JPH0712324B2 - メモリ付きリクライニングアジャスタ - Google Patents

メモリ付きリクライニングアジャスタ

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JPH0712324B2
JPH0712324B2 JP58170591A JP17059183A JPH0712324B2 JP H0712324 B2 JPH0712324 B2 JP H0712324B2 JP 58170591 A JP58170591 A JP 58170591A JP 17059183 A JP17059183 A JP 17059183A JP H0712324 B2 JPH0712324 B2 JP H0712324B2
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gear
lock gear
lock
memory
bracket
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忠 遠藤
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Honda Motor Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自動車等のシートのシートバックを前後方向
に角度調整して固定するためのリクライニングアジャス
タに関するもので、特に、シートバックの傾斜角度を調
整した後、そのシートバックを前方に向けて倒した場
合、そのシートバックを後方に回動させるだけで当初に
設定した傾斜角度に戻すことのできるメモリ付きリクラ
イニングアジャスタに関するものである。
(従来の技術) 例えば、自動車のフロントシートは、安定した運転姿勢
が保たれるようにするために、シートバックの傾斜角度
を任意に調整し、その角度で保持することができるよう
にされている。ところで、2ドア車、あるいは3ドア車
の場合には、リヤシートの乗員が乗降するたびにフロン
トシートのシートバックを前方に倒す必要がある。そこ
で、そのような自動車のフロントシートには、シートバ
ックを前方に倒した後、後方に回動して再び起立させた
ときに、調整されていた元の傾斜角度に自動的にセット
されるようにするメモリ付きリクライニングアジャスタ
が用いられることが多い。
従来のそのようなメモリ付きリクライニングアジャスタ
の一例を第1図により説明すると、シートクッションの
側部に固着されるクッションブラケット1には、シート
バックの側部に固着されるバックブラケット2が、支持
軸3により前後方向に回動自在に支持されている。その
バックブラケット2には、外周に歯形部4aが形成された
セクタギヤ4が固着されており、クッションブラケット
1に軸支されているロックギヤ5をそのセクタギヤ4に
噛み合わせることによって、バックブラケット2がクッ
ションブラケット1に対してロックされるようになって
いる。そのロックギヤ5は、図示されていないがロック
スプリングによってセクタギヤ4と噛み合う方向に付勢
されている。支持軸3には、セクタギヤ4の歯形部4aの
一部を遮蔽する遮蔽板6が、長円形の支持孔7によって
支持されている。その遮蔽板6には、セクタギヤ4の歯
形部4aの溝と係合する係合突起8が設けられており、ば
ね9により、その係合突起8がセクタギヤ4の歯形部4a
に係合する方向に付勢されるようになっている。
このようなリクライニングアジャスタにおいて、そのメ
モリをセットする場合には、まず、操作レバー(図示せ
ず)の操作によりロックギヤ5をセクタギヤ4から外し
た後、シートバックの傾斜角度を調整し、次いでロック
ギヤ5とセクタギヤ4とを噛み合わせる。そして、遮蔽
板6の係合突起8をセクタギヤ4の歯形部4aから外し、
遮蔽板6を支持軸3のまわりに回動させて、その下端が
ロックギヤ5の上端に当接した位置で、再びその係合突
起8をセクタギヤ4の歯形部4aに係合させる。
このようにしてメモリをセットした後、ロックギヤ5を
セクタギヤ4から外してシートバックを前方に倒すと、
バックブラケット2に固着されているセクタギヤ4が支
持軸3のまわりを図で反時計方向に回転し、その歯形部
4aに係合突起8によって係合している遮蔽板6がともに
