JPH07153428A - メタルハライドランプ - Google Patents

メタルハライドランプ

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JPH07153428A
JPH07153428A JP32130993A JP32130993A JPH07153428A JP H07153428 A JPH07153428 A JP H07153428A JP 32130993 A JP32130993 A JP 32130993A JP 32130993 A JP32130993 A JP 32130993A JP H07153428 A JPH07153428 A JP H07153428A
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JP
Japan
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film
metal halide
halide lamp
arc tube
interference film
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JP32130993A
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English (en)
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Soichiro Horikoshi
創一郎 堀越
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Iwasaki Denki KK
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Iwasaki Denki KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ランプの高い発光効率と優れた演
色性を有するとともに、4000〜5000Kの色温度
を有する白色光を与えるように調整したメタルハライド
ランプを提供することを目的とする。 【構成】 発光管内に少なくともディスプロシウムと水
銀と希ガスを封入し、該発光管の外表面に多層光干渉膜
を形成してなるメタルハライドランプにおいて、前記光
干渉膜の光透過率が波長380nm及び580nmにおいて
80%以上、波長480nmにおいて80%以下であり、
かつ350nm〜550nmの波長領域において膜の分光透
過率曲線が谷状の窪みを一つだけ形成し、その窪みの深
さが光透過率で表わして60%を超え80%以下とする
ことにより、発光管の色温度を4000〜5000Kに
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、色温度を改良したメタ
ルハライドランプに関する。
【0002】
【従来の技術】各種ランプの色温度4000〜5000
Kの範囲の光源色は、青過ぎることもなく、黄色過ぎる
こともない自然な白色である。従って、このような色温
度を有するランプは一般照明の用途には好ましい。とこ
ろで、添加物としてディスプロシウムとタリウムのハロ
ゲン化物を発光管に封入したメタルハライドランプは、
高効率、高演色性の特徴を有するので、屋内照明等への
用途並びに需要が増大しつつある。とりわけ、上記2種
類の金属のハロゲン化物に加えてセシウムのハロゲン化
物を封入したメタルハライドランプは、発光効率が70
〜80lm/Wと高く、また、平均演色評価数(Ra)が
92〜96と良好な演色性を備え、ランプ特性も安定し
ているので、近年、その需要が拡大している。しかしな
がら、上記の封入物を有するメタルハライドランプは色
温度が5000〜6000Kと高く、青白い感じの光源
色となることが大きな欠点となっている。
【0003】そこで、かかるメタルハライドランプにつ
いて、その発光効率と演色性を低下させずに色温度を低
下させる試みがこれまでにいくつかなされている。その
第一は、ランプの発光分布そのものを変化させる方法
で、例えば壁面負荷を高くして金属ハロゲン化物の蒸気
圧を高めることによって赤外領域の発光を増加させ、色
温度を低下させるものである。しかし、単に壁面負荷を
増大する方法では、発光管の部分的な管壁温度上昇など
が生じ、ランプ寿命の短縮化を招く欠点がある。
【0004】そこで、光干渉膜を適用したメタルハライ
ドランプが提案されている。このメタルハライドランプ
は、発光管、発光管を囲繞する円筒状ガラス管、外管等
の部材の表面に光干渉膜を形成して構成され、発光管か
らの光の透過光の分光分布を変化させることによって色
温度を低下させている。この光干渉膜の分光透過特性
