JPH0672533B2 - V形多気筒エンジンの吸気装置 - Google Patents

V形多気筒エンジンの吸気装置

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JPH0672533B2
JPH0672533B2 JP35266491A JP35266491A JPH0672533B2 JP H0672533 B2 JPH0672533 B2 JP H0672533B2 JP 35266491 A JP35266491 A JP 35266491A JP 35266491 A JP35266491 A JP 35266491A JP H0672533 B2 JPH0672533 B2 JP H0672533B2
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cylinder
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chamber
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鈴木  茂
康夫 北見
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/16Engines characterised by number of cylinders, e.g. single-cylinder engines
    • F02B75/18Multi-cylinder engines
    • F02B75/22Multi-cylinder engines with cylinders in V, fan, or star arrangement

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、V形多気筒エンジンの
各燃焼室に吸気を供給するための吸気装置に関するもの
で、特に、慣性過給と共鳴過給とを利用するようにした
V形多気筒エンジンの吸気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジンにおいては、吸気充填効率を高
めることによってその出力向上を図ることができる。そ
のように吸気充填効率を高める手法としては、慣性過給
や共鳴過給などが知られている。慣性過給は、吸気弁の
開弁によって生ずる吸気流の慣性を利用して、吸気行程
の後半に吸気が燃焼室内に押し込まれるようにするもの
である。吸気弁が開くと、ピストンの下降に伴って生ず
る燃焼室内の負圧により、吸気経路内の気柱が燃焼室に
向かって加速される。そして、その慣性により、ピスト
ンの下降が終了したときにも吸気が燃焼室内に流入し続
ける。すなわち、過給される。このような慣性過給を利
用すると、吸気系のチューニングのみで容易に充填効率
を高めることが可能となる。しかも、その吸気慣性効果
が適合するエンジン回転数領域は比較的広い。このよう
なことから、この慣性過給は、エンジンの出力向上を図
るための有効な手法として広く用いられている。
【0003】一方、共鳴過給は、吸気弁開時期の異なる
複数の気筒を、それぞれ独立した吸気管により共鳴管を
備えた一つのチャンバに接続し、そのチャンバ内に生ず
る圧力振動と各気筒の吸気サイクルとを同調させること
によって吸気充填効率を高めようとするものである。共
鳴管を備えたチャンバは、そのチャンバの容積と共鳴管
の長さ及び径とによって定まる固有振動数を有してい
る。したがって、各気筒の吸気弁の開閉周期がその固有
振動数に合致すると、吸気弁が開いているときにチャン
バ内に最大圧力が発生するようになり、大きな過給効果
を得ることができる。
【0004】ところで、慣性過給の場合、エンジンの連
続運転中では、吸気系内に生ずる吸気脈動の周期が吸気
弁の開弁時間と合致するときに、吸気充填効率が最大と
なる。すなわち、慣性過給の同調点は吸気経路の有効管
長及び断面積によって定まる。そのために、吸気経路の
長さ及び径が一定であると、エンジン回転数が一定の範
囲内にあるときにしか過給効果は得られない。上述のよ
