JPH07142246A - 永久磁石 - Google Patents

永久磁石

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JPH07142246A
JPH07142246A JP31262893A JP31262893A JPH07142246A JP H07142246 A JPH07142246 A JP H07142246A JP 31262893 A JP31262893 A JP 31262893A JP 31262893 A JP31262893 A JP 31262893A JP H07142246 A JPH07142246 A JP H07142246A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 R(ただし、RはYを含む希土類元素のうち
少なくとも1種以上)、T(ただし、TはFeまたはF
eおよびCo)およびBを含有し、実質的に正方晶系の
主相を有する永久磁石体表面にNiめっき層を有し、こ
のNiめっき層上にSnめっき層が形成されていること
を特徴とする永久磁石。 【効果】 耐湿性、耐塩水噴霧性が良好なばかりでな
く、従来の保護層を有する永久磁石に比べて、高温耐油
性(硫黄を含む)、半田付け性改善による高温での接着
強度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、永久磁石に関し、更に
詳細には、R(ただし、RはYを含む希土類元素のうち
少なくとも1種以上)、T(ただし、TはFeまたはF
eおよびCo)およびBを含有し、実質的に正方晶系の
主相を有する永久磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、Nd−Fe−B磁石等のR−Fe
−B系磁石が開発され、特開昭59−46008号公報
では焼結磁石が、また、特開昭60−9852号公報で
は高速急冷法による磁石がそれぞれ開示されている。
【0003】これらのものは、25MGOe以上の高エネ
ルギ積を示す高性能磁石であるが、主成分として酸化さ
れやすい希土類元素と鉄を含有するため、耐食性(特
に、耐湿性、耐塩水噴霧性)が低く、その結果、性能の
劣化、バラツキ等が問題になっている。
【0004】このようなR−T−B系磁石の耐食性の低
さを改善する目的として、上記磁石の表面に、Niめっ
き、2層めっき、樹脂塗装、Snめっき等を施す技術が
提案されている(特開昭60−54406号公報、特開
昭60−63901号公報、特開平2−216802号
公報、特開平5−29118号公報等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近では、
上記R−T−B系磁石の高性能性から産業機械、自動車
等への用途の拡大の要求が高まり、それに伴い、従来の
耐湿性、耐塩水噴霧性に加えて、高温での接着性、耐油
性(特に硫黄を含むもの)が要求されるに至ったが、従
来の処理による永久磁石では、これらの要求を満足する
ものはなかった。
【0006】そこで、本発明は、従来の耐湿性、耐塩水
噴霧性に加えて、高温での接着性および耐油性(特に硫
黄を含むもの)の全てに優れた永久磁石を提供すること
を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(7)の本発明により達成される。 (1)R(ただし、RはYを含む希土類元素のうち少な
くとも1種以上)、T(ただし、TはFeまたはFeお
よびCo)およびBを含有し、実質的に正方晶系の主相
を有する永久磁石体表面にNiめっき層を有し、このN
iめっき層上にSnめっき層が形成されていることを特
徴とする永久磁石。 (2)前記Snめっき層の膜厚が0.05μm 以上10
μm 以下である上記(1)に記載の永久磁石。 (3)前記Snめっき層が中性めっき浴により設層され
