JPH0549719B2 - - Google Patents

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JPH0549719B2
JPH0549719B2 JP58014273A JP1427383A JPH0549719B2 JP H0549719 B2 JPH0549719 B2 JP H0549719B2 JP 58014273 A JP58014273 A JP 58014273A JP 1427383 A JP1427383 A JP 1427383A JP H0549719 B2 JPH0549719 B2 JP H0549719B2
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zinc
zno
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sulfide
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Shigeki Ikeda
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)あるい
はこれらの両方を含む硫化物を母体とし、特に加
速電圧数百ボルト以下の低速電子線励起下で高輝
度の発光を呈する低速電子線用硫化物蛍光体の製
造方法に関する。
組成式(Zn1-x,Cdx)S(但し、xは0≦x≦
1なる条件を満たす数である。以下、同様であ
る。)で表わされる硫化物を母体とし、これに銀
(Ag)、金(Au)、銅(Cu)等の中の少なくとも
1種を付活し、さらに、ハロゲン、アルミニウム
(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)等を共
付活してなる硫化物蛍光体は、蛍光体母体中の
Cdの固溶量(x値)または上記付活剤および共
付活剤の組合せを変えることによつて加速電圧数
KV以上の高速電子線励起下では青色〜赤色にわ
たつて高輝度の可視発光を呈する。しかしこれら
の硫化物蛍光体はx値が1に近い(Cdの固溶量
が多い)組成では比較的、低い加速電圧で発光す
るものの、一般にはこれらの蛍光体を発光させる
ための電子線の加速電圧の閾値が高く(即ち、発
光開始電圧が高く)、低速電圧線励起下ではその
発光輝度は速いか、ほとんど発光しないが、これ
らの硫化物蛍光体に酸化インジウム(In2O3)、酸
化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2)等の導電性金属
酸化物を混合することによつて蛍光体の発光開始
電圧を低下させることができ、このようにして得
られた発光組成物は低速電子線励起により、その
発光組成物の一方である硫化物蛍光体に固有の発
光色を有する高輝度の発光を呈することが知られ
ている(特公昭52−15787号、特開昭55−23105
号、特開昭55−707号、特開昭55−23104号等参
照)。
しかしながら、これら従来の発光組成物の欠点
としては発光開始電圧を低下させるために自らは
発光しない導電性金属酸化物(非発光物質)を数
重量%ないし数十重量%も混合しなければならな
いため、これによつて発光光が遮られ、蛍光体自
体の発光を充分に利用し得ない上、非発光物質と
の混合物であるため、これを用いて作製された蛍
光膜の発光が不均一になり易いこと、蛍光体と導
電性金属酸化物の比重が必ずしも同一でないた
め、例えば沈降塗布法でこれら従来の発光組成物
を基板上に塗布し、蛍光膜を作製した場合、蛍光
体と導電性金属酸化物とが夫々の沈降速度の違い
により分離する場合がある等の弊害があるため、
これを用いて蛍光膜を作製する場合塗布方法が限
定されること等が挙げられ、その改良が望まれて
いた。
本発明は主として低速電子線励起により発光さ
れる蛍光表示管の蛍光膜用として使用される、硫
化物蛍光体を含む従来の発光組成物を有する上述
のような欠点を改良するためになされたものであ
