JPH0693225A - 発水性塗膜形成用組成物 - Google Patents

発水性塗膜形成用組成物

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JPH0693225A
JPH0693225A JP19707391A JP19707391A JPH0693225A JP H0693225 A JPH0693225 A JP H0693225A JP 19707391 A JP19707391 A JP 19707391A JP 19707391 A JP19707391 A JP 19707391A JP H0693225 A JPH0693225 A JP H0693225A
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coating film
composition
fluorine
water
weight
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JP19707391A
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Inventor
Seiji Kashiwada
清治 柏田
Noriyuki Okamoto
宣之 岡本
Mitsuo Wakimoto
光男 脇本
Koichi Tamura
孝一 田村
Naoya Haruta
直哉 春田
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発水性塗膜形成用組成物で、水滴の滞留を防
ぎ、耐食性などがすぐれている。 【構成】 フッ素含有率が10重量%以上であるフッ素
含有熱硬化性樹脂および平均粒子径が5μm以下の粒状
物を含有することを特徴とする撥水性塗膜形成組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ素含有熱硬化樹脂
と粒状物とを主成分とする撥水性塗膜形成組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び課題】撥水性材料として、例えば、ポ
リエチレンなどの炭化水素系高分子材料、ポリテトラフ
ルオロエチレンなどのフッ素含有樹脂系高分子材料およ
びシリコン系高分子材料等が知られている。このうち、
ポリテトラフルオロエチレンは、水滴接触角が115°
〜120°であり、特に疎水性の高い材料であるが、使
用される目的によってさらに高度の撥水性が要求され、
撥水性の高い材料の開発が望まれている。
【0003】かかる要望に対して、シリコン含有重量性
不飽和単量体を必須成分とするアクリル系共重合体と粒
状物とを主成分とする組成物が提案されているが(特開
平2−8263号)、その塗膜の硬化形式はアルコキシ
シラン基の加水分解に基づく、いわゆる湿気硬化形式で
あるため該組成物を長時間貯蔵すると空気中の水分など
により粘度上昇や、ゲル化などが発生し貯蔵安定性に欠
けるものであった。さらに、形成(硬化)した塗膜の物
理的および化学的性能も不十分となることもある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの問
題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、今回、水
滴接触角が140°以上であり、かつポリテトラフルオ
ロエチレンと比べて、パラフィンとの接触角が大きく、
しかも撥水性の優れた塗膜を形成しうる撥水性の組成物
を開発するに至った。すなわち本発明は、フッ素含有率
が10重量%以上のフッ素含有熱硬化性樹脂および平均
粒子径が5μm以下の粒状物を主成分とすることを特徴
とする撥水性塗膜形成組成物を提供するものである。
【0005】本発明の組成物は、フッ素含有熱硬化性樹
脂と粒状物との2成分を主成分としており、該フッ素含
有熱硬化性樹脂は、基体樹脂と硬化剤とから構成されて
いる。基体樹脂は主鎖および(または)側鎖にフッ素お
よび水酸基を有する樹脂であり、硬化剤は上記水酸基含
有フッ素樹脂を硬化させるための架橋剤であって、アミ
ノ樹脂またはポリイソシアネート化合物(ブロック型も
含む)などがあげられる。
【0006】基体樹脂として、具体的には次の(イ)お
よび(ロ)の共重合体などがあげられる。 (イ)フルオロオレフィン(A)と水酸基含有ビニル単
量体(B)とを主成分とする共重合体。 (ロ)フッ化アルキル(メタ)アクリレートと水酸基含
有ビニル単量体とを主成分とする共重合体。
【0007】(イ)の共重合体について フルオロオレフィン(A)としては、例えばヘキサフル
オロプロペン、テトラフルオロエチレン、モノクロロト
リフルオロエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、
