JPH07187314A - 窯業製品の移載装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 瓦素地のパレット移載手段を備えた１台のパ
レット昇降機構により、未乾燥の窯業製品を載置したパ
レットの乾燥台車への積み込みと乾燥済の窯業製品の積
み降ろしの両作業を併せて実施できるようにすることに
ある。 【構成】 乾燥済の窯業製品Ｗがパレット１０と一緒に
乾燥台車１４の各棚に載せられ、乾燥台車１４の側方に
往復移動自在な積み込み手段１８と積み降ろし手段を備
えた積み込み積み降ろし機構２２が設けられてなるも
の。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、成形後の瓦素地、タ
イル、皿、煉瓦などの比較的平らな形態の未乾燥の窯業
製品（以下に特に断りのない限り、単に「瓦素地」と称
する）をパレットに載置させてパレットとともに乾燥台
車に積み込み、乾燥処理後の窯業製品をパレットととも
に乾燥台車から引き出すための窯業製品の移載装置に関
する。

【０００２】とりわけ、粘土瓦などの窯業製品の中規模
生産工場に適した簡易な窯業製品用の移載装置に関す
る。

【０００３】未乾燥の窯業製品の一種である瓦素地を上
下方向に乾燥台車の棚に積み込んで乾燥を行う装置は広
く実施されている。

【０００４】

【従来の技術】この種の装置は、最近では一層合理化が
図られており、例えば特開平５−８８５６号公報に記載
された発明が知られている。

【０００５】この従来例は、吸盤で搬送コンベア上の粘
土瓦を吸引し、吸盤を備えたトロリ−を移動させて搬送
コンベアから、該コンベアと並置された粘土瓦の仮置台
上にまず移載させている。

【０００６】この結果、搬送コンベアが空くので順次粘
土瓦が搬送コンベア上に移送される。したがって、仮置
台と搬送コンベアには粘土瓦が互いに平行に並ぶことに
なる。

【０００７】一方、パレットリフタが一旦、原点（例え
ば最下段）から昇降フレ−ムをパレット台車の任意の位
置例えば最上段の棚の位置まで上昇させ、フォ−クを伸
縮させてパレット台車の棚から１枚の空のパレットを取
り出し、再び昇降フレ−ムを原点の位置（最下段）まで
降下させて待機させている。

【０００８】この状態で、トロリ−を駆動させて仮置台
と搬送コンベア上の粘土瓦を吸盤で吸着し、吸着した粘
土瓦をパレットの原点（最下段）で待機する昇降フレ−
ム上の空のパレットに移載する。

【０００９】この粘土瓦が載置された実パレットは、再
びパレットリフタの昇降フレ−ムの昇降およびフォ−ク
の伸縮動作によって、もとの棚（例えば最上段の棚）に
戻され、パレットリフタは再び他の棚（例えば次段の
棚）から空のパレットを抜き出し、次の粘土瓦を受け取
る準備をする。

【００１０】このようにして、搬送コンベアによって搬
送される粘土瓦は順次パレットに移載されてパレット台
車に積み込まれ、パレット台車の全ての棚に実パレット
が搭載されると、この実パレットが載置された乾燥台車
は乾燥場へ移送され、後続の空の乾燥台車が進入して待
機するものである。

【００１１】かくして、この従来例では、前記の構成を
採用する結果、空のパレットの搬入と瓦を載置した実パ
レットの搬出とを１台の同一台車により行うことがで
き、また、パレット台車から空のパレットの取り出し
と、パレット台車に対する実パレットの積み込みとを、
１台のパレットリフタによって行うことができるから、
タ−ンテ−ブルを必要としない利点のあることのほか、
装置が大型化しないため、粘土瓦の中規模生産工場の自
動化に寄与できるなどの利点がある。

【００１２】しかし、この従来例は、前記した利点を有
するものの、未乾燥の粘土瓦をパレット台車の棚に積み
込むに際して予め、粘土瓦を搬送コンベアと別に設けら
れた粘土瓦用の仮置台に粘土瓦を一旦移したり、仮置さ
れた粘土瓦と搬送コンベアに導入された粘土瓦の位置合
わせをした後に、吸盤を吸引操作して同時にそれらの粘
土瓦を吸着するようにしている。

