiba
秀磨 内柴
Tokihiro Nishihara
時弘 西原
Takashi Matsuda
隆志 松田
Yoshio Sato
良夫 佐藤
Kazunari Yoneno
和成 米納
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 弾性表面波装置に関し、櫛形電極の周期λを
例えば電子ビーム露光に依って解像可能な範囲の値のま
まで、まるめ誤差のないQ値が優れた表面弾性波装置を
実現し、且つ、直列共振器呼び並列共振器の共振周波数
間隔を細かく調整できるようにする。 【構成】 所定の共振周波数をもった第1の一端子対弾
性表面波共振器が並列共振器7及び8として、例えば入
力端子3と接地との間、出力端子4と接地との間、又は
入力端子3及び出力端子4間を結ぶ配線と接地との間な
どの並列腕に接続されると共に、前記並列共振器におけ
る***振周波数に略一致する共振周波数をもつ第2の一
端子対弾性表面波共振器が直列共振器5及び6として、
例えば入力端子3と出力端子4との間などの直列腕に接
続された弾性表面波装置において、弾性表面波装置の圧
電結晶材料1の表面部分はイオンが注入されたイオン注
入層11を有し、前記並列共振器と前記直列共振器の少
なくとも一方を、前記イオン注入層の上に形成してあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルタ或いは共振器
として用いられる弾性表面波装置の改良に関する。
【0002】弾性表面波を利用したフィルタ或いは共振
器は小型であって且つ安価に供給することができる。そ
こで、近年、携帯電話などの通信機器を小型化するのに
不可欠な要素として開発・研究が進められている。
【0003】
【従来の技術】一般に、弾性表面波装置の特性に影響を
与える重要な因子として、圧電基板の音速と電気機械結
合係数が存在する。従って、例えば、所望のフィルタ特
性をもつ弾性表面波装置を得ようとする場合、目的とす
るフィルタ特性に合致するよう前記各因子の値を適切に
選択しなければならない。
【0004】弾性表面波装置に於ける櫛形電極の周波数
の周期λは、共振周波数をf0 、圧電基板の音速をVと
した場合、 λ=V/f0 ・・・・(1) なる式で表され、そして、音速Vは、電極の重さ、従っ
て、電極の膜厚に依って変化し、厚いほど遅くなる。こ
れを質量負荷効果と呼んでいる。
【0005】通常、SAW(Surface Acou
stic Wave)共振器型フィルタは、共振周波数
を異にするSAW共振器を直列と並列に、即ち、梯子型
に接続し、直列共振器の共振周波数と並列共振器の共振
周波数との差である共振周波数間隔Δf(直列共振器の
共振周波数fS −並列共振器の共振周波数fP )を調整
することで所望のフィルタ特性を得るようにしているの
であるが、共振周波数間隔Δfの調整には限界があり、
その限界を越えるとフィルタとしての特性が著しく劣化
する。
【0006】前記したように、SAW共振器型フィルタ
の特性は、共振周波数間隔Δfで決まり、従って、その
帯域幅は、直列に挿入した共振器と並列に挿入した共振
器の櫛形電極の周期λの周期差Δλに依って決まるので
あるが、その周期差Δλは圧電基板の電気機械結合係数
2 で制限を受け、周期差Δλを小さくし過ぎても、或
いは、大きくし過ぎても、SAW共振器型フィルタの挿
入損失が大きくなる。
【0007】そこで、SAW共振器の部分にイオンを注
入して電気機械結合係数k2 をコントロールすること
で、周期差Δλに対する前記制限を緩和し、フィルタの
帯域幅を設定する自由度を拡大する試みがなされている
(例えば、「特願平5−27050号」、を参照)。
【0008】また、櫛形電極に於ける電極指部分(ライ
ン)及び基板が表出されている部分(スペース)は、露
光の精度やマスクの精度に起因するばらつきはあるが、
略1:1に形成されている。
【0009】例えば、1.5〔GHz〕帯に於ける広帯
域のフィルタを得たい場合、 圧電基板:36°YカットX伝搬LiTaO3 (音速:約4000〔m/s〕 k2 =5〔%〕) 直列共振器に於ける櫛形電極周期λS :2.60〔μ
m〕 並列共振器に於ける櫛形電極周期λP :2.70〔μ
m〕 Δλ=λP −λS =0.1〔μm〕 とすると、共振及び***振周波数間隔は60〔MHz〕
であって、3〔dB〕の帯域幅が約40〔MHz〕のフ
ィルタ特性が得られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の技術に関す
る説明に於いては広帯域のフィルタを挙げたが、高周波
に於いて、狭帯域のフィルタを得たい場合、前記したと
ころから、電気機械結合係数k2 が小さい基板、例えば
水晶のSTカット基板(音速:約3000〔m/s〕,
2 :0.16〔%〕)を用いれば低損失のものが実現
できる筈である。
【0011】実験したところ、前記水晶STカット基板
を用いたときの共振周波数、***振周波数は、間隔が2
〔MHz〕〜6〔MHz〕であって、36°YカットX
伝搬LiTaO3 の圧電基板を用いた場合に比較して1
0分の1から30分の1であった。
【0012】前記したところから、λS =1.995
〔μm〕、λP =2.000〔μm〕(Δλ=0.00
5〔μm〕)の共振器を組み合わせることで、帯域幅が
3〔MHz〕〜4〔MHz〕の狭帯域フィルタを実現す
ることができる。
【0013】ところで、微細パターンを形成する場合に
は、通常、縮小投影露光法が用いられる。
【0014】例えば、5倍のレチクルを用い、前記狭帯
域フィルタを実現する為には、レチクル上の電極指幅
は、水晶基板に形成される直列接続の共振器で2.49
375〔μm〕、並列接続の共振器で2.500〔μ
m〕である。
【0015】現在、レチクル・パターンは、通常、電子
ビーム露光に依って形成されているが、電子ビーム露光
装置に於ける実用的な最小分解能は0.1〔μm〕であ
ることから、2.49375〔μm〕なる電極指幅を正
確に実現させることはできないので、まるめ誤差の発生
に起因するQ値の低下が起こり、高周波に於ける狭帯域
フィルタを実現することは甚だ困難である。
【0016】本発明は、櫛形電極の周期λを例えば電子
ビーム露光に依って解像可能な範囲の値のままで、まる
め誤差のないQ値が優れた表面弾性波装置を実現し、且
つ、直列共振器及び並列共振器の共振周波数間隔を細か
く調整できるようにすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明では、櫛形電極の
周期λとして、電子ビーム露光で対応可能な程度の値を
維持し、イオンを注入して材料の音速V及び電気機械結
合係数k2 を変化させること、また、櫛形電極のライン
(指)の幅(L)とスペース(S)との比を変化させる
ことで共振周波数が変化することを利用することが基本