り、使用される非発光性の導電性金属酸化物の含
有量をできるだけ少なくして、しかもその発光開
始電圧を低下させ、低速電子線励起下で高輝度の
発光を示すと共に、いかなる塗布方法で作製した
場合にも均一な発光を示す蛍光膜を得ることがで
きる硫化物蛍光体の製造方法を提供することを目
的とするものであり、硫化物蛍光体の表面に導電
性金属酸化物を付着させる方法および付着量等に
つき種々研究してきた結果、結合剤を使用しない
で、熱処理により容易に酸化亜鉛(ZnO)に変り
得るごく少量の亜鉛化合物を溶液中で硫化物蛍光
体と共存させ、次いで化学処理を行なつて該蛍光
体表面に付着している亜鉛化合物の陰性成分を他
の陰性成分で置換して前記溶液に不溶性の亜鉛化
合物に変え、これを低温で熱処理してその全てま
たは一部をZnOに変化させれば上記目的が達成し
得ることを見出し、本発明を完成させるに至つ
た。本発明の低速電子線用硫化物蛍光体の製造方
法は熱処理によりZnOに変わり得る亜鉛化合物
(以下、これを単に「亜鉛化合物」という)を組
成式(Zn1-x,Cdx)S(但し、xは0≦x≦1な
る条件を満たす数である)で表わされる硫化物を
母体とする蛍光体表面に溶液中で付着させ、これ
を脱水後、熱処理することにより前記蛍光体表面
に付着した前記亜鉛化合物を熱分解して、その全
てまたは一部分を前記ZnOに変化させることを特
徴とする。
次に、本発明の低速電子線用硫化物蛍光体(以
下、単に「硫化物蛍光体」という)の製造方法に
ついて詳述する。
本発明の硫化物蛍光体を製造するには先ず組成
式(Zn1-x,Cdx)Sで表わされる硫化物を母体
とし、これにAg、Au、Cu等の中の少なくとも1
種の元素を付活剤とし、さらにハロゲン(Cl、
Br、IおよびF)、Al、Ga、In等の中の少なく
とも1種の元素を共付活剤とする硫化物蛍光体
{以下、これらを総称して「(Zn,Cd)S系蛍光
体」という}の表面に亜鉛化合物を付着させる。
(Zn,Cd)S系蛍光体の表面に亜鉛化合物を付着
させるには(Zn,Cd)S系蛍光体を水等に分散
させた溶液中に、亜鉛化合物を水または酸、アル
カリ等を含む液体中に溶解した溶液を添加し、こ
の混合溶液中にさらにアルカリ溶液を加えて溶液
のPHを調整したり、(NH42CO3,CO2ガスなど
を添加する等の化学処理を行なつて、前記混合溶
液中に溶解して(Zn,Cd)S系蛍光体表面に付
着している亜鉛化合物の陰性成分を置換し、最初
に添加された亜鉛化合物とは異なる陰性成分を有
する不溶性の亜鉛化合物を析出させた後、この混
合溶液を濾過または蒸発乾固させて脱水すること
によつて、(Zn,Cd)S系蛍光体の表面に亜鉛化
合物を付着させる。このような方法により、
(Zn,Cd)S系蛍光体の表面に均一かつ効果的に
亜鉛化合物を付着させることができる。
上述のように表面に亜鉛化合物を付着させた
(Zn,Cd)S系蛍光体は次に耐熱性容器に詰めて
高温乾燥機や電気炉等に入れ、所定の温度で所定
の時間、熱処理を行なうことにより(Zn,Cd)
S系蛍光体の表面に付着された亜鉛化合物の全て
または一部がZnOに変えられ、本発明の硫化物蛍
光体が得られる。ここで「熱処理」とは(Zn,
Cd)S系蛍光体の表面に最終的に付着している
Zn化合物を熱分解し、その全てまたは一部を酸
化物に変化させるために加熱する工程をいい従つ
て熱処理の温度は、例えば(Zn,Cd)S系蛍光
体に最終的に付着された金属化合物が水酸化亜鉛
{Zn(OH)2}である場合には約130℃以上である
というように(Zn,Cd)S系蛍光体に付着され
ている亜鉛化合物の分解温度に応じて異なる。一
方、700℃以上の高温で熱処理を行なうとこれら
金属化合物が(Zn,Cd)S系蛍光体と反応し、
得られた硫化物蛍光体の発光輝度が低下したり、
発光色が元の(Zn,Cd)S系蛍光体の発光色と
は変つてくる等、その特性が変化する場合もある
ため、およそ120℃〜700℃の範囲で1時間〜24時
間行なうのが好ましく、特に400℃以下の低温で
行なうのがより好ましい。なお、この時、(Zn,