うにその適合範囲はかなり広いが、自動車用エンジンの
ように極めて広い回転数領域で使用される場合には、慣
性効果が得られるエンジン回転数領域は限られることに
なる。慣性過給によって常に高い充填効率が得られるよ
うにするためには、エンジンの回転数に応じて吸気管長
あるいは断面積を異ならせることが必要となる。そこ
で、従来、例えば実公昭58-56330号公報に示されている
ように、分配チャンバから一つの燃焼室に吸気を供給す
る吸気経路に長い吸気管と短い吸気管とを設け、それら
の吸気管を切換弁によりエンジン回転数に応じて切り換
えるようにした可変慣性過給式の吸気装置が提案されて
いる。このような吸気装置によれば、エンジンの低回転
時には長い吸気管を通して吸気が供給され、高回転時に
は短い吸気管を通して吸気が供給されるようにすること
によって、エンジンの低速域及び高速域のいずれにおい
ても高い吸気慣性効果が得られるようになり、エンジン
の出力トルクを高めることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自動車
用エンジンの場合には、上述のように使用されるエンジ
ン回転数領域が極めて広いので、そのようにエンジンの
低速域と高速域との二つの領域に慣性効果の適合部分が
形成されるようにしても、エンジンの中速域においては
トルク特性曲線が深い谷となり、高い出力トルクを得る
ことができないという問題がある。エンジンの中速域に
おいて慣性効果が得られるように設定すれば、そのよう
なトルク曲線の谷は浅いものとすることができるが、そ
の代わりに、エンジンの低速域あるいは高速域における
出力トルクが低下してしまう。そのために、慣性過給の
みでは、エンジンの全回転数領域においてフラットで高
いトルク特性が得られるようにすることは難しい。
【0006】一方、共鳴過給の場合には、共鳴効果が得
られるエンジン回転数は吸気系の固有振動数、すなわち
共鳴箱として作用するチャンバの容積と共鳴管の長さ及
び径とによって定まることになる。したがって、それら
が一定の場合には、エンジン回転数が一定範囲にあると
きにしか共鳴効果は得られない。しかも、その共鳴効果
が得られるエンジン回転数領域、すなわち共鳴過給の適
合領域は狭い。そして、その領域から外れると、充填効
率はかえって低下する。そのために、この共鳴過給によ
っても、エンジンの全回転数領域にわたって高い出力ト
ルクが得られるようにすることはできない。
【0007】本発明者らは、上述のような可変慣性過給
と共鳴過給とを組み合わせるようにすれば、より広いエ
ンジン回転数領域で出力向上を図ることができると考え
た。例えばエンジンの低速域と高速域とに慣性過給の適
合領域を設定し、トルクの谷となる中速域に共鳴過給の
適合領域を設定するようにすれば、エンジンの低速域か
ら高速域にまでわたってフラットで高いトルク特性が得
られるようになる。しかしながら、そのようにするため
には、多数の吸気管やチャンバを設けることが必要とな
る。しかも、吸気経路の長さが長くなるので、吸気抵抗
の増大を防止するために、吸気管等はできるだけストレ
ート状とすることが求められる。そのために、吸気系の
レイアウトが著しく困難となる。
【0008】ところで、V形多気筒エンジンの場合に
は、一般に、各気筒列は吸気弁開時期の異なる気筒によ
って構成される。しかも、その気筒列間には空間が形成
される。したがって、その空間をうまく利用すれば、上
述のように可変慣性過給と共鳴過給とを組み合わせた吸
気装置を得ることが可能と考えられる。本発明は、この
ようなV形多気筒エンジンの特徴に着目してなされたも
のであって、その目的は、エンジンの全回転数領域にお
いて出力向上を図ることのできるV形多気筒エンジンの
吸気装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明では、V形多気筒エンジンの各気筒列に対応
して一対の分配チャンバを設け、それらの分配チャンバ
を各気筒列に沿って配置するとともに、その分配チャン
バと、その分配チャンバから遠い側の気筒列に属する各
気筒の燃焼室とを長い主吸気管によって、また、その分
配チャンバと、その分配チャンバに近い側の気筒列に属
