JPH0688252A - 金属装飾体及びその製造方法 - Google Patents

金属装飾体及びその製造方法

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JPH0688252A
JPH0688252A JP11684492A JP11684492A JPH0688252A JP H0688252 A JPH0688252 A JP H0688252A JP 11684492 A JP11684492 A JP 11684492A JP 11684492 A JP11684492 A JP 11684492A JP H0688252 A JPH0688252 A JP H0688252A
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matte
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layer
decorative body
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JP11684492A
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Kyoko Furuse
京子 古瀬
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブラスト処理により形成された優れたマット
感を有する艶消し部が、所望の部分のみに設けられてい
る優れた艶消し意匠を有する金属装飾体とその製造方法
を提供する。 【構成】 金属基材2の表面に保護金属層5を艶消し部
以外に所望のパターンを形成しエッチングにより艶消し
部の保護金属層5を除去し全体にブラスト処理を施して
金属基材2に艶消し部3を形成し、艶消し部3とそれ以
外の艶の異なる部分4とを形成して金属装飾体1を得
た。 【効果】 保護金属層により金属基材の艶消し部以外が
確実に保護されるため、ブラスト処理した場合に所望の
部分のみを正確に艶消し部とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はブラスト処理により部分
的にマット(艶消し)化された表面を有し、部分的に艶
の異なる意匠を有する金属装飾体及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、艶の異なる部分が設けられた金属
装飾体の製造方法として、1)所望の部分をエッチング
により細かなテクスチャーで金属の表面を浅く広く腐食
させ艶の差を表現する所謂エッチング方法、2)全面に
サンドブラストする方法等がある。上記2)の方法は良
質なマット感が得られるものの、部分的に艶を異ならし
めるのは困難であり、そのために3)感光性樹脂等のレ
ジスト材料を用いて所望のパターンに保護層を形成し
て、該保護層の上から全面にサンドブラスト処理を施し
て艶消し部分を形成した後感光性樹脂を除去して、所望
の部分のみがブラスト処理されたものを得る方法等が知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の製造方法で製造された金属装飾体は、1)のエッチン
グ法では完全なマット感を表現することが出来ず、意匠
性が劣るという欠点があった。また、上記3)のブラス
トによる方法は基材として樹脂表面に金属層を形成した
ものを用いた場合には、弱いブラスト処理で艶消し部を
形成可能であるため、部分的に良好なマット感を有する
ものが得られるが、基材が金属板のようにブラスト処理
を強く行う場合には、艶消し部を覆っている感光性樹脂
層のレジスト材料がサンドブラストに耐えられず金属素
材から剥離し易く所望の部分のみをマット感の優れた艶
消しに形成することが困難であり、従来金属基材を使用
した場合のブラストに耐える保護層がなかった。
【0004】本発明は上記従来技術の欠点を解消しよう
とするもので、ブラスト処理により形成された優れたマ
ット感を有する艶消し部が、所望の部分のみに設けられ
ている優れた意匠性を有する金属装飾体とその製造方法
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明金属装飾体は金属
