JPH0690492B2

JPH0690492B2 - 写真要素

Info

Publication number: JPH0690492B2
Application number: JP61244295A
Authority: JP
Inventors: フランシスビショップジョン
Original assignee: イ−ストマンコダツクカンパニ−
Priority date: 1985-10-17
Filing date: 1986-10-16
Publication date: 1994-11-14
Anticipated expiration: 2009-11-14
Also published as: US4606992A; JPS6295530A; CA1268980A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は写真に関し、さらに詳しく述べると、カラー拡
散転写写真に関する。

〔従来の技術〕

米国特許第4,459,346号は、1984年７月10日付けをもっ
て発行されたものであって、拡散転写フィルム集成体に
関する。この米国特許に記載のフィルム集成体では、支
持体上の受像層を集成体の処理後にその集成体の残りか
ら分離するのを可能ならしめるため、剥離層を使用して
いる。これによって、普通のプリント（いわゆるコンベ
ンショナルプリント）に非常に似かよった嵩のないプリ
ントを一体型の集成体から得ることができる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記したような従来の技術でもって得られるプリントの
場合、色素が、色素像受理層に達する前、比較的に厚い
反射層を通って拡散しなければならないという問題があ
る。このような問題のため、画像鮮鋭度の低下がひきお
こされる。さらに、最終的な色素像をプラスチックの支
持体を通して見なければならない。これがため、Dmaxの
低下がひきおこされ、そして色彩度の低下傾向が発生す
る。

本発明の目的は、したがって、（１）色素の拡散を比較
的に厚い反射層を通って行わせないことにより画像の鮮
鋭度を向上させかつ（２）最終画像をプラスチックの支
持体を通して見る必要性を排除し、よって、Dmax及び色
の彩度を向上させるための方法を見い出すことにある。
これが達成された場合、コンベンショナルプリントによ
り近い形のプリントを得ることが可能になるであろう。

〔問題点を解決するための手段〕

上記した目的は、本発明に従えば、カラー拡散転写写真
において使用するためのものであって、下記の層：透明な支持体、反射層、色素像受理層、前記支持体、反射層及び色素像受理層を処理後に要素の
残りから分離可能である剥離層、アルカリ溶液が透過可能な不透明層、及び色素像提供物質が組み合わさっている少なくとも１つの
ハロゲン化銀乳剤層、を記載の順序で含んでなることを特徴とする写真要素に
よって達成することができる。

本発明の写真要素を使用した写真集成体は、（ａ）上記した写真要素と、（ｂ）写真要素の支持体から最も離れた層上に重ね合わ
された透明なカバーシートと、（ｃ）アルカリ性処理組成物及び不透明化剤を含有して
いて、集成体の処理中、容器に加えられた圧縮力がその
容器の内容物を透明なカバーシート及び写真要素の中間
に放出させるように配置されている破裂可能な容器とを
有している。

集成体の処理中、反射層は、処理組成物で湿めらされた
状態となり、したがって、一体化ユニットにおいて形成
中の画像をこの層及び透明な支持体を通してながめるの
に十分に透明となる。次いで、十分な長さの時間、例え
ば10分間もしくはそれ以上が経過した後、受像層及び反
射層を集成体の残りから剥離する。次いで、反射層（こ
の層は、乾燥後、反射性の表面を提供する）をバックグ
ラウンドして、反対の方向から画像を観察する。

“プレビュー（前観察）”の段階における乾燥画像は、
不透明な層をバックグラウンドとして見ることができる
けれども、この画像観察の改良のための補助として、例
えば二酸化チタンのような白色顔料からなる補助反対層
を剥離層及びハロゲン化銀乳剤層の中間で使用すること
もまた可能である。しかし、この層は、画像を最終的に
観察するための反射層ではないので、比較的に薄くする
ことができる。

本発明の反射層では、必要な反射性を有している限りに
おいてどのような反射材料でも使用することができる。
このような反射材料としては、例えば、光反射性の顔
料、例えば二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、ス
テアリン酸バリウム、珪酸塩類、アルミナ、酸化ジルコ
ニウム、カオリン、雲母など、中実の重合体ビーズある
いは中空の重合体ビーズをあげることができる。

本発明の好ましい１態様に従うと、中空の重合体ビーズ
を反射層中で使用することができる。このようにした場
合、その他の場合には支持体を透過してしまうような入
射光の実質的な量を散乱せしめることによって反射層の
不透明度を増大させることができる。もう１つの好まし
い態様によれば、これらの中空ビーズは1.3〜1.7の屈折
率を有している。このような屈折率があるために、処理
組成物の屈折率に近い屈折率を反射層が呈することが可
能になる。

この本発明の好ましい態様の場合、所望の機能を奏し得
る限りにおいてどのような中空重合体ビーズでも使用す
ることができる。特に良好な材料は、ローム・アンド・
ハース社製のRopaque OP−84（商標）である。この材
料は、説明によると、アクリル系共重合体の水性エマル
ジョンの中空球体であって、外径が約0.5〜0.6μｍ、そ
して内部に形成されたボイドの直径が約0.3μｍであ
る。このビーズは、供給時、乳白色の液体であり、約40
重量％の固体を含み、そして９〜10のpHを有する。さら
に、この層の不透明度を高めるため、少量の二酸化チタ
ンを層に添加してもよい。

本発明のもう１つの好ましい態様において、反射層は、
少なくとも0.05ccの最小空隙率を有している。この空隙
率とは、要素１平方フィート当りの空気量である。例え
ば、上記のRopaque OP−84を約500mg/ft²、そしてゼ
ラチンを約100mg/ft²で使用した場合、得られる空隙率
は空気0.15cc/要素１ft²である。

