JPH0717943A - タウリンの精製法 - Google Patents

タウリンの精製法

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JPH0717943A
JPH0717943A JP5164394A JP16439493A JPH0717943A JP H0717943 A JPH0717943 A JP H0717943A JP 5164394 A JP5164394 A JP 5164394A JP 16439493 A JP16439493 A JP 16439493A JP H0717943 A JPH0717943 A JP H0717943A
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JP
Japan
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taurine
crystals
alcohol
crystallization
sodium sulfite
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JP5164394A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Ito
伊藤  潔
Nobuhiro Fukuhara
信裕 福原
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 製造工程を通して得られたタウリンを精製す
るにあたり、晶析により析出させた結晶を晶析母液から
分離した後に、その結晶を塩酸を含むアルコール水溶液
で処理する方法、及び引き続いて塩酸を含まないアルコ
ール水溶液で処理するタウリンの精製法。 【効果】 副生する高濃度の中性塩を効率よく分離し、
高収率・低コストでタウリンの精製ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タウリン(2−アミノ
エチルスルホン酸)の精製法に関する。詳細には、有機
合成法に基づき製造されたタウリンと副成する中性塩を
含有する溶液(以下、単に反応液と呼ぶ)からのタウリ
ンの精製法に関する。さらに詳細には、中性塩を効率よ
く除去しつつ、高収率でタウリンを得る精製法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】タウリンは、肝臓疾患治療薬・解毒剤・
抗けいれん薬等の薬剤や食品添加物としての用途が広く
知られている。
【0003】タウリンの製法としては、水産物等の天然
物からの抽出や複数の有機合成法が既に知られている
が、上述の用途に供するためには、タウリンを高純度に
精製しなければならない。また、工業的にはタウリンを
高収率で精製することが、コスト面からは重要である。
【0004】天然物を原料とする場合は、不特定多数の
不純物が大量に混在しているので精製が非効率的となる
上に、原料とする天然物中のタウリン含量は多くても
1.0%程度であるので、容積効率が悪いという欠点が
存在する。
【0005】有機合成法により製造する場合は、反応液
のタウリン濃度は約20重量部(以下w%と略記)にま
で達するので容積効率は良好であるが、タウリン合成に
際して中性塩が副成するため、電気透析処理やイオン交
換樹脂処理等が必要となり、コストに占めるこれらの処
理費用の割合が大きくなる。
【0006】有機合成法については、従来より数種類の
方法が知られているが、工業的に有用で、かつ、タウリ
ンの生成と同時に中性塩が副成する反応としては、特に
以下の反応を代表例として挙げることができる。 イ) 2−クロルエチルアミン塩酸塩と亜硫酸ナトリウ
ムを反応させて製造する方法(Ind.Eng.Che
m.,Vol.39,1947、特公昭63−4825
8)。 ロ) 2−アミノエタノール硫酸エステルと亜硫酸ナト
リウムを反応させて製造する方法(J.Chem.So
c.,Vol.4,1943、特公平4−1046
7)。
【0007】上記のイ)、ロ)いずれの反応法でも、通
常は生成するタウリンに対して過剰モル量の亜硫酸ナト
リウムを必要とするので、未反応の亜硫酸ナトリウムが
