JPH0715837Y2 - 自転車用変速操作装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自転車のハンドルバーに装着する変速操作装
置、詳しくは、二つの操作部をもつ操作レバーを備えた
自転車用変速操作装置に関する。

（従来の技術） 従来、二つの操作部をもつ操作レバーを備えた変速操作
装置は、実公昭62−38878号公報に見られるように既に
公知である。

この従来の変速操作装置は、自転車におけるハンドルバ
ーの握持部近くに嵌合する嵌合部をもった固定部材に、
前記嵌合部の軸心と直交する方向に延びるレバー軸を設
けると共に、このレバー軸に枢支するボス部と、該ボス
部から二又状に突出する第１及び第２操作部とをもった
操作レバーを前記レバー軸に、前記各操作部が前記ハン
ドルバーの両側に位置する如く枢支し、ハンドルバーを
握る手の親指で前記操作部を水平方向に押操作し、又、
人差指で前記第２操作部を水平方向に押操作するように
成したものである。

（考案が解決しようとする課題） 所が、従来のものは、ハンドルバーの握持部における軸
心と直交するレバー軸に操作レバーを支持し、この操作
レバーの操作部を、前記握持部に対し該握持部軸心を横
切る方向に変位させて変速するようにしたものであるか
ら、変速段位数が多いデイレーラーと共に用いる場合、
前記各操作部がグリップに対し横方向に大きく遠ざかる
ことになり、この結果、グリップを握持した手の指で前
記各操作部の操作が行い難くなる不具合があった。ま
た、前記操作レバーの操作で操作ワイヤを介して作動さ
せる前記ディレーラーのチェンガイドは、リターンばね
により常時一方向に付勢されていて、このリターンばね
の作用方向と反対方向に回転操作させることになるめ、
親指に比べて大きな力を出力することができない人差指
での操作がより一層行い難かったのである。

本考案は以上の如き従来の問題点に鑑み考案したもの
で、目的は、二つの操作部をもった操作レバーを用いて
変速する構造でありながら、前記握持部を握持した手
を、前記握持部の軸心を中心としてすべり動作させるこ
とにより前記二つの操作部を容易に操作することができ
るようにするものである。

（問題を解決するための手段） しかして、本考案は、自転車におけるハンドルバーの握
持部近くに勘合する嵌合部（11）をもった固定部材
（１）と、該固定部材（１）に、前記ハンドルバーの握
持部における軸心とほぼ同方向の軸心を中心に回転可能
に支持するボス部（21）をもった操作レバー（２）とを
備え、この操作レバー（２）に、前記ボス部（21）の回
転中心線に対する一側から径方向外方に伸びる第１操作
部（22）と、前記ボス部（21）の回転中心線に対する他
側から前記第１操作部（22）と反対方向に向かって径方
向外方に伸びる第２操作部（23）とを設け、前記操作レ
バー（２）を、前記ハンドルバーの握持部とに握持した
手の、前記握持部の軸心を中心とする動きで操作可能と
したのである。

（作用） 操作レバー（２）を、ハンドルバーの握持部における軸
心とほぼ同方向の軸心を中心に回転可能とした上で、こ
の操作レバー（２）を、前記ハンドルバーの握持部を握
持した手の、前記握持部の軸心を中心とする動きで操作
可能としたから、ハンドルバーの握持部を握持した手
を、握持した状態で周方向一方側と他方側とにずらせる
ことにより第１及び第２操作部（22）（23）を操作する
ことができるので、変速段位数の多いデイレーラーと共
に用いる場合であっても握持した手の指を、握持部に対
し無理矢理延ばしたりすることなく容易に操作できるの
である。

（実施例） 図において、（１）は第１、２図に示すように自転車に
おけるハンドルバー（Ｈ）の握持部（ｈ）近くに嵌合す
る略Ｃ字形の嵌合部（11）をもった固定部材であり、
（２）はこの固定部材（１）にレバー軸（３）を介して
枢支する操作レバーである。