反時計方向に回転する。それによって、ロックギヤ5と
セクタギヤ4との間に遮蔽板6が介在することになり、
それらの噛み合いが妨げられるようにする。
その状態でシートバックを後方に回動させると、ロック
ギヤ5が遮蔽板6の背面に接触した状態で、バックブラ
ケット2、セクタギヤ4、及び遮蔽板6が図で時計方向
に回動する。そして、遮蔽板6の下端がロックギヤ5の
上端から外れた時点でロックギヤ5がセクタギヤ4に係
合し、バックブラケット2をロックする。この状態は、
当初シートバックの傾斜角度を調整したときの状態に一
致する。すなわち、前倒したシートバックを起立させる
だけで、そのシートバックは当初に設定した傾斜角度に
自動的にセットされる。
(発明が解決しようとする課題) ところで、このようなメモリ付きリクライニングアジャ
スタの場合には、メモリをセットした状態では、ロック
ギヤ5より上方に位置するセクタギヤ4の歯形部4aが遮
蔽板6によって覆われることになるので、その部分でロ
ックギヤ5とセクタギヤ4とを噛み合わせることはでき
ない。すなわち、一旦メモリをセットすると、そのとき
の傾斜位置より先方の傾斜位置にシートバックを調整し
て固定することはできなくなる。一方、自動車のフロン
トシート等は、常に同一人が使用するとは限らず、時に
は運転者が交替することもある。したがって、メモリさ
れた傾斜位置より前方の傾斜位置に調整することが求め
られることも多い。そのような場合、上述のような従来
のメモリ付きリクライニングアジャスタでは、そのメモ
リを解除してからシートバックの調整を行うことが必要
となる。そして、再び元の使用者が使用するときには、
シートバックを調整し直し、再びメモリをセットすると
いう手間が必要となる。
このようなことから、例えば特開昭58-29408号公報に示
されているように、遮蔽板を支持軸のまわりに回動自在
に支持させておき、その遮蔽板をロックギヤに当接する
方向に回動付勢するとともに、メモリ位置でその回動が
規制されるようにすることが考えられている。そのよう
なメモリ付きリクライニングアジャスタによれば、メモ
リをセットした状態でも遮蔽板を回動させることが可能
となるので、シートバックをメモリ位置より前方の傾斜
位置に調整することが可能となる。
しかしながら、そのようなリクライニングアジャスタの
場合には、遮蔽板が常にロックギヤと接触することにな
る。そのために、ロックギヤをセクタギヤに対して係脱
させるとき、ロックギヤと遮蔽板との間で異音が発生し
たり、その間に摩耗が生じてその耐久性が損なわれたり
するという問題がある。また、そのロックギヤの揺動位
置を、セクタギヤと噛み合う位置、セクタギヤとの噛み
合いは外れるが遮蔽板に当接してその回動を規制する位
置、及びセクタギヤから十分に離れてその間に遮蔽板を
挿入させる位置、の3位置に設定することが必要となる
ので、構造が複雑となり、加工が困難になるという問題
もある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は、メモリをセットした後でもシートバッ
クの傾斜角度を任意に調整することができ、また、メモ
リされた傾斜位置から他の位置に調整した後も、シート
バックを前方に倒してから再び起立させることによっ
て、メモリされた当初の位置に自動的にセットすること
のできるメモリ付きリクライニングアジャスタを得るこ
とである。
また、本発明の他の目的は、加工が容易で耐久性の高い
メモリ付きリクライニングアジャスタを得ることであ
る。
(課題を解決するための手段) この目的を達成するために、本発明では、上述の従来技
術における遮蔽板のようにシートバックの前倒時にロッ
クギヤとセクタギヤとの噛み合いを妨げる噛み合い阻止
部材を、支持軸のまわりに回動自在に支持するととも
に、付勢手段によりロックギヤから離れる方向に回動付
勢するようにしている。その噛み合い阻止部材は、ロッ
クギヤ側に向かって回動させたとき、ロックギヤがセク
タギヤに噛み合っているときにはそのロックギヤの先端
に当接することによりそれ以上のロックギヤ側への回動
が規制され、また、ロックギヤがセクタギヤから離れて
いるあときにはそのロックギヤに対向する位置まで回動
してそれらの噛み合いを阻止するとともに、ロックギヤ
から摩擦力を受けてその位置で保持されるようにされて
