JPH0680777U - 乗客コンベアの安全装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全装置の動作時の事故を低減できる乗客コ
ンベアの安全装置の提供。 【構成】 異常検出スイッチを人為的要因にて発生する
もの１、２、３と、機械の異常により発生するもの４、
５、６に分類し音声合成装置とスピーカ１３を備えた放
送装置１４を備え、人為的異常検出スイッチ動作時には
即時運転を停止し、機械的異常検出スイッチ動作時に
は、停止することを知らせるアナウンスを前記放送装置
１４より放送した後で運転を停止することを特徴とする
乗客コンベアの安全装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、乗客コンベアの安全装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から知られる乗客コンベア、例えばエスカレータに設けられる異常検出用 安全スイッチには法令化されている駆動チェーン或は踏段チェーンの切断安全ス イッチ、乗降部に配設される非常停止スイッチやハンドレール出入口安全スイッ チ、スカートガードスイッチや建屋のシャッタと連動してエスカレータを停止す るシャッタリミットスイッチ等が備えられている。また、その他に、メーカが独 自に備えている安全スイッチがいくつか存在する。

【０００３】 このような安全装置が備えられる乗客コンベアの一例として特開昭５３−１１ ６６９０号公報等がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

このように従来から知られる乗客コンベアに備えられる安全スイッチが動作し た場合には、即時乗客コンベアの運転が停止され、乗客の被害が最小になるよう に配慮されている。しかし、乗客コンベアの中でも上階、或は下階に利用客を運 ぶエスカレータを急停止させた場合利用客がハンドレールをつかんでおらず、バ ランスを崩して倒れ、その後利用客が将棋倒しとなって怪我をすることがあり問 題になっている。

【０００５】 本考案の目的は、このような不具合を解消し、安全装置の動作時の事故を低減 できる乗客コンベアの安全装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記本考案の目的は、少なくとも１つの異常検出スイッチを備え、このスイッ チが動作した時に運転を停止する制御回路を備えた乗客コンベアの安全装置にお いて、前記異常検出スイッチを複数に分類し、この分類に応じて異常検出スイッ チ動作時の停止方法を変えることにより達成される。

【０００７】

【作用】

上記考案によれば、異常検出スイッチを複数に分類しているため各分類ごとに 異常検出時の対応を変更することが可能となる。例えば、上記異常検出スイッチ の分類を機械的異常を検出するスイッチと人為的異常を検出するスイッチとに分 けることにより、機械的異常が検出された時には、乗客コンベア本体或は周囲に 設けた放送装置から停止する旨を知らせる案内を行った後で乗客コンベアを停止 し、人為的異常が検出された時には即時乗客コンベアを停止することにより、乗 客コンベアの急停止に伴う乗客の怪我を防止することができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例をエスカレータに適用した場合について説明する。

【０００９】 図１はエスカレータの起動回路図、図２はエスカレータの安全回路図、図３は 放送回路図である。

【００１０】 図中１は図示しないスカートガードスイッチ動作時に接点が開く常閉接点、２ は図示しないハンドレール出入口安全検出スイッチ動作時に接点が開く常閉接点 、３は図示しない踏段チェーンの切断検出スイッチ動作時に接点が開く常閉接点 、４は図示しないローラ剥離検出スイッチ動作時に接点が開く常閉接点、５は図 示しないローラ浮き上がり検出スイッチ動作時に接点が開く常閉接点、６は図示 しないシャッタリミットスイッチ動作時に接点が開く常閉接点である。７は上昇 運転起動用スイッチ、８は下降運転起動用スイッチ、９は上昇運転用リレーで、 ９ａ₁、９ａ₂、９ａ₃はその常開接点で、９ｂ₁はその常閉接点、１０は下降運転 用リレーで１０ａ₁、１０ａ₂、１０ａ₃はその常開接点で、１０ｂ₁はその常閉接 点である。１１は放送用リレーで、１１ｂ₁、１１ｂ₂はその常閉接点、１２は停 止タイマであり、カウントする時限は変更可能であり、各エスカレータの仕様等 によりその時限が決められる。本実施例では案内放送が終了するまでの時間をタ イマの時限としている。タイマ１２のカウント終了時に接点が開く常閉接点が１ ２ｂ₁である。１３は少なくとも１つのエスカレータ本体或は周辺に設けられる スピーカ、１４は音声合成装置を備えた放送装置である。１５はエスカレータの 踏段を移動させる三相誘導電動機であり、Ｕ、Ｖ、Ｗは三相交流電源、Ｐ、Ｎは 直流電源を示している。