反応液に存在する。また、ロ)の反応法の場合、タウリ
ンと等モルの硫酸ナトリウムが生じる。さらに、イ)の
反応法の場合、タウリンの2倍モルの塩化ナトリウムが
生じる。
【0008】一例を挙げると、特開昭60−2336
0、特開昭60−23361、特公昭63−48258
で開示されている方法(ストレッカー反応)は、亜硫酸
ナトリウム水溶液に2−クロルエチルアミン塩酸塩水溶
液を加え、加熱するような方法である。本反応における
反応液には、一般的には、タウリンが15〜18w%、
塩化ナトリウムが11〜17w%、亜硫酸ナトリウムが
3〜7w%含有されている。
【0009】反応液を冷却してタウリン結晶を析出さ
せ、タウリン結晶を得る方法が既に開示されているが、
水溶液中でのタウリンの飽和溶解度は、0℃でも6w%
と高いために、タウリンを高収率で得ることはできな
い。さらに、析出した結晶中には中性塩も混入してお
り、再結晶を繰り返さなければ中性塩は除去できないの
で、収率はさらに低下する。また、電気透析処理やイオ
ン交換樹脂処理により中性塩のみを特異的に除去する方
法も考案されているが、この場合は、コスト面で不利と
なる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】タウリンを高収率で精
製する手段としては、従来よりアルコールを添加して晶
析を行う技術が知られている。すなわち、タウリンを精
製する際に、晶析母液中にアルコールを含有させて、低
温で晶析を行うような方法である。
【0011】参考例として、タウリン・塩化ナトリウム
・亜硫酸ナトリウムの3成分の混合溶液において、アル
コール濃度と温度を変化させた場合の各成分の溶解度を
(表1)に示した。但し、アルコールとしてはメタノー
ルを選択した。また、タウリンについては、各温度にお
ける溶解度を示したが、塩化ナトリウムおよび亜硫酸ナ
トリウムについては、温度による溶解度の変化がほとん
ど見られなかったので、10℃の結果のみを記載した。
【0012】(表1)に示したように、メタノール濃度
の増加と共に、各成分の溶解度は著しく減少してくる。
特に、タウリンおよび亜硫酸ナトリウムの溶解度の低下
が著しい。また、本発明者らの検討によると、硫酸ナト
リウムも亜硫酸ナトリウムと全く同じ挙動を示す。
【0013】すなわち、アルコール水溶液中でタウリン
結晶を析出させる場合、晶析母液中のアルコール濃度を
高くすれば、タウリンの溶解度が低下するので、収率を
上げることが可能となる。しかし、アルコール濃度を高
くするにつれて、相対的に中性塩(特に亜硫酸ナトリウ
ム)の溶解度も低くなり、晶析母液から分離される結晶
中には、タウリン結晶と共に中性塩の結晶も大量に混入
してくる。このため、中性塩とタウリンを分離すること
がより困難になる。また、タウリンと中性塩からなる結
晶をアルコール水溶液で洗浄しても、効率よく中性塩の
結晶のみを除去できない。
【0014】
【表1】
【0015】以上のように、合成法により得られたタウ
リンを精製するに際して、低コストで中性塩を効率よく
除去し、かつ、タウリンを高収率で得ることのできる工
業的に有効な方法は未だ確立されていないのが現状であ
る。
【0016】そこで、本発明者らは、副生する高濃度の
中性塩を効率よく除去し、かつタウリンを高収率で得る
方法について種々の検討を行った。その結果、アルコー
ルを含む晶析母液から分離された結晶を塩酸を含有する
アルコール水溶液(以下塩酸/アルコール水溶液と呼
ぶ)で処理するだけで、中性塩結晶のみが選択的かつ効
率的に除去されることを見い出し、高収率・低コストの
タウリン精製法である本発明を完成させた。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明によると、反応液
よりタウリン結晶を析出させるためには、そのまま反応
液を冷却して晶析するか、または、反応液にアルコール
を添加して晶析すればよい。この後、析出した結晶を晶
析母液から分離し、塩酸/アルコール水溶液で処理す
る。必要に応じて、塩酸を含まないアルコール水溶液で
後処理すると、結晶中に残存する塩酸も除去できるので
さらに効果的である。このような操作により、中性塩の
みが効率的に除去され、高収率でタウリンを精製するこ
とが可能となる。