る上記(1)または(2)に記載の永久磁石。 (4)前記Niめっき層の膜厚が3μm 以上20μm 以
下である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の永
久磁石。 (5)前記Niめっき層とSnめっき層の少なくとも界
面に、NiとSnの金属間化合物層が形成されている上
記(1)ないし(4)のいずれかに記載の永久磁石。 (6)前記NiとSnの金属間化合物がNi3 Sn、N
3 Sn2 およびNi3 Sn4 のうち少なくとも1種以
上である上記(5)に記載の永久磁石。 (7)前記NiとSnの金属間化合物層の厚さが0.0
1μm 以上である上記(5)または(6)に記載の永久
磁石。
【0008】
【作用および効果】本発明では、R−T−B系永久磁石
体表面に、Niめっき層を有し、このNiめっき層上に
Snめっき層が形成されている。これにより、本発明の
永久磁石においては、従来の耐湿性、耐塩水噴霧性に加
えて、高温での接着性および耐油性(特に硫黄を含むも
の)の全てが向上した。
【0009】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0010】〔前処理〕本発明においては永久磁石に保
護層を設層する前に、所定の処理液を用いて前処理を行
う。
【0011】めっき前処理に用いる酸としては、塩酸、
硫酸等の非酸化性の酸が用いられることが多い。しか
し、特に永久磁石が希土類元素を含む場合には、これら
の酸を用いて処理を行うと、酸により発生する水素が、
永久磁石表面に吸蔵され、吸蔵部位が脆化して、多量の
粉状未溶解物が発生する。この粉状未溶解物は、保護層
の欠陥の原因となったり、密着性低下を引き起こしたり
するので、できれば、これらの非酸化性の酸は処理液に
含有させないことが好ましい。従って、用いる酸として
は水素の発生の少ない酸化性の酸である硝酸を用いるこ
とが好ましい。硝酸を用いることにより、その酸化作用
で磁石表面に化学エッチングが施され、肉眼では確認不
可能な程度の微細な凹凸構造が形成される。
【0012】本発明では処理液に、この硝酸のほかに、
アルドン酸またはその塩を含有させる。
【0013】このアルドン酸またはその塩を含有させる
と、硝酸により溶出したFeイオンとアルドン酸塩が安
定なキレート化合物を形成し、Feよりイオン化傾向の
大きいNdの遊離Feイオンとの置換反応による溶解を
抑えることができる。したがって、アルドン酸やその塩
を添加することにより、硝酸のみでは局所的および突発
的に起る化学エッチングが、より穏やかに進行し、磁石
表面に、均質で、局所的に急激に深い凹部が存在しな
い、微細で均質な凹凸構造が形成され、保護層の密着性
を向上することができる。
【0014】そして、このような密着性の向上は、アル
ドン酸またはその塩によって選択的に実現し、他のキレ
ート剤、例えばクエン酸、酒石酸等では実現しない。
【0015】このような前処理による磁石体の溶解量
は、表面から、平均厚みで5μm 以上、より好ましく
は、10〜15μm とするのが好適である。5μm 未満
の溶解量では磁石体表面の加工による変質層、酸化層を
完全に除去することができないために十分な密着性が得
られない。
【0016】また、凹凸の平均深さ(谷から山までの深
さ)は、1〜5μm 程度が好ましい。また凹凸の平均ピ
ッチは10〜50μm 程度であることが好ましい。これ
らにより密着性が向上する。
【0017】このような前処理に用いられる処理液の硝
酸の濃度は1規定以下、特に0.6規定以下、より好ま
しくは0.5規定以下とするのが望ましい。硝酸濃度が
1規定を越える場合には、磁石体の溶解速度が極めて早
くなり、溶解量の制御が困難で所望の寸法精度の製品を
得ることができない。またバレル処理のような大量処理
に際しては処理状態のバラツキも大きくなる。また、硝
酸濃度がうすいと、液量が多くなりすぎ、溶解量が不足
