JPH0653576U - エスカレータの安全装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エスカレータ下降運転中の非常停止による利
用者の安全を確保できるエスカレータの安全装置の提
供。 【構成】 少なくともエスカレータの下部乗降口に備え
られ、使用時に踏段２の長さ程度に膨張するエアバッグ
袋体８を有するエアバッグ装置７と、踏段２が、下降方
向へ回転中に異常検出手段が異常を検出すると、踏段２
を緊急停止させると共にエアバッグ装置７を動作させる
手段とを備えている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、エスカレータの安全装置に係り、特に下降運転中に発生する急停止 時の乗客の安全を図るエスカレータの安全装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来エスカレータ利用客が踏段上で転倒したりしないよう、踏段を多少の角度 を有する状態で移動させる方法が特開平３−１１３８６３号公報で提案されてい る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、この公報に開示される方法を用いてもエスカレータを下降運転してい る時に安全装置が動作して踏段が急停止してしまうと、利用者はバランスをくず し、前方に倒れてしまう。最近では汚れたハンドレールを掴むのを嫌うエスカレ ータ利用者が多く、下降運転時における利用者の安全確保が難しくなってきてい る。

【０００４】 本考案の目的は、エスカレータ下降運転中の非常停止による利用者の安全を確 保できるエスカレータの安全装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の目的は、無端状に連結され回動する踏段と、エスカレータの各部に設 けられる異常を検出する手段と、この異常検出手段が異常を検出した時に前記踏 段を緊急停止させる制御手段とを備えたエスカレータの安全装置において、少な くともエスカレータの下部乗降口に備えられ、使用時に前記踏段の長さ程度に膨 張するエアバッグ袋体を有するエアバッグ装置と、前記踏段が下降方向へ回動中 に前記異常検出手段が異常を検出すると、前記踏段を緊急停止させると共に前記 エアバッグ装置を動作させる制御手段とを備えたことにより達成される。

【０００６】

【作用】

上記構成によれば、最も危険であるエスカレータ下降運転中の急停止時に、少 なくとも下降乗降口に設けたエアバッグ装置が動作し、エアバッグ袋体が膨張し て、急停止により前方に倒れてきた利用客を受けとめるので、利用客が大怪我す ることを防ぐことができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面を用いて説明する。図１はエスカレータ下部乗 降口の拡大図を示しており、図２は図１中のエアバッグ装置が動作した場合を示 している。図３はエアバッグ装置を動作させる制御回路を示している。

【０００８】 図中１は下部機械室を覆うカバープレート、２は無端状に連結された踏段、３ は踏段２と同期して回動する手摺、４は欄干を構成する強化ガラス、５は強化ガ ラス４を固定し、手摺３に加わる力を支える欄干柱、６は靴が挟み込まれること を防ぐスカートガード、７はエアバッグ装置を示している。このエアバッグ装置 ７は、自動車によく用いられるものと同様の構造のものである。８はエアバッグ 袋体であり、通常は小さく折り畳まれ、エアバッグ装置７内の収納部に収められ ている。このエアバッグ袋体８は膨張した時にエスカレータの踏段の幅程度の長 さとなることを特徴とする。

【０００９】 図３の制御回路中のＵＰは上昇運転起動スイッチ、ＤＮは下降運転起動スイッ チ、ＯＦＦは停止用スイッチ、１０、２０、３０は運転制御用リレー、１０ａは リレー１０の常開接点、１０ｂはリレー１０の常閉接点、２０ａはリレー２０の 常開接点、２０ｂはリレー２０の常閉接点、３０ｂ₁、３０ｂ₂はリレー３０の常 閉接点、４０は上昇運転リレー、５０は下降運転リレー、４０ａはリレー４０の 常開接点、５０ａ₁、５０ａ₂はリレー５０の常開接点、６０ａは図示しない安全 装置の動作時に接点が閉じる常開接点、同時に６０ｂ₁、６０ｂ₂はこの図示しな い安全装置の動作時に接点が開く常閉接点、７０は制御用リレー、７０ａはリレ ー７０の常開接点、ＡＩＲはエアバッグ装置動作リレーを示しており、Ｐ、Ｎは 常用電源を示す。