【0018】本発明を適用できる反応法については特に
限定されるものではないが、より具体的には、たとえば
通常ストレッカー反応として知られている亜硫酸ナトリ
ウム水溶液に2−クロルエチルアミン塩酸塩水溶液を加
え、加熱する方法を挙げることができる。この反応液中
には、タウリンが5〜20w%、塩化ナトリウムが1〜
28w%、亜硫酸ナトリウムが1〜25w%含有されて
いる。より一般的には、タウリンが15〜18w%、塩
化ナトリウムが11〜17w%、亜硫酸ナトリウムが1
〜7w%含有されている。
【0019】晶析温度については、その温度でのタウリ
ンの溶解度が、反応液のタウリン濃度を下回るような温
度であれば、特に限定されるものではない。特に10℃
以下で行うことで、収率を著しく上げることが可能であ
る。また、晶析母液中にアルコールを含有している場合
は、晶析温度を0℃以下にすることができるので、さら
に高収率を達成できる。
【0020】晶析に際してアルコールを含有する場合、
アルコールは、水と任意に混和するものであれば特に限
定されないが、メタノールまたはエタノールが特に好ま
しい。アルコール濃度に反比例してタウリン濃度が低下
するので、アルコール濃度に関しても特に限定されない
が、好ましくは20w%以上、より好ましくは40w%
以上が望ましい。また、アルコールを反応液に添加する
温度は特に限定されないが、より好ましくは反応液の温
度が40℃以下になった後が望ましい。析出した結晶を
晶析母液から分離するためには、通常の濾過器を利用す
ることができる。工業的には、遠心分離機やベルト濾過
器等の一般的な固液分離機器が利用できる。いずれの機
器を用いた場合でも、析出した結晶を晶析母液から分離
するのは容易であり、濾過性にも優れている。
【0021】本発明における処理とは、晶析母液から分
離された結晶中の中性塩のみを選択的かつ効率的に除去
できる方法であれば特に限定されないが、より具体的に
は、一般的な結晶の洗浄操作を行えば、本発明の効果を
得ることができる。たとえば、結晶を処理液である塩酸
/アルコール水溶液中でリスラリー化した後に濾過によ
り結晶と処理液を再分離してもよいし、単に結晶上に処
理液を注ぎつつ濾過を行ってもよい。
【0022】処理に用いる塩酸/アルコール水溶液に用
いるアルコールについても、水と任意に混和するもので
あれば特に限定されないが、メタノールまたはエタノー
ルが特に好ましい。アルコール濃度としては、晶析時の
アルコール濃度以上のアルコール濃度が好適であるが、
より具体的には20w%以上、好ましくは40w%以上
である。また、塩酸濃度は、0.1w%以上であれば特
に限定されないが、好ましくは1w%以上7w%以下、
より好ましくは3w%以上5w%以下が好ましい。処理
液の温度に関しても、特に限定はされないが、晶析温度
と同温度またはそれ以下が望ましい。より具体的には、
10℃以下、好ましくは0℃以下が望ましい。
【0023】処理に用いる塩酸/アルコール水溶液の使
用量に関しては、中性塩が効率よく除去される量を使用
すればよいので特に限定されないが、好ましくは、晶析
母液の1w%以上40w%以下の量、より好ましくは5
w%以上20w%以下の量がが望ましい。または、晶析
母液から分離された湿結晶の30w%以上200w%以
下の量が好適である。
【0024】塩酸/アルコール水溶液で処理を行った後
に、引き続いて塩酸を含まないアルコール水溶液で処理
すれば、結晶中に残存している先の処理液に含まれてい
た塩酸を除去することができるので、高純度のタウリン
を得るためにはより効果的である。この場合のアルコー
ルの種類、濃度に関しても、特に限定されないが、メタ
ノールまたはエタノールが特に好ましく、晶析時のアル
コール濃度以上のアルコール濃度、具体的には20w%
以上、好ましくは40w%以上が好適である。処理量も
特に限定されないが、先の塩酸/アルコール水溶液の1
0w%以上を使用すれば十分である。
【0025】工業的に利用される亜硫酸ナトリウム中に
は、しばしば硫酸ナトリウムが混入している。このた
め、晶析母液より分離された結晶中には、硫酸ナトリウ
ムの結晶も含まれているが、硫酸ナトリウム結晶も本発
明により示された方法により効率よく除去される。ま
た、2−アミノエタノール硫酸エステルと亜硫酸ナトリ