【００１３】そして、パレットリフタの操作により原点
で待機する空のパレットにその粘土瓦を移載するように
している。

【００１４】したがって、仮置台を別に用意しなければ
ならないという問題のほか、仮置台に一旦粘土瓦を移し
替えるという前処理作業を必要とするので、粘土瓦のパ
レット台車に対する移載時間に無駄を生じていた。

【００１５】その上、この従来例では、未乾燥の粘土瓦
を空のパレットに順次積み込みことについては解決され
ているものの、乾燥済の粘土瓦をパレットから取り出す
という工程については何らの解決手段も開示されること
なく、未解決である。

【００１６】

【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
とする問題点は、従来の装置がパレット台車から乾燥済
の瓦素地を載置させたパレットの取り出しと未乾燥の瓦
素地を載置した実パレットのパレット台車への積み込み
とを行うに際して、１台の同一台車により同時に前記し
た二つの作業を行うことができない点のほか、パレット
台車から空のパレットの積み降ろし作業と、パレット台
車に対する実パレットの積み込み作業とを、従来例が１
台のパレットリフタによって可能にしつつも、搬送コン
ベアから供給された未乾燥の粘土瓦を一旦仮置台に載
せ、その後仮置台上の未乾燥の粘土瓦を搬送コンベア上
の未乾燥の粘土瓦と併せ位置合わせなどの前処理を施し
た後に、これらの未乾燥の粘土瓦を空のパレットへ移送
するようにしているから、粘土瓦のパレット台車に対す
る移載時間が徒に長くなり、無駄を生じていた点などで
ある。

【００１７】

【課題を解決するための手段】この発明の基本的構成
は、上下方向に多数の棚が設けられ、かつこれらの棚上
にパレットとともに乾燥済の窯業製品が載置された乾燥
台車が走行経路に移動自在に配設され、乾燥台車の走行
経路の側方に昇降自在なパレット移載手段を備えたパレ
ット昇降機構が設けられ、パレット昇降機構の一側に窯
業製品搬入コンベアが、その他側に窯業製品搬出コンベ
アが設けられ、乾燥台車の走行経路と平行に往復移動自
在な積み込み手段と積み降ろし手段を備えてなる積み込
み積み降ろし機構が窯業製品搬入コンベアと窯業製品搬
出コンベアに亘って設けられてなることを最も主要な特
徴とする。

【００１８】そして、前記の窯業製品の移載装置におい
て、乾燥台車内のパレットのパレット昇降機構側に係止
部が設けられるとともに、パレット昇降機構の乾燥台車
側にパレットの係止部に係止されるパレット出入手段が
乾燥台車側に対して前後方向に移動自在に設けられてな
ることをものについても言及されている。

【００１９】この発明は、窯業製品のパレット台車に対
する移載と乾燥済の窯業製品の取り出し作業を１台のパ
レット昇降機構により行うようにし、かつその作業時間
の短縮化を図り、無駄な時間の省略化を図るなどという
目的を、最小限の機構を採用することにより実現したも
のである。

【００２０】

【作用】乾燥済の窯業製品が載せられたパレットが乾燥
台車の各棚に載置され、これらの棚のうちの任意の棚の
位置までパレット昇降機構を上昇させる。

【００２１】そこで、パレット移載手段を作動させ、乾
燥済の窯業製品が載置された実パレット（この明細書で
は用語「実パレット」とは空のパレットに対する反対語
であり、瓦素地が載置されたものを指称している）を窯
業製品とともに乾燥台車外へ積み降ろす。

【００２２】パレット昇降機構を作動させることによ
り、その実パレットを積み込み積み降ろし機構の積み降
ろし手段の待機位置まで降下させるとともにパレットを
その待機位置に停止させる一方、該積み降ろし手段によ
り窯業製品を保持させ、積み降ろし手段を作動させるこ
とにより、窯業製品をパレット昇降機構の位置から次工
程側へ移送させる。

【００２３】そこで、停止したパレット昇降機構の空の
パレットに未乾燥の窯業製品を積み込み積み降ろし機構
の積み込み手段を介して載置させ、窯業製品が載置され
たパレットを空となった乾燥台車の任意の棚の位置まで
パレット昇降機構を作動させて上昇させる。

