JPH07127941A - 空気熱源ヒートポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 非共沸混合冷媒が封入された空気調和機の暖
房運転時、熱源側熱交換器５の冷媒入口付近に発生する
局部的で多量の着霜を阻止する。 【構成】 熱源側熱交換器５を流過する冷媒の流れ方向
を切り換える切換弁９を設け、熱源側熱交換器５の温度
が設定温度に低下したとき切換弁９を切り換えることに
よって冷媒の流れ方向を逆向きとする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は非共沸混合冷媒が封入さ
れた空気調和機、温水機、乾燥機等の空気熱源ヒートポ
ンプに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の空気調和機の冷媒回路が図３に示
され、図４にはこの空気調和機の冷媒回路内に封入され
ている非共沸混合冷媒のモリエル線図が示されている。

【０００３】空気調和機の暖房運転時、圧縮機１から吐
出されたガス冷媒は、実線矢印で示すように、四方弁２
を経てａの状態で利用側熱交換器３に入り、これを流過
する過程で室内フアン６によって送られる室内空気と熱
交換することによって凝縮線イに沿って凝縮液化してｂ
の状態の液冷媒となる。

【０００４】この液冷媒は絞り４で絞られて膨張線ロに
沿って断熱膨張することによってｃの状態の気液二相の
冷媒となる。

【０００５】この気液二相の冷媒はｃの状態で熱源側熱
交換器５に入り、これを流過する過程で室外フアン７に
よって送られる外気と熱交換することによって蒸発線ハ
に沿って蒸発気化してｄの状態のガス冷媒となる。

【０００６】このガス冷媒は四方弁２を経て圧縮機１に
吸入され、圧縮機１で圧縮線ニに沿って圧縮されること
によりａの状態で吐出される。

【０００７】空気調和機の冷房運転時、四方弁２を切り
換えることにより冷媒は上記と逆に破線矢印で示すよう
に循環する。

【０００８】なお、図４において、ホは飽和蒸気線、ヘ
は臨界点、トは飽和液線、チ及びリは等温線である。

【０００９】非共沸混合冷媒は沸点が互いに異なる２種
以上の冷媒を混合してなり、気液二相の状態では一定圧
力下でも乾き度に応じて冷媒の温度が変化する。

【００１０】従って、熱源側熱交換器５の入口における
冷媒の状態ｃは等温線リ上にあるが、冷媒の蒸発が進む
のに伴って乾き度が増大し、これに応じて冷媒の温度が
上昇するので、熱源側熱交換器５の出口における冷媒の
状態ｄは等温線リより高温の等温線チ上に位置する。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の空気調和機
においては、その暖房運転時外気温度が低下すると、外
気中の水分が熱源側熱交換器３の表面に氷結する。そし
て、冷媒回路内に非共沸混合冷媒が封入されているの
で、熱源側熱交換器３の冷媒入口側では、気液二相冷媒
の乾き度が冷媒出口側のそれに比し小さいため、その温
度も出口側のそれに比し低く、従って、熱源側熱交換器
３の冷媒入口側温度が出口側のそれより低いので、冷媒
入口付近の着霜量が極端に大きくなるという不具合があ
った。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために発明されたものであって、その要旨とすると
ころは、圧縮機、利用側熱交換器、絞り、熱源側熱交換
器等を具えた冷媒回路内に非共沸混合冷媒を封入してな
る空気熱源ヒートポンプにおいて、上記熱源側熱交換器
を流過する冷媒の流れ方向を切り換える切換弁と上記熱
源側熱交換器の温度が設定温度に低下したとき上記切換
弁を切り換える制御手段を備えていることを特徴とする
空気熱源ヒートポンプにある。

【００１３】上記切換弁を四方切換弁により構成するこ
とができる。

【００１４】上記切換弁を４つの開閉弁の組み合わせに
より構成することができる。

【００１５】

【作用】本発明においては、空気熱源ヒートポンプの吸
熱運転時、熱源側熱交換器の温度が設定温度に低下した
とき、切換弁を切り換えることによって熱源側熱交換器
を流過する冷媒の流れ方向を逆向きにする。

