JPH0679428A - ダイキャスト金型装置及びその鋳造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 注湯時におけるガス抜きをより完全ならしめ
て巣欠陥のない良質の鋳造品を得るためのダイキャスト
金型装置及びその鋳造方法を提案すること。 【構成】 キャビティ４とスリーブ６とを連通する湯道
５の該スリーブ６よりも高い位置に、該湯道５を連通あ
るいは遮断可能とされたバルブ機構１０と、該バルブ機
構１０による上記湯道５の遮断状態において上記スリー
ブ６と上記キャビティ４とをそれぞれ外部に連通して該
スリーブ６内及びキャビティ４内の気体を外部へ排出せ
しめる気体排出手段Ｙとを設け、上記バルブ機構１０を
して上記湯道５を遮断せしめた状態でプランジャ９で上
記スリーブ６内の溶湯をその湯面が上記バルブ機構１０
の近傍に達するまで押し出すとともにこの間に上記スリ
ーブ６側に発生するガスと上記キャビティ４内に残留す
る空気とをそれぞれ上記気体排出手段をして外部へ排出
せしめるもの。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本願発明は、ダイキャスト金型装
置及びその鋳造方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ダイキャスト鋳造においては、プランジ
ャにより溶湯をキャビティ内に射出充填するようにして
いるが、この場合に問題となるのが、溶湯から発生する
ガスあるいはキャビティ内に残留する空気に起因する鋳
造品の巣の発生である。

【０００３】これを防止する方法として、例えば特開平
２ー１３３１５９号には、溶湯射出用のピストンが嵌挿
された筒状部材の周壁の一部に、注湯口に連通する溝状
のガス排出部を形成し、該筒状部材内に供給された溶湯
から発生するガスを上記ピストンの射出動作に伴って上
記ガス排出部から順次外部へ排出し、もって該ガスがキ
ャビティ内に持ち込まれるのを可及的に防止するように
した技術が開示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来方
法によれば、溶湯から発生するガスの大部分は外部へ排
出されるものの、上記筒状部材とキャビティとが湯道を
介して常時連通状態にあるため、該ガスとキャビティ内
に残留する空気との圧力差により該ガスがキャビティ内
に流入して空気との混合ガスとして残留することとな
り、このため例えキャビティへの溶湯射出時にこれと並
行して適宜のガス排出装置でガス抜きを行ってもこの混
合ガスの全てを完全に排出することはできず、結果的に
巣が発生することが懸念されるものである。

【０００５】そこで本願発明は、注湯時に溶湯から発生
するガスがキャビティ側に流入するのを可及的に防止す
るとともに、該キャビティ内の残留空気を溶湯の射出に
先立って排出することで鋳造品の巣の発生を可及的に防
止し得るようにしたダイキャスト金型装置及びその鋳造
方法を提案せんとしてなされたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として、請求項１記載のダ
イキャスト金型装置では、衝合・分離可能とされた金型
に、プランジャが摺動可能に嵌挿されるスリーブと所定
形状のキャビティとを、該キャビティが上記スリーブよ
りも高位に位置するようにしてそれぞれ設けるととも
に、該キャビティとスリーブとを湯道を介して相互に連
通させ、上記スリーブ内に供給された溶湯を上記プラン
ジャにより上記湯道を介して上記キャビティに射出充填
するようにしたものにおいて、上記湯道の上記スリーブ
よりも高い位置に、上記湯道を連通あるいは遮断可能と
されたバルブ機構と、該バルブ機構による上記湯道の遮
断状態において上記スリーブと上記キャビティとをそれ
ぞれ外部に連通して該スリーブ内及びキャビティ内の気
体を吸引して外部へ排出せしめる気体排出手段とを設け
たことを特徴としている。

【０００７】請求項２記載のダイキャスト金型装置で
は、請求項１記載のダイキャスト金型装置において、上
記プランジャは、溶湯射出方向において低速前進範囲と
これに続く高速前進範囲の二つの前進動作範囲をもち且
つ高速前進移行直前に上記スリーブ内の溶湯の湯面が上
記バルブ機構の溶湯上流側の近傍に達するようにその動
作範囲を湯面に対応して設定する一方、上記バルブ機構
は、上記プランジャが低速前進状態から高速前進状態に
移行する直前に上記湯道を遮断状態から連通状態とする
如くその作動特性を設定したことを特徴としている。