になっている。
【0018】請求項1に記載の発明では、所定の共振周
波数をもった第1の一端子対弾性表面波共振器が並列共
振器(例えば、並列共振器7及び8)として並列腕(例
えば入力端子3と接地との間、出力端子4と接地との
間、又は入力端子3及び出力端子4間を結ぶ配線と接地
との間など)に接続されると共に、前記並列共振器にお
ける***振周波数に略一致する共振周波数をもつ第2の
一端子対弾性表面波共振器が直列共振器(例えば直列共
振器5及び6)として直列腕(例えば入力端子3と出力
端子4との間)に接続された弾性表面波装置において、
弾性表面波装置の圧電結晶材料(例えば水晶基板1)の
表面部分はイオンが注入されたイオン注入層(例えば、
図2の層11)を有し、前記並列共振器と前記直列共振
器の少なくとも一方は、前記イオン注入層の上に形成さ
れている。
【0019】請求項2に記載の発明では、前記イオン注
入層は、第1及び第2の層を含み、前記並列共振器は該
第1の層上に設けられ、前記直列共振器は該第2の層上
に設けられ、前記第1の層と第2の層とはイオン注入量
又は注入されているイオン種の少なくとも一方が異な
る。
【0020】請求項3に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記イオン注入層は、弾性表面波の
波長をλw とすると、以下の条件を満足する厚みhion
を有する 0.07<hion /λw <0.33。
【0021】請求項4に記載の発明では、所定の共振周
波数をもった第1の一端子対弾性表面波共振器が並列共
振器として並列腕に接続されると共に前記並列共振器に
おける***振周波数に略一致する共振周波数をもつ第2
の一端子対弾性表面波共振器が直列共振器として直列腕
に接続された弾性表面波装置において、前記並列共振器
の電極指の幅と電極指間のスペースの比は、前記直列共
振器の電極指の幅と電極間のスペースの比とは異なる。
【0022】請求項5に記載の発明では、請求項4に記
載の発明において、前記弾性表面波装置の圧電結晶材料
の表面部分はイオンが注入されたイオン注入層を有し、
前記並列共振器と前記直列共振器の少なくとも一方は、
前記イオン注入層の上に形成されている。
【0023】請求項6に記載の発明では、圧電結晶材料
上に、入出力用の電極が形成された弾性表面波装置にお
いて、前記圧電結晶材料の表面部分はイオン注入された
イオン注入層を備え、前記イオン注入層は、弾性表面波
の波長をλw としたときに、以下の条件を満足する厚み
ion を有する 0.07<hion /λw <0.33。
【0024】請求項7に記載の発明では、請求項1、
2、3又は6のいずれかに記載の発明において、前記イ
オン注入層は、4×1013〜7×1013Ar/cm2
注入量で注入されたアルゴンイオンを含む。
【0025】請求項8に記載の発明では、請求項1、
2、3又は6のいずれかに記載の発明において、前記イ
オン注入層は、350℃以上の熱処理温度でかつ前記圧
電結晶材料のキューリー温度以下で熱処理された層であ
る。
【0026】請求項9に記載の発明では、所定の共振周
波数をもった第1の一端子対弾性表面波共振器が並列共
振器として並列腕に接続されると共に、前記並列共振器
における***振周波数に略一致する共振周波数をもつ第
2の一端子対弾性表面波共振器が直列共振器として直列
腕に接続された弾性表面波装置の製造方法において、前
記並列共振器と前記直列共振器の少なくとも一方に関
し、弾性表面波共振器の下に位置する弾性表面波装置の
圧電結晶材料の表面部分にイオンを注入して、イオン注
入層を形成する第1の工程と、前記並列共振器と前記直
列共振器の櫛形電極を前記圧電結晶材料の表面部分に形
成する第2の工程とを有し、前記並列共振器と前記直列
共振器の少なくとも一方を、前記イオン注入層の上に形
成する。
【0027】請求項10に記載の発明では、請求項9記
載の発明において、前記第1の工程は、異なるイオン注
入量又は異なるイオン種のイオンが注入された第1及び
第2の層を形成し、前記第2の工程は、前記並列共振器
の櫛形電極を前記第1の層上に設け、前記直列共振器の
櫛形電極を前記第2の層上に設ける。
【0028】請求項11に記載の発明では、請求項9に
記載の発明において、前記第1の工程は、弾性表面波の
波長をλw とした場合、イオンを注入した表面部分が以
下の条件を満足する厚みhion となるようにイオンを注
入する 0.07<hion /λw <0.33。
【0029】請求項12に記載の発明では、圧電結晶材
料上に、入出力用の電極が形成された弾性表面波装置の
製造方法において、前記圧電結晶材料の表面部分にイオ
ンを注入して、イオン注入層を形成する第1の工程と、
前記電極を前記圧電結晶材料の表面部分に形成する第2
の工程とを有し、前記第1の工程は、弾性表面波の波長
をλw としたときに、以下の条件を満足する厚みhion
を有する 0.07<hion /λw <0.33。
【0030】請求項13に記載の発明では、請求項9、
10、11又は12のいずれか一項記載の発明におい
て、前記第1の工程は、4×1013〜7×1013Ar/
cm2の注入量でアルゴンイオンを注入する。
【0031】請求項14に記載の発明では、請求項9、
10、11、12又は13のいずれか一項記載の発明に
おいて更に、350゜C以上の熱処理温度でかつ前記圧
電結晶材料のキューリー温度以下で熱処理を行う工程を
含む。
【0032】
【作用】請求項1に記載の発明では、イオン注入層はイ
オン注入をしていない他の表面部分とは異なる電気機械
結合係数を有し、従って弾性表面波の音速も異なる。よ
って、圧電結晶材料及びその結晶方位を変えることな
く、電気機械結合係数を制御でき、Q値の高い所望のフ
ィルタ特性を得ることができる。
【0033】請求項2に記載の発明では、並列共振器及
び直列共振器に対し異なるイオン注入量又は異なるイオ
ン種のイオンでイオン注入層を形成したため(第1及び
第2の層)、異なる電気機械結合係数を得ることがで
き、請求項1の発明と同様に圧電結晶材料及びその結晶
方位を変えることなく、電気機械結合係数を制御でき、
Q値の高い所望のフィルタ特性を得ることができる。
【0034】請求項3記載の発明では、上記条件を満足
するイオン注入層の厚みとすることで、弾性表面波が伝
播する表面部分(1波長程度)に対するイオン注入層の
厚みを最適化でき、フィルタの挿入損失を増加させるこ
となく角形特性が優れたフィルタ特性を得ることができ
る。
【0035】請求項4記載の発明では、前記並列共振器
の電極指の幅と電極指間のスペースの比は、前記直列共
振器の電極指の幅と電極間のスペースの比とは異なるよ
うに構成されており、圧電結晶材料及びその結晶方位を
変えることなく、電気機械結合係数を制御でき、所望の
フィルタ特性を得ることができる。
【0036】請求項5記載の発明では、イオン注入層と
