JPH07108581B2 - カラ−記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はテレビ画像やキャプテンシステムなどの、フル
カラー画像のハードコピーに有用な、小型で容易に高品
位画像を得ることのできるカラー記録装置に関するもの
である。

従来の技術 近年、CRT等のデイスプレイ装置のカラー化の傾向は目
覚ましく、これに伴いこれらのハードコピー装置として
カラーで記録のできるものが要望されている。なかでも
熱転写方式は、静寂性やメンテナンス性が優れているこ
とから、OA機器をはじめ多くの端末用プリンタのカラー
化の一翼担うものとして、注目を集めている。

一般に、熱転写方式を用いてカラー記録を行う場合は、
第２図に示す如くインクを各色面順次で塗り分けたイン
クシート２と受像紙１を矢印ａ方向に搬送させながら、
発熱素子3aを直線状に配列したサーマルヘッド３をこの
インクシート２と受像紙１を介してプラテンローラ４に
押圧して、各色による各１ライン分の画情報に応じた発
熱素子を発熱させ、熱転写による記録を行わせる。この
ようにして、一色目のインクによって１ページ分の記録
を行わせた後に受像紙１をその記録開始位置がサーマル
ヘッド部にくるように矢印ｂ方向へ引き戻し、次いで二
色目の１ページ分の記録を行い、同様にして三色目の１
ページ分の記録を行って、減色混合法によるカラー画像
の記録を行わせる。従来受像紙１はピンチローラ５およ
び６のプラテンローラ４との圧接位置で挟持されてお
り、駆動手段７によってプラテンローラ４を回転駆動す
ることにより往復搬送する。

発明が解決しようとする問題点 ところがこのような方法だと、受像紙１はプラテンロー
ラ４に対するピンチローラ６および７の２つの圧接箇所
で搬送されることとなり、この２箇所の圧接条件を精度
良く一致させないと両圧接箇所における受像紙１の搬送
量が異なる。その結果受像紙１がプラテンローラ４上に
巻き付かずに弛んだり受像紙１がどちらかのピンチロー
ラの圧接箇所でプラテンローラ４と滑ったりして、記録
手段３とプラテンローラ４の圧接位置における受像紙１
の正確な位置再現性を得ることが困難になり色ずれを生
じるという欠点を有していた。

問題点を解決するための手段 本発明は上記問題点を解決するために、２個のピンチロ
ーラのうち引き戻し時下流側のピンチローラを前記プラ
テンローラに追従して回転する上流側のピンチローラよ
り速い周速で回転させるピンチローラ駆動手段と、この
ピンチローラ駆動手段を引き戻し時のみ有効とするクラ
ッチ機構とを設け、記録時は前記ピンチローラを２個と
も前記プラテンローラに追従して回転させ、引き戻し時
は上流側のピンチローラだけを前記プラテンローラに追
従して回転させ下流側のピンチローラは上流側のピンチ
ローラより速い周速で回転させる構成として、受像紙の
搬送精度を向上させ、色ずれを少なくすることができる
ものである。

作 用 本発明は上記した構成により、受像紙の搬送手段は、プ
ラテンローラとこれに圧接する一対のピンチローラだけ
となって簡略化され、同時に受像紙の挟持位置であるプ
ラテンローラとピンチローラの圧接位置を記録手段に近
づけることができるため受像紙上の非記録部を短くする
ことができる。さらにまた、引き戻し時には一対のピン
チローラのうちの上流側のピンチローラだけをプラテン
ローラに追従して回転させ、下流側のピンチローラは上
流側のピンチローラより速い周速で回転させる構成とし
て、受像紙をプラテンローラ上で弛まないようにし搬送
精度を向上させ色ずれを少なくすることができる。

実施例 以下、本発明の一実施例の構成を、添付図面にもとづい
て説明する。

第１図は、本発明の一実施例におけるカラー記録装置の
基本構成図である。第１図において11は受像紙、12はPE
Tフィルム等の支持体上の受像紙11と向かい合う面に加
熱により流動性を有するようなインクを各色１ページ分
ずつイエロー，マゼンタ，シアンと順次塗り分けたイン
クシート、13は発熱素子13aを受像紙11の幅方向に直線
状に配列するライン型のサーマルヘッド、14は受像紙11
の一部を巻回したプラテンローラ、15および16は受像紙
11を介してプラテンローラ14に圧接する同材質，同形状
のピンチローラである。17はプラテンローラ14を双方向
に回転駆動するステップモータなどの駆動手段、18は中
間プーリ、19および20はタイミングベルトで、中間プー
リ18およびタイミングベルト19,20は駆動プーリ17aの回
転力をプラテンプーリ14aに伝達する駆動力伝達手段を
構成している。また、21および22はサーマルヘッド13と
一体的に動作しインクシート12をガイドするシートガイ
ド、23はピンチローラ軸15aを回転可能に支持し固定軸2
3aのまわりに回動するピンチローラ支持部材、24はピン
チローラ軸16aを回転可能に支持し固定された中間プー
リ軸18aのまわりに回動するピンチローラ支持部材、25
はピンチローラ15がプラテンローラ14に圧接するようピ
ンチローラ支持部材23と匡体（図示せず）の間に張架し
た引っ張りコイルバネ、26はピンチローラ16がプラテン
ローラ14に圧接するようピンチローラ支持部材24と匡体
（図示せず）の間に張架した引っ張りコイルバネで、ピ
ンチローラ15のプラテンローラ14への圧接力は、ピンチ
ローラ16の圧接力より強くなるよう構成してある。27は
ピンチローラプーリで、28は中間プーリ18の回転力をピ
ンチローラプーリ27に伝達するタイミングベルトであ
り、29はピンチローラプーリ27に固定されて、ピンチロ
ーラ軸16aをピンチローラプーリ27に対し矢印ｃ方向に
のみ回転可能に支持する一方向クラッチなどのクラッチ
機構である。ここでピンチローラプーリ27およびタイミ
ングベルト28は、プラテンローラ14に追従して回転する
ピンチローラ15の周速より速い周速でピンチローラ16を
回転させるピンチローラ駆動手段を構成しており、クラ
ッチ機構28はピンチローラプーリ27のピンチローラ16に
対する駆動力を、引き戻し時にのみ伝達している。