1,2−ジフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、モノ
フルオロエチレンなどが挙げられ、これらのうちフッ化
ビニリデン、テトラフルオロエチレン、モノフルオロエ
チレン及びモノクロロトリフルオロエチレンが共重合性
の点から特に好ましい。
【0008】水酸基含有ビニル単量体(B)は、該フル
オロオレフィンと共重合可能な二重結合と水酸基とを1
分子中にそれぞれ1個以上有するものであり、例えばヒ
ドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビ
ニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒド
ロキシヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシペンチルビ
ニルエーテルなどの水酸基含有ビニルエーテル;2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒド
ロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアク
リレート、ヒドロキシブチルメタクリレート等の水酸基
含有(メタ)アクリレートなどを挙げることが出来る。
これらのうち、水酸基含有ビニルエーテル、なかでも炭
素数2〜6のヒドロキシアルキルエーテル基を有するビ
ニルエーテルがフルオロオレフィンとの共重合性等の点
から特に好ましい。
【0009】さらに、(イ)において、上記両モノマー
と共重合可能なその他の単量体(C)を必要に応じて併
用してもよく、かかる単量体としては、例えばメチル、
エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチル、ヘキシ
ル、オクチル、デシル、ラウリル等のアルキル基やシク
ロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等の脂環式
基を有するビニルエーテル;炭素数1〜18のアルキル
基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;酢酸
ビニルプロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビ
ニル、ラウリル酸ビニルなどのビニルエステル等が挙げ
られる。
【0010】(イ)の共重合体における上記各成分の割
合は、フッ素含有率や目的とする形成塗膜の表面張力や
化学的物理的性質に応じて任意に選択できるが、例え
ば、フルオロオレフィン(A):水酸基含有ビニル単量
体(B):その他の単量体(C)はモル%比で、20〜
90:1〜80:79〜0の範囲が好ましい。
【0011】(イ)にもとずいて水酸基含有フッ素樹脂
の重量平均分子量は、通常2000〜100000、好
ましくは5000〜60000である。分子量が上記範
囲より小さくなると、硬化塗膜の耐水性、塗膜物性が低
下する傾向がみられ、上記範囲より大きくなると、溶解
させた時の粘度が高くなる傾向がある。また該樹脂の水
酸基価は20〜400mgKOH/g程度、更に好ましく
は40〜300mgKOH/gの範囲内である。水酸基価
が上記範囲より小さくなると、硬化性が不足し塗膜の架
橋が十分でなくなり、一方上記範囲より大きくなると、
塗膜の耐水性が低下したり、物性が低下する。
【0012】上記(イ)の共重合体を合成するための共
重合反応は、通常有機溶剤中で重合触媒を単量体合計1
00重量部に対して通常0.01〜5重量部程度配合し
て、温度−20〜150℃程度、圧力は常圧ないしは3
0kg/cm2 G程度までの加圧下で行われる。
【0013】(ロ)の共重合体について フッ化アルキル(メタ)アクリレート(D)の例として
は、2,2−ジフルオロエチル(メタ)アクリレート、
2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレー
ト、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)
アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプ
ロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4
−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,
2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル
(メタ)アクリレート、1,1−ジ(トリフルオロメチ
ル)2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレ
ート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,
7−ドデカフルオロペンチル(メタ)アクリレート、
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,
9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデカニ
ル(メタ)アクリレートなどを挙げることが出来る。
【0014】水酸基含有ビニル単量体(E)は、水酸基
およびフッ化アルキル(メタ)アクリレート(D)と共
重合可能な二重結合を有するものであればよく、例え
ば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0015】さらに、(ロ)において、上記両モノマー
(D)および(E)と共重合可能なその他の単量体
(F)を必要に応じて併用してもよく、かかる単量体と
しては、例えば、炭素数が1〜10の低級アルキル(メ
タ)アクリレート、炭素数が1〜6の低級アルコキシ
(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレ
ート、アクリルアミド、アクリル酸、メタアクリル酸な
どのアクリル単量体が好適であり、スチレン、アルキル
置換スチレン、アクリルニトリル、メタクリロニトリル
等も使用出来る。
【0016】(ロ)の共重合体における上記各成分の割
合は、フッ素含有率や目的とする形成塗膜の表面張力や
化学的物理的性質に応じて任意に選択できるが、例え
ば、フッ化アルキル(メタ)アクリレート(D):水酸
基含有ビニル単量体(E):その他の単量体(F)はモ
ル%比で、20〜80:1〜80:79〜0の範囲が好
ましい。また、該共重合体の重量平均分子量および水酸
基価などは前記(イ)の共重合体で示した範囲内である
ことが好ましい。
【0017】水酸基含有フッ素樹脂の架橋剤として、ア
ミノ樹脂および(または)ポリイソシアネート化合物を
用いる。
【0018】アミノ樹脂としては、具体的には、メラミ
ン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログア
ナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミ
ノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメチロー
ル化アミノ樹脂があげられる。アルズヒドとしてはホル
ムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、ペンツアルデヒドなどがある。また、このメチロー
ル化アミノ樹脂を適当なアルコールによってエーテル化
したものも使用でき、変性に用いられるアルコールの例
としてはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プ
ロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチ
ルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタ
ノール、2−エチルヘキサノール、などがあげられる。
【0019】かかるアミノ樹脂の市販品としてはサイメ
ル303(フルメトキシ化メラミン樹脂、三井サイアナ
ミド社製)、ユーバン20SE−60(ブチル化メラミ
ン樹脂、三井東圧社製)、ニカラックMS−95(メチ
ル・イソブチル化メラミン樹脂、三和ケミカル社製)等
の商標名で市販されているアミノ樹脂を用いることがで
きる。
【0020】水酸基官能性フッ素含有樹脂とアミノ樹脂
の配合割合は固形分比で、水酸基官能性フッ素含有樹脂
100重量部に対して、アミノ樹脂10〜100重量
部、好ましくは20〜70部である。この範囲をはずれ
ると塗膜の硬化性、物理的性能などが低下する。
【0021】ポリイソシアネート化合物は、1分子中に
少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物であ
り具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネートもしく
はトリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの様な脂
肪族ジイソシアネート類:キシリレンジイソシアネー
ト、もしくはイソホロンジイソシアネートの様な環状脂
肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネートも
しくは4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの
様な芳香族ジイソシアネート類のような有機ジイソシア
ネートそれ自体、またはこれらの有機ジイソシアネート
と多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは
水などとの付加物、或いは上記の有機ジイソシアネート
同士の重合体、さらにはイソシアネートビウレット体等
が挙げられる。
【0022】また、ポリイソシアネート化合物として、
イソシアネート基を適当なブロック剤でブロックしたブ
ロック型ポリイソシアネート化合物も用いることが出来
る。このようなブロック型ポリイソシアネートを用いる
ことによって貯蔵性に優れた一液型の発水化処理組成物
を得ることが出来る。ブロック剤としては揮発性の低分
子活性水素化合物が用いられ、例えば、脂肪族または芳
香族モノアルコール、ヒドロキシ第3級アミン、オキシ
ム、活性メチレン化合物、ラクタム、フェノール等の様
な既知のものを挙げることが出来る。
【0023】水酸基含有フッ素樹脂とポリイソシアネー
ト化合物との配合割合は、水酸基含有フッ素樹脂中の水
酸基とポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基
とのモル比に基いて、OH/NCO=0.5〜2.5、
好ましくは0.7〜2.0が適している。
【0024】また、フッ素含有熱硬化性樹脂として上記
単量体にN−メチロールアクリルアミド、N−nブトキ
シメチルアクリルアミドなどのビニル単量体を共重合さ
せてなる自己架橋型樹脂(架橋剤を必要としない)も有
用である。
【0025】本発明において、フッ素含有率とは上記水
酸基含有フッ素樹脂と架橋剤との合計重量に基づいてお
り、自己架橋型樹脂については該樹脂自体に基づいてい
る。
【0026】フッ素含有熱硬化性樹脂中のフッ素原子含
有率は10重量%以上、特に15重量%以上であること
が好ましい。フッ素含有率をこの範囲に調整することに
よって形成硬化被膜面の水滴接触角(水滴側からの角
度)を95°以上(特に好ましくは98〜110°)に
することができる。
【0027】フッ素含有熱硬化性樹脂と共に使用する粒
状物は平均粒子径が5μm以下、好ましくは3μm以
下、より好ましくは1μm以下の粒状物であり、該粒状
物は有機質微粒子及び無機質微粒子のいずれであっても
よいが、塗膜形成後において、塗膜中に粒状物として存
在することが必要である。かかる粒状物の例としては、
シリカ微粉末、フルオロカーボン微粉末、カーボンブラ
ックなどを挙げることができるが、中でもシリカ微粉末
が好ましく、殊に表面をシラザン[(CH33Si−
NH−Si−(CH3 3 ]によって疎水化処理したシ
リカ微粉末が好適である。また真球状シリカ微粒子を配
合することにより、得られる塗膜表面の平滑性を向上さ
せることが出来る。粒状物として、平均粒子径が5μm
を超えるものを用いる塗膜とした場合、微視的にみた塗
膜表面の凹凸が大きくなり撥水性が低下する傾向があ
る。
【0028】本発明においてフッ素含有熱硬化性樹脂と
粒状物の配合割合は特に限定されるものではないが、フ
ッ素含有熱硬化性樹脂固形分100重量部に対して、粒
状物を一般に15〜300重量部、好ましくは30〜1
50重量部の範囲で配合するのが得られる塗膜の撥水性
および物性等の点から好ましい。
【0029】本発明において、上記フッ素含有率を調整
したフッ素含有熱硬化樹脂と、平均粒径5μm以下の粒
状物とを併用することによって、水滴接触角が140°
以上である硬化塗膜を得ることが出来る。本発明の組成
物は、フッ素含有熱硬化性樹脂と粒状物の成分以外に必
要に応じて例えば溶剤、顔料のような着色剤、界面活性
剤などの通常塗料に用いられる添加剤を適宜配合し、混
合することによって得られる。その混合手段としては、
普通一般の撹拌方法又は分散方法を採用することがで
き、例えばディゾルバー、スチールボールミル、ベブル
ミル、サンドミル、アトライターなどを利用して行なう
ことができる。
【0030】本発明の撥水性塗膜形成組成物は、例えば
金属、プラスチック、ガラスまたは木質材料などの基材
表面に直接塗装することができ、またこれらの基材に予
め形成された塗膜の上に上塗り塗料として塗装すること
も可能である。また、本発明の組成物は成型品として物
体表面にラミネートして使用することもできる。
【0031】本発明の撥水組成物を上記の如き基材上に
塗布する方法としては、例えば、スプレー塗り、刷毛塗
り、ローラー塗り、および浸漬塗装などそれ自体既知の
塗装手段を利用することが出来る。また本発明の組成物
は、通常膜厚が0.5〜50μm、好ましくは5〜30
μmの範囲内になるように塗装し硬化させる。塗膜の硬
化は、硬化剤として、非ブロック型のポリイソシアネー
ト化合物を用いた場合は、水酸基含有フッ素樹脂とはあ
らかじめ分離して2液型とし、塗装直前に混合して、常
