JPH0718307U - 車両用灯具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 灯具ボディに電球取付穴や通気孔を有する灯
具において、電球からの光の反射効率を高めて配光特性
を高め、かつ灯具の見栄えを改善し、しかも薄型化を可
能にする。 【構成】 灯具ボディ１の内面の少なくとも一部を有効
反射面１７として構成し、この有効反射面１７以外の灯
具ボディの周面壁１１〜１４に、電球ソケット３の取付
穴１８と通気孔１９を開設する。これにより、有効反射
面１７の面積を全て反射面として利用でき、電球４から
の光の反射効率を高め、かつレンズ２を通して電球ソケ
ット３や通気孔１９が観察されることを防止して見栄え
を改善する。更に、電球ソケット３や通気孔１９の筒部
２０が灯具ボディ１の背面側に突出されることを防止し
て灯具の薄型化を図る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は車両用灯具に関し、特に小型化、薄型化を図った車両用灯具に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

従来の一般的な車両用灯具を図４に示す。同図は平面方向の断面図であり、樹 脂成形された灯具ボディ１０１は矩形枠状の周面壁１１１と、この周面壁の後ろ 側に一体形成された放物面形状の背面壁１１２とで構成される。そして、灯具ボ ディ１０１の内面にアルミニウム等を塗布して反射面を構成するとともに、前記 背面壁１１２に開口を設け、これを電球の取付穴１１３として電球ソケット１０ ３を嵌合させ、この電球ソケット１０３により灯具ボディ１０１内に電球１０４ を配置する。また、灯具ボディ１０１の正面開口には透明樹脂で構成したレンズ １０２を一体的に固着する。更に、灯具ボディ１０１には灯具の内外の通気を行 い、灯具内部での結露等を防止するために通気孔１１４が開設される。通常、こ の通気孔１１４は灯具ボディの外側に向けて筒状に形成され、この筒状部にカバ ーチューブ１１５が被せられる。

【０００３】 このような従来の車両用灯具では、灯具ボディを樹脂成形により形成している が、その際における金型の構造を可及的に簡易な構成とし、かつ金型の離型動作 を容易なものとするためにして、電球の取付穴１１３や通気孔１１４を金型の離 型方向に向けて形成している。このため、図４に示した構造では、金型を灯具の 前後方向（矢印Ｙ方向）に向けて離型するように構成しており、このため灯具ボ ディ１０１の背面壁１１２に電球取付穴１１３や通気孔１１４を配置した構成と されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、このような構成の灯具を角形に構成する場合には、その灯具ボディ の４つの周面壁１１１は矩形の枠状とされるため、所要の配光特性を得るために は放物面状に形成された背面壁１１２の内面を有効反射面１１６として構成する 必要がある。このため、図４に示した灯具では、この有効反射面１１６に電球取 付穴１１３や通気孔１１４が配置されることになり、有効反射面１１６の面積が その分低減され、電球１０４から射出される光の反射効率が低下され、配光特性 の点で不利になるという問題がある。

【０００５】 また、このような灯具を正面外部から観察したときには、有効反射面１１６に 設けた電球取付穴１１３に嵌合した電球ソケット１０３や通気孔１１４が前面の レンズ１０２を通して観察され、これらが黒い影となって見えるため、灯具の見 栄えを低下させることにもなる。 更に、灯具ボディ１０１の背面に電球ソケット１０３や通気孔１１４の筒部や カバーチューブ１１５が突出されるため、灯具の薄型化を図る上では不利となる 。 本考案の目的は、反射効率を高めて配光特性を改善するとともに、灯具の見栄 えを改善し、かつ薄型化を可能にした灯具を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、灯具ボディに設けた有効反射面以外の箇所に、電球の取付穴と通気 孔を配設した構成とする。

【０００７】

【実施例】

次に、本考案について図面を参照して説明する。図１は本考案の一実施例の部 分分解斜視図、図２（ａ）及び（ｂ）はその正面図及び左側面図、図３（ａ）及 び（ｂ）は図２（ａ）のＡ−Ａ線、Ｂ−Ｂ線断面図である。この実施例では自動 車の右側のバックアップランプに本考案を適用した例を示しており、灯具ボディ １は正面形状が略正方形の矩形状に形成されており、方形枠状に形成された上下 、左右の周面壁１１〜１４の正面側に矩形の正面開口１５が構成され、また前記 各周面壁１１〜１４の背面側には背面壁１６が一体形成され、これらは樹脂によ り一体成形される。前記背面壁１６は中心が幾分左側に偏移された放物面形状と なるように形成されており、この背面壁１６と前記周面壁１１〜１４の内面には アルミニウム等を塗装することで、これらの壁面の内面を反射面として構成して いる。この場合、前記背面壁１６の内面は放物面形状に形成されているために、 この内面部分は特には有効反射面１７として構成されることになる。

