JPH0683637U - 被搬送物収納体段積み式ワークストッカ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パレットを多段積みにすることにより特に大
物のワークを省スペースで収納でき、かつ、パレットチ
ェンジャも簡素かつ小型化して省スペースを図ることの
できるワークストッカを提供する。 【構成】 三次元方向に移動自在な把持部８を有すると
ともにこの把持部８で把持した被搬送物Ｗを搬送する搬
送手段４と、この搬送手段４で搬送できるように前記把
持部８が係合できる係合部Ｐａを設けた被搬送物Ｗを収
納するパレットＰと、複数のパレットＰを多段積みして
載置し、搬送装置４の把持部８とパレットＰとの間で被
搬送物Ｗの授受を行う授受位置ＡにパレットＰを位置さ
せるパレット搬送手段３とからなり、所定個数の被搬送
物Ｗを収納したパレットＰの上に搬送手段４が空のパレ
ットＰを積み上げて被搬送物Ｗの収納作業を連続的に行
えるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ロボット等の搬送手段で搬送された被搬送物を収納するパレット等 の被搬送物収納体（以下、パレットという）を複数有し、このパレットに被搬送 物（ワーク）を搬送手段で順次収納できるようにしたワークストッカに係り、特 に前記パレットをも搬送手段により立体的に段積みできるようにした被搬送物収 納体段積み式ワークストッカに関する。

【０００２】

【従来の技術】

搬送手段で搬送された被搬送物をパレットに収納し、被搬送物が収納されたパ レットをさらに順次収納できるようにしたワークストッカがある。この搬送手段 は、走行レール上を直線的に移動するとともに、ワークストッカとの授受位置に おいてパレットに被搬送物を収納するための授受動作を行う。またワークストッ カは被搬送物を収納するためのパレットを複数有し、このパレットを平面内で循 環させて順次搬送するパレット搬送手段も備えていることが多い。そして、搬送 手段を用いて授受位置に搬送された被搬送物をパレットに収納し、被搬送物が収 納されたパレットをパレット搬送手段を用いてパレット毎に順次搬送して収納す るものである。一方、小物部品を複数個収納したトレー箱を立体的に循環させて 収納し、省スペース化を図った装置が特開昭５９−１０８６２２号に開示されて いる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、従来のワークストッカにおいては搬送手段で被搬送物を搬送し、パ レットとの間で被搬送物の授受を行い、またパレット搬送手段でパレットを平面 内で循環させて順次搬送するものであるから、被搬送物を多数個収納するために はパレット搬送手段が大きな装置となり、大きな設置スペースを確保しなければ ならないという問題があった。また、被搬送物が大物になればなるほどパレット が大型となりパレット搬送手段の大型化および設置スペースの拡大化の問題はよ り一層重大となってくる。一方、特開昭５９−１０８６２２号公報に記載の装置 は、複数のトレー箱を立体的に循環移動させてワークの授受を行うため、小物部 品の場合には好適であるが、ワークが大型化，重量化してくるとトレー箱なども 大型化、重量化する。このため、大型化、重量化したトレー箱全部を立体的に循 環移動させることになり、装置の大型化だけでなく駆動装置が効率的でないとい う問題が生じていた。 本考案は上述の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、被 搬送物を収納するパレットを立体的に段積みにして、被搬送物を限られたスペー スの中で多数個収納でき、特に被搬送物が大物であった場合の多数個収納に好適 でかつ構造が簡素なパレット段積み式ワークストッカを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記問題を解決するために本考案のパレット段積み式ワークストッカは、ワー クストッカの基体と、この基体の上方に設けられ、この基体に対して三次元方向 に移動自在な把持部を有する三次元搬送手段と、被搬送物を収納するため複数設 けられ、段積みが可能な被搬送物収納体と、この被搬送物収納体に形成され、こ の被搬送物収納体を前記三次元搬送手段の把持部で把持して前記基体に対して移 動させるための被係合部と、前記基体に設けられ、前記被搬送物収納体を前記基 体に対して水平面内で搬送する被搬送物収納体搬送手段とを有し、前記三次元搬 送手段の把持部により、授受位置にある被搬送物収納体に前記被搬送物の授受動 作を行うとともに、前記被搬送物の授受動作が終了した被搬送物収納体の段積み 動作を行うことを特徴とする。