は、350〜1000nmの範囲の所定の波長領域で所定
の透過率(反射率)を有するように設計される。また、
この光干渉膜を構成する膜物質としては通常、酸化チタ
ン(TiO2)、二酸化硅素(SiO2)等の誘電体物質
の薄膜が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記した光干渉膜を適
用したメタルハライドランプには、発光管内部の過度の
温度上昇をもたらすことがなく、発光管への影響を最小
限にとどめて色温度を低下させることができる利点があ
る。しかし、この種のランプは、光干渉膜の分光透過特
性と膜物質の種類が綿密に限定されていなかったので、
所期の目的が達成されない事態が発生するという問題が
ある。
【0006】まず光干渉膜の分光透過特性について説明
すると、次の通りである。ここで、屈折率2.15の高
屈折率層を第1層とし、屈折率1.46の低屈折率層を
第2層とする2層膜より成る光干渉膜を例にとる。そし
て、この光干渉膜を適用したメタルハライドランプを従
来の提案に基づいて構成し、その際の色温度変換効果を
比較検討することとする。この検討において、内部にデ
ィスプロシウム、タリウム及びセシウムの沃化物と水銀
とアルゴンガスとを封入した石英製発光管と、該発光管
を内蔵する外管とを具備するメタルハライドランプを3
本用意し、上記光干渉膜を各ランプの発光管外表面に形
成する。これらメタルハライドランプは、光干渉膜が形
成されていない状態では、いずれも図2において破線で
示す分光放射照度特性と同じ特性を有しており、その色
温度は3本とも5500Kである。なお、膜形成箇所と
して発光管外表面を選んだのは、この箇所が、発光部に
接していて光の入射角が膜のどの部分でもほぼ0度で同
じであるとみなすことができ、光の放射方向による色温
度の差違が、発光管を囲繞する透光性部材の表面に比べ
て相当に小さい箇所だからである。
【0007】さて、前記従来のメタルハライドランプに
おいては、光干渉膜の分光透過特性に綿密な限定がない
ので、該光干渉膜の膜構成、例えば各層の膜厚をある程
度任意に選ぶことができる。そこで、前記2層膜におい
て、図3の分光透過特性を有する場合の各層の膜厚を基
準にして、例えばこれよりも各層とも膜厚が20〜30
%薄いもの及び各層とも膜厚が20〜30%厚いもの、
合計3通りの膜構成を選択した。後の2者の膜の分光透
過特性はそれぞれ図7及び図8に示す通りである。
【0008】これら3種類の2層膜を適用したメタルハ
ライドランプの各々について、その色温度を測定したと
ころ、膜厚の基準とした図3の特性を有する2層膜の場
合は4850Kで、650K色温度が低下したのに対
し、各層とも膜厚が20〜30%薄い場合は色温度がほ
とんど変化せず、又、各層とも膜厚が20〜30%厚い
場合は6080Kで、逆に色温度が約600K増加して
いた。これら3種類の2層膜の分光透過特性上の違い
は、大局的にみて、図3、図7及び図8の比較からわか
るように、分光透過率曲線の谷(その深さは透過率で表
わすと、約70%)の位置が、図3の場合を基準にして
短波長側と長波長側にそれぞれ約100nm移動している
だけである。しかし、上述の色温度測定結果は、この1
00nm程度の位置の違いが色温度には600〜1200
K程度の違いとなって影響を与えるのみならず、色温度
低下の目的に逆行する効果も招きかねないことを示して
いる。以上のことから、メタルハライドランプの色温度
を目標の数値だけ低下させるには、適用する光干渉膜の
膜構成(特に各層の膜厚)を所定範囲内に制御して、膜
の分光透過特性をある程度狭い範囲に限定する必要があ
ることがわかる。
【0009】次に、光干渉膜を構成する膜物質の種類に
ついて説明する。一般に、高屈折率物質として酸化チタ
ン(TiO2)が多用され、これと、低屈折率物質とし
ての二酸化硅素(SiO2)とを組み合わせて、例えば
この両者の薄層の交互積層により光干渉膜が構成されて
いる。しかし、TiO2は600℃前後の高温下におい
て黄色を呈するという物性を有するため、動作中に通常
表面温度が700〜800℃ないしそれ以上の高温とな
るメタルハライドランプの発光管外表面にTiO2薄層
を含む光干渉膜を適用した場合は、発光管本来の光源色
に黄色成分が付加されて黄色っぽい光となり、演色性が
低下するという弊害がある。又、色温度についても、T
iO2薄層を含まない膜構成の光干渉膜を適用した場合
に比べて、少なくとも200〜300K低下し、所望の
色温度よりも下がり過ぎる場合も生じるという問題があ
る。
【0010】高温時に黄色を呈する物質としてはこの他
に、窒化硅素(SiNx)等があり、これらの物質を含
む光干渉膜を適用した場合にも同様の問題を生じてい
る。従って、高温時に黄色を呈する物質はメタルハライ
