JPH07131389A - エコーキャンセラ - Google Patents

エコーキャンセラ

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JPH07131389A
JPH07131389A JP27392493A JP27392493A JPH07131389A JP H07131389 A JPH07131389 A JP H07131389A JP 27392493 A JP27392493 A JP 27392493A JP 27392493 A JP27392493 A JP 27392493A JP H07131389 A JPH07131389 A JP H07131389A
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Yoshihiro Tomita
吉弘 富田
Kaoru Nakajo
薫 中条
知信 ▲高▼島
Tomonobu Takashima
Fumiaki Nishida
文昭 西田
Rika Nishiike
理香 西池
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 2線−4線変換回路の4線側に挿入されて、
適応フィルタを用いて擬似エコーを生成し、受信側から
送信側に回り込むエコーから適応的に差し引くエコー・
キャンセラに関し、送信側の雑音が大きい場合にも安定
にエコー収束するエコー・キャンセラを提供することを
目的とする。 【構成】 2線−4線変換回路の入力である受信信号
と、該2線−4線変換回路の出力である送信信号の信号
電力を監視し、無音状態と判定される時の送信信号の信
号電力に適応して、タップ係数更新の制御係数αを選択
してタップ係数更新部に供給するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エコーキャンセラに係
り、特に、雑音がある環境でも安定なエコー収束が可能
なエコー・キャンセラに関する。
【0002】一般的な電話回線は、加入者線路が2線
で、中継線路が4線で構成される。この間にハイブリッ
ド・トランスを挿入して2線−4線変換し、電話機から
の音声を送信側の中継線路のみに伝達し、受信側の中継
線路の音声を加入者線路のみに伝達する。しかし、ハイ
ブリッド・トランス自体の特性の不平衡や、ハイブリッ
ド・トランスと線路との間のインピーダンス不整合が原
因で、受信側の中継線路の音声が送信側の中継線路に回
り込む(この回り込んだ音声は後述のように話者の受話
器に到達するのでエコーという)という現象が生ずる。
エコーは送信側の線路、遠端側のハイブリッド・トラン
ス、遠端側の加入者線路を通って遠端側の電話機の受話
器に到達する。エコーは遠端側の通話者の音声であるか
ら、遠端側の通話者は中継線路1往復分の遅延を受け
た、レベルの低い自分の音声を聴きながら通話している
ことになる。当然、近端側の通話者についても同じであ
る。日本国内の場合には、この遅延時間は数十ミリ秒程
度であるから通話者に違和感を与えることは少ないが、
国際通話の場合にはこの遅延時間は数百ミリ秒にも達し
て、通話者は極めて話しにくい環境に置かれる。
【0003】上記のような不具合を解消するために、受
信側の信号を用いて擬似的なエコーを発生させ、受信側
から送信側に回り込んだエコーから差し引くエコー・キ
ャンセラが使用される。エコー・キャンセラはこの他
に、2線中継線に使用される双方向中継器、携帯電話シ
ステム、遠隔会議システムなどにも使用されており、そ
の用途は拡大しつつある。
【0004】従って、エコー・キャンセラの特性向上、
特に、4線側の送信側の雑音に左右されずに安定にエコ
ー収束するエコー・キャンセラの実現が望まれている。