【０００８】請求項３記載の鋳造方法では、金型内に設
けられたキャビティとスリーブとを連通する湯道の途中
で且つ上記スリーブより高い位置に設けられて該湯道を
連通あるいは遮断するバルブ機構と、該バルブ機構によ
る上記湯道の遮断状態において上記スリーブと上記キャ
ビティとをそれぞれ外部に連通して該スリーブ内及びキ
ャビティ内の気体を外部へ吸引して排出せしめる気体排
出手段とを設け、上記スリーブ内に供給された溶湯をプ
ランジャにより上記キャビティ内に射出充填するように
したダイキャスト金型装置を使用し、上記バルブ機構を
して上記湯道を遮断せしめた状態でプランジャを低速前
進させて上記スリーブ内の溶湯をその湯面が上記バルブ
機構の近傍に達するまで押し出すとともにこの間に上記
スリーブ側に発生するガスと上記キャビティ内に残留す
る空気とをそれぞれ上記気体排出手段をして外部へ排出
せしめる一方、該湯面がバルブ機構の近傍に達した時点
で該バルブ機構をして上記湯道を連通せしめるとともに
上記プランジャを高速で前進させて上記溶湯を上記キャ
ビティ内に射出せしめることを特徴としている。

【０００９】

【作用】本願各発明ではかかる構成とすることによって
それぞれ次のような作用が得られる。

【００１０】 請求項１記載の発明にかかるダイキャ
スト金型装置では、スリーブ内に溶湯を注湯した状態に
おいてバルブ機構をして湯道を遮断することで溶湯から
発生する圧力の高いガスがキャビティ側に流入するのが
確実に防止されるとともに、この状態においてさらに該
スリーブ側のガスとキャビティ側の残留空気とがそれぞ
れ気体排出手段によって外部へ吸引排出される。従っ
て、上記バルブ機構により上記湯道を連通させて上記キ
ャビティ内に溶湯を射出充填する場合、該キャビティ内
に残留気体(ガスあるいは空気)がほとんど存在せず、溶
湯への気体の混入が確実に防止されるものである。

【００１１】また、この注湯時においては、キャビティ
内が気体排出手段の吸引作用によって真空化されている
ことから、該キャビティへの注湯がよりスムーズに行な
われるものである。

【００１２】 請求項２記載の発明にかかるダイキャ
スト金型装置では、上記記載の作用に加えて、バルブ
機構による湯道の遮断状態(即ち、ガス及び空気の排出
状態)から連通状態(即ち、ガス及び空気の排出が停止さ
れ、溶湯のキャビティへの射出が許容される状態)への
切換タイミングをプランジャによる溶湯の押し出しに伴
って湯面が該バルブ機構の近傍に達する時点に設定して
ガス残留空間を可及的に小ならしめるとともに、この溶
湯の押し出しをプランジャの低速前進範囲において比較
的長い時間をかけて行なうようにしていることから、ス
リーブ側のガスとキャビティ側の空気の排出作用がより
一層促進されるものである。

【００１３】 請求項３記載の発明にかかる鋳造方法
では、溶湯から発生するスリーブ側のガスとキャビティ
内に残留する空気とを相互に隔離した状態でそれぞれ外
部に吸引排出することで該キャビティ側へのガスの流入
を阻止するとともにキャビティ内の真空度を高め、この
状態で上記キャビティ内に溶湯を射出するものであるこ
とから、該キャビティ内への溶湯の射出充填がよりスム
ーズに行なわれるとともに、該溶湯への気体の混入が確
実に防止されるものである。

【００１４】

【発明の効果】従って、本願各発明のダイキャスト金型
装置及びその鋳造方法によれば、バルブ機構によってス
リーブ側とキャビティ側とを遮断してスリーブ側のガス
のキャビティ側への流入を阻止するとともに、遮断状態
でスリーブ側とキャビティ側の気体を気体排出手段によ
ってそれぞれ吸引排出することにより、該スリーブ側の
ガスとキャビティ側の残留空気を両者の圧力差にもかか
わらず効果的に排出して溶湯への気体の混入を確実に防
止することができ、これにより混入気体に起因する鋳造
品の巣欠陥の発生が確実に防止され、該鋳造品の品質向
上あるいは製品歩留りの向上が図れるという効果が奏せ
られるものである。