【０００５】

【作用】

空の被搬送物収納体は搬送手段により搬送されて、あるいは、三次元搬送手段 の駆動によりワークストッカの授受位置に搬入される。被搬送物は、三次元搬送 手段の把持部で把持されて搬送され、前記把持部の三次元方向の移動により前記 授受位置にある被搬送物収納体の所定の位置に収納される。前記被搬送物収納体 に所定個数の被搬送物が収納されると、搬送手段は空の状態の次の被搬送物収納 体を待機位置から搬送して、被搬送物の収納を終えた前記被搬送物収納体の上に 積み重ねる。搬送手段は上段に積み重ねられた空の被搬送物収納体に被搬送物を 収納していく。上述したように、搬送手段は次々と空の被搬送物収納体を積み重 ねて被搬送物を収納していくが、被搬送物を収納した被搬送物収納体が所定の段 数になると被搬送物収納体搬送手段が駆動して段積みされた被搬送物収納体を前 記授受位置から移動させる。以後上記動作を繰り返す。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の好適な実施例を図面に従って詳細に説明する。 図は本考案の一実施例にかかり、図１はパレット段積み式ワークストッカを備 えた加工ラインの平面図、図２は図１の加工ラインの正面図である。 図に示すように、加工ラインの一方側には未加工の被搬送物（以下、ワークと いう）Ｗをワークの軸線を垂直に向けた状態で多数載置するとともに、ワークＷ を搬送装置４との授受位置に一個ずつ順送りするワークフィーダ２が設けられ、 他方側には加工済のワークＷを、ワーク軸線を水平方向に向けた状態で収納する パレットＰを多数載置するとともに、水平面内に循環移動させる被搬送物収納体 搬送手段であるパレット搬送装置３が設けられている。そして、前記ワークフィ ーダ２とパレット搬送装置３との間には、ワークＷを加工するマシニングセンタ などの工作機械Ｍが配置されている。

【０００７】 また、前記ワークフィーダ２，工作機械Ｍ，パレット搬送装置３の上方には、 適宜の間隔で立設された支柱６により支持された走行レール５が架設され、この 走行レールにワークＷを把持して搬送する搬送手段としての搬送装置４が移動自 在に取り付けられている。 そして、この搬送装置４とパレット搬送装置３およびパレット搬送装置３上に 載置された複数のパレットＰとでワークストッカ１が構成されている。

【０００８】 搬送装置４は、走行レール５に沿って走行する第１の走行体９と、この第１の 走行体９から水平方向に延設され、かつ、前記走行レール５に直交する案内レー ル７と、一対の把持爪８ａ，８ｂでワークＷを把持する把持部としてのグリッパ ８と、案内レール７に沿って移動できグリッパ８を昇降させる昇降機構（図示せ ず）を備えた第２の走行体１０とからなっている。第１の走行体９、第２の走行 体１０を移動させる機構、グリッパ８を昇降移動させる機構、グリッパ８を開閉 させる機構は、サーボモータ、ボールねじ、シリンダなどによりなる公知の機構 であるため、ここでは詳細な説明は省略する。この構成によりグリッパ８は三次 元方向に移動が自在である。なお、前記グリッパ８は９０度反転機構を備えてい て、把持したワークＷの姿勢を水平状態と垂直状態との間で変更できるようにな っており、水平状態でワークフィーダ２から受け取ったワークＷを垂直状態に姿 勢変更して工作機械Ｍに装着したり、パレット搬送装置３上のパレットＰに収納 したりすることができるようになっている。また、グリッパ８は、搬送装置４に ２組設けられていて、一方のグリッパ８に未加工あるいは加工済のワークＷを把 持した状態で、他方のグリッパ８で工作機械Ｍ等にワークＷを着脱できるように なっている。

