JPH0356295B2 - - Google Patents

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JPH0356295B2
JPH0356295B2 JP61043859A JP4385986A JPH0356295B2 JP H0356295 B2 JPH0356295 B2 JP H0356295B2 JP 61043859 A JP61043859 A JP 61043859A JP 4385986 A JP4385986 A JP 4385986A JP H0356295 B2 JPH0356295 B2 JP H0356295B2
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rapidly solidified
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は導電ばね材料に好適な強度と導電性と
に優れた高強度銅基合金の製造方法に関するもの
である。 (従来の技術) 強度と導電性とに優れた導電ばね材料として代
表的なものは、JIS H3130に合金番号C1720とし
て定められている1.8%Be、0.25%Co、残部Cuの
析出硬化型の合金があるが、高価なBeを多量に
含有するために地合せ価格が極めて高くなるとい
う欠点があつた。一方、Cuをベースとし、B、
Si、P、Ge、Te等の半金属元素と、Be又はSと
を加えた合金を溶融状態から急冷凝固して粒度
0.5〜15μmの急冷凝固組織とすることにより導電
性、強度、硬度等を向上させるという新しい試み
が特公昭60−43895号公報に示されている。とこ
ろがこの合金は多量の半金属元素を含むために導
電性が悪いこと、硬度及び強度が不十分であるこ
と、伸びが小さく脆いため曲げ成形性に劣ること
等の理由から、導電ばね材料としては実用性に乏
しく従来の析出硬化型のCu−Be合金よりも劣る
ものであつた。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明はこのような従来の問題点を解決し、
Beの含有率を低くして地合せ価格を安価なもの
とするとともに、急冷凝固法を利用して組織の微
細化を図り、しかも硬度、強度、導電性等の導電
ばね材に要求される特性を十分に満足することが
できる高強度銅基合金及びその製造方法を目的と
して完成されたものである。 (問題点を解決するための手段) 本願第1の発明は、Be0.15〜1.0%(重量%、
以下同じ)、Ni、Coの一方又は双方を合計量で
0.5〜6.0%、残部Cu及び不可避的不純物からな
り、Be:Ni+Coの原子比を1:0.8〜1.2とし、
かつ結晶粒径を0.2〜25μmとした急冷凝固組織中
に、加工による析出サイトを増加させ時効処理後
の析出物を均一微細に分散させてビツカース硬度
300以上、伸び3%以上の特性を持たせたことを
特徴とする高強度銅基合金を要旨とするものであ
る。 また本願第2の発明は、Be0.15〜1.0%、Ni、
Coの一方又は双方を合計量で0.5〜6.0%、残部Cu
及び不可避的不純物からなり、Be:Ni+Coの原
子比を1:0.8〜1.2とした合金を溶融状態から
500℃/秒以上の速度で急冷凝固して結晶粒度が
0.2〜25μmの急冷凝固組織としたのち、95%以下
の冷間加工を行い、更に時効析出処理により金属
間化合物を均一微細に析出させたことを特徴とす
る高強度銅基合金の製造方法を要旨とするもので
ある。 上記のような組成の合金は、第1図のCu−Be
−Ni系合金の3%Ni切断面平衡状態図に見られ
るように常温におけるBe、Niの固溶限が非常に
狭くなるので本来析出硬化性に優れた合金であ
る。しかしながら通常の溶解鋳造工程を経た材料
ではほとんどのBe、Niは析出物としてマトリツ
クスから排出された状態にあり、後に熱間加工や
焼鈍を行つても容易にはマトリツクス中に溶け込
まないので析出硬化性が不十分となる。また溶体
