JPH07110943B2 - 発光組成物 - Google Patents

発光組成物

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JPH07110943B2
JPH07110943B2 JP10318588A JP10318588A JPH07110943B2 JP H07110943 B2 JPH07110943 B2 JP H07110943B2 JP 10318588 A JP10318588 A JP 10318588A JP 10318588 A JP10318588 A JP 10318588A JP H07110943 B2 JPH07110943 B2 JP H07110943B2
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oxide
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文夫 高橋
邦彦 米島
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化成オプトニクス株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は発光組成物の改良に関する。更に詳しくは、特
に加速電圧数百V以下の低速電子線励起下で高輝度の発
光を示し、かつ、長時間使用による経時的な発光輝度低
下を低減させた発光組成物に関する。
(従来の技術) 従来より、加速電圧が1KV以下、特に数百V以下の低速
電子線の励起によって高輝度に発光する蛍光体として、
亜鉛付活酸化亜鉛蛍光体(ZnO:Zn)がよく知られてい
る。このZnO:Znは低速電子線で励起した場合に高輝度の
緑白色発光を示し、これを蛍光膜として用いた蛍光表示
管は卓上電子計算機、車載用計器、VTR等の電気製品な
どの表示素子として広く用いられている。
近年、蛍光表示管の利用分野が拡大されるにつれて蛍光
表示管の発光色の多様化が望まれるようになり、低速電
子線励起下で緑色以外の発光を示す発光材料の開発が盛
んに進められてきた。その結果、いくつかの発光材料が
見出されたが、その中のひとつとして組成式(Zn1−x,C
dx)S(但し、xは0≦x≦1なる条件を満たす数であ
る)で表わされる硫化物を母体とし、これに亜鉛(Z
n)、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、マンガン(Mn)
等を付活し、さらに必要に応じてハロゲン、アルミニウ
ム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)等を共付
活してなる硫化物蛍光体{以下、組成式(Zn1−x,Cdx)
S(但し、xは0≦x≦1なる条件を満たす数である)
で表わされる硫化物を母体とする蛍光体を総称して
「(Zn1−x,Cdx)S系硫化物蛍光体」と略称することに
する}に酸化インジウム(In2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、
酸化錫(SnO2)等の導電性物質を混合してなる発光組成
物が知られている(特公昭59−33153号、特公昭59−331
55号、特開昭55−23104号、特開昭55−23106号等参
照)。これらの発光組成物は加速電圧が1KV以下の低速
電子線励起により、その発光組成物の構成成分の1つで
ある(Zn1−x,Cdx)S系硫化物蛍光体母体中の亜鉛(Z
n)とカドミウム(Cd)との固溶比(x値)や付活剤並
びに共付活剤の組合せによって青色〜赤色にわたって高
輝度の可視発光を示すところから、これらを蛍光膜とし
て用いることによって蛍光表示管の多色化が可能とな
