JPH07116326B2 - プラスチックマグネット組成物 - Google Patents
プラスチックマグネット組成物Info
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- JPH07116326B2 JPH07116326B2 JP62289128A JP28912887A JPH07116326B2 JP H07116326 B2 JPH07116326 B2 JP H07116326B2 JP 62289128 A JP62289128 A JP 62289128A JP 28912887 A JP28912887 A JP 28912887A JP H07116326 B2 JPH07116326 B2 JP H07116326B2
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Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、プラスチックマグネット組成物に関する。さ
らに詳しくは、実用時の耐熱酸化劣化性に優れたプラス
チックマグネット組成物に関する。 [従来の技術] 従来から重電、家電、電子機器などの分野において永久
磁石として焼結フェライト磁石もしくはサマリウムコバ
ルト合金磁石などが広く用いられている。しかしなが
ら、これらの磁石は機械的に脆く、切削および研磨など
の2次加工が必要であることから上述の分野における用
途拡大に際し重大な障害となっている。 このため上述の問題点を解決する目的で、磁性体粉末を
各種の合成樹脂に配合した複合材料いわゆるプラスチッ
クマグネットが開発され、広く実用に供されている。し
かしながら、プラスチックマグネットに用いる合成樹脂
としてポリオレフィンとりわけプロピレン系重合体を用
いた場合、プロピレン系重合体は該重合体中に酸化を受
けやすい第3級炭素を有しているため、磁性体粉末に含
まれる各種金属イオンによって触媒的に酸化劣化を受
け、プラスチックマグネットの実用時の耐熱酸化劣化性
(以下、長期熱安定性という。)が著しく低下するとい
った問題が起こる。 このため、従来よりポリオレフィンを用いたプラスチッ
クマグネットの長期熱安定性を向上させる目的で、該プ
ラスチックマグネットに重金属不活性化剤を配合してな
る組成物ならびに該組成物に成形機の混練トルクを減少
させまたは成形時の金型離型性をよくすると共に成形品
の表面を平滑にするため金属石鹸からなる滑剤を併用し
た組成物(特開昭62−169858号公報)が提案されてい
る。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながら、ポリオレフィンを用いたプラスチックマ
グネットに重金属不活性化剤を配合してなる前記特開昭
62−169858号公報に提案されたプラスチックマグネット
組成物は長期熱安定性についてはかなり改善されるもの
のいまだ充分満足できるものではない。また前記特開昭
62−169858号公報において、併用する金属石鹸のうちカ
ルボン酸の亜鉛塩もしくはマグネシウム塩がプラスチッ
クマグネット組成物の長期熱安定性を向上させる効果を
有することはなんら記載されておらず、また前記効果を
示唆する記載すら認められない。 本発明者は、前述のプラスチックマグネット組成物に関
する上述の問題点すなわち長期熱安定性の問題点を解決
するために鋭意研究した。その結果、ポリオレフィンお
よび磁性体粉末からなるプラスチックマグネットにカル
ボン酸の亜鉛塩もしくはマグネシウム塩(以下、化合物
Aという。)および重金属不活性化剤のそれぞれ特定量
を配合してなる組成物が、上述のプラスチックマグネッ
ト組成物の問題点を解決することができることを見い出
し、この知見に基づき本発明を完成した。 以上の記述から明らかなように、本発明の目的は成形品
としたときの該成形品の長期熱安定性に優れたプラスチ
ックマグネット組成物を提供することである。 [問題点を解決するための手段] 本発明は下記の構成を有する。 ポリオレフィン5〜20重量%および磁性体粉末80〜95重
量%からなる組成物100重量部に対して、カルボン酸の
亜鉛塩もしくはカルボン酸のマグネシウム塩(以下、化
合物Aという。)および重金属不活性化剤をそれぞれ0.
01〜5重量部配合してなるプラスチックマグネット組成
物。 本発明で用いるポリオレフィンは、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチル−ペンテン
−1、ヘキセン−1、オクテン−1などのα−オレフィ
ンの結晶性単独重合体、これら2種以上のα−オレフィ
ンの結晶性、低結晶性もしくは非晶性ランダム共重合体
または結晶性ブロック共重合体、非晶性エチレン−プロ
ピレン−非共役ジエン 3元共重合体、上述のα−オレ
フィンと酢酸ビニルもしくはアクリル酸エステルとの共
重合体、該共重合体のケン化物、これらα−オレフィン
と不飽和シラン化合物との共重合体、これらα−オレフ
ィンと不飽和カルボン酸もしくはその無水物との共重合
体、該共重合体と金属イオン化合物との反応生成物、ポ
リオレフィンを不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で
変性した変性ポリオレフィン、ポリオレフィンを不飽和
シラン化合物で変性したシラン変性ポリオレフィンなど
を例示することができ、これらポリオレフィンの単独使
用はもち論のこと、2種以上のポリオレフィンを混合し
て用いることもできる。また上述のポリオレフィンと各
種合成ゴム(たとえばポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、ポリクロロプレン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポ
リプロピレン、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴ
ム、アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム、スチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチ
レン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン
−プロピレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体な
ど)または熱可塑性合成樹脂(たとえばポリスチレン、
スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂な
ど)などを混合して用いることもできる。結晶性プロピ
レン単独重合体、プロピレン成分を70重量%以上含有す
るプロピレン共重合体であって、結晶性エチレン−プロ
ピレンランダム共重合体、結晶性エチレン−プロピレン
ブロック共重合体、結晶性プロピレン−ブテン−1ラン
ダム共重合体、結晶性エチレン−プロピレン−ブテン−
1 3元共重合体、結晶性プロピレン−ヘキセン−ブテ
ン−1 3元共重合体およびこれらの2種以上の混合物
が特に好ましく用いられる。 本発明で用いられる磁性体粉末としてはマンガンフェラ
イト、ニッケルフェライト、亜鉛フェライト、マンガン
−亜鉛フェライト、マンガン−亜鉛−鉄フェライト、ニ
ッケル−亜鉛フェライト、コバルト−鉄フェライト、マ
ンガン−マグネシウム−アルミニウムフェライト、スト
ロンチウムフェライト、バリウムフェライト、クロムフ
ェライト、カルシウムフェライト、鉛フェライト、ナト
リウム−ランタンフェライトなどのフェライト系および
サマリウムコバルトなどの希土類コバルト系の磁性体粉
末を例示でき、特にストロンチウムフェライトおよびバ
リウムフェライトが好ましい。これら磁性体粉末の粒径
は特に制限されるものではないが、通常0.5μ〜50μ、
好ましくは0.5μ〜10μであり、1μ〜5μが最も好ま
しい。また、これら磁性体粉末は表面処理剤たとえばシ
ラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、
ボロン系カップリング剤、アルミネート系カップリング
剤およびジルコアルミネート系カップリング剤などの公
知の表面処理剤で予め表面処理して用いると、該磁性体
粉末とポリオレフィンとの相溶性および分散性が向上
し、優れた成形加工性が得られ、またプラスチックマグ
ネット組成物を用いて成形品としたときの該成形品の機
械的強度が向上するので、表面処理剤で表面処理された
磁性体粉末を用いることが好ましい。これら磁性体粉末
の単独使用はもち論のこと、2種以上の磁性体粉末を併
用することもできる。該磁性体粉末の配合割合は、ポリ
オレフィンおよび磁性体粉末からなる組成物に対して80
〜95重量%である。80重量%未満の配合ではプラスチッ
クマグネット組成物の成形加工性は良好であるが、磁気
