JPH0717899B2 - 発光組成物 - Google Patents

発光組成物

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JPH0717899B2
JPH0717899B2 JP2110559A JP11055990A JPH0717899B2 JP H0717899 B2 JPH0717899 B2 JP H0717899B2 JP 2110559 A JP2110559 A JP 2110559A JP 11055990 A JP11055990 A JP 11055990A JP H0717899 B2 JPH0717899 B2 JP H0717899B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、蛍光表示管に用いられる低速電子線により励
起されて蛍光を発する発光組成物に係り、特に蛍光表示
管用に用いられる発光組成物に関する。
[従来の技術] 低速電子線励起蛍光体は、低速電子線励起蛍光表示管
(以下、蛍光表示管と呼ぶ)用に用いられる蛍光体であ
る。蛍光表示管は、片面に蛍光膜を有する陽極プレート
と蛍光膜に対向した陰極とを容器内に封入し、容器内を
真空にした構造を有し、陰極から放射される加速電圧1k
V以下の低速電子線によって陽極プレート上の蛍光膜を
発光させるものである。
蛍光表示管の蛍光膜を構成する蛍光体に要求される最も
重要な特性は、蛍光体が導電性を有するということであ
る。導電性が低いと、陰極から放射される電子線によっ
て陽極の蛍光膜表面が負帯電し、発光不能を生じる。し
たがって、蛍光膜に導電性を付与し、高まった電荷を逃
がすために従来数々の技術が開示されている。例えば、
特公昭52−23911号公報においてはZnS:Ag、Y2SiO5:Ce等
の青色発光蛍光体に10〜90重量%のIn2O3が混合された
発光組成物が開示されている。また、特公昭62−53554
号公報では、ZnS:Ag、Zn(SSe):Ag,Al、SrGa2S4:Ce等
の青色発光蛍光体に粒径の規定されたIn2O3、SnO2等が
混合された発光組成物が開示されている。これらの技術
は、母体である蛍光体が導電性を持たないため、In
2O3、SnO2等の導電性金属酸化物をその蛍光体に混合す
ることによって、蛍光体及びその蛍光膜に導電性を付与
し、蛍光表示管の輝度を向上させるものである。
しかしながら、前述の導電性金属酸化物(以下、導電性
物質という)は、非発光物質であり、しかも黄色もしく
は褐色の体色を有する。このため、それらを蛍光体と多
量に混合して発光組成物とする上記技術は、前記導電性
物質が蛍光体の発光を阻害及び吸収してしまうために、
蛍光表示管の輝度低下をまねくという欠点がある。この
ような欠点は、従来より発光組成物中の導電性物質の混
合量を調節することにより解消が試みられてきたが、ま
だ不十分である。特に、最近の急速な表示デバイスの発
達に伴い、より高輝度の蛍光表示管が望まれている。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、加速
電圧1kV以下特に100V以下の低速電子線励起のものとで
十分な導電性及び発光輝度を有する発光組成物を提供す
ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、蛍光表示管の輝度を向上するために、発
光組成物に含まれる数々の導電性物質の種類及び蛍光体
に対する添加方法、添加量等について鋭意研究を重ねた
