JPH0710709A - 害虫忌避剤 - Google Patents

害虫忌避剤

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JPH0710709A
JPH0710709A JP17205693A JP17205693A JPH0710709A JP H0710709 A JPH0710709 A JP H0710709A JP 17205693 A JP17205693 A JP 17205693A JP 17205693 A JP17205693 A JP 17205693A JP H0710709 A JPH0710709 A JP H0710709A
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pests
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州隆 織田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 空間忌避効果あるいはさらに接触忌避効果に
優れ、強い害虫忌避作用を示し、しかもその効力の持続
性に優れた害虫忌避剤を提供する。 【構成】 害虫忌避剤は、メンタンヒドロペルオキシ
ド、ツヤンヒドロペルオキシド、カランヒドロペルオキ
シド、ボルナンヒドロペルオキシド、p−シメンヒドロ
ペルオキシド及びクメンヒドロペルオキシドからなる群
から選ばれた少なくとも1種の有機過酸化物ヒドロペル
オキシドを有効成分として含有する。あるいは、少なく
とも1種のヒドロペルオキシドと、ベーパースリン、
N,N−ジエチル−m−トルアミド、ペリラアルデヒド
及びゲラニオールからなる群から選ばれた少なくとも1
種の化合物を有効成分として含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴキブリ類、たとえば
チャバネゴキブリ、ワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ
のような衛生害虫、蚊、ノミ、シラミ、ダニなどのよう
な吸血、刺咬性害虫、及びイガ、コイガなどの衣類害虫
等に対する忌避剤に関する。
【0002】
【従来の技術】蚊、アブ、ブユ、ノミ等の吸血性昆虫
は、熱帯地域から温暖地域に多く棲息するが、種類によ
っては寒冷地域にもしばしば見られ、キャンプ、ハイキ
ング、魚釣り、ゴルフ、庭遊び、ヨット等の野外におけ
る娯楽の際や、農場、田畑あるいは、山奥の電源開発地
などでの作業時の露出皮膚表面を攻撃、吸血し、はなは
だ不快であると同時に、時として伝染病、風土病の媒介
者となっていることもある。これらの吸血、刺咬性昆虫
に加え、近年はダニなどによる被害も増えており、これ
らの有害生物によって媒介される病気の種類は多く、マ
ラリア、黄熱病、テング熱、フィラリア、発疹熱、ツツ
ガムシ病などはよく知られている。また、吸血、刺咬時
にかゆみや発赤を伴うことはもちろん、これから炎症を
起こし、あるいは喘息発作を引き起こすことも知られて
いるとおりである。また、ゴキブリ類は直接、間接に病
原菌を媒介し、最近ではいわゆるOA機器へ侵入して被
害をもたらしている。
【0003】これらの被害を防止するため、一般には殺
虫剤が用いられているが、対象となる有害生物の発生源
は多様であり、生態系も複雑で、しかも増殖率が高いた
め、殺虫剤による完全な防除は困難である。また、高濃
度で多量の殺虫剤を広範囲に用いることは環境的にも好
ましくない。そこで、これらの害虫による虫害を防止す
るために忌避剤が広く用いられている。一般に害虫に対
する忌避剤としてはアミド類、エステル類、グリコール
類などが効果があるとされ、その中でもN,N−ジエチ
ル−m−トルアミド(以下、DETと略記することもあ
る)を主成分とする製剤がよく知られており、例えば特
開昭56−10104号公報、特開昭56−73008
号公報、特開昭56−15203号公報、特開昭59−
199602号公報、特開昭60−61509号公報な
どに報告されている。また、殺虫剤、特にその中でも1
−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル−2,2−ジ