【0005】
【従来の技術】図10は、適応フィルタを用いた、従来
のエコー・キャンセラの構成を示す図で、2線−4線変
換回路(電話システムの場合には加入者回路と呼ばれ
る)、電話機も含めて図示している。
【0006】図10において、1aはタップ係数更新
部、2はタップ係数格納部、3は擬似エコー発生部、4
はタップデータ格納部、5は減算部、11は2線−4線
変換回路、12は電話機である。尚、2線−4線変換回
路はハイブリッド・トランス111以外は省略して図示
しているが、伝送上の主要機能を文章で補足すると、近
端側の電話機からの音声信号はハイブリッド・トランス
を経由した後にアナログ・デジタル変換され、2線−4
線変換回路から出力されてエコー・キャンセラに入力さ
れる。一方、遠端側から伝送されてくる受信信号はデジ
タル・アナログ変換された後、ハイブリッド・トランス
を経由して電話機に導かれる。尚、図10おいては、本
発明の要旨には無関係なので、通常用いられるダブルト
ーク検出部を省略している。
【0007】エコー・キャンセラは図10のように、4
線区間に挿入されて、4線側から2線側をみたエコー経
路の伝達特性を受信信号に対して適応的に推定して擬似
エコーを発生し、受信側から送信側へ回り込んだエコー
から差し引くことで実現される。この擬似エコーの推定
はトランスバーサル・フィルタによって行なわれる。こ
のトランスバーサル・フィルタ部を、学習同定法による
構成を例にして、詳細に図示したものが図11である。
【0008】図11における符号は図10の符号と同一
である。そして、擬似エコー発生部はタップデータ格納
部から供給されるタップデータxi とタップ係数格納部
から供給されるタップ係数hi の積をとる乗算器と、複
数の乗算器の出力の和をとる加算器を有する。
【0009】時刻nにおける受信信号のベクトル表現を
n (x1 、x2 、・・、xm )、エコー経路のインパ
ルス応答のベクトル表現をW(w1 、w2 、・・、
m )で表す時、エコーのベクトル表現yn はXn-1
Wの内積によって与えられるので、次の式のようにな
る。
【0010】 一方、エコー・キャンセラのタップ係数のベクトル表現
をH(h1 、h2 、・・、hm )とすれば、推定した擬
似エコーy* n は次式で与えれる。
【0011】 従って、残留エコーen は式(1)と式(2)の差より
次式のようになる。
【0012】 そして、タップ係数hi は残留エコーとタップデータと
から学習同定法によって次式のように更新される。
【0013】 hi+1 =hi +α・(en ・xn-i )/(Xn ・Xn ) (4) ここでαは学習同定法の制御係数又は利得係数と呼ば
れ、収束の速度と安定性を決める定数である。そして、
図11におけるタップ係数更新部は式(4)の演算その
ものを行なう。その構成を具体的に図示したものが図1
2である。
【0014】図12において、1a1は残留エコーとタ
ップデータの積をとる乗算器、1a2は制御係数αをか
ける乗算器、1a3は式(4)の第二項の演算をする乗
算器、1a4は1サンプル前のタップ係数hi を加える
加算器、1a5は1サンプル遅延回路、1a6は受信信
号電力の逆数の算出回路である。即ち、図12の構成は
式(4)の右辺の演算に対応している。
【0015】そして、雑音のない場合には制御係数αが
0と2の間においてエコーが収斂する。また、制御係数
αは1.0の時に最も収束が速いことが、一方、αが小
さい時には収束は遅いが安定性に優れ、収束した時の特
性がよいことが知られている。従って、一般にはαを小
さめに設定することが多いが、収束速度を犠牲にしなけ
ればならないという問題がある。
【0016】尚、学習同定法については、例えば、野
田、坂本「システムの学習同定法」(計測と制御、Vol.