してくる。このため硝酸濃度は1規定以下、特に好まし
くは0.05〜0.5規定が望ましい。
【0018】処理液に添加されるアルドン酸またはその
塩の添加量は、処理時に溶解するFeと等モル以上とす
るのが好ましい。アルドン酸やその塩の添加量が処理終
了時に処理液に溶解しているFe量の等モル未満である
と、凹凸形成作用が十分でなく、密着性が低くなり好ま
しくない。
【0019】処理終了時のFe溶解量は、1〜10g/リ
ットル程度とする。従ってアルドン酸またはその塩は、
一般に0.02〜0.2モル/リットル程度含有させ
る。すなわち、バッチ処理により溶解処理を行い、この
ようなFe溶解量となったとき処理液を廃棄すればよ
い。
【0020】アルドン酸またはその塩はHOCH2 (C
HOH)nCOOY(YはHまたはカチオン)で示され
る化合物であり、例えばn=3〜5のグルコン酸、アラ
ボン酸、マンノン酸、ガラクトン酸、ヘプトン酸等いず
れであってもよい。この場合、特に純度の高い試薬を入
手可能な点では、これらのアルカリ金属塩が好ましい。
【0021】これらのうち、特に、グルコン酸ナトリウ
ム、グルコン酸カリウム、ヘプトン酸ナトリウム等は最
も好適に使用でき、粉状未溶解物を増加させることな
く、均一で微細な凹凸を形成することができる。
【0022】酸処理液には、アルドン酸やその塩以外
に、例えばクエン酸、酒石酸、オキシ酢酸等のヒドロキ
シカルボン酸の塩が加えられることがあるが、これらを
添加した場合にはアルドン酸やその塩を加えた場合に認
められる微細な凹凸の形成作用が得られず、本発明にお
けるような密着性の改善が達成できない。また、粉状未
溶解物量も増加する。
【0023】さらに、酸処理液には、ラウリル硫酸ナト
リウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等
の界面活性剤が加えられる場合があるが、本発明の処理
液にこれらを加えた場合には、粉状未溶解物の増加を招
き、また処理後の磁石体表面への吸着も起こって密着性
を逆に低下させるため望ましくない。
【0024】処理液による処理温度は40℃以下、特に
30℃以下、より好ましくは20℃以下とするのがよ
い。処理温度が40℃を越える場合には、硝酸による磁
石体溶解作用が優勢となり、アルドン酸塩の添加効果が
消失してしまうため、好ましくない。なお、処理時間は
処理液組成、温度、所望のエッチング量によって適宜調
整すればよいが通常1〜20分間とするのが好ましい。
【0025】このような、前処理を行った磁石体表面か
ら少量の未溶解物および、残存酸成分を完全に除去する
ため、超音波を使用した洗浄を実施することが好まし
い。この超音波洗浄は、イオン交換水等の塩素イオン含
有量の少ない水、若しくはそれに残存酸の中和を目的と
した少量の塩基性化合物を溶解した溶液中で行うのが望
ましい。洗浄液に塩素イオンが含まれると磁石表面に錆
が発生する原因となる。
【0026】また必要に応じて、前記超音波洗浄の前後
に同様な水あるいは塩基性水溶液による浸漬洗浄を行っ
てもよい。更に、前記前処理を行う前に磁石体の加工方
法・保存状態に応じて、機械的な研磨処理および、めっ
き前処理として通常行われる浸漬または電解脱脂処理も
しくはアルカリ脱錆処理を行っても良い。
【0027】なお、前記前処理においては、超音波印加
を、行わないことが好ましい。凹凸が大きくなりすぎる
場合があるからである。
【0028】〔Niめっき層〕洗浄を行った磁石表面上
に電気めっきにより保護層を設層する。保護膜を電気め
っきにより設層することにより、量産性に優れた高性能
耐食膜を形成することができる。
【0029】このようにして形成される保護層はNiを
主成分とすることが好ましい。
【0030】保護層としてNiを用いることにより、保
護層の強度を高め、優れた防錆効果を得ることができ
る。このようなNiの電気めっきに用いるめっき浴とし
ては、塩化ニッケル成分を含有しないワット浴、スルフ