メチル−3−(2′−メチル−1′−プロペニル)−シ
クロプロパン−1−カルボキシレート(以下、ベーパー
スリンという)が害虫忌避効果を有することも知られて
おり、これを用いた製剤は例えば特開昭56−9280
3号公報、特開昭60−139606号公報、特開平1
−27042号公報等に報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、ゴキブ
リ等に対する忌避剤としては殺虫剤がよく利用される
が、概して揮散性が低く、殺虫効力はあるが忌避効果は
少ないという難点がある。また、揮散性の殺虫剤、ベー
パースリンを単独で用いても忌避効果は少なく、特にエ
リア内への害虫侵入の阻止は難しいという問題がある。
また、害虫忌避剤としては一般にDETが多用されてい
るが、空間での忌避効果はなく、害虫との接触による忌
避効果のみであり、接触面以外からの害虫侵入を阻止で
きないという問題がある。前記した特許文献等の中には
空間忌避効果を示唆するような記載も見うけられるが充
分な効果は期待できず、一定空間内での害虫忌避を有効
かつ確実に達成できる害虫忌避剤が強く求められてい
た。その他、フタル酸ジエステル類、2−エチル−1,
3−ヘキサンジオールなども知られているが、従来公知
の害虫忌避剤はいずれもそのままでは効力持続時間が短
かく、あるいは適用害虫の種類が少ないなどの欠点があ
り、新たな忌避剤の開発が強く望まれていた。
【0005】従って、本発明の目的は、一定空間内にお
いて各種害虫の侵入を有効に阻止できる空間忌避効果に
優れた害虫忌避剤を提供することにある。さらに本発明
の目的は、空間忌避効果及び接触忌避効果に優れ、強い
害虫忌避作用を示し、しかもその効力の持続性に優れた
害虫忌避剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明によれば、メンタンヒドロペルオキシド、ツ
ヤンヒドロペルオキシド、カランヒドロペルオキシド、
ボルナンヒドロペルオキシド、p−シメンヒドロペルオ
キシド及びクメンヒドロペルオキシドからなる群から選
ばれた少なくとも1種の有機過酸化物ヒドロペルオキシ
ドを有効成分として含有することを特徴とする害虫忌避
剤が提供される。さらに本発明によれば、少なくとも1
種の有機過酸化物ヒドロペルオキシドと、ベーパースリ
ン、N,N−ジエチル−m−トルアミド、ペリラアルデ
ヒド及びゲラニオールからなる群から選ばれた少なくと
も1種の化合物を有効成分として含有することを特徴と
する害虫忌避剤も提供される。この場合、上記ヒドロペ
ルオキシドとしては、好適にはメンタンヒドロペルオキ
シド、ピナンヒドロペルオキシド、ツヤンヒドロペルオ
キシド、カランヒドロペルオキシド、ボルナンヒドロペ
ルオキシド、p−シメンヒドロペルオキシド及びクメン
ヒドロペルオキシドからなる群から選ばれた少なくとも
1種が用いられる。
【0007】
【発明の作用及び態様】前記したように、殺虫剤やDE
Tを有効成分とする製剤では空間忌避効果が期待でき
ず、特定空間へのゴキブリ等の害虫侵入を阻止すること
は困難である。本発明者らは、各種害虫の生態、習性と
これら害虫に対する空間忌避効果との相関について鋭意
研究を行った結果、揮散性に富むテルペン系の有機過酸
化物ヒドロペルオキシド、特に前記したメンタンヒドロ
ペルオキシド、ツヤンヒドロペルオキシド、カランヒド
ロペルオキシド、ボルナンヒドロペルオキシド、p−シ
メンヒドロペルオキシド及びクメンヒドロペルオキシド
からなる群から選ばれた少なくとも1種の有機過酸化物
ヒドロペルオキシドを有効成分として含有する薬剤が空
間忌避作用に優れ、一定空間内への害虫侵入を有効に阻
止できることを見い出し、本発明を完成するに至ったも
のである。さらに害虫に対する空間忌避作用を強力にす
るためには、上記ヒドロペルオキシドを2種以上併用す
ることができる。
【0008】本発明者らはまた、少なくとも1種の有機
過酸化物ヒドロペルオキシドと、ベーパースリン、DE
T、ペリラアルデヒド及びゲラニオールからなる群から
選ばれた少なくとも1種の化合物を併用することによ
り、これらの化合物の相乗効果により害虫に対する強い
忌避作用を示し、空間忌避作用及び接触忌避作用を有
し、また忌避作用の効力持続性にも優れることを見い出
した。なお、経済的な因子や薬剤の安定性を考慮すると