り、その情報量は飛躍的に向上した。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、(Zn1−x,Cdx)S系硫化物蛍光体を主成
分とする発光組成物を蛍光膜として用いた蛍光表示管
は、これを長時間動作させていると蛍光膜中の(Zn1−
x,Cdx)S系硫化物蛍光体の劣化もしくは該蛍光体の分
解生成物のフィラメントへの付着等に起因すると思われ
る蛍光面の輝度低下や発光ムラが生じ易いという大きな
欠点を有しており、従って、低速電子線による長時間の
励起下でも劣化もしくは分解が少なく、発光輝度の低下
や発光ムラを起こしにくい発光組成物の開発が望まれて
いた。
本発明は上記の要望に鑑みてなされたものであり、加速
電圧が1KV以下、特に、数百V以下の低速電子線励起下
で、高輝度の発光を示し、かつ、これを蛍光膜として用
いて長時間発光させた場合にも劣化や分解が少なく、経
時的な発光輝度の低下や蛍光膜面の発光ムラの起こりに
くい発光組成物を提供することを目的とするものであ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは上記目的を達成するために(Zn1−x,Cdx)
S系硫化物蛍光体の表面処理法特に表面処理剤について
種々検討を重ねた結果、(Zn1−x,Cdx)S系蛍光体の表
面に、ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y),ラン
タン(La),スカンジウム(Sc),ガリウム(Ga),ガ
ドリニウム(Gd),セリウム(Ce)およびサマリウム
(Sm)の中の少なくとも一種の元素の酸化物からなる高
融点酸化物と酸化亜鉛(ZnO)もしくは熱処理によって
酸化亜鉛(ZnO)に変わり得る亜鉛(Zn)の化合物とを
付着させる処理を施した(Zn1−x,Cdx)S系硫化物蛍光
体を発光組成物の構成成分として用いることにより上記
目的が達成できることを見出し本発明に至った。
即ち、本発明の発光組成物は組成式が(Zn1−x,Cdx)S
(但し、xは0≦x≦1なる条件を満たす数。以下同
様)で表わされる硫化物を母体とし、その表面にi)
ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y),ランタン
(La),スカンジウム(Sc),ガリウム(Ga),ガドリ
ニウム(Gd),セリウム(Ce)およびサマリウム(Sm)
の中の少なくとも一種の元素の酸化物からなる高融点酸
化物と、ii) 酸化亜鉛(ZnO)もしくは熱処理により
酸化亜鉛(ZnO)に変わりうる亜鉛(Zn)の化合物(以
下、「Zn化合物」と総称することにする)とを付着させ
てなる硫化物蛍光体と導電性物質との混合物からなるこ
とを特徴とする。
以下、本発明の発光組成物の製造方法について説明す
る。
本発明の発光組成物の製造方法は、表面にジルコニウム
(Zr),イットリウム(Y),ランタン(La),スカン
ジウム(Sc),ガリウム(Ga),ガドリニウム(Gd),
セリウム(Ce)およびサマリウム(Sm)の中の少なくと
も一種の元素の酸化物からなる高融点酸化物とZn化合物
とを付着させてなる(Zn1−x,Cdx)S系硫化物蛍光体を
発光組成物の更生成分の1つとして用いること以外は、
蛍光体と導電性物質との混合物からなる従来の発光組成
物と同様であり、上記高融点酸化物とZn化合物とを付着
させてなる(Zn1−x,Cdx)S系硫化物蛍光体に公知の方
法により導電性物質を混合又は付着させることによって
製造される。
即ち次に述べる方法によって最初に上記高融点酸化物と
Zn化合物とを付着させた(Zn1−x,Cdx)S系硫化物蛍光
体を調整する。
先ず、最初に純水中に所望の組成を有する(Zn1−x,Cd
x)S系硫化物蛍光体を投入して充分に撹拌し、懸濁さ
