JPH07113143B2 - 高強度銅合金の製造方法 - Google Patents

高強度銅合金の製造方法

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JPH07113143B2
JPH07113143B2 JP62067665A JP6766587A JPH07113143B2 JP H07113143 B2 JPH07113143 B2 JP H07113143B2 JP 62067665 A JP62067665 A JP 62067665A JP 6766587 A JP6766587 A JP 6766587A JP H07113143 B2 JPH07113143 B2 JP H07113143B2
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copper alloy
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公男 橋爪
輝雄 中西
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は,特にスイツチ,リレー関係の繰返し応力が
負荷される用途に適した疲れ特性の良好な高強度銅合金
の製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来,市場で一般的に使用されている高強度銅合金とし
て代表的なものに,例えば雑誌:伸銅技術研究会誌Vol.
9(1970)P109〜P116に示されているC1720合金(ベリリ
ウム銅合金)があるが,この合金は資源希少で安定供給
を受けにくい高価なBeを含有するためにコスト面で問題
がある。一方,安価なバネ材としてはCu中にSnと微量の
Pを含有するリン青銅系の合金があり,その機械的特性
は,例えば刊行物:ASTM Spec.Tech.Pub.No.183(1956)
にも示されているように,Sn含有量の増加につれて増大
する傾向を有する。しかし,Sn量が多くなると,硬くて
脆い展延性の乏しい化合物相,例えばδ,β相等の晶出
やSnの逆偏析現象の出現により,加工性が極端に悪化す
るため,圧延等の冷間加工が不可能で,リン青銅鋳物と
してしか利用できない難点がある。従つて現在,この合
金系でバネ材として実使用されている合金のSn含有量の
最大は9%程度どまりである。このためにC1720合金と
の特性差が大きく,この間を埋める合金の出現が要望さ
れている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来,資源希少で安定供給を受けにくい高価なBeを使用
せずに,安定供給可能なリン青銅系合金で機械的特性,
加工性に優れ,バネ材としての十分な特性を有するもの
が得られないという問題点があつた。
この発明は上記のような問題点を解消するためになされ
たもので,資源希少で安定供給を受けにくいBeを使用せ
ずに,リン青銅系合金の組織と冷間加工性の改善を図
り,バネ材として十分な特性を有する高強度銅合金を得
ることを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明の高強度銅合金は,12重量%を越え20重量%以
下のSnと0.01〜0.5重量%のPを含有し,残部Cuからな
る溶湯金属を,102℃/sec以上105℃/sec未満の冷却速度
で急冷凝固させて製造するものである。
〔作用〕
合金の鋳塊製造時において溶湯を102℃/sec以上105℃/s
ec未満の冷却速度で急冷凝固することにより,逆偏析の
出現を抑制するとともに,化合物相を微細に且つ均一に
マトリツクス中に分散できるので,組織と冷間加工性の
改善が図れる。
〔実施例〕
以下にこの発明の実施例について説明する。
発明材は,直径200mmで内部水冷が可能な鋳鉄製双ロー
ルからなる実験用の急冷凝固設備を用いて作製した。製
造条件としては,(1)冷却ロールの回転数を10rpm,
(ii)ロールへの注湯温度はいずれも合金の融点から50
℃高目,(iii)ロールギヤツプは1mmに設定した。得ら
れた薄板鋳塊は厚さ1.8mm,巾100mmであつた。この鋳塊
では,従来の連続鋳造法やバツチ式鋳造に比べて早い10
2℃/sec以上105℃/sec未満の冷却速度で連続的に急冷凝
固させるため,デンドライト組織や逆偏析の出現が抑制
され,しかも化合物相が微細にマトリツクス中に均一に
分散した状態となつており,加工性は極めて良好であ
る。これらの鋳塊を均質化焼鈍なしで一気に板厚0.3mm
まで冷間圧延した後,500℃で1時間のキジ焼鈍に続いて
33%の冷間加工率にて0.2mmの板厚に仕上げた。次に250
℃で1時間の低温焼鈍処理を施し諸特性測定用の試料と
した。
第1表は,この発明材と比較材の特性値をまとめて示し
たものである。
これらの結果から明らかなように,12重量%を越えるSn