する各気筒とを短いバイパス吸気管によって、それぞれ
接続するようにしている。各気筒に接続される主吸気管
とバイパス吸気管とは、それぞれ管長切換弁によって切
り換えられるようにされている。また、各分配チャンバ
は、開閉弁を備えた大径の連通路によって、互いに連通
あるいは遮断されるようになっている。そして、各分配
チャンバは、それぞれ独立した共鳴管を介して集合チャ
ンバに接続されている。
【0010】
【作用】このように構成することにより、主吸気管とバ
イパス吸気管とを管長切換弁によって切り換えれば、各
気筒が分配チャンバにその長い主吸気管あるいは短いバ
イパス吸気管を介して接続されることになり、それぞれ
に応じたエンジン回転域において吸気慣性効果が得られ
るようになる。また、各分配チャンバ間を開閉弁によっ
て遮断すれば、各気筒群の吸気系がそれぞれ独立したも
のとなり、その吸気系の固有振動数に応じたエンジン回
転数領域において共鳴効果が得られるようになる。した
がって、例えばエンジンの低速域において共鳴効果が得
られ、中速域及び高速域において吸気慣性効果が得られ
るように設定しておけば、エンジンの全回転域において
吸気充填効率が高められ、フラットで高いトルク特性曲
線が得られるようになる。そして、各分配チャンバがV
形多気筒エンジンの各気筒列に沿ってそれぞれ配置され
ることにより、一方の分配チャンバは他方の気筒列から
遠く離れて位置することになる。したがって、一方の気
筒列の気筒と各分配チャンバとをそれぞれ吸気管によっ
て接続するようにすれば、それらの吸気管をストレート
状のものとしても、一方の吸気管は長くなり、他方の吸
気管は短くなる。すなわち、長短の吸気管を設けること
が容易となり、しかもそれらをストレート状とすること
ができる。更に、一対の分配チャンバは近接して配置さ
れることになるので、それらの分配チャンバ間を連通さ
せる連通路は短くなり、その連通路による影響を小さく
抑えることができる。
【0011】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。図は本発明によるV形多気筒エンジンの吸気装置の
一実施例を示すもので、図1はそのエンジンの要部切り
欠き正面図であり、図2はその概略平面図である。これ
らの図から明らかなように、このエンジンはV形6気筒
エンジンであり、エンジン本体1には一対の気筒列、す
なわち第1気筒列21 及び第2気筒列22が、左右V字
形に開いて配設されている。各気筒列21 ,22 には、
それぞれ3本の気筒31 ,31 ,31 ;32 ,32 ,3
2 が、クランク軸(図示せず)の軸線方向に配列されて
いる。気筒31 あるいは32 が形成されたシリンダブロ
ック4の上面には、シリンダヘッド5が組み付けられて
いる。そして、そのシリンダヘッド5の底面には、各気
筒31 ,32 に対向する位置に、それぞれ燃焼室6が設
けられている。シリンダヘッド5の内部には、この燃焼
室6にそれぞれ開口する吸気ポート7と排気ポート8と
が設けられており、そのポート7,8の燃焼室6側の開
口は、それぞれ吸気弁9及び排気弁10によって開閉さ
れるようになっている。各気筒列21 あるいは22 に属
するそれぞれ3本の気筒31 ,31 ,31 あるいは3
2 ,32 ,32 の吸気弁9,9,9は、その開弁時期が
120°の位相差を有し、互いにオーバラップすることの
ないようにされている。吸気ポート7の入口は、気筒列
1,22 間の谷間側に位置するシリンダヘッド5の側
部上面に開口し、排気ポート8の出口は、シリンダヘッ
ド5の他側面に開口している。
【0012】気筒列21 ,22 間には、それに平行に第
1分配チャンバ111 と第2分配チャンバ112 とが配
設されている。これら第1及び第2分配チャンバ11
1 ,112 は、それぞれ第1及び第2気筒列21 ,22
から遠い側に位置するようにされている。そして、第1
分配チャンバ111 と第1気筒列21 の各吸気ポート
7,7,7とが、それぞれ独立した比較的小径の長い主
吸気管121 ,121 ,121 を介して接続されてい
る。また、第2分配チャンバ112 と第2気筒列22