基材の表面に艶消しの微細な凹凸形状に形成された艶消
し部と、該艶消し部と艶の異なる部分とを有する金属装
飾体において、金属基材の表面に保護金属層を設け該保
護金属層の表面にレジストにより艶消し部以外に所望の
パターンを形成し、エッチングにより艶消し部の保護金
属層を除去し金属基材表面を露出させ、全体にブラスト
処理を施して金属基材に艶消し部を形成し、残っている
保護金属層を除去して、艶消し部とそれ以外の艶の異な
る部分とが形成されているものである。
【0006】また、上記金属装飾体は、ブラスト処理の
前にエッチングにより露出した金属基材表面を更にエッ
チングして腐食させて形成したり、金属基材の表面に予
め万線模様のミクロエンボスを形成しておくこともでき
る。
【0007】本発明金属装飾体の製造方法は、下記の各
工程を順次行うことを特徴とするものである。 (A)金属基材の表面に保護金属層を設ける第1工程 (B)保護金属層表面にレジストにより所望のパターン
を形成する第2工程 (C)エッチングにより艶消しにしたい部分の保護金属
層を除去して金属基材を露出させる第3工程 (D)全面にブラスト加工を施して露出した金属基材の
表面に艶消し部を形成する第4工程 (E)残っている保護金属を除去する第5工程
【0008】また上記製造方法において、第3工程と第
4工程の間にエッチングにより露出した部分の金属基材
を更に腐食させる工程を行ったり、また、金属基材の表
面に予め万線模様のミクロエンボスを形成しておくこと
もできる。
【0009】本発明の金属装飾体とは、金属表面に少な
くとも艶消しの意匠を有し、装飾品としての機能を有す
るものであり、具体的には、ドア枠、窓枠、窓金具、ド
アノブ、鍵穴隠し、ドアの鍵穴部分、丁番、ドアノッカ
ー、ドアの表面化粧、バスルーム金物、その他各種住
宅、店舗等の外装、内装等に用いる金属パネルの如き建
材用化粧板類、電灯や電器スタンド等の照明器具、家具
金物、ハンドル、ツマミ、ホルダー、衣服掛け等のフッ
ク、水道廻りの金物、スイッチプレート、額縁、単なる
装飾品、創作品等がある。
【0010】
【作用】金属基材2の表面の艶消しにする部分以外に保
護金属層5が形成されていることにより、全面にブラス
ト処理を行った際、金属基材2が露出した所望の部分の
みが微細な凹凸を形成して艶消し部3となり、保護金属
層5の部分が金属皮膜により形成されているために、レ
ジストの樹脂皮膜等のようにブラスト処理によって剥離
する虞れがなく、金属基材2の艶消し部3以外がブラス
ト処理されたりするのを防いで、所望の部分のみを正確
にブラスト処理することができる。
【0011】
【実施例】以下、図面に基き本発明を詳細に説明する。
図面は本発明の実施例を示し図1は本発明製造方法の1
例を示す工程図である。
【0012】本発明金属装飾体1は図1(e)に示すよ
うに、金属基材2の表面が艶消しの微際な凹凸形状に形
成されている艶消し部3と、光沢部4のように該艶消し
部3と艶の異なる部分を有するものである。この金属装
飾体1は下記の第1工程〜第5工程を順次行うことで製
造する。
【0013】〔第1工程〕本発明金属装飾体の製造方法
は、図1(a)に示すようにまず金属基材2表面の全面
に保護金属層5を設ける。本発明において用いられる金
属基材2の材質は通常金属装飾体に用いられるエッチン
グ、及びブラスト処理の可能な金属であればよく、例え
ば亜鉛、銅、真鍮、アルミニウム、鉄、ステンレス、ク
ロム等の金属板が挙げられる。金属基材2の厚み、形状
等は特に限定されず、金属装飾体の各用途に応じて適宜
選定すればよいが、形状は平坦な平板状のものが特に好
ましい。
【0014】本発明において用いられる保護金属層5は
アルミニウム、クロム、ニッケル、コバルト、銅、金、
銀、錫、亜鉛、黄銅、ステンレス等の金属を用いること
ができる。保護金属層の形成方法は、金属基材2の表面
に蒸着、溶射、電解メッキ、無電解メッキ、スパッタリ
ング等により形成可能である。保護金属層5は上記金属
基材2と異なるエッチング液による腐食特性を有する材
質が好ましい。また該保護金属層5の厚みは特に限定さ
れないが、後工程のブラスト処理の場合に剥離したり磨
滅せず、且つエッチングを行う場合に容易に剥離できる