いる。シートバックの傾斜角度をメモリするメモリプレ
ートは、噛み合い阻止部材あるいはバックブラケット
に、その回動方向に対して位置調整可能で、かつその調
整位置において固定可能に取り付けられており、シート
バックを前倒状態から後方に回動させるとき、そのメモ
リプレートを介して噛み合い阻止部材が強制的に回動さ
れるようにされている。また、バックブラケットと噛み
合い阻止部材との間には、その阻止部材のロックギヤか
ら離れる方向への所定以上の回動を規制するストッパ手
段が設けられている。
(作用) このように構成されたリクライニングアジャスタにおい
ては、噛み合い阻止部材は、付勢手段によってロックギ
ヤから離れる方向に回動付勢されているので、通常時に
は、ストッパ手段によってその回動が規制される位置で
保持される。その位置はロックギヤから十分に離れてい
る。したがって、そのロックギヤと噛み合うセクタギヤ
の歯形部全体が露出することになり、シートバックの傾
斜角度を前後のいずれにも調整することが可能となる。
シートバックの傾斜角度をメモリさせるときには、ロッ
クギヤとセクタギヤとを噛み合わせた状態で、噛み合い
阻止部材を付勢手段の付勢力に抗してロックギヤ側に回
動させる。そして、その阻止部材がロックギヤの先端に
当接した位置で、メモリプレートがその阻止部材に取り
付けられている場合にはメモリプレートがバックブラケ
ットの係合部に係合するように、また、メモリプレート
がバックブラケットに取り付けられている場合にはその
阻止部材に係合するように、メモリプレートの位置を調
整する。メモリプレートのセット後は、阻止部材は付勢
手段によりロックギヤから離れたストッパ位置まで移動
される。
その状態で、ロックギヤをセクタギヤから外してシート
バックを前倒させると、ストッパ手段によってバックブ
ラケットに固定保持されている噛み合い阻止部材が、バ
ックブラケットとともに回動してロックギヤに対向する
位置にまで達する。その結果、そのロックギヤとセクタ
ギヤとの噛み合いが妨げられるようになる。そして、ロ
ックギヤがロックスプリングによってセクタギヤと噛み
合う方向に付勢されているので、阻止部材はそのロック
ギヤから摩擦力を受ける。したがって、その状態からシ
ートバックを後方に回動させても、阻止部材はしばらく
はその位置で保持される。しかしながら、シートバック
を更に後方に回動させると、調整された位置でバックブ
ラケットあるいは噛み合い阻止部材に固定されているメ
モリプレートが、噛み合い阻止部材あるいはバックブラ
ケットに係合し、その阻止部材がロックギヤとの摩擦力
に抗して回動される。そして、阻止部材がロックギヤの
端部を越えると、そのロックギヤはセクタギヤと噛み合
う。そのときの位置は、当初メモリさせた位置である。
こうして、シートバックを後方に回動させて起立させる
だけで、そのシートバックは当初の傾斜角度にセットさ
れる。
(実施例) 以下、図面を用いて本発明を更に詳細に説明する。
図中、第2〜9図は本発明によるメモリ付きリクライニ
ングアジャスタの一実施例を示すもので、第2図はその
側面図であり、第3図はその分解斜視図である。また、
第4〜6図はその作動説明図である。
第2及び3図から明らかなように、クッションブラケッ
ト11には、バックブラケット12が、その下端部に固定さ
れている水平支持軸13を介して回動自在に支持されてい
る。それらクッションブラケット11及びバックブラケッ
ト12は、それぞれシートクッション及びシートバック
(いずれも図示せず)の各側部に固着されるようになっ
ており、それによって、シートバックが前後方向(第2
図で左右方向)に揺動自在に支持されるようになってい
る。支持軸13とクッションブラケット11との間には、バ
ックブラケット12を、したがってシートバックを、前方
(第2図で左方)に回動させる方向に付勢するリクライ
ニングスプリング(図示せず)が設けられている。
バックブラケット12の下端部には、支持軸13を中心とす
る扇形状のセクタギヤ14が、かしめられたピン15,15,…
によって固着されている。そのセクタギヤ14には、前方
に面する円弧状の外周部に歯形部14aが設けられてい
る。一方、クッションブラケット11の下部には、レバー
状のロックギヤ16が揺動自在に軸支されている。そのロ
ックギヤ16の上端部後面(第2図で右側端面)には歯形