特性が不充分であり、また95重量%を超えると成形加工
性が困難となり得られる成形品の機械的強度も低下し実
際的でない。 本発明で用いられる化合物Aとしては脂肪酸亜鉛、脂肪
酸マグネシウム(脂肪酸としては、たとえば酢酸、n−
プロピオン酸、n−酪酸、n−吉草酸、n−ヘキサン
酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、n−デカ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ベヘ
ン酸、エルカ酸、リグノセリン酸、セロチン酸およびモ
ンタン酸など)、トリフェニル酢酸亜鉛、トリフェニル
酢酸マグネシウム、脂肪族ジカルボン酸亜鉛、脂肪族ジ
カルボン酸マグネシウム(脂肪族ジカルボン酸として
は、たとえばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル
酸およびアジピン酸など)、ナフテン酸亜鉛、ナフテン
酸マグネシウム、芳香族カルボン酸亜鉛および芳香族カ
ルボン酸マグネシウム(芳香族カルボン酸としては、た
とえば安息香酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p
−トルイル酸、p−t−ブチル安息香酸、o−メトキシ
安息香酸、m−メトキシ安息香酸、アニス酸、フタル
酸、イソフタル酸およびテレフタル酸など)を例示で
き、特に脂肪酸亜鉛もしくは脂肪酸マグネシウムが好ま
しい。これらカルボン酸の亜鉛塩もしくはマグネシウム
塩の単独使用はもち論のこと、2種以上のカルボン酸の
亜鉛塩もしくはマグネシウム塩を併用することもでき
る。該化合物Aの配合割合は、ポリオレフィン5〜20重
量%および磁性体粉末80〜95重量%からなる組成物100
重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜2重
量部である。0.01重量部未満の配合ではプラスチックマ
グネット組成物の酸化劣化防止効果が充分に発揮され
ず、また5重量部を超えても構わないが、それ以上の酸
化劣化防止効果の向上が期待できず実際的でないばかり
でなくまた不経済である。 本発明で用いられる重金属不活性化剤としてはベンゾト
リアゾール、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン、
3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフ
ェニル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,
5]ウンデカン、エチレンジアミン−テトラアセチック
アシッド、エチレンジアミン−テトラアセチックアシッ
ドのアルカリ金属塩、N,N′−ジサリシリデン−エチレ
ンジアミン、N,N′−ジサリシリデン−1,2−プロピレン
ジアミン、N,N″−ジサリシリデン−N′−メチル−ジ
プロピレントリアミン、3−サリシロイルアミノ−1,2,
4−トリアゾール、デカメチレンジカルボキシリックア
シッド−ビス(N′−サリシロイルヒドラジド)、ニッ
ケル−ビス(1−フェニル−3−メチル−4−デカノイ
ル−5−ピラゾレート)、2−エトキシ−2′−エチル
オキサニリド、5−t−ブチル−2−エトキシ−2′−
エチルオキサニリド、N,N−ジエチル−N′,N′−ジフ
ェニルオキサミド、N,N′−ジエチル−N,N′−ジフェニ
ルオキサミド、オキサリックアシッド−ビス(ベンジリ
デンヒドラジド)、チオジプロピオニックアシッド−ビ
ス(ベンジリデンヒドラジド)、イソフタリックアシッ
ド−ビス(2−フェノキシプロピオニルヒドラジド)、
ビス(サリシロイルヒドラジン)、N−サリシリデン−
N′−サリシロイルヒドラゾン、N,N′−ビス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオニル]ヒドラジン、トリス[2−t−ブチル−4
−チオ(2′−メチル−4′−ヒドロキシ−5′−t−
ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]フォスファイ
トおよびN,N′−ビス[2〔3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチ
ル]オキサミドなどを例示でき、特に2,4,6−トリアミ
ノ−1,3,5−トリアジン、3,9−ビス[2−(3,5−ジア
ミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、オキサリッ
クアシッド−ビス(ベンジリデンヒドラジド)、N,N′
−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオニル]ヒドラジン、トリス[2−t
−ブチル−4−チオ(2′−メチル−4′−ヒドロキシ
−5′−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]
フォスファイトおよびN,N′−ビス[2−〔3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシ〕エチル]オキサミドが好ましい。これら重金
属不活性化剤の単独使用はもち論のこと、2種以上の重
金属不活性化剤を併用することもできる。該重金属不活
性化剤の配合割合は、ポリオレフィン5〜20重量%およ
び磁性体粉末80〜95重量%からなる組成物100重量部に
対して0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜2重量部であ
る。0.01重量部未満の配合ではプラスチックマグネット
組成物の酸化劣化防止効果が充分に発揮されず、また5
重量部を超えても構わないが、それ以上の酸化劣化防止
効果の向上が期待できず実際的でないばかりでなくまた
不経済である。 本発明の組成物にあっては、通常ポリオレフィンに添加
される各種の添加剤たとえばフェノール系、チオエーテ
ル系、リン系などの酸化防止剤、光安定剤、透明化剤、
造核剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキン
グ剤、無滴剤、顔料、過酸化物の如きラジカル発生剤、
金属石鹸類などの分散剤もしくは中和剤、無機充填剤
(たとえばタルク、マイカ、クレー、ウォラストナイ
ト、ゼオライト、アスベスト、炭酸カルシウム、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、二
酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫化亜鉛、
硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウ
ム、ガラス繊維、チタン酸カリウム、炭素繊維、カーボ
ンブラック、グラファイト、金属繊維など)もしくはカ
ップリング剤(たとえばシラン系、チタネート系、ボロ
ン系、アルミネート系、ジルコアルミネート系など)の
如き表面処理剤で表面処理された前記無機充填剤または
有機充填剤(たとえば木粉、パルプ、故紙、合成繊維、
天然繊維など)を本発明の目的を損なわない範囲で併用
することができる。特にフェノール系酸化防止剤を併用
すると、相乗的に酸化劣化防止効果が発揮されるので併
用することが好ましい。フェノール系酸化防止剤として
は2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノー
ル、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリ
アジン、2,4,6−トリス(3′,5′−ジ−t−ブチル−
4′−ヒドロキシベンジルチオ)−1,3,5−トリアジ
ン、1,1,3−トリス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−2−メチルフェニル)−ブタン、ビス[3,3−ビス
(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチ
リックアシッド]エチレングリコールエステル、ビス
[2−(3′−t−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−
メチルベンジル)−6−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル]テレフタレート、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−
{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−
テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス[1,