50 ,No.8 ,pp.597 ,Sept.1968 )などの文献がある。こ
こで、送信側に電話機の周囲雑音や2線−4線変換回路
の送り側で発生する雑音などの雑音成分nn がある場合
には、残留エコーen は次式のようになり、雑音成分は
差し引かれない。
【0017】 en =Σ(wi −hi )・xn-1 +nn (5) この雑音成分が式(4)のei に含まれるので、学習同
定法による理想的なタップ係数更新が行なわれなくな
り、収束が遅くなったり収束しないという問題が生ず
る。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
に対処して、送信側に雑音がある場合にも安定に収束
し、且つ、収束速度が速いエコー・キャンセラを提供す
ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明の第一の
原理である。図1において、1はタップ係数更新部、2
はタップ係数格納部、3は擬似エコー発生部、4はタッ
プデータ格納部、5は減算部、6は電力算出部、7はα
選択部、11は2線−4線変換回路、12は電話機であ
る。尚、加入者回路はハイブリッド・トランス111以
外は省略して図示している。
【0020】本発明の第一の原理の特徴は、2線−4線
変換回路の入出力の信号電力を監視し、両方とも所定の
閾値より低い無音と見られる時の信号電力によって学習
同定法の制御係数αを選択し、選択されたαを用いてタ
ップ係数の更新を行なうことである。
【0021】図2は、本発明の第二の原理である。図2
において、1はタップ係数更新部、2はタップ係数格納
部、3は擬似エコー発生部、4はタップデータ格納部、
5は減算部、6は電力算出部、7はα選択部、8は周期
制御部、11は2線−4線変換回路、12は電話機であ
る。尚、加入者回路はハイブリッド・トランス111以
外は省略して図示している。
【0022】本発明の第二の原理の特徴は、周期制御部
が指定する周期で制御係数αを選択することである。
【0023】
【作用】本発明の第一の原理においては、2線−4線変
換回路の4線側の送信及び受信信号のレベルを監視し
て、両方とも無音と見られる時間の信号電力(これが無
音時の送信側の雑音レベルである)によって学習同定法
の制御係数αを設定する。従って、無音時の信号電力が
低い時にはαを大きくとって収束を速め、無音時の信号
電力が高く、収束条件が悪い時にはαを小さく設定して
収束の安定性を確保することができる。
【0024】本発明の第二の原理においては、受信信号
の電力を算出してタップ係数更新部に供給する周期をサ
ンプリング周期と異なる周期に設定することによって、
エコー・キャンセラの系が2次系になることを回避で
き、安定性を改善できる。
【0025】
【実施例】本発明の第一の実施例においては、図1の電
力算出部において2線−4線変換回路の4線側き送信及
び受信信号のレベルを常に監視し、所定の閾値と比較
し、2線−4線変換回路の送信及び受信信号のレベルが
共に閾値以下である無音と判定される時間の信号電力を
算出して、この信号電力の算出値をα選択部に供給す
る。α選択部は、受けた無音区間の信号電力値を、その
信号電力値が含まれる既定の信号電力の幅に対応する符
号に変換し、この符号をアドレスとしてメモリに格納し
ている値を読み出して制御係数αとして用いる。例え
ば、最小信号電力をμ則PCMの最小雑音電力である−
78dBm0に定め、無音と判定する閾値を−42dB
m0とし、レベルの幅を6dBとすれば、6種類のαを
選択できる。その一例を図3に示す。
【0026】本発明の第二の実施例においては、図1の
電力算出部が算出した信号電力値を用いて、α選択部に
おいて数値演算を行なってαを求める。例えば、図3に
示した無音時の信号電力とαの関係を近似式に置き換え
ると、次の式のように無音時の信号電力を対数変換した
項の線型結合で近似的に表すことができる。
【0027】 α=1.0+(2/3)×log(最小雑音電力/無音
時の信号電力)(6) 即ち、α選択部において無音時の信号電力の対数変換項
を含む線型結合式を用いてαを計算する。
【0028】第一の実施例と比較して、線型結合式を用
いてαを演算で求める第二の実施例の利点は、無音時の
信号電力に完全に適応した値を制御係数αとして選択で
きる点にある。
【0029】図4は、本発明の第三の実施例である。図
4において、1はタップ係数更新部、2はタップ係数格
納部、3は擬似エコー発生部、4はタップデータ格納