部16aが形成されており、その歯形部16aがセクタギヤ14
の歯形部14aと噛み合うようにされている。また、ロッ
クギヤ16の側面には側方に突出するガイドピン16bが設
けられており、そのガイドピン16bが、クッションブラ
ケット11に軸17により揺動自在に軸支されているコント
ロールレバー18のカム孔18aに係合するようにされてい
る。そのカム孔18aの後方(第2図で右方)の係合面
は、上部が軸17を中心とする円弧状の面に、また、下部
が前下方に傾斜する傾斜面に、それぞれ形成されてい
る。コントロールレバー18の前部にはカム18bが設けら
れており、そのカム18bが、ロックギヤ16の上端部前面
に形成されている係合部と係合して、ロックギヤ16を後
方に向けて押圧するようにされている。
支持軸13には、リクライニング操作レバー19の後端部が
回動自在に軸支されている。その操作レバー19の中間部
には長孔19aが形成されており、その長孔19aに、コント
ロールレバー18の後端部に設けられているピン18cが係
合するようにされている。操作レバー19とクッションブ
ラケット11との間にはロックスプリング20が張設され、
操作レバー19を常に下方の所定保持位置に向けて付勢す
るようにされている。
このように構成されたリクライニングアジャスタにおい
て、操作レバー19をロックスプリング20に抗して引き上
げると、その長孔19aに係合しているピン18cが引き上げ
られ、コントロールレバー18が、軸17のまわりを第2図
で反時計方向に回動する。すると、コントロールレバー
18のカム孔18aが上方に移動するとともに、カム18bがロ
ックギヤ16から離れる。そして、カム孔18aの後方下部
の係合面がロックギヤ16のガイドピン16bと係合するこ
とにより、ガイドピン16bが前方に引き寄せられ、ロッ
クギヤ16がセクタギヤ14から離れる。それによって、バ
ックブラケット12がセクタギヤ14とともにクッションブ
ラケット11に対して回動可能な状態となり、リクライニ
ングスプリングによってシートバックが前方に回動され
る。
操作レバー19から手を離すと、その操作レバー19はロッ
クスプリング20によって下方に回動され、それに伴って
コントロールレバー18が下方に、すなわち第2図で時計
方向に回動する。そして、そにれよってカム18bがロッ
クギヤ16と係合し、そのロックギヤ16を後方に向けて押
圧するようになる。こうしてロックギヤ16の歯形部16a
がセクタギヤ14の歯形部14aに噛み合わされる。ロック
ギヤ16とセクタギヤ14との回動方向は互いに異なってい
るので、それらが噛み合うと、セクタギヤ14の回動は完
全に制止される。したがって、シートバックがその位置
でロックされる。
このように、ロックギヤ16は、ロックスプリング20によ
って常にセクタギヤ14の歯形部14aと噛み合う方向に付
勢され、操作レバー19を操作することによってセクタギ
ヤ14との噛み合いが外されるようになっている。
このようなリクライニングアジャスタにおいて、支持軸
13には、更に、遮蔽板21が回動自在に支持されている。
その遮蔽板21は支持軸13を中心とする扇形状をなしてお
り、第3図から明らかなように、その外周部分には円弧
状の折曲遮蔽部21aが設けられている。その遮蔽部21a
は、セクタギヤ14の外径よりわずかに大きい内径を有し
ており、ロックギヤ16がセクタギヤ14に噛み合っている
とき遮蔽板21を前方、すなわちロックギヤ16側に向けて
回動させると、その遮蔽板21aの前端がロックギヤ16の
上端に当接して、それ以上の回動が規制されるようにな
っている。また、ロックギヤ16がセクタギヤ14から離さ
れているときには、遮蔽板21を先方に回動させると、そ
の遮蔽板21aがロックギヤ16とセクタギヤ14との間に挿
入され、セクタギヤ14の歯形部14aを覆って、ロックギ
ヤ16の歯形部16aとの噛み合いを妨げるようにされてい
る。すなわち、この実施例では、その遮蔽板21が噛み合
い阻止部材となっている。
遮蔽板21の遮蔽部21aの後端は、その遮蔽板21の中心、
すなわち支持軸13側に向かって折り曲げられ、それによ
って、内方に向かって突出する小さな係合突起21bが形
成されている。また、その遮蔽板21の外周寄りの部分に
は、係合突起21bの近傍に長孔21cが形成されており、そ