【００１１】 次に動作の説明をする。今、上昇運転起動用スイッチ７が投入されると上昇運 転用リレー９が励磁され、常開接点９ａ₁、９ａ₂、９ａ₃が閉じ三相誘導電動機 １５に電流が供給されエスカレータが上昇運転を開始する。利用客の靴が踏段と スカートガードの間に挟まってしまった場合、スカートガードスイッチがこの異 常を検出し、常閉接点１が開き、上昇運転用リレーが消磁され、これに伴い常開 接点９ａ₁、９ａ₂、９ａ₃が開き、三相誘導電動機１５への電流の供給が行われ なくなりエスカレータは利用客の被害が最小限になるように即時停止させられる 。又、同様に上昇運転中に、ローラ剥離検出スイッチが動作すると、常閉接点４ が開き、放送用リレー１１が消磁される。これに伴い、常閉接点１１ｂ₁、１１ ｂ₂が閉じて放送装置１４が動作し、同時に停止タイマ１２がカウントを開始す る。スピーカ１３からは放送装置１４が備える音声合成装置により急停止する旨 を伝える案内、例えば「急停止します。ハンドレールをしっかりおつかみ下さい 。」等の放送が行われる。その後、放送の終了時間程度に設定されている停止タ イマ１２のカウントが終了し、常閉接点１２ｂ₁が開く。これにより、上昇運転 用リレー９が消磁され、常開接点９ａ₁、９ａ₂、９ａ₃が開き、三相誘導電動機 １５は停止し、エスカレータが停止する。この時、スピーカ１３から放送される 案内をエスカレータ利用客が予め聞いているため、エスカレータが急停止しても 驚くことがなく、しかも利用客は急停止前にハンドレールをしっかりつかむこと ができるため、バランスを崩して倒れることもない。

【００１２】 このように、本実施例では、エスカレータを即時停止する必要があるケースと してスカートガードスイッチ動作、踏段チェーンの切断検出スイッチ、ハンドレ ール出入口安全検出スイッチ動作時を取り上げ、即時停止しなくてもよいケース としてローラ剥離検出スイッチ動作、ローラ浮き上がり検出スイッチ動作、シャ ッタリミットスイッチ動作時を取り上げており、即時停止による被害の悪化防止 、案内放送後の停止による利用者の将棋倒し事故の防止を可能としている。この スイッチの分類分けや、各分類別の安全スイッチ動作後の処理はエスカレータの 性能、備えられる建物の種別等によりそれぞれ決められることになる。一例とし ては、利用客が原因で発生する異常と機械的異常により動作する安全スイッチを それぞれ区別し、人為的異常発生時には即時停止、機械的異常発生時には前述の ような案内放送、或はブザー等の警報音の後に停止することにより同様の安全性 が確保できる。

【００１３】

【考案の効果】

本考案によれば、安全スイッチを複数に分類分けし、各分類ごとに対応動作を 変更可能に構成しているため、常時利用客の安全を確保できると共に、乗客コン ベアの急停止時における利用客の安全をも確保できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すエスカレータの起動回
路図である。

【図２】エスカレータの安全回路図である。

【図３】放送回路図である。

【符号の説明】

７ 上昇運転起動用スイッチ ８ 下降運転起動用スイッチ ９ 上昇運転用リレー １０ 下降運転用リレー １１ 放送用リレー １２ 停止タイマ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも１つの異常検出スイッチを備
   え、このスイッチが動作した時に運転を停止する制御回
   路を備えた乗客コンベアの安全装置において、前記異常
   検出スイッチを複数に分類し、この分類に応じて異常検
   出スイッチ動作時の停止方法を変えることを特徴とする
   乗客コンベアの安全装置。