電極指の幅と電極指間のスペースの比の両方で所望のフ
ィルタ特性を得ることができる。
【0037】請求項6記載の発明では、上記条件を満足
するイオン注入層の厚みとすることで、弾性表面波が伝
播する表面部分(1波長程度)に対するイオン注入層の
厚みを最適化でき、共振器の挿入損失を増加させること
なく角形特性が優れた共振器性を得ることができる。
【0038】請求項7記載の発明によれば、上記条件を
満足するイオン注入層とすることで、イオン量を最適化
でき、共振器の挿入損失を増加させることなく角形特性
が優れた共振器特性を得ることができる。
【0039】請求項8記載の発明では、熱処理により特
性が安定化したイオン注入層を構成することができる。
【0040】請求項9記載の発明では、第1の工程でイ
オンを注入することで電気機械結合係数を変化させるこ
とができる。よって、圧電結晶材料及びその結晶方位を
変えることなく、電気機械結合係数を制御でき、Q値の
高い所望のフィルタ特性を得ることができる。
【0041】請求項10に記載の発明では、並列共振器
及び直列共振器に対し異なるイオン注入量又は異なるイ
オン種のイオンでイオン注入層を形成したため(第1及
び第2の層)、異なる電気機械結合係数を得ることがで
き、請求項9の発明と同様に圧電結晶材料及びその結晶
方位を変えることなく、電気機械結合係数を制御でき、
Q値の高い所望のフィルタ特性を得ることができる。
【0042】請求項11に記載の発明では、上記条件を
満足するイオン注入層の厚みとすることで、弾性表面波
が伝播する表面部分(1波長程度)に対するイオン注入
層の厚みを最適化でき、フィルタの挿入損失を増加させ
ることなく角形特性が優れたフィルタ特性を得ることが
できる。
【0043】請求項12に記載の発明では、上記条件を
満足するイオン注入層の厚みとすることで、弾性表面波
が伝播する表面部分(1波長程度)に対するイオン注入
層の厚みを最適化でき、フィルタの挿入損失を増加させ
ることなく角形特性が優れたフィルタ特性を得ることが
できる。
【0044】請求項13記載の発明では、上記条件を満
足するイオン注入層とすることで、イオン量を最適化で
き、フィルタの挿入損失を増加させることなく角形特性
が優れたフィルタ特性を得ることができる。
【0045】請求項14記載の発明では、熱処理により
特性が安定化したイオン注入層を構成することができ
る。
【0046】
【実施例】図1は本発明に於ける第1の実施例を解説す
る為の弾性表面波フィルタの要部平面説明図である。
【0047】図に於いて、1は水晶基板、2は配線、3
は入力端子、4は出力端子、5及び6は直列共振器、5
A及び6Aは櫛形電極、5B及び6Bはイオン注入領
域、7及び8は並列共振器、7A及び8Aは櫛形電極、
9及び10は接地端子をそれぞれ示している。
【0048】図からも明らかであるが、ここでは、直列
共振器5及び6に於ける櫛形電極5A及び6Aの近傍に
Arなどのイオンを注入し、直列共振器5及び6の部分
に於ける音速を遅くすることで共振周波数間隔Δfを調
整した弾性表面波装置を挙げてある。
【0049】実験に依ると、音速Vの変化は、 注入イオン:Ar 加速エネルギ:180〔keV〕 ドーズ量:1×1014〔cm-2〕 の条件でイオン注入した場合、99.2〔%〕であっ
た。
【0050】従って、第1の実施例のように、直列共振
器5及び6の部分のみにイオン注入することで、 直列共振器5或いは6に於ける櫛形電極周期λS :1.
98〔μm〕 並列共振器に於ける櫛形電極周期λP :2.00〔μ
m〕 なる設計をすれば、イオン注入をしない場合に於ける 直列共振器5或いは6に於ける櫛形電極周期λS :1.
996〔μm〕 並列共振器に於ける櫛形電極周期λP :2.000〔μ
m〕 の場合と同等の特性を得ることができる。
【0051】因みに、直列共振器5或いは6に於ける櫛
形電極周期λS :1.98〔μm〕なる数値は、電子ビ
ーム露光技術を適用してパターンを形成するレチクル上
に於いて5倍にするのであるから、リソグラフィ技術に
於ける微細パターン形成に関する限界は全く問題になら
ない。
【0052】図1に見られるようなイオン注入の処理を
行った後、更に直列共振器の部分及び並列共振器の部分
にイオン注入を行って、フィルタ全体の周波数を調整し
ても良い。これに依って、プロセスに起因する周波数の
ずれを最終段階で補正することができる。
【0053】図2は、図1に示す弾性表面波デバイスを
製造する主要工程を示す図で、図2の(イ)〜(ニ)は
図1に示す線分II−IIの断面図に相当する。
【0054】図2(イ)において、圧電体基板(または
所定基板に形成された圧電薄膜)1の表面に、弾性表面
波の伝播速度,電気機械結合係数を制御する物質例えば
B(ボロン),Ar(アルゴン),F(ふっ素),Ne
(ネオン),H(水素),P(燐)等をイオン注入し、
イオン注入層11を形成する。
【0055】次いで、弾性表面波の伝播速度,電気機械
結合係数を制御してイオン注入層を安定化させる熱処
理、例えば真空中,350℃,30分程度加熱する熱処
理(アニール)を行って、図2(ロ)に示す如く、イオ
ン注入層11の熱処理層12(以下、この層をイオン注
入熱処理層という)を形成する。この熱処理は本発明に
おいて必須の工程ではないが、後述の理由で行うことが
好ましい。次に、図2(ハ)に示す如くイオン注入熱処
理層12の上に金属層13を被着したのち、金属層13
の不要部を除去して図2(ニ)に示す如く、弾性表面波
を発生せしめその電気信号を取り出す櫛形電極5A,6
Aを形成し、弾性表面波デバイス10が完成する。
【0056】以下に、図1の工程で作製した本発明の第
1の実施例につき、図2,図3,図4を用いて説明す
る。ここで、図3は弾性表面波の伝播速度測定用試料の
収容構成を示す平面図、図4は各種試料におけるV0
m とh/λとの関係を示す図、図5は櫛形電極のピッ
チの説明図である。
【0057】図3において弾性表面波の伝播速度(音
速)測定用試料20は、LiTaO3の単結晶より切り
出した基板1の表面に、図1の櫛形電極5A,6Aに相
当する櫛形電極141 ,142 ,143 ,144 を形成
し、対向する一方の電極141と142 との間には金属
パターン15を形成する。
【0058】櫛形電極141 ,142 ,143 ,144
と金属パターン5は厚さ3000Å程度であり、同一の
Al−Cu膜よりフォトリソ技術により形成し、櫛形電
極141 ,142 ,143 ,144 は図5(イ)に示す
如く、一対の櫛形電極を組み合わせた構成であり、その
櫛歯ピッチは図5(ロ)に示す如く所定の値λである。
【0059】入力用電極141 と143 のそれぞれには
入力端子16が接続し、電極141,143 との接続部
にはアース端子17が接続する。出力用電極142 と1
4のそれぞれには出力端子18が接続し、電極142