各吸気ポート7,7,7とが、同様の主吸気管122
122 ,122 を介して接続されている。更に、第2分
配チャンバ112 と第1気筒列21 の各吸気ポート7,
7,7とが、それぞれ独立した比較的大径の短いバイパ
ス吸気管131,131 ,131 を介して接続されてい
る。同様に、第1分配チャンバ111 と第2気筒列22
の各吸気ポート7,7,7とが、それぞれバイパス吸気
管132,132 ,132 を介して接続されている。主
吸気管121 ,122 及びバイパス吸気管131 ,13
2 はともにほぼストレート状のものとされている。そし
て、主吸気管121 ,122 は、一端がそれぞれ分配チ
ャンバ111 ,112 の下面に開口し、他端がバイパス
吸気管131,132 のシリンダヘッド5側の端部、す
なわちその下流側の端部に開口するようにされている。
したがって、主吸気管121 ,122 を流れる吸気とバ
イパス吸気管131 ,132 を流れる吸気とは、下流側
の端部において合流するようになっている。そのバイパ
ス吸気管131 ,132 の端部には、各吸気ポート7,
7,…内に向けて燃料を噴射する燃料噴射ノズル14,
14,…が取り付けられている。
【0013】また、バイパス吸気管131 ,132 の分
配チャンバ112 ,111 側の端部には、そのバイパス
吸気管131 ,132 を開閉し得る管長切換弁15,1
5,…が設けられている。この管長切換弁15,15,
…はバタフライ型のもので、各3本のバイパス吸気管1
1 ,132 に設けられた各3個の弁15が連動して、
アクチュエータ16,16によって同時に開閉されるよ
うになっている。このアクチュエータ16は、エンジン
回転数が所定の高回転数に達したとき、その回転数変化
に応じて比較的ゆっくりと作動され、エンジンの高回転
域では管長切換弁15を開き、それ以下の回転域ではそ
の弁15を閉じるようにされている。したがって、その
管長切換弁15は、全閉から全開に至るまでのエンジン
回転数領域においてはそのときの回転数に応じた中間開
度をとるようになっている。そして、主吸気管121
122 の長さ及び径は、エンジンの中速域における所定
回転数Nm のときに吸気慣性効果が最大となるように設
定され、バイパス吸気管131 ,132の長さ及び径
は、エンジンの高速域における所定回転数Nhのときに
吸気慣性効果が最大となるように設定されている。
【0014】第1及び第2分配チャンバ111 ,112
は、大径の連通路17によって互いに接続されている。
そして、その連通路17は、バタフライ型の開閉弁18
によって開閉されるようになっている。この開閉弁18
は、エンジン回転数が所定の低回転数以上となったとき
作動するアクチュエータ19によって、エンジン回転数
変化に応じて比較的ゆっくりと開閉され、エンジンの低
回転域では連通路17を遮断し、それ以上の回転域では
連通路17を導通させるようにされている。なお、便宜
上、図では連通路17はバイパス吸気管131 ,132
と同程度の径で比較的長いものとされているが、実際に
は、その径はできるだけ大きく、また、その長さはでき
るだけ短くされる。ただし、その径を大きくすると、開
閉弁18も大形のものとすることが必要となり、アクチ
ュエータ19が大形化する。そこで、連通路17の径を
あまり大きくすることが望ましくない場合には、その連
通路17を複数本に分割し、それらの連通路17を多連
式の開閉弁18によって同時に開閉させるようにする。
また、第1及び第2分配チャンバ111 ,112 は、そ
の一端から延出して反転し、気筒列21 ,22 間の谷間
を通って他端側にまで延びる、互いに独立した長い共鳴
管201 ,202 によって、小容積の集合チャンバ21
に接続されている。この共鳴管201 ,202 の長さ及
び径は、各分配チャンバ111 ,112の容積ととも
に、エンジンの低速域における所定回転数Nl のときに
最大の共鳴効果が得られるように設定されている。集合
チャンバ21にはスロットルボディ22が取り付けら
れ、エアクリーナ(図示せず)から吸入された吸気が絞
り弁23によって計量された後、その集合チャンバ21