結果、蛍光体表面全体に均質膜状または半均質膜状に導
電性金属酸化膜を被覆し、次いでこれに適切な量の導電
性金属酸化物を混合または付着することにより、低速電
子線励起下で発光組成物の輝度が飛躍的に向上すること
を見出だし本発明を成すに至った。
本発明の発光組成物は、蛍光体表面全体を均質膜状また
は半均質膜状の導電性金属酸化物で被覆された低速電子
線励起発光体と、該蛍光体に混合または付着された粒状
導電性金属酸化物とを含むことを特徴とする。
前記均質膜状または半均質膜状の導電性物質が蛍光体を
被覆している状態とは、粒状の導電性物質を混合した従
来の発光組成物のように蛍光体と導電性物質が点で接触
している状態とは異なり、蛍光体と導電性物質とが面で
つながっている状態を指す。したがって、一部塊状の付
着物を含んだり、ムラになって付着している場合もあり
得る。
本発明の発光組成物に用いられる蛍光体としては、一般
に良く知られた低速電子線励起蛍光体を用いることがで
きる。例えば、青色発光蛍光体としては、銀付活硫化亜
鉛(ZnS:Ag)、セリウム付活ケイ酸イットリウム(Y2Si
2O5)、自己付活タングステン酸カルシウム(CaWO4
等、緑色発光蛍光体としては銅付活硫化亜鉛(ZnS:C
u)、銅付活硫化亜鉛カドミウム{(ZnCd)S:Cu}、テ
ルビウム付活希土類酸硫化物(Ln2O2S:Tb)、マンガン
付活ケイ酸亜鉛(Zn2SiO4)等、赤色発光蛍光体として
はユーロピウム付活酸硫化イットリウム(Y2O2S:Eu)、
銅付活硫化亜鉛カドミウム{(ZnCd):Cu}等の蛍光体
を用いることができる。
特に前記蛍光体は、一般式ZnS:M1,M2または一般式(ZnC
d)S:M1,M2で表される蛍光体からなる群から選択された
少なくとも1種であることが好ましい。但し、M1はAg、
Zn、Cu及びAuからなる群から選択された少なくとも1種
の元素であり、M2はAl、F、Cl、Br及びIからなる群か
ら選択された少なくとも1種の元素である。このような
蛍光体を蛍光表示管に用いると、特に輝度が良好となる
傾向がある。またその発光色は、前記一般式中のM1、M2
の種類及び添加量、及びCdの添加量を変化させることに
より、自由に変えることができる。例えばM1、M2の種類
の変化により、(ZnS:Ag,Al)、(ZnS:Zn,Cl)及び
{(ZnCd)S:Ag,Cl}等は青色発光蛍光体、(ZnS:Cu,C
l)、(ZnS:Cu,Au,Al)及び{(ZnCd)S:Ag,Al}等は緑
色蛍光体、(ZnS:Au,Al)、(ZnS:Cu,Au,Al)及び{(Z
nCd)S:Ag,Cl}等は黄色発光蛍光体、{ZnS:Zn,Clと(Z
nCd)S:Ag,Cu,Al}、{ZnS:Ag,AlとZnS:Au,Alの混合
物}及び{(ZnCd)S:Ag,Au,Al}等は白色発光蛍光体、
{(ZnCd)S:Cu,Cl}、{(ZnCd)S:Au,Al}、{(ZnC
d)S:Ag,Cl}及びZnS:Mn等は橙色発光蛍光体、{(ZnC
d)S:Cu,Al}、{(ZnCd)S:Au,Al{(ZnCd)S:Ag,Al}
及び(ZnCd)S:Mn等は赤色発光蛍光体として用いられ
る。
均質膜状または半均質膜状の導電性金属酸化物及び粒状
導電性金属酸化物としては、例えばIn2O3、SnO2、ZnO、
TiO2、WO3またはNb2O5等を用いることができ、特に、優
れた導電率を有することから、In2O3またはSnO2が好ま
しい。
粒状導電性金属酸化物の体積平均粒径は0.05μm以上2.