ウムにより合成されたタウリンを精製する際にも、本発
明は効果的である。
【0026】さらに、ストレッカ−反応によりタウリン
を合成した場合、反応液中には、未反応の2−クロルエ
チルアミン・塩酸塩やモノエタノールアミン・塩酸塩等
の原材料も含まれている。このため、分離された結晶中
には、これらの化合物も微量付着しているが、本発明の
方法により除去されることが期待される。
【0027】以上のような条件下で、塩酸を含むアルコ
ール水溶液で処理を行うことで、上記中性塩を選択的に
除去しつつ、タウリンを高収率で得ることが可能であ
る。より具体的には、タウリンを収率70%以上で得る
ことができる。たとえば、反応液のタウリン濃度17w
%、晶析時のアルコール濃度40w%、晶析温度0℃、
処理に用いる塩酸/アルコール水溶液のアルコール濃度
40w%、同塩酸濃度3w%を選択した場合、収率80
%以上でタウリンを得ることができる。
【0028】上述の操作により得られた結晶中に中性塩
が残存している場合は、再度同様の操作を繰り返せばよ
い。たとえば、タウリンが終濃度で20w%以上となる
ように上記の結晶を溶解し、アルコール存在下での晶析
と処理を行えばよい。この場合も、加えるアルコールに
ついては、水と任意に混和するものであれば特に限定さ
れないが、メタノールまたはエタノールが特に好まし
い。アルコール添加温度および処理に供するアルコール
水溶液の温度に関しても、特に限定されない。また、晶
析温度についても、特に限定されるものではないが、1
0℃以下、好ましくは0℃以下で行えば収率よくタウリ
ンを得ることができる。
【0029】以上の操作を行うことにより、反応生成液
中よりタウリン純度98.5%以上、塩化物0.01%
以下、亜硫酸塩または硫酸塩0.01%以下の高純度の
タウリンを高収率で取得することができる。
【0030】
【実施例】
実施例1 特開昭63−48258で示された方法により合成され
たタウリン反応液120.0gを用いて検討を行った。
なお、同反応液は、タウリン20.4g、塩化ナトリウ
ム18.5g、亜硫酸ナトリウム4.9gを含有してい
た。反応液を70℃で1時間保温し、タウリン等を完全
に溶解させた。室温まで冷却した後、メタノール80.
0gを添加(メタノール濃度40.0w%)し、0℃で
2時間撹はんしてタウリン結晶を析出させ、桐山ロート
を用いて析出した結晶を濾過・分離した。この湿結晶中
には、タウリン19.4g、塩化ナトリウム0.6g、
亜硫酸ナトリウム5.1gが含まれていた。続いて、0
℃に冷却しておいた5w%塩酸/40w%メタノール水
溶液30gで湿結晶を洗浄した。洗浄後の湿結晶を減圧
下・60℃で12時間乾燥し、乾結晶19.7gを得
た。この乾結晶には、タウリン17.5g、塩化ナトリ
ウム0.3g、亜硫酸ナトリウム1.9gが含まれてい
た。
【0031】実施例2 実施例1と同じタウリン反応液120.0gを用いて検
討を行った。反応液を70℃で1時間保温し、タウリン
等を完全に溶解させた。室温まで冷却した後、メタノー
ル80.0gを添加(メタノール濃度40.0w%)
し、0℃で2時間撹はんしてタウリン結晶を析出させ、
桐山ロートを用いて析出した結晶を濾過・分離した。こ
の湿結晶中には、タウリン19.4g、塩化ナトリウム
0.6g、亜硫酸ナトリウム5.1gが含まれていた。
続いて、0℃に冷却しておいた1w%塩酸/40w%メ
タノール水溶液30gで湿結晶を洗浄した。洗浄後の湿
結晶を減圧下・60℃で12時間乾燥し、乾結晶22.
1gを得た。この乾結晶には、タウリン17.8g、塩
化ナトリウム0.2g、亜硫酸ナトリウム4.1gが含
まれていた。
【0032】実施例3 実施例1と同じタウリン反応液120.0gを用いて検
討を行った。反応液を70℃で1時間保温し、タウリン
等を完全に溶解させた。室温まで冷却した後、メタノー
ル80.0gを添加(メタノール濃度40.0w%)
し、0℃で2時間撹はんしてタウリン結晶を析出させ、
桐山ロートを用いて析出した結晶を濾過・分離した。こ
の湿結晶中には、タウリン19.4g、塩化ナトリウム
0.6g、亜硫酸ナトリウム5.1gが含まれていた。
続いて、0℃に冷却しておいた1w%塩酸/40w%メ
タノール水溶液60gで湿結晶を洗浄した。洗浄後の湿
結晶を減圧下・60℃で12時間乾燥し、乾結晶20.