【００２４】そして、窯業製品を載置させたパレットを
パレット移載手段の作動により空の棚上に積み込む。

【００２５】かくして、乾燥台車の任意の棚に載置され
ていた乾燥済の窯業製品と未乾燥の窯業製品の交換が実
施されることになる。

【００２６】

【実施例】以下に添付図面を参照してこの発明の詳細を
説明する。図１は、乾燥炉を断面により表した側面図、
図２は乾燥炉の開口部を開放させた状態により表した正
面図、図３は乾燥炉の一部を破断して表した平面図、図
４は要部の拡大側面図、図５はパレット出入手段の一部
拡大斜視図である。

【００２７】この発明の実施例は、瓦素地、タイル、皿
や煉瓦などの特に平らな形態の窯業製品を成形後乾燥さ
せ、その後乾燥させた窯業製品を次工程へ移送するまで
の工程に必要な装置である。実施例の窯業製品として瓦
素地Ｗが例示されている。

【００２８】まず、図面を参照してこの発明の概略を説
明すると、乾燥済の瓦素地Ｗが載置されたパレット１０
を各棚１２に搭載した乾燥台車１４、乾燥台車１４の側
方に未乾燥の瓦素地Ｗを後述するパレット昇降機構２４
側へ搬入するための積み込み手段１８と乾燥後の瓦素地
Ｗをパレット昇降機構２４から次工程側へ搬出するため
の積み降ろし手段２０を備えた積み込み積み降ろし機構
１６、そして乾燥台車１４からパレット１０を取り出し
たり、積み込んだりするためのパレット移載手段２２が
備えられた昇降自在なパレット昇降機構２４などからな
る。

【００２９】そこで、以下に前記した各構成について説
明する。 〔パレット１０について〕一般的に知られている構成と
大きな変化はなく、瓦素地Ｗを平置き状態で載置できる
ように瓦素地Ｗの裏面の弯曲形態に対応した弯曲面によ
る載置部２６（図４を参照）が備えられてなるものであ
る。しかし、この発明のパレット１０は後述の説明によ
り一層明確になるが、乾燥台車１４の棚１２からパレッ
ト１０を引き出したり、押し込んだりするためにその作
業の確実性を図ることができるように工夫が凝らされて
いる。

【００３０】パレット１０を棚１２上へ積み込んだ際の
パレット昇降機構２４側において、パレット１０の端部
の下面に凹部などによる係止部２８が設けられている
（図４を参照）。この係止部２８は、後述するパレット
昇降機構２４が備えているパレット出入手段３０の係止
片７０と係止され、パレット１０の積み込み時と引き出
し時に作用するものである（図４、図５を参照）。

【００３１】〔乾燥台車１４について〕従来から知られ
ているものであり、枠状の本体部分に上下方向にパレッ
ト１０を載置するための棚１２が多数水平方向に設けら
れ、送風フアン８２を備えた乾燥炉３２内の走行経路に
おいて循環走行できるようにするため、底側に車輪３４
が装着されている。

【００３２】なお、この発明は、発明の構成上乾燥台車
１４の各棚１２上には乾燥炉３２により乾燥された瓦素
地Ｗがパレット１０とともに載置されていることを要件
とする。

【００３３】〔パレット昇降機構２４について〕パレッ
ト昇降機構２４は乾燥台車１４の棚１２から乾燥済の瓦
素地Ｗが載置されたパレット１０を積み降ろしたり、未
乾燥の瓦素地Ｗが載置されたパレット１０を乾燥台車１
４の棚１２へ積み込んだりするためのパレット移載手段
２２を備えた昇降自在なものである。

【００３４】乾燥台車１４の走行経路の傍らであって、
前記した積み込み積み降ろし機構１６と乾燥炉３２との
間に設けられた積み込み積み降ろし機構１６の長手方向
の中央付近に位置する。さらにいえば、開閉扉（図示せ
ず）を備えた乾燥炉３２の開口部５８の正面側に位置さ
れている。

【００３５】パレット昇降機構２４を昇降自在に支持す
るために支柱５９が垂設されている。支柱５９には一対
のア−ム６６を備えた昇降体６３が昇降自在に載置され
ており、昇降体６３の昇降作用は支柱５９の頂部に設け
られた駆動モ−タ６１により行われる。この場合、昇降
体６３の上下方向の正確な位置決めを行うために駆動モ
−タ６１としてサ−ボモ−タを採用することによりその
制御を行うことが望ましい。