0μm以下であることが好ましい。
均質膜状または半均質膜状導電性金属酸化物及び粒状導
電性金属酸化物の被覆量は、前記蛍光体量の0.01〜5.0
重量%であることが好ましく、前記粒状導電性金属酸化
物の含有量は、前記蛍光体の0.5〜10重量%であること
が好ましい。
蛍光体表面に均質膜状または半均質膜状金属酸化物を形
成するには、以下のような方法を用いることができる。
まず第1の方法としては、スパッタリングもしくは蒸着
法により、導電性金属酸化物の均質膜または半均質膜を
蛍光体表面に形成することが挙げられる。
第2の方法としては、加熱、酸化することにより、容易
に導電性物質となり得るIn、Sn、Ti及びW等の有機化合
物例えばトリメチルインジウム(III)トリス(シクロ
ペンタジエニル)インジウム、トリフェニルインジウ
ム、ジエチルスズ、ジプロピルスズ、ジフェニルスズ、
トリクロロメチルチタン、テトラベンジルチタン、ヘキ
サメチルタングステン、ジクロロトリメチルニオブ等を
適当な有機溶媒例えばメタノール、エタノール等の低級
アルコール、エーテル等に溶解した溶液、またはこれら
の金属イオンをイオン会合体もしくはキレート化合物と
して有機溶媒中に抽出された溶液を用いる方法が挙げら
れる。具体的には、まず、これらの溶液中に蛍光体を分
散し、その後加温して有機溶媒を揮散させることによ
り、有機金属化合物を蛍光体表面にほぼ均一に付着させ
る。次に、得られた蛍光体を空気または弱還元雰囲気中
で450℃以上の温度で焼成することにより有機化合物が
分解し、金属酸化物が蛍光体表面を均質膜状または半均
質膜状に被覆する。
第3の方法としては、第2の方法で用いたものと同様の
加熱、酸化を行うことにより、容易に導電性物質となり
得る金属を、水溶液中または水溶性有機溶媒中で硝酸
塩、硫酸塩及び塩化物として蛍光体表面に付着させる方
法が挙げられる。例えば硝酸塩として被覆するには、前
記金属の硝酸塩を水溶液中に溶解し、得られた水溶液に
蛍光体を懸濁させ、加熱することにより水分を蒸発させ
る。得られた蛍光体を450℃以上で焼成することによ
り、蛍光体表面に均質膜または半均質膜状の導電性金属
酸化物で被覆された低速電子線励起蛍光体が得られる。
また、上記方法の他に、他の産業分野で用いられている
例えばITO(酸化インジウム鉛)の導電膜を製造する方
法を用いてもよい。
このようにして蛍光体表面に均質膜状または半均質膜状
の導電性金属酸化物の被膜を形成し、更に、粒状導電性
金属酸化物を付着または混合することにより、本発明の
発光組成物が得られる。
粒状導電性金属酸化物の付着方法としては、陰極線管用
蛍光体に顔料を付着させる方法と同じ方法を適用するこ
とができる。例えば、水中に低速電子線励起蛍光体及び
導電性金属酸化物を懸濁させ、ユリア樹脂エマルジョン
とゼラチンまたはゼラチンとアラビアゴムの組み合わ
せ、もしくはアクリル樹脂エマルジョン等の一般によく
用いられる有機バインダーを添加し、導電性金属酸化物
を蛍光体に付着させ、分離、乾燥することにより、粒状
導電性金属酸化物が付着された蛍光体を得ることができ
る。
このようにして得られた発光組成物を用い、通常の方法
を用いて傾向表示管を製造することができる。例えば、
まず主として発光組成物とバインダーが練り合わされた
ペーストを形成し、次にそのペーストをスクリーン塗布
法、電着塗布法、沈殿塗布法等従来用いられている塗布
法を用いて通常5〜30mg/cm2の範囲で陽極プレートに塗
布する。そのプレートを乾燥した後、450℃以上で焼成
し、陽極プレート上に蛍光膜を作成する。その後通常の
一定距離をおいて陽極プレートを対向させ、一対の電極
とし、その電極をガラス等の容器内に封入し、10-5Torr