ァミン酸浴や、ホウフッ化浴、臭化ニッケル浴等が挙げ
られる。ただし、この場合陽極の溶解が少なくなるた
め、ニッケルイオンを浴に補充する必要が生じる。この
ニッケルイオンは、硫酸ニッケルあるいは臭化ニッケル
の溶液として補充するのが好ましい。
【0031】例えば、これらのうちでは、より高い剥離
強度を示すスルファミン酸浴を用いることが好ましく、
以下の組成のものが挙げられる。
【0032】 Ni(NH2 SO3 2 ・4H2 O 150〜600g/リットル NiBr2 ・6H2 O 0〜30g/リットル ホウ酸 30〜60g/リットル
【0033】この際、浴中の水も塩素を含有しないこと
が好ましく、浴中の塩素量は100ppm 以下とすること
が好ましい。このように、めっき浴から塩素成分を除く
ことによって主に経時によるフクレの発生を防止するこ
とができる。
【0034】めっき条件は、pH3〜6、特に好ましく
は4〜5、温度30〜70℃、電流密度0.1〜10A/
dm2 程度とすればよい。pHがこの範囲未満では、磁石
体が溶解してしまい、pHがこの範囲を超えると水酸化
ニッケルの沈澱が折出して、めっき膜が脆くなってしま
う。また、電流密度がこの範囲未満では、めっき膜中へ
の、例えばCu、Co等の不純物の共折が多く、外観の
悪い耐食性の低い膜となってしまい、電流密度がこの範
囲を超えると陰極近傍での水素発生が増大して磁性体に
吸蔵され、密着性低下の原因となる。
【0035】本発明においては、上記Niめっき層の膜
厚は、3〜20μm 程度、好ましくは10〜20μm 程
度に設定する。この範囲の膜厚であれば、保護層として
の機能は十分であり、しかも磁気特性が低下することは
ない。
【0036】本発明においては、必要に応じてめっき技
術ガイドブック(東京鍍金材料共同組合発行)115ペ
ージに記載されているような自然電位の異なる公知のダ
ブルニッケルめっき、トリニッケルめっき等の耐食性向
上を目的とした多層めっきも好ましく用いることができ
る。なお、塩化物を含む通常のワット浴、スルファミン
浴を用いた場合でも本発明の密着性の向上、耐食性の向
上効果を得ることができる。
【0037】これらの電気めっきによる保護層の設層に
際しては磁石体の寸法・形状に応じてラックめっき法ま
たはバレルめっき法を適宜適用する。
【0038】一般に、ラックめっき法で処理されるよう
な寸法の大きい磁石体では無欠陥な保護層を必要とする
面積が広いため、保護層厚みを厚くする必要があり、一
方、バレルめっき法で大量に処理されるような表面積が
小さく、自重数十g 以下の磁石体における電気めっきの
みによる望ましい保護層厚みは比較的薄くてよい。
【0039】〔Snめっき層〕本発明においては、上記
Niめっき層の上にSnめっき層が形成される。
【0040】このSnめっき層は、従来から知られてい
るピロリン酸、有機カルボン酸等の中性浴、硫酸等の酸
性浴等を用いた電気めっき法によって形成される。
【0041】例えば、これらのうちでは、半田付け試験
で、より高い圧縮せん断強度を示す中性浴を用いること
が好ましく、その中の一つである中性ピロリン酸浴の組
成を以下に挙げる。
【0042】SnSO4 35〜60g/リットル K4 2 7 125〜200g/リットル 有機添加剤 0.1〜10g/リットル
【0043】めっき条件は、pH7.5〜9.0、温度
25〜55℃、電流密度0.1〜5A/dm2 とすればよ
い。温度がこの範囲未満では、光沢は良くなるが、均一
電着性と電流効率が低下し、温度がこの範囲を超える
と、光沢不良と4価スズの増加による均一電着性と電流
効率の低下を招く。また、電流密度がこの範囲未満で
は、めっき膜中への、例えばNi,Cu,Pb等の不純
物の共析が多くなりすぎ、外観および耐食性の悪い膜と
なってしまい、電流密度がこの範囲を超えると、電流効
率が低下し、陰極近傍での水素発生が増大してNiめっ
き膜を通して磁性体に吸蔵され、密着性低下の原因とな