せる。本発明の発光組成物に用いられる(Zn1−x,Cdx)
S系硫化物蛍光体としてはZnS:Zn、ZnS:Ag,Cl、ZnS:Ag,
Cl,Li、ZnS:Ag,Al、ZnS:Mn,Cl、(Zn,Cd)S:Cu,Al、(Z
n,Cd)S:Au,Al、(Zn,Cd)S:Au,Cu,Al、CdS:Ag等をはじ
めとする、組成式が(Zn1−x,Cdx)で表わされる硫化物
母体を亜鉛(Zn),銀(Ag),銅(Cu),金(Au),マ
ンガン(Mn)等の付活剤で付活し、更に、必要に応じて
これにアルミニウム(Al),ハロゲン元素(Cl,Br,I又
はF)等の第1の共付活剤並びにアルカリ金属元素(L
i,Na,K,Rb,又はCs),ガリウム(Ga),インジウム(I
n)等の第2の共付活剤で共付活してなる公知の硫化物
であればいずれも用いられうるが、これらの硫化物蛍光
体の中でも上記組成式中のx値の範囲がほぼ0.3〜0.7に
あるZnSとCdSとの固溶体を母体とする硫化物蛍光体を用
いた時、得られる発光組成物の経時的な発光輝度低下の
度合いをより小さくすることができる。
次に、(Zn1−x,Cdx)S系硫化物蛍光体の水懸濁液中に
所定量のアルミナとZn化合物とを投入し、充分に攪拌し
た後、濾過し、次いで130℃以上の温度で乾燥するか、
または蒸発乾固することによって本発明の一方の構成成
分である高融点酸化物とZn化合物とを表面に付着させた
(Zn1−x,Cdx)S系硫化物蛍光体を得る。
(Zn1−x,Cdx)S系硫化物蛍光体に付着させる高融点酸
化物としては、融点が少なくとも1500℃以上である高融
点の金属酸化物が用いられ得るが、この中でも酸化ジル
コニウム(ZrO2)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ラ
ンタン(La2O3)、酸化スカンジウム(Sc2O3)、酸化ガ
リウム(Ga2O3)、酸化ガドリニウム(Gd2O3)、酸化セ
リウム(Ce2O3)、酸化サマリウム(Sm2O3)などの、Z
r、Y、La、Sc、Ga、Gd、CeおよびSmの酸化物あるいは
これらの酸化物ゾルや水酸化物を加熱処理してその一部
又は全部を脱水して得た、その大部分又は全部が酸化物
よりなる脱水生成物(これらを総称して本明細書では
「高融点酸化物」ということにする)が、得られる発光
組成物の経時的な発光輝度の低下を抑制する上でより好
ましく、これらの高融点酸化物の中でもZr、Y、Ceおよ
びSmの中の少なくとも1つの金属元素を含む高融点酸化
物を用いるのが特に好ましい。また、得られる発光組成
物の発光輝度の点からは、(Zn1−x,Cdx)S系硫化物蛍
光体に付着させるこれらの高融点酸化物は、その平均粒
子径が1μm以下である超微粒子のものを用いるのが特
に推奨される。
また、(Zn1−x,Cdx)S系硫化物蛍光体に付着させるZn
化合物としては、酸化亜鉛(ZnO)または亜鉛(Zn)の
水酸化物、硫酸塩,硝酸塩,炭酸塩,ハロゲン化物,ヒ
ドロオキシ塩等の100℃〜700℃の温度での加熱処理によ
って熱分解し、少なくともその一部がZnOに変わり得るZ
n化合物が用いられる。
しかしながら、(Zn1−x,Cdx)S系硫化物蛍光体に高融
点酸化物とともにZn化合物を付着させる場合、上述のよ
うに、単にこの硫化物蛍光体と高融点酸化物とを懸濁さ
せた溶液中にZn化合物を添加し、そのまま濾過または蒸
発乾固して最初に添加したZn化合物そのものを高融点酸
化物とともにこの硫化物蛍光体に付着させるのではな
く、水に可溶性のZn化合物を添加し、この溶液中にNH4O
H,NaOH等のアルカリや炭酸アンモニウム、蓚酸等を加え
て最初に添加したZn化合物を水酸化物、炭酸塩、蓚酸塩
等として析出させ、これを共存する高融点酸化物と共に