部、5は減算部、6は電力算出部、7はα選択部、9は
収束監視部、11は2線−4線変換回路、12は電話機
である。尚、加入者回路はハイブリッド・トランス11
1以外は省略して図示している。
【0030】本発明の第三の実施例の特徴は、無音と判
定される時間における送信信号の電力によって学習同定
法の制御係数の初期値を選択し、収束監視部において受
信信号と残留エコーの電力を監視し、(受信信号の電
力)/(残留エコーの電力)であるエコー・リターンロ
ス(以降、ERLEと略記する)を求め、求められたE
RLEが所定の値に達した時に信号を出力して、α選択
部において制御係数αを変更することである。通常、E
RLEが所定の値以下の時にはαを大き目に設定して収
束を速め、ERLEが所定の値以上の時にはαを小さく
して収束の安定性を高めるようにする。そして、αの初
期値を選択する方法としては、既に述べた、表を参照す
る方法によっても、無音時の信号電力を対数変換した項
を含む線型結合式から求める方法によってもよい。
【0031】又、αの変更値は、予め設定しておくこと
も、αの初期値に定率をかけて求めても、αの初期値か
ら一定値を差し引いて求めてもよい。図5は、ERLE
によってαを更新する様子を示す図である。
【0032】図5の(イ)は、ERLEの変化を示す図
で、ここではERLEの閾値としてE1 、E2 の二つを
設定した場合を例にしており、αの初期値としてα0
選択してエコー収束を開始し、ERLEがE1 になった
時にαをα1 に変更し、ERLEがE2 になった時にα
をα2 に更新することを示している。実用的には、E 1
は、ERLEの許容限界値に等しく設定すればよい。
【0033】図4は、本発明の第四の実施例も表わす。
本発明の第四の実施例の特徴は、学習同定法の制御係数
αを、受信信号と送信信号の双方が所定の閾値以下であ
る無音状態と判定される時の送信信号の信号電力を対数
変換し、該無音状態の送信信号の信号電力を対数変換し
た項を含む線型結合式を用いて選択し、無音状態の信号
電力が変化する度に該線型結合式によってαを更新し、
且つ、収束監視部においてエコー・リターンロスの収束
度を監視し、エコー・リターンロスが所定の値になった
時に該収束監視部からタイミング信号を出力し、該タイ
ミング信号によって前記線型結合式の係数を変更して学
習同定法の制御係数αを変更することである。
【0034】上記のように、無音状態とみなされる信号
電力に応じてαを適応的に変更することにより、常に無
音状態の信号電力に対する適切な条件で収束させること
ができ、且つ、収束度合いに応じて収束条件を合わせる
ことができるので、収束の速度を改善できるとともに、
最終的に収束する特性を良好なものにすることができ
る。
【0035】図6は、第四の実施例におけるαの変更の
様子を示す図で、線型結合式の係数を変更する方法を適
用した例で示している。ERLEがE1 以下の時には、
ERLEによるα変更の制御がかからないので、無音状
態の信号電力を線型結合式に代入して得られるαが選択
されている。ERLEがE1 以下の時間0〜t1 におい
てもαが変化しているのは、その間にも無音状態での信
号電力の変化により異なるαが選択されているためであ
る。そして、ERLEがE1 、E2 になると線型結合式
の係数が変更されて、αの平均的な値が変更されてい
る。
【0036】図7は、本発明の第五の実施例である。図
7において、1はタップ係数更新部、2はタップ係数格
納部、3は擬似エコー発生部、4はタップデータ格納
部、5は減算部、6は電力算出部、7はα選択部、8は
周期制御部、9は収束監視部、11は2線−4線変換回
路、12は電話機である。尚、加入者回路はハイブリッ
ド・トランス111以外は省略して図示している。
【0037】本発明の第一の実施例から第四の実施例ま
での説明においては、電力算出部の電力算出結果を基に
してタップ係数更新部に与える制御係数αを選択する周
期は設定された周期であることを想定していたが、制御
係数αを選択する周期を系の状態によって選択すること
も可能である。
【0038】ERLEが許容限界値以下の時には早く収
束状態に近づける必要があり、許容限界値を超えれば安
定に、良好な特性に収束することが重要になる。制御係
数αを更新する周期が短い方が状態の変化に追随し易く
収束の応答性がよくなるため、制御係数αを更新する周
期が短い方が収束が早く、制御係数αを更新する周期が
長い方がゆっくり収束するため系を安定に保てる。この
性質を利用して、本発明の第五の実施例においては、収