温〜200℃の温度範囲で乾燥硬化させることができ
る。また、硬化剤として、ブロック型ポリイソシアネー
ト化合物、アミノ樹脂を用いた場合、および熱硬化性樹
脂として自己架橋型樹脂を用いた場合は塗料は一液型と
することができ、その場合の硬化は120〜200℃で
10〜30分間焼付けることによって行われる。
【0032】
【作用および効果】本発明の組成物から形成される塗膜
表面は、顕微鏡写真でみるとミクロンオーダー前後の凹
凸が観察され、ESCA分析からC−F結合が表面に非
常に多く分布していることが判明している。さらに接触
角から算出される表面エネルギーγは下記式: γ=γp+γd(mN/m)ここで、
【数1】 γd=32.8(1+COSθp)/4 θw:水の接触角 θp:パラフィンの接触角 によって算出されるが、本発明の組成物を用いて形成さ
れる塗膜の表面エネルギーは5mN/m以下であり、テ
フロン(γは21mN/m)よりはるかに低い値を示
す。このような低い表面エネルギーを有する表面では水
滴などの付着量は非常に小さく、また水滴は球状になる
ため速やかに離脱する。
【0033】本発明の組成物から形成される被膜などの
表面は、上記の特性を有するから、本発明の組成物は防
水、防着霜、防着雪、防着氷さらには水分による電流の
短絡の防止などの分野において大いに役立つものであ
る。しかも、該組成物の貯蔵安定性がすぐれており、形
成塗膜の物理的および化学的性能も良好である。以下に
実施例及び比較例を示す。これらの例は本発明をより詳
細に説明するためのものであって、本発明に何ら制限を
加えるものではない。「部」および「%」は「重量部」
および「重量%」を示す。
【0034】水酸基含有フッ素樹脂(1)の製造 1000mlのガラス製オートクレーブにヒドロキシプロ
ピルビニルエーテル20部、キシレン64.3部、メチ
ルイソブチルケトン21.4部及びN−ジメチルベンジ
ルアミン0.36部を仕込み、空間部を窒素で置換した
後、フッ化ビニリデン80部を加え、65℃まで加熱し
た。温度が安定した時の圧力は6.2kg/cm2 Gであっ
た。次いでアゾビスイソブチロニトリル0.9部を溶解
したキシレン/メチルイソブチルケトン(重量で3/
1)の混合物14.3部を加え、重合を開始した。撹拌
しながら65℃に20時間保持した。20時間経過後の
オートクレーブの圧力は0.2kg/cm2 Gであった。得
られた水酸基含有フッ素樹脂(1)のワニスの固形分含
有率は約50%であり、水酸基価(樹脂固形分)は約1
10mgKOH/g、重量平均分子量は15000、フッ
素含有率は47%であった。
【0035】水酸基含有フッ素樹脂(3)〜(5)の製
重合性単量体の組成および配合部数を表1に示したとお
りとする以外、製造例1と同様に行って、水酸基含有フ
ッ素樹脂ワニスを得た。
【0036】
【表1】
【0037】実施例1 製造例1で得た固形分50%の水酸基含有フッ素樹脂
(1)ワニス200部に粒状物A(*3)20部を配合
し、シェーカーにて分散を行ない、次いで固形分75%
としたティスモジュールBL3175(住友バイエルウ
レタン(株)製、メチルエチルケトンオキシムブロック
アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート、イソシア
ネート基含有率11.5%)(硬化剤A)96部(水酸
基とイソシアネート基のモル比OH/NCO=1.0)
を撹拌下で加え、更に、混合有機溶剤(トルエン/酢酸
ブチル/エチレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ート=3/1/1)で希釈して固形分15%の撥水性塗
膜形成組成物(A)を得た。
【0038】撥水性組成物(A)を、アルカリ脱脂剤
(日本シービーケミカル(株)製、商品名「ケミクリー
ナー561B」)で脱脂して、水洗後乾燥したアルミニ
ウム板(A−1050、板厚0.8mm)に、膜厚6〜8
μm(硬化塗膜として)になるように塗布し、140℃
で30分間焼付けし、撥水性塗膜を形成させた。その試
験結果を表2に示す。
【0039】実施例2 固形分50%の水酸基含有フッ化アクリル共重合体AS
−1301[三菱レーヨン(株)製、フッ素含有率1
7.5%(対ポリマー)、水酸基価52、重量平均分子
量20,000](水酸基含有フッ素樹脂(2))20
0部に、粒状物(B)(*3)を50部配合し、シェー
カーにて分散を行い、ついでニカラックMS−95(メ
チル・イソブチル混合エーテル化メラミン樹脂、三和ケ
ミカル社製)(硬化剤(B))40部、Nacure5
225(KING INDUSTRIES社製、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸のアミンブロック触媒)1.5部
を撹拌下で加え、更に混合有機溶剤(トルエン/酢酸ブ