【００１５】また、キャビティへの溶湯の射出時には該
キャビティ内の真空度が高くなっていることから、該溶
湯のキャビティ内への充填がよりスムーズならしめら
れ、それだけ製品精度の向上と作業能率の向上が図れる
という効果もある。

【００１６】

【実施例】以下、添付図面に示す実施例に基づいて本願
発明のダイキャスト金型装置及びその鋳造方法を具体的
に説明する。

【００１７】図１には本願発明の実施例にかかるダイキ
ャスト金型装置が示されており、同図において符号Ｚは
固定金型１とこの固定金型１に対して横方向から衝合・
分離可能とされた第１可動金型２と第２可動金型３の三
つの金型で構成されたダイキャスト金型である。このダ
イキャスト金型Ｚは、上記各金型１〜３の衝合組付状態
において、上記固定金型１と第１可動金型２との衝合面
部分に該固定金型１側に凹入するキャビティ４を形成す
るとともに、該キャビティ４の下端縁部分に連続して湯
道５が形成されている。更に、この湯道５の下端部は、
上記固定金型１の内部に略水平方向に向けて埋設された
スリーブ６の内部空間に連通されている。

【００１８】また、上記スリーブ６の外端部には、プラ
ンジャブッシュ８とプランジャ９とを備えてなるプラン
ジャ装置Ｘの該プランジャブッシュ８が同軸状に連結さ
れており、該スリーブ６の内部空間と該プランジャブッ
シュ８の内部空間とで所定容積をもつ貯湯部７が形成さ
れている。さらに、上記プランジャ９は、同図に実線図
示及び鎖線図示するように、該プランジャブッシュ８と
スリーブ６とに跨って上記貯湯部７内をその軸方向(矢
印aーb方向)に摺動可能とされ、該貯湯部７に供給され
た溶湯Ｆを上記湯道５を介して上記キャビティ４側に射
出し得るようになっている。

【００１９】尚、上記プランジャ９は、図１に実線図示
する低速前進開始位置から鎖線図示する高速前進開始位
置を経て鎖線図示する射出完了位置までの間で摺動可能
とされ、しかもその摺動速度は、上記低速前進開始位置
から高速前進開始位置までの範囲では低速で摺動し、該
高速前進開始位置から射出完了位置までの範囲では高速
で摺動するように二段階に設定されている。また、上記
低速前進開始位置は上記貯湯部７へ溶湯を供給する注湯
位置となるもので、該低速前進開始位置の近傍には注湯
口１９が形成されている。さらに、このプランジャ９の
ストローク及び上記各位置及び上記貯湯部７への溶湯供
給量は次のように設定されている。即ち、図１に実線図
示する如くプランジャ９が低速前進開始位置にある場合
において貯湯部７内に供給された溶湯Ｆは、該プランジ
ャ９の前進動作に伴って次第にキャビティ４側に向けて
押し出されてその湯面が上昇し、該プランジャ９が上記
高速前進開始位置に達した時点においては該溶湯Ｆの湯
面が同図に鎖線図示(符号Ｆa参照)するように上記湯道
５の途中に位置するとともに、該プランジャ９が上記射
出完了位置に達した時点においては上記キャビティ４内
に溶湯Ｆが完全に充填されるように、相互に関連させて
設定されている。

【００２０】一方、上記湯道５の途中には、後述のバル
ブ機構１０及び気体排出手段Ｙが配置されている。上記
バルブ機構１０は、上記湯道５の上記湯面Ｆaの直下流
位置にその径方向から連通する如く上記第１可動金型２
に形成した弁体嵌挿穴１５内に摺動可能に嵌挿された弁
体１１と、該弁体１１の後端に連結されて該弁体１１を
その軸方向に進退駆動するシリンダ１６とを有してい
る。そして、該バルブ機構１０は、図２に示す如く上記
弁体１１が上記湯道５をその径方向に貫通状態で突出し
て該湯道５を遮断する遮断位置と、図３に示す如く上記
弁体１１が上記湯道５の周面より後方に後退して該湯道
５を連通状態とする連通位置の前後二位置に選択的に位
置設定可能とされている。