束監視部によってERLEを監視し、ERLEが許容限
界値以下では、制御係数αの選択周期を短く設定し、許
容限界値以上では長い周期に更新する。
【0039】図8は、第五の実施例における制御係数α
の選択の周期の更新の様子を示す図で、図8(イ)はE
RLEの変化を、(ロ)はαの更新を示す。制御係数α
の変更の周期は、図8(ロ)において、αの値を示す水
平な線の長さによって表されている。図8では、αの変
更の周期は有限な値であるように図示しているが、例え
ば、ERLEがE2 以上になったらαを変更しない、即
ち、無限大の周期でαを変更することも本発明の技術に
当然含まれるものである。
【0040】図9は、本発明の第六の実施例である。図
9において、1はタップ係数更新部、2はタップ係数格
納部、3は擬似エコー発生部、4はタップデータ格納
部、5は減算部、6は電力算出部、7はα選択部、8は
周期制御部、11は2線−4線変換回路、12は電話機
である。尚、加入者回路はハイブリッド・トランス11
1以外は省略して図示している。
【0041】本発明の第六の実施例は、2線−4線変換
回路の4線側の入力である受信信号と、該2線−4線変
換回路の4線側の出力である送信信号の信号電力を監視
して得られる、受信信号と送信信号の双方が所定の閾値
以下である無音状態と判定される時の送信信号の信号電
力によって周期制御部が設定する制御係数αの変更の周
期を選択することを特徴とする。具体的には、無音状態
の送信信号の信号電力が小さい時には収束が早く進むの
で、制御係数αの変更の周期を短く選択し、無音状態の
信号電力が大きい時には制御係数αの変更の周期を長く
選択する。
【0042】さて、2線−4線変換回路の受信信号が所
定の閾値以下である場合には、ERLEはいわば零を零
で割算するようなもので不定となる。従って、雑音など
ほんの少しの条件の違いでERLEが無意味に悪く評価
されることがある。このような時に、ERLEに閾値を
設けてαの更新や電力算出の周期の更新を行なうと、無
意味なERLEの劣化によってエコー収束に支障をきた
すという問題が生ずる。
【0043】本発明の第七の実施例は、このような問題
を回避するもので、2線−4線変換回路の4線側の受信
信号の電力が所定の閾値を超える、有音状態と判定され
る時においてのみタイマーの歩進を進め、ERLEによ
る制御係数αの変更や、αを変更する周期の変更を行う
ことを特徴とする。
【0044】以上、タップ係数更新の制御係数αの選
択、変更について、無音状態と判定した時の4線側の送
信信号の信号電力によってαを選択し、収束度によって
αを変更し、又、収束度によってαを変更する周期を変
更するようにして、エコー・キャンセラの収束を速くす
ると共に、安定な収束を実現できる構成について説明し
てきた。その中では、適応フィルタのタップ係数更新の
アルゴリズムを学習同定法を例にして説明してきたが、
上記の構成は学習同定法によるタップ係数更新に限定さ
れるものではない。即ち、最小二乗法やサイン法などに
おいても、送信側の雑音による収束への影響や、エコー
収束の状況により制御係数を変更した方が最終的には良
好な特性に収束することにおいては同じである。従っ
て、本発明の技術はそれらのアルゴリズムを利用するエ
コー・キャンセラにも当然適用が可能である。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、雑
音がある環境においても安定にエコー収束するエコー・
キャンセラを実現することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の原理。
【図2】 本発明の第二の原理。
【図3】 αを求めるテーブル。
【図4】 本発明の第三の実施例。
【図5】 ERLEによってαを更新する様子。
【図6】 第四の実施例におけるαの変更の様子。
【図7】 本発明の第五の実施例。
【図8】 第五の実施例における制御係数αの選択の周
期の変更の様子。
【図9】 本発明の第六の実施例。
【図10】 従来のエコー・キャンセラ。
【図11】 擬似エコーを発生する回路。
【図12】 タップ係数を求める演算。
【符号の説明】
1 タップ係数更新部 2 タップ係数格納部 3 擬似エコー発生部 4 タップデータ格納部 5 減算部 6 電力算出部 7 α選択部 11 2線−4線変換回路 12 電話機 111 ハイブリッド・トランス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 文昭 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 西池 理香 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2線−4線変換回路の4線側に挿入され