ペリラアルデヒドやゲラニオールとの併用が有利であ
り、一方、接触忌避効果と効力持続性の点からは特にベ
ーパースリンやDETとの併用が有効であるが、(a)
ヒドロペルオキシド、(b)ベーパースリン及び/又は
DET、(c)ペリラアルデヒド及び/又はゲラニオー
ルの(a)〜(c)群の3種の化合物を併用すれば特に
効果的である。なお、このような有効成分の併用の場
合、上記ヒドロペルオキシドとしてはメンタンヒドロペ
ルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド、ツヤンヒドロ
ペルオキシド、カランヒドロペルオキシド、ボルナンヒ
ドロペルオキシド、p−シメンヒドロペルオキシド及び
クメンヒドロペルオキシドからなる群から選ばれた少な
くとも1種を用いることができる。
【0009】本発明の害虫忌避剤は、ゴキブリ類、たと
えばチャバネゴキブリ、ワモンゴキブリ、トビイロゴキ
ブリのような衛生害虫の他、蚊、ノミ、シラミ、ダニな
どのような吸血、刺咬性害虫、及びイガ、コイガなどの
衣類害虫等に対する忌避剤として有効に用いることがで
きる。従って、本発明の害虫忌避剤は、これを家庭内の
玄関、台所、食堂等や畜舎、農園芸ハウス等の特定区
域、タンス、食物収納庫、衣装ケース、人形ケース等の
収納家具内、及び人体、動物体、植物体、カーペット等
に適用することによって、これらの場所への害虫の飛
来、接近、接触、侵入等を確実に防止し、また上記特定
区域内等での害虫の棲息、食害等及び動植物体の刺咬、
吸血等を有効に回避できる。
【0010】本発明の害虫忌避剤は、上記有効成分化合
物をそのまま害虫忌避を要求される区域等に適用するこ
ともできるが、通常好ましくは適当な担体その他の配合
剤を用いて適用区域、適用方法等に適した各種の形態、
例えば液剤、固剤等に調製して利用される。液剤の形態
に調製するに当り用いられる担体としては、例えばメチ
ルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類、ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ケロ
シン、パラフィン、石油ベンジン等の脂肪族炭化水素
類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、酢酸エ
チル等のエステル類、ジクロロエタン等のハロゲン化炭
化水素類等が挙げられる。
【0011】液剤形態の本発明の害虫忌避剤は、さらに
通常使用される塗膜形成剤、乳化剤、分散剤、展着剤、
湿潤剤、安定剤、噴射剤等の添加剤、例えばニトロセル
ロース、アセチルセルロース、アセチルブチリルセルロ
ース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、酢酸ビ
ニル樹脂等のビニル系樹脂、アルキッド系樹脂、エチレ
ン酢酸ビニル樹脂、ユリア系樹脂、エポキシ系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、
アクリル系樹脂、塩化ゴム、ポリビニルアルコール等の
塗膜形成剤、石けん類、ポリオキシエチレンオレイルエ
ーテルなどのポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテ
ル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどの
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキ
シエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド、ソルビ
タン脂肪酸エステル、高級アルコールの硫酸エステル、
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダなどのアルキルアリ
ルスルホン酸塩等の界面活性剤、液化石油ガス、ジメチ
ルエーテル、フルオロカーボン等の噴射剤、カゼイン、
ゼラチン、アルギン酸、CMC等を配合することによっ
て、塗料形態、接着剤形態、乳剤、分散剤、懸濁剤、ロ
ーション、クリーム、噴霧剤、エアゾール剤等の各種形
態で利用することができる。