ドランプの色温度補正のために適用する光干渉膜の膜物
質としては好ましくない。以上述べたように、光干渉膜
を適用して色温度を補正する従来のメタルハライドラン
プにおいては、光干渉膜の分光透過特性と膜物質の種類
に綿密な限定がないので、所望の色温度低下の効果が必
ずしも十分には保証されていない。
【0011】本発明は、上述の問題点を解決するために
なされたもので、高い発光効率と優れた演色性を有する
と共に、ランプ本来の色温度を補正して4000〜50
00Kの色温度を有する白色光を与えるように調整した
メタルハライドランプ、特にディスプロシウム−タリウ
ム−セシウム系のメタルハライドランプを提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るメタルハラ
イドランプは、少なくともディスプロシウム、タリウム
及びセシウムの沃化物と水銀と希ガスとを封入した発光
管の外表面に多層光干渉膜を形成し、該発光管を内蔵す
る外管とを具備してなるメタルハライドランプにおい
て、前記多層光干渉膜の光透過率が波長380nm及び5
80nmにおいて80%以上、波長480nmにおいて80
%以下であり、かつ350〜550nmの波長領域におい
て膜の分光透過率曲線が谷状の窪みを一つだけ形成し、
その窪みの深さが光透過率で表わして60%を超え80
%以下とすることにより、発光管の色温度を4000〜
5000Kとすることを特徴とする。又、前記多層光干
渉膜はTa25−SiO2、ZrO2−SiO2及びNb2
5−SiO2の膜物質の組合わせよりなる群れから選ば
れる少なくとも1種から構成される。
【0013】
【作用】多層光干渉膜をディスプロシウム−タリウム−
セシウム系のメタルハライドランプに適用する本発明に
係るランプにおいては、発光管外表面に設ける光干渉膜
の分光透過特性を上記のように限定したので、色温度を
下げ過ぎて黄色っぽい光にしたり、逆に上昇させ過ぎて
青っぽい光にしたりする不都合を生じることがなく、メ
タルハライドランプの本来の色温度に対して500〜1
000Kの色温度低下が常にもたらされ、色温度が40
00〜5000Kで自然な白色の光を得ることができ
る。又、多層光干渉膜を構成する膜物質を上記のように
限定したので、膜が高温下で黄色を呈することがなく、
従って、該光干渉膜がランプの光を黄色っぽい光に変質
させ演色性を悪化させたり、色温度を必要以上に低下さ
せたりすることが生じない。
【0014】
【実施例】本発明の第1の実施例のメタルハライドラン
プを図面を用いて説明する。図1は第1実施例のメタル
ハライドランプの一部切欠概略図である。1は発光管
で、石英製であり、両端に電極2及び3を有し、内部に
沃化ディスプロシウム(DyI3)、沃化タリウム(T
lI)及び沃化セシウム(CsI)と水銀とアルゴンガ
スとを封入したもので、定格電力150Wである。又、
発光管1の端部の外表面には、例えば酸化ジルコニウム
(ZrO2)等の微粒子からなる保温膜4及び5を形成
している。そして、保温膜4及び5ではさまれた発光管
1の外表面には多層光干渉膜6を設けている。7及び8
はリード線である。9は外管であって、発光管1等を内
蔵している。ランプの他の構成要件の説明は省略する。
こうして、メタルハライドランプ10が構成される。多
層光干渉膜6は2層膜であって、その膜構成は表1の通
りである。 (以下余白)
【0015】
【表1】
【0016】次に、実験結果について説明する。各層の
膜形成は既知の方法を用いて行なった。例えば、減圧C
VD法を用いる場合は、発光管をそのまま反応室に入
れ、タンタルアルコキシドと酸素とを材料として温度、
圧力等の成膜条件を所定の条件にして第1層のTa25
層を形成し、次いで、硅素アルコキシドと酸素とを材料
として同様にして第2層のSiO2層を形成した。
【0017】まず、光干渉膜6の色温度変換効果を調べ
るため、発光管1の外表面に光干渉膜6が形成されてい
ない以外は図1のメタルハライドランプ10と同じラン
プを作製し光干渉膜6がない状態でのランプ特性を調べ
た。その結果、分光放射照度は図2において破線で示す
通りであり、波長420nm付近のディスプロシウム原子
による発光ピークと波長535nm付近のタリウム原子に
よる発光ピークを有するディスプロシウム−タリウム系
に特有の分光分布を示していた。又、そのランプの色温
度は、5530Kであった。
【0018】次に、上記ランプを破壊し発光管1のみを
取り出し、前記のように例えば減圧CVD法により発光
管1の外表面に光干渉膜6(2層膜)を形成した後、再
び、ランプを組立て、図1のメタルハライドランプ10
を完成させ、その後同ランプ10の特性を調べたとこ
ろ、分光放射照度は図2において実線で示すように、ほ
ぼ550nmの波長を境にしてこれより短波長側の放射照
度成分が光干渉膜6がない状態(第2図の破線)と比べ