    て、適応フィルタを用いて擬似エコーを生成し、該擬似
    エコーを4線側の受信側から送信側に回り込むエコーか
    ら適応的に差し引くエコー・キャンセラであって、 2線−4線変換回路(11)の4線側の入力である受信
    信号と、該2線−4線変換回路の4線側の出力である送
    信信号の信号電力を求める電力算出部(6)と、 該電力算出部が無音状態と判定した時の、4線側の送信
    信号の信号電力に適応して、適応フィルタのタップ係数
    更新の制御係数αを決定するα選択部(7)を設けたこ
    とを特徴とするエコー・キャンセラ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエコー・キャンセラであ
    って、 α選択部において、 前記無音状態と判定した時の4線側の送信信号の信号電
    力を参照して、テーブルからタップ係数更新の制御係数
    α選択することを特徴とするエコー・キャンセラ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のエコー・キャンセラであ
    って、 α選択部において、 前記無音状態と判定した時の4線側の送信信号の信号電
    力を対数変換した項を含む線型結合式を用いてタップ係
    数更新の制御係数αを求めることを特徴とするエコー・
    キャンセラ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のエコー・キャンセラであ
    って、 周期制御部を設け、 該周期制御部によって設定されたタイミングに、タップ
    係数更新の制御係数αを変更することを特徴とするエコ
    ー・キャンセラ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のエコー・キャンセラであ
    って、 残留エコーの収束状態を監視する収束監視部を設け、 該収束監視部が所定の収束度に達したことを検出した時
    に、該収束監視部が出力する信号によって、タップ係数
    更新の制御係数αを変更することを特徴とするエコー・
    キャンセラ。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のエコー・キャンセラであ
    って、 無音状態と判定する時ごとに、4線側の送信信号の信号
    電力に適応して制御係数αを変更することを特徴とする
    エコー・キャンセラ。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のエコー・キャンセラであ
    って、 無音状態と判定する時ごとに、4線側の送信信号の信号
    電力に適応して制御係数αを変更することを特徴とする
    エコー・キャンセラ。前記収束監視部が所定の収束度に
    達したことを検出した時に、該収束監視部が出力する信
    号によって、タップ係数更新の制御係数αを変更するこ
    とを特徴とするエコー・キャンセラ。
  8. 【請求項8】 請求項4記載のエコー・キャンセラであ
    って、 残留エコーの収束状態を監視する収束監視部を設け、 該収束監視部が所定の収束度に達したことを検出した時
    に、該収束監視部が出力する信号によって、前記周期制
    御部が指定する周期を変更し、該変更された周期でタッ
    プ係数更新の制御係数αを変更することを特徴とするエ
    コー・キャンセラ。
  9. 【請求項9】 請求項4記載のエコー・キャンセラであ
    って、 前記無音状態と判定した時の4線側の送信信号の信号電
    力によって周期制御部が設定する制御係数α変更の周期
    を変更することを特徴とするエコー・キャンセラ。
  10. 【請求項10】 請求項5、7、8記載のエコー・キャ
    ンセラであって 2線−4線変換回路の4線側の受信信号が有音状態と判
    定される時においてのみ、タップ係数更新のためのタイ
    ミングの歩進を行なうことを特徴とするエコー・キャン
    セラ。
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