【００２１】尚、このバルブ機構１０の作動制御は上記
プランジャ９の作動位置に対応してコントロールユニッ
ト(図示省略)により次のようにして行なわれる。即ち、
このバルブ機構１０は、上記プランジャ９がその低速前
進開始位置から前進して高速前進開始位置に達するまで
の範囲内においては遮断位置に設定される一方、該プラ
ンジャ９が高速前進開始位置に達すると連通位置に切り
換えられ、以後は該プランジャ９が射出完了位置を経て
再び低速前進開始位置に帰還するまでその状態を維持し
続けるようになっている。そして、帰還後(正確には、
製品の脱型及び金型の再セットが完了した後)、リセッ
ト操作がされることで再び遮断位置に設定される。

【００２２】尚、図２及び図３において符号１８は上記
弁体１１側に設けられたリミッター１７との係合状態で
該弁体１１の位置を検出するリミットスイッチ１８であ
る。また、図１において符号２１は製品取り出し用のノ
ックピンである。

【００２３】上記気体排出手段Ｙは、図２及び図３に示
すように、上記バルブ機構１０の弁体１１の内部に形成
された二つの通路、即ち、上記弁体１１が遮断位置にあ
る場合にその一端１２aが上記湯道５の下流部分を介し
て上記キャビティ４に連通せしめられる一方、連通位置
にある場合には該一端１２aが上記弁体嵌挿穴１５の周
壁により閉塞される第１通路１２と、上記弁体１１が遮
断位置にある場合にその一端１３aが該湯道５の上流部
分を介して上記貯湯部７側に連通せしめられる一方、連
通位置にある場合には該一端１３aが上記弁体嵌挿穴１
５の周壁により閉塞される第２通路１３と、これら二つ
の通路１２,１３の下流端１２b,１３bに同時に連通して
これを真空ポンプ(図示省略)に接続させる真空吸引パイ
プ１４とで構成されている。即ち、この実施例において
は、上記バルブ機構１０内に上記気体排出手段Ｙの一部
が組み込まれた状態となっている。

【００２４】続いて、上述の如く構成されたダイキャス
ト金型装置を使用して所定の製品を鋳造成形する場合に
ついてその作動及び作用効果について説明する。

【００２５】鋳造作業に際しては、先ず図１に示すよう
に、ダイキャスト金型Ｚの固定金型１と各固定金型２,
３を相互に衝合させて所定状態にセットするとともに、
上記プランジャ装置Ｘのプランジャ９を低速前進開始位
置に設定し、且つリセット操作により上記バルブ機構１
０を遮断位置に設定する。かかる状態において、真空ポ
ンプを作動させるとともに、上記注湯口１９から上記貯
湯部７内に所定量の溶湯Ｆを供給し、プランジャ９を前
進させて溶湯Ｆの射出作業を開始する。

【００２６】溶湯Ｆが供給され射出作業が開始される
と、該溶湯Ｆからガスが発生しこれがプランジャ９の前
進動作に伴って湯道５側に押し出されるが、該湯道５が
上記バルブ機構１０の弁体１１によって隔離されている
ため、例え貯湯部７側のガス圧力とキャビティ４側の空
気圧力とに差があっても該ガスがキャビティ４側に流入
するということはない。しかも、この場合、上記弁体１
１部分に形成した第１通路１２及び第２通路１３を介し
て上記キャビティ４側と貯湯部７側とがともに真空吸引
され、上記ガス及び残留空気は相互に混じり合うことも
なくそれぞれ積極的に外部へ排出されること、及びバル
ブ機構１０による湯道５の隔離作用と気体排出手段Ｙに
よるガス等の吸引排出作用とがプランジャ９の低速前進
期間の間中比較的長時間に亘って且つ湯面がバルブ機構
１０の近傍に達するまでの間継続されることから、湯道
５内にはほとんどガスが存在せず、またキャビティ４内
は高い真空度が確保されることになる。