【００１６】

【実施例】本発明の第１の実施例が図１に示されてい
る。熱源側熱交換器５にはその温度を検出するための温
度センサ８が付設され、冷媒回路には熱源側熱交換器５
を流過する冷媒の流れ方向を切り換えるための四方弁か
らなる切換弁９が設けられている。10は制御手段、11は
設定手段である。他の構成、作用は図３に示す従来のも
のと同様であり、対応する部材には同じ符号が付されて
いる。

【００１７】しかして、暖房運転を開始すると、冷媒回
路内に封入されている非共沸混合冷媒は実線矢印で示す
ように冷媒回路内を循環する。温度センサ８によって検
出された熱源側熱交換器５の温度は制御手段10に入力さ
れ、ここで設定手段11から入力された設定温度と比較さ
れる。設定手段11には熱源側熱交換器５への着霜が始ま
る温度が予め設定されている。

【００１８】低外気温時、暖房運転を継続することによ
って、温度センサ８の検出温度が次第に低下して設定温
度に到達すると、制御手段10は切換弁９に出力してこれ
を破線矢印で示すように切り換える。

【００１９】すると、熱源側熱交換器５を流過する冷媒
の流れ方向が切り換えられて以前の逆向きとなり、破線
矢印で示すように、以前の冷媒出口から流入して以前の
冷媒入口から流出する。

【００２０】この結果、以前の冷媒入口側の温度が上昇
するので、この冷媒入口側の着霜を一時的に溶解し又は
着霜の進行を抑制できる。

【００２１】この状態で運転を継続することによって温
度センサ８の検出温度が再び設定温度に到達した時点で
切換弁９を再び切り換える。これを繰り返すことによっ
て、温度センサ８の検出温度が設定温度以下となれば、
空気調和機をデフロスト運転することによって熱源側熱
交換器５に付着した霜を溶融除去すれば良い。

【００２２】本発明の第２の実施例が図２に示されてい
る。この第２の実施例においては、四方弁９に代えて４
つの開閉弁12a 、12b 、12c 、12d が用いられている。

【００２３】しかして、暖房運転時、開閉弁12a 、12d
を開、12b 、12c を閉とすることによって冷媒は実線矢
印で示すように熱源側熱交換器５を流過し、開閉弁12b
、12c を開、12a 、12d を閉とすることによって冷媒
は上記と逆向に熱源側熱交換器５を流過する。他の構
成、作用は図１に示す第１の実施例と同様であり、対応
する部材には同じ符号が付されている。

【００２４】

【発明の効果】本発明においては、空気熱源ヒートポン
プの吸熱運転時、熱源側熱交換器の温度が設定温度に低
下したとき、切換弁を切り換えることによって熱源側熱
交換器を流過する冷媒の流れ方向を逆向きにすることが
できる。この結果、従来の熱源側熱交換器の冷媒入口付
近で発生していた局部的な着霜及びこの着霜の進行を阻
止することができ、従って、熱源側熱交換器全体への着
霜を抑制し、かつ、遅らせることができるので、除霜運
転の周期を延長できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示す系統図である。

【図２】本発明の第２の実施例を示す系統図である。

【図３】従来の空気調和機の冷媒回路図である。

【図４】非共沸混合冷媒を用いた冷凍サイクルのモリエ
ル線図である。

【符号の説明】

１ 圧縮機 ３ 利用側熱交換器 ４ 絞り ５ 熱源側熱交換器 ８ 温度センサ ９ 切換弁 10 制御手段 11 設定手段

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 圧縮機、利用側熱交換器、絞り、熱源側
   熱交換器等を具えた冷媒回路内に非共沸混合冷媒を封入
   してなる空気熱源ヒートポンプにおいて、上記熱源側熱
   交換器を流過する冷媒の流れ方向を切り換える切換弁と
   上記熱源側熱交換器の温度が設定温度に低下したとき上
   記切換弁を切り換える制御手段を備えていることを特徴
   とする空気熱源ヒートポンプ。
2. 【請求項２】 上記切換弁を四方切換弁により構成した
   ことを特徴とする請求項１記載の空気熱源ヒートポン
   プ。
3. 【請求項３】 上記切換弁を４つの開閉弁の組み合わせ
   により構成したことを特徴とする請求項１記載の空気熱
   源ヒートポンプ。