9gを得た。この乾結晶には、タウリン17.4g、塩
化ナトリウム0.1g、亜硫酸ナトリウム3.4gが含
まれていた。
【0033】比較例1 実施例1と同じタウリン反応液120.0gを用いて検
討を行った。反応液を70℃で1時間保温し、タウリン
等を完全に溶解させた。室温まで冷却した後、メタノー
ル80.0gを添加(メタノール濃度40.0w%)
し、0℃で2時間撹はんしてタウリン結晶を析出させ、
桐山ロートを用いて析出した結晶を濾過・分離した。こ
の湿結晶中には、タウリン19.4g、塩化ナトリウム
0.6g、亜硫酸ナトリウム5.1gが含まれていた。
続いて、0℃に冷却しておいた40w%メタノール水溶
液30gで湿結晶を洗浄した。洗浄後の湿結晶を減圧下
・60℃で12時間乾燥し、乾結晶23.4gを得た。
この乾結晶には、タウリン18.5g、塩化ナトリウム
0.2g、亜硫酸ナトリウム4.7gが含まれていた。
【0034】実施例4 特開昭63−48258で示された方法により合成され
たタウリン反応液100.0gを用いて検討を行った。
なお、同反応液は、タウリン16.8g、塩化ナトリウ
ム15.3g、亜硫酸ナトリウム2.2gを含有してい
た。反応液を70℃で1時間保温し、タウリン等を完全
に溶解させた。室温まで冷却した後、メタノール67.
0gを添加(メタノール濃度40.1w%)し、0℃で
2時間撹はんしてタウリン結晶を析出させ、桐山ロート
を用いて析出した結晶を濾過・分離した。この湿結晶中
には、タウリン14.7g、塩化ナトリウム2.1g、
亜硫酸ナトリウム2.0gが含まれていた。続いて、0
℃に冷却しておいた3w%塩酸/40w%メタノール水
溶液30gで湿結晶を洗浄した。洗浄後の湿結晶を減圧
下・60℃で12時間乾燥し、乾結晶14.3gを得
た。この乾結晶には、タウリン13.5g、塩化ナトリ
ウム0.2g、亜硫酸ナトリウム0.6gが含まれてい
た。
【0035】比較例2 実施例4と同じタウリン反応液100.0gを用いて検
討を行った。反応液を70℃で1時間保温し、タウリン
等を完全に溶解させた。室温まで冷却した後、メタノー
ル67.0gを添加(メタノール濃度40.1w%)
し、0℃で2時間撹はんしてタウリン結晶を析出させ、
桐山ロートを用いて析出した結晶を濾過・分離した。こ
の湿結晶中には、タウリン14.7g、塩化ナトリウム
2.1g、亜硫酸ナトリウム2.0gが含まれていた。
続いて、0℃に冷却しておいた40w%メタノール水溶
液30gで湿結晶を洗浄した。洗浄後の湿結晶を減圧下
・60℃で12時間乾燥し、乾結晶16.0gを得た。
この乾結晶には、タウリン13.8g、塩化ナトリウム
0.2g、亜硫酸ナトリウム2.0gが含まれていた。
【0036】実施例5 特開昭63−48258で示された方法により合成され
たタウリン反応液66.0gを用いて検討を行った。な
お、同反応液は、タウリン11.4g、塩化ナトリウム
11.5g、亜硫酸ナトリウム1.1gを含有してい
た。反応液を70℃で1時間保温し、タウリン等を完全
に溶解させた。40℃まで冷却した後、エタノール4
4.0gを添加(エタノール濃度40.0w%)し、0
℃で2時間撹はんしてタウリン結晶を析出させ、桐山ロ
ートを用いて析出した結晶を濾過・分離した。この湿結
晶中には、タウリン9.9g、塩化ナトリウム5.2
g、亜硫酸ナトリウム0.4gが含まれていた。続い