程度の厚さが好ましく2〜20μm程度に形成される。
【0015】〔第2工程〕次いで上記保護金属層5の表
面にレジスト層6を全面に設け〔図1(a)〕、該レジ
スト層6を同図(b)に示すように所望のパターンに形
成する。図2はレジスト層パターン形成方法の1例を示
す工程図である。レジスト層6を所望のパターンに形成
するには、図2(ア)に示すようにレジスト層6の表面
に所望のパターンに絵柄を形成した原版フィルム7を重
ね、該原版フィルム7の上からレジスト層6に光8を照
射(露光)してレジスト層6の所望部分のみを硬化させ
る〔図2(イ)〕。次いで現像しレジスト層6の未硬化
の感光性樹脂を除去して、硬化したレジスト層6のみか
らなる所望のパターンが得られる〔同図(ウ)〕。
【0016】原版フィルム7は艶消し部3としたい部分
を黒場とし光沢部4としたい部分を白場としたフィル
ム、又はその反対に艶消し部3としたい部分を白場とし
光沢部4としたい部分を黒場としたフィルムが用いられ
る。
【0017】レジスト層6はネガ型、ポジ型いずれを使
用してもよく原版フィルム7に応じて適宜選定する。例
えば原版フィルムが金属装飾体の艶消し部3を白場、光
沢部4を黒場に形成した場合、レジスト層6の材料にポ
ジ型を用いればよく、またその反対に艶消し部4が黒場
に形成されている原版フィルムを用いた場合にはネガ型
のレジスト材料を用いる。上記レジスト材料のポジ型と
は光を照射した部分が分解し現像により未照射の部分の
みが残り原版フィルムの黒場が所望のパターンに形成さ
れるものであり、またネガ型とは照射部分が架橋された
状態になり現像後に照射部分のみが残り原版フィルムの
白場がパターンとして形成されるものである。
【0018】上記ポジ型のレジスト材料は例えばノボラ
ック樹脂−o−キノンアジド化合物をベースとしたもの
等があり、またネガ型のレジスト材料としては、環状ゴ
ム系、ポリけい皮酸ビニル系等がある。レジスト材料は
通常ネガ型が用いられ、その材質としてポリビニルアル
コールをベースとした水溶性のものを用いるのが好まし
く、この場合現像工程において水洗するだけで未硬化の
レジストを除去可能なので現像が容易である。
【0019】〔第3工程〕次に図1(c)に示すよう
に、保護金属層5表面に所望のパターンにレジスト層6
を形成した金属基材2にエッチングを施して、レジスト
層6のない部分の保護金属層5を腐食させて除去する。
尚、レジスト層6はエッチングの前に除去を行っても、
行わなくても何方でも良い。このエッチングに用いるエ
ッチング液は保護金属層5を腐食させるが金属基材2を
腐食させないものが望ましい。表1に保護金属層の材質
と該保護金属層を腐食可能なエッチング液の組み合わせ
の例を示す。
【0020】
【表1】
【0021】〔第4工程〕金属装飾体1の艶消し部3と
する箇所の保護金属層をエッチングで除去して、金属基
材2の表面を露出させたならば、次に同図(d)に示す
ように全面にブラスト処理を施して露出部分の表面に微
細な凹凸を設け艶消し部3を形成する。ブラスト処理は
サンドブラスト、ショットブラストの公知のブラスト処
理が利用できる。サンドブラスト処理は粒子径1〜10
0μm程度の鉄、炭化珪素、アルミナ、酸化クロム、酸
化鉄等の無機粒子を用い、圧縮空気等の力でノズルの先
端から金属基材の表面に吹きつけることで行われる。ま
たショットブラストは研削粒子に金属ショットを用い
る。
【0022】艶消し部3は通常10〜1000μm程度
の深さに微細な凹凸を形成したものであり、その艶消し
度合いはブラストの研削粒子の粒径、ブラスト処理の時
間、ブラストを当てる強度等により任意に制御可能であ
り、金属装飾体の所望の艶消し度合いに応じて適宜選択
する。
【0023】〔第5工程〕ブラスト処理が終了した後、
金属基材2表面に残存している保護金属層5を除去し
て、図1(e)に示すように除去した部分がブラスト処
理されない光沢部4として形成され、ブラスト処理した
部分が艶消し部3が形成された金属装飾体1を得る。保
護金属層5の除去はエッチングにより残存している保護
金属層を腐食させればよく、この場合、エッチング液に
保護金属層5は腐食するが金属基材2は腐食しないエッ
チング液を用いるのが好ましく、保護金属層5のみを選
択的に除去して金属基材に影響を与えないで良好に処理