る。
【0044】本発明において、Snめっき層の膜厚は、
0.05〜10μm 、望ましくは0.1〜5μm 、特に
0.1〜1μm に設定することが望ましい。Snめっき
層の膜厚がこの範囲未満では膜厚制御が困難であり、耐
塩水噴霧性、耐油性が不十分となり、この範囲を超える
と、膜応力の差が顕著となり、Niめっきとの密着性が
低下するとともに、外観が光沢から無光沢(灰色)とな
り、被膜の表面形態が変化し、耐塩水噴霧性が低下する
からである。
【0045】なお、本発明のSnめっき層においては、
5wt%未満の範囲において、Pb,Sb,Cu,Fe等
の不純物を含んでいてもよい。
【0046】〔Ni−Sn金属間化合物〕本発明におい
ては、上記Niめっき層とSnめっき層の少なくとも界
面に、Ni−Sn金属間化合物層、特に安定なNi3
n、Ni3 Sn2 およびNi3 Sn4 のうち少なくとも
1種以上が形成された層が存在することが望ましい。
【0047】上記Ni−Sn金属間化合物層の厚さは、
Niめっき層とSnめっき層の界面に0.01μm 以上
あることが望ましく、Snめっき層全体がNi−Sn金
属間化合物となっていてもよい。従って、Ni−Sn金
属間化合物層の厚さの上限は特に存在しないが、熱処理
等の経済性を考えると、2〜3μm 程度あればよい。
【0048】上記Ni−Sn金属間化合物層の厚さが、
0.01μm 未満の場合には、X線回折ではNi−Sn
金属間化合物は検出されないレベルであり、半田付けに
よる接着強度の向上は認められない。
【0049】上記Ni−Sn金属間化合物層は、磁石本
体上にNiめっき層とSnめっき層を施したものを、8
0〜200℃の雰囲気下で、30分〜20時間熱処理す
ることによって形成される。この処理は、大気中で行っ
てよい。温度がこの範囲未満では、金属間化合物の形成
は難しく、温度がこの範囲を超えると、過度の熱処理と
なり、変色が著しく、また、Niめっきと磁石本体との
密着性が低下する。
【0050】また、時間がこの範囲未満であると、処理
物の形状等により実温に達しない場合があり、熱処理不
十分となってしまう。一方、20時間を超えた場合、熱
処理の効果は変わらず、生産性が著しく低下する。
【0051】ここで、熱処理によるNi−Sn金属間化
合物の形成の具体例を図1に示す。
【0052】〔永久磁石体〕本発明において保護層が表
面に設層される永久磁石体は、R(ただし、RはYを含
む希土類元素の1種以上)、FeおよびBを含有するも
のである。
【0053】R、FeおよびBの含有量は、 5.5at%≦R≦30at% 42at%≦Fe≦90at% 2at%≦B≦28at% であることが好ましい。
【0054】特に、永久磁石体を焼結法により製造する
場合、下記の組成であることが好ましい。
【0055】希土類元素Rとしては、Nd、Pr、H
o、Tbのうち少なくとも1種、あるいはさらに、L
a、Sm、Ce、Gd、Er、Eu、Pm、Tm、Y
b、Yのうち1種以上を含むものが好ましい。
【0056】なお、Rとして2種以上の元素を用いる場
合、原料としてミッシュメタル等の混合物を用いること
もできる。
【0057】Rの含有量は、上記のように5.5〜30
at%であることが好ましく、その理由は、5.5at%未
満では、結晶構造がα−鉄と同一構造の立方晶組織とな
るため、高い保磁力(iHc)が得られず、30at%を
超えると、Rリッチな非磁性相が多くなり、残留磁束密
度(Br)が低下するからである。
【0058】Feの含有量は、上記のように42〜90
at%であることが好ましく、その理由は、Feが42at
%未満であるとBrが低下し、90at%を超えるとiH
cが低下するからである。
【0059】Bの含有量は、上記のように2〜28at%
であることが好ましく、その理由は、Bが2at%未満で
あると菱面体組織となるためiHcが不十分であり、2
8at%を超えるとBリッチな非磁性相が多くなるため、