【０００９】 上記態様により、搬送装置４は未加工のワークＷをワークフィーダ２より一個 ずつグリッパ８でワークＷを把持して受け取り、工作機械Ｍまで搬送し、工作機 械Ｍに未加工のワークＷを受け渡す。この工作機械ＭでワークＷに所定の加工が 施されたのち、搬送装置４は工作機械Ｍから加工済のワークＷを受け取り、パレ ット搬送装置３上まで搬送してワーク授受位置にあるパレットＰの所定位置に収 納する。なお、この際、ワークＷを把持していない他方のグリッパ８の把持爪８ ａ，８ｂが、パレットＰやパレットＰに収納されたワークＷに干渉しないように するために、他方のグリッパ８の把持爪８ａ，８ｂを開放しておくか、グリッパ ８を反転させておく必要がある。

【００１０】 ワークＷを収納する箱状のパレットＰは、ワークＷを収納しない空の状態また はワークＷを収納した状態で段積みできるように形成され、その底部中央には、 ２組のグリッパ８の左右の把持爪８ａ，８ｂをそれぞれ挿入できる係合部Ｐａが ４個設けられている。そして、前記左右の把持爪８ａ，８ｂをこの係合部Ｐａに 挿入してグリッパ８を閉動させることにより、パレットＰがグリッパ８に把持さ れ三次元搬送装置４によるパレットＰの搬送が可能になる。

【００１１】 ワークストッカ１を構成するパレット搬送装置３は、順次循環移動が可能なも ので、搬送面上の任意の位置に載置したパレットＰを第１図において反時計方向 に搬送移動するとともに、パレット搬送装置３上の所定の位置に位置決め停止さ せることができるものであるが、公知のものであるので構成その他の詳しい説明 は省略する。 パレットＰは２段積みの状態でパレット搬送装置３上に載置され、三次元搬送 装置４との間でワークＷの授受を行う授受位置Ａにおいて所定個数のワークＷが 収納されたパレットＰは、パレット搬送装置３の図示しない駆動体の駆動により 授受位置Ａから移動する。

【００１２】 図３は、この実施例の被搬送物収納体段積み式ワークストッカの作用を説明す る概略図である。なお、この図３においては、説明の便宜のためパレットＰにＰ ₁ ，Ｐ₂ ，Ｐ₃ と番号を付し、この順番でワークＷを収納するものとして説明す る。 三次元搬送装置４との間でワークＷの授受を行う授受位置Ａには、予めパレッ ト搬送装置３の駆動により空のパレットＰ₁ が移動しているものとする（(a) の 状態）。そして、三次元搬送装置４との間でワークＷの授受を行う授受位置Ａに 後続する位置Ｂには、空のパレットＰ₂ ，Ｐ₃ が段積みされて待機している。す なわち、この位置Ｂが空パレット待機位置である。 工作機械Ｍ（図１参照）から取り出された加工済のワークＷは、三次元搬送装 置４（図１参照）のグリッパ８に把持されて第１の走行体９の移動により授受位 置ＡにあるパレットＰ₁ の上方まで搬送される。そして、第１の走行体９と第２ の走行体１０（図１参照）との移動により、所定の位置に位置決めされた後、図 示しない昇降機構の駆動によりグリッパ８が下降してパレットＰ₁ 内の所定位置 にワークＷが収納される。以後、上記の動作を繰り返してパレットＰ₁ 内に次々 とワークＷが収納される（(b) の状態）。