以上の真空度になったところで排気を止め封止する。そ
の後封止ゲッターを飛ばし、内部の真空度をさらに高
め、蛍光表示管が得られる。また、前記発光組成物の代
わりに、蛍光体と、加熱酸化することにより容易に導電
性金属酸化物となり得る金属の硝酸塩、硫酸塩、塩化物
及び有機化合物等が溶解された水溶液を用い、これらを
バインダーと混合してペーストを形成し、このペースト
を陽極プレート上に塗布し、同様にして450℃で焼成す
ることにより、蛍光膜を形成することもできる。
本発明の発光組成物において、蛍光体に被覆、付着また
は混合する導電性金属酸化物の量は、発光組成物及びこ
れを用いた蛍光膜を使用した蛍光表示管の発光輝度と密
接な関係がある。均質膜または半均質膜状の導電性金属
酸化物の場合、被覆量は蛍光体量に対し好ましくは0.01
〜5.0重量%の範囲更に好ましくは0.05〜3.0重量%の範
囲であり、粒状導電性金属酸化物の場合、添加量は蛍光
体量に対し、0.5〜10.0重量%の範囲である。また前記
粒状導電性金属酸化物は、0.1〜2.0μmの半径粒径を有
することがより好ましい。
[作用] 本発明の発光組成物では、蛍光体粒子表面に均質膜状ま
たは半均質膜状の導電性金属酸化物が被覆されていると
ともに、この蛍光体粒子にさらに粒状導電性金属酸化物
が混合または付着している。これら膜状及び粒状の2種
の導電性金属酸化物の存在により、低い駆動電圧によっ
ても、すなわち低速電子線によっても、励起され高輝度
の発光が可能となる。
一方、粒状導電性金属酸化物の存在により、膜状の導電
性金属酸化物の被覆量は少なくてすむため、電子線はそ
れに妨げられることなく、容易に蛍光体に到達し、輝度
が低下することがない。
[実施例] 以下、図面を参照し、本発明の作用及び効果を説明す
る。
第1図(a)及び第1図(b)は、本発明の発光組成物
粒子の構造を示す電子顕微鏡写真図である。第1図
(a)は、青色発光蛍光体(ZnS:Ag,Al)に1.0重量%の
In2O3の均一膜または半均一膜を被覆した低速電子線励
起蛍光体粒子の構造を示し、第1図(b)は、第1図
(a)の蛍光体に粒状のIn2O3を乾式混合して得られた
本発明の発光組成物粒子の構造を示す。本発明の蛍光体
は、蛍光体表面に第1図(a)に示すような均一膜状ま
たは半均一膜状の導電性金属酸化物を形成し、さらに、
粒状のIn2O3を混合した構造を有する。
第2図は、青色発光蛍光体(ZnS:Ag,Al)に対し、2.5重
量%の均質膜状のIn2O3が被覆された低速電子線励起蛍
光体に、さらに、平均粒径1μmの粒状のIn2O3を5.0重
量%の乾式混合した本発明に係る発光組成物(a)、2.
5重量%の均質膜状のIn2O3を被覆した低速電子線励起蛍
光体(b)、平均粒径3μmのIn2O3を前記青色発光蛍
光体に対し、1.0重量%乾式混合した従来の発光組成物
(c)及びIn2O3を10.0重量%乾式混合する以外は発光
組成物(c)と同様にして得られた従来の発光組成物
(d)を各々蛍光表示管に実装し、駆動電圧(陽極プレ
ート)を変化させた際の駆動電圧と相対発光輝度の関係
を表すグラフ図である。なお、相対輝度は発光組成物
(d)を実装した蛍光表示管を50Vで駆動させたときの
発光輝度を100%として表した。
第2図から明らかなように、In2O3の被覆された低速電
子線励起蛍光体(b)を実装した蛍光表示管は、70V以
下の低駆動電圧域では導電性が優れているために発光開
始電圧が低く、従来の発光組成物(d)を実装した蛍光
表示管よりも輝度は高くなる。しかし、駆動電圧が70V
を越えると、発光組成物(d)の方が導電性が勝ってい
るために、発光組成物(b)を実装した蛍光表示管と輝
度が変わらなくなる。これに対し、本発明にかかる発光
