JPH06817U - 自動車用空調装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 風量の低下および騒音の発生を抑えることで
ある。 【構成】 エバポレータ１とミッスクダンパ２との間
に、ミックスダンパ２と連動して回動し、空気の流動方
向に対してミックスダンパ２よりも小さく角度で同一方
向に傾斜する補助ダンパ５を設けたものである。エバポ
レータ１から流れてきた空気は、補助ダンパ５によって
流動方向を変えられてミックスダンパ２の傾斜方向に沿
うので、乱流とはなりにくく、風量の低下および騒音の
発生が防止される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車用空調装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、自動車用空調装置としては、ユニット本体内に吸引した空気をエバポレ ータで冷却，除湿し、ミックスダンパで分流し、一方をそのまま流動させ、他方 をヒータコアで加熱した後、両者を混合して車内に送風するようにしたものがあ る。前記ミックスダンパはエバポレータの下流側流路の中央部に設けた支軸に回 動自在に取り付けられている。また、前記ヒータコアはミックスダンパで２分さ れた流路の一方に配設されている。したがって、ミックスダンパの回動位置によ ってヒータコアで加熱される空気量が変わり、加熱されていない空気との混合比 が変化して送風温度が調整される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記従来の自動車用空調装置では、ミックスダンパの回動位置 によって空気の流動方向を強制的に変更させているため、ミックスダンパに空気 が衝突して乱流となり騒音が発生する。特に、ミックスダンパをフルコールド位 置あるいはフルホット位置に回動させた場合、ミックスダンパでの空気衝突面積 が最大となり、これに伴って風量も低下し、騒音も大きくなる。 本考案は前記問題点に鑑み、風量の低下および騒音の発生を抑えることのでき る自動車用空調装置を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記目的を達成するため、ユニット本体内に吸引した空気をエバポレ ータで冷却，除湿し、ミックスダンパで分流し、一方をそのまま、他方をヒータ コアで加熱した後、両者を混合して所定温度に調整することにより車内に送風す るようにした自動車用空調装置において、前記エバポレータと前記ミッスクダン パとの間に、ミックスダンパと連動して回動し、空気の流動方向に対してミック スダンパよりも小さい角度で同一方向に傾斜する補助ダンパを設けたものである 。

【０００５】

【作用】

本考案では、補助ダンパはミックスダンパの回動に応じて回動位置を変化させ るので、空気の流れがミックスダンパの傾斜方向に沿い、乱流とはなりにくい。

【０００６】

【実施例】

次に、本考案の一実施例について添付図面に従って説明する。 図１において、１はエバポレータで、図示しないブロアによって吸引された内 気あるいは外気を図中左側から右側に通過させて冷却，除湿するためのものであ る。 ２はミックスダンパで、前記エバポレータ１の下流側流路に設けた支軸３を中 心として回動自在に取り付けられており、図２に示すフルホット位置から図３に 示すフルコールド位置の間を回動するようになっている。また、このミックスダ ンパ２の支軸３の外側の端部には連結板４が一体的に設けられている。

【０００７】 ５は補助ダンパで、都合３枚の板状体を所定間隔で平行に配設したものである 。これらの補助ダンパ５は、エバポレータ１とミックスダンパ２との間に支軸５ ａを中心として回動自在に取り付けられている。各補助ダンパ５の一端部はそれ ぞれ隣合うもの同士がリンク６によって連結されている。また、中央の補助ダン パ５の支軸５ａの外側の端部には連結板７が設けられ、この補助ダンパ５と一体 的に回動するようになっている。連結板７の先端部と、前記ミックスダンパ２の 連結板４の先端部との間にはリンク８が回動自在に連結されている。ただし、こ の連結位置は、各ダンパ２，５の回動中心からの距離が異なっており、補助ダン パ５側の連結板７の方が大きくなっている。これにより、ミックスダンパ２に比 べて補助ダンパ５の回動角度が若干小さくなっている。 ９はヒータコアで、前記ミックスダンパ２によって２分された空気流路の一方 に配設されている。

【０００８】 前記各部材を備えた自動車用空調装置では、従来例同様、ミックスダンパ２を 回動させることにより送風温度を調整する。すなわち、図１に示す状態から温度 を上昇させる場合には、ミックスダンパ２をその連結板４とともに支軸３を中心 として時計回り方向に回動させる。補助ダンパ５は、このミックスダンパ２と連 動して回動し、例えば、図２に示すように、ミックスダンパ２をフルホット位置 に回動した場合には、補助ダンパ５は支軸５ａを中心として時計回り方向に回動 して、ミックスダンパ２よりも小さい傾斜角度で停止する。この状態では、エバ ポレータ１から流れてきた空気は補助ダンパ５を通過する際に流動方向を変化さ せられてヒータコア９側に向かうことになる。つまり、直接ミックスダンパ２に 衝突する空気量が少なくなり乱流となりにくいので、従来に比べて風量は増加し 、騒音の発生は小さく抑えられる。

【０００９】 また、図３に示すように、ミックスダンパ２をフルコールド位置に回動させた 場合には、補助ダンパ５は支軸５ａを中心として反時計回り方向に回動し、エバ ポレータ１から流れてきた空気をヒータコア９とは反対側に流動方向を変更させ られるので、ミックスダンパ２には衝突しにくくなり騒音は発生しにくい。 このように、ミックスダンパ２を最も騒音の発生しやすいフルホット位置およ びフルコールド位置に回動させた場合について説明したが、これらの間のいずれ の位置であっても同様な効果が得られることは勿論である。

【００１０】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案に係る自動車用空調装置によれば、ミ ックスダンパの上流に、このミックスダンパと連動して回動する補助ダンパを設 けるようにしたので、空気の流れをミックスダンパの傾斜方向に沿わせることが 可能となる。この結果、空気がミックスダンパに衝突して乱流となることがなく なり、通風抵抗が低下して風量が増加するとともに騒音が小さくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本実施例に係る自動車用空調装置のユニット
本体の部分断面図である。

【図２】 ミックスダンパがフルホット位置にある状態
を示す図１のユニット本体の部分断面図である。

【図３】 ミックスダンパがフルコールド位置にある状
態を示す図１のユニット本体の部分断面図である。

【符号の説明】

１…エバポレータ、２…ミックスダンパ、５…補助ダン
パ、９…ヒータコア。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ユニット本体内に吸引した空気をエバポ
   レータで冷却，除湿し、ミックスダンパで分流し、一方
   をそのまま、他方をヒータコアで加熱した後、両者を混
   合して所定温度に調整することにより車内に送風するよ
   うにした自動車用空調装置において、前記エバポレータ
   と前記ミッスクダンパとの間に、ミックスダンパと連動
   して回動し、空気の流動方向に対してミックスダンパよ
   りも小さい角度で同一方向に傾斜する補助ダンパを設け
   たことを特徴とする自動車用空調装置。