1−ジメチル−2−{β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9
−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3,5−ジフェニル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチ
ル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3,5−ジ
シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリ
ス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル
ベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス[(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシエチル]イソシアヌレートおよびテトラキス
[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどを例
示でき、とりわけ1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベ
ンゼン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)イソシアヌレート、3,9−ビス[1,1
−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチ
ル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシア
ヌレートおよびテトラキス[メチレン−3−(3′,5′
−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]メタンが好ましい。 本発明の組成物は、ポリオレフィンに磁性体粉末、化合
物Aおよび重金属不活性化剤ならびに通常ポリオレフィ
ンに添加される前述の各種添加剤の所定量を通常の混合
装置たとえばヘンセルミキサー(商品名)、スーパーミ
キサー、リボンブレンダー、バンバリミキサーなどを用
いて混合し、通常の単軸押出機、2軸押出機、ブラベン
ダーまたはロールなどで、溶融混練温度170℃〜300℃、
好ましくは200℃〜250℃で溶融混練ペレタイズすること
により得ることができる。とりわけ2軸押出機を用いる
ことは、磁性体粉末の分散性が向上し均一な組成物が得
られるので好ましい。得られた組成物は射出成形法、押
出成形法、ブロー成形法などの各種成形法とりわけ射出
成形法により目的とする成形品の製造に供される。な
お、上述の各種成形法において磁場配向を行なうことに
より磁気特性の優れたものが得られる。 [作用] 本発明において化合物Aで示されるカルボン酸の亜鉛塩
もしくはマグネシウム塩すなわち金属石鹸は特開昭62−
169858号公報に開示された如く滑剤としてプラスチック
マグネット組成物の成形加工性などの改善に作用するこ
とが、また重金属不活性化剤は重金属イオンによるポリ
オレフィンの触媒的酸化劣化作用を不活性化することが
一般にそれぞれ知られている。しかしながら、重金属不
活性化剤を配合してなるプラスチックマグネット組成物
に化合物Aを併用することにより、従来公知の酸化劣化
防止効果を有する化合物の配合からは到底予測できない
驚くべき相乗効果が発揮され、長期熱安定性が著しく優
れたプラスチックマグネット組成物が得られることを見
い出した。 [発明の効果] 本発明の組成物は、各種酸化劣化防止効果を有する化合
物を配合してなる従来公知のプラスチックマグネット組
成物に比較して、(1)成形品としたときの該成形品の
長期熱安定性が著しく優れている。(2)長期熱安定性
が著しく優れているので、長期熱安定性が要求されるプ
ラスチックマグネット用途(たとえば小型発電機、小型
精密モーター、VTRやテープレコーダーなどの回転制御
装置など)に好適に用いることができる。 [実施例] 以下、実施例、比較例および製造例によって本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるも
のではない。 なお、実施例および比較例で用いた評価方法は次の方法
によった。 1)長期熱安定性:オーブンライフ試験により評価し
た。すなわち得られたペレットを用いて長さ50mm、巾50
mm、厚み2mmの試験片を射出成形法により作成し、該試
験片を用いて温度150℃に調節した循環熱風オーブンに
入れ、試験片が完全劣化するまでの時間(引張強度が0
になるまでの時間)を測定(JIS K 7212に準拠)するこ
とにより長期熱安定性を評価した。 製造例1 磁性体粉末として平均粒径1.1μのストロンチウムフェ
ライト99重量%と、表面処理剤としてn−オクタデシル
トリエトキシシラン1重量%とをヘンセルミキサー(商
品名)に入れ、5分間攪拌混合して表面処理した磁性体
粉末(I)を得た。 製造例2 磁性体粉末として平均粒径1.1μのバリウムフェライト9
9重量%と、表面処理剤とてしてn−オクタデシルトリ
エトキシシラン1重量%とをヘンセルミキサー(商品
名)に入れ、5分間攪拌混合して表面処理した磁性体粉
末(II)を得た。 実施例1〜14、比較例1〜6 ポリオレフィンとしてMFR(230℃における荷重2.16kgを
加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐出量)30g/10分の安
定化されていない粉末状結晶性エチレン−プロピレンブ
ロック共重合体(エチレン含有量8.5重量%)15重量%
および磁性体粉末(I)85重量%とからなる合計100重
量部に、化合物Aとしてステアリン酸亜鉛もしくはステ
アリン酸マグネシウム、重金属不活性化剤としてN,N′
−ビス[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]オキサ
ミド、トリス[2−t−ブチル−4−チオ(2′−メチ
ル−4′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)−
5−メチルフェニル]フォスファイト、N,N′−ビス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニル]ヒドラジン、オキサリックアシッド
−ビス(ベンジリデンヒドラジド)、3,9−ビス[2−
(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]
−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンも
しくは2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジンおよび他
の添加剤のそれぞれ所定量を後述の第1表に記載した配
合割合でヘンセルミキサー(商品名)に入れ、3分間攪
拌混合したのち、口径30mmの2軸押出機で250℃にて溶
融混練処理してペレット化した。また比較例1〜6とし
てMFRが30g/10分の安定化されていない粉末状結晶性エ
チレン−プロピレンブロック共重合体(重合体(エチレ
ン含有量8.5重量%)15重量%および磁性体粉末(I)8
5重量%とからなる合計100重量分に後述の第1表に記載
の添加剤のそれぞれ所定量を配合し、実施例1〜14に準
拠して溶融混練処理してペレットを得た。 オーブンライフ試験に用いる試験片は、得られたペレッ
トを樹脂温度250℃、金型温度50℃で射出成形により調
製した。 得られた試験片を用いて前記の試験方法により長期熱安
定性の評価を行った。これらの結果を第1表に示した。 実施例15〜28、比較例7〜12 ポリオレフィンとしてMFR30g/10分の安定化されていな
い粉末状結晶性プロピレン単独重合体13重量%、MI(19
0℃における荷重2.16kgを加えた場合の10分間の溶融樹
脂の吐出量)5.0g/10分の安定化されていない粉末状チ
ーグラー・ナッタ系高密度エチレン単独重合体1重量
%、ムーニー粘度ML1+4(100℃)25の安定化されてい
ない粉末状非晶性エチレン−プロピレンランダム共重合
体(プロピレン含有量25重量%)1重量%および磁性体
粉末(II)85重量%とからなる合計100重量に、化合物
Aとしてステアリン酸亜鉛もしくはステアリン酸マグネ
シウム、重金属不活性化剤としてN,N′−ビス[2−
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ〕エチル]オキサミド、トリス
[2−t−ブチル−4−チオ(2′−メチル−4′−ヒ
ドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)−5−メチルフ