チル/エチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト=3/1/1)で希釈して固形分15%の撥水性塗膜
形成組成物(B)を得た。
【0040】ついで実施例1と同様にして、アルカリ脱
脂剤で脱脂して、水洗・乾燥したアルミニウム板膜厚6
〜8μmになるように塗布し、140℃で30分間焼付
けし、撥水性塗膜を形成させた。試験結果を表2に示
す。
【0041】実施例3〜12、比較例1〜6 表2に示す配合および方法を実施例1に準じて行い、固
形分15%の撥水性塗膜形成組成物を得て、実施例1と
同様にして撥水性塗膜を形成させた。尚、表2の配合量
は固形分表示であり、得られた試験板についての試験結
果も表2に示した。
【0042】
【表2】
【0043】表2において、 (*1)水酸基含有フッ素樹脂 (1)、(3)、(4)および(5):前記製造例参
照。 (2):実施例2で説明。 (6):水酸基含有フッ化アクリル共重合体AS−13
03[三菱レーヨン(株)製、フッ素含有率30%(対
ポリマー)、水酸基価52、重量平均分子量20,00
0] (7):水酸基含有フッ化アクリル共重合体AS−66
12(三菱レーヨン(株)製、フッ素含有率30%、N
−nブトキシメチルアクリルアミド官能自己架橋型樹
脂)
【0044】(*2)硬化剤 (A)および(B):実施例1および2で説明。 (C):タケネートB−815N(武田薬品工業(株)
製、商品名、イソホロンジイソシアネートのメチルエチ
ルケトンオキシムのブロックタイプ、イソシアネート基
含有率12.6%) (D):サイメル303(三井サイアナミド社製、フル
メトキシ化メラミン樹脂) (E):タケネートD−160N(武田薬品工業(株)
製、商品名、トリメチロールプロパンアダクトヘキサメ
チレンジイソシアネート、イソシアネート基含有率1
2.8%)
【0045】(*3)粒状物 (A): 平均粒径約0.1μmの疎水シリカ微粉末。
米国キャボット社製、商品名「キャボジルTS−53
0」 (B): 平均粒径約2μmの真球状疎水シリカ微粉末
東芝シリコーン社製、商品名「トスパール」 (C): 平均粒径0.1μmの無処理のシリカ微粉
末。 (D): 平均粒径0.3μmのフルオロカーボン微粉
末。 (E): 平均粒径0.3μmのカーボンブラック微粉
末。 (F): 平均粒径7μmの無処理のシリカ微粉末(富
士デヴィソン社製、商品名「サイロイド308」)
【0046】表2に於ける試験方法は下記方法にて行っ
た。 ゲル分率:膜厚10〜20μの遊離皮膜をアセトン中に
浸漬して、還流下8時間沸騰させた後十分乾燥させて、
皮膜の減量を求め、下の式にてゲル分率を算出した。
【0050】
【数2】
【0051】耐溶剤性:3枚重ねのガーゼにキシレンを
しみ込ませて、試験板の平面部を10往復こすった後の
塗膜の傷付き、溶け落ちの程度を判定した。 ○:異常がみられない。 △:すり傷が生じる。 ×:塗膜が溶け落ち、素地が露出する。 水滴接触角:焼付直後の試験板の塗面に約0.03ccの
脱イオン水の水滴を形成し、20℃にて水滴の接触角を
協和科学(株)製コンタクタングルメーターDCAA型
にて測定した。さらに、該試験板を水道水流水中に12
0時間浸漬したのち、水道水で洗浄後、20℃、75%
RHの環境下に24時間放置した各試験板についても行
った。 水滴の滑落性:試験板の塗面に注射器にて0.03ccの
脱イオン水を滴下し、水滴を作成した。次いで試験板を
傾けて水滴の滑落する試験板の傾斜角度を読み取った。 a:20°未満で落下 b:20°〜40°未満で落下 c:40〜60°で落下 d:60°でも落下しない
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 161/20 PHK 8215−4J 175/04 PHR 8620−4J (72)発明者 田村 孝一 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 春田 直哉 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素含有率が10重量%以上であるフ
    ッ素含有熱硬化性樹脂および平均粒子径が5μm以下の
    粒状物を含有することを特徴とする撥水性塗膜形成用組
    成物。
  2. 【請求項2】 粒状物が平均粒子径3μm以下のシリカ
    微粒子である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 フッ素含有熱硬化性樹脂100重量部に
    対して、平均粒子径5μm以下の粒状物を15〜300
    重量部含有する請求項1または2記載の組成物。
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