を行うことができる。
【0024】このような保護金属層の除去に用いるエッ
チング液として、例えば金属基材に銅を用い保護金属層
にクロムを用いた場合は、エッチング液に塩化第2鉄溶
液を用いるとよく、該エッチング液は保護金属層のクロ
ムのみを選択的に腐食して、金属基材の銅を腐食させな
いために、不要の保護金属層のみ除去して、艶消し部3
や光沢部4等には影響を与えずに良好な金属装飾体表面
が得られ、エッチングの作業も容易に行うことができ
る。
【0025】本発明において、必要に応じて金属装飾体
の表面を保護するためにクロムのような硬い金属の保護
層9をメッキや蒸着により形成してもよい。保護層を形
成することにより金属装飾体の耐久性が向上し、またこ
のようなメッキ仕上げにより鏡面部の光沢(グロス)が
更に向上する。保護層9の厚みは10μm前後程度に設
けるのが好ましい。
【0026】図3は本発明製造方法の他の例を示す説明
図である。本発明製造方法において、図1に示す上記第
3工程と第4工程との間に、エッチング液をそれまでの
保護金属層のみを腐食するエッチング液から、金属基材
を腐食する(保護金属層は腐食させない)エッチング液
に変えてエッチングを行うことができる。図3(a)に
示すように前述した方法でエッチングにより金属基材の
表面を露出させ、ブラスト処理を施す前に同図(b)に
示すように、金属基材2を腐食するエッチング液を用い
て露出した金属基材2の表面を腐食させて金属基材2の
表面(艶消し部3となる部分)を凹部31として形成
し、同図(c)に示すように全面にブラスト処理を施し
て凹部31を艶消し部3として、保護金属層5を除去し
て同図(d)に示すように最終的に形成された金属装飾
体1の艶消し部3と光沢部4に段差を設けることもでき
る。
【0027】図4は本発明製造方法のその他の例を示す
説明図である。本発明では、金属基材2の表面に予め万
線模様のミクロエンボスを設けておくこともできる。図
4(a)に示すように金属基材2の表面の一部(例えば
図1の金属装飾体1の光沢部4)に予めミクロエンボス
からなる万線模様等を形成する。そして同図(b)に示
すように保護金属層5、レジスト層6を全面に形成し、
同図(c)に示すように万線模様10の上にレジスト層
6と保護金属層5が形成されるようにレジスト層のパタ
ーンを設けエッチングを行い、ブラスト処理を施し艶消
し部3を形成し保護金属層5を剥離して該保護金属層の
パターン部分に万線模様10が形成された金属装飾体1
が得られる(同図d)。
【0028】ここで万線模様10は、平行な直線群又は
曲線群状の溝を形成する凹部及び凸部の集合体よりなる
もので、凹部の幅、凸部の幅や凹部深さ及び凸部の高さ
は1〜1000μm程度に形成されるものである。この
万線模様を形成することで視線方向の角度、光源の角度
等によって表面の艶が変化する効果が付与される。万線
模様10を形成するには、前述のレジストパターンの形
成と同様に感光性樹脂等からなるレジストパターンを金
属基材2の表面に形成した後に、該レジストパターン以
外の部分をエッチング液で腐食させて金属素材2の表面
に万線模様10のミクロエンボスを形成する。
【0029】図4ではこの万線模様10を光沢部の全部
に形成したが、形成部分は特に限定されず、光沢部の一
部に形成してもよい。
【0030】図5は本発明金属装飾体1の態様を示す断
面図であり、前述した段差の形成や万線模様を各種組み
合わせることもできる。図5(a)は光沢部4の一部に
万線模様10を設けたものであり、光沢部4と万線模様
10と艶消し部3の3種類の意匠を有する。
【0031】また、図5(b)は図3に示す金属装飾体
の光沢部4を全て万線模様10としてそれ以外の部分の
凹部には艶消し部3が形成されているものである。また
同図(c)は万線模様10、光沢部4、艶消し部3の3
つの意匠に加えて艶消し部3と万線模様10又は光沢部
との間に段差が形成されたものである。
【0033】次に本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
を更に詳細に説明する。 〔実施例1〕厚さ2m/m のしんちゅうの平面板の表面全
面にクロムメッキを行いクロム層を10μm厚みに形成
し、該クロム層の表面全面にネガ型の感光性樹脂(TP