て、0℃に冷却しておいた3w%塩酸/40w%エタノ
ール水溶液20gで湿結晶を洗浄した。洗浄後の湿結晶
を減圧下・60℃で12時間乾燥し、乾結晶11.6g
を得た。この乾結晶には、タウリン9.4g、塩化ナト
リウム2.1g、亜硫酸ナトリウム0.07gが含まれ
ていた。
【0037】実施例6 実施例5と同じタウリン反応液66.0gを用いて検討
を行った。反応液を70℃で1時間保温し、タウリン等
を完全に溶解させた。40℃まで冷却した後、エタノー
ル44.0gを添加(エタノール濃度40.0w%)
し、0℃で2時間撹はんしてタウリン結晶を析出させ、
桐山ロートを用いて析出した結晶を濾過・分離した。こ
の湿結晶中には、タウリン9.9g、塩化ナトリウム
5.2g、亜硫酸ナトリウム0.4gが含まれていた。
続いて、0℃に冷却しておいた3w%塩酸/40w%エ
タノール水溶液20gで湿結晶を洗浄後、さらに0℃に
冷却しておいた40w%エタノール水溶液20gで洗浄
した。洗浄後の湿結晶を減圧下・60℃で12時間乾燥
し、乾結晶10.0gを得た。この乾結晶には、タウリ
ン9.1g、塩化ナトリウム0.9g、亜硫酸ナトリウ
ム0.01gが含まれていた。
【0038】比較例3 実施例5と同じタウリン反応液66.0gを用いて検討
を行った。反応液を70℃で1時間保温し、タウリン等
を完全に溶解させた。40℃まで冷却した後、エタノー
ル44.0gを添加(エタノール濃度40.0w%)
し、0℃で2時間撹はんしてタウリン結晶を析出させ、
桐山ロートを用いて析出した結晶を濾過・分離した。こ
の湿結晶中には、タウリン9.9g、塩化ナトリウム
5.2g、亜硫酸ナトリウム0.4gが含まれていた。
続いて、0℃に冷却しておいた40w%エタノール水溶
液20gで湿結晶を洗浄した。洗浄後の湿結晶を減圧下
・60℃で12時間乾燥し、乾結晶11.9gをを得
た。この乾結晶には、タウリン9.5g、塩化ナトリウ
ム2.1g、亜硫酸ナトリウム0.28gが含まれてい
た。
【0039】実施例7 特開昭63−48258で示された方法により合成され
たタウリン反応液300.0gを用いて検討を行った。
なお、同反応液は、タウリン51.0g、塩化ナトリウ
ム46.2g、亜硫酸ナトリウム12.3gを含有して
いた。反応液を70℃で1時間保温し、タウリン等を完
全に溶解させた。室温まで冷却した後、メタノール20
0.0gを添加(メタノール濃度40.0w%)し、0
℃で2時間撹はんしてタウリン結晶を析出させ、ヌッチ
ェを用いて析出した結晶を濾過・分離した。この湿結晶
中には、タウリン48.5g、塩化ナトリウム1.5
g、亜硫酸ナトリウム12.8gが含まれていた。続い
て、0℃に冷却しておいた5w%塩酸/40w%メタノ
ール水溶液75.0gで湿結晶を洗浄した。得られた湿
結晶を減圧下・60℃で12時間乾燥し、一次乾結晶4
9.0gを得た。この一次乾結晶には、タウリン43.
8g、塩化ナトリウム0.7g、亜硫酸ナトリウム4.
5gが含まれていた。続いて、一次乾結晶に水113.
0gを加えて80.0℃に加温し、一次乾結晶を完全に
溶解させた。室温まで冷却した後、メタノール40.5
gを添加(メタノール濃度20.0w%、タウリン濃度
21.6w%)し、10℃で2時間撹はんしてタウリン
結晶を析出させ、濾過・分離により結晶を分離した。1
0℃に冷却しておいた20w%メタノール水溶液50.