と144 との接続部にはアース端子19が接続する。
【0060】基板1は、表面にイオン注入しないもの、
表面にB(ボロン)を180KeV、1×1014/cm
2 の条件でイオン注入したもの、Bをイオン注入したの
ち約2×10-8Torrの真空中200℃で10分間熱
処理したもの、Bをイオン注入したのち約2×10-8
orrの真空中350℃で30分間熱処理したものの4
種類を準備し、それらの基板1には同一条件で櫛形電極
141 ,142 ,14 3 ,144 と金属パターン15を
形成する。
【0061】そこで、前記4種類の基板1に櫛形電極1
1 ,142 ,143 ,144 等を形成した試料につい
て、電極141 と142 との対向間の音速をVm 、電極
14 3 と144 との対向間の音速をV0 、金属パターン
15の厚さをh、櫛形電極141 ,142 ,143 ,1
4 の櫛歯ピッチをλとしたとき、V0 /Vm とh/λ
との関係は図4に示す如くなる。
【0062】図4において、●印はイオン注入なし試料
における測定値のプロット、×印はイオン注入した試料
における測定値のプロット、△印はイオン注入したのち
熱処理(2×10-8Torrの真空中、200℃で10
分間アニール)した試料における測定値のプロット、○
印はイオン注入したのち熱処理(2×10-8Torrの
真空中、350℃で30分間アニール)した試料におけ
る測定値のプロットである。
【0063】図4から明らかなように、イオン注入によ
ってV0 /Vm が減少し、そのことから電気機械結合係
数が小さくなることが分かり、公知である電気機械結合
係数k2 の式 k2 =2(V0 −Vm )/V0 を使用し、V0 ,Vm の伝播速度差から求めた電気機械
結合係数は、イオン注入によって約30%減少する。
【0064】そして、イオン注入してから約2×10-8
Torrの真空中で200℃、10分間の熱処理を行っ
た試料のV0 /Vm は、イオン注入なし試料とイオン注
入あり試料との中間程度に増加する。
【0065】さらに、イオン注入してから約2×10-8
Torrの真空中での熱処理を、350℃、30分間と
した試料のV0 /Vm 値は、イオン注入なし試料と同程
度に増加、即ちイオン注入によって減少したV0 /Vm
値は適当なアニールによって復元できるようになること
が分かる。
【0066】ここで、図6に示す弾性表面波フィルタ2
1について考察する。図6(イ)において弾性表面波フ
ィルタ21は、4個の一端子対弾性表面波共振器R1
2,R3 ,R4 とインダクタンス素子L1 ,L2 とを
接続してなる。
【0067】共振器R1 とR2 とは、導体26,27,
28によって一対の端子22と23との間に直列に接続
する。一対の端子24と25とは導体29によって接続
し、直列に接続した共振器R3 とインダクタンス素子L
1 とが、導体26と29とに接続し、直列に接続した共
振器R4 とインダクタンス素子L2 とが、導体27と2
9とに接続してなる。
【0068】共振器R1 ,R2 ,R3 ,R4 は図6
(ロ)に示す如く、励振用櫛形電極30と一対の反射器
31とで構成されている。かかるフィルタ21におい
て、共振器R1 ,R2 ,R3 ,R4 は、上述の方法によ
ってイオン注入したのち熱処理したイオン注入熱処理層
の上に形成し、仕様に基づいてフィルタ特性を制御す
る。
【0069】図7において、縦軸は図6に示す構成であ
るフィルタの中心周波数(MHz)、挿入損失(d
B)、帯域幅(MHz)、横軸はフィルタ基板に注入し
たArの注入量(N/cm2 )である。
【0070】図7の特性測定用試料は基板にLiTaO
3 の単結晶を使用し、特性比較試料として、基板にAr
をイオン注入しない(Ar注入量0:図中●印)もの、
適量のArをイオン注入したもの(図中○印)、適量の
Arをイオン注入したのちさらに熱処理を施したもの
(図中×印)を用意した。ただし、18keVでのAr
イオンの注入量は1014/cm2 ,1016/cm2 の2
種類とし、真空中での熱処理は300℃、30分であ
る。
【0071】図7において、Arイオンの注入量を10
14/cm2 とした試料の特性を、イオン注入しなかった
試料の特性に比較すると、中心周波数に関してはイオン
注入によって55MHz(5.9%)だけ低周波側にシ
フトする。
【0072】そして、さらにそれを熱処理した試料で
は、熱処理によって中心周波数が幾分回復し、低周波側
へのシフト量は42MHz(4.5%)になる。同様
に、帯域幅に関してはイオン注入により26MHz(4
1%)だけ狭くなり、熱処理によって20MHz(32
%)程度に回復し、挿入損失に関してはイオン注入によ
り2.3dB(2.3%)悪化するものの、熱処理によ
って0.6dB(0.6%)の悪化に抑えることができ
るようになる。
【0073】Arイオン注入層の熱処理条件を知るため
の図8において、縦軸は図6に示す構成であるフィルタ
の中心周波数(GHz)および角形比、横軸はイオン注
入後の熱処理温度(℃)である。
【0074】通過帯域での信号の立ち上がり、立ち下が
りの鋭さを表す前記角形比は、図9に示す如く挿入損失
=−3dBにおける帯域幅Δf1 =f2 −f3 と、挿入
損失=−20dBにおける帯域幅Δf2 =f4 −f5
の比Δf2 /Δf1 で定義し、理想値が1である角形比
は、大きくなるに従って角形特性が劣化することにな
る。
【0075】図8に示す特性の測定用試料(フィルタ)
は、LiTaO3 :36°Yカット単結晶板より圧電体
基板1を切り出し、ダブルチャージ状態のArイオン
(Ar ++)を、180keVの加速エネルギーで注入
し、その注入量が6×1013/cm2 のものを使用し、
イオン注入後の熱処理温度を120℃〜600℃の範囲
に設定した。
【0076】LiTaO3 :36°Yカット単結晶板よ
り圧電体基板1を切り出し、ダブルチャージ状態のAr
イオン(Ar++)を180keVの加速エネルギーで注
入し、Arイオンの注入量を6×1013/cm2 とした
試料(フィルタ)につき、120℃〜600℃の範囲で
イオン注入層11を熱処理した図8において、角形比は
熱処理温度120℃〜600℃の範囲でほぼ安定し、中
心周波数特性は熱処理温度を350℃以上、好ましくは
400℃以上としたとき安定する。
【0077】かかるイオン注入層11の熱処理、即ち少
なくとも350℃以上で行う熱処理において、生産性、
作業性の面から成るべく低温度にすることが望ましいた
め、本実施例では400℃〜600℃程度で熱処理する
ことが好ましい。しかし、イオン注入層11の弾性表面
波伝播速度および電気機械結合係数を制御する熱処理の
上限値としては、圧電体基板1の特性、所定基板に形成
した圧電薄膜の特性、または該圧電薄膜を形成した所定
基板の特性が損なわれない範囲で600℃以上、例えば