ェニル]フォスファイト、N,N′−ビス[3−(3,5′−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ル]ヒドラジン、オキサリックアシッド−ビス(ベンジ
リデンヒドラジド)、3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ
−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,10−テ
トラオキサスピロ[5,5]ウンデカンもしくは2,4,6−ト
リアミノ−1,3,5−トリアジンおよび他の添加剤のそれ
ぞれ所定量を後述の第2表に記載した配合割合でヘンセ
ルミキサー(商品名)に入れ、3分間攪拌混合したの
ち、口径30mmの2軸押出機で250℃にて溶融混練処理し
てペレット化した。また比較例7〜12としてMFRが30g/1
0分の安定化されていない粉末状結晶性プロピレン単独
重合体13重量%、MIが5.0g/10分の安定化されていない
粉末状チーグラー・ナッタ系高密度エチレン単独重合体
1重量%、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が25の安定化
されていない粉末状非晶性エチレン−プロピレンランダ
ム共重合体(プロピレン含有量25重量%)1重量%およ
び磁性体粉末(II)85重量%とからなる合計100重量部
に、後述の第2表に記載の添加剤のそれぞれ所定量を配
合し、実施例15〜28に準拠して溶融混練処理してペレッ
トを得た。 オーブンライフ試験に用いる試験片は、得られたペレッ
トを樹脂温度250℃、金型温度50℃で射出成形により調
製した。 得られた試験片を用いて前記の試験方法により長期熱安
定性の評価を行った。これらの結果を第2表に示した。 第1〜2表に示される本発明にかかわる化合物および添
加剤は下記の通りである。 化合物A[I]:ステアリン酸亜鉛 化合物A[II]:ステアリン酸マグネシウム 重金属不活性化剤[I]:N,N′−ビス[2−〔3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オニルオキシ〕エチル]オキサミド 重金属不活性化剤[II]:トリス[2−t−ブチル−4
−チオ(2′−メチル−4′−ヒドロキシ−5′−t−
ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]フォスファイ
ト重金属不活性化剤[III]:N,N′−ビス[3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ル]ヒドラジン 重金属不活性化剤[IV]:オキサリックアシッド−ビス
(ベンジリデンヒドラジド) 重金属不活性化剤[V]:3,9−ビス[2−(3,5−ジア
ミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン 重金属不活性化剤[VI]:2,4,6−トリアミノ−1,3,5−
トリアジン フェノール系酸化防止剤1:2,6−ジ−t−ブチル−p−
クレゾール フェノール系酸化防止剤2:テトラキス[メチレン−3−
(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタン チオエーテル系酸化防止剤:ジミリスチルチオジプロピ
オネート リン系酸化防止剤1:ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)−ペンタエリスリトール−ジフォスファイト リン系酸化防止剤2:テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)−4,4′−ビフェニレン−ジ−フォスフォナ
イト Li−St:ステアリン酸リチウム Na−St:ステアリン酸ナトリウム Ca−St:ステアリン酸カルシウム Sr−St:ステアリン酸ストロンチウム Ba−St:ステアリン酸バリウム Al−St:ステアリン酸アルミニウム 第1表に記載の実施例および比較例は、ポリオレフィン
として結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合体お
よび磁性体粉末(I)を用いた場合である。第1表から
わかるように、実施例1〜14は結晶性エチレン−プロピ
レンブロック共重合体に磁性体粉末(I)、化合物Aお
よび重金属不活性化剤を配合したものであり、実施例1
〜14と比較例1〜6(化合物Aの替わりに化合物A以外
のカルボン酸の金属塩を配合したもの)とをくらべてみ
ると、実施例1〜14は長期熱安定性が著しく優れてお
り、化合物Aを配合することにより顕著な相乗効果が認
められることがわかる。いいかえると本発明にかかわる
化合物A以外のカルボン酸の金属塩を配合した比較各例
は本発明の効果を奏さないことが明らかであり、このこ
とは前記特開昭62−169858号公報にはなんら記載されて
いない。すなわち、本発明で得られる長期熱安定性は、
本発明においてポリオレフィンに磁性体粉末および重金
属不活性化剤を配合してなるプラスチックマグネット組
成物に、化合物Aを併用したときにはじめてみられる特
有の効果てあるといえる。 第2表はポリオレフィンとして結晶性プロピレン単独重
合体、チーグラー・ナッタ系高密度エチレン単独重合体
および非晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体の
混合物ならびに磁性体粉末(II)を用いたものであり、
これについても上述と同様の効果が確認された。 このことから本発明のプラスチックマグネット組成物
が、従来から知られた酸化劣化防止効果を有する化合物
を配合してなるプラスチックマグネット組成物にくらべ
て、長期熱安定性の点で著しく優れていることがわかり
本発明組成物の顕著な効果が確認された。
らに詳しくは、実用時の耐熱酸化劣化性に優れたプラス
チックマグネット組成物に関する。 [従来の技術] 従来から重電、家電、電子機器などの分野において永久
磁石として焼結フェライト磁石もしくはサマリウムコバ
ルト合金磁石などが広く用いられている。しかしなが
ら、これらの磁石は機械的に脆く、切削および研磨など
の2次加工が必要であることから上述の分野における用
途拡大に際し重大な障害となっている。 このため上述の問題点を解決する目的で、磁性体粉末を
各種の合成樹脂に配合した複合材料いわゆるプラスチッ
クマグネットが開発され、広く実用に供されている。し
かしながら、プラスチックマグネットに用いる合成樹脂
としてポリオレフィンとりわけプロピレン系重合体を用
いた場合、プロピレン系重合体は該重合体中に酸化を受
けやすい第3級炭素を有しているため、磁性体粉末に含
まれる各種金属イオンによって触媒的に酸化劣化を受
け、プラスチックマグネットの実用時の耐熱酸化劣化性
(以下、長期熱安定性という。)が著しく低下するとい
った問題が起こる。 このため、従来よりポリオレフィンを用いたプラスチッ
クマグネットの長期熱安定性を向上させる目的で、該プ
ラスチックマグネットに重金属不活性化剤を配合してな
る組成物ならびに該組成物に成形機の混練トルクを減少
させまたは成形時の金型離型性をよくすると共に成形品
の表面を平滑にするため金属石鹸からなる滑剤を併用し
た組成物(特開昭62−169858号公報)が提案されてい
る。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながら、ポリオレフィンを用いたプラスチックマ
グネットに重金属不活性化剤を配合してなる前記特開昭
62−169858号公報に提案されたプラスチックマグネット
組成物は長期熱安定性についてはかなり改善されるもの
のいまだ充分満足できるものではない。また前記特開昭
62−169858号公報において、併用する金属石鹸のうちカ
ルボン酸の亜鉛塩もしくはマグネシウム塩がプラスチッ
クマグネット組成物の長期熱安定性を向上させる効果を
有することはなんら記載されておらず、また前記効果を
示唆する記載すら認められない。 本発明者は、前述のプラスチックマグネット組成物に関
する上述の問題点すなわち長期熱安定性の問題点を解決
するために鋭意研究した。その結果、ポリオレフィンお
よび磁性体粉末からなるプラスチックマグネットにカル
ボン酸の亜鉛塩もしくはマグネシウム塩(以下、化合物
Aという。)および重金属不活性化剤のそれぞれ特定量
を配合してなる組成物が、上述のプラスチックマグネッ
ト組成物の問題点を解決することができることを見い出
し、この知見に基づき本発明を完成した。 以上の記述から明らかなように、本発明の目的は成形品
としたときの該成形品の長期熱安定性に優れたプラスチ
ックマグネット組成物を提供することである。 [問題点を解決するための手段] 本発明は下記の構成を有する。 ポリオレフィン5〜20重量%および磁性体粉末80〜95重
量%からなる組成物100重量部に対して、カルボン酸の
亜鉛塩もしくはカルボン酸のマグネシウム塩(以下、化
合物Aという。)および重金属不活性化剤をそれぞれ0.