組成物(a)を実装した蛍光表示管は、導電性金属酸化
物を均質膜状または半均質膜状に被覆し、かつ粒状に混
合することにより、導電性金属酸化物を被覆させたもの
(発光組成物(b))と混合させたもの(発光組成物
(c),(d)との特徴を生かし、高駆動電圧域におい
ても高い発光輝度を維持することができる。
第3図は、青色発光蛍光体(ZnS:Ag,Al)に対し、In2O3
を0.1、1.0、2.0、5.0重量%被覆した低速電子線励起蛍
光体に、さらに平均粒径1.0μmの粒状In2O3をその混合
量を変化させて、各々蛍光表示管に実装し、駆動電圧50
Vの条件下で発光させた場合の相対輝度を示す。この被
覆量及び混合量の合計であるIn2O3の添加量と相対輝度
との関係を第3図に実線で示す。また、参考のためIn2O
3の均質膜を被覆した青色発光蛍光体の被覆量を変化さ
せたときの相対輝度を破線で、平均粒径3μmの粒状In
2O3を混合量を変化させたときの相対輝度を一点鎖線で
表し、同グラフに示す。なお、相対輝度は、In2O3を蛍
光体に対し10重量%乾式混合した従来の発光組成物を実
装した蛍光表示管の輝度を100%としたときの相対輝度
である。
また第4図は、赤色発光蛍光体{(ZnCd)S:Cu,Cl}に
対し、同じくIn2O3を0.05、0.2、0.5、2.0重量%被覆し
た低速電子線励起蛍光体に対し、粒状のIn2O3をその混
合量を変化させて各々蛍光表示管に実装し、駆動電圧50
V条件下で発光させた場合の相対輝度を示す。このIn2O3
の添加量と相対輝度との関係を第4図に実線で示す。ま
た、参考のためIn2O3の均質膜を被覆した青色発光蛍光
体の被覆量を変化させたときの相対輝度を破線で、平均
粒径3μmの粒状In2O3を混合量を変化させたときの相
対輝度を一点鎖線で表し、同グラフに示す。なお、相対
輝度は、In2O3を蛍光体に対し10重量%乾式混合した従
来の発光組成物を実装した蛍光表示管の輝度を100%と
したときの輝度である。
第3図及び第4図から明らかなように、発光を開始する
ためには、、多くのIn2O3の添加を必要とするが、本発
明の発光組成物を実装した蛍光表示管は、わずかな膜状
のIn2O3の被覆でも発光を開始し、順次粒状In2O3を混合
していくことによって輝度が増加していく、しかし膜状
のIn2O3が10重量%被覆された低速電子線励起蛍光体に
粒状のIn2O3を混合した発光組成物は、非発光物質であ
るIn2O3が蛍光体の発光を吸収し、また蛍光表示管の陽
極プレート上にある単位面積当たりの蛍光体量が少なく
なってしまうため、多きな輝度の増加が望めない。その
ため、本発明の発光組成物において膜状の導電性物質の
被覆量と、粒状の導電性物質の混合量の組み合わせは、
膜状の導電性物質が0.05〜3.0重量%被覆された低速電
子線励起発光体に1.0〜5.0重量%の粒状の導電性物質の
混合がさらに好ましい。
次に、第5図は、青色発光蛍光体(ZnS:Ag,Cl)に対しI
n2O31重量%を被覆した低速電子線励起蛍光体に、混合
する粒状のIn2O3の粒径を変化させた各々の本発明の発
光組成物を蛍光表示管に実装し、その輝度を測定して、
その相対輝度と平均粒径との関係を示すグラフ図であ
る。第5図から明らかなように、本発明の発光組成物に
おいては混合する導電性金属酸化物の平均粒径は0.1〜
2μmであることが好ましいことがわかる。
以上のことから、蛍光体は膜状の導電性金属酸化物で被
覆されることにより、低い駆動電圧でも発光を開始する
ことができるようになり、高輝度を発することができ
る。
しかし、蛍光体表面に膜状の導電性金属酸化物が被覆さ
れた発光組成物は、導電性酸化物量が増加するに従い、
陰極から発せられた電子線が逆に被覆がバリヤーとなっ