圧電体基板1がLiTaO3 :36°Yカット単結晶板
より切り出したものであるときには、400℃〜800
℃程度とすることができる。
【0078】圧電体基板1のイオン注入層11の熱処理
(加熱および冷却)に際し、昇温速度および冷却速度を
急激にすると、その熱衝撃によって破壊する可能性があ
る。そこで、熱衝撃破壊を避けるため繰り返し実験を行
った結果、熱処理条件を下記〜の如くすることで破
壊しないことが分かり、図8の測定試料の熱処理にはそ
の条件を適用した。
【0079】.室温から所定の熱処理温度までの昇温
速度:毎分3℃以下 .所定熱処理温度の維持時間:30分〜1時間 所定の熱処理温度から室温までの降温速度:毎分2℃
以下 イオン注入量が異なる弾性表面波フィルタの通過帯域特
性を示す図10〜図12において、Ar++の加速エネル
ギーは180keVとし、図10(イ)におけるイオン
注入量は2×1013/cm2 、図10(ロ)におけるイ
オン注入量は4×1013/cm2 、図11(イ)におけ
るイオン注入量は5×1013/cm2 、図11(ロ)に
おけるイオン注入量は6×1013/cm2 、図12
(イ)におけるイオン注入量は7×1013/cm2 、図
12(ロ)におけるイオン注入量は8×1013/cm2
である。
【0080】このようにイオン注入量を変えたとき、本
実施例で定義した角形比(Δf2 /Δf1 )は、図10
(イ)のそれが約1.95、図10(ロ)のそれが約
1.92、図11(イ)のそれが約1.67、図11
(ロ)のそれが約1.69、図12(イ)のそれが約
1.74、図12(ロ)のそれが約1.67であり、図
10(ロ)、図11(イ),図11(ロ),図12
(イ)における通過帯域内特性は低損失、あるいはほぼ
フラットであるのに対し、図10(イ)及び図12
(ロ)における通過帯域内特性は、損失が大きいかある
いは凸または凹となり直線性が悪くなる。
【0081】従って、本発明におけるArイオンの注入
量は、角形比より見たとき5×10 13/cm2 以上とし
てもよいが、通過帯域内特性から見たとき8×1013
cm 2 を除外すべきものと考え、また実用的な損失等も
考慮して、本実施例ではイオン注入量は4×1013/c
2 〜7×1013/cm2 、好ましくは5×1013/c
2 〜7×1013/cm2 とし、かかる通過帯域特性
は、イオン加速エネルギーを150〜250keVとし
ても同様であることから、本実施例ではイオン加速エネ
ルギーとして150〜250keVが好ましい。
【0082】更に、前述の弾性表面波の速度や電気機械
結合係数は、イオンの注入深さを制御して、基板の表面
層の結晶格子状態を変化させることでも制御可能であ
る。イオンの注入深さと弾性表面波特性との関係を調べ
るために、まず、注入深さの測定方法を説明する。
【0083】注入深さの測定は、注入層のX線回折のロ
ッキングカーブによる。例えば、LiTaO3 (32.
94°Yカット)にArイオンを180keV、ダブル
チャージにより5×1013/cm2 の注入量で注入した
試料のCuKα1X線によるロッキングカーブを図13
に示す。図13において、最も高い回折角度側(左端)
の回折線AはLiTaO3 基板によるものである。その
他の回折線は、イオン注入層からのものであり、最も低
い回折角度側(右側)の回折線が主極大(B0)、それ
から順に高回折角度側に、第1(B1)、第2(B
2)、・・・、副極大となる。そして、X線の散乱強度
を表すラウエ関数の特性から、図13の主極大(B0)
の半値幅より、イオン注入層の深さを計算すると、図1
3の例では約2200オングストロームとなる。すなわ
ち、イオン注入の深さは、上記方法で確認できる範囲の
ものである。
【0084】イオン注入深さとフィルタ特性との関係を
調べるために、図14に示すフィルタを制作した。図1
5は、図14に示すフィルタの等価回路である。図14
及び15に示すように、フィルタは3つの直列共振器S
と2つの並列共振器P1,P2を有する。また、L1〜
L4は、図14ではワイヤを示し、図15ではワイヤの
インダクタンスを示す。また、イオン注入処理を直列共
振器Sのみに行った。また、直列共振器Sの櫛形電極の
周期は2.64μm、開口長は60μm及び対数は11
5対である。また並列共振器P1の櫛形電極の周期は
2.71μm、開口長は100μm、対数は80対であ
り、並列共振器P2の櫛形電極の周期は2.71μm、
開口長は100μm、対数は40対である。
【0085】以上のフィルタに対し、LiTaO3 (3
2.94°Yカット)にArイオンを180keV、ダ
ブルチャージにより5×1013/cm2 の注入量で注入
した試料でイオン注入深さを変化させ(前述した測定方
法で確認する)、イオン注入深さに対する損失増加量
(dB)とフィルタ角形比(%)との関係を求めたグラ
フを図16に示す。図16中、イオン注入深さ
(hion )は弾性表面波の1波長λw で正規化している
(hion /λw )。通常、弾性表面波は1波長に相当す
る深さ以内の表面部分を伝播するので、イオンを1波長
に相当する深さまで注入してしまうと、結晶表面が完全
に破壊され、弾性表面波の伝播に支障をきたす。図16
のグラフの場合、損失増加量が2dB以下でフィルタ角
形比(最小挿入損失より−21.5dBでの帯域幅と最
小挿入損失より−1.5dBでの帯域幅との比)が45
%以上の条件で、良好なフィルタ特性が得られることが
わかる。
【0086】図17は、図14及び図15に示すフィル
タにおいて、本発明の第1の実施例により、図16の条
件を満たす深さで直列共振器Sにイオン注入をし、その
後熱処理を施したフィルタの通過特性(実線)と、イオ
ン注入及び熱処理を行わないフィルタの通過特性(破
線)とを示すグラフである。イオン注入は、LiTaO
3 (32.94°Yカット)にArイオンを180ke
V、ダブルチャージにより5×1013/cm2 の注入量
で2200オングストローム(hion /λw =0.22
/2.7=0.081)の深さとなるように行った。ま
た、その後の熱処理を次のステップで行った。
【0087】室温〜熱処理温度(450℃)までの昇温
速度:2℃/分 定温熱処理時間(450℃) :1時間 熱処理温度〜室温までの降温速度 :1℃/
分 図16から判るように、従来構成のフィルタに比べ、挿
入損失や抑圧度等の特性は劣化させることなく、第1の
実施例のフィルタはQ値が高く、角形比は20%向上さ
せることができる。
【0088】なお、前述したように図16より45%以
上の帯域幅を得るためには、イオン注入層の厚み(h
ion )を0.07<hion <λw <0.33の範囲に設
定する必要があり、更に損失を考慮して、2dB以下の
挿入損失を得るためには、イオン注入層の厚み
(hion )を0.07<hion /λw <0.30の範囲