の長孔21cに、メモリプレート22の前端部に設けられて
いる支持ピン22aが挿入されるようになっている。こう
して、メモリプレート22が、遮蔽板21の長孔21cに沿っ
て摺動自在で、かつ支持ピン22aのまわりに揺動自在に
支持されるようにされている。そのメモリプレート22
は、支持軸13を中心とする円弧状の外周部を有してお
り、その外周部には、遮蔽板21の係合突起21bに係合す
る多数の係合溝22b,22b,…が形成されている。したがっ
て、メモリプレート22は、その係合溝22bのいずれかに
遮蔽板21の係合突起21bを係合させることにより、噛み
合い阻止部材である遮蔽板21の回動方向に対して任意の
位置でその遮蔽板21に係止されるようになっている。そ
のメモリプレート22の外周部の長さは、シートバックの
通常の調整角度範囲に応じて定められている。
メモリプレート22の後端部には、支持ピン22aとは反対
側に突出するスットパピン22cが設けられている。その
ストッパピン22cは、バックブラケット12に形成されて
いる長孔12aを貫通して、その外側まで突出するように
されている。そして、その外端部に、プッシュノブ(図
示せず)が取り付けられるようになっている。バックブ
ラケット12の長孔12aは、前後方向の長さが所定の長さ
とされており、それによって、メモリプレート22がバッ
クブラケット12に対して移動し得る範囲が、ストッパピ
ン22cが長孔12aの前端に当接する第1位置から、ストッ
パピン22cが長孔12aの後端に当接する第2位置までの所
定の範囲に規制されるようになっている。また、その長
孔12aの上下方向の高さは、メモリプレート22が支持ピ
ン22aのまわりに揺動して、その係合溝22bが遮蔽板21の
係合突起21と係脱し得るに十分な大きさとされている。
メモリプレート22の後部下端と遮蔽板21の外周後端部と
の間には、メモリプレート22を、支持ピン22aのまわり
に上方に揺動させるように付勢するとともに、遮蔽板21
に対して後方へ引張するメモリセットスプリング23が張
設されている。メモリプレート22は、そのメモリセット
スプリング23により、遮蔽板21の係合突起21bと係合し
た状態に保たれるようになっている。
また、メモリプレート22の後部下端とバックブラケット
12の後部との間には、メモリプレート22をバックブラケ
ット12に対して後方へ引張する遮蔽板リターンスプリン
グ24が張設されている。そのリターンスプリング24は、
メモリプレート22に係止された遮蔽板21を後方へ引き戻
すためのものであり、比較的弱いばねである。こうし
て、リターンスプリング24によって、噛み合い阻止部材
である遮蔽板21をロックギヤ16から離れる方向に回動付
勢する付勢手段が構成されている。
次に、このメモリ付きリクライニングアジャスタの作用
について説明する。
第4図は第2図の要部を拡大して示す図であり、シート
バックの傾斜角度を適宜に調整してロックした状態が示
されている。この状態では、ロックギヤ16はセクタギヤ
14と噛み合っており、遮蔽板21の係合突起21bがメモリ
プレート22の係合溝22bの一つと係合している。メモリ
セットスプリング23は緊張状態にあり、メモリプレート
22にその後端部を引き上げる方向の力を加えている。し
たがって、メモリプレート22は遮蔽板21に確実に形成さ
れている。メモリプレート22は、また、遮蔽板リターン
スプリング24によって後方に引張されており、そのスト
ッパピン22cがバックブラケット12の長孔12aの後端に当
接する後方の第2位置に位置している。したがって、そ
のメモリプレート22に係止されている遮蔽板21も、最も
後退した位置にある。すなわち、バックブラケット12の
長孔12aとメモリプレート22のストッパピン22cとによっ
て、遮蔽板21のそれ以上の後方への回動を規制するスト
ッパ手段が構成されている。
このシートバックの傾斜角度においてメモリをセットす
るときには、まず、ストッパピン22cに取り付けられて
いるプッシュノブを押して、メモリプレート22を押し下
げる。するとメモリプレート22が支持ピン22aのまわり
に図で時計方向に揺動して、遮蔽板21の係合突起21bか
らメモリプレート22の係合溝22bが外れる。このとき、
メモリプレート22と遮蔽板21との間にはメモリセットス
プリング23による引張力が働いており、メモリプレート