て全体的に減少しており、一方、約550nmより長波長
側の成分が幾分増加していた。又、メタルハライドラン
プ10の色温度は4850Kであって、光干渉膜6がな
い状態のときよりも色温度が680K低下していた。
【0019】光干渉膜6(2層膜)の分光透過特性は次
のようにして調べた。すなわち、上記発光管1の外表面
への光干渉膜6の形成の際に、同時に、発光管1とほぼ
同じ形状を有し、しかも発光管1と近い位置に配置した
別の発光管の外表面に光干渉膜6を形成しておき、この
発光管を破壊して得た破片の表面の膜の分光透過率を測
定した。その結果、図3に示す分光透過特性を得た。図
3からわかるように、光干渉膜6の分光透過率曲線は、
波長約460nmを中心とし深さが光透過率約71%であ
る谷状の窪みを有している。
【0020】更に、発光管外表面に適用する光干渉膜に
ついて、その各層の膜厚及び屈折率を変化させて膜の分
光透過率曲線の形態を変えるという種々の検討を重ねた
ところ、該光干渉膜の分光透過率曲線の形態がランプの
色温度の変換に大きな影響を及ぼすことが判明した。上
記光干渉膜6(2層膜)の場合について説明すると、膜
の分光透過率曲線(図3)の谷状の窪みの位置、形状及
び深さが大きく影響していて、これらの因子によって色
温度が変化していた。ところで、理論計算上、この谷状
の窪みの位置、形状及び深さは、膜を構成する各層の屈
折率と膜厚によって変化することが知られている。しか
し、実験によれば、膜の分光透過率曲線が、図3に示す
形態を有する場合だけでなくて「膜の光透過率が波長3
80nm及び580nmにおいて80%以上、波長480nm
において80%以下であり、かつ350〜550nmの波
長領域において膜の分光透過率曲線が谷状の窪みを一つ
だけ形成し、その窪みの深さが光透過率で表わすと60
%を超え80%以下である」という分光透過特性の条件
を満たす場合には共通して上記光干渉膜6と同様の効果
があって、いずれも500〜700K色温度が低下して
いた。逆に、この条件外のときは、色温度の低下は50
0K未満であるか、又は色温度が増加する結果となっ
た。なお、2層膜で実現可能な色温度低下の度合いは最
大700K程度である。
【0021】ところで、上記の分光透過特性条件を満た
すような2層膜の膜構成(各層の屈折率及び膜厚)の組
合せは無数にある。そこで、本発明では所望の効果を得
るための条件として、膜構成の側を限定するのではな
く、膜の分光透過特性の側を限定している。ちなみに、
上記の分光透過特性条件を満たすような2層膜の膜構成
の範囲を膜厚(光学膜厚で表示)について概略的に表現
すると、第1層目がnd=330〜400nmで、第2層
目がnd=200〜250nmのときである。又、屈折率
については、光学薄膜の分野で通常用いられる屈折率で
あれば同様の効果があり、高屈折率層については概ね
2.10〜2.30、低屈折率層については概ね1.3
5〜1.47の範囲にあればよい。なお、2層膜におい
ては高屈折率層の屈折率の増加は谷状の窪みの深さを深
くするが、色温度低下の効果にはあまり大きく寄与しな
い。
【0022】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。第2の実施例のメタルハライドランプの構成要件
は、光干渉膜を除いては前記の第1の実施例と同じであ
る。第2の実施例における光干渉膜は4層膜であって、
その膜構成は表2の通りである。 (以下余白)
【0023】
【表2】
【0024】又、該4層膜の形成は前記の第1の実施例
と同様の膜形成方法にて行なった。更に、該4層膜の膜
特性並びにランプに対する色温度変換効果も、前記の第
1の実施例と同様にして調査した。該4層膜の分光透過
特性は図4に示す通りである。又、第2の実施例のメタ
ルハライドランプの色温度は、4層膜を形成しない状態
のときは5300Kであったが、膜形成後には4450
Kとなり、該4層膜によって850Kの色温度低下がも
たらされた。該4層膜の色温度低下効果は前記2層膜よ
りも大きいが、これは、波長470nm付近を中心とする
分光透過率曲線の谷状の窪みの深さが4層膜の場合、2
層膜よりも大きいことが寄与していると考えられる。
【0025】このように、色温度低下効果は、適用する
光干渉膜の層数によっても影響を受け、層数が多いほど
効果が大きいという概略の傾向はある。しかし、そうで
ない場合も数多くあり、単なる層数の増加に加えて保温
効果が付加されることにより色温度が所望の値よりも下
がり過ぎたり、あるいは効果が層数の少ないものとほと
んど差がないケースがあったり、様々である。しかしな
がら、光干渉膜が前記の分光透過特性条件を満たす場合
は、層数の如何にかかわらず同様の効果があり、常に5
00〜1000Kの色温度低下を得ることができる。そ