中空重合体ビーズは、それを本発明の好ましい態様によ
る反射層において使用する場合、所期の目的に有効な任
意の量で使用することができる。一般的には、要素１ft
²当り約150〜約1500mgの濃度の時に良好な結果が得られ
た。本発明において有用なその他の反射材料の場合に
も、当業者が容易にその量を決定することが可能であ
る。

本発明における剥離層としては、必要な性質を有してい
る限りにおいてどのような材料でも使用することができ
る。このような材料は、例えば、米国特許第3,220,835
号、同第3,730,718号及び同第3,820,999号に開示されて
いる。

本発明において有用な色素像提供物質は、ポジ作用ある
いはネガ作用のいずれかであり、そして、アルカリ性組
成物で処理する間、写真要素内において初期に易動性で
あるかもしくは不動性である。

本発明の集成体を使用した場合、得られる画像は横方向
に左右反転である。この画像を“見た通りの”正像とす
るため、例えばミラーのような画像反転光学系をカメラ
内で使用することができる。

〔実施例〕

以下、本発明をさらに説明するための実施例を記載す
る。

米国特許第4,436,160号の例１に記載のものと同様な感
光（ドナー）要素を調製した。この要素は、ネガ作用の
ハロゲン化銀乳剤層、そしてシアン、マゼンタ及び黄の
レドックス色素放出体（ダイ・レリーサー）を含有し
た。なお、これらの物質はすべて常用の画像転写物質で
ある。（註：この要素は、評価目的のための、色素を受
像体に供給するための便宜な手段としてのみ使用し
た。）Ａ）受像要素を、下記の層を透明なポリ（エチレンテレ
フタレート）フィルム支持体上に塗布することによって
調製した。量は、g/m²をカッコでくくって示してある。

１）二酸化チタン（2.2）及びゼラチン（0.22^*）の反射
層、２）ポリ（スチレン−コ−Ｎ−ベンジル−N,N−ジメチ
ル−Ｎ−ビニルベンジルアンモニウムクロリド−コ−ジ
ビニルベンゼン）（重量比98:98:2）（2.3）及びゼラチ
ン（2.3）の受像層、３）Natrosol、ヒドロキシエチルセルロース（0.43）
の剥離層、４）二酸化チタン（8.5）及びゼラチン（1.3）の補助反
射層、及び５）カーボン（1.3）及びゼラチン（0.8）の不透明層。

＊ゼラチンの量は、この層の場合、透過（湿潤）濃度を
下げる目的で減少させた。（ゼラチンが増えた場合には
比較的に低いDmax値が得られる。）Ｂ）前記要素Ａと同様な要素を調製した。但し、この要
素において使用した反射層１）は、直径0.55μｍの中実
のポリ（メチルメタクリレート）ビーズ（2.2）、そし
てゼラチン（0.43）であった。

Ｃ）前記要素Ａと同様な要素を調製した。但し、この要
素において使用した反射層１）は、Ropaque OP−84中
空ビーズ（ローム・アンド・ハース社製）（2.2）、そ
してゼラチン（0.43）であった。

次のような組成をもったアルカリ処理ポッドを調製し
た。

水酸化カリウム 45.0g/l ５−メチルベンゾトリアゾール 3.0g/l 臭化カリウム 2.0g/l カルボキシメチルセルロース 42.0g/l 露光後のドナー要素（段階濃度の赤、緑及び青Dmin/Dma
x露光を実施）を受像体に積層し、そして一対の100μｍ
ギャップの並置ローラを使用してアルカリ処理ポッドの
内容物を散布した。10分間以上の経過後、受像体の赤、
緑及び青ステータスＡ反射濃度を積層ユニットの反射層
側から、支持体を通して、読み取った。これらの“湿潤
（ウェット）”反射濃度は、画像転写要素の現像及び色
素転写の間に経験されるような観察条件を表すものであ
る。

次いで、補助反射層４及び不透明層５を分離し、そして
廃棄した。透明な支持体上に受像層と反射層を有する構
造体の残りを約10分間にわたって乾燥し、そして次に受
像体側からステータスＡ反射濃度を読み取った。この反
射濃度は、現像及び色素転写のすべてを終えた後に認め
られるような最終画像の“乾燥（ドライ）”濃度を表す
ものである。次のような結果が得られた：上記した結果は、受像体のすべてが透過観察（湿潤）及
び乾燥時の反射観察の両方に関して十分な画像識別力を
有していることを示している。

〔発明の効果〕

画像色素が、色素像受理層に達する前、厚い不透明反射
層を通って拡散する必要がないので、得られる画像はよ
りシャープである。さらに加えて、最終的な色素画像
は、厚い透明な支持体を通して見なくてもよいので、得
られるDmaxはより大でありかつ色はより彩度が大であ
る。また、最終プリントは、無関係の層や使用済みのポ
ッドとトラップを剥離し、廃棄してしまっているので、
コンベンショナルプリントに似ている。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】カラー拡散転写写真において使用するため
のものであって、下記の層：透明な支持体、反射層、色素像受理層、前記支持体、反射層及び色素像受理層を処理後に要素の
残りから分離可能である剥離層、アルカリ溶液が透過可能な不透明層、及び色素像提供物質が組み合わさっている少なくとも１つの
ハロゲン化銀乳剤層、を記載の順序で含んでなることを特徴とする写真要素。
【請求項２】得られる画像は横方向に左右反転である、
特許請求の範囲第１項に記載の写真要素。