に導入されるようになっている。
【0015】次に、このように構成された吸気装置の作
用について説明する。エンジンの低回転時には、管長切
換弁15及び開閉弁18はいずれも閉じており、バイパ
ス吸気管131 ,132 及び分配チャンバ111 ,11
2 間の連通路17はいずれも遮断されている。したがっ
て、エアクリーナからスロットルボディ22を通して集
合チャンバ21に導入された吸気は、一対の共鳴管20
1 ,202 に分配され、それぞれ第1及び第2分配チャ
ンバ111 ,112 に導かれる。そして、その各分配チ
ャンバ111 ,112 においてそれぞれ3本の主吸気管
121 ,122 に分配され、対応する気筒列21 ,22
の吸気ポート7を通して、各気筒31 ,32 の燃焼室6
に導かれる。この間に、燃料噴射ノズル14から燃料が
噴射され、その燃料が吸気とともに燃焼室6に供給され
る。
【0016】ところで、このような吸気の流れは、各気
筒31 ,32 の吸気行程によって引き起こされる。そし
て、このときには、集合チャンバ21より下流側の吸気
系は、各気筒列21 ,22 ごとにそれぞれ独立したもの
となっている。しかも、各気筒列21 ,22 に属する3
本の気筒31 ,31 ,31;32 ,32 ,32 は、その
吸気弁9の開弁時期が 120゜の位相差を有するようにさ
れている。したがって、ある気筒31 ,32 が吸気行程
に入ると、その気筒31 ,32 において発生した圧力波
が、主吸気管121 ,122 から分配チャンバ111
112 及び共鳴管201 ,202 を通して集合チャンバ
21にまで伝播する。その結果、分配チャンバ111
112 内に圧力振動が発生する。その場合、集合チャン
バ21から分配チャンバ111 ,112 に至る共鳴管2
1 ,202 は十分に長い所定の長さに設定されてい
る。また、分配チャンバ111 ,112 の容積も所定の
大きさに設定されている。したがって、その共鳴管20
1 ,202 から分配チャンバ111 ,112 に流れる吸
気は、比較的低い所定の固有振動数を有することにな
る。その結果、エンジンの低回転域においては、主吸気
管121 ,122 と分配チャンバ111 ,112 との間
で共鳴が起こり、吸気はその圧力振動に伴って燃焼室6
内に押し込まれるようになる。こうして、共鳴効果が働
き、吸気充填効率が高められる。また、このとき、一方
の共鳴管201 における圧力波と他方の共鳴管202
おける圧力波とは方向が逆となる。そして、集合チャン
バ21は容積の小さなものとされているので、その集合
チャンバ21による圧力振動の減衰は小さい。したがっ
て、一方の共鳴管、例えば201 において集合チャンバ
21に向かう圧力波が他方の共鳴管202 に伝えられ、
その共鳴管202において分配チャンバ112 に向かう
圧力波が強められる。その結果、エンジンの低速回転域
においても大きな過給効果が得られるようになり、吸気
充填効率が更に向上する。こうして、このときのエンジ
ンのトルク特性曲線は、図3にIで示されているよう
に、低いエンジン回転数Nl においてピークを有する曲
線となる。すなわち、エンジンの出力トルクは、低速域
において高くなる。
【0017】エンジンの回転数が上昇し、所定の中速回
転数を超えると、アクチュエータ19が働いて、開閉弁
18が徐々に開く。それによって、第1及び第2分配チ
ャンバ111 ,112 は連通路17を介して互いに連通
し、一つの分配チャンバと同様に働くようになる。した
がって、各気筒31 ,32 から発生した圧力波は、その
分配チャンバ111 ,112 によって打ち消され、共鳴
効果は生じなくなる。しかしながら、このときにも管長
切換弁15が閉じられていて、吸気は分配チャンバ11
1 ,112 から比較的長い主吸気管121 ,122 を通
して各気筒31,32 に導かれる。そして、その主吸気
管121 ,122 は、エンジンの中速域において吸気慣
性効果が得られる寸法に設定されている。したがって、
このときには、その慣性効果によって吸気充填効率が高
められる。こうして、このときのエンジンのトルク特性
曲線は、図3にIIで示されているように、中速のエンジ