Cd)S系蛍光体の表面に付着した亜鉛化合物は
必ずしもその全てを酸化物に変化させる必要はな
く、少なくともその一部を酸化物に変化させれば
良い。
本発明の硫化物蛍光体に使用可能な亜鉛化合物
としては亜鉛の水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸
塩、蓚酸塩、ハロゲン化物、ヒドロオキシ塩等、
およそ120℃〜700℃の温度での熱処理によつて熱
分解し、ZnOに変りうる化合物が挙げられる。し
かしながら、得られる硫化物蛍光体の発光開始電
圧をより低下させ、発光輝度をより高めうるこ
と、熱分解温度が低く、熱処理により容易に酸化
物に変り易い等の点から最終的に(Zn,Cd)S
系蛍光体に付着させる亜鉛化合物としては特に水
酸化亜鉛を用いるのがより好ましい。
本発明の硫化物蛍光体において(Zn,Cd)S
系蛍光体に付着される亜鉛化合物の付着量は、そ
の中に含まれる亜鉛原子に換算した時、これが
(Zn,Cd)S系蛍光体の1重量%以上になると亜
鉛化合物を付着しない場合に比べて発光開始電圧
がむしろ高くなつて低速電子線励起により高輝度
の発光を示さなくなるので好ましくないため、1
重量%未満とするのが好ましく、特に発光開始電
圧をより低下させうる点で亜鉛化合物の付着量を
0.05〜0.5重量%とするのがより好ましい。なお、
本発明の方法によつて得られた硫化物蛍光体に付
着されているZnOまたはZnOと亜鉛化合物中に含
まれる亜鉛原子の総量は分析の結果、最初に添加
された亜鉛化合物中に含まれる亜鉛原子の総量と
ほぼ同等であることが確認されているので、本発
明の硫化物蛍光体を製造する際、使用される亜鉛
化合物の量はその中に含まれる亜鉛原子の重量に
換算した時、その総量が(Zn,Cd)S系蛍光体
の1重量%未満となるようにすれば良い。
第1図は(Zn0.2,Cd0.8)S:Ag,Cl蛍光体の
表面に亜鉛化合物として水酸化亜鉛[Zn
(OH)2]を付着させ熱処理することによつてそ
の表面に亜鉛の量に換算して0.1重量%のZnOが
付着された本発明の硫化物蛍光体粒子を3000倍に
拡大した電子顕微鏡写真も例示したものであり、
(Zn0.2,Cd0.8)S:Ag,Cl蛍光体粒子とその表
面に付着した微細なZnO粒子の存在が認められ
る。
第2図は(Zn0.3,Cd0.7)S:Ag,Cl蛍光体に
Zn(OH)2を付着させた後、熱処理することによ
つてこれをZnOに変化させて得た本発明の硫化物
蛍光体における、ZnO付着量(亜鉛の量に換算し
た値で表示)とこの蛍光体を低速電子線で励起し
た時の蛍光体の発光開始電圧との関係を例示した
グラフであり、縦軸の発光開始電圧とは低速電子
線の加速電圧を変えた時、蛍光体の発光輝度が
0.1Cd/m2になつた時の加速電圧(陽極プレート
電圧で表示)をいう(以下、同様である)。第2
図において点Rは同じ(Zn0.3,Cd0.7)S:Ag,
Cl蛍光体と亜鉛の量に換算して10重量%のZnOと
を混合してなる従来の発光組成物の発光開始電圧
をプロツトしたものであるが、第2図から明らか
なようにZnOの付着量がおよそ0.1〜0.2重量%の
時、蛍光体の発光開始電圧が最も低下し、1重量
%以上ではZnOを付着しない(Zn0.3,Cd0.7
S:Ag,Cl蛍光体よりも発光開始電圧が上昇す
ること、および点Rとの比較から明らかなように
発光開始電圧がほぼ同じ蛍光体を得ようとする場
合ZnOを混合してなる従来の発光組成物に比べて
ZnO使用量を著しく減少させうることがわかる。
なお、第2図は(Zn0.3,Cd0.7)S:Ag,Cl蛍光
体にZn(OH)2を付着させ、これを熱処理して
ZnOに変化させることによつて得られた硫化物蛍
光体について例示したものであるが、前記硫化物
蛍光体として(Zn0.3,Cd0.7)S:Ag,Cl蛍光体
以外の組成の蛍光体を用いた場合にも、また
(Zn,Cd)S系蛍光体に予め付着させる亜鉛化合
物としてZn(OH)2以外の亜鉛化合物を用いた場
合にもZnOまたはZnOと亜鉛化合物の付着量と得