を含有するCu−Sn系合金をこの発明のように急冷凝固し
て製造することにより,冷間加工性が著しく改善され,
バネ材として適した高強度銅合金が得られることがわか
る。例えば,バネ材として一般的に広く実用されている
試料No.1のC5210合金(比較材,特開昭5−112324号な
ど)とその約2倍のSnを含有する試料No.3(本発明材)
の特性を比較すると,試料No.3の方が引張強さで約50
%,ばね限界値では約110%も増大している。一方,バ
ネ材として重視される疲れ特性についても改善効果が認
められ,繰返し数N=107回における疲れ強さで32kg f/
mm2の値が得られ,レベル的にはC5210合金とC1720合金
の中間位置にある。
これらの機械的特性の向上は,従来品よりSn含有量を多
くし固溶硬化能と加工硬化能が増大したこと並びにマト
リツクス中に微細な化合物を均一に分散させることによ
る。特に,疲れ特性の向上については,マトリツクス中
に分散した微細な化合物が疲労クラツクの伝播を阻止す
るためと考えられる。Snの含有量としては12重量%以下
では機械的特性が不十分であり,20重量%以上では機械
的特性は向上するものの,C1720合金と比べてコストメリ
ツトが薄らぐとともに,加工性が低下するため,12重量
%を越え20重量%以下の範囲が望ましく,12.4〜20重量
%の範囲が好適である。またPの含有量としては0.01重
量%以下では実用上脱酸剤としての効果がなく,0.5重量
%以上含んでいても効果に変化はなく,電気伝導度を下
げないためには少ない方が良く,0.01〜0.5重量%の範囲
が良い。
第2表は微量の添加元素による効果を示したものであ
る。
Cu−Sn−Pをベースにした試料No.4と比較した場合,試
料No.5の引張強さ,ばね限界値,疲れ強 さは,いずれもほとんど差が認められないことから,Mn,
Zn,Bはこれらの特性に悪影響を及ぼさず,脱酸剤として
有効であることを示している。但し,添加量が多くなる
ともろくなり,加工性や導電率への影響が現われるため
上限値を設定している。一方,No.6〜No.9の試料を比較
した場合,Ni,Fe,Co,Ti,Zrの添加元素は,結晶粒の微細
化,強度を上げるのに貢献し,特に疲れ特性の向上に対
し効果が認められ,その上限については成形加工性の点
から制限をした。これら微量元素の含有量は1.0重量%
以上含まれると導電率を下げるので,実用上合計で0.01
〜1.0重量%以下が望ましい。また各微量元素の含有量
は上述の点から鑑みて実用上下記範囲が望ましい。
Ni……0.01〜0.5重量% Zn……0.01〜0.35重量% Fe……0.01〜0.15重量% Ti……0.01〜0.5重量% B……0.001〜0.1重量% CO……0.01〜0.5重量% Mn……0.05〜0.4重量% Zr……0.01〜0.5重量% なお,溶湯金属の冷却速度は種々実験した結果,102℃/s
ec未満では鋳塊組織が従来の鋳造法によるものと変らず
良好な加工性が得られないため,また105℃/sec以上で
は,製造可能な板厚が極端に薄くなり過ぎて実用に供し
にくくなるため,102℃/sec以上105℃/sec未満の範囲が
良い。
また,参考までにこの発明合金に係る製造法はCu−Sn系
合金だけではなく,展延性の悪い化合物相が晶出し易く
難加工材として知られているNi−Be−Al,Cu−Ni−Mn,Cu
−Ti系合金等に適用しても同様の効果を奏するものであ
る。
〔発明の効果〕
以上のように,この発明によれば,12重量%を越え20重
量%以下のSnと0.01〜0.5重量%のPを含有し,残部Cu
からなる溶湯金属を,102℃/sec以上105℃/sec未満の冷
却速度で急冷凝固させて製造することにより,組織の冷
間加工性が著しく改善され,バネ材,例えばスイツチ,
リレー関係の繰返し応力が負荷される用途に適した安定
供給を受けられ安価で,耐疲労性に優れた高強度銅合金
が得られる効果がある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】12重量%を越え20重量%以下のSnと0.01〜
    0.5重量%のPを含有し,残部Cuからなる溶湯金属を,10
    2℃/sec以上105℃/sec未満の冷却速度で急冷凝固させて
    製造する高強度銅合金の製造方法。
  2. 【請求項2】溶湯金属が12.4〜20重量%のSnを含有して
    いる特許請求の範囲第1項記載の高強度銅合金の製造方
    法。
  3. 【請求項3】溶湯金属がNi,Zn,Fe,Ti,B,Co,MnおよびZr
    を少くとも一種以上あわせて0.01〜1.0重量%含有して
    いる特許請求の範囲第1項または第2項記載の高強度銅
    合金の製造方法。
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