こで、本発明では、光干渉膜の層数は限定せず、膜の分
光透過特性の方を限定する。ちなみに層数は2〜6層と
するのが好ましいし、奇数層数であってもよい。又、屈
折率1.6〜1.7程度の中間屈折率を含む膜構成であ
ってもよい。
【0026】上記の2つの実施例においては、分光透過
率曲線の谷状の窪みがいずれも典型的なV字谷の形態を
とっていたが、窪みの形態としてはこの他に、図5に示
す分光透過率曲線の例のように、副次的な窪みを有する
谷であってもその副次的な谷が1つの谷の構成要素とな
っている場合には上記実施例と同様の効果がある。逆
に、図6に示す分光透過率曲線の例のように、350〜
550nmの波長領域に2つ以上の独立した谷状の窪みが
ある場合には、色温度低下の効果が概ね200K以下と
小さく、所期の目的が達成されない。
【0027】上記実施例においては、光干渉膜を構成す
る膜物質の組み合わせはいずれも、Ta25−SiO2
であったが、他にZrO2−SiO2、Nb25−SiO
2等の組合せであっても同じ効果があり、いずれも高温
下で黄色を呈することがない。又、光干渉膜はこれら3
者の組合せを混成して構成してもよい。なお、光干渉膜
の膜構成に中間屈折率層が必要ならば、高温下で黄色を
呈さない物質、例えば、酸化アルミニウム(Al23
(屈折率1.65)等の薄層を用いてもよい。更に、本
発明では、メタルハライドランプの構成要件(発光管内
封入物の化学式、発光管の定格電力、保温膜の有無等)
が前記実施例の場合だけに限定される訳ではない。
【0028】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るメタルハライドランプは、発光管外表面に設ける
多層光干渉膜の分光透過特性を前記のように限定してい
るので、ディスプロシウム−タリウム−セシウム系のメ
タルハライドランプ本来の色温度に対して常に500〜
1000Kの色温度低下がもたらされ、色温度が400
0〜5000Kで自然な白色光を得ることができるとい
う特有の効果がある。又、多層光干渉膜を構成する膜物
質を前記のように限定することにより、膜が高温下で黄
色を呈することがなく、演色性を悪化させたり、色温度
を必要以上に低下させたりする弊害を生じないという特
有の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のメタルハライドランプの一
部切欠概略図である。
【図2】メタルハライドランプの分光放射照度を示す図
であり、実線は本発明の一実施例のメタルハライドラン
プの分光放射照度を示し、破線は発光管外表面に多層光
干渉膜を形成していない状態のときのメタルハライドラ
ンプの分光放射照度の例を示す。
【図3】本発明の一実施例のメタルハライドランプに適
用した多層光干渉膜の分光透過特性を示す図である。
【図4】本発明の他の実施例のメタルハライドランプに
適用した多層光干渉膜の分光透過特性を示す図である。
【図5】本発明の他の実施例のメタルハライドランプに
適用した多層光干渉膜の分光透過特性を示す図である。
【図6】比較例のメタルハライドランプに適用した多層
光干渉膜の分光透過特性を示す図である。
【図7】比較例のメタルハライドランプに適用した多層
光干渉膜の分光透過特性を示す図である。
【図8】比較例のメタルハライドランプに適用した多層
光干渉膜の分光透過特性を示す図である。
【符号の説明】
1 発光管 2,3 電極 4,5 保温膜 6 多層光干渉膜 7,8 リード線 9 外管 10 メタルハライドランプ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともディスプロシウム、タリウム
    及びセシウムの沃化物と、水銀と、希ガスとを封入した
    発光管の外表面に多層光干渉膜を形成し、該発光管を内
    蔵する外管とを具備してなるメタルハライドランプにお
    いて、前記多層光干渉膜の光透過率が波長380nm及び
    580nmにおいて80%以上、波長480nmにおいて8
    0%以下であり、かつ350〜550nmの波長領域にお
    いて膜の分光透過率曲線が谷状の窪みを一つだけ形成
    し、その窪みの深さが光透過率で表わして60%を超え
    80%以下とすることにより、発光管の色温度を400
    0〜5000Kとすることを特徴とするメタルハライド
    ランプ。
  2. 【請求項2】 前記多層光干渉膜はTa25−Si
    2、ZrO2−SiO2及びNb25−SiO2の膜物質
    の組合わせよりなる群れから選ばれる少なくとも1種か
    ら構成されていることを特徴とする請求項1項記載のメ
    タルハライドランプ。
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