【００３６】また、支柱５９に設けられた図示しないボ
−ルねじに昇降体６３の一部が嵌装され、駆動モ−タ６
１の回転力がボ−ルねじに伝達され、ボ−ルねじが回転
することにより昇降体６３の昇降が行われる。昇降体６
３にはチエ−ン６０の一端が取付けられ、チエ−ン６０
の他端は支柱５９内の昇降体６３の昇降を円滑に行うた
めの図示しないウエイトバランサに連結されている。

【００３７】次にパレット移載手段２２について説明す
ると、一対のア−ム６６を備えた昇降体６３は側面から
見て略Ｌ字形であるが（図１を参照）、ア−ム６６の上
面には図４、図５に示されるように、パレット１０を載
せて乾燥台車１４の棚１２上へ積み込んだり、パレット
１０をその棚１２から積み降ろしたりできるようにする
ために歯車６２に掛装された無端チエ−ン６４がア−ム
６６内に設けられている。図５ではこのア−ム６６など
は片側のみ示されているが、昇降体６３のア−ム６６は
図面上左右に一対設けられており、両側のア−ム６６内
に無端チエ−ン６４が設けられている。

【００３８】この無端チエ−ン６４は該チエ−ン６４上
にパレット１０を載せて乾燥台車１４の棚１２へパレッ
ト１０を積み込み、あるいは棚１２からパレット１０を
積み降ろしすることができるようア−ム６６の支柱５９
側に設けられた駆動モ−タ６５により前後方向に往復運
動するように設けられている。

【００３９】さらに、両側のア−ム６６の内側にはエア
シリンダ７２が細長く設けられ、このエアシリンダ７２
の摺動片６８に前後に作動するパレット出入手段３０が
設けられている。

【００４０】パレット出入手段３０の先端（乾燥台車１
４側）には凸状の係止片７０が設けられており、この係
止片７０は前記したパレット１０に設けられた凹状の係
止部２８に対応された形態に設けられており、係止部２
８とパレット出入手段３０の係止片７０が係止されるこ
とにより、パレット１０を乾燥台車１４の棚１２上に確
実に積み込んだり、引き出したりするに際して機能する
ものである。

【００４１】パレット出入手段３０は、エアシリンダ７
２、８０、取付ベ−ス７４やガイド７６などからなり、
取付ベ−ス７４の先端に係止片７０が設けられている。
ガイド７６はエアシリンダ７２の摺動体６８に取付けら
れた摺動ベ−ス８４の前後に設けられ、摺動ベ−ス８４
の中央付近には昇降用の別のエアシリンダ８０が取付け
られ、エアシリンダ８０の摺動体７８に取付ベ−ス７４
が取付けられている。

【００４２】そして、摺動ベ−ス８４は、エアシリンダ
７２の伸縮によりア−ム６６の長手方向に沿って前後に
往復移動するように設けられている。

【００４３】先に述べたエアシリンダ８０は、パレット
出入手段３０の係止片７０がパレット１０の係止部２８
に対して係止し易く、また反対に係止状態を解除し易く
する目的のものである。

【００４４】つまり、パレット１０の係止部２８に対し
てパレット出入手段３０の係止片７０を係合させる場合
には、エアシリンダ８０を作動させてパレット出入手段
３０を僅かに降下させ、係止片７０が係止部２８の対応
位置に達した際にパレット出入手段３０の係止片７０を
若干上昇させることより、両者２８、３０は確実に係止
するように意図されている。

【００４５】他方、パレット１０の係止部２８とパレッ
ト出入手段３０の係止片７０が係止している場合に、係
止状態を解除するにはパレット出入手段３０を僅かに降
下させることより、両者２８、３０の係止状態が確実に
解除するように意図されている。

【００４６】また、パレット昇降機構１４の一側には窯
業製品搬入コンベア５４が、その他側には搬出用コンベ
ア５６が設けられている。

【００４７】〔積み込み積み降ろし機構１６について〕
未乾燥の瓦素地Ｗを後述するパレット昇降機構２４側へ
搬入するための積み込み手段１８と乾燥後の瓦素地Ｗを
パレット昇降機構２４から次工程側へ搬出するための積
み降ろし手段２０を備えた積み込み積み降ろし機構１６
について説明する。