Brが低下するからである。
【0060】なお、Feの一部をCoで置換することに
より、磁気特性を損うことなく温度特性を改善すること
ができる。この場合、Co置換量がFeの50%を超え
ると磁気特性が劣化するため、Co置換量は50%以下
とすることが好ましい。
【0061】また、R、FeおよびBの他、不可避的不
純物としてNi、Si、Al、Cu、Ca等が全体の3
at%以下含有されていてもよい。
【0062】さらに、Bの一部を、C、P、S、Cuの
うちの1種以上で置換することにより、生産性の向上お
よび低コスト化が実現できる。この場合、置換量は全体
の4at%以下であることが好ましい。また、保磁力の向
上、生産性の向上、低コスト化のために、Al、Ti、
V、Cr、Mn、Bi、Nb、Ta、Mo、W、Sb、
Ge、Sn、Zr、Ni、Si、Hf等の1種以上を添
加してもよい。この場合、添加量は総計で10at%以下
とすることが好ましい。
【0063】本発明における永久磁石体は、実質的に正
方晶系の結晶構造の主相を有する。この主相の粒径は、
1〜100μm 程度であることが好ましい。そして、通
常、体積比で1〜50%の非磁性相を含むものである。
【0064】このような永久磁石体は、特開昭61−1
85910号公報等に開示されている。
【0065】上記のような永久磁石体は、以下に述べる
ような焼結法により製造されることが好ましい。まず、
所望の組成の合金を鋳造し、インゴットを得る。得られ
たインゴットを、スタンプミル等により粒径10〜10
0μm 程度に粗粉砕し、次いで、ボールミル等により
0.5〜5μm 程度の粒径に微粉砕する。
【0066】得られた粉末を、好ましくは磁場中にて成
形する。この場合、磁場強度は10kOe 以上、成形圧力
は1〜5t/cm2 程度であることが好ましい。
【0067】得られた成形体を、1000〜1200℃
で0.5〜5時間焼結し、急冷する。なお、焼結雰囲気
は、Arガス等の不活性ガス雰囲気であることが好まし
い。この後、好ましくは不活性ガス雰囲気中で、500
〜900℃にて1〜5時間時効処理を行う。
【0068】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0069】粉末治金法によって作成した27.4Nd
−3.0Dy−1.0B−残部Fe(数字は重量%)の
組成をもつ焼結体をアルゴン雰囲気中で600℃にて2
時間時効処理を施し、直径23.5mm、厚さ3.4mmの
大きさの円盤状に加工し、更にバレル研磨処理により面
取りを行って永久磁石を得た。
【0070】上記試料100個を硝酸濃度:0.5N、
グルコン酸ナトリウム濃度:0.025モル/リットル
の処理液50リットルに10℃で3分間浸漬して表面層
を溶解した。平均溶解量は6μm であった。
【0071】上記処理済みの試料をイオン交換水中で超
音波洗浄した後、下記に示す組成・条件のワット浴、ス
ルファミン酸浴を用いてバレル法によりNiめっきを行
った。
【0072】 無光沢ワット浴 NiSO4 ・6H2 O 280g/l NiCl2 ・6H2 O 45g/l ホウ酸 40g/l 浴温度 50℃ pH 4.5 平均陰極電流密度 0.3A/dm2 めっき膜厚 15μm
【0073】ワット2層 下記に示す組成・条件のめっき浴を用いて第一層目の半
光沢ワットNiめっきを行った。
【0074】 NiSO4 ・6H2 O 280g/l NiCl2 ・6H2 O 45g/l ホウ酸 40g/l 市販半光沢剤(硫黄不含) 1.5ml/l 浴温度 50℃ pH 4.5 平均陰極電流密度 0.3A/dm2 めっき膜厚 10μm
【0075】さらに、下記に示す組成・条件のめっき浴
を用いて光沢ワットNiめっきを行い2層めっきとし
た。
【0076】 NiSO4 ・6H2 O 280g/l NiCl2 ・6H2 O 50g/l ホウ酸 45g/l 市販光沢剤(硫黄系) 15ml/l 浴温度 50℃ pH 4.5 平均陰極電流密度 0.3A/dm2 めっき膜厚 5μm