【００１３】 このパレットＰ₁ に所定個数のワークＷが収納されると、三次元搬送装置４は 位置Ｂにある２段積された空のパレットＰ₂ ，Ｐ₃ の上方まで移動する。そして 、グリッパ８を下降させて上段側のパレットＰ₂ 底部の係合部Ｐａに把持爪８ａ ，８ｂを挿入し、グリッパ８を閉動させ（把持爪８ａ，８ｂをパレットＰ₂ の係 合部Ｐａに挿入した状態を(b) 中二点鎖線で示す）、グリッパ８でパレットＰ₂ を把持させる。三次元搬送装置４は昇降機構を駆動してパレットＰ₂ を持ち上げ 搬送して、ワークＷの収納を終えた前記パレットＰ₁ の上に空のパレットＰ₂ を 積み重ねる。以後、三次元搬送装置４は加工済のワークＷを搬送してパレットＰ ₂ に整列，収納する（(c) の状態）。上段のパレットＰ₂ にも所定個数のワーク Ｗが収納されグリッパ８がパレットＰ₂ と干渉しない位置まで退避すると、パレ ット搬送装置３が駆動して２段積みされたパレットＰ₁ ，Ｐ₂ を授受位置Ａから 搬出する。一方、パレット搬送装置３の駆動により、授受位置Ａには後続の空の パレットＰ₃ が搬入され(a) の状態に戻る。以後、上記動作が繰り返されて次々 とワークＷの収納が行われる。

【００１４】 なお、上述の実施例ではパレットＰは２段積みするものとして説明したが、３ 段積み、あるいはそれ以上としてもよく、また、パレット搬送手段は上述のパレ ット搬送装置３に限られるものでない。また、上述の実施例では、第１段目の空 のパレットＰは、パレット搬送装置３の駆動により授受位置Ａへ搬入されるもの として説明したが、三次元搬送装置４により授受位置Ａに搬送するようにしても よいことは言うまでもない。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は上述のように構成されているので、以下のような効果を奏する。 被搬送物収納体を段積みとし、搬送装置が被搬送物の収納を終えた被搬送物収 納体の上に空の被搬送物収納体を積み重ねながら被搬送物を収納するようにした ので、小さい床面積で多数個の被搬送物を収納することができる。 また、被搬送物を立体的に収納するワークストッカであるにもかかわらず、被 搬送物収納体を水平面内で移動っせる機構を有するのみの簡素な構成とすること ができる。更に、大型で重量物の被搬送物の収納に最適なワークストッカとする ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例にかかり、被搬送物収納体段
積み式ワークストッカを備えた加工ラインの平面図であ
る。

【図２】図１の加工ラインの正面図である。

【図３】被搬送物収納体段積み式ワークストッカの作用
を説明する概略図である。

【符号の説明】

Ｗ ワーク（被搬送物） Ｍ 工作機械 Ｐ パレット（被搬送物収納体） Ｐａ 係合部 Ａ 授受位置 Ｂ 待機位置 １ 被搬送物収納体段積み式ワークストッ
カ ２ ワークフィーダ ３ パレット搬送装置（被搬送物収納体搬
送手段） ４ 三次元搬送装置（三次元搬送手段） ５ 走行レール ６ 支柱 ７ 案内レール ８ グリッパ（把持部）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワークストッカの基体と、 この基体の上方に設けられ、この基体に対して三次元方
   向に移動自在な把持部を有する三次元搬送手段と、 被搬送物を収納するため複数設けられ、段積みが可能な
   被搬送物収納体と、 この被搬送物収納体に形成され、この被搬送物収納体を
   前記三次元搬送手段の把持部で把持して前記基体に対し
   て移動させるための被係合部と、 前記基体に設けられ、前記被搬送物収納体を前記基体に
   対して水平面内で搬送する被搬送物収納体搬送手段とを
   有し、 前記三次元搬送手段の把持部により、授受位置にある被
   搬送物収納体に前記被搬送物の授受動作を行うととも
   に、前記被搬送物の授受動作が終了した被搬送物収納体
   の段積み動作を行うことを特徴とする被搬送物収納体段
   積み式ワークストッカ。