られた硫化物蛍光体の発光開始電圧との間にはほ
ぼ第2図に示したグラフと類似の相関があり、
(Zn,Cd)S系蛍光体の表面にその中に含まれる
亜鉛原子の量に換算して1重量%未満のZnOまた
はZnOと亜鉛化合物を付着させることによつて発
光開始電圧を著しく低下させ得ると共に、単に
ZnOを混合してなる従来の蛍光体組成物に比べ、
導電性金属酸化物の使用量をきわめて少なくして
発光開始電圧を著しく低下させ、高輝度の蛍光体
を得ることができることが確認された。
第3図は(Zn0.2,Cd0.8)S:Ag,Cl蛍光体に
亜鉛化合物としてZn(OH)2を付着させ、熱処理
によりZnOに変化させることによつて得られた本
発明の硫化物蛍光体を低速電子線で励起した時の
電子線の加速電圧と(陽極プレート電圧で表示)
蛍光体の発光輝度との関係を示したものである。
第3図において曲線aは表面に亜鉛の量に換算し
て0.1重量%のZnOが付着された本発明の(Zn0.2
Cd0.8)S:Ag,Cl蛍光体について例示したもの
であり、曲線bおよびcはそれぞれZnOの混合量
が同じく亜鉛の量に換算して10重量%および0.5
重量%である、(Zn0.2,Cd0.8)S:Ag,Cl蛍光
体とZnOとの混合物からなる従来の発光組成物の
場合を例示したものである。第3図から明らかな
ように亜鉛の量に換算して0.1重量%のZnOを付
着した本発明の硫化物蛍光体は例えば同じく亜鉛
の量に換算して0.5重量%のZnOを混合してなる
従来の発光組成物に比べても発光開始電圧が低
く、亜鉛の量に換算して10重量%のZnOを混合し
てなる従来の発光組成物とほぼ同程度の発光開始
電圧および発光輝度を示すことがわかる。第3図
には(Zn0.2,Cd0.8)S:Ag,Cl蛍光体にZn
(OH)2を付着させた後これをZnOに変化させた硫
化物蛍光体について、これを励起する低速電子線
の加速電圧(陽極プレート電圧)と発光輝度との
関係を例示したが、この外の組成の(Zn,Cd)
S系蛍光体を用いた場合および、これに付着させ
る亜鉛化合物としてZn(OH)2以外を用いた場合
にも第3図に例示したように本発明の硫化物蛍光
体のごとくZnOまたはZnOと亜鉛化合物を(Zn,
Cd)S系蛍光体に付着させることによつて、
ZnOを単に混合してなる従来の発光組成物に比べ
て1/50〜1/200程度の導電性金属酸化物使用によ
り、発光開始電圧をこれと同等またはそれ以下に
低下させ、発光輝度を上昇させうることが確認さ
れた。
また、本発明の硫化物蛍光体は、その表面に付
着されたZnOまたはZnOと亜鉛化合物の量、これ
に混合される導電性物質の混合量および低速電子
線の加速電圧等によつてもその効果の程度は異な
るが、本発明の方法によつて得られた硫化物蛍光
体にさらに導電性金属酸化物や導電性金属硫化物
等の導電性物質を混合することにより一層発光輝
度を高めることができる。
さらに、本発明の製造方法によつて得られる低
速電子線用硫化物蛍光体は、熱処理により酸化亜
鉛(ZnO)に変わり得る化合物(Znの化合物)
を化学処理により溶液中でいつたん該溶液に不溶
性の別のZn化合物に変えてから脱水するのでは
なく、蛍光体と共にそのまま脱水・熱処理するこ
とによつて得られる蛍光体に比べて、低速電子線
励起下での発光輝度が高く、酸化亜鉛がより均一
に蛍光体表面に付着されたものとなる。
以上説明したように本発明の低速電子線用硫化
物蛍光体の製造方法は、表面に、自らは発光しな
いZnOまたはZnOと亜鉛化合物を何らの結合剤を
介することなく、直接付着させるようにしたので
導電性金属酸化物を単に混合してなる混合タイプ
の従来の発光組成物に比べて極めて少量の亜鉛化
合物を使用するだけで発光開始電圧を著しく低下
させることができ、また発光輝度を向上させるこ
とができると共に、その製造コストを低減させる
ことができること、従来の混合タイプの発光組成
物に比べて蛍光膜作製の際、(Zn,Cd)S系蛍光
体と導電性金属酸化物とが分離する恐れがなく、
塗膜作製方法が制限されない上、得られた蛍光膜