【0077】 スルファミン酸浴 Ni(NH2 SO32 ・4H2 O 180g/l NiBr2 ・6H2 O 5g/l ホウ酸 45g/l LiNH2 SO3 200g/l 浴温度 50℃ pH 4.5 平均陰極電流密度 0.3A/dm2
【0078】次に下記に示す組成・条件の中性ピロリン
酸浴、酸性無光沢硫酸浴を用いてバレル法によりSnめ
っきを行った。
【0079】 中性ピロリン酸浴 SnSO4 45g/l K427 165g/l 有機添加剤 2g/l 浴温度 30℃ pH 8.0 平均陰極電流密度 0.5A/dm2
【0080】 酸性無光沢硫酸浴 SnSO4 50g/l H2 SO4 100g/l クレゾールスルホン酸 100g/l β−ナフトール 1g/l ゼラチン 2g/l 浴温度 20℃ 平均陰極電流密度 1.5A/dm2
【0081】そして、NiめっきおよびSnめっきの処
理時間により、表1に示す膜厚にそれぞれ変えて、実施
例1〜9のサンプルを作製した。なお、これらの実施例
のサンプルにおいては、熱処理をせず、従ってNi−S
n金属間化合物層も存在しなかった。
【0082】
【表1】
【0083】次に、上記実施例5のサンプルを用い、熱
処理条件を変えて、Niめっき層とSnめっき層の界面
にNi−Sn金属間化合物を形成し、表2に示すような
実施例10〜16のサンプルを作製した。
【0084】以上のサンプルのうち、熱処理を行なわな
い実施例5、および熱処理を行なった実施例15につ
き、X線回折により、Ni属とSn属の界面の構成を調
べたところ、実施例5においては、図1の(a)に示さ
れているように、Ni−Sn金属間化合物の存在が認め
られなかったが、実施例15においては、図1の(b)
に示されているようにNi3 Sn、Ni32 、Ni3
Sn4 であるNi−Snの金属間化合物の存在が認めら
れた。なお、Ni−Sn金属間化合物層の膜厚の測定
は、斜め研磨SEM観察により行った。
【0085】
【表2】
【0086】また、比較のためNiめっきのみ、Snめ
っきのみ、Niと無電解Ni−Pの2層めっき、スプレ
ー塗装のみ、電着塗装のみ、Niめっき+電着塗装の表
面処理を行い、表3に示すような比較例1〜10のサン
プルを作製した。
【0087】
【表3】
【0088】以上の実施例および比較例のサンプルにつ
き、下記の評価を行い、その結果を表4、5および6に
示した。
【0089】
【表4】
【0090】
【表5】
【0091】
【表6】
【0092】〔耐湿試験〕プレッシャークッカーテスト
(120℃、100%RH,2atm )40時間および1
00時間での外観評価(個数:20個)評価結果は、各
評価時間での累積不良発生数で示した。
【0093】〔塩水噴霧試験〕塩水噴霧試験(35℃、
5wt%−NaCl〕24時間および48時間での外観評
価(個数:10個)評価結果は、各評価時間でのレイテ
ィングナンバで示した。
【0094】〔SO2 ガス試験〕SO2 ガス試験(40
℃、75%RH、5ppm−SO2 )96時間でのSE
M−EDX観察(個数:1個)評価結果は、形態変化が
認められないものを○で示し、形態変化が観察されたも
のを×で示した。
【0095】〔高温耐油試験(硫黄を含む油)〕高温耐
油試験(150℃、トランスミッションオイル(硫黄を
含む))300時間および600時間でのSEM−ED
X観察(個数:2個)評価結果は、形態変化が認められ
ないもの(図2の写真参照)を○で示し、形態変化が観
察されたもの(図3の写真参照)、あるいは被膜に油の
浸透が観察されたものを×で示した。
【0096】ここで、図2および図3は実施例13のサ
ンプルの高温耐油試験600時間の試験前後の表面のS
EM写真であり、図4および図5は比較例2の高温耐油
試験300時間の試験前後のSEM写真である。なお、
300時間での試験で形態変化等が観察されたものにつ