で設定する必要がある。また、アルゴンイオンを用いた
場合には、0.07<hion /λ w <0.15の範囲で
設定すると、特別なイオン注入装置を用いることなく通
常のイオン注入装置によって処理が行えるので、製造工
程が容易となる。
【0089】図18は本発明に於ける第2の実施例を解
説する為の弾性表面波フィルタの要部平面説明図であ
る。
【0090】図において、41は水晶基板、42は配
線、43は入力端子、44は直列共振器、45は直列共
振器の櫛形電極、46は並列共振器、47は並列共振器
の櫛形電極をそれぞれ示している。
【0091】図19は第2の実施例の弾性表面波フィル
タに於ける櫛形電極を説明する為の要部平面説明図であ
り、図18に於いて用いた記号と同記号は同部分を表す
か或いは同じ意味を持つものとする。
【0092】図に於いて、(A)は並列共振器に於ける
櫛形電極の要部平面、(B)は直列共振器に於ける櫛形
電極の要部平面、45Aは直列共振器の櫛形電極に於け
るライン(指)、45Bは直列共振器の櫛形電極に於け
るスペース、47Aは並列共振器の櫛形電極に於けるラ
イン(指)、47Bは並列共振器の櫛形電極に於けるス
ペース、Lはラインの幅、Sはスペースの幅をそれぞれ
示している。
【0093】図21及び図22は、本発明による弾性表
面波フィルタの一構造例を示す図である。また、図23
は図21及び図22に示す弾性表面波フィルタの等価回
路図である。図21及び図22に示す弾性表面波フィル
タは、セラミックパッケージ51、フィルタチップ52
及びアースとして機能する蓋53を有する。セラミック
パッケージ51はアルミナセラミック製であり、サイズ
は3.8×3.8mm 2 で、高さが1.5mmである。
このセラミックパッケージ51にはAu製の電極端子5
-1〜54-6が形成してある。フィルタチップ52は、
LiTaO3 製であり、サイズは2×1.5mm2 で、
厚さが0.5mm、また表面のイオン注入層の厚みは2
200Åである。
【0094】このフィルタチップ52の表面に、対数が
100、開口長が80μm、材料がAl−2%Cu、膜
厚が1,900Åの櫛形電極構造を示す共振器R1 〜R
5 が、互いに弾性表面波の伝播路を共有しないように、
ずらして配置してある。またフィルタチップ52の表面
には、ボンディング用端子としての、二つの信号線用端
子55-1,55-2及び三つのアース用端子55-3,55
-4,55-5が形成してある。56-1〜56-5はボンディ
ングワイヤであり、Al又はAu製であり、径が25μ
mφであり、夫々端子54-1〜54-5と端子55-1〜5
-5とにボンディングされて接続してある。ワイヤ56
-3はアース用電極端子54-3と55-3との間に接続して
あり、ワイヤ56-4は別のアース用電極端子54-4と5
-4との間に接続してあり、ワイヤ56-5は別のアース
用電極端子54-5と55-5との間に接続してある。
【0095】このワイヤ56-3〜56-5は長さが共に
2.0mmと長く、図23に示すインダクタンス分L
1,L2,L3を構成する。
【0096】図から判るように、並列共振器では、櫛形
電極に於けるL:Sを1(具体的には0.4〔μ
m〕):1(具体的には0.4〔μm〕)に、そして、
直列共振器では、櫛形電極に於けるライン46Aの幅L
を細くしてある。
【0097】実験に依ると、直列共振器に於いて、L:
Sを0.91(具体的には0.36〔μm〕):1.0
9(具体的には0.44〔μm〕)にした場合には、音
速が0.3〔%〕速くなった。
【0098】前記したところから、水晶基板を用いた場
合、 並列共振器に於けるL:S=0.40〔μm〕:0.4
0〔μm〕 直列共振器に於けるL:S=0.36〔μm〕:0.4
4〔μm〕 に選択することで、λP =2.000〔μm〕、λS
1.994〔μm〕の場合と略同等の特性を得ることが
できる。
【0099】図20は本発明を実施して音速Vを変える
ことで直列共振器と並列共振器との共振周波数間隔Δf
を変化させて得られたフィルタの特性を表す線図であ
る。図では、横軸に周波数〔MHz〕を、また、縦軸に
フィルタ挿入損失〔dB〕をそれぞれ採ってある。図示
された特性線に依れば、十分に狭帯域であるフィルタが
実現されていることが明らかである。
【0100】直列腕共振器R2及びR4、又は並列腕共
振器に前述したイオン注入及び熱処理が施されている。
【0101】図24は、本発明による弾性表面波フィル
タの別の構造例を示す斜視図である。図24に示す弾性
表面波フィルタ60は、36°Y−LiTaO3 の圧電
基板61を有する(サイズは図示の通り)。
【0102】入力側から順番に並列腕共振器(R
1 )、直列腕共振器(Rs1 )、並列腕共振器(Rp
2 )、直列腕共振器(Rs2 )、並列腕共振器(R
3 )の順で並んでいる。個々の共振器は両サイドに反
射器62(短絡型)をもった構造である。個々の共振器
はいずれも開口長が180μm、電極指の対数が50
対、反射器も50対である。櫛形電極指の周期のみ並列
腕共振器と直列腕共振器とで変えてある。並列腕共振器
の周期はλP =4.39μm(パターン幅とギャップは
1:1であるため、パターン幅はλP /4≒1.1μ
m)、直列共振器の周期はλS=4.16μm(同様に
パターン幅はλS /4=1.04μm)である。
【0103】図24に示す直列腕共振器RS1及びRS2
又は並列腕共振器RP1,RP2及びR P3が形成された圧電
基板61表面には、前述したイオン注入及び熱処理が施
されている。
【0104】以上、本発明の実施例を説明した。本発明
は前述の実施例に限られず、他に多くの態様を含むもの
である。
【0105】例えば、音速変化領域即ち、イオン注入熱
処理層を形成する為のイオン注入は並列共振器側に施し
ても良く、また、直列共振器及び並列共振器の両方にド
ーズ量を変えてイオンを注入して、両者の兼ね合いに依
って微細な調整を行うこともできる。例えば、図1の構
成において、並列共振器7及び8が設けられている水晶
基板1の表面部分に、直列共振器5及び6が設けられて
いる表面部分とは異なるイオン注入量(ドーズ量)又は
異なるイオン種でイオンを注入する。そして、水晶基板
1を前述した熱処理条件で熱処理する。
【0106】更にまた、イオンを注入して音速変化領域
を形成する手段と櫛形電極に於けるラインとスペースの
比を変える手段を併用することも可能である。例えば、
図1の構成と図18の構成とを組み合わせる。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
以下の効果が得られる。
【0108】請求項1に記載の発明よれば、イオン注入
層はイオン注入をしていない他の表面部分とは異なる電
気機械結合係数を有し、従って弾性表面波の音速も異な
る。よって、圧電結晶材料及びその結晶方位を変えるこ
となく、電気機械結合係数を制御でき、Q値の高い所望