次に、この実施例におけるカラー記録装置の動作を第１
図をもちいて説明する。記録開始前、受像紙11はピンチ
ローラ15のプラテンローラ14への圧接位置とピンチロー
ラ16のプラテンローラ14への圧接位置との間でプラテン
ローラ14に密着しており、インクシート12の発熱素子13
aに対向する位置には、一色目のイエローインクの記録
開始位置がきており、サーマルヘッド13,インクシート1
2、およびシートガイド21,22はプラテンローラ14から離
間した状態（13′,12′、および21′,22′）にある。記
録開始時には、図示しない手段によってサーマルヘッド
13およびシートガイド19,20を一体的に矢印ｄ方向に移
動して、発熱素子13aをインクシート12および受像紙11
を介してプラテンローラ14に圧接させる。次に、イエロ
ーによる各１ライン分の画情報に応じた発熱素子13aを
発熱させ、イエローインクを選択的に加熱して受像紙11
上に転写をおこなわせる。同時に、画情報に同期して駆
動手段17を駆動し、プラテンローラ14を１ラインづつ矢
印ｅ方向へ回転させる。この時、タイミングベルト28は
ピンチローラ16をピンチローラ15より高速で回転させる
べくピンチローラプーリ27を矢印ｆ方向に回転駆動して
いるが、実際にはピンチローラ軸16aのほうがピンチロ
ーラプーリ27より低速で矢印ｆ方向に回転しているた
め、相対的にはピンチローラ軸16aはピンチローラプー
リ27に対して矢印ｃ方向に回転していることになり、ピ
ンチローラ軸16aはクラッチ機構によってピンチローラ
プーリ27の回転駆動力からは解放されている。従ってピ
ンチローラ15およびピントローラ16はプラテンローラ14
の回転に追従してそれぞれ矢印ｇ方向および矢印ｆ方向
に回転する。ただしこの時ピンチローラ15の圧接位置に
おいては、ピンチローラ16の圧接位置よりも強力に、し
かも高速で受像紙11を搬送する。これは２個のピンチロ
ーラが同材質，同形状でピンチローラ15の圧接力がピン
チローラ16の圧接力より強力であるため、ピンチローラ
15の圧接位置におけるプラテンローラ14の表面のゴム層
のほうがより大きいせん断ひずみを受けて伸張し、みか
け上の周長が長くなって受像紙11の搬送速度が速くなる
からである。さらにまた圧接力の大きいほうがプラテン
ローラ14と受像紙11の摩擦力が大きいため受像紙11の搬
送力も強くなる。このようにして受像紙11は、十分圧接
力の強いピンチローラ15の回転速度に順じて搬送され、
上流側ではピンチローラ16の圧接力でプラテンローラ14
との摩擦による適度な負荷を受けることになり、プラテ
ンローラ14上で弛むことなく正規の長さ矢印ｈ方向へ搬
送される。またインクシート12は、サーマルヘッド13と
プラテンローラ14の圧接位置において、受像紙11との摩
擦力によって矢印ｉ方向に搬送され、図示しない手段に
よって張力を付与しつつ巻き取られる。このようにして
イエローインクによって１ページ分の記録を完了する
と、いったん駆動手段17を停止してプラテンローラ14を
止め、図示しない手段によりサーマルヘッド13,シート
ガイド21,22およびを矢印ｊ方向に移動してサーマルヘ
ッド13およびインクシート12をプラテンローラ14から離
間する。（13′,21′および22′の状態）この後、イン
クシート12の発熱素子13aと対向する位置に二色目のマ
ゼンタインクの記録開始位置が来るまで、図示しない手
段によってインクシート12を矢印ｉ方向に搬送させる。
またこの際駆動手段17を駆動し、プラテンローラ14を矢
印ｋ方向へ回転させる。この時、タイミングベルト28は
ピンチローラ16をピンチローラ15より高速で回転させる
べくピンチローラプーリ27を矢印ｍ方向に回転駆動して
いるため、ピンチローラ軸16aはピンチローラプーリ27
より高速で矢印ｃ方向に回転することはできず、クラッ
チ機構29が動いてピンチローラ軸16aはピンチローラプ
ーリ27と一体的に回転駆動される。従ってピンチローラ
15の圧接位置で矢印１方向に搬送される受像紙11は、搬
送速度より速い周速で回転するピンチローラ16との摩擦
力により常に矢印１方向への適度な張力を付与され、プ
ラテンローラ14上で弛むことなく搬送される。このよう
にして搬送された受像紙11は、ピンチローラ15との圧接
位置でプラテンローラ14と滑ることなく記録時と同じ長
さだけ引き戻し搬送され、しかも常にプラテンローラ14
上で弛まないため発熱素子13aの圧接位置に記録前と同
じ位置を精度よく再現する。このようにして受像紙11を
記録開始位置まで引き戻して、二色目のマゼンタインク
の記録開始状態になる。この後サーマルヘッド13および
インクシート12をプラテンローラ14に押圧して、イエロ
ーインクによる記録画像上にマゼンタインクによる１ペ
ージ分の記録をおこなう。以下同様にして三色目のシア
ンインクによる記録をおこなって、減色混合法によるカ
ラー画像の記録を完了する。