【0012】また、固剤の形態に調製するに当り用いら
れる担体としては、例えばケイ酸、カオリン、活性炭、
ベントナイト、珪藻土、タルク、クレー、炭酸カルシウ
ム、陶磁器粉等の鉱物質粉末や、木粉、大豆粉、小麦
粉、でん粉等の植物質粉末等、シクロデキストリン等の
包接化合物等が挙げられる。さらに、該固剤形態に調製
するに当っては、例えばトリシクロデカン、シクロドデ
カン、2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−ト
リオキサン、トリメチレンノルボルネン等の昇華性担体
やパラジクロロベンゼン、ナフタリン、樟脳等の昇華性
防虫剤を用い、上記有効成分化合物を溶融混合又は粉砕
混合後成型して、昇華性固剤とすることもできる。また
本発明の害虫忌避剤は、例えばポリビニルアルコールや
CMC等を用いたスプレードライ法、ゼラチン、ポリビ
ニルアルコール、アルギン酸等を用いた液中硬化法、コ
アセルベーション法等に従ってマイクロカプセル化した
形態に調製することもできる。
【0013】本発明の害虫忌避剤組成物中の有効成分ヒ
ドロペルオキシドの配合量及び該忌避剤の適用量は、そ
の剤型や適用方法、適用場所に応じて適宜に決定すれば
よく、限定的でないが、通常1〜50重量%含有させれ
ばよい。一方、これと併用するベーパースリン、DE
T、ペリラアルデヒド及びゲラニオールはヒドロペルオ
キシド1重量部に対し0.1〜3重量部配合すればよ
い。また、害虫忌避剤の適用量は、例えば塗布使用の場
合、塗布すべき面積1cm2 当りに有効成分化合物を約
0.1mg以上、好ましくは約0.5mg以上とするの
がよく、固剤その他の形態で用いる場合、適用空間1m
3 当り有効成分化合物を約1g以上存在させるのが適当
である。
【0014】さらに、本発明の害虫忌避剤組成物には、
先に列挙したもの以外の公知の害虫忌避剤、効力増強
剤、酸化防止剤、殺虫剤、げっ歯類動物駆除及び忌避
剤、殺菌剤、防黴剤、除草剤、肥料、着香料、着色料等
を配合することができる。配合可能な他の害虫忌避剤と
しては、2,3,4,5−ビス(Δ2 −ブチレン)−テ
トラヒドロフルフラール、ジ−n−プロピルイソシンコ
メロネート、ジ−n−ブチルサクシネート、2−ヒドロ
キシエチルオクチルサルファイド、2−t−ブチル−4
−ヒドロキシアニソール、3−t−ブチル−4−ヒドロ
キシアニソール、1−エチニル−2−メチル−2−ペン
テニル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパン
カルボキシレート、1−エチニル−2−メチル−2−ペ
ンテニル 2,2−ジメチル−3−(2′,2′−ジク
ロルビニル)−シクロプロパン−1−カルボキシレー
ト、N−ヘキシル−3,4−ジクロルマレイミド等が挙
げられる。
【0015】また効力増強剤としては、N−(2−エチ
ルヘキシル)−ビシクロ−[2,2,1]−5−ヘプテ
ン−2,3−ジカルボキシイミド、6−(プロピルピペ
ロニル)−ブチルカルビチルエーテル、N−(2−エチ
ルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ
[2,2,2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボキ
シイミド等を、酸化防止剤としてはブチルヒドロキシア
ニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロー
ル、γ−オリザノール等を、殺虫剤としては一般名アレ
スリン及びその幾何及び/又は光学異性体等のピレスロ
イド類を、げっ歯動物駆除及び忌避剤としてはα−ナフ
チルチオウレア、シクロヘキシミド等を、防菌防黴剤と
してはサリチル酸、安息香酸、ソルビン酸、p−クロロ
−m−キシレノール、2−(4′−チアゾイル)ベンズ
イミダゾール等を、防黴剤としてはα−ブロモシンナミ
ックアルデヒド、N−ジメチル−N−フェニル−N′−
(フルオロジクロロメチル)チオスルファミド等を挙げ
ることができる。
【0016】本発明はまた、上記害虫忌避剤組成物を基
材、例えば各種合成樹脂シート、動植物質又は無機質繊
維体シート(紙、布、不織布、皮革等)、これら合成樹
脂と無機質繊維、動植物繊維又は粉体との混合シート、
混紡布又は不織布、金属の箔もしくはフィルム及び上記