【００２７】この状態で、プランジャ９が高速前進開始
位置に達して該プランジャ９の高速前進が開始されると
ともに、上記バルブ機構１０が遮断位置から連通位置に
切替わって湯道５が連通すると、溶湯Ｆは湯道５を介し
て真空度の高いキャビティ４内にスムーズに射出され且
つ十分に充填される。この場合、上述のように、湯道５
内にガスがほとんど存在せず、またキャビティ４内も高
い真空度が確保されていることから、溶湯Ｆ中にガス等
が混入するということがなく、従って、鋳造製品に巣欠
陥が発生せず、それだけ製品の品質あるいは歩留りが向
上するものである。

【００２８】射出完了後、プランジャ９は低速前進開始
位置に帰還する。この状態で、上記ダイキャスト金型Ｚ
を型開きし、ノックピン２１を作動させて製品を取り出
す。以上で一回の鋳造サイクルが完了する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明の実施例にかかるダイキャスト金型装
置の縦断面図である。

【図２】図１のII部の拡大図である。

【図３】図２の状態変化図である。

【符号の説明】

１は固定金型、２は第１可動金型、３は第２可動金型、
４はキャビティ、５は湯道、６はスリーブ、７は貯湯
部、８はプランジャブッシュ、９はプランジャ、１０は
バルブ機構、１１は弁体、１２は第１通路、１３は第２
通路、１４は真空吸引パイプ、１５は弁体嵌挿穴、１６
はシリンダ、１７はリミッター、１８はリミットスイッ
チ、２１はノックピン、Ｘはプランジャ装、Ｙは気体排
出手段、Ｚはダイキャスト金型である。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 衝合・分離可能とされた金型に、プラン
   ジャが摺動可能に嵌挿されるスリーブと所定形状のキャ
   ビティとを、該キャビティが上記スリーブよりも高位に
   位置するようにしてそれぞれ設けるとともに、該キャビ
   ティとスリーブとを湯道を介して相互に連通させ、上記
   スリーブ内に供給された溶湯を上記プランジャにより上
   記湯道を介して上記キャビティに射出充填するようにし
   たダイキャスト金型装置であって、 上記湯道の上記スリーブよりも高い位置に、上記湯道を
   連通あるいは遮断可能とされたバルブ機構と、該バルブ
   機構による上記湯道の遮断状態において上記スリーブと
   上記キャビティとをそれぞれ外部に連通して該スリーブ
   内及びキャビティ内の気体を吸引して外部へ排出せしめ
   る気体排出手段とが設けられていることを特徴とするダ
   イキャスト金型装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、上記プランジャは、
   溶湯射出方向において低速前進範囲とこれに続く高速前
   進範囲の二つの前進動作範囲をもち且つ高速前進移行直
   前に上記スリーブ内の溶湯の湯面が上記バルブ機構の溶
   湯上流側の近傍に達するようにその動作範囲が湯面に対
   応して設定されている一方、 上記バルブ機構は、上記プランジャが低速前進状態から
   高速前進状態に移行する直前に上記湯道を遮断状態から
   連通状態とする如くその作動特性が設定されていること
   を特徴とするダイキャスト金型装置。
3. 【請求項３】 金型内に設けられたキャビティとスリー
   ブとを連通する湯道の途中で且つ上記スリーブより高い
   位置に設けられて該湯道を連通あるいは遮断するバルブ
   機構と、該バルブ機構による上記湯道の遮断状態におい
   て上記スリーブと上記キャビティとをそれぞれ外部に連
   通して該スリーブ内及びキャビティ内の気体を外部へ吸
   引して排出せしめる気体排出手段とを設け、上記スリー
   ブ内に供給された溶湯をプランジャにより上記キャビテ
   ィ内に射出充填するようにしたダイキャスト金型装置を
   使用し、上記バルブ機構をして上記湯道を遮断せしめた
   状態でプランジャを低速前進させて上記スリーブ内の溶
   湯をその湯面が上記バルブ機構の近傍に達するまで押し
   出すとともにこの間に上記スリーブ側に発生するガスと
   上記キャビティ内に残留する空気とをそれぞれ上記気体
   排出手段をして外部へ吸引排出せしめる一方、該湯面が
   バルブ機構の近傍に達した時点で該バルブ機構をして上
   記湯道を連通せしめるとともに上記プランジャを高速で
   前進させて上記溶湯を上記キャビティ内に射出せしめる
   ことを特徴とする鋳造方法。