01〜5重量部配合してなるプラスチックマグネット組成
物。 本発明で用いるポリオレフィンは、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチル−ペンテン
−1、ヘキセン−1、オクテン−1などのα−オレフィ
ンの結晶性単独重合体、これら2種以上のα−オレフィ
ンの結晶性、低結晶性もしくは非晶性ランダム共重合体
または結晶性ブロック共重合体、非晶性エチレン−プロ
ピレン−非共役ジエン 3元共重合体、上述のα−オレ
フィンと酢酸ビニルもしくはアクリル酸エステルとの共
重合体、該共重合体のケン化物、これらα−オレフィン
と不飽和シラン化合物との共重合体、これらα−オレフ
ィンと不飽和カルボン酸もしくはその無水物との共重合
体、該共重合体と金属イオン化合物との反応生成物、ポ
リオレフィンを不飽和カルボン酸もしくはその誘導体で
変性した変性ポリオレフィン、ポリオレフィンを不飽和
シラン化合物で変性したシラン変性ポリオレフィンなど
を例示することができ、これらポリオレフィンの単独使
用はもち論のこと、2種以上のポリオレフィンを混合し
て用いることもできる。また上述のポリオレフィンと各
種合成ゴム(たとえばポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、ポリクロロプレン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポ
リプロピレン、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴ
ム、アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム、スチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチ
レン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン
−プロピレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体な
ど)または熱可塑性合成樹脂(たとえばポリスチレン、
スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂な
ど)などを混合して用いることもできる。結晶性プロピ
レン単独重合体、プロピレン成分を70重量%以上含有す
るプロピレン共重合体であって、結晶性エチレン−プロ
ピレンランダム共重合体、結晶性エチレン−プロピレン
ブロック共重合体、結晶性プロピレン−ブテン−1ラン
ダム共重合体、結晶性エチレン−プロピレン−ブテン−
1 3元共重合体、結晶性プロピレン−ヘキセン−ブテ
ン−1 3元共重合体およびこれらの2種以上の混合物
が特に好ましく用いられる。 本発明で用いられる磁性体粉末としてはマンガンフェラ
イト、ニッケルフェライト、亜鉛フェライト、マンガン
−亜鉛フェライト、マンガン−亜鉛−鉄フェライト、ニ
ッケル−亜鉛フェライト、コバルト−鉄フェライト、マ
ンガン−マグネシウム−アルミニウムフェライト、スト
ロンチウムフェライト、バリウムフェライト、クロムフ
ェライト、カルシウムフェライト、鉛フェライト、ナト
リウム−ランタンフェライトなどのフェライト系および
サマリウムコバルトなどの希土類コバルト系の磁性体粉
末を例示でき、特にストロンチウムフェライトおよびバ
リウムフェライトが好ましい。これら磁性体粉末の粒径
は特に制限されるものではないが、通常0.5μ〜50μ、
好ましくは0.5μ〜10μであり、1μ〜5μが最も好ま
しい。また、これら磁性体粉末は表面処理剤たとえばシ
ラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、
ボロン系カップリング剤、アルミネート系カップリング
剤およびジルコアルミネート系カップリング剤などの公
知の表面処理剤で予め表面処理して用いると、該磁性体
粉末とポリオレフィンとの相溶性および分散性が向上
し、優れた成形加工性が得られ、またプラスチックマグ
ネット組成物を用いて成形品としたときの該成形品の機
械的強度が向上するので、表面処理剤で表面処理された
磁性体粉末を用いることが好ましい。これら磁性体粉末
の単独使用はもち論のこと、2種以上の磁性体粉末を併
用することもできる。該磁性体粉末の配合割合は、ポリ
オレフィンおよび磁性体粉末からなる組成物に対して80
〜95重量%である。80重量%未満の配合ではプラスチッ
クマグネット組成物の成形加工性は良好であるが、磁気
特性が不充分であり、また95重量%を超えると成形加工
性が困難となり得られる成形品の機械的強度も低下し実
際的でない。 本発明で用いられる化合物Aとしては脂肪酸亜鉛、脂肪
酸マグネシウム(脂肪酸としては、たとえば酢酸、n−
プロピオン酸、n−酪酸、n−吉草酸、n−ヘキサン
酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、n−デカ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ベヘ
ン酸、エルカ酸、リグノセリン酸、セロチン酸およびモ
ンタン酸など)、トリフェニル酢酸亜鉛、トリフェニル
酢酸マグネシウム、脂肪族ジカルボン酸亜鉛、脂肪族ジ
カルボン酸マグネシウム(脂肪族ジカルボン酸として
は、たとえばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル
酸およびアジピン酸など)、ナフテン酸亜鉛、ナフテン
酸マグネシウム、芳香族カルボン酸亜鉛および芳香族カ
ルボン酸マグネシウム(芳香族カルボン酸としては、た
とえば安息香酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p
−トルイル酸、p−t−ブチル安息香酸、o−メトキシ
安息香酸、m−メトキシ安息香酸、アニス酸、フタル
酸、イソフタル酸およびテレフタル酸など)を例示で
き、特に脂肪酸亜鉛もしくは脂肪酸マグネシウムが好ま
しい。これらカルボン酸の亜鉛塩もしくはマグネシウム
塩の単独使用はもち論のこと、2種以上のカルボン酸の
亜鉛塩もしくはマグネシウム塩を併用することもでき
る。該化合物Aの配合割合は、ポリオレフィン5〜20重
量%および磁性体粉末80〜95重量%からなる組成物100
重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜2重
量部である。0.01重量部未満の配合ではプラスチックマ
グネット組成物の酸化劣化防止効果が充分に発揮され
ず、また5重量部を超えても構わないが、それ以上の酸
化劣化防止効果の向上が期待できず実際的でないばかり
でなくまた不経済である。 本発明で用いられる重金属不活性化剤としてはベンゾト
リアゾール、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン、
3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフ
ェニル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,
5]ウンデカン、エチレンジアミン−テトラアセチック
アシッド、エチレンジアミン−テトラアセチックアシッ
ドのアルカリ金属塩、N,N′−ジサリシリデン−エチレ
ンジアミン、N,N′−ジサリシリデン−1,2−プロピレン
ジアミン、N,N″−ジサリシリデン−N′−メチル−ジ
プロピレントリアミン、3−サリシロイルアミノ−1,2,
4−トリアゾール、デカメチレンジカルボキシリックア
シッド−ビス(N′−サリシロイルヒドラジド)、ニッ
ケル−ビス(1−フェニル−3−メチル−4−デカノイ
ル−5−ピラゾレート)、2−エトキシ−2′−エチル
オキサニリド、5−t−ブチル−2−エトキシ−2′−
エチルオキサニリド、N,N−ジエチル−N′,N′−ジフ
ェニルオキサミド、N,N′−ジエチル−N,N′−ジフェニ
ルオキサミド、オキサリックアシッド−ビス(ベンジリ
デンヒドラジド)、チオジプロピオニックアシッド−ビ
ス(ベンジリデンヒドラジド)、イソフタリックアシッ
ド−ビス(2−フェノキシプロピオニルヒドラジド)、
ビス(サリシロイルヒドラジン)、N−サリシリデン−
N′−サリシロイルヒドラゾン、N,N′−ビス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオニル]ヒドラジン、トリス[2−t−ブチル−4
−チオ(2′−メチル−4′−ヒドロキシ−5′−t−
ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]フォスファイ
トおよびN,N′−ビス[2〔3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチ
ル]オキサミドなどを例示でき、特に2,4,6−トリアミ
ノ−1,3,5−トリアジン、3,9−ビス[2−(3,5−ジア
ミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、オキサリッ
クアシッド−ビス(ベンジリデンヒドラジド)、N,N′
−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオニル]ヒドラジン、トリス[2−t
−ブチル−4−チオ(2′−メチル−4′−ヒドロキシ
−5′−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]
フォスファイトおよびN,N′−ビス[2−〔3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシ〕エチル]オキサミドが好ましい。これら重金
属不活性化剤の単独使用はもち論のこと、2種以上の重
金属不活性化剤を併用することもできる。該重金属不活
性化剤の配合割合は、ポリオレフィン5〜20重量%およ
び磁性体粉末80〜95重量%からなる組成物100重量部に
対して0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜2重量部であ
る。0.01重量部未満の配合ではプラスチックマグネット
組成物の酸化劣化防止効果が充分に発揮されず、また5
重量部を超えても構わないが、それ以上の酸化劣化防止
効果の向上が期待できず実際的でないばかりでなくまた
不経済である。 本発明の組成物にあっては、通常ポリオレフィンに添加
される各種の添加剤たとえばフェノール系、チオエーテ
ル系、リン系などの酸化防止剤、光安定剤、透明化剤、
造核剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキン
グ剤、無滴剤、顔料、過酸化物の如きラジカル発生剤、
金属石鹸類などの分散剤もしくは中和剤、無機充填剤
(たとえばタルク、マイカ、クレー、ウォラストナイ
ト、ゼオライト、アスベスト、炭酸カルシウム、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、二
酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫化亜鉛、
硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウ
ム、ガラス繊維、チタン酸カリウム、炭素繊維、カーボ
ンブラック、グラファイト、金属繊維など)もしくはカ
ップリング剤(たとえばシラン系、チタネート系、ボロ
ン系、アルミネート系、ジルコアルミネート系など)の
如き表面処理剤で表面処理された前記無機充填剤または
有機充填剤(たとえば木粉、パルプ、故紙、合成繊維、
天然繊維など)を本発明の目的を損なわない範囲で併用
することができる。特にフェノール系酸化防止剤を併用
すると、相乗的に酸化劣化防止効果が発揮されるので併
用することが好ましい。フェノール系酸化防止剤として
は2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノー
ル、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリ
アジン、2,4,6−トリス(3′,5′−ジ−t−ブチル−
4′−ヒドロキシベンジルチオ)−1,3,5−トリアジ
ン、1,1,3−トリス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−2−メチルフェニル)−ブタン、ビス[3,3−ビス
(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチ
リックアシッド]エチレングリコールエステル、ビス
[2−(3′−t−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−
メチルベンジル)−6−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル]テレフタレート、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−
{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−
テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス[1,
1−ジメチル−2−{β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9
−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3,5−ジフェニル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチ
ル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3,5−ジ
シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリ
ス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル
ベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス[(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシエチル]イソシアヌレートおよびテトラキス
[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどを例
示でき、とりわけ1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベ
ンゼン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)イソシアヌレート、3,9−ビス[1,1
−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチ
ル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシア
ヌレートおよびテトラキス[メチレン−3−(3′,5′
−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]メタンが好ましい。 本発明の組成物は、ポリオレフィンに磁性体粉末、化合
物Aおよび重金属不活性化剤ならびに通常ポリオレフィ
ンに添加される前述の各種添加剤の所定量を通常の混合
装置たとえばヘンセルミキサー(商品名)、スーパーミ
キサー、リボンブレンダー、バンバリミキサーなどを用
いて混合し、通常の単軸押出機、2軸押出機、ブラベン
ダーまたはロールなどで、溶融混練温度170℃〜300℃、
好ましくは200℃〜250℃で溶融混練ペレタイズすること
により得ることができる。とりわけ2軸押出機を用いる
ことは、磁性体粉末の分散性が向上し均一な組成物が得
られるので好ましい。得られた組成物は射出成形法、押
出成形法、ブロー成形法などの各種成形法とりわけ射出
成形法により目的とする成形品の製造に供される。な
お、上述の各種成形法において磁場配向を行なうことに
より磁気特性の優れたものが得られる。 [作用] 本発明において化合物Aで示されるカルボン酸の亜鉛塩
もしくはマグネシウム塩すなわち金属石鹸は特開昭62−
169858号公報に開示された如く滑剤としてプラスチック
マグネット組成物の成形加工性などの改善に作用するこ
とが、また重金属不活性化剤は重金属イオンによるポリ
オレフィンの触媒的酸化劣化作用を不活性化することが
一般にそれぞれ知られている。しかしながら、重金属不
活性化剤を配合してなるプラスチックマグネット組成物
に化合物Aを併用することにより、従来公知の酸化劣化
防止効果を有する化合物の配合からは到底予測できない
驚くべき相乗効果が発揮され、長期熱安定性が著しく優
れたプラスチックマグネット組成物が得られることを見
い出した。 [発明の効果] 本発明の組成物は、各種酸化劣化防止効果を有する化合
物を配合してなる従来公知のプラスチックマグネット組
成物に比較して、(1)成形品としたときの該成形品の
長期熱安定性が著しく優れている。(2)長期熱安定性
が著しく優れているので、長期熱安定性が要求されるプ
ラスチックマグネット用途(たとえば小型発電機、小型
精密モーター、VTRやテープレコーダーなどの回転制御