の発光ムラが生じないこと等の利点を有し、主と
して低速電子線励起蛍光表示管の蛍光膜用として
利用できる。
次に実施例により本発明を説明する。
実施例 1 (Zn0.2,Cd0.8)S:Ag,Cl蛍光体50gを300
mlの水に分散させ、攪拌した。これとは別に
ZnSO4・7H2O450mgを50mlの水に溶解し、これを
(Zn0.2,Cd0.8)S:Ag,Cl蛍光体分散液中に加
えて充分に攪拌した後、この混合溶液中に
NaOH水溶液を徐々に添加し、PHをおよそ10に
調整し、再び攪拌した。次にこの混合液を過し
て脱水し、表面にZn(OH)2を付着させた(Zn0.2
Cd0.8)S:Ag,Cl蛍光体を得た。次いでこの蛍
光体を磁性容器に入れ150℃の温度に保たれた熱
風乾燥機中で24時間放置した後、外部に取出し、
表面にZn量に換算して0.2重量%のZnOを付着さ
せた(Zn0.2,Cd0.8)S:Ag,Cl蛍光体を得た。
このようにして得られた蛍光体を使用して沈降
塗布法により金属基板上にこれを塗布して蛍光膜
を作製した。即ち、この蛍光体を水中に分散さ
せ、攪拌した後、この分散液中に金属基板を入
れ、静置した後上澄液を除去し、乾燥して金属基
板上に蛍光膜を作製し、これをデマウンタブル低
速電子線発生装置に入れ、フイラメント電流
190mAで陽極プレート電圧を変化させて電子線
照射したところ、陽極プレート電圧18Vの時
0.1Cd/m2の均一な赤色発光を示した(発光開始
電圧18Vであつた)。これに対して同一条件で測
定された(Zn0.2,Cd0.8)S:Ag,Cl蛍光体とZn
量に換算して0.2重量%のZnOとを混合してなる
従来の発光組成物からなる蛍光膜は陽極プレート
電圧18Vでは発光が全く認められなかつた。
実施例 2 (Zn0.2,Cd0.8)S:Ag,Cl蛍光体50gを300
mlの水に分散させ攪拌した後、この中にZnSO4
7H2O110mgを50mlの水に溶解した溶液を混合す
る外は実施例1と同様にして(Zn0.2,Cd0.8
S:Ag,Cl蛍光体の表面にZn(OH)2を付着さ
せ、これを熱処理によりZnOに変化させ、表面に
Zn量に換算して0.05重量%のZnOを付着させた
(Zn0.2,Cd0.8)S:Ag,Cl蛍光体を得た。
このようにして得られた蛍光体を使用して実施
例1と同様にして沈降塗布法で金属基板上に蛍光
膜を作製し、これをデマウンタブル低速電子線発
光装置に入れ電子線を照射したところ陽極プレー
ト電圧29Vの時、0.1Cd/m2の均一な赤色発光を
示した(発光開始電圧29Vであつた)。これに対
して同一条件で測定された、(Zn0.2,Cd0.8)S:
Ag,Cl蛍光体とZn量に換算して0.05重量%の
ZnOとを混合してなる従来の発光組成物からなる
蛍光膜は陽極プレート電圧29Vでは発光が全く認
められなかつた。
実施例3および比較例 100gの(Zn0.2,Cd0.8)S:Ag,Cl蛍光体を
400mlの水に分散させ、この中に0.69モル/1の
ZnSO4の水溶液2.2mlを添加して充分撹拌した後、
この蛍光体懸濁液中にNaOH水溶液を徐々に添
加してPHをおそそ8.5に調整し、再び撹拌した。
次にこの蛍光体懸濁液を濾過して脱水し、Zn
(OH)2を表面に付着させた(Zn0.2,Cd0.8)S:
Ag,Cl蛍光体を得た。次いで、この蛍光体を磁
性容器に入れて180℃の熱風乾燥機中に16時間放
置した後、外部に取り出し、Zn量に換算して0.1
重量%のZnOを表面に付着させた(Zn0.2,Cd0.8
S:Ag,Cl蛍光体(蛍光体−I)を得た。
これとは別に、100gの(Zn0.2,Cd0.8)S:
Ag,Cl蛍光体を100mlの水に分散させ、この中に
0.69モル/1のZnSO4の水溶液2.2mlを添加して充
分撹拌した後、この蛍光体懸濁液を煮沸し、溶液
を蒸発除去し、ZnSO4を表面に付着させた
(Zn0.2,Cd0.8)S:Ag,Cl蛍光体を得た。次い
で、この蛍光体を磁性容器に入れて180℃の熱風