いては、600時間の試験は行なわなかった。
【0097】〔半田付け試験〕SnめっきしたS45C
板に対して、サンプルを半田ペーストを用いて半田付け
(225℃、1時間)し、そのときの半田付け性および
高温(150℃)での圧縮せん断強度(個数:3個)半
田付け性の評価は、半田付け性が良好なものを○で示
し、半田付けが可能なものを△で示し、半田付けができ
ないものを×で示した。また、高温での圧縮せん断強度
の測定値をn=3の平均値で示した。なお、半田付けが
できなかったものについては、当然のことながら圧縮せ
ん断強度試験は行なわなかった。
【0098】〔接着性試験〕サンプルをS45C板に対
して、以下の2種類の接着剤を用いて接着した場合の高
温(150℃)での圧縮せん断強度(個数:3個) a)通常タイプ:3M S/W−2214(硬化条件:
120℃、60分) b)耐熱タイプ:アラルダイト XN1244SR(硬
化条件:120℃、60分) 評価結果は、高温での圧縮せん断強度の測定値をn=3
の平均値で示した。
【0099】上記の表から本発明の効果が明らかであ
る。すなわち、本発明の保護層を有する永久磁石におい
ては、耐湿性、耐塩水噴霧性が良好なばかりでなく、従
来の保護層を有する永久磁石に比べて、高温耐油性(硫
黄を含む)、半田付け性改善による高温での接着強度が
向上した。
【0100】以上から明らかなように、本発明によれば
多方面で特性が良好で、産業機械や自動車の部品に好ま
しく用いることのできる永久磁石を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例5のサンプルと、実施例15の
サンプルについての被膜表面のX線回折パターンであ
る。
【図2】図面代用写真であって、本発明の実施例13の
サンプルの高温耐油試験(硫黄を含む)600時間の試
験前の表面のSEM写真である。
【図3】図面代用写真であって、本発明の実施例13の
サンプルの高温耐油試験(硫黄を含む)600時間の試
験後の表面のSEM写真である。
【図4】図面代用写真であって、本発明の比較例2のサ
ンプルの高温耐油試験(硫黄を含む)300時間の試験
前の表面のSEM写真である。
【図5】図面代用写真であって、本発明の比較例2のサ
ンプルの高温耐油試験(硫黄を含む)300時間の試験
後の表面のSEM写真である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R(ただし、RはYを含む希土類元素の
    うち少なくとも1種以上)、T(ただし、TはFeまた
    はFeおよびCo)およびBを含有し、実質的に正方晶
    系の主相を有する永久磁石体表面にNiめっき層を有
    し、このNiめっき層上にSnめっき層が形成されてい
    ることを特徴とする永久磁石。
  2. 【請求項2】 前記Snめっき層の膜厚が0.05μm
    以上10μm 以下である請求項1に記載の永久磁石。
  3. 【請求項3】 前記Snめっき層が中性めっき浴により
    設層される請求項1または2に記載の永久磁石。
  4. 【請求項4】 前記Niめっき層の膜厚が3μm 以上2
    0μm 以下である請求項1ないし3のいずれかに記載の
    永久磁石。
  5. 【請求項5】 前記Niめっき層とSnめっき層の少な
    くとも界面に、NiとSnの金属間化合物層が形成され
    ている請求項1ないし4のいずれかに記載の永久磁石。
  6. 【請求項6】 前記NiとSnの金属間化合物がNi3
    Sn、Ni3 Sn2およびNi3 Sn4 のうち少なくと
    も1種以上である請求項5に記載の永久磁石。
  7. 【請求項7】 前記NiとSnの金属間化合物層の厚さ
    が0.01μm 以上である請求項5または6に記載の永
    久磁石。
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