化処理も結晶粒の粗大化防止のためにあまり高温
では行えず、通常は900〜950℃で行われるが、こ
の程度の温度ではやはり析出物であるBeやNiは
完全にマトリツクス中に固溶されない。ところが
500℃/秒を越える高速急冷凝固に伴う非平衡凝
固の場合にはBe、Ni、Co等のマトリツクス中へ
の固溶度が大きくなり、その後の時効析出処理に
おける析出強化作用は著しいものとなる。また凝
固時に一度固溶されたBe、Ni、Co等は凝固後に
溶体化処理を行つた場合にも結晶粒成長を効果的
に抑制し、溶体化処理温度を上昇させても粒成長
を著しく抑制する特徴を持つ。 本発明は上記のような時効析出挙動を呈する銅
基合金を溶融状態から急冷凝固させることにより
平衡凝固によつては不可能な過剰量のBe、Ni、
Co等の溶質原子をマトリツクス中に固溶させた
極めて微細な急冷凝固組織を得たうえ、これに冷
間加工を加えて加工欠陥を金属組織中に生成さ
せ、更にこれを時効析出処理して多量の金属間化
合物を均一微細に析出させることにより硬度、強
度、曲げ成形性を高めることに成功したものであ
る。次に本発明の各構成要件について更に具体的
に説明する。 本発明の銅基合金中Beは析出硬化性を生ぜし
めるための基本的な元素であり、0.15%未満では
析出硬化性が不十分で機械的強度の向上が得られ
ず、逆に1.0%を越えると地合せ価格が上昇して
本発明の目的が達成されなくなるとともに、急冷
凝固法によつて全体がマトリツクス中に固溶でき
なくなり、含有量増加に見合つた合金特性向上効
果が得られないので0.15〜1.0%の範囲とするも
ので、特に0.4〜0.8%の範囲が最適である。次に
Ni及びCoもBeと同様に析出硬化性を付与するた
めの元素であつて、その合計量が0.5%未満では
析出硬化性が不十分であり、6.0%を越えると急
冷凝固時にマトリツクス中に固溶できない部分が
生ずるうえ導電率を悪化させるので0.5〜6.0%と
することが必要で、特に2.0〜5.0%の範囲が好ま
しいものである。これらのNiとCoはいずれか一
方又は双方を上記の範囲内で用いればよい。Be
とNi+Coは強化に寄与する金属間化合物の化学
量論的組成に近付けるため、原子比を1:0.8〜
1.2の範囲とする。これにより金属間化合物を無
駄なく一斉に生じさせることができる。 このような合金は溶融状態から例えば回転ロー
ラ間に流し込む等の方法によつて500℃/秒を越
す高速度で瞬時に冷却固化される。このような急
冷凝固の結果、結晶粒度が0.2〜25μmの微細な急
冷凝固組織が得られるとともに、前述したとおり
Be、Ni、Co等の元素は平衡冷却によつては到底
固溶できない多くの分量がマトリツクス中に固溶
し、強化に寄与しない粗大析出物をほとんど生じ
ない。本発明においてはこの組織に圧延等により
95%以下の冷間加工を加えて組織内に加工欠陥を
生成させ、更に必要に応じて550〜1000℃の溶体
化処理と80%以下の冷間加工とを加えたのち、
250〜500℃で時効析出処理を行う。これらの処理
によつて急冷凝固組織中に加工による析出サイト
が増加してBe、Ni、Coの金属間化合物が均一微
細に析出し、後の実施例のデータにも示すとおり
材料の硬度がビツカース硬度で300以上、伸び3
%以上となるほか、引張強度、曲げ加工性等が著
しく向上する。特に本発明においては急冷凝固法
により過剰量のBe、Ni又はCo元素をマトリツク
ス中に所定の原子比となるように固溶させてある
ため、時効析出処理により短時間で均一かつ微細
な金属間化合物が一斉に析出することとなり、硬
度、伸び、強度、曲げ加工性等を著しく向上させ
ることができる。また本発明においては溶体化処
理を行つた場合にも、急冷凝固法により固溶され
たBe、Ni又はCoが結晶粒成長を効果的に抑制
し、最終組織の粒度は25μmを越えることはな
い。 なお、冷間加工の程度を95%以下としたのは、
組織中に加工欠陥を十分に生じさせるために必要
なためであり、また結晶粒度を0.2〜2.5μmとし
たのは、0.2μm未満の結晶を生じさせることは困