各種シートの積層シートや、家具部材とする天然木材や
プラスチックの成形物に、塗布、含浸、滴下、混練等適
当な方法により保持させてなる害虫忌避材とし、これを
その基材の特性を利用して害虫忌避性を有するフィルム
乃至シートや家具部材等として用いることもできる。
【0017】
【実施例】以下、実施例及び試験例を示して本発明につ
いて具体的に説明する。
【0018】製剤例1 クメンヒドロペルオキシドの2%エチルアルコール溶液
と液化石油ガス−ジメチルエーテル混合物(50:5
0)(容積比)と等量混合してエアゾール缶に充填し、
エアゾール剤形態の本発明の害虫忌避剤を得た。
【0019】製剤例2 クメンヒドロペルオキシド5重量部とトコフェロール3
重量部をエチルアルコールにて20%液になるように調
整し、タルク45重量部を加えて混合しエチルアルコー
ルを揮発させる。さらに硫酸ナトリウム45重量部と無
水ケイ酸2重量部を加え、十分混合して粉剤形態の本発
明の害虫忌避剤を得た。
【0020】製剤例3 メンタンヒドロペルオキシド20重量部とJIS1号灯
油78重量部を混合攪拌し、80℃に加温し2重量部の
ヒマシ硬化脂肪酸を加える。室温まで冷却し、ゲル剤形
態の本発明の害虫忌避剤を得た。
【0021】試験例1 ダンボールにて8×8×8cmの立方体を作り、ゴキブ
リの通り道として底辺から垂直方向に2×2cmの窓を
開けると共に天井部を開放した小箱を2ケ準備する。こ
の小箱に所定量の薬剤を塗布したロ紙(7.5×7.5
cmの中央を2×2cmくり抜いたもの)を2×2cm
の窓が中心になるように敷き、衣装ケース(65×40
×20cm)中に水飲み器5cmφ×2cmを中心にし
て対座させるように配置させる。なお、小箱底の中央に
は2cmφ×2cmのプラスチック容器に固形飼料を入
れたものを載置する。衣装ケースには50匹のチャバネ
ゴキブリを放し飼いにし、固形飼料の喫食量を測定して
ゴキブリ忌避効力を評価した。薬剤として各種ヒドロペ
ルオキシド及び比較のためにDET及びベーパースリン
をそれぞれ単独で用いて得られた結果を表1に示す。
【表1】 表1に示す結果から、DET及びベーパースリンはゴキ
ブリに対する忌避効果が低いが、ヒドロペルオキシド、
特にクメンヒドロペルオキシドは忌避効果(接触忌避及
び空間忌避)に優れ、しかもその効力持続期間が長いこ
とがわかる。
【0022】試験例2 ダンボールにて8×8×8cmの立方体を作り、ゴキブ
リの通り道として底辺から垂直方向に2×2cmの窓を
開けると共に天井部を密閉にした小箱を2ケ準備する。
この小箱内の壁面に所定量の薬剤を塗布したロ紙(7.
5×7.5cm)をピンで留め、衣装ケース(65×4
0×20cm)中に水飲み器5cmφ×2cmを中心に
して一方の小箱と対座させるように配置させる。一方の
小箱には対照としてベーパースリンを塗布したロ紙をセ
ットした。なお、小箱底の中央には2cmφ×2cmの
プラスチック容器に固形飼料を入れたものを載置する。
衣装ケースには50匹のチャバネゴキブリを放し飼いに
し、固形飼料の喫食量を測定してゴキブリ空間忌避効力
を評価した。薬剤として各種ヒドロペルオキシド及び比
較のためにDET及びベーパースリンをそれぞれ単独で
用いて得られた結果を表2に示す。
【表2】 表2に示す結果から、DET及びベーパースリンはゴキ
ブリに対する空間忌避効果が低いが、ヒドロペルオキシ
ド、特にクメンヒドロペルオキシドは空間忌避効果に優
れ、しかもその効力持続期間が長いことがわかる。
【0023】試験例3 薬剤として表3に示す各種化合物の混合剤を用い、前記
試験例1と同様にしてゴキブリ忌避効力を試験した。な
お、対照となる一方の小箱にはベーパースリン5mgを
塗布したロ紙をセットした。その結果を表3に示す。
【表3】 表3に示す結果から、各種化合物を併用することによっ
て空間忌避効果及び接触忌避効果の相乗効果を奏し、さ
らにゴキブリ忌避効果が増強されることがわかる。
【0024】試験例4 空気の流れが1m/秒ある空間内で、14メッシュのナ
イロン編目を用いて10×30×10cmのカゴを作
り、コガタアカイエカの成虫50匹を放し飼いにする。
側面を段ボールで囲い、上方と下方を開放状態として下
方の編目下の左右に8.5cmφ×2cmのシャーレを