てしまうために蛍光体に到達しがたくなり、輝度が低下
する傾向がある。一方、粒状の導電性金属酸化物のみが
混合された従来の発光組成物は、電子線に対するバリヤ
ー効果は少ないが、導電性物質としての効果が高いた
め、多量に添加しないとその効果は得られない傾向があ
る。
そこで本発明の発光組成物は、バリヤー効果の少ない範
囲で導電性物質の被膜を形成し、さらに粒状の導電性物
質を補うことにより両者の特性をいかし、輝度を向上さ
せたものである。
以下、本発明の種々の実施例を示す。
実施例1 In2O3ターゲットをスパッタ装置に設置し、緑色発光蛍
光体(ZnS:Cu,Al)50gの表面にIn2O3のスパッタリング
を行なった。
In2O3被膜の付着量が蛍光体に対し、1重量%になるま
でスパッタリングを行い、低速電子線励起蛍光体を得
た。
さらに、この蛍光体に平均粒径1.0μmのIn2O3蛍光体に
対し8.0重量%となるよう添加し、十分乾式混合して本
発明の緑色発光組成物を得た。次にこの緑色発光組成物
に5.0重量%のPVA水溶液30gを添加し、十分練り合わせ
た後、セラミック基板に指示された1cm2の金属の陽極プ
レート上にスクリーン塗布し、乾燥した。その陽極プレ
ートをセラミック基板ごと450℃で30分間焼成してPVAを
分解し、蛍光膜を得た。さらにカルシウム、ストロンチ
ウム及びバリウムの酸化物によって被覆されたタングス
テン線状ヒータの陰極を前記蛍光膜から約5mmの間隔を
おいて設置し、これら一対の電極をガラス容器内に設置
した。ガラス容器内の排気を行い10-5Torrぐらいの圧力
でガラス容器を封止し、次いでゲッターを飛して真空度
を高め、蛍光表示管を得た。
また比較例1として同様の緑色発光蛍光体に対し、平均
粒径4μmのIn2O3を10重量%混合した従来の発光組成
物を作成し、同様にして蛍光表示管を作成した。これら
蛍光表示管を陽極プレート電圧(駆動電圧)50V、陰極
電圧1.2V、電流密度2mA/cm2の条件下でそれぞれ発光さ
せたところ、従来の低速電子線励起緑色発光蛍光体を実
装した蛍光表示管の輝度を100%とすると、本発明の緑
色発光組成物を実装した蛍光表示管のの輝度は170%で
あった。
実施例2 SnO2ターゲットを使用しただけで後は実施例1と同様に
して青色発光蛍光体(ZnS:Ag,Al)50gに対し1.0重量%
のSnO2の均一被膜を形成し、さらに平均粒径1.0μmのS
nO2を青色発光蛍光体量に対し7.0重量%混合し、本発明
の青色発光組成物を得た。また比較例2として従来の平
均粒径3μmのSnO2を混合させた青色発光組成物を用
い、実施例1と同様にして各々蛍光表示管を作成して発
光させたところ、従来の低速電子線励起青色発光組成物
を実装した蛍光表示管の輝度を100%とすると、本発明
の青色発光組成物を実装した蛍光表示管の輝度は165%
であった。
実施例3 加熱酸化により導電性金属酸化物となり得る有機溶媒可
溶性金属化合物としてIn2O3換算で5重量%、SnO2換算
で0.5重量%を含むアトロンNIn(商標 日本曹達(株)
製)を用いた。
このアトロンNIn20gをエタノール100mlに溶解し、この
エタノール中に黄色発光蛍光体{(ZnCd)S:Ag,Al}100
gを添加し、十分懸濁させた後、60℃に加温してエタノ
ールを輝散させた。
この蛍光体を取り出し、空気中で500℃にて1時間焼成
を行った後、黄色発光蛍光体に対しIn2O3が1.0重量%、
SnO2が0.1重量%含まれる導電性金属酸化物の均質膜に
よって被覆された低速電子線励起黄色発光蛍光体を得
た。
得られた低速電子線励起黄色発光蛍光体にさらに最初の
黄色発光蛍光体に対し5.0重量%のIn2O3を混合し、本発