0gで湿結晶を洗浄後、減圧下・60℃で12時間の乾
燥により二次乾結晶40.3gを得た。この二次乾結晶
は、タウリン純度99.7%、塩化物含有0.01%以
下、亜硫酸塩または硫酸塩含有0.01%以下であっ
た。反応液からの収率は、78.8%であった。
【0040】比較例4 実施例7と同じタウリン反応液120.0gを用いて検
討を行った。反応液を70℃で1時間保温し、タウリン
等を完全に溶解させた。室温まで冷却した後、メタノー
ル200.0gを添加(メタノール濃度40.0w%)
し、0℃で2時間撹はんしてタウリン結晶を析出させ、
ヌッチェを用いて析出した結晶を濾過・分離した。この
湿結晶中には、タウリン48.5g、塩化ナトリウム
1.5g、亜硫酸ナトリウム12.8gが含まれてい
た。続いて、0℃に冷却しておいた40w%メタノール
水溶液75.0gで結晶を洗浄した。得られた湿結晶を
減圧下・60℃で12時間乾燥し、一次乾結晶58.5
gを得た。この一次乾結晶には、タウリン46.3g、
塩化ナトリウム0.5g、亜硫酸ナトリウム11.8g
を含んでいた。続いて、一次乾結晶に水113.0gを
加えて80.0℃に加温し、一次乾結晶を完全に溶解さ
せた。室温まで冷却した後、メタノール42.9gを添
加(メタノール濃度20.0w%、タウリン濃度21.
6w%)し、10℃で2時間撹はんしてタウリン結晶を
析出させ、濾過・分離により結晶を分離した。10℃に
冷却しておいた20w%メタノール水溶液50.0gで
湿結晶を洗浄後、減圧下・60℃で12時間の乾燥によ
り二次乾結晶44.1gを得た。この二次乾結晶は、タ
ウリン42.8g、亜硫酸ナトリウム1.2gを含んで
いた。
【0041】
【発明の効果】本発明により、有機合成法で得られたタ
ウリンを精製するに際して、電気透析処理やイオン交換
樹脂処理に依存せずに、副生する高濃度の中性塩を効率
よく分離する方法が示され、高収率・低コストのタウリ
ンの精製法が確立された。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製造工程を通して得られたタウリンを精
    製するにあたり、晶析により析出させた結晶を晶析母液
    から分離した後に、その結晶を塩酸を含むアルコール水
    溶液で処理することを特徴とするタウリンの精製法。
  2. 【請求項2】 製造工程を通して得られたタウリンを精
    製するにあたり、晶析により析出させた結晶を晶析母液
    から分離した後に、その結晶を塩酸を含むアルコール水
    溶液で処理し、引き続いて塩酸を含まないアルコール水
    溶液で処理することを特徴とするタウリンの精製法。
  3. 【請求項3】 処理に用いるアルコールがメタノールで
    ある請求項1または請求項2記載の精製法。
  4. 【請求項4】 処理に用いるアルコールがエタノールで
    ある請求項1または請求項2記載の精製法。
  5. 【請求項5】 処理に用いるアルコール濃度が20重量
    %以上である請求項1または請求項2記載の精製法
  6. 【請求項6】 晶析をアルコールを含む水溶液中で行う
    請求項1または請求項2記載の精製法。
  7. 【請求項7】 晶析に用いるアルコールがメタノールで
    ある請求項6記載の精製法。
  8. 【請求項8】 晶析に用いるアルコールがエタノールで
    ある請求項7記載の精製法。
  9. 【請求項9】 製造工程を通して得られるタウリンが、
    2−クロルエチルアミン塩酸塩と亜硫酸ナトリウムを反
    応させるものである請求項1または請求項2記載の精製
    法。
  10. 【請求項10】 製造工程を通して得られるタウリン
    が、2−アミノエタノール硫酸エステルと亜硫酸ナトリ
    ウムを反応させるものである請求項1または請求項2記
    載の精製法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100415962B1 (ko) * 1996-08-13 2004-05-14 소고 세이야꾸 가부시끼가이샤 타우린유사체의제조방법
WO2010090275A1 (ja) * 2009-02-06 2010-08-12 学校法人同志社 液-液界面を利用する被覆型複合物質の製造方法
KR20160119013A (ko) * 2014-12-16 2016-10-12 변종현 변성 타우린 및 이를 포함하는 대사질환 예방 또는 치료용 약학조성물
WO2023210059A1 (ja) 2022-04-25 2023-11-02 コスメディ製薬株式会社 有用成分包含タウリン結晶を配合した皮膚外用剤組成物

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