ン回転数Nm においてピークを有する曲線となる。すな
わち、エンジンの出力トルクは、中速域において高くな
る。
【0018】エンジンの回転数が更に上昇し、所定の高
速回転数を超えると、アクチュエータ16が働いて、管
長切換弁15が徐々に開く。それによって、バイパス吸
気管131 ,132 が導通する。したがって、分配チャ
ンバ111 ,112 に導入された吸気は、主吸気管12
1 ,122 に分配されるばかりでなく、バイパス吸気管
132 ,131 にも分配されるようになる。そして、バ
イパス吸気管131 ,132 に流入した吸気は、対応す
る主吸気管121 ,122 を通して導かれてきた吸気と
合流し、各気筒31 ,32 の燃焼室6に供給される。こ
のとき、バイパス吸気管131 ,132 は、主吸気管1
1,122 に比べて管長が短く、断面積が大きいもの
とされているので、各気筒31 ,32 に導かれる吸気の
流れは、バイパス吸気管131 ,132 を流れるものが
支配的となる。すなわち、その管長としては、バイパス
吸気管131 ,132 が強く影響するようになる。そし
て、そのバイパス吸気管131 ,132 は、エンジンの
高速域において吸気慣性効果が得られる長さに設定され
ているので、このときには、その慣性効果によって吸気
充填効率が高められる。このときのエンジンのトルク曲
線は、図3にIII で示されているように、高いエンジン
回転数Nh においてピークを有する曲線となる。すなわ
ち、エンジンの出力トルクは、高速域において高いもの
となる。
【0019】なお、このようにエンジンの中速域あるい
は高速域において開閉弁18を開いたとき、分配チャン
バ111 ,112 間は連通路17によって連通するよう
にされているので、その連通路17にも圧力振動が生じ
ることになる。しかしながら、その連通路17は十分に
径が大きく、かつ短いものとされているので、その圧力
振動の周波数は極めて高い。したがって、その圧力振動
によって主吸気管121 ,122 あるいはバイパス吸気
管131 ,132 を流れる吸気に影響が及ぼされること
はない。分配チャンバ111 ,112 がV形多気筒エン
ジンの気筒列21 ,22 間に配設されているので、その
ように連通路17を短くすることができる。また、その
ように短くされるので、その径を大きくしても、重量が
大幅に増加することは防止される。
【0020】このようにして、この吸気装置によれば、
エンジンの低速域、中速域、及び高速域のいずれにおい
ても、高い出力トルクが得られるようになる。そして、
その低速域、中速域、高速域の間においては、バタフラ
イ型の開閉弁18あるいは管長切換弁15が半開状態を
経過するので、共鳴効果あるいは吸気慣性効果が徐々に
表れるようになる。したがって、エンジンのトルク特性
曲線は、図3に太線で示されているように、谷の浅いフ
ラットな曲線となり、切り換え時にショックが生じるよ
うなこともなくなる。
【0021】そして、第1分配チャンバ111 が第2気
筒列22 側に配置され、第2分配チャンバ112 が第1
気筒列21 側にそれぞれ配置されるので、それらの分配
チャンバ111 ,112 と各気筒列21 ,22 に属する
気筒31 ,32 の燃焼室6との間を結ぶ主吸気管12
1 ,122 は、ストレート状としながらも十分に長くす
ることができる。したがって、吸気抵抗を低く抑えるこ
とができ、特にエンジンの低速域における出力を一層向
上させることができる。また、一対の分配チャンバ11
1,112 がV形多気筒エンジンの一対の気筒列2,2
間に配置されることにより、その分配チャンバ111
112 間の距離が小さくなるので、上述のようにその間
を連通させる連通路17を短くすることができる。更
に、それらの分配チャンバ111 ,112 に接続される
共鳴管201 ,202 もその気筒列21,22 間に配置
することができる。したがって、V形多気筒エンジンの
気筒列21 ,22 間の空間が有効に利用されるようにな
り、エンジン全体をコンパクトに構成することができ
る。
【0022】なお、上記実施例においては、エンジンの
低速域で共鳴効果が生じ、中速域及び高速域で吸気慣性