【００１０】 次に本実施例の動作の説明をする。まず、エスカレータを下降運転する場合に は下降運転起動スイッチＤＮを操作する。このスイッチ操作によりＰ−ＤＮ−２ ０−Ｎの閉回路が構成され、リレー２０が付勢される。このリレー２０の付勢に より常開接点２０ａは閉じ、常閉接点２０ｂ₁は開く。常閉接点２０ｂが開くた め上昇運転リレー４０が付勢されることがない。上昇運転起動スイッチＵＰが操 作されないので常開接点１０ｂは閉じている。安全装置も動作していないので６ ０ｂ₂も閉じている。よって、Ｐ−２０ａ−１０ｂ−６０ｂ₂−５０−Ｎの閉回路 が構成され、エスカレータは下降運転を開始する。リレー５０が付勢されるので 、常開接点５０ａが閉じ、停止用スイッチＯＦＦが操作されないので常閉接点３ ０ｂ₂は閉じている。これによりＰ−５０ａ−３０ｂ₂−６０ｂ₂−５０−Ｎの閉 回路が構成され、リレー５０は自己保持される。その後、下降運転起動スイッチ ＤＮを離してもエスカレータは下降運転を継続する。この運転は、停止用スイッ チＯＦＦの操作、或は図示しない安全装置の動作があるまで続けられる。又、下 降運転中は、リレー５０が付勢されたままなので常開接点５０ａ₂が閉じ、リレ ー７０を付勢させる。このリレー７０の付勢により常開接点７０ａが閉じたまま となるため、下降運転時に安全装置が動作すると、常閉接点６０ｂ₁、６０ｂ₂が 開いてエスカレータの運転を停止させると共に、常開接点６０ａが閉じることに よりエアバッグ装置動作リレーＡＩＲが付勢され、エアバッグ装置７からエアバ ッグ袋体が膨張して乗降口を覆い、利用者が倒れても大怪我をしないようにする 。

【００１１】 このエアバッグ装置動作リレーＡＩＲは、下降運転時にしか動作しないように 構成されており、上昇運転時には、リレー５０が付勢されないため動作しない。

【００１２】 本実施例においては、下部乗降口にエアバッグ装置を設けた例について説明し たが、図中の欄干柱５を太いものとし、この欄干柱５内にエアバッグ装置を内蔵 させ、小型のエアバッグ袋体を用い、踏段２の角を覆うように膨張させることに よりエスカレータ非常停止時における利用者の大怪我を防止することができる。

【００１３】

【考案の効果】

本考案によれば、エスカレータ下降運転中に踏段が急停止した時に、少なくと も下部乗降口に設けたエアバッグ装置が動作し、エアバッグ袋体が乗降口を覆う ように膨張するため、前に倒れた利用客が、次々に倒れ、最下部の利用客が他の 人の重さにより下部乗降口に勢いよく倒れても乗客が大怪我したりすることがな い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のエスカレータの安全装置の一実施例を
記す下部乗降口の拡大図である。

【図２】図１のエアバッグ装置が動作した場合を示す説
明図である。

【図３】エアバッグ装置を動作させる制御回路図であ
る。

【符号の説明】

１ カバープレート ２ 踏段 ３ 手摺 ４ 強化ガラス ５ 欄干柱 ６ スカートガード ７ エアバッグ装置 ８ エアバッグ袋体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 無端状に連結され回動する踏段と、エス
   カレータの各部に設けられる異常を検出する手段と、こ
   の異常検出手段が異常を検出した時に前記踏段を緊急停
   止させる制御手段とを備えたエスカレータの安全装置に
   おいて、少なくともエスカレータの下部乗降口に備えら
   れ、使用時に前記踏段の長さ程度に膨張するエアバッグ
   袋体を有するエアバッグ装置と、前記踏段が下降方向へ
   回動中に前記異常検出手段が異常を検出すると、前記踏
   段を緊急停止させると共に前記エアバッグ装置を動作さ
   せる制御手段とを備えたことを特徴とするエスカレータ
   の安全装置。