22は、そのストッパピン22cがバックブラケット12の長
孔12aの後端に当接していて、そこで保持されているの
で、遮蔽板21が前方、すなわち図で反時計方向に回動す
る。そして、第5図に示されているように、遮蔽板21の
遮蔽部21aの前端がロックギヤ16の上端に当接した位置
で停止する。この間において、メモリプレート22の支持
ピン22aは遮蔽板21の長孔21cに沿って相対的に摺動する
ので、メモリプレート22はそのままの位置で保持され
る。
次いで、プッシュノブによってメモリプレート22を前方
に押し、メモリプレート22のストッパピン22cがバック
ブラケット12の長孔12aの前端に当接する第1位置ま
で、メモリセットスプリング23及び遮蔽板リターンスプ
リング24の力に抗してメモリプレート22を移動させる。
そして、その第1位置でプッシュノブから手を離すと、
メモリプレート22はメモリセットスプリング23によって
上方に揺動し、第6図に示されているように遮蔽板21の
係合突起21bとそれに対応するメモリプレート22の係合
溝22bとが係合する。なお、このとき、メモリプレート2
2は、メモリセットスプリング23及びリターンスプリン
グ24によって後方にも引張されるが、遮蔽板21の係合突
起21bとメモリプレート22との間のクリアランスは小さ
いので、メモリプレート22が単独で引き戻される前にそ
の係合が行われる。
このように遮蔽板21にメモリプレート22が係止されて、
そのメモリがセットされた状態においては、第6図から
明らかなように、遮蔽板リターンスプリング24は緊張状
態にあり、しかもメモリプレート22のストッパピン22c
はバックブラケット12の長孔12aの前方に位置してい
る。したがって、その状態で手を離すと、メモリプレー
ト22及び遮蔽板21は、そのリターンスプリング24によっ
て、メモリプレート22のストッパピン22cがバックブラ
ケット12の長孔12aの後端に当接する第2位置まで一体
的に引き戻される。それによって、第7図に示されてい
るように、ロックギヤ16の上端と遮蔽板21の遮蔽部21a
の前端との間に、バックブラケット12の長孔12aの長さ
に対応するだけの間隙が生じ、その部分のセクタギヤ14
の歯形部14aが露出する。
こうして、メモリのセット作業が終了する。この状態
で、操作レバー19を引き上げて、ロックギヤ16をセクタ
ギヤ14から離すと、バックブラケット12はリクライニン
グスプリングによって前方に回動され、シートバックは
前方に倒される。このとき、メモリプレート22は、その
ストッパピン22cがバックブラケット12の長孔12aの後端
に当接しているので、バックブラケット12の前方への回
動に伴って前方へ回動され、そのメモリプレート22に係
止されている遮蔽板21も前方へ回動する。その結果、第
8図に示されているように、遮蔽板21の遮蔽部21aがロ
ックギヤ16とセクタギヤ14との間に挿入される。そこで
操作レバー19から手を離すと、ロックスプリング20によ
ってロックギヤ16がセクタギヤ14側へ向けて回動され、
遮蔽板21の遮蔽部2aの背面に当接して、これをセクタギ
ヤ14との間で挟み付ける。
この状態から、シートバックを起立させるために後方に
回動し、バックブラケット12を図で時計方向に回動させ
ると、遮蔽板21の遮蔽部21aにはロックギヤ16によって
摩擦力が加えられているので、ばね力の小さな遮蔽板リ
ターンスプリング24に抗して遮蔽板21がそのままの位置
に保持され、遮蔽板21に係止れているメモリプレート22
もそのままの位置に保持される。その結果、第9図に示
されているように、バックブラケット12の長孔12aの前
端がメモリプレート22のストッパピン22cに当接する。
すなわち、バックブラケット12の係合部である長孔12a
の前端にメモリプレート22が係合する。そして、その係
合により、シートバックの回動力がメモリプレート22を
介して遮蔽板21に伝えられる。したがって、その後は遮
蔽板21にロックギヤ16による摩擦保持力よりも大きな回
動力が加えられることになり、バックブラケット12の時
計方向の回動に伴ってメモリプレート22及び遮蔽板21も
一体的に回動する。このとき、遮蔽板21にはその遮蔽部
21aに摺接するロックギヤ16により摩擦力が加えられる