明の黄色発光組成物を得た。
比較例3として実施例3と同様の黄色発光蛍光体に対
し、平均粒径4μmとIn2O3を10.0重量%混合した従来
の黄色発光蛍光体を作成した。
これら低速電子線励起黄色発光組成物各々50gを用いて
実施例1と同様にして各々蛍光表示管を作成し、輝度を
測定したところ、従来の低速電子線励起黄色発光組成物
を実装した蛍光表示管の輝度を100%とすると、本発明
の蛍光組成物を実装した蛍光表示管の輝度は、160%で
あった。
実施例4 青色発光蛍光体(ZnS:Ag,Al)と黄色発光蛍光体(ZnS:A
u,Al)とを1:2の重量比で混合した白色発光組成物100g
を用意し、実施例3と同様にしてアトロンNInを用い、
前記白色発光組成物に対し、In2O31.0重量%、SnO2が0.
1重量%被覆された低速電子線励起白色発光組成物を得
た。
得られた発光組成物に平均粒径1μmのIn2O3を最初の
白色発光組成物に対し5.0重量%混合し、本発明の低速
電子線励起白色発光蛍光体を得た。
比較例4として実施例4と同様の白色発光蛍光体に対
し、平均粒径4μmのIn2O3を10重量%混合した白色発
光組成物を調製した。
これら低速電子線励起黄色発光組成物各々50gを用いて
実施例1と同様にして各々蛍光表示管を作成し、輝度を
測定したところ、従来の低速電子線励起白色発光組成物
を実装した蛍光表示管の輝度を100%とすると、本発明
の発光組成物を実装した蛍光表示管の輝度は、155%で
あった。
実施例5 赤色発光蛍光体{(ZnCd)S:Cu,Cl}100gを50mlの水中
に添加し、十分撹拌した。
この懸濁液にIn2O3換算含有1.0重量%のIn2(SO4
溶液20gを添加し、再び十分撹拌した後、静置して80℃
に加温して水を蒸発させた。乾燥した蛍光体を500℃で
焼成し、低速電子線励起赤色発光蛍光体を得た。
比較例5として実施例5と同様の赤色発光蛍光体に対
し、平均粒径4μmのIn2O3を5.0重量%混合し、低速電
子線励起赤色発光蛍光体を得た。
これらの蛍光体を各々50gを用いて実施例1と同様にし
て蛍光表示管を作成し、輝度を測定したところ、従来の
低速電子線励起赤色発光組成物を実装した蛍光表示管の
輝度を100%とすると、本発明の発光組成物を実装した
蛍光表示管の輝度は150%であった。
実施例6 橙色発光蛍光体{(ZnCd)S:Cu,Cl}100gを50mlのエタ
ノール中に添加し、十分撹拌した。この懸濁液にIn2O3
換算含量1.0重量%のIn(NO3・3H2Oの水溶液20gを
添加し、再び十分撹拌した後、静置して50℃に加温し、
エタノール及び水を蒸発させた。このようにして乾燥し
た蛍光体を同じく500℃で焼成し、平均粒径1.0μmのIn
2O3を4.0重量%乾式混合し、本発明に係る低速電子線励
起橙色発光蛍光体を得た。
比較例6として実施例6と同様の赤色発光蛍光体に対
し、平均粒径4μmのIn2O3を5.0重量%混合し、低速電
子線励起橙色発光蛍光体を得た。
これらの蛍光体を各々50gを用いて実施例1と同様にし
て蛍光表示管を作成し、輝度を測定したところ、従来の
低速電子線励起橙色発光組成物を実装した蛍光表示管の
輝度を100%とすると、本発明の発光組成物を実装した
蛍光表示管の輝度は165%であった。
以上実施例1〜6からわかるように、本発明の発光組成
物を用いると、50Vの低速電子線励起のものであって
も、従来の発光組成物よりも高輝度を有する優れた蛍光
表示管が得られる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば蛍光体表面に均質
膜または半均質膜状の導電性金属酸化物を被覆すること
により、発光開始電圧が低減され、1kV以下特に100V以