のフィルタ特性を得ることができる。
【0109】請求項2に記載の発明よれば、並列共振器
及び直列共振器に対し異なるイオン注入量又は異なるイ
オン種のイオンでイオン注入層を形成したため(第1及
び第2の層)、異なる電気機械結合係数を得ることがで
き、請求項1の発明と同様に圧電結晶材料及びその結晶
方位を変えることなく、電気機械結合係数を制御でき、
Q値の高い所望のフィルタ特性を得ることができる。
【0110】請求項3記載の発明よれば、上記条件を満
足するイオン注入層の厚みとすることで、弾性表面波が
伝播する表面部分(1波長程度)に対するイオン注入層
の厚みを最適化でき、フィルタの挿入損失を増加させる
ことなく角形特性が優れたフィルタ特性を得ることがで
きる。
【0111】請求項4記載の発明よれば、前記並列共振
器の電極指の幅と電極指間のスペースの比は、前記直列
共振器の電極指の幅と電極間のスペースの比とは異なる
ように構成されており、圧電結晶材料及びその結晶方位
を変えることなく、電気機械結合係数を制御でき、所望
のフィルタ特性を得ることができる。
【0112】請求項5記載の発明よれば、イオン注入層
と電極指の幅と電極指間のスペースの比の両方で所望の
フィルタ特性を得ることができる。
【0113】請求項6記載の発明よれば、上記条件を満
足するイオン注入層の厚みとすることで、弾性表面波が
伝播する表面部分(1波長程度)に対するイオン注入層
の厚みを最適化でき、共振器の挿入損失を増加させるこ
となく角形特性が優れた共振器特性を得ることができ
る。
【0114】請求項7記載の発明によれば、上記条件を
満足するイオン注入層とすることで、イオン量を最適化
でき、共振器の挿入損失を増加させることなく角形特性
が優れた共振器特性を得ることができる。
【0115】請求項8記載の発明よれば、熱処理により
特性が安定化したイオン注入層を構成することができ
る。
【0116】請求項9記載の発明よれば、第1の工程で
イオンを注入することで電気機械結合係数を変化させる
ことができる。よって、圧電結晶材料及びその結晶方位
を変えることなく、電気機械結合係数を制御でき、Q値
の高い所望のフィルタ特性を得ることができる。
【0117】請求項10に記載の発明よれば、並列共振
器及び直列共振器に対し異なるイオン注入量又は異なる
イオン種のイオンでイオン注入層を形成したため(第1
及び第2の層)、異なる電気機械結合係数を得ることが
でき、請求項9の発明と同様に圧電結晶材料及びその結
晶方位を変えることなく、電気機械結合係数を制御で
き、Q値の高い所望のフィルタ特性を得ることができ
る。
【0118】請求項11に記載の発明よれば、上記条件
を満足するイオン注入層の厚みとすることで、弾性表面
波が伝播する表面部分(1波長程度)に対するイオン注
入層の厚みを最適化でき、フィルタの挿入損失を増加さ
せることなく角形特性が優れたフィルタ特性を得ること
ができる。
【0119】請求項12に記載の発明よれば、上記条件
を満足するイオン注入層の厚みとすることで、弾性表面
波が伝播する表面部分(1波長程度)に対するイオン注
入層の厚みを最適化でき、フィルタの挿入損失を増加さ
せることなく角形特性が優れたフィルタ特性を得ること
ができる。
【0120】請求項13記載の発明よれば、上記条件を
満足するイオン注入層とすることで、イオン量を最適化
でき、フィルタの挿入損失を増加させることなく角形特
性が優れたフィルタ特性を得ることができる。
【0121】請求項14記載の発明よれば、熱処理によ
り特性が安定化したイオン注入層を構成することができ
る。
【0122】本発明は、携帯用電話などの移動通信機器
における信号の分岐、生成などの信号処理回路に適用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による弾性表面波フィル
タの要部平面図である。
【図2】本発明の第1の実施例による弾性表面波フィル
タの主要平面図である。
【図3】弾性表面波の伝播速度測定用試料の主要構成を
示す平面図である。
【図4】各種試料におけるVo/Vmとh/λとの関係
を示す図である。
【図5】櫛形電極のピッチの説明図である。
【図6】弾性表面波フィルタの等価回路とそのフィルタ
の共振器の平面図である。
【図7】弾性表面波フィルタの特性とその基板に注入し
たArの注入量との関係を示す図である。
【図8】イオン注入後の熱処理温度と弾性表面波フィル
タの中心周波数、角形比の関係を示す図である。
【図9】弾性表面波フィルタの通過特性の角形比の説明
図である。
【図10】イオンを注入した弾性表面波フィルタの通過
特性とイオン注入量との関係を示す図である(その
1)。
【図11】イオンを注入した弾性表面波フィルタの通過
特性とイオン注入量との関係を示す図である(その
2)。
【図12】イオンを注入した弾性表面波フィルタの通過
特性とイオン注入量との関係を示す図である(その
3)。
【図13】イオン注入深さを測定するために得たロンキ
ングカーブを示す図である。
【図14】イオン注入深さとフィルタ特性との関係を調
べるために制作したフィルタを示す平面図である。
【図15】図14に示すフィルタの等価回路図である。
【図16】イオン注入深さに対する損失増加量(dB)
とフィルタ角形比(%)との関係を示すグラフである。
【図17】図13及び図14に示すフィルタの通過特性
を示す図である。
【図18】本発明の第2の実施例による弾性表面波フィ
ルタの要部平面図である。
【図19】図18に示す第2の実施例による弾性表面波
フィルタの櫛形電極を示す平面図である。
【図20】図18に示す弾性表面波フィルタの特性を示
す図である。
【図21】本発明による弾性表面波フィルタの構造の一
例を示す平面図である。
【図22】図21中のXXII−XXII線に沿う断面図であ
る。
【図23】図21及び図22に示す弾性表面波フィルタ
の回路図である。
【図24】本発明による弾性表面波フィルタの別の構造
例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 水晶基板 2 配線 3 入力端子 4 出力端子 5 直列共振器 6 直列共振器 5A 櫛形電極 6A 櫛形電極 5B イオン注入領域 6B イオン注入領域 7 並列共振器 8 並列共振器 7A 櫛形電極 8A 櫛形電極 9 接地端子 10 接地端子 12 イオン注入熱処理層 14,14-1,14-2,14-3,14-4 弾性表面波入