【００４８】この積み込み積み降ろし機構１６は、窯業
製品搬入コンベア５４と窯業製品搬出コンベア５６に亘
って設けられている。

【００４９】積み込み積み降ろし機構１６は図２を参照
して明らかなように乾燥台車１４の走行経路と平行に往
復移動自在な積み込み手段１８と積み降ろし手段２０を
備えている。しかし、積み込み手段１８と積み降ろし手
段２０は、設置位置の相違があるものの、その構成は同
一であるから、積み込み手段１８について説明し、積み
降ろし手段２０の構成は積み込み手段１８の説明を援用
し、省略する。

【００５０】乾燥台車１４の走行経路と平行に枠体が設
けられ、この上面には後述する積み込み手段１８と積み
降ろし手段２０が乾燥台車１４の走行経路と平行に往復
移動できるようにレ−ル４２が設けられている。

【００５１】積み込み手段１８について説明すると積み
込み手段１８はレ−ル４２上を走行する走行体３８、走
行体３８から垂下されている垂下体３６、垂下体３６の
下方に設けられ、把持具５２を備えた支持板５０、支持
板５０を一定範囲昇降させるための駆動モ−タ４６およ
び昇降手段４７、昇降杆４８から構成される。

【００５２】走行体３８は車輪４０が回転自在に設けら
れ、車輪４０は乾燥炉３２の長手方向に沿って設けられ
たレ−ル４２上に支承されている。

【００５３】したがって、この走行体３８は乾燥炉３２
内の走行経路に沿って往復移動自在である。走行体３８
の往復移動の駆動源として走行体３８の傍らには走行用
モ−タ３９が搭載されている。

【００５４】走行体３８の下面には垂下体３６が懸架さ
れており、垂下体３６の下方には基台４４が横架されて
おり、この基台４４にはモ−タ４６が搭載され、モ−タ
４６には昇降機構４７が装着され、昇降機構４７の下方
端はその下方の支持板５０に固定されている。そして支
持板５０には一対の昇降杆４８が設けられている。

【００５５】前記の支持板５０には当業界で周知のいわ
ゆる吸盤などの多数個からなる把持具５２が垂設されて
いるが、未乾燥の瓦素地Ｗを把持するものであることは
知られるとおりである。この実施例では一度に２列１２
枚の瓦素地Ｗを吸着することが可能な把持具５２となっ
ているが、把持する瓦素地Ｗの枚数を制限するものでな
いことはいうまでもない。

【００５６】したがって、前記したモ−タ４６の駆動に
より昇降手段４７が揺動され、その結果、支持板５０は
僅かながら上下に昇降することになり、把持具５２が昇
降することになる。

【００５７】把持具５２が降下することにより、積み込
み積み降ろし機構１６の一側に乾燥炉３２と直角方向に
向けて設けられた窯業製品搬入コンベア５４に搬送され
てくる未乾燥の瓦素地Ｗを把持し、多少上昇することに
より瓦素地Ｗを上昇できるようにしてある。

【００５８】以上のように構成される積み込み手段１８
は、窯業製品搬入コンベア５４の駆動に対応させて窯業
製品搬入コンベア５４とパレット昇降機構２４側に引き
出されたパレット１０に亘って往復移動されるように設
けられている。つまり、未乾燥の瓦素地Ｗが窯業製品搬
入コンベア５４に搬送され、積み込み手段１８の位置に
達するとその窯業製品搬入コンベア５４の駆動が停止さ
れる。

【００５９】他方、そのとき、窯業製品搬入コンベア５
４上で待機していた積み込み手段１８は把持具５２を瓦
素地Ｗに向けて降下させ、瓦素地Ｗを把持する。積み込
み手段１８が瓦素地Ｗを把持した後、把持具５２を上昇
させ、積み込み手段１８はパレット昇降機構２４側へ移
動する。そして、積み込み手段１８の移動後、窯業製品
搬入コンベア５４は駆動され、再び瓦素地Ｗの搬送を行
うことになる。

【００６０】なお、前記したとおり、積み降ろし手段２
０は乾燥後の瓦素地Ｗを次工程へ移送させるため窯業製
品搬出コンベア５６側に設けられているが、その構成は
積み込み手段１８の構成と基本的に同一である。前記し
た窯業製品搬出コンベア５６は窯業製品搬入コンベア５
４と同様に積み込み積み降ろし機構１６の他側において
乾燥炉３２に対して直角方向に配設されており、搬出コ
ンベア５６上に載置された乾燥済の瓦素地Ｗは順次次工
程に向けて送られるものである。