乾燥機中に16時間放置した後、外部に取り出し、
Zn量に換算して0.1重量%のZnOを表面に付着さ
せた(Zn0.2,Cd0.8)S:Ag,Cl蛍光体(蛍光体
−R1)を得た。
蛍光体−Iおよび蛍光体−R1を沈降塗布法に
より金属基板上に塗布して蛍光膜を作製し、デマ
ウンタブル低速電子線発生装置に入れ、加速電圧
30Vの低速電子線を照射して各蛍光体の発光輝度
を測定したところ、本発明の製造方法によつて製
造された蛍光体−Iの発光輝度は蛍光体表面に付
着したZnSO4をそのまま熱処理してZnOを付着さ
せた蛍光体−R1の発光輝度の約1.26倍であつた。
また、電子顕微鏡で観察したところ、前者は後者
に比べてZnOがより均一に蛍光体表面に付着して
いた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の硫化物蛍光体の電子顕微鏡写
真を例示したものである。 第2図は本発明の硫化物蛍光体表面に付着した亜
鉛化合物の付着量とその硫化物蛍光体の発光開始
電圧との関係を例示したグラフである。第3図は
本発明の硫化物蛍光体および従来の発光組成物を
低速電子線で励起した時の低速電子線発生装置の
陽極プレート電圧と発光輝度との関係を例示した
グラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 熱処理により酸化亜鉛(ZnO)に変りうる亜
    鉛化合物を溶解した溶液中に組成式(Zn1-x
    Cdx)S(但し、xは0≦x≦1なる条件を満た
    す数である)で表わされる硫化物を母体とする蛍
    光体を共存させ、次いで化学処理を行なつて該蛍
    光体表面に付着している前記亜鉛化合物の陰性成
    分を他の陰性成分で置換し、最初に添加された亜
    鉛化合物とは異なる陰性成分を有し、前記溶液に
    不溶性の亜鉛化合物を析出させた後、脱水し、熱
    処理することにより前記蛍光体表面に付着した前
    記亜鉛化合物を熱分解してその全てまたは一部分
    を前記酸化亜鉛(ZnO)に変化させることを特徴
    とする低速電子線用硫化物蛍光体の製造方法。 2 前記亜鉛化合物の総量が、その中に含まれる
    亜鉛(Zn)の総量に換算して、前記蛍光体の1
    重量%未満であることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の低速電子線用硫化物蛍光体の製造
    方法。 3 前記亜鉛(Zn)化合物の総量が、その中に
    含まれる亜鉛(Zn)の総量に換算して、前記蛍
    光体の0.05乃至0.5重量%であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第2項記載の低速電子線用硫化
    物蛍光体の製造方法。 4 前記最初に添加された亜鉛化合物とは異なる
    陰性成分を有する不溶性の亜鉛化合物が亜鉛の水
    酸化物であることを特徴とする特許請求の範囲第
    1〜3項のいずれか1項記載の低速電子線用硫化
    物蛍光体の製造方法。
JP1427383A 1983-01-31 1983-01-31 硫化物螢光体およびその製造方法 Granted JPS59140284A (ja)

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JPS55131083A (en) * 1979-03-30 1980-10-11 Nec Corp Luminescent material
JPS56135589A (en) * 1980-03-25 1981-10-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd Phosphor for low-speed electron beam and fluorescent display tube

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