ので、メモリプレート22はバックブラケット12に対して
第1位置に保持される。
そして、遮蔽板21の遮蔽部21aがロックギヤ16の上端か
ら外れた瞬間に、ロックギヤ16がセクタギヤ14と噛み合
い、バックブラケット12をロックする。そのときの状態
は、ちょうど第6図の状態に一致する。すなわち、第6
図の状態におけるシートバックの傾斜角度がメモリされ
ていることになる。また、このとき同時に遮蔽板21から
ロックギヤ16による摩擦力が除かれるので、遮蔽板21及
びメモリプレート22は遮蔽板リターンスプリング24によ
って後方に回動され、第7図の状態、すなわちストッパ
手段によってその回動が規制される位置に戻る。
第7図の状態にあるとき、シートバックの傾斜角度を調
整するには、操作レバー19の操作によってロックギヤ16
をセクタギヤ14から外し、リクライニングスプリングに
抗してシートバックを適宜の角度に調整した後、操作レ
バー19から手を離せばよい。シートバックを第7図の状
態より前方に調整するときには、バックブラケット12の
反時計方向の回動に伴って遮蔽板21も反時計方向に回動
することになるが、第7図の状態では、遮蔽板21の遮蔽
部21aとロックギヤ16の上端との間に十分な大きさの間
隙が形成されているので、通常の調整時には、その遮蔽
部21aがロックギヤ16とセクタギヤ14との噛み合いの妨
げになることはない。通常、シートバックを調整すると
きには、その傾斜角度がそれほど大きく変えられるもの
ではないので、そのときの遮蔽板21とロックギヤ16との
間の間隙、したがって、バックブラケット12の長孔12a
の前後方向の長さは、比較的小さなものであってよい。
そして、この状態でシートバックの調整を行うときに
は、メモリプレート22及び遮蔽板21には何らの影響も及
ぼされないので、セットされたメモリはそのまま維持さ
れる。したがって、シートバックの傾斜角度を調整した
後も、そのシートバックを一旦前方に倒してから再び起
立させるようにすれば、それだけでメモリされている当
初の傾斜角度に戻すことができる。
なお、上記実施例においては、遮蔽板21に係合突起21b
を設け、その係合突起21bがメモリプレート22の係合溝2
2bのいずれかと係合するようにしているが、逆に、遮蔽
板21に多数の係合溝を設け、メモリプレート22に設けら
れている係合突起がその係合溝のいずれかと係合するよ
うにすることもできる。例えば、遮蔽板21の長孔21cに
多数の係合溝を形成しておき、メモリプレート22の支持
ピン22aが、外部からの操作によってその係合溝と係脱
できるようにするようなことが考えられる。
また、上記実施例においては、メモリプレート22が噛み
合い阻止部材である遮蔽板21に取り付けられるものとし
ているが、そのメモリプレート22はバックブラケット12
と遮蔽板21との相対回動を制御するものであるので、バ
ックブラケット12側に取り付けるようにすることもでき
ることは明らかであろう。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、シー
トバックの傾斜角度を調整した後、遮蔽板等のロックギ
ヤとセクタギヤとの噛み合いを妨げる噛み合い阻止部材
を前方に回動させてロックギヤに当接させ、メモリプレ
ートの位置を調整することにより、そのときのバックブ
ラケットと阻止部材との位置関係を記憶させるようにし
ているので、簡単な操作によってシートバックの傾斜角
度をメモリさせることができる。そして、そのようにメ
モリさせた状態で、再び阻止部材をロックギヤから遠ざ
けるようにしているので、メモリのセット後において
も、シートバックの傾斜角度は前後いずれの方向にも調
整することができる。しかも、その調整によってもメモ
リに影響が及ぼされることはないので、シートバックを
一旦前方に倒してから再び起立させることによって、い
つでもシートバックをメモリされた傾斜角度に戻すこと
ができる。
また、そのようにメモリのセット後は阻止部材をロック
ギヤから離すようにすることにより、シートバックの傾
斜角度の調整のためにロックギヤを揺動させるときに
も、そのロックギヤが阻止部材と摺接することがなくな
るので、その間の摩耗が防止され、耐久性が向上する。
更に、ロックギヤは、セクタギヤと噛み合う位置とその
噛み合いから外れる位置との2位置の間で揺動させるよ