【００６１】この発明の実施例は、乾燥台車１４が乾燥
炉３２内の走行経路上を循環移動する場合であって、瓦
素地Ｗを乾燥炉３２内の乾燥台車１４に直接積み込んだ
り、積み降ろしたりする例について説明したが、もちろ
ん、乾燥炉３２内の乾燥台車１４に直接瓦素地Ｗを積み
込んだり、あるいは乾燥台車１４から直接瓦素地Ｗを積
み降ろしたりすることに制限する趣旨ではない。

【００６２】発明者は、乾燥炉３２外の乾燥台車１４に
未乾燥の瓦素地Ｗをパレット１０とともに載置させ、走
行経路を通じて図示していない乾燥炉内に乾燥台車１４
を搬入することや、乾燥後の瓦素地Ｗを乾燥炉から乾燥
台車１４とともに搬出させ、乾燥炉外で乾燥台車１４の
棚１２からパレット１０とともに積み降ろすことも予定
している。

【００６３】

【実施例の作用】乾燥された瓦素地Ｗがパレット１０上
に載せられ、そのパレット１０は乾燥台車１４の各棚１
２に載置されている。パレット移載手段２２を備えたパ
レット昇降機構２４を乾燥台車１４の例えば最上段の棚
１２の位置まで上昇させる。

【００６４】そこで、パレット移載手段２２を作動さ
せ、乾燥済の瓦素地Ｗが載置された実パレット１０を瓦
素地Ｗとともに乾燥台車１４外へ積み降ろす（結果的に
乾燥台車１４の例えば最上段の棚１２は空となる）。こ
の場合、実パレット１０の積み降ろし作業は、昇降体６
３のア−ム６６に設けられたパレット出入手段３０と乾
燥台車１４に設けられた係止部２８を係止させることと
パレット移載手段２２の作動とにより、その作業が達成
される。

【００６５】そして、さらにパレット昇降機構２４を作
動させることにより、その実パレット１０を把持具５２
を備えた積み降ろし手段２０の待機位置まで降下させる
とともにパレット１０をその待機位置に停止させる一
方、把持具５２により瓦素地Ｗを保持させ、積み降ろし
手段２０を作動させることにより、２列１２枚の瓦素地
Ｗをパレット昇降機構２４の位置から次工程側へ移送さ
せる。そして、２列１２枚分が空となったパレット１０
は例えば乾燥台車１４の最下段の棚１２の位置に対応し
ているパレット昇降機構２４の下位にそのまま停止して
いることとなる。

【００６６】そこで、停止状態でパレット昇降機構２４
上のパレット１０の空の２列分に未乾燥の瓦素地Ｗ１２
枚を積み込み手段１８の把持具５２を介して載置させ、
この作動が反復されて、パレット１０上の乾燥済の瓦素
地Ｗが次工程側へ移載され、未乾燥の瓦素地Ｗがパレッ
ト１０に載置される。そして、瓦素地Ｗが載置されたパ
レット１０を空となった乾燥台車１４の最上段の棚１２
の位置までパレット昇降機構２４を作動させて上昇させ
る。

【００６７】そして、瓦素地Ｗを載置させたパレット１
０をパレット移載手段２２の作動により空の棚１２上に
積み込む。

【００６８】パレット１０を棚１２の奥まで押し込むよ
うにし、積み込み作業の確実性を図る場合は、昇降体６
３のア−ム６６に設けられたパレット出入手段３０を乾
燥台車１４に設けられた係止部２８に係止させることに
より一層その作業の確実性が達成される。

【００６９】かくして、乾燥台車１４の最上段の棚１２
に載置されていた乾燥済の瓦素地Ｗと未乾燥の瓦素地Ｗ
の交換が実施されることになる。

【００７０】続いて、乾燥台車１４の上から例えば第二
段目の棚１２に載置されている乾燥済の瓦素地Ｗを積み
降ろす一方、未乾燥の瓦素地Ｗをその棚１２上に積み込
む作用は、前記した最上段の棚１２についての作用と同
じである。

【００７１】つまり、最上段の棚１２の位置から第二段
目の棚１２の位置までパレット昇降機構２４を移動さ
せ、パレット移載手段２２の作動により第二段目の棚１
２に載置されているパレット１０を乾燥済の瓦素地Ｗと
ともに積み降ろし、パレット昇降機構２４を原位置まで
降下させる。