置く。他方をブランクとし、もう一方を試料用としてシ
ャーレ内に所定薬量を含浸させた7cmφのロ紙を敷
き、ナイロン編目内の蚊の移動による忌避効果を試験し
た。尚、試料をセットしてから20分後の蚊の分布状況
を観察し、忌避効率を算出した。その結果を表4に示
す。
【表4】 表4に示す結果から、本発明の害虫忌避剤は蚊等の吸
血、刺咬性害虫に対しても優れた忌避効果を示すことが
わかる。
【0025】試験例5 プラスチックシャーレ(底面7.5φ〜蓋面9.5φ×
5.0cm、換算容積277cm3 )の底にロ紙を敷
き、イガ幼虫10匹を入れ、5.0cmφのウール布を
入れた後、蓋をする。2〜3日後、イガ幼虫がウール布
を食害することを確認してから薬剤を投入する。薬剤は
No.5Aロ紙を7×8cmに切り、1cmの網目状に
線を引いておく。7×8cmロ紙に一定薬剤のエタノー
ル液を塗布し、1時間の風乾後1cm2,2cm2 ,3
cm2 ,4cm2 ,5cm2 となるように切ってから前
述のイガ幼虫プラスチックシャーレに入れ経過日数毎の
ウール布の減量からイガ忌避効力を評価した。その結果
を表5に示す。
【表5】 表5に示す結果から、本発明の害虫忌避剤はイガ等の衣
類害虫に対しても優れた忌避効果を有することがわか
る。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明の害虫忌避剤は、
メンタンヒドロペルオキシド、ツヤンヒドロペルオキシ
ド、カランヒドロペルオキシド、ボルナンヒドロペルオ
キシド、p−シメンヒドロペルオキシド及びクメンヒド
ロペルオキシドからなる群から選ばれた少なくとも1種
の有機過酸化物ヒドロペルオキシドを有効成分として含
有するものであるため、空間忌避作用に優れ、一定空間
内への害虫侵入を有効に阻止できる。また、少なくとも
1種の有機過酸化物ヒドロペルオキシドと、ベーパース
リン、N,N−ジエチル−m−トルアミド、ペリラアル
デヒド及びゲラニオールからなる群から選ばれた少なく
とも1種の化合物を有効成分として含有させることによ
り、これらの化合物の相乗効果により害虫に対する強い
忌避作用を示し、空間忌避作用及び接触忌避作用を有
し、また忌避作用の効力持続性にも優れるという効果が
得られる。従って、本発明の害虫忌避剤は、ゴキブリ、
蚊、ノミ、シラミ、ダニ、イガ等の各種衛生害虫、吸血
・刺咬性害虫、衣類害虫類から生活環境を守り、防疫上
有用であり、また作業環境を改善することなどに大きく
寄与するものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メンタンヒドロペルオキシド、ツヤンヒ
    ドロペルオキシド、カランヒドロペルオキシド、ボルナ
    ンヒドロペルオキシド、p−シメンヒドロペルオキシド
    及びクメンヒドロペルオキシドからなる群から選ばれた
    少なくとも1種の有機過酸化物ヒドロペルオキシドを有
    効成分として含有することを特徴とする害虫忌避剤。
  2. 【請求項2】 少なくとも1種の有機過酸化物ヒドロペ
    ルオキシドと、ベーパースリン、N,N−ジエチル−m
    −トルアミド、ペリラアルデヒド及びゲラニオールから
    なる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を有効成分
    として含有することを特徴とする害虫忌避剤。
  3. 【請求項3】 ヒドロペルオキシドがメンタンヒドロペ
    ルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド、ツヤンヒドロ
    ペルオキシド、カランヒドロペルオキシド、ボルナンヒ
    ドロペルオキシド、p−シメンヒドロペルオキシド及び
    クメンヒドロペルオキシドからなる群から選ばれた少な
    くとも1種であることを特徴とする請求項2記載の害虫
    忌避剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011244699A (ja) * 2010-05-23 2011-12-08 Sanix Inc ネズミ用毒餌及びネズミ用毒餌の設置方法

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