硫化物蛍光体の表面に付着させた方が得られる発光組成
物の経時的な発光輝度の低下を抑制する上でより好まし
く、従って用いられるZn化合物としては硫酸塩,硝酸
塩,ハロゲン化物等、水溶性のZn化合物を用いるのが好
ましい。
一方、得られる発光組成物の初期の発光輝度の点からは
(Zn1−x,Cdx)S系硫化物蛍光体の表面には最終的に少
なくともZnOが付着しているのが望ましく、そのため、
上述のZn化合物の中でも熱分解温度が低く、熱処理を加
えることにより容易にZnOに変わり易い等の点から、Zn
化合物としてZnの水酸化物を用いてこれを上記の高融点
酸化物とともに(Zn1−x,Cdx)S系硫化物蛍光体に付着
させるか、または(Zn1−x,Cdx)S系硫化物蛍光体と上
記の高融点酸化物と亜鉛イオンとが共存する溶液中から
アルカリ添加により最終的にZnの水酸化物として析出さ
せ、これを該高融点酸化物とともに(Zn1−x,Cdx)S系
硫化物蛍光体に付着させるのがより好ましい。
次に、上述のようにして製造された高融点酸化物とZn化
合物とを表面に付着してなる(Zn1−x,Cdx)S系硫化物
蛍光体は、乳鉢,ボールミル,ミキサーミル等を用いて
本発明の発光組成物のもう一方の構成成分である導電性
物質と充分に混合するか、この硫化物蛍光体の表面に例
えば接着剤としてゼラチンとアラビアゴムを用いる方法
(特公昭54−3677号公報参照)、静電塗布法(特公昭54
−44275号公報参照)、エチルセルロース,ニトロセル
ロース等の有機バインダーを用いる方法(特公昭62−33
266号公報参照)等の公知の方法で導電性物質を付着さ
せることによって本発明の発光組成物が得られる。
本発明の発光組成物に用いられる導電性物質としては酸
化インジウム(In2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(Sn
O2)、酸化チタン(TiO2)、酸化タングステン(W
O3)、酸化ニオブ(Nb2O5)、硫化カドミウム(CdS)、
硫化銅(Cu2S)等、従来の低速電子線用発光組成物に用
いられるものであればいずれも使用できる。また、(Zn
1−x,Cdx)S系硫化物蛍光体と導電性物質との混合重量
比は用いられる導電性物質の粒子径によって変わりうる
が、蛍光体と導電性物質との混合物からなる従来の低速
電子線用発光組成物の場合とほぼ同様に1:99〜1:1の範
囲となるように配合した時、実用に供しうる高輝度の発
光組成物が得られる。
第1図および第2図はそれぞれ(Zn0.55,Cd0.45)S:Ag,
Cl,Li蛍光体の表面に所定のジルコニアと亜鉛(Zn)に
換算して該蛍光体の0.1重量%のZnO(Znの化合物として
硫酸亜鉛を用い、これをアルカリによって一旦水酸化物
として被着させ、次に熱処理によりZnOに変化させた)
とを付着させてなる(Zn0.55,Cd0.45)S:Ag,Cl,Li蛍光
体に対して導電性物質として10重量%のIn2O3を混合し
てなる本発明の発光組成物を蛍光膜として用いた蛍光表
示管を作製し、これを30Vの陽極プレート電圧で動作さ
せた時の各蛍光表示管の蛍光膜に使用された発光組成物
中の(Zn0.55,Cd0.45)S:Ag,Cl,Li蛍光体に付着するジ
ルコニア付着量と蛍光表示管の相対初期発光輝度との関
係(第1図)、並びにこの蛍光表示管を1000時間点灯し
た後の相対発光輝度との関係(第2図)をそれぞれ例示
するグラフであり、縦軸の発光輝度はいずれも、ジルコ
ニアを付着させない場合に対する相対値で示されてい
る。
第1図および第2図から明らかなように(Zn0.55,Cd
0.45)S:Ag,Cl,Li蛍光体にZnOと共にジルコニアを付着
させると、これを用いた発光組成物においては初期の発
光輝度はジルコニアの付着量の増加と共に漸次低下する