R:東京応化工業製)を約5μm厚みに形成してレジス
ト層を全面に設け、光沢部とする部分を白場としたネガ
フィルムを作成し上記レジスト層の表面に重ね露光、現
像を行いレジストパターンを形成した後、塩酸をエッチ
ング液として用い艶消し部のしんちゅう表面が露出する
までエッチングを行った。次に、クロム層がレジストパ
ターン状に残っている状態で全面にサンドブラストをか
け(♯150)艶消し部に微細凹凸を設けた後、全体を
エッチング液(塩酸)に浸漬して残っているクロム層を
全部除去したところ、光沢部と艶消し部が明確に形成さ
れた柄のある装飾用しんちゅう板が得られた。
【0034】〔実施例2〕厚さ1m/m の銅板の表面全面
にクロムメッキを行いクロム層を10μm厚みに形成
し、該クロム層の表面全面にネガ型の感光性樹脂(TP
R:東京応化工業製)を約5μm厚みに形成してレジス
ト層を全面に設け、光沢部とする部分を白場としたネガ
フィルムを作成し上記レジスト層の表面に重ね露光、現
像を行いレジストパターンを形成した後、塩酸をエッチ
ング液として用い艶消し部の銅表面が露出するまでエッ
チングを行った。次にエッチグ液を塩化第2鉄溶液に換
えて銅板の艶消し部とする部を30μmエッチングし、
クロム層がレジストパターン状に残っている状態で全面
にサンドブラストをかけ(♯150)艶消し部に微細凹
凸を設けた後、全体を腐食液(塩酸)に浸漬して残って
いるクロム層を全部除去したところ、凹部に光沢部が形
成され、凸部に艶消し部が形成され、艶の異なる部分が
段差を有する柄に形成され、しかも艶消し部の風合いが
従来にない外観を呈し優れた意匠性を有する金属装飾体
が得られた。
【0035】〔実施例3〕厚み1m/m のステンレス板の
表面全面に亜鉛メッキを行い亜鉛層を10μm厚みに形
成し、該亜鉛層の表面に部分的に万線模様(万線比が3
0μm:30μm、版深が5μm)のミクロエンボスを
レジスト−エッチングの手法で形成した。次いでネガ型
の感光性樹脂(TPR:東京応化工業製)を約5μm厚
みに形成したレジスト層を全面に設け、ミクロエンボス
の部分を白場としたネガフィルムを作成し上記レジスト
層の表面に重ね露光、現像を行いレジストパターンを形
成した後、希硝酸をエッチング液として用い艶消し部の
ステンレス表面が露出するまでエッチングを行った。次
に亜鉛層がレジストパターン状に残っている状態で全面
にサンドブラストをかけ(♯200)艶消し部に微細凹
凸を設けた後、全体を希硝酸を用いて残っている亜鉛層
を全部除去したところ、万線模様のミクロエンボス部と
艶消し部が明確に表現された柄が得られ、しかも艶消し
部の風合いが従来にない外観を呈し優れた意匠性を有す
る金属装飾体が得られた。
【0036】〔実施例4〕厚み200μmの銅板の表面
全面にクロムメッキを行いクロム層を10μm厚みに形
成し、該クロム層の表面に部分的に万線模様(万線比が
30μm:30μm、版深が5μm)のミクロエンボス
をレジスト−エッチングの手法で形成した。次いでネガ
型の感光性樹脂(TPR:東京応化工業製)を約5μm
厚みに形成したレジスト層を全面に設け、ミクロエンボ
スの部分を白場としたネガフィルムを作成し上記レジス
ト層の表面にネガフィルムを重ね露光、現像を行いレジ
ストパターンを形成した後、塩酸をエッチング液として
用い艶消し部の銅表面が露出するまでエッチングを行っ
た。次にエッチング液を塩化第2鉄溶液に換えて銅板の
艶消し部とする部分を30μm腐食させ、クロム層がレ
ジストパターン状に残っている状態で全面にサンドブラ
ストをかけ(♯150)、艶消し部に微細凹凸を設けた
後、塩酸を用いて残っているクロム層を全部除去したと
ころ、万線模様のミクロエンボス部と艶消し部が明確に
表現された柄が得られ、しかも艶消し部の風合いが従来
にない外観を呈し優れた意匠性を有する金属装飾体が得
られた。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明金属装飾体は
艶消しとしない部分を保護金属層で覆った後にブラスト
処理を行って艶消し部を形成しているために、所望の部
分のみが優れたマット感を有する艶消し部として形成さ
れている金属装飾体が得られる。
【0038】本発明金属装飾体の製造方法は保護金属層