効果が生じるようにしているが、主吸気管121 ,12
2 、バイパス吸気管131 ,132 、あるいは共鳴管2
1 ,202 の管長や径、管長切換弁15及び開閉弁1
8の開閉時期等を適宜設定することにより、エンジンの
低速域及び高速域で吸気慣性効果が得られ、その間の中
速域におけるトルク曲線の谷間が共鳴効果によって補わ
れるようにしたり、エンジンの低速域及び中速域におい
ては吸気慣性効果が働き、高速域において共鳴効果が働
くようにしたりすることもできる。更に、連通路17の
寸法や開閉弁18の開度を適切に設定することにより、
共鳴効果がエンジンの低速域と高速域との2段階で働
き、共鳴効果と吸気慣性効果とが合計四つのエンジン回
転数領域で現れるようにして、より広い範囲にわたって
高い出力トルクが得られるようにすることも可能であ
る。
【0023】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、V形多気筒エンジンの一対の気筒列間に一対
の分配チャンバを設け、その気筒列の各燃焼室と各分配
チャンバとをそれぞれ吸気管によって接続するようにし
ているので、長い主吸気管と短いバイパス吸気管とを容
易に配設することができる。そして、各分配チャンバ間
を大径の連通路によって連通させるようにしているの
で、エンジンの異なる二つの回転域において吸気慣性効
果を働かせることができる。しかも、長い方の主吸気管
をもストレート状のものとすることができるので、その
吸気抵抗を小さく抑えることができ、特に低速域におけ
る吸気充填効率を高めることができる。また、その分配
チャンバ間を遮断可能とするとともに、それらの分配チ
ャンバをそれぞれ独立した共鳴管によって集合チャンバ
に接続するようにしているので、共鳴効果を働かせるこ
ともできる。したがって、少なくとも三つのエンジン回
転数領域において吸気充填効率を高めることができ、広
い範囲にわたって出力の高いエンジンとすることができ
る。更に、V形多気筒エンジンの気筒列間の空間等を利
用して、その空間内に分配チャンバ及び吸気管等を収容
するようにしているので、コンパクトなエンジンとする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による吸気装置の一実施例を示すもの
で、その吸気装置を備えたV形多気筒エンジン要部切り
欠き正面図である。
【図2】その吸気装置の要部切り欠き概略平面図であ
る。
【図3】そのエンジンのトルク特性曲線を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 エンジン本体 21 ,22 気筒列 31 ,32 気筒 6 燃焼室 9 吸気弁 111 ,112 分配チャンバ 121 ,122 主吸気管 131 ,132 バイパス吸気管 15 管長切換弁 17 連通路 18 開閉弁 201 ,202 共鳴管 21 集合チャンバ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気弁開時期がそれぞれ異なる複数の気
    筒によって構成される一対の気筒列がV字形に配設され
    るV形多気筒エンジンの吸気装置であって; 前記一対の気筒列の間に、一対の分配チャンバがそれら
    気筒列の長手方向にほぼ平行に並置されており、 それらの分配チャンバとその分配チャンバから遠い側の
    気筒列に属する各気筒の燃焼室とが比較的長い主吸気管
    を介してそれぞれ接続されるとともに、その分配チャン
    バに近い側の気筒列に属する各気筒の燃焼室とが比較的
    短いバイパス吸気管を介してそれぞれ接続され、それら
    各気筒の主吸気管とバイパス吸気管とを切り換える管長
    切換弁が設けられていて、 前記一対の分配チャンバ間が、開閉弁を有する連通路に
    より連通遮断可能とされるとともに、 それらの分配チャンバが、それぞれ独立した共鳴管を介
    して集合チャンバに接続されていることを特徴とする、 V形多気筒エンジンの吸気装置。
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