【０００８】 また、前記有効反射面１７を除く周面壁１１〜１４の一部、この実施例では下 面壁１２に円形の開口部を形成し、この開口部を電球取付穴１８として構成して いる。この電球取付穴１８は開口周縁の複数箇所に周知のバヨネット溝１８ａが 形成されている。 更に、他の周面壁、この実施例では左側の周面壁１３に細孔を設け、これを通 気孔１９として構成している。この通気孔１９の灯具ボディ１の外面には筒部２ ０が一体に形成され、かつこの筒部２０にはカバーチューブ２１が嵌合できるよ うになっている。更に、前記筒部２０の下側部と上側部には底板２２と屋根板２ ３が筒部２０を包囲するように突設される。 また、前記灯具ボディ１の正面開口１５の周縁には全長にわたってシール溝２ ４が形成され、灯具ボディ１の正面方向に向けて開溝されている。 なお、灯具ボディ１の正面からみて右上縁部と左下縁部には、それぞれ灯具ボ ディを自動車の車体パネルに固定するためのブラケット２５が一体に設けられて いる。

【０００９】 そして、前記灯具ボディ１の正面開口１５を覆うように白色透明樹脂からなる レンズ２が被せられ、レンズ２の周縁に沿って一体に設けたシール脚２ａを前記 シール溝２４に内挿し、シール溝２４に充填したシール剤２６によりシール脚２ ａを固定し、灯具ボディ１にその正面開口１５を封止した状態で前記レンズ２を 固定している。このレンズ２の内面の一部には図示を省略するが所要のレンズス テップが形成されていることは言うまでもない。 また、前記電球取付穴１８には、周面に複数のバヨネット片３ａを一体に形成 したバヨネット構造の電球ソケット３が嵌合でき、この電球ソケット３により電 球４を前記灯具ボディ１の内部に配置している。電球ソケット３には図外の電源 に接続されるコードが接続されるものであることは勿論である。

【００１０】 したがって、このバックアップランプによれば、電球ソケット３に支持された 電球４から射出される光は、一部はそのままレンズ２を透して外部に照射され、 他の一部は灯具ボディ１の周面壁１１〜１４や背面壁１６の内面で構成される反 射面で反射された上でレンズ２を透して外部に照射される。このとき、バックア ップランプの光軸及びその近傍の方向には、主に背面壁１６の内面、即ち有効反 射面１７で反射された光が照射されることになるが、この有効反射面１７には電 球取付穴１８や通気孔１９が存在していないため、有効反射面１７の全面積を灯 具の正面開口１５の面積に相当する面積に設定でき、電球から射出される光の反 射効率を高め、小型でありながら輝度の高い灯具としてその配光特性を改善する ことができる。

【００１１】 また、非点灯時等に灯具を正面側から見た場合には、白色透明なレンズ２を通 してランプの内部が観察されるが、このときレンズ２を通して観察される有効反 射面１７には電球ソケット３や通気孔１９が存在していないため、これら電球ソ ケットや通気孔等が黒い影となって観察されることはなく、ランプの見栄えが低 下されることはない。 一方、電球ソケット３や通気孔１９の筒部２０は、周面壁１２，１３に設けら れているため、これらが灯具ボディ１の側部や下部等に突出されても、灯具ボデ ィ１の背面方向に突出されることはないため、灯具ボディ、即ちランプの前後寸 法を低減することが可能となり、ランプの薄型化を図ることができる。

【００１２】 なお、電球取付穴１８や通気孔１９を周面壁１２，１３に配設することで、灯 具ボディ１を成形する金型の離型方向（図３（ａ）及び（ｂ）に矢印Ｘで示す） に対して直角方向に開口を形成することになるが、この離型方向と直交する方向 に移動されるスライダ機構を金型に設けることで、このような電球取付穴１８や 通気孔１９を有する灯具ボディ１を成形することは可能である。 ここで、前記実施例では本考案をバックアップランプに適用した例を示してい るが、電球の寸法に比較して十分大きな有効反射面を確保することができないよ うな小型の灯具ボディで構成される灯具であれば、同様に適用することは可能で ある。 また、電球取付穴や通気孔は、有効反射面以外の面であれば、前記実施例に示 した周面壁以外の周面壁に配設することも可能である。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、灯具ボディの有効反射面以外の箇所に、電球の 取付穴と通気孔を配設しているので、有効反射面の面積が電球取付穴や通気孔に よって低減されることはなく、電球からの光の反射効率を高め、優れた配光特性 を得ることが可能となる。 また、有効反射面を灯具ボディの背面壁の内面に形成している場合に、電球取 付穴や通気孔を周面壁に設けることにより、これらの穴や孔が灯具の外部から観 察され難くなり、灯具の外観上の見栄えを改善する。 更に、電球取付穴や通気孔を灯具ボディの背面壁には設けないことで、灯具の 前後方向の寸法を低減して薄型化が実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を自動車のバックアップランプに適用し
た実施例の部分分解斜視図である。

【図２】図１のランプの正面図と左側面図である。

【図３】図２（ａ）のＡ−Ａ線，Ｂ−Ｂ線に沿う断面図
である。

【図４】従来の灯具の一例の平面断面図である。

【符号の説明】

１ 灯具ボディ ２ レンズ ３ 電球の電球ソケット ４ 電球 １１〜１４ 周面壁 １６ 背面壁 １７ 有効反射面 １８ 電球取付穴 １９ 通気孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内面の少なくとも一部を有効反射面とし
   て形成した灯具ボディと、この灯具ボディ内に配設され
   る電球と、前記灯具ボディの正面開口に取着されるレン
   ズとを備え、前記灯具ボディの有効反射面以外の箇所に
   前記電球の取付穴と、灯具ボディの内外を通気させるた
   めの通気孔を配設したことを特徴とする車両用灯具。