【００７２】そして、パレット１０上の２列１２枚の瓦
素地Ｗを積み降ろし手段２０により保持させて次工程へ
瓦素地Ｗを移送させる。

【００７３】もちろん、パレット昇降機構２４には第二
段目の棚１２に載置されていたパレット１０が２列１２
枚分空の状態で待機している。

【００７４】そこで、前記した要領により２列１２枚分
の未乾燥の瓦素地Ｗを積み込み手段１８によりパレット
１０上に載置させ、その後、積み込み手段１８、積み降
ろし手段２０を交互に作動させ、パレット１０上から乾
燥済の瓦素地Ｗを積み降ろすと同時に未乾燥の瓦素地Ｗ
をパレット１０上に載置する。引き続き、パレット昇降
機構２４を上昇させ、パレット移載手段２２を作動させ
て第二段目の棚１２上にそのパレット１０を瓦素地Ｗと
ともに載置させる。

【００７５】以下前記した順序を反復継続することによ
り、最上段の棚１２から最下段の棚１２までの瓦素地Ｗ
の積み降ろしと未乾燥の瓦素地Ｗの積み込みが完了す
る。以上の次第であるから、従来に比較して瓦素地Ｗの
積み込みや積み降ろしに必要な制御機構を半減できるの
で、中規模生産工場の設備に適するように移載装置の簡
素化を図ることが可能である。

【００７６】その上、パレット昇降機構１４の両側に往
復移動自在な積み込み手段１８と積み降ろし手段２０が
設けられているから、未乾燥の瓦素地Ｗを直接パレット
昇降機構１４へ、乾燥済の瓦素地Ｗを次工程側へ移載で
きるので、１台のパレット昇降機構１４に基づく瓦素地
Ｗの移載装置であるものの、従来例に比較して移載時間
を短縮できる利益ががある。

【００７７】

【発明の効果】この発明は、上記の構成であるから、以
下の利点を奏する。乾燥済の窯業製品を乾燥台車の棚か
らパレットとともに積み降ろし、そのパレットを停止さ
せたまま、パレット上の窯業製品を次工程へ移送する一
方、空になったパレット上に前工程から供給される未乾
燥の窯業製品を載置させた上、乾燥台車の空の棚へその
パレットを積み込むようにしてなるから、パレット移載
手段を備えた１台のパレット昇降機構だけで、パレット
の乾燥台車に対する積み込みと積み降ろし作業を実施で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】乾燥炉を断面により表した側面図である。

【図２】乾燥炉の開口部を開放させた状態による正面図
である。

【図３】乾燥炉の一部を破断して表した平面図である。

【図４】要部の拡大側面図である。

【図５】パレット移載手段の一部拡大斜視図である。

【符号の説明】

１０ パレット １２ 乾燥台車の棚 １４ 乾燥台車 １８ 積み込み手段 ２０ 積み降ろし手段 ２２ パレット移載手段 ２４ パレット昇降機構 ２８ 係止部 ３０ パレット出入手段 Ｗ 瓦素地

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ６５Ｇ 47/90 Ａ 7716−3Ｆ 65/08

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下方向に多数の棚が設けられ、かつこ
   れらの棚上にパレットとともに乾燥済の窯業製品が載置
   された乾燥台車が走行経路に移動自在に配設され、 乾燥台車の走行経路の側方に昇降自在なパレット移載手
   段を備えたパレット昇降機構が設けられ、 パレット昇降機構の一側に窯業製品搬入コンベアが、そ
   の他側に窯業製品搬出コンベアが設けられ、 乾燥台車の走行経路と平行に往復移動自在な積み込み手
   段と積み降ろし手段を備えてなる積み込み積み降ろし機
   構が窯業製品搬入コンベアと窯業製品搬出コンベアに亘
   って設けられてなることを特徴とする窯業製品の移載装
   置。
2. 【請求項２】 乾燥台車内のパレットのパレット昇降機
   構側に係止部が設けられるとともに、パレット昇降機構
   の乾燥台車側にパレットの係止部に係止されるパレット
   出入手段が乾燥台車側に対して前後方向に移動自在に設
   けられてなることを特徴とする請求項１記載の窯業製品
   の移載装置。