難であり、逆に25μmを越えると延性や曲げ成形
性が低下するからである。更に、得られた合金の
ビツカース硬度を300以上、伸びを3%以上と限
定したのは、特に導電ばね材料として好ましい範
囲を明確化したものである。 このように本発明の合金は低ベリリウムである
にもかかわらず硬度、伸び、強度に優れ、しかも
組織が緻密であるため延性及び曲げ成形性に優れ
るうえ、導電性を阻害する元素や粗大析出物をほ
とんど含まないので導電ばね材料として好適な高
い導電性を有するものである。 (実施例) 第1表に示されるNo.1〜No.15の種々の組成の合
金を高速で回転するローラ間に噴き出し、500
℃/秒以上の速度で溶融状態から急冷凝固して厚
さ0.31mmの薄板を作成した。これを第1表中に
a、b、c、d等の記号で示す処理工程により処
理したうえでビツカース硬さ、引張強度、伸び、
導電率を測定し同表に記した。また第2表は合金
組成が本発明の範囲を外れた合金(No.1〜7)及
び通常工程品(No.8〜9)、特公昭60−43895号の
範囲内の合金(No.10〜12)につき、第1表に示し
たと同様の測定値を示したものである。なお、a
〜gの記号で示した処理工程の内容は第3表にま
とめて示した。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 (発明の効果) 本発明は以上の説明からも明らかなように、
Be含有量を低くして地合せ価格を引下げるとと
もに、急冷凝固と冷間加工と時効析出処理の組合
せにより硬度、強度、導電性、曲げ成形性等の導
電ばね材料に要求される諸特性をバランス良く向
上させることに成功したものであるから、従来の
Cu−Be合金及び従来の急冷凝固合金の問題点を
一掃したものとして、産業の発展に寄与するとこ
ろは極めて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はCu−Be−Ni系合金の3%Ni切断面平
衡状態図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 Be0.15〜1.0%(重量%、以下同じ)、Ni、
    Coの一方又は双方を合計量で0.5〜6.0%、残部Cu
    及び不可避的不純物からなり、Be:Ni+Coの原
    子比を1:0.8〜1.2とし、かつ結晶粒径を0.2〜
    25μmとした急冷凝固組織中に、加工による析出
    サイトを増加させ時効処理後の析出物を均一微細
    に分散させてビツカース硬度300以上、伸び3%
    以上の特性を持たせたことを特徴とする高強度銅
    基合金。 2 Be、Ni、Coの含有量をBe0.4〜0.8%、Niと
    Coの合計量を2.0〜5.0%とした特許請求の範囲第
    1項記載の高強度銅基合金。 3 引張強度が100Kg/mm2以上、ビツカース硬度
    が350以上である特許請求の範囲第1項記載の高
    強度銅基合金。 4 Be0.15〜1.0%、Ni、Coの一方又は双方を合
    計量で0.5〜6.0%、残部Cu及び不可避的不純物か
    らなり、Be:Ni+Coの原子比を1:0.8〜1.2と
    した合金を溶融状態から500℃/秒以上の速度で
    急冷凝固して結晶粒度が0.2〜25μmの急冷凝固組
    織としたのち、95%以下の冷間加工を行い、更に
    時効析出処理により金属間化合物を均一微細に析
    出させたことを特徴とする高強度銅基合金の製造
    方法。 5 冷間加工ののち、550〜1000℃の焼鈍又は溶
    体化処理と80%以下の冷間加工を行つたうえ250
    〜550℃で時効析出処理を行う特許請求の範囲第
    4項記載の高強度銅基合金の製造方法。
JP61043859A 1986-02-27 1986-02-27 高強度銅基合金及びその製造方法 Granted JPS62199743A (ja)

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