うにすればよいので、その設定が容易であり、そのため
のカム等の耐久性が増すばかりでなく、遮蔽板等の阻止
部材の径を小さくすることができ、全体の小形軽量化を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、従来のメモリ付きリクライニングアジャスタ
の一例を示す要部の側面図、 第2図は、本発明によるメモリ付きリクライニングアジ
ャスタの一実施例を示す側面図、 第3図は、そのリクライニングアジャスタの分解斜視
図、 第4〜9図は、そのリクライニングアジャスタのそれぞ
れ異なる作動状態を示す要部の概略側面図である。 11……クッションブラケット 12……バックブラケット 12a……長孔(係合部、ストッパ手段) 13……支持軸 14……セクタギヤ、14a……歯形部 16……ロックギヤ、19……操作レバー 20……ロックスプリング 21……遮蔽板(噛み合い阻止部材) 21a……遮蔽部、21b……係合突起 22……メモリプレート 22a……支持ピン、22b……係合溝 22c……ストッパピン(ストッパ手段) 23……メモリセットスプリング 24……遮蔽板リターンスプリング(付勢手段)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シートクッションの側部に固着されるクッ
    ションブラケット11と、 シートバックの側部に固着され、前記クッションブラケ
    ット11により支持軸13を介して前後方向に回動自在に支
    持されるバックブラケット12と、 円弧状外周部に歯形部14aを有し、その中心に前記支持
    軸13が位置するようにして前記バックブラケット12に固
    着されるセクタギヤ14と、 前記クッションブラケット11に揺動自在に取り付けら
    れ、前記セクタギヤ14の歯形部14aと噛み合うことによ
    って前記バックブラケット12を前記クッションブラケッ
    ト11に対してロックするロックギヤ16と、 そのロックギヤ16を前記セクタギヤ14と噛み合う方向に
    常時付勢するロックスプリング20と、 そのロックスプリング20の付勢力に抗して前記ロックギ
    ヤ16を反対方向に揺動させ、そのロックギヤ16と前記セ
    クタギヤ14との噛み合いを外し得る操作レバー19と、 前記支持軸13のまわりに回動自在に支持され、前記ロッ
    クギヤ16側に向けて回動させたとき、そのロックギヤ16
    が前記セクタギヤ14と噛み合っているときにはそのロッ
    クギヤ16の先端に当接することによってそれ以上の回動
    が規制され、前記ロックギヤ16が前記セクタギヤ14から
    離れているときには、そのロックギヤ16に対向する位置
    まで回動して前記ロックギヤ16と前記セクタギヤ14との
    噛み合いを妨げるとともに、前記ロックスプリング20の
    付勢力によりそのロックギヤ16から摩擦力を受けてその
    位置で保持される噛み合い阻止部材21と、 前記バックブラケット12あるいは噛み合い阻止部材21
    に、その回動方向に位置調整可能で、かつその調整位置
    において固定可能に取り付けられていて、前記シートバ
    ックを前倒状態から後方に回動させるとき、前記噛み合
    い阻止部材21あるいはバックブラケット12と係合するこ
    とにより、前記噛み合い阻止部材21を前記ロックギヤ16
    との摩擦力に抗して回動させるメモリプレート22と、 前記噛み合い阻止部材21を前記ロックギヤ16から離れる
    方向に回動付勢する付勢手段24と、 前記バックブラケット12と前記噛み合い阻止部材21との
    間に設けられ、その噛み合い阻止部材21の前記ロックギ
    ヤ16から離れる方向への所定以上の回動を規制するスト
    ッパ手段12a,22cと、 を備えてなるメモリ付きリクライニングアジャスタ。
JP58170591A 1983-09-17 1983-09-17 メモリ付きリクライニングアジャスタ Expired - Lifetime JPH0712324B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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