を設けた後にブラスト処理を行う方法を採用したことに
より、艶消し部以外は保護金属層にマスクされるので、
他の部分がマット化されて艶消しになる虞れが全くなく
所望の部分のみ艶消し化して、意匠性に優れる上記の金
属装飾体を確実に効率よく製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明金属装飾体の製造方法の1例を示す説明
図である。
【図2】露光工程を示す説明図である。
【図3】本発明金属装飾体の製造方法の他の例を示す説
明図である。
【図4】本発明金属装飾体の製造方法のその他の例を示
す説明図である。
【図5】本発明金属装飾体の態様を示す断面図である。
【符号の説明】
1:金属装飾体 2:金属基材 3:艶消し部 4:光沢部 5:保護金属層 6:レジスト層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属基材の表面に艶消しの微細な凹凸形状
    に形成された艶消し部と、該艶消し部と艶の異なる部分
    とを有する金属装飾体において、金属基材の表面に保護
    金属層を設け該保護金属層の表面にレジストにより艶消
    し部以外に所望のパターンを形成し、エッチングにより
    艶消し部の保護金属層を除去し金属基材表面を露出さ
    せ、全体にブラスト処理を施して金属基材に艶消し部を
    形成し、残っている保護金属層を除去して、艶消し部と
    それ以外の艶の異なる部分とが形成されていることを特
    徴とする金属装飾体。
  2. 【請求項2】ブラスト処理の前に、エッチングにより露
    出した金属基材表面を更にエッチングして腐食させてな
    る請求項1記載の金属装飾体。
  3. 【請求項3】金属基材の表面に予め万線模様のミクロエ
    ンボスを形成しておく請求項1又は2記載の金属装飾
    体。
  4. 【請求項4】下記の各工程を順次行うことを特徴とする
    金属装飾体の製造方法。 (A)金属基材の表面に保護金属層を設ける第1工程 (B)保護金属層表面にレジストにより所望のパターン
    を形成する第2工程 (C)エッチングにより艶消しにしたい部分の保護金属
    層を除去して金属基材を露出させる第3工程 (D)全面にブラスト加工を施して露出した金属基材の
    表面に艶消し部を形成する第4工程 (E)残っている保護金属を除去する第5工程
  5. 【請求項5】第3工程と第4工程の間にエッチングによ
    り露出した部分の金属基材を更に腐食させる工程を行う
    請求項4記載の金属装飾体の製造方法。
  6. 【請求項6】金属基材の表面に予め万線模様のミクロエ
    ンボスを形成しておく請求項4又は5記載の金属装飾体
    の製造方法
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4014869A1 (de) * 1989-05-10 1990-11-15 Toyota Motor Co Ltd Doppelte drehmomentuebertragungsverbindung zwischen rotations- und wellenelementen in einem getriebe
JP2001105796A (ja) * 1999-07-30 2001-04-17 Sukegawa Electric Co Ltd 金属装飾板とその製造方法
KR100530356B1 (ko) * 2002-09-24 2005-11-22 최선곤 기념패 및 그 제조방법
KR100944044B1 (ko) * 2008-05-02 2010-02-24 양경윤 투명소재를 이용하여 제품표면에 빛의 회절 및 반사에 의한 홀로그램 효과를 발생시키는 패턴 형성방법
JP2016055160A (ja) * 2014-09-04 2016-04-21 ダンロップスポーツ株式会社 金属ストリップを有する物品及び同物品を作製する方法
JP2019126998A (ja) * 2018-01-26 2019-08-01 大日本印刷株式会社 装飾体および装飾体の製造方法

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