ものの、1000時間点灯後の発光輝度はジルコニアの付着
量がおよそ1wt%以下の場合に限りジルコニアを付着さ
せない(Zn0.55,Cd0.45)S:Ag,Cl,Li蛍光体を用いた場
合より高くなり、長時間点灯した場合の経時的な発光輝
度の低下が小さい。そして、特に、初期輝度の低下が実
用上許容できる範囲内に留められ、かつ経時的な発光輝
度の低下をより抑制しうる点で(Zn0.55,Cd0.45)S:Ag,
Cl,Li蛍光体に付着させるジルコニアの付着量は0.002〜
0.1wt%とするのがより好ましい。
また本発明の発光組成物においてジルコニアと共に(Zn
0.55,Cd0.45)S:Ag,Cl,Li蛍光体に付着させるZnOの付着
量が0.005重量%以下であっても、逆に1重量%以上で
あっても、得られる発光組成物の初期の発光輝度が低
く、また(Zn0.55,Cd0.45)S:Ag,Cl,Li蛍光体のジルコ
ニアの付着量を増やしても1000時間点灯後における発光
輝度はそれほど高くなく、ジルコニアを付着させたこと
による効果が顕著には認められなかった。
なお、第1図および第2図には硫酸亜鉛から生成させた
ZnO(0.1重量%のZn)とジルコニアとを付着した(Zn
0.55,Cd0.45)S:Ag,Cl,Li蛍光体とIn2O3(10重量%の導
電性物質)との混合物からなる発光組成物を用いた蛍光
表示管についてその蛍光膜に用いられる(Zn0.55,Cd
0.45)S:Ag,Cl,Li蛍光体中のジルコニア付着量と蛍光表
示管の初期発光輝度並びに1000時間点灯後の発光輝度と
の相関を例示しているが、これらの相関は(Zn1−x,Cd
x)S系硫化物蛍光体として(Zn0.55,Cd0.45)S:Ag,Cl,
Li以外の蛍光体を用いた場合も、Znの化合物として硫酸
亜鉛以外のZn化合物を用いた場合も、高融点酸化物とし
てジルコニア以外の酸化物を用いた場合も、またIn2O3
以外の導電性物質を用いた場合にもほぼ第1図並びに第
2図と類似であり、発光組成物の一成分である(Zn1−
x,Cdx)S系硫化物蛍光体に付着させる高融点酸化物付
着量が1wt%以下、より好ましくは0.002〜0.1wt%であ
り、しかもZn化合物の付着量が0.005重量%〜1重量%
の範囲にある場合、得られる発光組成物を蛍光膜とする
蛍光表示管は長時間点灯後の経時的な発光輝度低下が少
なく、高輝度を維持しうることが確認された。
(実 施 例) 次に実施例により本発明を説明する。
実施例1〜9 (Zn0.55,Cd0.45)S:Ag,Cl,Li蛍光体100gを400mlの純水
中に入れ、10分程度攪拌を続けた後に高融点酸化物原料
として5.2mgのジルコニアゾル(日産化学性、ZrO2含有
量19.1wt%)を滴下し攪拌を続けた。この懸濁液とは別
に、硫酸亜鉛{(ZnSO4)・7H2O}230mgを50mlの純水中
に溶解し充分攪拌した後に上記懸濁液に加えた。10分程
度攪拌した後にこの懸濁液中にNaOHを少量ずつ添加し、
この懸濁液のpHをおよそ9に調整し蛍光体表面にジルコ
ニアをともなった水酸化亜鉛を析出させた。この懸濁液
を脱水した後に、耐熱容器に入れ180℃に保たれた電気
炉中で24時間ベーキングした後に取り出し、表面に0.00
1wt%のジルコニア(ZrO2)と、Zn量に換算して0.1重量
%のZnOを付着させた(Zn0.55,Cd0.45)S:Ag,Cl,Li蛍光
体を得た。
次に、このようにして得た(Zn0.55,Cd0.45)S:Ag,Cl,L
i蛍光体90重量部と平均粒子径0.24μmのIn2O3(導電性
物質)10重量部とをボールミルを用いて充分に混合し、
発光組成物[I]を製造した。
また、高融点酸化物原料として、0.001wt%のジルコニ
アゾルに替えて表1に示した原料化合物並びに添加量の