装置など)に好適に用いることができる。 [実施例] 以下、実施例、比較例および製造例によって本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるも
のではない。 なお、実施例および比較例で用いた評価方法は次の方法
によった。 1)長期熱安定性:オーブンライフ試験により評価し
た。すなわち得られたペレットを用いて長さ50mm、巾50
mm、厚み2mmの試験片を射出成形法により作成し、該試
験片を用いて温度150℃に調節した循環熱風オーブンに
入れ、試験片が完全劣化するまでの時間(引張強度が0
になるまでの時間)を測定(JIS K 7212に準拠)するこ
とにより長期熱安定性を評価した。 製造例1 磁性体粉末として平均粒径1.1μのストロンチウムフェ
ライト99重量%と、表面処理剤としてn−オクタデシル
トリエトキシシラン1重量%とをヘンセルミキサー(商
品名)に入れ、5分間攪拌混合して表面処理した磁性体
粉末(I)を得た。 製造例2 磁性体粉末として平均粒径1.1μのバリウムフェライト9
9重量%と、表面処理剤とてしてn−オクタデシルトリ
エトキシシラン1重量%とをヘンセルミキサー(商品
名)に入れ、5分間攪拌混合して表面処理した磁性体粉
末(II)を得た。 実施例1〜14、比較例1〜6 ポリオレフィンとしてMFR(230℃における荷重2.16kgを
加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐出量)30g/10分の安
定化されていない粉末状結晶性エチレン−プロピレンブ
ロック共重合体(エチレン含有量8.5重量%)15重量%
および磁性体粉末(I)85重量%とからなる合計100重
量部に、化合物Aとしてステアリン酸亜鉛もしくはステ
アリン酸マグネシウム、重金属不活性化剤としてN,N′
−ビス[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]オキサ
ミド、トリス[2−t−ブチル−4−チオ(2′−メチ
ル−4′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)−
5−メチルフェニル]フォスファイト、N,N′−ビス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニル]ヒドラジン、オキサリックアシッド
−ビス(ベンジリデンヒドラジド)、3,9−ビス[2−
(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]
−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンも
しくは2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジンおよび他
の添加剤のそれぞれ所定量を後述の第1表に記載した配
合割合でヘンセルミキサー(商品名)に入れ、3分間攪
拌混合したのち、口径30mmの2軸押出機で250℃にて溶
融混練処理してペレット化した。また比較例1〜6とし
てMFRが30g/10分の安定化されていない粉末状結晶性エ
チレン−プロピレンブロック共重合体(重合体(エチレ
ン含有量8.5重量%)15重量%および磁性体粉末(I)8
5重量%とからなる合計100重量分に後述の第1表に記載
の添加剤のそれぞれ所定量を配合し、実施例1〜14に準
拠して溶融混練処理してペレットを得た。 オーブンライフ試験に用いる試験片は、得られたペレッ
トを樹脂温度250℃、金型温度50℃で射出成形により調
製した。 得られた試験片を用いて前記の試験方法により長期熱安
定性の評価を行った。これらの結果を第1表に示した。 実施例15〜28、比較例7〜12 ポリオレフィンとしてMFR30g/10分の安定化されていな
い粉末状結晶性プロピレン単独重合体13重量%、MI(19
0℃における荷重2.16kgを加えた場合の10分間の溶融樹
脂の吐出量)5.0g/10分の安定化されていない粉末状チ
ーグラー・ナッタ系高密度エチレン単独重合体1重量
%、ムーニー粘度ML1+4(100℃)25の安定化されてい
ない粉末状非晶性エチレン−プロピレンランダム共重合
体(プロピレン含有量25重量%)1重量%および磁性体
粉末(II)85重量%とからなる合計100重量に、化合物
Aとしてステアリン酸亜鉛もしくはステアリン酸マグネ
シウム、重金属不活性化剤としてN,N′−ビス[2−
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ〕エチル]オキサミド、トリス
[2−t−ブチル−4−チオ(2′−メチル−4′−ヒ
ドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)−5−メチルフ
ェニル]フォスファイト、N,N′−ビス[3−(3,5′−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ル]ヒドラジン、オキサリックアシッド−ビス(ベンジ
リデンヒドラジド)、3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ
−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,10−テ
トラオキサスピロ[5,5]ウンデカンもしくは2,4,6−ト
リアミノ−1,3,5−トリアジンおよび他の添加剤のそれ
ぞれ所定量を後述の第2表に記載した配合割合でヘンセ
ルミキサー(商品名)に入れ、3分間攪拌混合したの
ち、口径30mmの2軸押出機で250℃にて溶融混練処理し
てペレット化した。また比較例7〜12としてMFRが30g/1
0分の安定化されていない粉末状結晶性プロピレン単独
重合体13重量%、MIが5.0g/10分の安定化されていない
粉末状チーグラー・ナッタ系高密度エチレン単独重合体
1重量%、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が25の安定化
されていない粉末状非晶性エチレン−プロピレンランダ
ム共重合体(プロピレン含有量25重量%)1重量%およ
び磁性体粉末(II)85重量%とからなる合計100重量部
に、後述の第2表に記載の添加剤のそれぞれ所定量を配
合し、実施例15〜28に準拠して溶融混練処理してペレッ
トを得た。 オーブンライフ試験に用いる試験片は、得られたペレッ
トを樹脂温度250℃、金型温度50℃で射出成形により調
製した。 得られた試験片を用いて前記の試験方法により長期熱安
定性の評価を行った。これらの結果を第2表に示した。 第1〜2表に示される本発明にかかわる化合物および添
加剤は下記の通りである。 化合物A[I]:ステアリン酸亜鉛 化合物A[II]:ステアリン酸マグネシウム 重金属不活性化剤[I]:N,N′−ビス[2−〔3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オニルオキシ〕エチル]オキサミド 重金属不活性化剤[II]:トリス[2−t−ブチル−4
−チオ(2′−メチル−4′−ヒドロキシ−5′−t−
ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]フォスファイ
ト重金属不活性化剤[III]:N,N′−ビス[3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ル]ヒドラジン 重金属不活性化剤[IV]:オキサリックアシッド−ビス
(ベンジリデンヒドラジド) 重金属不活性化剤[V]:3,9−ビス[2−(3,5−ジア
ミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン 重金属不活性化剤[VI]:2,4,6−トリアミノ−1,3,5−
トリアジン フェノール系酸化防止剤1:2,6−ジ−t−ブチル−p−
クレゾール フェノール系酸化防止剤2:テトラキス[メチレン−3−
(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタン チオエーテル系酸化防止剤:ジミリスチルチオジプロピ
オネート リン系酸化防止剤1:ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)−ペンタエリスリトール−ジフォスファイト リン系酸化防止剤2:テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)−4,4′−ビフェニレン−ジ−フォスフォナ
イト Li−St:ステアリン酸リチウム Na−St:ステアリン酸ナトリウム Ca−St:ステアリン酸カルシウム Sr−St:ステアリン酸ストロンチウム Ba−St:ステアリン酸バリウム Al−St:ステアリン酸アルミニウム 第1表に記載の実施例および比較例は、ポリオレフィン