しかして、図示した実施例では、前記固定部材（１）に
おける嵌合部（11）の一側に、第３図の如く該嵌合部
（11）の半径方向外方に向って突出する板状のレバー支
持部（12）を設けて、このレバー支持部（12）に、前記
嵌合部（11）の中心線（Ｘ）、換言すると前記握持部
（ｈ）における軸心と同方向に延びるレバー軸（３）を
設けると共に、前記操作レバー（２）を、前記レバー軸
（３）に枢支するボス部（21）と、該ボス部（21）を、
前記レバー軸（３）に枢支するボス部（21）と、該ボス
部（21）から前記嵌合部（11）方向に延びる第１操作部
（22）、換言するとボス部（21）の回転中心線に対する
径方向外方に延びる第１操作部（22）と、前記嵌合部
（11）と反対方向に延びる第２操作部（23）、換言する
と前記ボス部（21）の回転中心線に対する他側から前記
第１操作部（22）と反対方向に向かって径方向外方に延
びる第２操作部（23）とにより形成し、前記ボス部（2
1）を前記レバー軸（３）に枢支したのである。

又、図示した実施例では前記第２操作部（23）を第１操
作部（22）に対し上方に向って傾斜させると共に、この
第２操作部（23）を、前記ハンドルバー（Ｈ）の握持部
（ｈ）を握る手の親指（Ｕ）を差出す指差出側操作面
（23a）が、反対側操作面（23b）に対し上方に位置する
ように捻っているのである。又、前記第２操作部（23）
は、第１操作部（22）に対し第２図の如く指差出側に向
って変位させている。

又、実施例における前記レバー軸（３）は、第７図の如
く前記固定部材（１）と別体に形成して、取付ねじ
（４）の締込みにより前記支持部（12）に固定する一
方、前記レバー軸（３）の端面に複数個の嵌合突起（3
1）を周方向に所定間隔を置いて突設すると共に、前記
支持部（12）に、前記嵌合突起（31）と係合する複数個
の嵌合孔（13）を設けて、前記嵌合突起（31）の嵌合孔
（13）との係合位置を変更することにより、前記各操作
部（22）（23）の固定部材（１）、ひいてはハンドルバ
ー（Ｈ）に対する位置を調整できるようにしている。

又、前記操作レバー（２）のボス部（21）内側には、複
数の係合部（51a）をもったリング状の位置決め体（5
1）と、前記係合部（51a）の一つと選択的に係合する係
合体（52）と、該係合体（52）を前記係合部（51a）方
向に押圧する板状の押圧ばね（53）とから成る位置決め
機構（５）と、前記位置決め体（51）の半径方向外側に
配置して前記ボス部（21）に支持するフリクション体
（６）と、前記係合体（52）を前記位置決め体（51）の
半径方向に変位させて前記係合部（51a）と前記フリク
ション体（６）のフリクション部（6a）との一方に係合
させる切換体（７）とを設けている。

尚、図中（８）は前記レバー軸（３）の先端部に取付け
て前記位置決め機構（５）などを隠蔽するカバー体、
（９）は前記係合体（52）を前記位置決め体（51）の半
径方向に移動自由に保持する保持体、（10）は前記レバ
ー軸（３）と位置決め体（51）との間に設けて、前記位
置決め体（51）をディレーラーにおけるリターンばねの
作用方向と反対方向に付勢する補助ばねである。

本考案は以上の如く構成するもので、例えば第1,2図の
如く自転車におけるハンドルバー（Ｈ）のハンドルステ
ム（Ｓ）への取付部近傍位置で、ハンドルバー（Ｈ）の
握持部（ｈ）近くに、レバー軸（３）がハンドルバー
（Ｈ）に対し内方側に位置し、第１操作部（22）がハン
ドルバー（Ｈ）に対し上方側に位置するように装着する
のである。この装着は、固定部材（１）の嵌合部（11）
を前記ハンドルバー（Ｈ）に嵌合し、締付ねじ（20）の
締込みにより行なうのである。