各高融点酸化物原料(各酸化物ゾル)を用いる以外は、
発光組成物[1]と同様にして発光組成物[2]〜
[9]を製造した。
これとは別に、比較のために表面に酸化ジルコニウム
(ZrO2)とZnOとを付着した(Zn0.55,Cd0.45)S:Ag,Cl,
Li蛍光体に替えて、それぞれ表面にZrO2を付着させてい
ない(Zn0.55,Cd0.45)S:Ag,Cl,Li蛍光体および表面にZ
rO2もZnOも付着させていない(Zn0.55,Cd0.45)S:Ag,C
l,Li蛍光体を用いる以外は、発光組成物[1]〜[9]
と同様にして発光組成物[R−1]および[R−2]
(従来の発光組成物)を製造した。
次いで公知の方法により発光組成物[1]〜[9]、発
光組成物[R−1]および発光組成物[R−2]をそれ
ぞれ蛍光膜として用いて蛍光表示管[1]〜[9](本
発明の蛍光表示管)、蛍光表示管[R−I]および蛍光
表示管[R−2](従来の蛍光表示管)を作製し、これ
らを陽極プレート電圧30Vの駆動条件で点灯させ、点灯
直後の発光輝度(初期発光輝度)並びに1000時間点灯後
の発光輝度を測定したところそれぞれ表1の通りであ
り、表面に高融点酸化物(ZrO2,Y2O3又はCeO2)と酸化
亜鉛(ZnO)とを付着させた(Zn0.55,Cd0.45)S:Ag,Cl,
Li蛍光体からなる発光組成物を用いた蛍光表示管
([1]〜[9])はZnOのみを付着させた(Zn0.55,Cd
0.45)S:Ag,Cl,Li蛍光体を用いた従来の蛍光表示管[R
−1]に比べて初期発光輝度は低下したが、用いられる
(Zn0.55,Cd0.45)S:Ag,Cl,Li蛍光体に付着させる高融
点酸化物の付着量によっては、高融点酸化物もZnOも付
着させていない蛍光体を用いた従来の蛍光表示管[R−
2]よりも初期輝度が高くなるとともに、1000時間点灯
後の発光輝度は従来の蛍光表示管[R−1]及び[R−
2]に比べていずれも高く、経時的な発光輝度の低下が
著しく抑制されるとともに、蛍光膜の発光ムラの発生も
減少していた。
実施例10〜13 表1に示された各高融点酸化物原料化合物(各酸化物ゾ
ル)並びに添加量に替えて表2に示した原料化合物並び
に添加量の各高融点酸化物原料(住友セメント(株)製
超微粒子酸化物)を用いる以外は実施例1〜9の発光組
成物[1]〜[9]と同様にして、表面に表2に示した
各高融点酸化物並びに酸化亜鉛(ZnO)を付着させた(Z
n0.55,Cd0.45)S:Ag,Cl,Li蛍光体とIn2O3との混合物か
らなる発光組成物[10]〜[13]を製造した。
次に発光組成物[1]〜[9]に替えて発光組成物[1
0]〜[13]を蛍光膜として用いる以外は実施例1〜9
の蛍光表示管[1]〜[9]と同様にして蛍光表示管
[10]〜[13]を作製し、これらの各蛍光表示管と、比
較のために作製された実施例1〜9に記載の蛍光表示管
[R−1](従来の蛍光表示管)とを、陽極プレート電
圧30Vの駆動条件で点灯させ、点灯直後の発光輝度(初
期発光輝度)並びに1000時間点灯後の発光輝度を測定し
たところ、それぞれ表2の通りであり、表面に高融点酸
化物と酸化亜鉛(ZnO)を付着させた(Zn0.55,Cd0.45
S:Ag,Cl,Li蛍光体からなる発光組成物を用いた各蛍光表
示管[10]〜[13]は、従来の蛍光表示管[R−1]に
比べて、初期発光輝度は低下したが、1000時間点灯後の
発光輝度はいずれも高く、経時的な発光輝度の低下が著
しく抑制されるとともに、蛍光膜の発光ムラの発生も減
少していた。
実施例14〜19 表1の原料欄に示された各原料に替えて、表3の原料欄
に示された各蛍光体および高融点酸化物原料である酸化
ジルコニウムゾル(日産化学(株)製)を用いる以外
は、実施例1〜9の発光組成物[1]〜[9]と同様に