以上のようにして、本発明の実施例によれば、受像紙11
の搬送手段をプラテンローラ14とこれに押圧する２個の
ピンチローラ15,16による簡単な構成とすることがで
き、同時に受像紙の挟持位置であるプラテンローラとピ
ンチローラの圧接位置をサーマルヘッドに近づけること
ができるため受像紙上の非記録部を短くすることがで
き、しかも受像紙11の往復搬送量を同じにして、色ずれ
の少ない良好なカラー画像を得ることができる。

なお、この実施例において、ピンチローラ15,16を同材
質，同形状としたが、ピンチローラ15の圧接位置におけ
る受像紙11の搬送速度と搬送力がピンチローラ16よりも
十分大きければ、異なる材質，形状でもよい。

また、この実施例において、ピンチローラ16のクラッチ
機構として軸受様のものを利用したが、代わりにラチェ
ット機構等をもちいても同様の効果を得ることができ
る。

また、この実施例において、ピンチローラ駆動手段とし
てプラテンローラの駆動系を利用したが、他の駆動源を
用いてもよいことは、いうまでもない。

また、この実施例において、サーマルヘッド13はライン
型のものとしたが、シリアル型のものを使用してもよ
い。

このほか、この実施例において、インクの記録順はイエ
ロー，マゼンタ，シアンとしたが別の順でもよいし、イ
ンクの種類は三色としたが、三色以外でもよいことはい
うまでもない。

発明の効果 本発明は、受像紙の搬送手段を、プラテンローラとこれ
に押圧する２個のピンチローラによる簡単な構成とし、
また受像紙の挟持位置であるプラテンローラとピンチロ
ーラの圧接位置を記録手段に近づけて受像紙上の非記録
部を短くし、しかも引き戻し時には上流側のピンチロー
ラだけをプラテンローラに追従して回転させ、下流側の
ピンチローラは上流側のピンチローラより速い周速で回
転させる構成として、受像紙をプラテンローラ上で弛ま
ないようにして受像紙の搬送精度を向上させ、色ずれの
少ない良好なカラー画像を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例におけるカラー記録装置の基
本構成を示す側面図、第２図は従来のカラー記録装置の
基本構成を示す側面図である。 11……受像紙、12……インクシート、13……サーマルヘ
ッド、14……プラテンローラ、15,16……ピンチロー
ラ、17……駆動手段、19,20,28……タイミングベルト、
27……ピンチローラプーリ、29……クラッチ機構。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】周上に受像紙の一部を巻回して記録時と引
   き戻し時でそれぞれ正逆方向に回転駆動するプラテンロ
   ーラと、記録時は受像紙を介して前記プラテンローラに
   圧接し引き戻し時は離間する記録手段と、受像紙搬送路
   上の前記記録手段に対して上流側と下流側の２箇所で受
   像紙を介して前記プラテンローラに圧接する一対のピン
   チローラとを備え、この一対のピンチローラをのち記録
   時下流側のピンチローラの圧接力を、記録時上流側のピ
   ンチローラの圧接力よりも常に強いものとし、さらに前
   記一対のピンチローラのうち引き戻し時下流側のピンチ
   ローラを前記プラテンローラに追従して回転する上流側
   のピンチローラより速い周速で回転させるピンチローラ
   駆動手段と、このピンチローラ駆動手段を引き戻し時の
   み有効とするクラッチ機構とを備え、記録時は前記ピン
   チローラは２個とも前記プラテンローラに追従して回転
   するが、圧接力の違いにより下流側のピンチローラが上
   流側のピンチローラより高速に受像紙を搬送駆動し、引
   き戻し時は受像紙を搬送駆動する上流側のピンチローラ
   のみ前記プラテンローラに追従して回転し下流側のピン
   チローラは上流側のピンチローラより速い周速で回転す
   る構成としたカラー記録装置。