しかして、前記レバー軸（３）に枢支して操作レバー
（２）は、前記嵌合部（11）の中心線（Ｘ）に対し直交
する方向、換言すると前記握持部（ｈ）における軸心に
対し直交する方向に回転させることができるため、ハン
ドルバー（Ｈ）の握持部（ｈ）を握持した手の親指
（Ｕ）を側方に伸して、握持部（ｈ）を握持した状態で
周方向一方側（第１図矢印Ａ方向）にずらせることによ
り第１操作部（22）を操作することができ、また、ハン
ドルバー（Ｈ）の握持部（ｈ）を握持した手の親指
（Ｕ）を側方に伸して、握持部（ｈ）を握持した状態で
周方向他方側（第１図矢印Ｂ方向）にずらせることによ
り第２操作部（22）を操作することができるので、変速
段位数の多いデイレーラーと共に用いる場合であっても
握持した手の指を無理矢理延ばしたりすることなく容易
に操作できるのである。

又、実施例における前記第２操作部（23）は、第１操作
部（22）に対し上方に向って傾斜し、この第２操作部
（23）と第１操作部（22）との間の距離が短くなってい
るため、前記握持部（ｈ）と握持した手を前記したよう
にずらせることなく握持部（ｈ）を握持した手の親指で
前記各操作部（22）（23）を押し操作する場合に、その
操作を容易に行うことができるのであり、又、前記第２
操作部（23）は、前記親指（Ｕ）を差出す指差出側操作
面（23a）が、反対側操作面（23b）に対し上方に位置す
るように捻られているため、前記握持部（ｈ）を握持し
た手を前記したようにずらせることなく握持部（ｈ）を
握持した手の親指で前記第２操作部（23）を押し操作す
る場合、親指（Ｕ）が前記指差出側に滑りにくいのであ
る。従って、親指（Ｕ）による第２操作部（23）の操作
をより一層容易に行うことができるのである。又、前記
第２操作部（23）は、第１操作部（22）に対し指差出側
に変位しているため、前記親指（Ｕ）で第２操作部（2
3）を前記したように押し操作する場合、最大操作位置
側での親指の第２操作部（22）に対し指差出側に変位し
ているため、前記親指（Ｕ）で第２操作部（23）との接
触量を充分に多く確保できるのである。

尚、本考案の変速操作装置は、第1,2図に示した如くハ
ンドルバー（Ｈ）のハンドルステム（Ｓ）への取付近傍
位置で、握持部（ｈ）近くに装着する他、ハンドルバー
（Ｈ）の遊端側における握持部近くに装着してもよいの
である。

（考案の効果） 以上の如く本考案によれば、操作レバー（２）を、ハン
ドルバーの握持部における軸心とほぼ同方向の軸心を中
心に回転可能とした上で、この操作レバー（２）を、前
記ハンドルバーの握持部を握持した手の、前記握持部の
軸心を中心とする動きで操作可能としたから、ハンドル
バーの握持部を握持した手を、握持した状態で周方向一
方側と他方側とにずらせることにより第１及び第２操作
部（22）（23）を操作することができるので、変速段位
数の多いデイレーラーと共に用いる場合であっても握持
した手の指を操作レバーの操作方向に無理矢理延ばした
りすることなく容易に操作できるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を自転車のハンドルバーに装着した
状態での一実施例を示す斜視図、第２図は同拡大平面
図、第３図は変速操作装置のみの一部省略側面図、第４
図は操作レバーを操作した状態の説明図、第５図は操作
レバーのみの平面図、第６図は第５図VI−VI線断面図、
第７図は一部省略拡大断面図である。 （１）……固定部材 （11）……嵌合部 （２）……操作レバー （21）……ボス部 （22）……第１操作部 （23）……第２操作部 （３）……レバー軸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】自転車におけるハンドルバーの握持部近く
   に嵌合する嵌合部（11）をもった固定部材（１）と、該
   固定部材（１）に、前記ハンドルバーの握持部における
   軸心とほぼ同方向の軸心を中心に回転可能に支持するボ
   ス部（21）をもった操作レバー（２）とを備え、この操
   作レバー（２）に、前記ボス部（21）の回転中心線に対
   する一側から径方向外方に延びる第１操作部（22）と、
   前記ボス部（21）の回転中心線に対する他側から前記第
   １操作部（22）と反対方向に向かって径方向外方に延び
   る第２操作部（23）とを設け、前記操作レバー（２）
   を、前記ハンドルバーの握持部を握持した手の、前記握
   持部の軸心を中心とする動きで操作可能としていること
   を特徴とする自転車用変速操作装置。