出力用の櫛形電極 20 弾性表面波の伝播速度測定用試料 21 弾性波フィルタ 31 金属膜 32 金属板 41 水晶基板 42 配線 43 入力端子 44 直列共振器 45 直列共振器の櫛形電極 46 並列共振器 47 並列共振器の櫛形電極 47A 直列共振器の櫛形電極に於けるライン(指) 47B 直列共振器の櫛形電極に於けるスペース 47A 並列共振器の櫛形電極に於けるライン(指) 47B 並列共振器の櫛形電極に於けるスペース L ラインの幅 S スペースの幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 隆志 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 佐藤 良夫 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 米納 和成 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の共振周波数をもった第1の一端子
    対弾性表面波共振器が並列共振器として並列腕に接続さ
    れると共に、前記並列共振器における***振周波数に略
    一致する共振周波数をもつ第2の一端子対弾性表面波共
    振器が直列共振器として直列腕に接続された弾性表面波
    装置において、 弾性表面波装置の圧電結晶材料の表面部分はイオンが注
    入されたイオン注入層を有し、 前記並列共振器と前記直列共振器の少なくとも一方は、
    前記イオン注入層の上に形成されていることを特徴とす
    る弾性表面波装置。
  2. 【請求項2】 前記イオン注入層は、第1及び第2の層
    を含み、 前記並列共振器は該第1の層上に設けられ、前記直列共
    振器は該第2の層上に設けられ、 前記第1の層と第2の層とはイオン注入量又は注入され
    ているイオン種の少なくとも一方が異なることを特徴と
    する請求項1記載の弾性表面波装置。
  3. 【請求項3】 前記イオン注入層は、弾性表面波の波長
    をλw とすると、以下の条件を満足する厚みhion を有
    することを特徴とする請求項1記載の弾性表面波装置 0.07<hion /λw <0.33。
  4. 【請求項4】 所定の共振周波数をもった第1の一端子
    対弾性表面波共振器が並列共振器として並列腕に接続さ
    れると共に前記並列共振器における***振周波数に略一
    致する共振周波数をもつ第2の一端子対弾性表面波共振
    器が直列共振器として直列腕に接続された弾性表面波装
    置において、前記並列共振器の電極指の幅と電極指間の
    スペースの比は、前記直列共振器の電極指の幅と電極間
    のスペースの比とは異なることを特徴とする弾性表面波
    装置。
  5. 【請求項5】 前記弾性表面波装置の圧電結晶材料の表
    面部分はイオンが注入されたイオン注入層を有し、 前記並列共振器と前記直列共振器の少なくとも一方は、
    前記イオン注入層の上に形成されていることを特徴とす
    る請求項4記載の弾性表面波装置。
  6. 【請求項6】 圧電結晶材料上に、入出力用の電極が形
    成された弾性表面波装置において、 前記圧電結晶材料の表面部分はイオン注入されたイオン
    注入層を備え、 前記イオン注入層は、弾性表面波の波長をλw としたと
    きに、以下の条件を満足する厚みhion を有することを
    特徴とする弾性表面波装置 0.07<hion /λw <0.33。
  7. 【請求項7】 前記イオン注入層は、4×1013〜7×
    1013Ar/cm2の注入量で注入されたアルゴンイオ
    ンを含むことを特徴とする請求項1、2、3又は6のい
    ずれか一項記載の弾性表面波装置。
  8. 【請求項8】 前記イオン注入層は、350℃以上の熱
    処理温度でかつ前記圧電結晶材料のキューリー温度以下
    で熱処理された層であることを特徴とする請求項1、
    2、3又は6のいずれか一項記載の弾性表面波装置。
  9. 【請求項9】 所定の共振周波数をもった第1の一端子
    対弾性表面波共振器が並列共振器として並列腕に接続さ
    れると共に、前記並列共振器における***振周波数に略
    一致する共振周波数をもつ第2の一端子対弾性表面波共
    振器が直列共振器として直列腕に接続された弾性表面波
    装置の製造方法において、 前記並列共振器と前記直列共振器の少なくとも一方に関
    し、弾性表面波共振器の下に位置する弾性表面波装置の
    圧電結晶材料の表面部分にイオンを注入して、イオン注
    入層を形成する第1の工程と、 前記並列共振器と前記直列共振器の櫛形電極を前記圧電
    結晶材料の表面部分に形成する第2の工程とを有し、 前記並列共振器と前記直列共振器の少なくとも一方を、
    前記イオン注入層の上に形成することを特徴とする弾性
    表面波装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第1の工程は、異なるイオン注入
    量又は異なるイオン種のイオンが注入された第1及び第
    2の層を形成し、 前記第2の工程は、前記並列共振器の櫛形電極を前記第
    1の層上に設け、前記直列共振器の櫛形電極を前記第2
    の層上に設けることを特徴とする請求項9記載の弾性表
    面波装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第1の工程は、弾性表面波の波長
    をλw とした場合、イオンを注入した表面部分が以下の
    条件を満足する厚みhion となるようにイオンを注入す
    ることを特徴とする請求項9記載の弾性表面波装置の製
    造方法 0.07<hion /λw <0.33。
  12. 【請求項12】 圧電結晶材料上に、入出力用の電極が
    形成された弾性表面波装置の製造方法において、 前記圧電結晶材料の表面部分にイオンを注入して、イオ
    ン注入層を形成する第1の工程と、 前記電極を前記圧電結晶材料の表面部分に形成する第2
    の工程とを有し、 前記第1の工程は、弾性表面波の波長をλw としたとき
    に、以下の条件を満足する厚みhion を有することを特
    徴とする弾性表面波装置の製造方法 0.07<hion /λw <0.33。
  13. 【請求項13】 前記第1の工程は、4×1013〜7×
    1013Ar/cm2の注入量でアルゴンイオンを注入す
    ることを特徴とする請求項9、10、11又は12のい
    ずれか一項記載の弾性表面波装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記製造方法は更に、350゜C以上
    の熱処理温度でかつ前記圧電結晶材料のキューリー温度
    以下で熱処理を行う工程を含むことを特徴とする請求項
    9、10、11、12又は13のいずれか一項記載の弾
    性表面波装置の製造方法。
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