として結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合体お
よび磁性体粉末(I)を用いた場合である。第1表から
わかるように、実施例1〜14は結晶性エチレン−プロピ
レンブロック共重合体に磁性体粉末(I)、化合物Aお
よび重金属不活性化剤を配合したものであり、実施例1
〜14と比較例1〜6(化合物Aの替わりに化合物A以外
のカルボン酸の金属塩を配合したもの)とをくらべてみ
ると、実施例1〜14は長期熱安定性が著しく優れてお
り、化合物Aを配合することにより顕著な相乗効果が認
められることがわかる。いいかえると本発明にかかわる
化合物A以外のカルボン酸の金属塩を配合した比較各例
は本発明の効果を奏さないことが明らかであり、このこ
とは前記特開昭62−169858号公報にはなんら記載されて
いない。すなわち、本発明で得られる長期熱安定性は、
本発明においてポリオレフィンに磁性体粉末および重金
属不活性化剤を配合してなるプラスチックマグネット組
成物に、化合物Aを併用したときにはじめてみられる特
有の効果てあるといえる。 第2表はポリオレフィンとして結晶性プロピレン単独重
合体、チーグラー・ナッタ系高密度エチレン単独重合体
および非晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体の
混合物ならびに磁性体粉末(II)を用いたものであり、
これについても上述と同様の効果が確認された。 このことから本発明のプラスチックマグネット組成物
が、従来から知られた酸化劣化防止効果を有する化合物
を配合してなるプラスチックマグネット組成物にくらべ
て、長期熱安定性の点で著しく優れていることがわかり
本発明組成物の顕著な効果が確認された。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所
//(C08K 13/02
3:22
5:098
5:00)
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】ポリオレフィン5〜20重量%および磁性体
粉末80〜95重量%からなる組成物100重量部に対して、
カルボン酸の亜鉛塩もしくはカルボン酸のマグネシウム
塩(以下、化合物Aという。)および重金属不活性化剤
をそれぞれ0.01〜5重量部配合してなるプラスチックマ
グネット組成物。 【請求項2】化合物Aとして脂肪酸亜鉛および芳香族カ
ルボン酸亜鉛から選ばれた1種または2種以上のものを
配合する特許請求の範囲第(1)項に記載のプラスチッ
クマグネット組成物。 【請求項3】化合物Aとして2−エチルヘキサン酸亜
鉛、ステアリン酸亜鉛およびモンタン酸亜鉛から選ばれ
た1種または2種以上のものを配合する特許請求の範囲
第(1)項に記載のプラスチックマグネット組成物。 【請求項4】化合物Aとして脂肪酸マグネシウムおよび
芳香族カルボン酸マグネシウムから選ばれた1種または
2種以上のものを配合する特許請求の範囲第(1)項に
記載のプラスチックマグネット組成物。 【請求項5】化合物Aとして2−エチルヘキサン酸マグ
ネシウム、ステアリン酸マグネシウムおよびモンタン酸
マグネシウムから選ばれた1種または2種以上のものを
配合する特許請求の範囲第(1)項に記載のプラスチッ
クマグネット組成物。 【請求項4】重金属不活性化剤として2,4,6−トリアミ
ノ−1,3,5−トリアジン、3,9−ビス[2−(3,5−ジア
ミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、オキサリッ
クアシッド−ビス(ベンジリデンヒドラジド)、N,N′
−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオニル]ヒドラジン、トリス[2−t
−ブチル−4−チオ(2′−メチル−4′−ヒドロキシ
−5′−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]
フォスファイトおよびN,N′−ビス[2−〔3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシ〕エチル]オキサミドから選ばれた1種または
2種以上のものを配合する特許請求の範囲第(1)項に
記載のプラスチックマグネット組成物。 【請求項5】磁性体粉末としてフェライトを用いる特許
請求の範囲第(1)項に記載のプラスチックマグネット
組成物。 【請求項6】磁性体粉末としてシラン系カップリング
剤、チタネート系カップリング剤、ボロン系カップリン
グ剤、アルミネート系カップリング剤およびジルコアル
ミネート系カップリング剤から選ばれた1種または2種
以上の表面処理剤で表面処理された磁性体粉末を用いる
特許請求の範囲第(1)項に記載のプラスチックマグネ
ット組成物。 【請求項7】ポリオレフィンとして結晶性プロピレン単
独重合体、プロピレン成分を70重量%以上含有するプロ
ピレン共重合体であって、結晶性エチレン−プロピレン
ランダム共重合体、結晶性エチレン−プロピレンブロッ
ク共重合体、結晶性プロピレン−ブテン−1ランダム共
重合体、結晶性エチレン−プロピレン−ブテン−1 3
元共重合体および結晶性プロピレン−ヘキセン−ブテン
−1 3元共重合体から選ばれた1種または2種以上の
ものを用いる特許請求の範囲第(1)項に記載のプラス
チックマグネット組成物。 【請求項8】フェノール系酸化防止剤を配合する特許請
求の範囲第(1)項に記載のプラスチックマグネット組
成物。 【請求項9】フェノール系酸化防止剤として1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌ
レート、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−
t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プ
ロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル
オキシエチル]イソシアヌレートおよびテトラキス[メ
チレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]メタンから選ばれた
1種または2種以上のものを配合する特許請求の範囲第
(8)項に記載のプラスチックマグネット組成物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62289128A JPH07116326B2 (ja) | 1987-11-16 | 1987-11-16 | プラスチックマグネット組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62289128A JPH07116326B2 (ja) | 1987-11-16 | 1987-11-16 | プラスチックマグネット組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01131259A JPH01131259A (ja) | 1989-05-24 |
JPH07116326B2 true JPH07116326B2 (ja) | 1995-12-13 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62289128A Expired - Lifetime JPH07116326B2 (ja) | 1987-11-16 | 1987-11-16 | プラスチックマグネット組成物 |
Country Status (1)
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JP (1) | JPH07116326B2 (ja) |
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AU2007337126B2 (en) | 2006-12-20 | 2010-09-23 | Saint-Gobain Ceramics & Plastics, Inc. | Composite materials having improved thermal performance |
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-
1987
- 1987-11-16 JP JP62289128A patent/JPH07116326B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01131259A (ja) | 1989-05-24 |
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