下の低速電子線励起のもとで十分な導電性及び発光輝度
をを有する蛍光体が得られ、さらに粒状導電性金属酸化
物を混合することにより、輝度がさらに向上する。
また、本発明によれば、輝度だけでなく、陽極プレート
への塗布特性、蛍光体の劣化等についても従来の低速電
子線励起蛍光体と同等またはそれ以上の特性を示す発光
組成物が得られる。
さらに、本発明に係る発光組成物を、蛍光表示管だけで
なく薄型陰極線管の蛍光面に適用することができる。さ
らに、原料として用いる蛍光体としてランプ用蛍光体を
用いると、導電性を有する蛍光体を必要とするラピッド
スタート型蛍光ランプ用発光組成物として使用すること
も可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)、本発明にかかる発光組成物において、導
電性金属酸化物が半均質膜が表面に形成された発光組成
物粒子の構造を示す電子顕微鏡写真図、第1図(b)
は、本発明にかかる発光組成物において、導電性金属酸
化物粒子が導電性金属酸化物の半均質膜非表面に付着さ
れた発光組成物粒子の構造を示す電子顕微鏡写真図、第
2図は、本発明の一実施例及び比較例に係る駆動電圧と
相対発光輝度の関係を表すグラフ図、第3図は、本発明
の一実施例及び比較例に係る導電性物質の添加量と相対
輝度の関係を表すグラフ図、第4図は本発明の一実施例
及び比較例に係る導電性物質の添加量と相対輝度の関係
を表すグラフ図、第5図は相対輝度と平均粒径との関係
を示すグラフ図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蛍光体表面を均質膜状または半均質膜状の
    導電性金属酸化物で被覆された低速電子線励起蛍光体
    と、該蛍光体に混合または付着された粒状導電性金属酸
    化物とを含む発光組成物であって、前記均質膜状または
    半均質膜状の導電性金属酸化物及び粒状導電性金属酸化
    物は、In2O3及びSnO2からなる群から選択された少なく
    とも1種であり、前記均質膜状または半均質膜状の導電
    性金属酸化物は、有機溶媒に溶解された前記導電性金属
    の有機化合物を加熱により導電性金属化合物にせしめる
    か、あるいは前記導電性金属を蒸着またはスパッタリン
    グすることにより形成されることを特徴とする発光組成
    物。
  2. 【請求項2】前記蛍光体は、一般式ZnS:M1,M2(但し、M
    1はAg、Zn、Cu、Au及びMnからなる群から選択された少
    なくとも1種の元素であり、M2はAl、F、Cl、Br及びI
    からなる群から選択された少なくとも1種の元素であ
    る。)で表される蛍光体及び一般式(ZnCd)S:M1,M2(M
    1及びM2は上記と同じ)で表される蛍光体からなる群か
    ら選択された少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項1に記載の発光組成物。
  3. 【請求項3】前記粒状導電性金属酸化物の体積平均粒径
    は、0.05μm以上2.0μm以下であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の発光組成物。
  4. 【請求項4】前記均質膜状または半均質膜状導電性金属
    酸化物の被覆量は、前記蛍光体量の0.01〜5.0重量%で
    あり、前記粒状導電性金属酸化物の含有量は、前記蛍光
    体の0.5〜10重量%である請求項1〜4のいずれかに記
    載の発光組成物。
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