して表面に酸化ジルコニウム(ZrO2)と酸化亜鉛(Zn
O)とを付着させた(Zn0.22,Cd0.78)S:Ag,Cl,Na蛍光
体、(Zn0.90,Cd0.10)S:Au,Al,Na蛍光体およびZnS:Cu,
Al,Na蛍光体の各蛍光体とIn2O3との混合物からなる各発
光組成物[14]〜[19]を製造した。
これとは別に、比較のために表面にZrO2とZnOとを付着
させた(Zn0.22,Cd0.78)S:Ag,Cl,Na蛍光体、(Zn0.90,
Cd0.10)S:Au,Al,Na蛍光体およびZnS:Cu,Al,Na蛍光体に
替えて、表面にZrO2もZnOも付着させていない(Zn0.22,
Cd0.78)S:Ag,Cl,Na蛍光体、(Zn0.90,Cd0.10)S:Au,A
l,Na蛍光体およびZnS:Cu,Al,Na蛍光体を用いる以外はそ
れぞれ発光組成物[14],[16]および[18]と同様に
して発光組成物[R−3],[R−4]および[R−
5]を製造した。
次いで、発光組成物[14]〜[19]および発光組成物
[R−3]〜[R−5]をそれぞれ蛍光膜として用いた
蛍光表示管[14]〜[19]および蛍光表示管[R−3]
〜[R−5](従来の蛍光表示管)を作製し、陽極プレ
ート電圧30Vの駆動条件で点灯させ、点灯直後の発光輝
度(初期発光輝度)並びに1000時間点灯後の発光輝度を
測定したところ、それぞれ表3の通りであり、蛍光膜を
構成する発光組成物中の蛍光体組成が同じである蛍光表
示管の間で比較すると表面に酸化ジルコニウム(ZrO2
と酸化亜鉛(ZnO)を付着させた蛍光体を用いた蛍光表
示管[14]〜[19]は従来の蛍光表示管[R−3]〜
[R−5]に比べて初期発光輝度は低下したが、1000時
間点灯後の発光輝度はいずれも高く、経時的な発光輝度
の低下が著しく抑制されるとともに、蛍光膜の発光ムラ
の発生も減少していた。
(発明の効果) 本発明の発光組成物は、加速電圧が数KV以下、特に100V
以下の低速電圧線の励起下において高輝度の発光を呈
し、特に(Zn1−x,Cdx)S系硫化物蛍光体からなる従来
の発光組成物に比べて長時間にわたる低速電子線励起下
での分解や、劣化による経時的な発光輝度の低下が少な
く、これを蛍光表示管の蛍光膜として用いた時、発光ム
ラが生じにくいという利点を有し、蛍光表示管の蛍光膜
用として有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の発光組成物中に含まれる硫化物蛍光
体に付着したジルコニアの付着量とこの発光組成物から
なる蛍光表示管の初期発光輝度との関係を示すグラフで
ある。 第2図は、本発明の発光組成物中に含まれる硫化物蛍光
体に付着したジルコニアの付着量とこの発光組成物から
なる蛍光表示管の1000時間点灯後における発光輝度との
関係を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組成式が(Zn1−x,Cdx)S(但し、xは0
    ≦x≦1なる条件を満たす数である。)で表わされる硫
    化物を母体としその表面にi) ジルコニウム(Zr),
    イットリウム(Y),ランタン(La),スカンジウム
    (Sc),ガリウム(Ga),ガドリニウム(Gd),セリウ
    ム(Ce)およびサマリウム(Sm)の中の少なくとも一種
    の元素の酸化物からなる高融点酸化物と、ii) 酸化亜
    鉛(ZnO)もしくは熱処理により酸化亜鉛(ZnO)に変わ
    りうる亜鉛(Zn)の化合物とを付着させてなる硫化物系
    蛍光体と導電性物質との混合物からなることを特徴とす
    る発光組成物。
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